『リプレイ・スタブCase02:リトマチガルは凍えて』(GM:DT)


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【リプレイ・スタブ シリーズ】
Case01:回儀(まわりふるま)うダムアンディ』
Case02:『リトマチガルは凍えて』
Case03:『シンダーエラの遺したものは』

登場人物一覧(立ち絵クリックで差分)

“シンダーブレイズ”
風花(かざはな)春悠(はるちか)

(PC1:すきゃっと)

キャラシート

“パイロープ”
木花(きばな)時雨(しぐれ)

(PC2:嗣子)

キャラシート

“タルト・トタン”
夏川(なつかわ)早苗(さなえ)

(PC3:缶詰)

キャラシート

“フル”
鈴木(すずき)千秋(ちあき)

(PC4:立川)

キャラシート

“ミュー・シーフィ”
木花(きばな)小夜(さよ)

(NPC:DT)

キャラシート





【Index】

オープニング:風花春悠<追憶>
オープニング:木花時雨<再会>
オープニング:鈴木千秋<日常>
オープニング:木花小夜<遭遇>
オープニング:夏川早苗<オフ>

ミドルフェイズ1

ミドルフェイズ2-1:夏川早苗 / 舞台裏
ミドルフェイズ2-2:木花小夜 / 舞台裏
ミドルフェイズ2-3:鈴木千秋 / 舞台裏
ミドルフェイズ2-4:木花時雨 / 舞台裏

ミドルフェイズ3
ミドルフェイズ4

インタールード:風花春悠
ミドルフェイズ5-1:木花小夜 / 舞台裏
ミドルフェイズ5-2:木花時雨 / 舞台裏
ミドルフェイズ5-3:鈴木千秋 / 舞台裏
ミドルフェイズ5-4:夏川早苗 / 舞台裏

ミドルフェイズ6

クライマックス

トリガーシーン

エンディング1
エンディング2
エンディング3
エンディング4

【プリプレイ】

GM:ピラニ……ヒロインズセッション第2回!
GM:はじまるよ~
鈴木千秋:wow wow
風花春悠:ワオワオ!
夏川早苗:わぁーい
木花時雨:はい、よろしくお願いいたします。
GM:ではまずは自己紹介から!
GM:最初は生にえ……えっと
GM:PC1からお願いします。
風花春悠:はい!
風花春悠キャラシート
風花春悠:風花春悠(かざはな はるちか)です。
風花春悠:16歳、UGNチルドレン。カヴァーは高校生。
風花春悠:チルドレンらしく施設育ちです。同期の子たちも沢山いたけどもう殆ど残ってません。
GM:たくさん減っちゃったね……
風花春悠:前に任務で死にかけた際に親友から命と引き換えに遺産を貰って能力が変質してしまいました。かなしいし困った
GM:悲しい物語……
GM:どういう事があったのかは
GM:最初のオープニングで触れようと思います
風花春悠:やった~(?)
風花春悠:カヴァーで高校生やってる時は優等生ですが、チルドレンの時は死ぬほど人当たりが悪いです
風花春悠:性能は素手を強くして色々やります。死招きの爪・餓狼の爪・瞬速の刃・復讐の刃の二本爪二枚刃構成です
GM:めちゃめちゃ贅沢だ
風花春悠:チルドレンらしく情に絆されたりしないぞ よろしくお願いします!
GM:ほんとかな~?
GM:とにかく了解!君のハンドアウトはこれね。
・PC1/風花春悠用ハンドアウト
シナリオロイス:“パイロープ”木花時雨 推奨感情 P:任意/N:任意
シナリオロイス:“タルト・トタン”夏川早苗 推奨感情 P:任意/N:任意
シナリオロイス:“フル”鈴木千秋 推奨感情 P:任意/N:任意
シナリオロイス:“ミュー・シーフィ”木花小夜 推奨感情 P:任意/N:任意

君はある少女の遺産を継ぎ、接いだUGNチルドレンだ。
君のもとに、一つの任務が舞い込んだ。それは市内で繰り広げられる広域任務。
さらには、4人の少女たちを率いる小隊長となり、彼女らを導かねばならないという。
君は彼女らと絆を構築し、困難に立ち向かう必要がある。そして、その先で。
GM:シナリオロイスいっぱい取って!
風花春悠:ウグゥ~~ッ
風花春悠:取るしかねえ……!
風花春悠:仕事ですからね やりますよ
GM:そうわよ
GM:彼女たちを導く立場ですからね
GM:突き放してばかりはいられませんよ
風花春悠:ウウッ……
風花春悠:頑張ります
GM:頑張って!
GM:ではヒロインズの登場!
GM:一人目は木花時雨ちゃん!
木花時雨:はい。
木花時雨キャラシート
木花時雨:高校潜入をよくやっていたチルドレン、木花時雨(きばな・しぐれ)です。
木花時雨:16歳。女性。身長は157CM…ええと。この体重とか、スリーサイズ欄も言った方がよろしいので?
木花時雨:まあ、気になるなら資料をご覧ください。
GM:別売りの資料が……
木花時雨:春悠くんと同じチルドレン養成施設で、姉と一緒に育ちましたが
木花時雨:此方は二人と違って、とんでもない劣等生。具体的に言うとイージーエフェクトとリザレクトくらいしか使えないくらい。
木花時雨:そんなんだったので、本当に何も出来ない身として、学校潜入や事務ばかりしていました。
木花時雨:ですが、別売り…売ってるですかこれ?の資料の通り、姉…“アルマンディン”木花小夜のMIAと引換に、戦えるようになっています。
木花時雨:対抗種。その中でも特別劇性が高い“オーバーカウンター”です。
木花時雨:まあそんな事情があるので、頑張ってチルドレン業に励み、最近春悠君と一緒の支部に来ました。
木花時雨:データ的には、シンプルな災厄+対抗種+ブラッドボム。
木花時雨:100超えれば一発のラスアクがあります。
木花時雨:姉さんとは違い才能がないので。
GM:???
GM:バケモノみたいな性能をして何を……?
木花時雨:では…春悠さん……えっと……
木花時雨:隊長さん?どうか、よろしくお願いしますね。
木花時雨:以上です。これ以上はわたし自身か、資料をお求めください。
木花時雨:…失礼。わたし自身にお聞きくださいです。言い間違いました。
GM:はあい
GM:ハンドアウト!
・PC2/木花時雨用ハンドアウト
シナリオロイス:“シンダーブレイズ”風花春悠 推奨感情 P:任意/N:任意
君は風花春悠と同じ、“白鳥の隠れ家(スワンコバート)”出身のUGNチルドレンだ。
彼とともに従事する任務。その中には、転校生の名前もある。
その名前を見まごうはずもない。それはMIAになったはずの君の姉、木花小夜だ。
君の目的は、君と君の姉、そして彼とのこれからの関係性を見つけていくことだ。
GM:お姉ちゃんが出てくるんですって
木花時雨:姉さん……?!(すごいびっくりしたかお
木花時雨:えっ……
GM:そうわよ
GM:君に能力を奪われた姉です
木花時雨:ご、ごめんなさい……そんなつもりじゃ…
木花時雨:頑張ります…
GM:頑張って!
GM:次のヒロイン!
GM:夏川早苗ちゃん!
夏川早苗:はい。
夏川早苗キャラシート
夏川早苗:「夏川早苗です。……ん?何かな。まだ用事あった?」
夏川早苗:夏川早苗(なつかわ・さなえ)。
夏川早苗:UGNからは《タルト・トタン》の名前で呼ばれてます。
夏川早苗:千尋沢高校2年生の16歳、黒髪みつあみ眼鏡の気難しい女子です。
夏川早苗:身長は165cm。スリーサイズ?……図ったことないわね。
夏川早苗:普段は大人しく、他人と絡むより本を読んだり、放課後はすぐ帰ったりするタイプです。
夏川早苗:あまり、誰かと親しくしてるイメージのない女子ですが…?
夏川早苗: 
夏川早苗:『早川なつみです!皆ー!私が居ない間寂しかったー!?』
夏川早苗:ですがそれは仮の姿。いえオフの姿!
夏川早苗:その正体は今をときめくアイドル、早川なつみ(はやかわ・─)(芸名)さんですよ!
GM:わっオンに!
GM:ログではわかりませんが立ち絵が切り替わっていますよ!
夏川早苗:オンです!
夏川早苗:そうですよ皆さん!
夏川早苗:というわけで、放課後はアイドルをやっています。スリーサイズが知りたい方は週刊誌の表紙に載るのを待ってね?
GM:載るんですか
GM:いつ出ますか
夏川早苗:皆が私を好きになってくれたら…かな?
夏川早苗:アイドル時は眼鏡を外して髪を解き、衣装に身を包んだりします。たまに眼鏡もかけたまま。
夏川早苗:別に二重人格とかじゃないですよー。素としてはこっちです。学校では身バレ対策!
GM:危険ですからね
夏川早苗:学校で話題を振られるとうふふ、ってなるとかならないとか。
夏川早苗:危険です。
夏川早苗:アイドル業は小学校上る前から養成所に通い、中学~高校で知名度が上がり始めた感じです。
夏川早苗:入学時に身バレを警戒して大人しく過ごしてました。
GM:今じゃみんな知ってるぜ
GM:常識のないチルドレンでもない限りは……
夏川早苗:ですがその過去にR案件に巻き込まれ、頼りになる男の子に助けてもらったんですって。
夏川早苗:更に同じ学校だなんて言うからびっくり。
夏川早苗:覚醒してオーヴァードとかになったので、秘密を共有するものとしてたまに話してる姿が目撃されるとかされないとか。
夏川早苗:あ、能力はバロール/ウロボロス、とか言って。黒いドロドロを成形して相手にぶつけるとすごいことになります。
GM:えげつなくない……?
夏川早苗:次のダメージは+7Dだったり、行動値が0になったり、それを範囲にばらまいたり。
夏川早苗:一人だとなんにも出来ないから、ファンの皆のお陰で戦えてるってわけですね。
GM:合計ダメージダイス何個になるんだこいつら
夏川早苗:あ、時の棺?で相手を失敗させます。見惚れちゃったのかな?
夏川早苗:というわけで、学生とアイドルとUGN。3足のわらじ。頑張っていこうと思います!
夏川早苗:よろしくおねがいします!
GM:はあい!
GM:ハンドのアウトはこちら!
・PC3/夏川早苗用ハンドアウト
シナリオロイス:“シンダーブレイズ”風花春悠 推奨感情 P:任意/N:任意
君はアイドル業の傍ら学生生活を送っていることを、風花春悠と共有するオーヴァードだ。
アイドルとの二重生活の中で、君はUGNの集団任務を要請される。
近頃、君はストーカーに付け狙われている。その解明も、任務の一つにあるという。
君の目的は、彼によって救われた今の立場を、悪意より守り抜くことだ。
GM:ストーカーですって
GM:人気商売は辛いですね
夏川早苗:大変じゃないですか!
夏川早苗:人の風上にも置けませんね。(みつあみあみ)
夏川早苗:春悠くんに助けてもらった命、大切にしなきゃね
GM:そうわよ
GM:とにかくそういう感じ!頑張って解決しましょうねえ
夏川早苗:でも……困ってたら、助けてくれるよね?
夏川早苗:はーい!
GM:ネクストヒロイン!
GM:鈴木千秋ちゃん!
鈴木千秋キャラシート
鈴木千秋:「ん?あっ、出番?ごめんごめん!」
鈴木千秋:「ちーっす!鈴木だよ。」
鈴木千秋:肩甲骨付近まで伸ばしたセミロングの髪と、均整の取れた肉体の、今時女子高生です
鈴木千秋:概念的に言うと、「オタクに優しいギャル−ギャル」みたいな感じ?
鈴木千秋:馴れ馴れしく距離感の近い、フランクに接してくるチルドレンです。カバーは高校生。ハル先輩と同じです
鈴木千秋:ハル先輩のことは、ハルくん先輩と呼んだりSpring先輩と呼んだりします
GM:そんなフランクさの発露ある?
鈴木千秋:ポジティブ思考であり、明るく軽い性格フランクな少女です。年上にもこんな感じ。でも礼節は忘れないよ
鈴木千秋:そんなハルくん先輩と仲良しの鈴木ですが、とある任務を持っています
GM:それは一体……?
鈴木千秋:ええ。実は、先輩の遺産にはある特長があって
鈴木千秋:無理やり譲渡された遺産なので、なんと、いつ暴走してもおかしくないんですよ!
鈴木千秋:なので、その遺産が暴走しないよう、先輩はとってもチョロ……安全な人ですって証明するのが鈴木の任務って訳です
GM:なんてこった
鈴木千秋:紹介としてはこんな所ですけど、えーと
鈴木千秋:ちょっとまってね
鈴木千秋:「鈴木のスリーサイズ?知りたいの?別に良いけど」
鈴木千秋:「どうせなら、当ててほしいかな、なーんて」
GM:なんでスリーサイズ談義が必修化されたの
鈴木千秋:(ピロン (You Got A Mail!)
鈴木千秋:「待ち受けにでもして、じっくり考えてみたら良いとオモイマス」
鈴木千秋:以上、こんな感じです。よろしくお願いします。
鈴木千秋:あ
鈴木千秋:ごめんなさい、性能はエンハイハヌノイの射撃タイプです。
鈴木千秋:以上、よろしくお願いします
GM:はあい!ではハンドアウト!
・PC4/鈴木千秋用ハンドアウト
シナリオロイス:“シンダーブレイズ”風花春悠 推奨感情 P:任意/N:任意
君は“シンダーブレイズ”風花春悠の監視役としての任を帯びたUGNチルドレンだ。
彼の遺産は、人より強引に継承されたもので、暴走の危険を孕むという。
いざという時には処分も選択肢に、君は彼の次の任務にも帯同することとなっている。
君の目的は、彼が危険因子でないことを、証明することだ。
GM:しっかり見張ってくださいね
鈴木千秋:監視役だしなー。仕方ないなー
GM:頑張って!
鈴木千秋:頑張るね!
GM:PCの紹介は以上ですが
GM:ヒロインの紹介はまだあります。
鈴木千秋:ええっ!?まだヒロインがいるっていうの!?
GM:本セッションではGMの操るNPC一人が
GM:ヒロインの一人としてPCのように振る舞います。
木花小夜キャラシート
木花小夜:木花小夜(きばな・さよ)。
木花小夜:つい先日、君たちと同じ、千尋沢高校に転入した転校生。
木花小夜:年次としては3年。先輩にあたります。
夏川早苗:先輩さんだ。大人ですね。
木花小夜:かつては“白鳥の隠れ家(スワンコバート)”というUGNの教育クラスに所属していました。
木花小夜:あるR事件により行方不明となり、その際に能力も何者かに奪われてしまいましたが
木花小夜:君たちの前に姿を表したし、別になんともないのかも?
木花小夜:時雨という生き別れの妹が居ます。元気にしてるかな。
木花小夜:かつての同期に対しては、憎悪のような感情を抱いているとか。
木花小夜:性能としては、ブラムス/サラマンダー/ソラリスの従者使い。
木花小夜:強制移動を本体と一緒に打ち込み、正味4回《氷の茨》の起動を狙う構成です。
木花小夜:君達と任務をともにしていきます。よろしくね。
夏川早苗:よろしくおねがいしますね、先輩。
木花時雨:よ、…よろしく、お願い………します
鈴木千秋:よろしくねー。小夜ちん!
風花春悠:よ……よろしく……?
GM:届く困惑の声
GM:OK!ともかく役者は出揃いました
GM:トレーラーを貼って始めていきます

■トレーラー
stub: 使い残し、半券、刈り取られたもの。あるいは(本物が用意できないときの)代用品。
stab: 刺すこと。刺し傷。あるいは企て、試み。


昨日と同じ今日、今日と同じ明日。
世界は繰り返し時を刻み、変わらないように見えた。
――だが、世界はすでに変貌していた――。

すべてが滅んだかに思えた夜に、まだ弱々しく灯る命があった。
継がれた火。火を見守る者。届かぬはずの天の光。黄泉からの来訪者。
ところは市立千尋沢高等学校。

季節は秋――新学期の始まり。5人のオーヴァードの任務記録と、そして。
市内で発生したある事件が、彼らの、彼女らの関係性を変えていく。
虚偽と真実が入り混じり、街を――世界を焼く、小さな火に焦がれて。
それは夢見た幻想か。現実はひどく冷たくて、私たちは丸まって震えた。

ダブルクロス the 3rd edition『リプレイ・スタブ Case2:リトマチガルは凍えて』
ダブルクロス――それは裏切りを意味する言葉。


【オープニング1:風花春悠<追憶>】

GM:登場侵蝕をお願いします。
風花春悠:39+1D10
DoubleCross : (39+1D10) → 39+1[1] → 40

GM:なお、シーンプレイヤー以外が登場する場合は
GM:登場侵蝕不要です
木花時雨:了解です。ありがとうございます。


GM:それは、しばらくの前の記憶。
GM:UGNの訓練クラスは、教官単位で名を振られることがある。
GM:“蜘蛛の巣(スパイダーネスト)”。“賢猫学級(クラスクレバーキャット)”。“工具庫(ツールクリブ)”。“収納箱(ギアストレイジ)”。
GM:“白鳥の隠れ家(スワンコバート)”も、そのうちの一つだった。
GM:UGN教官、“スワンアサルト”の率いる、UGNチルドレンたちのクラス。
GM:それはうまく行っているように見えた。


GM:【UGN 訓練所】
“スワンアサルト”:「よし、止め!小休止15分のあと再開!」
GM:教官の怒声を孕む大声が響き渡り、皆が手を止める。
GM:訓練は厳しく過酷なものだ。だが。
GM:君たちは、君たち同士で、仲良くやれていた。
初空ひかる:「……ふふ」うつ伏せていた少女が身を起こす。
初空ひかる:「出てった。鬼教官」
初空ひかる:赤髪の少女が、そう言ってくすりと笑う。



初空ひかる:いつもそうだ。緊張の糸を真っ先に切るのは、彼女の一言だったように思う。
風花春悠:「……はぁっ……」どっと息を吐き、こちらは逆にしゃがみ込む。
風花春悠:痩せ型の、どこか寒々しい雰囲気の少年。唯一の特徴である紅色の瞳だけが、残り火のように存在を主張している。
風花春悠:「加減って言葉知らないだろ、あいつ……」
風花春悠:息を整え、周囲を伺う。自分だけへばっているようでは癪に障る。
木花時雨:「んはっ……は、……はぁ…」へたり込んで荒い息。煤けた白い髪の少女が床に倒れ込むように。
風花春悠:その途中で目を止めて。
風花春悠:「おい……時雨」
木花時雨:「………」ぼやーっとして。
木花時雨:「………………ん、んん……ちょっと立てない…ので…」
木花時雨:床の冷たさを味わっている。熱を孕んだ身体には酷く気持ちいい。
風花春悠:「……大丈夫か?無理し過ぎだろ……いや、させられ過ぎか、あのクソ教官……」
木花時雨:「だいじょぶ、です……休めば…」
木花時雨:訓練には付いていこうと努力している。それでも、体力は足りないし能力は強くならない。
木花小夜:「手の抜き方を知らないからだって」黒髪の少女が呆れたように。「無理しないでよ、時雨?」
木花小夜:「あんなの、適当に流せばいいのよ」
木花時雨:「……だって、姉さん…わたし置いていかれたくないもん」むすっと。
木花時雨:「そりゃ、全然だめだめだけど……」
風花春悠:「そういうお前は流しすぎだろ、小夜」
木花小夜:「だって、この程度じゃ、全然……」
初空ひかる:「さよさよ基準にしてるんだよあいつさ~~~」
初空ひかる:「お願いだからもうちょっと苦しそうに演技してよ」
木花小夜:「……努力する」
初空ひかる:「期待できね~っ!」
木花時雨:「うぅ……」憧れはとんでもなく遠いと思い知らされる。姉さんだけじゃない。
木花時雨:みんな、あの後なのに息が乱れてしまったりしない。わたしだけだ。
鳩名 木:「そうだぞ君たち。もっとぼくの様にペース配分を考えたまえ」
鳩名 木:普段は撫で付けるように流した金髪が解けて前に垂れ、額に汗を浮かべながら髪型を整えている。
木花時雨:「ね、姉さんがああなのはいつもの事だし…あ、鳩名くん」
風花春悠:「人に忠告できるほどか?髪型崩れてんぞ」
鳩名 木:「崩れていない。コレが今の最適なんだ」
鳩名 木:手ぐしを諦め、血を固めたような赤い櫛を手にして髪に通す
風花春悠:「へー」わしゃわしゃと鳩名くんの髪を弄る。
木花時雨:仲いいなー、とぐったり床に倒れつつ見ています。
鳩名 木:「あっ、こらっ!やめろばか!」
鳩名 木:「ぼくは君と違って繊細なんだ!」
初空ひかる:「いえーい」便乗して風花くんの頭をぐしゃぐしゃとやる。
風花春悠:「あはは!最適にしてやってんだろ~?……うわっ!やめろって!」
鳩名 木:「いいぞ、やれ!ひかるさん!」
小出海:「そうだそうだ!俺と!相棒は!繊細なんだぞ!!!」(声がデカい
小出海:鳩名くんの肩を抱きながら
鳩名 木:「声がでかい!」
木花時雨:「声大きいよ…」くすくす笑っている。
木花小夜:「無駄に元気ね本当……」ため息をつく。
木花時雨:「げんきだなあ」
小出海:「なんだよ木花!!もっと笑えよ!!」 わはは!と大声で
鳩名 木:「そして小出!お前は暑苦しい!汗をふけ汗を!」
鳩名 木:肩組みから逃れようともがく。
風花春悠:「木はともかく海が繊細ってツラかよ!声でけーんだよ!」
初空ひかる:「あはは!うるせー!あいつ戻ってきちゃうぞ!」
小出海:「戻ってくる!?そりゃ大変だ!!みんな!シー、だ!シーっ!!」
鳩名 木:「そうだったらこいつのせいだよ!こないだだって連帯責任で追加されたんだぞ!?」
鳩名 木:「お前が一番黙るんだよ!」
風花春悠:「二人ともうるせえっての!!」
木花時雨:「さ、三人とも。声大きいよ」わたわたしつつ。でも小さいので聞こえてないかも。
木花小夜:「黙って。言っておくけど、私」
木花小夜:「時雨を連帯責任に巻き込んだら殺すから」
木花時雨:「ね、姉さん…!わたしは大丈夫だから…!」
初空ひかる:「出た。シスコン」
初空ひかる:「ちょっと度が過ぎるよね~」
鳩名 木:「………うっ、その、ごめんよ。小夜さん」
小出海:「木花姉は本当に木花妹が好きな!」 わはは!
木花時雨:顔を赤くして恥ずかしそうに。
鳩名 木:「お前も謝るんだよ小出…!」
風花春悠:「…………」海を小突いて大人しく黙る。こういう時の彼女の怖さはよく知っている。
鳩名 木:肩を外すのを諦めて脇腹を肘で小突く。
小出海:「むぐっ……」 口を開くと声がデカいので、口をふさいだまま頭を下げる
鳩名 木:「は、ははは……」隣の後頭部を押さえながら笑顔を作っている
初空ひかる:「まあ、とにかくさ」
初空ひかる:「訓練ももうすぐ終わりだ。今日のじゃなくて……てか今日のはどうせまだまだありそうだけど」
初空ひかる:「全体での話」
木花時雨:「……」眉根が下がる。
風花春悠:「……こんな訓練、さっさとやめたいって思ってたけど……」
初空ひかる:「そしたら実戦かあ」
初空ひかる:「ちょっと楽しみなんだよね、私」
木花小夜:「戦いが?何?頭でも打ったの……?」
風花春悠:「は?マジか」思わず顔を見る。
木花小夜:「大丈夫……?」
木花時雨:「…ひかるさん、結構大胆ですね…?」
木花時雨:自分なんか剣も能力も銃も下限ギリギリなのでどうしようか本気で悩んでるのだが。
鳩名 木:「…………」一瞬不安そうに眉を下げて「お、おぉ。楽しみ?」
初空ひかる:「みんなひどい反応するなあ!」
初空ひかる:「そうじゃなくって。外に出れることだよ」
小出海:「!!」
初空ひかる:「こんな狭い隠れ家じゃなくって、この世界を、私達の目で見れるんだ」
風花春悠:「ああ……」納得して「確かに。考えもしなかった」
風花春悠:物心ついた頃から、ずっとこの施設が自分の世界だった。楽しみというより、未知の部分が多すぎて、恐怖のほうが上回る気がする。
木花時雨:「……外、ですか」困った顔。全然想像も出来ない。
小出海:「初空は、外に出てやりたいことがあるのか!?」
木花小夜:「外に出たらやりたいことを出来るわけじゃ……」
初空ひかる:「やりたいこと……そうだなあ」
初空ひかる:「あっコーラ!コーラ飲みたい!」
初空ひかる:「私達くらいの歳の子供は、水じゃなくてコーラ飲むんだって!」
木花時雨:「こーら」なんだろそれ、という顔。
小出海:「おお!!すっげー!コーラだコーラ!」
鳩名 木:「うるさいな君は…!」
風花春悠:「コーラ……でもあれ」顔を顰めて「飲むと骨が溶けるって聞いたぞ……?」
鳩名 木:「ほ、骨が!?」
木花時雨:「…あれですか?歴史でやってた水が貴重だからアルコール飲料飲んでたみたいな…?」
鳩名 木:「オーヴァード用の飲み物なのか…?」
木花時雨:「…カドミウムとか入ってるのかな…?」
小出海:「外に出た記念日に。みんなでコーラで乾杯しようぜ!!!」そういって、鳩名くん・風花くんと肩を組む
風花春悠:「怖くね……? おい!うるせーし暑苦しいんだよ!」じたじたと暴れる。
木花小夜:「別に要求すれば、手に入ると思うけど」
木花小夜:「私、訓練成果報酬で要求しようか?」
木花時雨:「おおー…すごい、姉さん」
初空ひかる:「さよさよはな~んも分かってないなあ」
初空ひかる:「外でみんなで飲むからいいんだよ」
鳩名 木:「そ、そうだな。そもそも小夜さん一人に負担させるわけにも行かないだろう」
木花小夜:「む……」
風花春悠:「あー、言うと思った」少し笑って。
小出海:「そうだぞ!風花!初空の言うことをもっと聞くんだぞ!!」 肩組から逃がさない 
木花時雨:「じゃあ、みんなで出たら。記念に一杯?」
初空ひかる:「そうそう。私達の自由に乾杯するの」
木花時雨:「……ふふ。ちょっと楽しみですね」少し表情が綻ぶ。
鳩名 木:「ふっ」前髪をかきあげ「たしかに良いな、それ痛たたたたたたキマってるんだよさっきから!肩が!」
風花春悠:「ああ、何か…… ……普通っぽい?感じ」
風花春悠:「俺たちなら……おい、首……!首入ってんだよ!」
木花時雨:「しまらないなあ」
木花小夜:「絞まってるんだけどね」
木花時雨:「うーん、上手いこと言われた…座布団一枚?」
木花小夜:「ありがと、時雨」
木花時雨:「えへへ」
鳩名 木:「そうだよな……訓練が終わったらぼく達も普通になるんだもんな」「…………」
鳩名 木:笑顔をキープ。隣の男の足を蹴る。
初空ひかる:「それで、そうしたらあとは……あっデートしたい!デート!」
風花春悠:「デートって……」
風花春悠:「……だ……誰と」
小出海:「デート!いいな!デートしよう!!初空は誰としたいんだ!?俺!?」
小出海:思わず、男子2人を締める関節技に力がこもる
初空ひかる:「キレ~な服着て、夜景のきれいなとこ行って、キス!」
風花春悠:「キ……!?」
初空ひかる:「小出はな~~~」
小出海:「ダメかー!!じゃあ、風花とかどう!?おすすめ!」
木花時雨:「ひかるさんは進んでるなぁ」ほえー、と凄いものを見る目で見ている。
風花春悠:「は!?いや、俺は……!」
鳩名 木:蒼白な額に脂汗がにじみ出ている。
木花時雨:「は、春悠…さんですか」
初空ひかる:「風花かあ」
初空ひかる:「う~~~~ん」
風花春悠:「……」思わず黙ってしまう。鼓動が早まるのを感じる。
木花時雨:「……」こちらも聞き入ってしまう。どうしてそうなるのか、わからないけれど。
初空ひかる:「う~~~~ん……」
風花春悠:「……な……何だよ……」
鳩名 木:「(………おい、こんなときこそなんか言えよ小出。そして声がでないんだよそのキメ方…!)」じたばた
小出海:「(あ、相棒……この空気、ワンチャンあるかもと思うと声出せなくて)」
鳩名 木:「(ねぇよ。ワンチャンも相棒でもねぇよ…!)」
初空ひかる:「もうすこしがんばりましょう」
風花春悠:「も……」
風花春悠:「うるせえな!ていうか何でひかるに採点されなきゃいけねーんだよ!」
木花小夜:「何それ」笑う。「ひかるらしいけど」
木花時雨:「………ひかるさん、ひどいですよー。春悠…さんだって。その…一杯がんばってますし…」苦笑。
風花春悠:「時雨やめろ……!余計な慰めは……!惨めになるだろ……!」
木花時雨:「ご、ごめんね…?」
小出海:「風花~!! 俺と相棒がコーラ奢るから!元気だそうな!!」
鳩名 木:「そうだぞ風花くん。相棒じゃないが」
鳩名 木:「水飲む?」
風花春悠:「うるせえよ海!木も!二重の意味でうるせえ!」
木花時雨:「で、でも本当すごいなって思ってるから……その…」その声は他の声に紛れてしまって。
木花時雨:「……あう」
鳩名 木:「………」声に反応してちらりと時雨さんを伺う「(……いや、コレ伝えちゃってもな。余計なお世話だよな…?)」
初空ひかる:「冗談だってば、本気にすんなし!」
初空ひかる:「外出たらいっぱいいるんだからさ」
初空ひかる:「可能性は無限でしょ」
風花春悠:「……」相手がか?とは口に出さない。
木花時雨:ふにゃっとひかるさんの言葉に笑う。
木花時雨:「そうですね……きっと、いっぱい、いろいろなものも人もいるはずですもん」
風花春悠:どうにも自分の意識と人間関係は、この友人──家族だけで完結してしまっている。
風花春悠:ずっとそのままだと思って、他の見知らぬ相手と仲良くなるなど考えたことも無かった。
木花小夜:「まあ、その可能性も」
木花小夜:「訓練乗り越えてからでしょ。てか訓練乗り越えたあとも」
木花小夜:「私達にそんな自由、本当にあるかな?」
木花小夜:「結局、任務任務の連続なんじゃないの?」
木花時雨:「……うぅ……姉さーん……」見ないようにしてたのに。
風花春悠:「……どうだろうな。そうかもしれないけど……でもさ」
風花春悠:笑みを浮かべる。
風花春悠:「俺たちなら外に出ても、実戦が始まっても大丈夫だろ。教官がお偉いさんに言ってるの聞いたぜ。俺たちのクラスは優秀だって」
風花春悠:「あの鬼の訓練に比べたら、大抵のことなんてチョロいだろ」
鳩名 木:「………ハッ、言うじゃないか風花くん」
木花小夜:「うん。風花が言うなら、なんかそんな気がしてきたな」
木花時雨:「皆はそうかもだけど…」苦笑して。「ううん。がんばろうね」
風花春悠:「だからみんなで外に出て、一杯活躍して、それで……」
風花春悠:「……何だっけ?コーラで乾杯?」
風花春悠:ひかるに目を向ける。
初空ひかる:「コーラで乾杯して、デート!」
木花小夜:「デートはもういいから」
風花春悠:「あー……何だか分かんねーけど、それ!」
初空ひかる:「よくないよ~!青春なの!」
木花時雨:「お相手が必要ですねえ」
風花春悠:「やろうぜ、みんなでさ」
小出海:「デート!デートだ!!」
木花時雨:「うん。……みんなで、生きて一緒に、ね」
鳩名 木:「それに、ぼく達が最効率に動くにはインターバルも重要だからね」
鳩名 木:「コーラもデートも、自由時間の確保も任務のうち、ってやつだよ。……ねっ、小夜さん!」
木花小夜:「もう……休むことばっかり」
木花小夜:「いいよ。付き合う」
初空ひかる:「私達で、掴もう!」手を出す。
初空ひかる:「みんなも載せて!」
風花春悠:「うん?」戸惑いつつ、言われるがまま手を出す。
木花時雨:「はいはい、わたしでよければ」ぽふんと白くて小さい手を。
鳩名 木:「……!」タイミングを見計らう
木花小夜:時雨の上に手を。
小出海:ニヤっと鳩名くんを見て
小出海:「5−ばんっと6−ばん!!」 鳩名君の手を小夜さんの上に持っていき
鳩名 木:「…………!!」よし。次はぼくかな?自然に、自然に。
鳩名 木:「~~~~~!!!???」手汗が!!
小出海:最後に、鳩名君の手を上からびったーんと手を叩きつける!
鳩名 木:「いったい!!」
木花時雨:「何してるの、ふたりとも」苦笑。
木花小夜:「もうっ……!」
風花春悠:「なんだよ木……大丈夫か……?」
鳩名 木:衝撃を逃がそうとしてその下の感触を感じて100%自分で受ける。
小出海:わはははーと大声で笑ってる
鳩名 木:「い、いつものことだ……!さ、小夜さんは大丈夫でした?」笑顔が痙攣
初空ひかる:「ファイト、オーッ!」
木花小夜:「大丈夫。ふぁいと、おー」
木花時雨:「ふぁいと、おーっ」声を上げているけれど元々がちいさいのでそれなり。
鳩名 木:「そ、そう。……ふぁいと、おー」
小出海:「おおおおおーーーー!!!」 ひと際大きい声で
鳩名 木:「声がでかい!!!いやそういうやつだが!」
風花春悠:「え、お、オーッ……? うるっせ!!」
GM:“白鳥の隠れ家(スワンコバート)”。UGN教官、“スワンアサルト”の率いる、UGNチルドレンたちのクラス。
GM:それはうまく行っているように見えた。
GM:この時までは。
GM



GM:それが何度目の任務だったのかは、覚えていない。
GM:あれだけ君を戦いへと駆り立てた君たちの教官、“スワンアサルト”は。
GM:奇襲を受け、真っ先に何もなさずに死んだ。
GM
GM:とにかく、今、“ヘルダイバー”風花春悠に分かることは。
GM:君の突き出した手。
GM:それが。感覚を失っている。
GM:いや。違う。
GM:まったく無くなっている。
風花春悠:「────ッ……!!」
GM:遅れて、激しい痛み。もはや再生限界もとうに超えている。
GM:《リザレクト》は無敵の能力だ。
GM:無限の能力でないことを除けば。
GM:その右腕が、もとに戻ることはない。
風花春悠:「う、あ、あぁああああっ……!」
風花春悠:腕の断面を押さえて、苦悶とも悲鳴ともつかぬ声を漏らす。
風花春悠:集中しろ。訓練通りに。リザレクト。リザレクトだ。まだ、まだ間に合うはずだ。
風花春悠:絶望から目を背けるように、自分に言い聞かせる。
GM:戻らない。もう、地獄の深くに潜りすぎた。
GM:ここまでも連戦が続いている。とうに限界を超えている。
風花春悠:継戦は可能か?状況は?能力で義手を……ずっと治らないのか?嫌だ。敵は?味方は?車の運転も出来ないのだろうか。何故今そんなことを────
風花春悠:思考は完全にパニックに近かった。
GM:その時。
GM:それは巨大な腕だった。君をめがけて、振り下ろされて。
初空ひかる:「風花ッ!」誰かが君を突き飛ばした。
風花春悠:「……!?」そのどちらにも、反応出来なかった。
GM:その腕は、君の居た場所を。
GM:そこに押しのけて立ったものを、深々と引き裂いた。
風花春悠:「────」
GM:巨腕の主――今思えば、FHのエージェントだったのであろう、
風花春悠:名前を叫んだ……と、思う。そう出来たかどうかも分からない。
GM:それは乱入者に動揺の色を見せた。
風花春悠:他のあらゆる感覚が鈍化して。ただその光景だけが、視界に鮮烈に焼き付いた。
風花春悠:実戦と訓練とは違う────だからこそ、今自分は『こう』なっている。
風花春悠:だがその瞬間に自分を動かしたのは、紛れもなく“白鳥の隠れ家”での訓練だった。
風花春悠:ほとんど無意識に能力を発動する。限界に近い体力でナイフのような小さな刃を形成し、
風花春悠:床を蹴り、跳ねる。腹、心臓、首。立て続けに刃を突き立て、同時に頭部に組みつき。
風花春悠:ごきり、と鈍い音と共に、頚椎をへし折った。
GM:それと同時。
GM:それが苦し紛れに振るった腕が、君を打ち据える。
GM:絶命と同時に放たれたそれは、相討ち狙いの一撃。
GM:それはほとんど成功していたと言っていい。
GM:全身が激しく叩きつけられ、何より。
GM:流血だ。右腕の失血が止まらない。
GM:正確には、右腕があった場所の、だ。
風花春悠:「ぐ、ぶ」
風花春悠:吹き飛ばされて床に転がる。咳をしたと思った口から、大量の血が零れた。
GM:君はこのままでは死ぬ。紛れもない事実だ。
風花春悠:……リザレクト。リザレクトを……
風花春悠:無駄だと分かっていても、必死に試みずにはいられない。それ以外に道はないのだ。
風花春悠:「……る……」
風花春悠:ひどく掠れる声を漏らす。息をするたびに肺が痛む。穴が開いているのか。
風花春悠:「ひ……か……る……」
風花春悠:頭も動かせないまま、名前を呼ぶ。
風花春悠:「返事……しろ……ひか……る……!」
初空ひかる:「……聞こえてる」その声は、すぐ君の隣から響いた。
初空ひかる:「……ああ。動けないのか」
初空ひかる:「待ってて」
初空ひかる:ピチャピチャと音が鳴る。
風花春悠:「……ひかる……そこ……に……?」
初空ひかる:君に覆いかぶさるように、彼女の顔が現れる。
初空ひかる:その顔は、顔だけではない。全身が。
初空ひかる:血に染まっている。
初空ひかる:彼女から垂れた血が、君の顔にかかる。
初空ひかる:「ここにいるよ。分かる?」
風花春悠:霞む視界の中、その赤色は残酷なほど鮮明で。
風花春悠:ようやく口から漏れた言葉は、
風花春悠:「…………なんで」
風花春悠:その一言だった。
初空ひかる:「なんでって、ひどいな」
初空ひかる:「君が呼んだんでしょ」
風花春悠:「違……う……」
風花春悠:「何でだよ……」
風花春悠:ただでさえ霞む視界が、更にぼやける。
風花春悠:「何で……庇って……」
初空ひかる:「……そんなの」
初空ひかる:「私だって、分かるもんか」
風花春悠:「ふざけんな……」
風花春悠:謝りたい。せめて礼が言いたいのに。口からは恨み言のようなものばかり零れる。
風花春悠:「ふざ……けんなよ、お前……!」
初空ひかる:「……私達、死ぬのかな」彼女からはドクドクと血がこぼれ続けている。
風花春悠:「……馬鹿……馬鹿言えよ……」
初空ひかる:「結局さ。訓練が終わっても、戦って、戦って」
初空ひかる:「自由なんて、なかった……」
風花春悠:「何……言ってんだよ……」
風花春悠:「これからだろ……?俺たち……」
風花春悠:「俺たちは……“白鳥の隠れ家”だぞ……?」
風花春悠:「優秀なチルドレンで……こんな任務くらい……」
風花春悠:「あの鬼教官の訓練に比べたら……楽勝で……」
風花春悠:「死ぬわけ……」
風花春悠:咳き込み、吐血する。
風花春悠:「こんな……ところで……」
初空ひかる:「……」
風花春悠:「終わるわけ……ないだろ……?」
初空ひかる:「手。握って」君の左手に向けて、右手を突き出す。
風花春悠:「……?」
初空ひかる:「覚えてる?あの、鬼教官が言ってたこと」
初空ひかる:「私達の、特性は」
初空ひかる:「受け渡せることだって。そういう、特性のチルドレンを集めて」
初空ひかる:「……自分が活躍して……なんだっけ。アクシズ?忘れた」
初空ひかる:「それになる踏み台だってさ」
風花春悠:「……」
風花春悠:「……だから……何だよ」
風花春悠:知らない振りをしたのか。その言葉の意味を理解したくなくて、思考を止めたのか。自分でも分からない。
初空ひかる:「バッカだよねえ。それで自分が先に死んでやんの」
初空ひかる:「バカ教官だあ」
風花春悠:「……ひかる……?」
初空ひかる:「手。握って。お願い」
初空ひかる:「もう、こっち力入んないんだ」
風花春悠:「…………」
風花春悠:その手を握ることが、何か。取り返しのつかないことの引き金のように思えて。
風花春悠:きっとその感覚は正しいのだろうという確信があって。
風花春悠:だが、血塗れで笑う彼女の言葉を、断ることが出来なかった。
風花春悠:身体を軋ませ、左手を伸ばして。
風花春悠:弱々しく、その手を握る。
GM:君がその手を握った時。
初空ひかる:彼女はにっと笑って。それから。
GM:君の視界は、紅に閉ざされた。


GM:君を呼ぶ声がする。
木花小夜:「……花!」
木花小夜:「風花ッ!」
木花小夜:「何が……!?」
風花春悠:「…………」
風花春悠:ひどい悪夢を、見ていた気がする。
風花春悠:ぼんやりと目を開ける……まだ、生きている。
風花春悠:「……小夜……?」
木花小夜:「風花……!」
木花小夜:「無事なの……!?戦闘は終わった!」
木花小夜:「終わったの……!」
風花春悠:「ああ……来てくれたのか……」
風花春悠:「良かった……俺より、ひかるが────」そう言って自分の顔に触れて。
風花春悠:「……」
木花小夜:「ひかる?ひかるはどこ?」
風花春悠:「え」
風花春悠:触れた感触の違いに、思わず右手を見る。
風花春悠:敵に切断されたはずの腕が、そこにある。
木花小夜:「……」息を呑む。「……え?」
風花春悠:ただし、自分の腕ではない。よく見知った、骨ばった少年のものではなく。
風花春悠:血に塗れた、細い、少女の腕だ。
風花春悠:その手には、見覚えがあった。
風花春悠:「……」
風花春悠:「ひか……る……?」
木花小夜:「なんで……何で……?」
木花小夜:「何を……?」
風花春悠:呆然と呟いて。次いで、視線を彷徨わせる。
風花春悠:「……ひかるは?」
風花春悠:「なあ……」身を起こす。リザレクト限界を越えて、頭も動かせなかったはずなのに。身を起こせてしまう。
風花春悠:「……ひかるは?どこにいるんだよ」
風花春悠:縋るように小夜に問う。
木花小夜:「……し、知らない……私が聞きたい……」
木花小夜:「それ」当て所無く、君の右手を指差す。「それ」
木花小夜:「何なのよ……!」
風花春悠:「そ……」
風花春悠:「そんな訳……無いだろ……?」恐らくは二人とも同じ結論に辿り着きながら。答えになっていない答えを返す。
風花春悠:「だって……」
風花春悠:「だってさあ……!?」
木花小夜:「……おかしい」
木花小夜:「おかしい、おかしいおかしいおかしいこんなのッ!」
木花小夜:「ひかるも……風花も……全部ッ……!」
木花小夜:「おかしい……間違ってる……」
風花春悠:考えずとも理解できる────できてしまう。
風花春悠:自分とひかる、二人とも瀕死の状態から自分だけが生還して。彼女は姿を消し、腕だけが残っている……その意味を。
風花春悠:「そうだよ……」
風花春悠:「おかしいよな……?こんなの……」
風花春悠:「まち……間違ってる……よな……?」
風花春悠:いつの間にか、知らぬ内に、能力を使っていたのだろうか。そんな風に考えてしまいたくなる。
木花小夜:しゃがみ込んで、頷く。
風花春悠:今自分が立っているのは、紛れもなく地獄で────
木花小夜:「おかしいわよ……」
風花春悠:だが、どうしようもなく、現実だった。
風花春悠:呆けたように、乾いた笑みが零れる。感情が自分という器を越えると笑いという形になるのを、その時初めて知った。
風花春悠:────それから、何度も、何度も、何度も。
風花春悠:その時のことを、何度も考えて、後悔して、苦悩して、夢に見た。
風花春悠:ひかるはどうなったのか。彼女は何故自分を庇ったのか。何故助けてくれたのか。
風花春悠:自分は一体、どうすればよかったのか。
風花春悠:あの攻撃を避けていれば?ひかるに庇われなければ?奇襲を察知できていれば?任務に参加しなければ?
風花春悠:自分が、もっと強ければ、ひかるを助けられていたのか?
風花春悠:果ても無く、救いも無い煩悶の末に、辿り着くのはいつも同じ結論だ。
風花春悠:海。木。小夜。
風花春悠:『家族』が一人死ぬたびに、いつも、何度でも、同じことを思う。
風花春悠:────死ぬべきなのは、自分のほうだったのに。



GM:“白鳥の隠れ家”が瓦解した、あの任務から後。
GM:編入された先の部隊でも変わらず、過酷な行軍は続き。
GM:その何度か目。ある事件の折に、木花小夜は行方不明となり。
GM:木花時雨は、その力を受け継いだかのように、目覚めた。
GM:それから程なく。部隊は解散となり。
GM:風花春悠は、平庭市支部へと配属。千尋沢高校の2年生となっていた。
GM:その腕には、彼女の――初空ひかるの“遺産”を、携えたまま。


GM:シーン終了。


【オープニング2:木花時雨<再会>】

GM:シーンプレイヤーのみ登場侵蝕を。
木花時雨:木花時雨の侵蝕率を+9(1d10->9)した(侵蝕率:39->48)


GM:【千尋沢高校 2年生教室】
GM:風花春悠は、先んじてその情報を断片的に知っている。
GM:支部より連絡があったからだ。本日、転属となったチルドレン1名を、君のクラスに転校させたと。
GM:朝、担任に連れられて、その少女は教室へと入ってきた。
木花時雨:かつ、こつ、と。ゆっくりとした足音。がらりと扉が開けられる。
木花時雨:そこに。
木花時雨:銀というには、灰じみて。薄く黒が混じった、老人のような白髪。
木花時雨:そこに赤い宝石を、一つだけ鮮やかに輝かす小柄な少女。
木花時雨:ゆるりと、90度回し。そのどこか焦点がずれたような瞳が、生徒たちを見据えて。
木花時雨:「ーー本日付でこのクラスへ転入することとなりました、木花時雨と申します」
木花時雨:「聊か中途半端な時期で、皆さまにはご迷惑をおかけしますが。どうかよろしくお願いします」
木花時雨:ぺこり。きっちりとした一礼。
風花春悠:教室の後方、ごく普通の男子生徒の一人として座っている。
木花時雨:そうしてから、持ち上げた視線が。ちらりと。
木花時雨:一瞬だけ、きみのそれとぶつかったかもしれない。
風花春悠:交錯したそれは、すぐに逸らされて。
風花春悠:時期外れの転校生の容姿に関して小声で話しかけてくる友人に、こちらも小声で呆れたような笑みを返す。
風花春悠:まるで知らない相手という様子だ。
木花時雨:此方も、君に気付いていないのか。教諭の説明を聞いて、僅かに離れた席へと。
木花時雨:そうして。擦れ違い様に。
木花時雨:「……放課後。一度お話しましょう、“シンダ—ブレイズ”」きみにだけ聞こえる声で。
風花春悠:「…………」
風花春悠:何も返さず。ただの、友人とはしゃぐ高校生としての顔も崩さず。
風花春悠:近付いてきた彼女に関して、また小声で話しかけてくる友人に、笑いながら小突いて返した。


GM:そうして、君はクラスに溶け込んで。
GM:あるいは、溶け込めずに居たのかもしれないが。
GM:とにかくだ。どこかの、空き教室。君たちは、2人で話す機会を得た。
木花時雨:先にその教室を指定して、放課後必要な処理を終えた後。じっと待っている。
風花春悠:近付いてくる足音もなく、不意にドアがノックされる。
木花時雨:「どうぞ」
木花時雨:間も置かず、大きくはないが響く声。
風花春悠:「……」周囲を確認し、無言で入室。室内を一瞥して。
風花春悠:友人と朗らかに談笑していた年相応の顔とは打って変わって、凍てつくような視線で木花時雨を見据える。
木花時雨:「来て頂きまして、感謝します」
風花春悠:「まだUGN(こんなこと)を続けているとは思わなかった」
木花時雨:こちらも無表情なまま。クラスの時には、わずかでも、確かに綻んでみせていた表情は動かない。
木花時雨:「それは、自分の台詞です」
木花時雨:「あなたこそ。もう止めていらっしゃるか、止めさせられているかと思っていました」
木花時雨:過去と違う呼び方。
木花時雨:過去と違う表情に、無かったものがいくつも増えている。
風花春悠:「俺は辞める気は無い。“パイロープ”。俺はお前とは違う」
風花春悠:「お前には才能が無い」
木花時雨:「……そうですね、“シンダ—ブレイズ”。その通りです」
木花時雨:首元と腕の包帯。幾つも貼り付けられたガーゼ。消毒液のにおいが染みついているような。
風花春悠:「チルドレンとして。いや、オーヴァードして」
風花春悠:「お前には素質が無い。向いていない。この仕事は」
木花時雨:その言葉に、ふ、と。わずかに口元が緩んで。
木花時雨:「そうでしょうね。全く持ってその通りです」
木花時雨:「ですが。わたしは、やりたいこととしてこの仕事をしています。報酬がいいだとか、そう言う事でなく」
風花春悠:「分かっているなら、一刻も早く退役するんだな」
木花時雨:「あなたこそ。そうしてる顔、似合ってませんよ」
木花時雨:「クラスの皆と話してる時の顔の方が、似合っています」
風花春悠:「お前に何が分かる?」表情は変わらず、凍り付いたまま。「これが俺だ。“シンダーブレイズ”だ」
木花時雨:「……なるほど」
木花時雨:「あなたがそうするなら、自分(わたし)もそうしましょう。お仕事の関係です」
木花時雨:「あなたは自分(わたし)を使えば良いし、自分(わたし)はあなたが必要ならば要請します」
風花春悠:舌打ちをして。「お前の力なんて、必要ない」
風花春悠:「力の無い者が前に出れば、それだけ周囲を危険に晒すことになる。お前の意思は関係無い」
風花春悠:「……迷惑だ」
木花時雨:「ふむ……ふむ」
木花時雨:「これは。自分も昔の時のままとみられていますね」
木花時雨:「自分を侮るのも弱いと見るも、あなたの自由ですが。現状をあなたに伝えるべきと認識しました」
風花春悠:「……何?」
木花時雨:「資料はお読みに?」
木花時雨:「“パイロープ”のスペックは、白鳥の隠れ家のときよりも」きら、と髪の紅い宝石がわずかな光を反射して。
木花時雨:「大きく変化しました。理解を擦り合わせねば、共同するにあたりよくない影響があります」
風花春悠:「変化? ……シンドロームは変わっていなかったはずだが」
木花時雨:「はい。姉………」緩く首を振って。「“アルマンディン”のMIAより、その発現形式を一部コピーしています」
木花時雨:かたり、と椅子から立ち上がり。
木花時雨:緩く握った拳を春悠さんへ。
風花春悠:「……」僅かに瞳が揺れる。「何だと」
木花時雨:「……知らなかったのですか?」
木花時雨:「……………いえ。戦闘部隊の多忙さはそういうものですね。はい」
木花時雨:「対オーヴァード戦闘なら、いくつか案件も処理しています。無論、あなたの経歴に並ぶものではありませんが」
風花春悠:「……」
風花春悠:「お前が、か……?」
木花時雨:「はい。自分が、です」
木花時雨:そう答える少女は、君の傍で君を見上げる。
風花春悠:「…………」
風花春悠:ふざけるな。
木花時雨:消毒液のにおいと、かすかな血のにおいがする。
風花春悠:口から漏れそうになったその言葉を、寸前で呑み込む。
風花春悠:「……お前は……」
木花時雨:じ、と。昔と変わらないみどりいろが、君の瞳を見詰めている。
風花春悠:「……」
風花春悠:「そうか」
木花時雨:「はい、そうです」
風花春悠:「だが、俺の意見は変わらない」
木花時雨:「……残念です。協力出来たらよりよく活動できると思うのですが」
風花春悠:「お前がどれほどの能力を得たかは関係無い。俺よりも強力な能力なのかもしれないが。それでも」
風花春悠:「お前はこの仕事には向いていない」
木花時雨:「そうかもしれません。そして、」
木花時雨:「そうであっても。わたしにはしたいことがあります。なので、諦めるつもりも、ありません」
木花時雨:「……そして、あなたも。向いてないと思うので、早く退役して欲しいと、そう思っています」
風花春悠:「UGNにいなければ出来ない事か?それは」
木花時雨:「はい。二つのうち一つは」
木花時雨:淡々と。そんな情熱があるようには、とても聴こえない口調で。
風花春悠:その顔をじっと見つめて。やがて、苦々しい表情で目を逸らす。
風花春悠:「話はこれだけか」
木花時雨:「はい。…残りの、クラスの状況や学校において気を付けることですとかは、支部の方にお伺いします」
木花時雨:「時間を取ってしまい、申し訳ありませんでした」ぺこり。
風花春悠:「そうか」それだけ言って踵を返し。
風花春悠:「学校(ここ)では俺には近付くなよ。“パイロープ”」
木花時雨:「了解しました、“シンダーブレイズ”」
木花時雨:「可能な限り、あなたの指示を遵守します」
風花春悠:扉を開き、返事もせずに部屋を出ていく。
木花時雨:「………」
木花時雨:扉が閉まる音に紛れて、最後の言葉は聞こえなかった。
木花時雨:ゆっくりと、窓際へ。閉めていたカーテンを開ける。
木花時雨:そこには沈む夕日と、そこで部活動や遊びに励むこの学校の皆の姿がある。
木花時雨:「…………ああ」
木花時雨:「あのひとも、あんな風に遊んだこともないのかな」
木花時雨:わたしだけだ。
木花時雨:わたしだけ、ずっと。
木花時雨:弱いから、学校に行かせてもらった。
木花時雨:そこで、情報を集めると言って、遊んだり友達が出来て。
木花時雨:弱いから、姉さんも、小出くんも、鳩名くんも、
木花時雨:…ひかるさんも、春悠さんも。
木花時雨:わたしを守ってくれていて。
木花時雨:「…………わたしが、やらなきゃ」
木花時雨:もう、たったふたりきり。
木花時雨:なら。
木花時雨:ひかるさんの言う、自由なことを味わった、わたしの番だろう。
木花時雨:「…………」
木花時雨:扉が閉まる際に零れてしまった言葉を、きっともう帰路に着いたあのひとへ。
木花時雨:「……会えて、うれしかったです。春悠…さん」
木花時雨:それだけで、きっとわたしは頑張れるから。
木花時雨:やりたいことの、そのうちひとつ。
木花時雨:「こんどこそ、あなたを自由にしたい。お呼びじゃないかもしれないけれど」
木花時雨:「………がんばる。がんばるよ。出来なくても、がんばることだけは」
木花時雨:「わたし、慣れてるもの」


GM:ロイス取得ある方はどうぞ。
木花時雨:春悠さんへのロイスは初期ロイスにて取得済みです。
風花春悠:家族/木花時雨 庇護/〇不安


【オープニング3:鈴木千秋<日常>】

GM:シーンプレイヤーのみ登場侵蝕を。
鈴木千秋:はーい
鈴木千秋:1d10+31
DoubleCross : (1D10+31) → 2[2]+31 → 33

GM:日常だ
鈴木千秋:何も普段と変わらない


GM:ある日の放課後。
風花春悠:友人と別れ、帰り道を一人で歩いていく。片手にはごく普通のスクールバッグ。
風花春悠:高校生はあくまでカヴァーであり、本質はチルドレンだ。それゆえ部活にも入っていない。
風花春悠:今日は任務も無い。支部で訓練をするか、帰って一人でトレーニングで済ませるか。そんなことを考えながら、黙って歩を進める。
風花春悠:吹き抜ける緩い風に残夏でなく秋の気配を感じて、小さく息を吐いた、その時。
鈴木千秋:「ハールせーんぱいっ!」 背中に伝わる柔らかい衝撃
鈴木千秋:君の肩から両腕を回し、包み込むような体勢を取る1人の少女。
鈴木千秋:「Spring先輩、今帰り?」
風花春悠:「ぐっ……」何とか踏みとどまり、それからげんなりした顔をする。
風花春悠:「放せ鈴木。その呼び方もやめろ」
鈴木千秋:「うわ。反発するね。さすがSpring先輩。バネだけに」
鈴木千秋:等と言いながら、楽しそうに君の顔を覗き込む。
風花春悠:「そっちのスプリングじゃねーだろ……ていうかどっちのSpringも違うからな」
鈴木千秋:「じゃあ、いつも通りハルくん先輩って呼ぶ?」
鈴木千秋:そんな事を言いながら、遠くでこちらの様子をうかがっている友人たちに手を振る。 「ごめーん。カラオケはまた今度ー。後でゴチるねー」
風花春悠:「そっちを定着させようとするな。詐欺師の手管だろそれ」
風花春悠:「風花先輩だ」
鈴木千秋:「キノセイデスヨ」
風花春悠:ちらりと振り返って鈴木さんの友人を見て。
風花春悠:「俺に絡むよりあっち行きゃいいだろ」
鈴木千秋:「あれ?どうしたの?」
鈴木千秋:「急に後ろから抱き着いたから、ちょっと怒ってる?」
風花春悠:「よく分かったな。その通りだ」猫のように首根っこを掴んで追い払う。
鈴木千秋:「そっか。ごめんね、先輩。なので」
鈴木千秋:「これからは、ちゃんと宣言して、前から抱き着きマス」
風花春悠:「抱き着くなって言ってんだよ!」
鈴木千秋:「やだなー。怒らないでよ先輩。そういうのってパワハラなんだよ。ハラスメント」
鈴木千秋:「訴えられたら負けちゃうよ?パワハラとセクハラだよ?」
風花春悠:「セクハラはお前だろ……年下からなら適用されないと思ってんのか……?」
鈴木千秋:「う”。ハル先輩、法に詳しい……。まあ」
鈴木千秋:「私がセクハラだっていうなら」
鈴木千秋:「既成事実が必要ってコト?」(にまにま
風花春悠:「お前なあ……!」
風花春悠:「誰にでもそういう事言うのやめろ!」
鈴木千秋:「何言ってんの?」
鈴木千秋:「ハル先輩だけだよ」
風花春悠:「はっ……はぁ……?」
風花春悠:「猶更意味わかんねーよ……!ていうかやめろ!」
風花春悠:「自分で言うのも何だけどな、鈴木お前」
鈴木千秋:「だって、鈴木。ハル先輩の事好きだし。先輩で……先輩と遊ぶの、楽しいし。……あ、なに?」
風花春悠:「先輩『で』って言ったな今……」
鈴木千秋:「ソラミミデスヨ」
風花春悠:「俺に絡むよりもっと面白いことあんだろ他に……」嘆息する。
鈴木千秋:「んー。例えば?」
鈴木千秋:「ハル先輩は」
鈴木千秋:「面白いことって。楽しいことって。何がある?」
風花春悠:「ああ……?例えば……」少し考えて。「お前はほら……さっきの友達とカラオケ?でも行けばよかったんじゃねーの」
鈴木千秋:「鈴木は今、ハル先輩の事聞いてるんですけどー」
風花春悠:「う……」
鈴木千秋:一歩踏み込み、顔を覗き込む。
鈴木千秋:風に揺られる少女の髪。整髪料の匂いが君の鼻孔をくすぐるだろう
風花春悠:「……俺は……」何となく目を逸らして、
風花春悠:思わず考え込む。何かを面白い、楽しいと思ったことなど、この数年で一度だってあっただろうか。
風花春悠:「べ……」
鈴木千秋:「べ?」
風花春悠:「……勉強……とか……?」
鈴木千秋:「真面目くんじゃん!」
鈴木千秋:くっくっくと思わず吹き出す
風花春悠:「うっ……うるせーな!俺のことはいいんだよ!」
鈴木千秋:「仕方ないなー。ハルくん先輩は、放課後の遊び方も知らないのかー」
風花春悠:「そ……そのくらい知ってるっての……」
鈴木千秋:「本当かー?本当に本当かー?」
風花春悠:「人のこと遊んだことも無いヤツみたいに言いやがって……友達くらいいるんだよ」
風花春悠:「……いなきゃ不自然だろうが」
風花春悠:あくまでカヴァーとして、目立たない普通の男子生徒を演じている、つもりだ。
鈴木千秋:「……カバーじゃん」
風花春悠:「……だって……カヴァーだろ」
風花春悠:「違うのかよ、お前は」
鈴木千秋:「同じだよ。鈴木と先輩は、同じ」
鈴木千秋:「鈴木もそうだけど。特にチルドレンは、そういう『普通』って難しいよね?」
鈴木千秋:「だから。鈴木はこうやって先輩と過ごす時間が好き。大好き」
風花春悠:「……鈴木……」その顔を見て。
風花春悠:「いや普通じゃないだろお前の絡み方」
鈴木千秋:「う”っ」
鈴木千秋:「聡いね、先輩。これも日ごろの勉強の成果?」
鈴木千秋:「そうだ。今度鈴木にも勉強教えてよ?」
風花春悠:「おい流されねーぞ……!自覚あるならやめろ……!」
風花春悠:「勉強ねえ……」
鈴木千秋:「先輩が勉強を教えてくれるなら」
鈴木千秋:「鈴木は、先輩に“楽しい”を教えてあげましょう」
風花春悠:「“楽しい”だあ? 例えば?」
鈴木千秋:「例えばー」 (メルメルメルメル
鈴木千秋:(ピコン) 『You Got A Mail!』
鈴木千秋:メールが届く。差出人は鈴木。文面には
鈴木千秋:『これからタピオカ飲みに行くとか?とか?』
鈴木千秋:そして、お店のURLも添付されている。
風花春悠:「……」
風花春悠:「まだ流行ってんのか?タピオカ……」
鈴木千秋:「……正直、若干下火になりつつはある」 笑ってごまかす
鈴木千秋:「でもね、先輩」
鈴木千秋:「偉い人は言いマシタ」
鈴木千秋:「『何を』じゃなくて、『誰と』が大事らしいデス」
鈴木千秋:カタカナ発音で敬語口調。いつも通りの冗談めかした話し方だ。
風花春悠:「なら俺以外と行け」しっしっと追い払う手振り。「俺は忙しいんだよ」
鈴木千秋:「あれ?今、鈴木、良いこと言ったのに?」
風花春悠:「関係あるかそれ?」
風花春悠:「奢らせてきそうで嫌だし」
鈴木千秋:「……」 目を逸らして口笛を吹き始める。プヒュープヒュー。下手くそだ。
風花春悠:「ヘッッタクソだな口笛!いや上手くても誤魔化せねえけど!」
鈴木千秋:「あはは。そこはごまかされておこうよ。じゃ、鈴木が奢ったら行くって事だよね?」
鈴木千秋:そう言って。君と手を繋ごうとします。君の右手に。
風花春悠:「ッ……!」
風花春悠:バッ、と、反射的にその手を振り払う。
鈴木千秋:「あっ……」
風花春悠:「……あ……」
鈴木千秋:「ご、ごめんね、先輩。……右手は、そうだよね……」
風花春悠:「……」目を伏せ、小さく息を吐いて。
風花春悠:「……いや……よりにもよってお前が触ってどうすんだよ」
鈴木千秋:「……うん。反省してる」 「だから」
鈴木千秋:ギュッ
鈴木千秋:「こっちにしよっか?」先輩の左手と手を繋ぎます
風花春悠:「……そっちならいいって許可出した覚えは無いんだが……?」言いつつ、先程振り払ってしまった負い目から、無碍にできない。
鈴木千秋:「ほら、ハル先輩。早く行こ?お店しまっちゃう」 振りほどかれない手。嬉しいという感情を隠そうともせずに、君に笑いかける
風花春悠:「……」溜息を吐いて。「……一杯だけだぞ」
風花春悠:右手に視線を落とす。かつては異質なものとしか見えなかったそれは、度重なる戦闘でのリザレクトやエグザイル能力によって、すっかり自分の腕として馴染んでいる。
風花春悠:だが左手より幾分か華奢な骨格や、爪の形が、未だに彼女の──初空ひかるの面影を確かに残している。
風花春悠:視線を感じて、振り返る。
風花春悠:路地の隙間から、赤い髪の少女がこちらを見つめて笑っている。
風花春悠:「……」
風花春悠:目を逸らすと、すぐにその幻影は消えて。
風花春悠:息を吐く。賑やかな後輩に手を引かれるままに、放課後の街を再び歩き出した。


GM:シーン終了。
GM:ロイス取得ある方はどうぞ。
鈴木千秋:ハルくん先輩には固定ロイス取っています。 〇好意/脅威 です
鈴木千秋:以上です
風花春悠:後輩/鈴木千秋 安堵/〇警戒


【オープニング4:木花小夜<遭遇>】

GM:木花小夜はミドルで侵蝕率管理を行わないため
GM:登場侵蝕はなし。
GM:ある日の、日が落ちた夜。
GM:君は任務の無い日の日課とも言える訓練を終えて、その帰途。
GM:千尋沢高校、校門前。
GM:校門を眺める、一人の少女の姿がある。
木花小夜:千尋沢の制服に身を包んだ、小柄な少女。
木花小夜:その横顔は、君の記憶の裡にある。
風花春悠:「……!」
風花春悠:真っ先に、幻覚を疑った。初空ひかる以外が見えたことはないが、それでも。
風花春悠:時間と場所も相俟って、幽霊ではないか、という突飛な考えすら一瞬過る。
木花小夜:そう思えるほどに。病的に白い肌。
風花春悠:だが、その存在感がどうやら現実のものであるらしいと分かると。
木花小夜:かつてから、白くはあったが。これほどまでだったろうか?
風花春悠:「……小夜!」
風花春悠:訓練の疲労も忘れて、少女に駆け寄る。
木花小夜:声に振り向く。
木花小夜:驚愕の表情を浮かべる。
木花小夜:「風花……!?」
風花春悠:「……小夜……」
風花春悠:「なのか……? ……本当に……?」
木花小夜:その顔は、かつて君が見た、木花小夜のものだ。
木花小夜:大きな違いは、その髪。
木花小夜:燃えるような真紅のメッシュなど、かつての彼女には存在していなかった。
木花小夜:「なん、で……?」
木花小夜:「なんで、ここに……」
風花春悠:白い肌も、髪の色も、まるで気にならない。ただ彼女がここにいるという驚愕と安堵が大きすぎて。
風花春悠:「し……」声は震える。「死んだと思って……俺……」
風花春悠:「小夜こそ……なんで……今まで、どうして……?」
木花小夜:「……ようやく、動けるようになって」
木花小夜:「……」
風花春悠:「……時雨には!?もう会った……連絡したのか?」
木花小夜:「時雨?時雨と一緒なの?」
木花小夜:「そっか、会え――」
木花小夜:言葉がそこで止まる。
木花小夜:「……時雨と、一緒なの?」
風花春悠:「ああ、つい最近この街に来て……」
木花小夜:継がれた言葉は、何処か冷たさを孕んでいる。
風花春悠:「……小夜?」
風花春悠:「一緒……ああ、支部と学校は……」
風花春悠:戸惑いつつ、曖昧に頷く。
木花小夜:「……」
風花春悠:「小夜……?」
木花小夜:「風花春悠」無機質に名を呼ぶ。
木花小夜:「君は」
木花小夜:「……」
木花小夜:「……脱いで」
風花春悠:「……」
風花春悠:「……は?」
風花春悠:間の抜けた声が漏れる。
木花小夜:「……」
木花小夜:「……は、いや、違……!」
木花小夜:「腕!」
風花春悠:「は?何……何だよ!?」
木花小夜:右腕を取る。袖を強引にまくりあげる。
風花春悠:「う、お、おい……!」
木花小夜:その腕を見る。
風花春悠:かつてより馴染んではいるが、接がれた部分、特に肌の色の違いは明白だ。
木花小夜:右腕を。初空ひかるの、腕だったものを。
風花春悠:「……いきなり何だよ……!?」
木花小夜:「……戦い続けてるの」
木花小夜:「……その腕で」
風花春悠:「…………」
風花春悠:「……そうだ」
木花小夜:「もう、ひかると、風花と、混ざり合うくらいまで、ずっと……?」
木花小夜:「……」
木花小夜:「……これ以上、戦わない事はできない?」
風花春悠:「……何だよ」
風花春悠:「姉妹揃って、同じこと言うんだな」
木花小夜:「ひかるは死んだのよ……!」
木花小夜:「どうして、こんなことを続けるのっ!」
木花小夜:「死んでるのに……!これ以上、戦わせて……!」
風花春悠:「だからだ」
木花小夜:「だから?だからって何?」
風花春悠:「ひかるは……あいつは、死んだ」
風花春悠:「だから俺は、戦い続けなきゃならない」
木花小夜:「ひかるがそうさせてるって言うの?」
木花小夜:「ふざけないでっ!」
初空ひかる:「違うのにねえ」
木花小夜:「死んだ人間に、そんなことできっこない!」
初空ひかる:くすり、と。
初空ひかる:風花春悠の目にしか映らない少女が、小夜の背後から笑いかける。
風花春悠:「ああ、違う」
風花春悠:「全部、俺の意志だ」
風花春悠:「俺がそうしたいから────」
風花春悠:「戦いたいから、戦ってるんだ」
風花春悠:「それだけの話だ」
木花小夜:「戦いたいなんて、誰も」
木花小夜:「誰も、思ってなかった。私たちは」
風花春悠:「昔の話だろ」
風花春悠:「まだ何も知らなかった、何を得ることもなかったけど、何を失くすこともなかった」
風花春悠:「ガキの頃の話だ」
風花春悠:「今とは違う。今の俺とはな」
風花春悠:吐き捨てるように言う。
木花小夜:「今の君が、そうなるのが、大人だっていうのなら」
木花小夜:「私は、そうはならない。呪われてるのよ」
木花小夜:「君は間違ってる。このまま戦いを続けるなら」
木花小夜:「君を赦さないから」
風花春悠:「赦さなかったら、どうするんだよ」
風花春悠:「邪魔をする気なら、俺は誰が相手でも赦さない」
風花春悠:「たとえ小夜でも────」
風花春悠:「家族でもな」
木花小夜:「……そうやって、一人ひとり捨てていってしまったら」
木花小夜:「私たちには、何が残るのよ……」抑揚のなかった声に、震えが交じる。
風花春悠:「……」
風花春悠:「俺のことは赦さないままでいい。どうせ曲げる気も無い」
風花春悠:「でも、時雨には連絡してやれよ」
風花春悠:「妹なんだろ、たった一人の」
風花春悠:「捨てるべきじゃない」
木花小夜:「ええ。大事な家族よ」
木花小夜:「時雨も、ひかるも。鳩名も、小出も」
木花小夜:「風花も」
風花春悠:「……」
木花小夜:「だから、私はここにいる」
風花春悠:「……何があったんだよ、お前に」
木花小夜:「私は変わらない。何があっても」
木花小夜:「曲げる気も無いの」
木花小夜:「知ってるでしょう。私のことを」
風花春悠:「……そのつもりだ」
木花小夜:「……明日から、ここに転入するわ。そういう任務になってる」
風花春悠:「明日からって……」
風花春悠:「何も聞いてないぞ」
木花小夜:「秘匿度の高い任務だったのよ、本当は」
木花小夜:「風花が居るなんて、知らなかった」
木花小夜:「時雨まで……」
風花春悠:「……待てよ、じゃあ」
風花春悠:「偶然ここで出会わなければ、俺にも時雨にも、そのまま連絡は取らなかったってことか?」
木花小夜:「……」俯くように。
風花春悠:「あいつは今でも……お前を死んだと思ってるんだぞ……?」
風花春悠:「お前、今……何してるんだよ、一体……」
木花小夜:「会うわよ。こうなっちゃったんだもん」
木花小夜:「元気でやってるのよね?」
風花春悠:「……」包帯やガーゼにまみれた姿、消毒液の匂いを思い出し。
風花春悠:「……何やってるんだろうな……俺も、お前も」独り言ちるように呟いて、
風花春悠:「……自分で確かめろよ」
木花小夜:「そうするわ」嘆息するように。
木花小夜:「真実って、何よりも大事だもの」
風花春悠:「どこまでも気が合わないな」
風花春悠:「昔からか?」
木花小夜:「……バカなこと言わないで」
木花小夜:「少なくとも昔は、私」
木花小夜:「嫌いじゃなかった」
木花小夜:「……喋りすぎたな。明日からよろしく」
木花小夜:「これからはなるべく、その腕見せないで。気分が悪くなる」
風花春悠:「そうするよ」
風花春悠:「……じゃあな。木花先輩」
風花春悠:本当はもっと言いたいことがあった。心中では彼女との再会を何より喜んでいたはずなのに。
風花春悠:何故こうなってしまうのだろう。彼女の知る自分と、今の自分が変わり果てていたせいか。
風花春悠:だとすればもう、あの頃のように木花小夜と語らうことなど、永遠に出来ないのではないだろうか。
風花春悠:後悔と共に帰路に着いた。明日からの生活を暗澹たる気持ちで想像しながら。
風花春悠: 
風花春悠:ベッドの中にいる海には、首が無かった。
風花春悠:正確には、頭部がごっそりと削げ落ちて、下顎しか残っていない状態だった。
風花春悠:その状態で何か喋ろうとするものだから、ひゅるひゅると風の音だけが漏れて、これならうるさくなくていいな、などと思う。
風花春悠:実際に俺は海の死に様を見たわけでは無いから、こうして悪夢を見る度に、その身体は微妙にバリエーションがある。今回は随分マシなほうだった。
風花春悠:そこは何度も現実で足を運んだ、UGN関連の病院だった。
風花春悠:ただ現実と異なるのは、窓が無く、出口も入口もなく、どこまでもただひたすらに病室だけが連なっていて。
風花春悠:そこにいる患者たちは、皆一様に死人だということだった。
初空ひかる:「変わってなかったねえ、さよさよ」
風花春悠:病室に顔を出したひかるが言う。服だけが血に塗れている。
風花春悠:病室を後にする俺を、海がひゅうひゅうと喉を鳴らして見送った。
初空ひかる:「でもイメチェンしてたね。メッシュとか入れちゃってさ」
初空ひかる:「そういう意味では変わってたっていうのかな?」
風花春悠:相槌も打たず、死者だけの病院を歩いていく。
初空ひかる:「しぐーもすっごい変わってたよねえ」
初空ひかる:「なんか強くなったらしいじゃん?さよさよとどっちが強いのかな」
初空ひかる:「風花も負けてらんないね?」
初空ひかる:そう言って笑いかける。あの日から、悪夢には常に初空ひかるの影が付き纏う。
初空ひかる:「変わらないのは、風花だけだもんね」
風花春悠:「……」
風花春悠:足を止める。どこからかナースコールが微かに聞こえてくる。
初空ひかる:「風花?」
風花春悠:「俺は変わってる」
風花春悠:「あの頃とは、違う」
初空ひかる:「違わないなあ」
初空ひかる:「私が死んだ時から、一歩だって進んでないじゃん」
風花春悠:「俺は“シンダーブレイズ”だ」
風花春悠:「“ヘルダイバー”じゃない。あの頃の、何も出来ない俺じゃ────」
初空ひかる:「本当に変わりたいならさ」
初空ひかる:顔を寄せて笑いかける。どこまでも穏やかに、優しく。
初空ひかる:あの時のように。
初空ひかる:「私のこと、忘れなきゃね」
風花春悠:「…………」
風花春悠:息を詰まらせる。
初空ひかる:「前に進むっていうのは、そういうことだよ」
初空ひかる:「忘れて。乗り越えて。なかったことにして」
初空ひかる:「進まなきゃならない。いつまでも過去(わたし)に縛られてたら」
初空ひかる:死者の病棟を見渡して、手を広げてくるりと回る。
初空ひかる:「死んでるのと同じだよ」
風花春悠:「そんな事は────」
風花春悠:「出来ない!!」
風花春悠:……自分の声で目を覚ます。
風花春悠:全身に嫌な汗。毎夜、毎晩のことだが、少しも慣れることはない。
風花春悠:息を深く吐いて、呼吸を整える。
風花春悠:「……クソッ……」
風花春悠:ボトルから水を飲んで、毒づく。
風花春悠:UGNからは能力の継承の影響だと言われている。実際に初空ひかるの意思が継承されたもの────では、ないはずだ。
風花春悠:せめて、そうであってほしい。もし彼女の意志だとしたら、きっと自分は耐えられない。
風花春悠:もう一度眠ろうとして、やめる。また悪夢を見れば、明日の行動に支障が出るかもしれない。
風花春悠:ただ暗がりの中に座り込んで、いつまでも、あの時のことを────答えの無いことを考え続けていた。


GM:シーン終了。
GM:ロイス取得あればどうぞ。
風花春悠:家族/木花小夜 〇懐旧/不審


【オープニング5:夏川早苗<オフ>】

GM:シーンプレイヤーのみ登場侵蝕をお願いします。
夏川早苗:はーい
夏川早苗:夏川早苗の侵蝕率を+6(1d10->6)した(侵蝕率:36->42)


GM:【千尋沢高校】
風花春悠:昼休み。いつものように昼食に誘ってくる友人達を躱して、ひとり教室を出た。
風花春悠:向かった先は校内でも特に人気がなく人目にもつかない、屋上に至る階段の踊り場。UGNへの定期連絡のためだ。
風花春悠:「“パイロープ”は問題無い。馴染んでいるかはともかく、怪しまれている様子は無い」
風花春悠:「“アルマンディン”……いや、今は“ミュー・シーフィ”だったか?」
風花春悠:「そちらも特段目立った様子は……それより今後は事前に連絡を……」
風花春悠:「それと何度も言うようだが“フル”の勤務態度はどうにかならないのか?非常に対処に困って──」
風花春悠:一通りの連絡を終え、通話を切って息を吐く。まだ時間はある。今からでも教室に戻って友人と食事にするか、などと考えたところで。
夏川早苗:かつこつ、と。通話が終わった君の耳に、階段を登る靴音が聞こえる。
夏川早苗:「風花くんは」
夏川早苗:「いちご牛乳にヨーグルト入りなのを、許せるタイプかしら」
夏川早苗:艷やかな黒髪をみつあみにして、メガネを掛けたおとなしい印象の少女がそんなことを聞いてくる。
風花春悠:「!」聞かれていたかと身体を強張らせるが、その顔を見て脱力する。
風花春悠:「夏川……さんか」
風花春悠:カヴァーである高校生としての顔で。
夏川早苗:その手にはビニール袋と、小さなペットボトル入の飲料を手にしている。
風花春悠:「……何?いちご牛乳?」
夏川早苗:「えぇ、夏川早苗。貴方のクラスメイトよ。よろしくね」
夏川早苗:「そう、いちご牛乳。新商品が出たから買ってみたのだけど、ヨーグルト入なのよね」
夏川早苗:赤白の混ざる液体を収めたペットボトルをチャプチャプと見せる。
風花春悠:「よろしくされなくても知ってるけどさ……。ヨーグルトってそもそも、牛乳じゃなくないか?」
風花春悠:「それはもう飲むヨーグルトのいちご味だろ」
夏川早苗:「そうよね」
夏川早苗:「繋ぎなのか知らないけど、私としては断固異議を唱えるわ」
夏川早苗:側に近づいて、とん。とペットボトルをそちらの胸元に押し付ける。
夏川早苗:「甘いものに酸っぱいものが混ざると、妙に強調される気がしない?」
夏川早苗:ねぇ?と同意を求めるように首を傾げる。みつあみが揺れる。
風花春悠:「スイカに塩理論? 定義は置いといて、味は……え、何」思わず受け取って。
夏川早苗:「これ、あげる」
夏川早苗:「感謝してくれてもいいわよ」
風花春悠:「飲みかけじゃん」
夏川早苗:「大丈夫大丈夫、ストロー使ったから」
夏川早苗:ビニール袋から、封を開けたストローを取り出す。
夏川早苗:「風花くんも、こんな所にいるってことはお昼まだでしょ」
夏川早苗:「一緒に食べましょっか」
風花春悠:「そういう問題かな……?いや、ていうか」
風花春悠:「夏川さんこそ何でこんな所……え?」
風花春悠:「一緒にって……俺と?」
夏川早苗:「新しく、飲み物を調達したかったのが一つ」
夏川早苗:がさごそ、と白と茶色のパッケージのカフェオレを取り出しつつ。
夏川早苗:「もう一つは」
夏川早苗:「貴方を探していたからだけど。って答えで満足頂けるかしら」
風花春悠:「……」いちご牛乳(ヨーグルト入り)とカフェオレを見比べて。
夏川早苗:「さ、行きましょうか風花くん。早くしないと時間なくなるわよ?」
夏川早苗:階段を登り始める。
風花春悠:「いや不満足だけど……何で俺?」言いつつ、つられて登っていく。
夏川早苗:「あら」
夏川早苗:つぷ、と紙パックのカフェオレにストローを刺して。
夏川早苗:「一緒に話したかった。じゃ不満かしら」
風花春悠:「はぁ……?」不可解な顔をして。「……まあ……飯食うくらい別にいいけどさ……」
夏川早苗:「あぁ、良かった」
夏川早苗:「そう言ってくれると思っていたわ。私の命の恩人さん」
夏川早苗:言って、屋上に向けて登っていく
風花春悠:「……その話」やや表情を硬くして。
風花春悠:「他のヤツに話してないよな?」
夏川早苗:「あら、そんな軽い女に見える?」
夏川早苗:「口は結構堅いわよ、コレでも」
夏川早苗:トントン、と登った先。屋上につながる扉。ポケットから鍵を取り出してひねる。
夏川早苗:かちゃり、と扉を開けながら。
風花春悠:「そっか。ならいいけど。俺、夏川さんのことよく知らないし……」
風花春悠:「……いや、何で持ってんの……?」
夏川早苗:「ふふ、何故でしょう?」
夏川早苗:人差し指と中指で鍵を挟んで、口元を隠しながら
夏川早苗:「そのへんも含めて、おいおい知ってもらおうかしら」
風花春悠:「何だよ、それ」笑いながら、
風花春悠:(思ったよりヤバい奴だな、こいつ……)
夏川早苗:暗い室内から屋上に出て、まぶしがるように目を細める。
風花春悠:心中で警戒を強める。
夏川早苗:笑っているようにも見える笑顔で出迎える。
夏川早苗:「ま、単純な話なのだけど。要するに………」
夏川早苗:なにもない屋上。出入り口の建物横のハシゴを登ろうとして。
夏川早苗:「……お先にどうぞ?」
夏川早苗:風花くんを促す。
風花春悠:「……わざわざ登んの?別にいいけど……」言われるがまま軽々と登り切り、
風花春悠:「はい」上から手を伸ばす。
夏川早苗:「あら、どうも」
夏川早苗:スカートから伸びる足をハシゴに掛けながら、手を掴む。
夏川早苗:「……風花くん、なんか慣れてる?」
夏川早苗:登りきった後、スカートのシワを気にしながら。
風花春悠:「何?ここ来たのは初めてだけど」
夏川早苗:給水タンクの影になる辺りにハンカチを敷いて、腰を下ろす。
夏川早苗:「いえ、そうではなくてね」
夏川早苗:「さっきの手みたいな。他人の手助けに迷いがないものだから」
夏川早苗:「私みたいな子を色んな所で引っ掛けてるのかしら。という意味よ」
夏川早苗:無色のリップを塗った唇で、カフェオレに刺したストローに口をつける。
風花春悠:「そう言うと聖人かナンパ野郎みたいだな……」
風花春悠:「別に。身体動かすのは慣れてるってだけ」暗に任務で、という意味だ。
夏川早苗:「そう聞こえた?」
夏川早苗:「ふぅん。そうなんだ」
夏川早苗:「じゃ、転校生ちゃんを気にしてるのは、個人的な興味かしら」
風花春悠:「な……」菓子パンに口を付けようとしたところで固まる。
夏川早苗:ビニール袋からレタスのサンドイッチを取り出し、包装を開ける。
風花春悠:「転校生って、しぐ…… ……木花さんのこと?」
風花春悠:「ええ?何で?そう見えるかな?」顔に笑みを張り付ける。
夏川早苗:「そうそう。木花時雨さん」
夏川早苗:はも、と緑色の具が多めのサンドイッチを齧って。
夏川早苗:「いいえ。全然仲良さそうには見えないわね」
夏川早苗:「まるでお互いがお互いを避けてるみたいだわ」
風花春悠:「……」自然な態度でいるつもりだったが。外から気取られる自分の未熟さを呪う。
夏川早苗:「………あぁ、不躾な質問だったらごめんなさいね?」
夏川早苗:「どうにも、他人からどう見られるとか反応とか、気にしちゃうのよ」
風花春悠:「ああ……」ぼんやりと頷いて。「アイドル?なんだっけ」
夏川早苗:「そうそう」
夏川早苗:「特にほら、転校生とか。先入観無く見られたら、顔とかバレちゃうじゃない?」
夏川早苗:一旦眼鏡を外す。ポケットから出したメガネ拭きでレンズを拭きながら。
風花春悠:「ああ、なるほど。大変そうだね、色々」アイドルのことなどまるで知らないが、そうなのだろうと思う。
風花春悠:「その眼鏡もそのため?」
夏川早苗:「そうよ、大変なのよ」
夏川早苗:「眼鏡は……別に伊達ってわけじゃないわね」
夏川早苗:「子供の頃から、ちょっとぼんやりしてるだけ」
夏川早苗:裸眼のままそちらを向いて、すこし顔を近づける。
風花春悠:「へえ。そっちはそっちで大変そう…… ……」同じ分だけ顔を遠ざける。
夏川早苗:「そうね。コンタクトで代用出来るけど、激しく動くと気を使うし」
夏川早苗:無自覚にすこし乗り出していた身体を戻して、眼鏡をかける。
夏川早苗:「それで、先生方にもお願いして、こうしてたまに一人になれる場所をお借りしてるのよ」
夏川早苗:言って、屋上の鍵をちゃりん、と掲げる。
風花春悠:「それで鍵か……」
風花春悠:「さすが優等生。信用されてる」
夏川早苗:「えぇ。真面目だと得よね」
夏川早苗:表情を変えないまま、得意げに眼鏡を指先で持ち上げる。
夏川早苗:「台本読みとか連絡とか、色々ね。別に盗んだわけじゃないわ……ご安心頂けた?」
風花春悠:「まあ、一応ね」
風花春悠:「警戒して距離を置かない程度には」
夏川早苗:「そう。よかった」
夏川早苗:「せっかくこういう事を話せる相手に引かれたら、世を儚んで引かれた倍の距離を詰める所だったわ」
夏川早苗:しゃぐしゃぐと、野菜を噛み飲んで。
夏川早苗:「それで、木花時雨さんのことだけど」
風花春悠:「勘弁してくれよ」愛想笑いで返す。
風花春悠:「ああ」
夏川早苗:「…………別に、仲良くしても大丈夫な子なのよね?」
夏川早苗:問い。恐らくコレが聞きたかったんだろうな、と察せても良い声音。
風花春悠:「その話が本題か。……木花さんは本当に何でもないよ」
風花春悠:「説明受けただろ、UGN」
夏川早苗:先日説明を受けたUGNという組織と、ソレと敵対する組織の名前を思い浮かべている。
風花春悠:「俺も木花さんも、そこの職員ってだけ」
夏川早苗:「えぇ。世界を守る秘密結社よね」
夏川早苗:「あぁ、そうなの」
夏川早苗:ほ、と胸をなでおろして。
風花春悠:「うん。怪しいやつとか、危ないやつとかじゃないからさ。だから……」
風花春悠:「……出来ればでいいんだけど。仲良くしてやってほしいな」
夏川早苗:「そうじゃない方だったらどうしようか、と思っていた所よ」
風花春悠:「……いいやつだからさ」
夏川早苗:ごくん。とかけらを飲み込んで。
夏川早苗:「………………」
夏川早苗:横目で表情を伺う。
夏川早苗:「ふぅん」
夏川早苗:「ふぅーん」
夏川早苗:「そう」
風花春悠:「……え、何だよ……?」
風花春悠:「何か変な事言った……?」
夏川早苗:「いえ、別に。」
夏川早苗:「えぇ。大丈夫よ風花くん。変な所はなにもないわ。むしろこちらが謝りたいくらい」
風花春悠:「あ、うん……?」
夏川早苗:「私みたいな子を引っ掛けてる、とか言って悪かったわね。あれ、訂正するわ」
夏川早苗:「風花くんはそんな人じゃないみたい」
風花春悠:「んん……?えーと……?」
風花春悠:「……ありがとう……?」
風花春悠:(何かしくじったか……?)
夏川早苗:ちゅうちゅう、とストローでカフェオレを飲み下して。
夏川早苗:「うん。認識を改めるわ。風花くんは助けた相手を引っ掛けるんじゃなくて」
夏川早苗:「特に『助けた相手』とか注釈しなくても良いタイプみたいね」
夏川早苗:けぷ。と空になったパックをビニールに放り込んで。
風花春悠:「は!?いや、待ってよ夏川さん……!」
風花春悠:「何か誤解があるみたいなんだけど……!?」
夏川早苗:「あら、もうこんな時間。そろそろ教室に戻りましょうか、風花くん」
夏川早苗:敷いていたハンカチを折りたたんで仕舞う。
夏川早苗:「大丈夫大丈夫。誤解とかしてないから」
夏川早苗:「ちゃんとわかってますよげっへっへ。みたいな」
風花春悠:「げっへっへって何!?何が分かったの!?」
夏川早苗:特に表情も変えず。
夏川早苗:「大丈夫大丈夫」
夏川早苗:「私は一足先に教室に戻るから、時間差で来てちょうだいね。鍵は預けるわ」
夏川早苗:銀色の鍵をその場に置いて、ハシゴの方へ。
夏川早苗:「あ、それと最後に一つ」
夏川早苗:スカートを畳みながら梯子に足をかける。
風花春悠:鍵を拾って。「……何……?」
夏川早苗:「下校中に下級生と抱き合う時は、周りの視線も気にしたほうが良いわよ、風花くん」
夏川早苗:トン、と地面に降り立つ音。
風花春悠:「かきゅ……」
風花春悠:「…………!!」その言葉の意味に思い至り。
夏川早苗:視界から消えた少女が、回り込んで足元。君の視界に。
風花春悠:「いや待て!舞って夏川さん!違う!」
風花春悠:「誤解!それも誤解だから!」
夏川早苗:「あら。距離の近い後輩にまとわりつかれて抱きつかれて、クールに迷惑ながらも男子的にはちょっと嬉しい。という理解じゃ足りなかったかしら」
風花春悠:「…………!?」
風花春悠:「………………」
風花春悠:「ち……違うって……そんなこと……無い……!」
風花春悠:何故か狼狽しながら答える。
夏川早苗:扉を開ける。
夏川早苗:「そう、安心したわ」
夏川早苗:「あ、最後にもう1つ。……………2つになっちゃったわね。まぁアドリブはつきものよね、人生。」
夏川早苗:「風花くんに誤解されないように言っておくけれど」
風花春悠:(まだあるのかよ……!?)
夏川早苗:「私、けっこう負けず嫌いだから」
夏川早苗:「それだけ。遅れないようにね。鍵は私から預かったで職員室に返すか、後で渡して頂戴」
夏川早苗:「じゃ、また後で」
夏川早苗:ぱたん。扉が閉まり、コツコツと鈍い足音が遠ざかるのが聞こえる。
風花春悠:「いや、待……」思わず伸ばした手は何の意味もなさず。
風花春悠:「…………」演技でなく上気した頬を冷ますように風に当たる。
風花春悠:「どうすんだよ、これ……」
風花春悠:飲みかけのいちご牛乳のボトルを揺らして。
風花春悠:「……変な奴……」
風花春悠:小さく零して、息を吐いた。


GM:シーン終了。ロイス取得ある方はどうぞ。
夏川早苗:固定ロイスで取得済み。「風花春悠 ○P連帯感/N不安」で。
風花春悠:同級生/夏川早苗 興味/〇警戒


【ミドルフェイズ1】

GM:合流シーン。全員登場。
木花時雨:木花時雨の侵蝕率を+5(1d10->5)した(侵蝕率:48->53)
鈴木千秋:1d10+33
DoubleCross : (1D10+33) → 3[3]+33 → 36

風花春悠:40+1D10
DoubleCross : (40+1D10) → 40+1[1] → 41

夏川早苗:夏川早苗の侵蝕率を+4(1d10->4)した(侵蝕率:42->46)


GM:【千尋沢高校 2年棟 空き教室】
GM:君たちには、招集の辞令が入っている。
GM:部隊として、任務に従事せよとのチルドレンへの命令および、
GM:それに合流するようにとの、イリーガルへの要請。
GM:招集文の中には、“シンダーブレイズ”を小隊長とするとの一文もある。
GM:名簿に書かれたオーヴァードの名前は、彼を含め5人。
GM:君たちはひとまず、空き教室へと集まる手はずを整えていた。


風花春悠:「……」
木花時雨:「ええと。これで、3人。残りの二人は別学年ですから、少し時間もずれるようですね」夏川さんへ声を。
風花春悠:壁を背にして立っている。普段のように態度を取り繕おうともせずに、無言。
夏川早苗:「えぇ、そうね、木花さん。私達は同じクラスだったからすぐこれたけど」
木花時雨:「ある程度の…こちら側、としての自己紹介も必要でしょうか」春悠さんがそうしているのを観えているのに、一切反応しない。
木花時雨:「奇遇ですね」淡い苦笑。
夏川早苗:「そうね。お願いするわ。私、こっち側は初心者だから」
夏川早苗:「………そういえば。こちら側も何も。どちらでも自己紹介も怪しかったっけ」
木花時雨:「……そういえば、あまり話したこともありませんね」
夏川早苗:「じゃあそうね。こっちから行きましょう。」
夏川早苗:「どうも、夏川早苗です」ペコリ、と頭を下げて
木花時雨:「ふむ。ふむ……。あ」眼をぱちぱち。「お願いします」
夏川早苗:「UGN……からは、《タルト・タタン》の名前を頂いてるわ。それと」
夏川早苗:眼鏡を外して。
夏川早苗:「もしかしたら、『早川なつみ』のほうが通りは良いかもしれない…わね」
風花春悠:「……」ぴくりと眉を動かす。明かしていいのか?
木花時雨:「………ええ、と。そういえば、みんなから聞いたような…」
木花時雨:「ご、ごめんなさい。ここ数年、そういう流行も追えてなくて」申し訳なさそうな。
夏川早苗:「………………」あれ、ちょっと思ってた反応と違う。
夏川早苗:「そっか……」眼鏡を戻す。
木花時雨:「あ、その、メガネ外してるのも綺麗なので……!その…!」
木花時雨:昔のような慌て方。
夏川早苗:「えっと、UGNと学生以外にも、ちょっと別の顔があります。ということで、はい」
木花時雨:「ご、ごめんなさい……」
夏川早苗:「いいの…!気を使わなくていいの…!」
木花時雨:「いえ……本当申し訳なく……」
夏川早苗:「木花さんにも知ってもらえるように頑張るわ。」
木花時雨:「こ、今度からきちんと追うので…!」
鈴木千秋:と、そこに。 トットットッと、軽快な足音が聞こえてくる。
夏川早苗:「ともかく、じゃあ。クラスメイトの夏川早苗としてよろしく、ね」
夏川早苗:握手を求める手。
木花時雨:「あ、はい!」すこしぱっと表情が明るくなって。手をそっと取る。
風花春悠:「……」辟易としていた表情から、足音に視線を動かす。
夏川早苗:「ん。他の人も来たかな?」
鈴木千秋:扉が開かれる。 「ごめんごめん。遅くなっちゃった」
夏川早苗:添えられた手をキュ、と握る。
風花春悠:「“フル”か」
木花時雨:「ぁ……、こ、こほん。いえ、まだ時間はありますから」
鈴木千秋:「“フル”こと鈴木、到着でーっす。……あれ?」
鈴木千秋:「!?」
夏川早苗:「こんにちは」新しい相手に挨拶。
鈴木千秋:「早川なつみじゃん!」
木花時雨:「…ええと、こんにちは。……?」凄い反応にすこしびっくり。
鈴木千秋:「うそ!なんで!?なんでここに早川なつみが!?ハルくん先輩、知ってたの!?」
風花春悠:「“シンダーブレイズ”だ。 ……知っていたが……それが何だ」
夏川早苗:「あらっ」
鈴木千秋:「言ってよ、もう!報・連・相!」
木花時雨:「……ええと。その……どういうことなのか、聞いても……?」眼を三人にくるくる回しつつ。
夏川早苗:眼鏡を取り、髪を解く。
夏川早苗:「こんにちは、鈴木……さん?早川なつみです」
夏川早苗:オンの顔。
鈴木千秋:「えっ!?みんな、知らないの?あの早川なつみだよ?」 iphoneにイヤホン差して、それぞれをハル先輩と時雨ちゃんに渡す。
木花時雨:「……わ。髪綺麗」あんなに綺麗にさら、と髪が流れるのを、初めて見た。
夏川早苗:「学校では夏川早苗で通してるの。よろしくね?」
鈴木千秋:「この曲。聞いたことあるでしょ?」
木花時雨:「ええと」いいのかな、という顔で千秋さんと、その後春悠さんを見て。
夏川早苗:三編みを解いてストレートの黒髪がサラリと落ちる。
風花春悠:「……」確かに友人に付き合ったカラオケで聞いた覚えがある気がする。
夏川早苗:「………………」
木花時雨:イヤホンを貰って、耳に。
木花時雨:「……あ。聞いたことある、かも」
夏川早苗:「その曲、できれば私の居ない所で……」
夏川早苗:「あ、でも反応気になる。ちょっと待ってね。落ち着くから…」
夏川早苗:言ってる間に事態が進行している。
風花春悠:「……」任務中の雑談は後にしろ、と言いたくなるが。どの道もう一人が来ていないので黙っている。
鈴木千秋:「っと。ところで、鈴木が最後?」
木花時雨:とんとん、と軽く指で太腿を叩いてリズムを取って。
木花時雨:「いえ。あと一人、いらっしゃるはずです」
夏川早苗:「………」初見の反応を見守っている。
風花春悠:「“ミュー・シーフィ”がまだだ」
夏川早苗:「そうね。あと一人っていう話だったわ」
夏川早苗:眼鏡をかけ直し、解いた髪を編んでいる。
木花時雨:「支部の人員リストにも乗っていなかったけれど…二人も、知らなさそうですね」
風花春悠:「……?」
風花春悠:怪訝な顔。
風花春悠:「知らないのか」
木花時雨:「…?」
夏川早苗:「皆も知らないなら、自己紹介はあとのほうが良かったかしら」
夏川早苗:手慣れた手付きでみつあみが復活
風花春悠:何も知らない時雨の様子を目にして、表情が僅かに苦いものになる。
GM:扉をノックして、開く音。
風花春悠:(あいつ……結局まだ連絡してないのか……?)
木花時雨:「どうぞ。開いています」
木花小夜:小柄な黒髪――に赤いメッシュが目立つ少女の姿がある。
木花小夜:「……木花小夜。“ミュー・シーフィ”」
木花時雨:「…………………………ぇ」眼を見開く。
木花小夜:「……え」
夏川早苗:「……木花?」時雨さんをみる
風花春悠:「……時間通りだ」時雨を気にしつつ、小夜への視線にやや責めるような色が混じる。
鈴木千秋:「いらっしゃい。よろしくね?さよさよ。……あれ?どうしたの?」 時雨ちゃんの顔を見る
木花時雨:見開いた眼で、上から下まで確認するように。
木花時雨:「…………ねえ、さん?」
木花小夜:「時雨……!?」
木花時雨:自分でも信じ切れなくて。それでもほつりと零れ落ちる。
夏川早苗:「あら」「姉妹なのね」
木花時雨:「………うそ」
木花時雨:手を口元に当てる。呼吸が酷く荒くなっているのが、それで気付いた。
木花小夜:「風花……!」
夏川早苗:ぽんぽん、と時雨さんを背中を叩く
木花小夜:「どういうこと、これ」詰め寄る。
夏川早苗:「落ち着いて。辛いならしゃがんでね」
木花時雨:もう片方の手で胸元を握り締める。
木花小夜:「5人の戦闘オーヴァードで、小隊編成するって……!」
木花時雨:「……すみ、ませ……ちょ、っと…」
風花春悠:「どういうこと、はこちらの台詞だ」
木花小夜:「なんで時雨がここにいるの!?」
風花春悠:「連絡しろと言っていたはずだが?」
木花時雨:そのことばに、びくりと身体が震えた。
夏川早苗:「……木花さん。訳ありみたいね」時雨さんに手近な椅子を用意する。
木花小夜:「それは……」
木花時雨:「すみません……すこし」
木花時雨:「…………」すぅ、はぁ、と呼吸を繰り返して。
木花時雨:「……いえ。御免なさい、取り乱しました。話の、続きを」
風花春悠:「……まあいい」実際、連絡を後回しにしてしまう気持ちは理解できてしまう。
鈴木千秋:「ちょっと。ストップストップ」
風花春悠:「今回の人事権は俺には無い」
風花春悠:「上は“パイロープ”が今回の任務に足るチルドレンだと判断した……」
風花春悠:「それだけだ」
鈴木千秋:「何があったか鈴木はわかんないけど。鈴木と早川ちゃんが面食らってるでしょ」
風花春悠:でなければ、誰が。そう思うが、口には出さない。
木花時雨:「……申し訳ありません。ご迷惑を」
木花小夜:「……そうね。いつもそう」
木花小夜:「私たちに、選ぶ権利なんて与えられない……」
木花時雨:「………」その言葉を、どこか痛みをこらえるような顔で聞いて。
夏川早苗:「そうね。だったら話運びぐらいは選んでもいいかしら?」
夏川早苗:「木花……小夜さん?それに、鈴木さんだったかしら」
夏川早苗:「色々事情があるみたいだけど、自己紹介からはじめて見る?」
鈴木千秋:「賛成賛成。まずはお互いの事を知っていかなくちゃ」
木花小夜:「……」軽く首肯する。反論はしない。
風花春悠:瞑目して「……必要だな。簡潔に済ませてくれ」
木花時雨:「……お願いします」一度目を閉じてから。
鈴木千秋:「じゃあ、鈴木からやるね。」
夏川早苗:「えぇ。お願いするわ」
鈴木千秋:「コード:“フル”。鈴木千秋。よろしくっ!」
鈴木千秋:「年齢は高校1年生で」
鈴木千秋:ぎゅっ
鈴木千秋:「ハル先輩の、監視役やってまーす」 ハル先輩の左手に腕を絡ませながら
風花春悠:「…………」
夏川早苗:「へぇ」
木花時雨:「……ええと、よろしくお願いしますね。鈴木さん」いたたまれなくなる前に言葉を出す!
木花小夜:「……監視役って」
風花春悠:僅かに嫌そうな顔。適当に振り払う。
木花小夜:「なにをやったのよ、風花……」
鈴木千秋:「うわっ、つれないなーハルくん先輩。この間は優しかったのに」
木花時雨:「この間」
風花春悠:「……右腕の能力。“フル”は“遺産”の監視役だ」
風花春悠:素っ気なく言う。
木花小夜:「……っ」
木花時雨:「こ、こほん。つ、次の方!」
木花小夜:「遺産、か……」
鈴木千秋:「視てるのが遺産だけだと思ってるの?」
木花時雨:「次の方…」ちょっと泣きそう。
夏川早苗:「はい、木花さん。次は私が」
夏川早苗:「その辺の込み入った話になる前に手番を貰いましょう」
木花時雨:「お願いします……」
夏川早苗:「コードは《タルト・トタン》。夏川早苗、2年生です。」
夏川早苗:「オーヴァード…というのになってからは多分一番の後輩だと思うわ。勉強させてもらうわね」
木花時雨:「よろしくお願いします」ぺこりと一礼。
鈴木千秋:「は~……本物の早川なつみだ……」
夏川早苗:「一応、学校とUGN以外でアイドル…『早川なつみ』って名前で活動してます」
木花小夜:「早川なつみ……」
夏川早苗:「皆には内緒にしてね?」すこし笑う
木花小夜:「早川なつみ……?」
風花春悠:「……」知ってるのか……?
木花時雨:「…そうなると、そちらの予定ですとか立場も考えないといけませんね。急なこととかあれば、言って頂ければ」
木花小夜:「えっ早川なつみなの……!?」
夏川早苗:「えぇ、木花さん。頼らせてもらうわ」
風花春悠:(知ってるのか……)
木花時雨:姉さん知ってるんだ…という顔でちらっと見る。
夏川早苗:「………えぇ、そうだけど。」
夏川早苗:「(姉の方は知ってくれてるのね)」
夏川早苗:ちょっと嬉しい。
鈴木千秋:「あっ!もしかしてファン?」
木花小夜:「……違う。興味ない」
木花小夜:「名前、聞いたことあっただけ」
鈴木千秋:「かーらーのー?」
木花時雨:「……いやそういう感じじゃなかったような……」ぼそっとつい。
夏川早苗:「それでも嬉しいわ。仲良くしてちょうだいね。木花……小夜さん」
夏川早苗:再び髪ほどき。アイドルスマイル。
木花小夜:「……本物だ」小さくつぶやく。
風花春悠:(男子高校生のカヴァー上、もう少し流行に関する情報を取り入れる必要があるな……)
木花時雨:「やっぱり知ってる」小声で。
夏川早苗:その小声を聞いてニコニコ。
夏川早苗:「風花くんと木花さんとはクラスメイト。監視とかは特に無いわ。」
夏川早苗:「むしろ素人だからこっちが監視してもらってるかもね。」
鈴木千秋:「ハル先輩、今度CD貸してあげよっか?うちくる?」
風花春悠:「任務に関係があるのか?」
木花時雨:「はい、普通はそんなにしないので…あと鈴木さん、今は別の話はなしでお願いします」
鈴木千秋:「真面目ちゃんだなー」
風花春悠:「次」
夏川早苗:「鈴木さんと木花小夜さんもよろしく。……ええと、じゃあ木花小夜さんも紹介お願いできるかしら?」
木花時雨:「……」嘆息。
鈴木千秋:むーっと頬を膨らませる
木花小夜:「……」
木花小夜:「さっきしたでしょう。木花小夜。“ミュー・シーフィ”」
木花小夜:「ついこの間、ここの3年として、別口からの転任」
木花小夜:「……これ、意味あるの?」
木花時雨:じーっと髪と肌色がどこか変わった、姉を見つめている。
夏川早苗:「ごめんなさいね。その後ゴタゴタしたものだから。」髪を編む
木花小夜:「能力の共有をするわけでもない。必要性が疑問だわ」
夏川早苗:「特記事項の有る無しも重要だと思ったの。手間だったら悪いわ」
鈴木千秋:「あるある。めっちゃあるよ。はーい、質問質問。好きな芸能人は誰ですかー?」 はいはーい
木花小夜:「私、馴れ合いをしに来たわけじゃないんだけど」
木花時雨:じー。
木花小夜:視線を感じて、そちらを向く。
木花小夜:「……特記事項」嘆息して。
木花小夜:「この子の姉よ。一応」
木花時雨:本当に姉さんなのかな、と不安で。でもどう見ても、そうとしか見えなくて。
木花時雨:ぱぁ、と表情が明るくなる。
夏川早苗:「……良かったわね」よく知らないけど
風花春悠:「……分かった。もういい」
風花春悠:「“パイロープ”。繰り返しになるが。能力の件も含めて頼む」
木花時雨:「ん…こほん。了解です」表情が元の無表情に。
木花時雨:「“パイロープ”。木花時雨。UGNチルドレン…UGNで養育された要員のひとりで、」
木花時雨:「現在はサラマンダーの発火系統を用いる戦闘を担当しています」
鈴木千秋:「妹ちゃん!」
木花時雨:「………そ、そうですが今は置いておいてください」
木花小夜:「……」
木花小夜:「どういうこと……?」
木花時雨:「……最後の、あのとき」
木花時雨:「わたしが、単一(ピュア)のウロボロスだったから。姉さんの血から…コピーしたみたいなの」
木花小夜:「……それって」
木花時雨:その前は掛けていなかった眼鏡、目立たないようにしているが包帯とガーゼ。
木花小夜:「それって……!」かつての自分の戦い方を。
木花時雨:「…それと、“対抗種”っていう因子があって。オーヴァードに反応するから、あまり触れたりするとまずいかも」
木花時雨:そうしたものからも、ある程度伝わるかもしれない。
木花時雨:「……大丈夫だよ、姉さん」
木花小夜:身ごと焦がして、それでも、敵のほうが先に倒れれば、それでいいと。
木花時雨:「わたしは、大丈夫」
木花小夜:そういう無茶をやって、摩耗してきた。
木花小夜:「大丈夫なわけ無いでしょ……!」
木花小夜:「私が、一番知ってる!」
木花時雨:「…落ち着いて。今は、他の人もいるから」
木花小夜:「……っ」巻かれた包帯に伸ばそうとしていた手を引っ込める。
木花時雨:「大丈夫だよ。姉さんほど優秀じゃないから、ちゃんと他の人も分かってる」
木花小夜:「……ごめん。まだ終わってなかったね」
木花時雨:「うん。…ごめんなさい、長引かせちゃいました」
夏川早苗:「そうね。木花……時雨さんが見た目によらず過激なタイプなのはわかったわ」
夏川早苗:「能力とかの共有はおいおい。何か問題が有るならサポートの手段を考える。今はそういうことでいいかしら」
夏川早苗:「あとは、風花くんで最後よね?」
木花時雨:「…そ、そんなことないよ…?コホンっ」「うん、そう言う感じで。最後、お願いします」
風花春悠:「……ああ」木花姉妹を見ていたが、何も声は掛けない。
風花春悠:「“シンダーブレイズ”。風花春悠だ。今回の任務で隊長を務めることになる」
風花春悠:「俺を隊長として任務に当たる以上、お前達には言っておくことがある」
風花春悠:「特に“タルト・トタン”。よく聞いておけ」
夏川早苗:「なにかしら」
風花春悠:「任務に参加する以上、俺はお前達全員を一人の作戦要員として見做す」
風花春悠:「任務上、協力はするが、手助けはしない」
風花春悠:「イリーガルであっても。能力に反動や欠陥があってもだ。一人は一人分の戦力としてカウントする」
木花小夜:「……嫌な予感はしてたけど」
木花小夜:「やっぱり、風花、君は」
木花小夜:「隊長なんて向いちゃいない」
風花春悠:「意見は求めていない。俺が選ばれた以上、俺のやり方でやらせてもらう」酷薄な目を向けて。
夏川早苗:「そうね。」風花くんの言葉を受けて。
木花時雨:「了解しました、“シンダ—ブレイズ”」落ち着いた声で首肯する。
木花小夜:「……風花……!……!?」
木花小夜:「時雨……?」
木花時雨:「……指揮系統は守らないと。はい、了解です」
夏川早苗:「小夜さんもありがとう。気を使ってくれたのよね?」微笑んで。
夏川早苗:「私だって、ここではない業界を生きてきた自負はあります。初心者だからと全体の足を引っ張るのは本意ではありません」
風花春悠:「……たとえ戦闘で傷付こうが、助けは期待するな。守って貰えるとは思うな。俺にそういう能力は無い」
風花春悠:「お前達が死んでも、それが任務の結果であれば、自分の意思の結果だ。俺は責任を負わない」
風花春悠:「それだけだ。よく覚えておけ」
木花小夜:「風花!」
木花小夜:「ふざけないで……!」
夏川早苗:「えぇ、負担になるつもりはないわ。風花くん」
夏川早苗:「元より一度、私は助けてもらったのだし」
夏川早苗:「一人分とカウントされてるなら期待に答えましょう。そして」
夏川早苗:「貴方が助けるつもりがなくても、私は勝手に助かるかもしれないし」
夏川早苗:「私は勝手に、貴方を助けるかもしれないわ」
夏川早苗:「言ったとおり、私は負けず嫌いだから」
夏川早苗:「借りは返します」
夏川早苗:「あ、もちろん。風花くんだけじゃなく。」
夏川早苗:「他の皆にもそうさせてもらうから。悪しからず」
夏川早苗:にこ、と。口元を緩めるように笑う。
風花春悠:「……好きにしろ。任務の範囲でならな」
木花小夜:「……なんて」小声で。
木花小夜:「“死んでも”なんて、言うな……」かき消えるような声。
風花春悠:「……」小夜に目を向ける。温度の無い目を。
風花春悠:「降りたいなら降りろ」
風花春悠:「他の奴もそうだ。俺は一人でも構わない」
木花小夜:「……降りるわけ、ないでしょう」
木花小夜:「それじゃあ、何のために居るのか分からない」
木花時雨:「わた…」首を振って。「自分も。この命令だって、部隊が必要だからこその辞令のはず」
木花時雨:「それで、誰かが傷ついたりするのを止められるなら。それが一番ですし」
木花時雨:ぽふ、と。姉さんの手の上に、そっと自分の手を重ねる。
木花小夜:「……時雨……?」
木花小夜:その白い手は、かつての姉の感触よりも、ずっと冷たい。
木花時雨:「大丈夫。ちゃんとどうにかするよ。わたしだって、最近は結構評価されてるんだから」
木花小夜:「それが余計に……!」
木花時雨:困ったように苦笑いをひとつ。
木花小夜:「評価なんて、されなくていい。チルドレンとしての評価なんて」
木花小夜:「何の意味もないんだから」
木花時雨:「……そうかな。でも、わたし。姉さんに、少しでも追いつけたみたいで」
木花時雨:「うれしかったな」
木花小夜:「時雨……」
夏川早苗:「……ま、色々有るみたいね」
木花時雨:「ごめんなさい、話を切ってしまいまして。続きを」
夏川早苗:「ええと、鈴木さんは何か、ある?決意表明とか」
鈴木千秋:「んー。そうだなー」
鈴木千秋:スマホぽちぽち
鈴木千秋:「とりあえず、みんなでタピオカでも飲み行く?」
鈴木千秋:「慣れ合う必要はないかもだけど、ギスギスする必要も無いっしょ?」
鈴木千秋:「そして」
鈴木千秋:「鈴木に良い考えがありマス」
夏川早苗:「どうぞ」
風花春悠:「……何だ」
鈴木千秋:「チームの団結を深めるために」 ハル先輩の肩をポンっと。
鈴木千秋:「ここは、隊長にカッコイイ所を見せてもらうってのはイカガデショウ」 ※奢ってね?
風花春悠:「…………」
鈴木千秋:「えっ?普段からかっこいいだろって?ひゅー、言うなあ、先輩」
風花春悠:「任務に関係があるのか……?」
木花時雨:くす、とその答えにちょっと笑みが零れる。
鈴木千秋:「あるある。めっちゃあるよ。部下の士気を高めるのも隊長の役目ナノデス」
夏川早苗:「そうね。リーダーとしてチームをまとめるためにも必要だと思うわ」
鈴木千秋:「任務と関係ないなら、プライベートって事なら良い?」
木花小夜:「いや、あの、待って」
木花小夜:「タピオカって何……?」
木花小夜:「コーラとは違うの……?」
夏川早苗:「………………」
木花時雨:「………なんかあの、粒粒したやつ…なんだけど」
夏川早苗:「これはいけないわね、鈴木さん」
夏川早苗:「チーム内で意思の疎通が必要よ」
鈴木千秋:「これはいけないね、早川ちゃん」
鈴木千秋:「さよさよにしっかりと教え込まなきゃだよね」
夏川早苗:「えぇ。まずは一つ、豆知識よ」
鈴木千秋:「豆知識!なになに?」
夏川早苗:「タピオカミルクティー、一杯分」
夏川早苗:「そのカロリーを消費するには、2時間のランニングが必要よ」
鈴木千秋:「さすがアイドル……!!体型管理もバッチリ……!」
風花春悠:「……」眉間の皺を指で解して。「……任務詳細を把握した後で。予算の範囲内でなら考慮する」
鈴木千秋:「やった!先輩、ありがとうね」
鈴木千秋:ゴチってくれることではなく。 歩み寄ってくれたことに対して礼を告げる。
夏川早苗:「というわけで。あまり遅くなると時間が確保できず、持ち越してしまうから」
夏川早苗:「善は急げ」
夏川早苗:「交流を深めに行きましょうか」
夏川早苗:「ねぇ、『皆』」
夏川早苗:そういって、チームの全員に声をかける。
木花時雨:「…ふふ。さあ、一緒にいきませんか。姉さん」きゅ、と重ねた手を包むようにして。
木花小夜:「……いや、あの」
木花小夜:「任務内容……」その声は聞き入れられず。
木花小夜:妹に手を引かれたままになる。
風花春悠:「……俺も行くのか……?」
風花春悠:「任務内容……」
鈴木千秋:「ほら。ハル先輩もはーやーく!」 左手を握ります
夏川早苗:「後で良いわよ」背中を押す。
夏川早苗:「先に仲良くなったほうが、不穏なときに口を挟みやすいわ」
風花春悠:「任務は……」冷たい態度を以て突き放そうとするが、鈴木にそうすると逆にどんどん隊長の威厳が削がれていくのに気付き。
風花春悠:無言で引きずられていく。
風花春悠:(何故俺がこんな任務を……)
風花春悠:(前途多難だ……)
GM:風花春悠の通信端末には、任務内容の連絡が入っていた。
GM:先日、市内の駅にて、爆発物騒ぎがあった。怪我人こそ居なかったものの、問題が2点。
GM:一つは、その爆弾が。通常の方法では収納不可能なサイズと威力のバランスを有していたこと。
GM:もう一つは、現場に、更に複数箇所への展開を示唆した文書が置かれていたこと。
GM:UGN支部では、これをレネゲイド事件と推定。
GM:これを秘密裏に――市井の学生のカヴァーを崩さぬままに、市内各所を捜索・対処することが、
GM:“シンダーブレイズ”麾下に与えられた、広域任務である。


GM:シーンを終了します。ロイス取得および購入が可能です。
木花時雨:姉さんへのロイス…は罪悪感表のままで。夏川さんにとって、応急か誰か欲しいのあるならそれ狙いかな
風花春悠:ロイスは埋まってるのでアームドスーツとか狙おう
風花春悠:2DX>=15
DoubleCross : (2R10[10]>=15) → 6[2,6] → 6 → 失敗

木花時雨:同級生 夏川早苗 〇尊敬/劣等感 非常にお世話になってるのと、アイドルってすごいということで。
夏川早苗: 
「鈴木千秋 ○P良い子/N疑念」ムードメーカー。なんか距離近い気がする
「木花小夜 ○P好感/N興味」ファンらしい。過去に事情あるっぽい。
「木花時雨 ○P使命感/Nしょんぼり」布教するわ。

風花春悠:だめ!以上!
夏川早苗:私は特に防具とかは…ボディアーマー狙いましょう
木花時雨:可愛いロイス。むーん、アームド狙った方がいいのかな
夏川早苗:1dx>=12
DoubleCross : (1R10[10]>=12) → 2[2] → 2 → 失敗

夏川早苗:駄目だったわ。以上ね。
木花時雨:1dx+2=>8 まず応急狙います。
DoubleCross : (1R10+2[10]>=8) → 8[8]+2 → 10 → 成功

木花時雨:ヨシゲット。以上。
GM:あ、あとそうだ
GM:前回の反省を生かして
GM:今回はNPCも購入判定してくれます
GM:買わせたいものがあれば申し出てください
木花時雨:わあ、すごいや姉さん!
風花春悠:わーい
鈴木千秋:夏川早苗/〇憧憬/憐憫
木花小夜/〇連帯感/不安
木花時雨/〇好感/脅威

GM:社会は8あります
風花春悠:つよ…………
夏川早苗:社会性お姉ちゃん
GM:実験体だからね……
風花春悠:何も無ければアームドスーツほしいです
鈴木千秋:えーと、とりあえず購入はアームドでも狙おうかな
鈴木千秋:1dx>=20
DoubleCross : (1R10[10]>=20) → 2[2] → 2 → 失敗

GM:じゃあ狙わせてみましょうか。
鈴木千秋:ダメな子。異常です
木花小夜:8dx+1>=15
DoubleCross : (8R10+1[10]>=15) → 10[5,6,6,7,7,8,9,10]+1[1]+1 → 12 → 失敗

GM:財産も16点あるな……
夏川早苗:すごーい
GM:使い道ないし使っちゃおう。3点使って購入。
木花時雨:おかねもち!
風花春悠:すごすぎ
GM:風花くんにあげる!
風花春悠:有難く装備します



【ミドルフェイズ2】

GM:登場は待ってね!
GM:<自由行動パート 昼>
GM:本シーンではSRSシステムを採用します。
GM:詳しくは博士の論文を読んでください Case01:回儀うダムアンディと一緒です
GM:本シーンは登場侵蝕率が1d3となります。
GM:本シーンは全部で8つから構成されており、
GM:ミドル2-1~4および、その舞台裏で8。
GM:表はシーンプレイヤーは風花春悠で固定され、
GM:共に登場するキャラを、「木花時雨/鈴木千秋/木花小夜/夏川早苗」の中から一名だけ指定。
GM:残りは舞台裏でシーンを進めても構いません。
GM:で、場所!
GM:以下の10個をご用意しました。
GM:爆弾が仕掛けられているかも知れない危険地域です 慎重に行きましょう
■平庭市MAP
1 千尋沢高校
 みんなの通う高校。テロの標的としてはお誂え向きだ。
2 『サンベリナ』
 市内の遊園地。小さいしよくみんな行くので目立つ。
3 しのぶれ自然公園
 大きな公園。昼は家族連れの姿もあるが、夜は静か。
4 尼笠内水族館
 市内の水族館。暗がりも多くテロの懸念はつきまとう。
5 魅試ショッピングモール
 ここに行けばだいたいなんでもあると言われる、市内のショッピングモール。
6 東山総合病院
 市内の病院。オーヴァード用の病棟もあり、いざという時の危険度は随一。
7 遠藤植物園
 市内の植物園。あまり人気がないのか、わりあい静か。
8 シネマ・マーメイド
 市内の映画館。最近4D対応映画も始まった。
9 桔梗ケ丘大橋
 市内の川をまたぐ大橋。風景の良いスポットとして密かに人気。
10 『シーンレベル』
 複合アミューズメント施設。カラオケやボウリングなど豊富。
11任意
 君の考えたパトロールスポットを巡ろう!パトロールですからね。
GM:相手と場所が決まったら教えてね~
風花春悠:お相手は夏川早苗さん、場所は10のアミューズメント施設で!
GM:OK、では――


【ミドルフェイズ2-1:夏川早苗】

GM:お二人は登場をお願いします。
風花春悠:41+1D3
DoubleCross : (41+1D3) → 41+1[1] → 42

GM:SRSシステムの適用をお忘れなく。
夏川早苗:夏川早苗の侵蝕率を+3(1d3->3)した(侵蝕率:46->49)

GM:あ、補足!
GM:本シーンでは開始前に、何らかの判定を要求されることがあります。
GM:判定は場所によって違いますが、効果は一律です。
GM:成功すると、シナリオの間、その技能の属する能力値を使用した
GM:判定の達成値を恒常的に+2します。
風花春悠:!?
夏川早苗:!?
GM:つまり風花くんは8回、他ヒロインは2回チャンスがあるというわけですね。
夏川早苗:凄いわ。
GM:失敗のペナルティはありません。頑張ってみてくださいね。
風花春悠:最強になっちゃう!
夏川早苗:はーい!
風花春悠:頑張ろう
GM:本シーンでは任意の〈芸術:〉9です。
GM:成功でシナリオ間の【感覚】達成値を+2。早速判定をしてもらおうかな。
夏川早苗:はーい。判定前に《紡ぎの魔眼》判定ダイス+3個
夏川早苗:夏川早苗の侵蝕率を+1した(侵蝕率:49->50)
夏川早苗:芸術アイドルで判定。
夏川早苗:5dx+3>=9
DoubleCross : (5R10+3[10]>=9) → 10[1,3,7,9,10]+10[10]+3[3]+3 → 26 → 成功

夏川早苗:どやどや
GM:アイドルかよ
GM:アイドルだ……
夏川早苗:ほんとね…
風花春悠:本職……!
風花春悠:感覚一番苦手……!ダイス増やす手段も無い!
風花春悠:芸術:アイドルで判定します
GM:何故アイドル……
風花春悠:1DX
DoubleCross : (1R10[10]) → 9[9] → 9

GM:デビューしちゃった
風花春悠:えっ……
風花春悠:才能あるわ……
GM:ユニット行けるでしょ
夏川早苗:事務所紹介しようか?
GM:とにかく両者成功!シナリオ間の【感覚】に+2されます
GM:やったね。
風花春悠:やったあ
夏川早苗:やったぁ


GM:爆弾の捜索任務と言えど、市内全てを網羅できるわけもない。
GM:人が集中しそうな――影響の大きそうな場所を絞り込み、そこにチルドレンを派遣。
GM:捜索・除去には、支部で開発した試作品である、小型の探査ユニットを使用。
GM:チルドレンに携行させ、放流。自律探索を行わせるというものだ。
GM:つまりは、君たちの目下の任務は。
GM:時間稼ぎだ。
GM:捜査が終了するまで、その場に相応しい振る舞いをすることである。
GM:【 複合アミューズメント施設『シーンレベル』】
風花春悠:「……本当にこれだけでいいのか……?」
風花春悠:辺りに探査ユニットを放ちはしたが、あまりにも呆気ない仕事に不安げな顔。
夏川早苗:「私、あまり詳しくはないのだけれど」
風花春悠:周囲への警戒は怠っていないが、殺気を放って不審に思われても本末転倒だ。ある程度普通の少年らしくしている。
夏川早苗:「初心者の私に対するドッキリ、というわけじゃないのよね?」
夏川早苗:探査ユニットが散っていったほうをついつい目で追いつつ。
風花春悠:「そんな暇なことに付き合うように見えた?」
夏川早苗:「さぁ。そんなおちゃめな一面があってもいいとは思うわ」
夏川早苗:「さて、それじゃ。時間をつぶすとしましょうか。風花くん、なにかエスコートの案はございます?」
風花春悠:「残念だけど、そういう方向性への期待は捨ててほしいな」
風花春悠:「時間潰し、ね……」
風花春悠:辺りを眺める。アミューズメント施設。自分にはどことなく壁一枚隔てた場所に感じる。
風花春悠:視界に映る誰もが楽しそうで。自分とは縁遠い世界の人達だな、と思える。
夏川早苗:「こういう時の定番は、ゲームセンターとか、ボーリングとか」
夏川早苗:「後はカラオケ、なんてのもありよね」
風花春悠:「まあ、そうだよね……」一応、カヴァー上の友人と来たことはあるが。
風花春悠:「……こういうの、夏川さんの方が詳しいんじゃないの?」
夏川早苗:「あら、そう見える?」
夏川早苗:「真面目に高校生やってる貴方と違って、私の交友関係は驚くほど狭いわよ」
夏川早苗:「ま、おまかせ頂けると言うならカラオケにしましょうか」
風花春悠:「……そうなの?アイドルなのに?」
夏川早苗:「アイドルだから。」
夏川早苗:「放課後はレッスンとボイトレでカラオケ三昧よ」
夏川早苗:「とりあえず、手とか繋いでおく?高校生らしく。」右手を差し出す。
風花春悠:「必要無いだろ……!ていうか、そんな生活なのにまたカラオケでいいの?」
夏川早苗:「妙に距離感の有る男女も目立つと思うのだけどね」
風花春悠:「実際の距離感なんだからいいだろ」
夏川早苗:「他に潰し方を知らないのよ。カラオケ、個室だから会話しても気を使わないで済むしね」
風花春悠:「無理した方が逆に目立ちそうだ」
夏川早苗:「そう?」
夏川早苗:「私は結構、距離を詰めたい所なのだけど」
夏川早苗:言いつつ、カラオケ店の方に歩いていく。
風花春悠:「詰めてどうするんだよ……カラオケね……」何らかの事態に対応するのが遅れるかもしれないとも思うが、それはゲームセンターでもボーリングでも同じことだ。
夏川早苗:「そうそう。ここで話してても埒が明かないし、プランを固める意味でもカラオケにしましょう」
夏川早苗:「私のいいところも見せられるからね」
風花春悠:「言っとくけど、こっちには期待しないでよ」
夏川早苗:後ろからついてくるのを確認するように、カラオケ店へと進み、端末の会員アプリをかざして手続きを行う。
夏川早苗:「大丈夫大丈夫」
夏川早苗:「男の人の歌とか、生で聞けるだけで珍しいから」
風花春悠:「……そういうものかな……?」やや不可解な顔をしつつ、不慣れな様子で個室に入っていく。
風花春悠: 


夏川早苗: 
夏川早苗:宣言通り。
夏川早苗:まずは自身が歌っている歌を振り付きで歌いのける
夏川早苗:落とすと怖いので外していた眼鏡を掛けて、席に戻る。
夏川早苗:「わー」ぱちぱち
夏川早苗:部屋に備え付けのタンバリンなどをシャンシャンと鳴らす。
風花春悠:「わ、わぁー……?」つられて何となく拍手をしている。
夏川早苗:「はい、ご静聴ありがとうございました。」ペコリ。
夏川早苗:乱れた前髪とかを直している。
風花春悠:「あ……うん……」こちらも頭を下げてしまう。
夏川早苗:「風花くんは、普段友達とカラオケとか行くのかしら」
夏川早苗:「中々堂に入った歌唱力でしたが」
風花春悠:「ああ、まあ……」一瞬間があって「任務も訓練も無い時に、付き合うくらいだけど」
夏川早苗:一番手として先程歌ってもらったのを思い出しつつ。
夏川早苗:「ふぅん。良いわね、それ」
風花春悠:「いや……夏川さんに言われてもな……」かなり緊張して歌っていた。
風花春悠:「良いって?」
夏川早苗:ワンドリンク制の紅茶にミルクを入れて、ストローで緩やかにかき混ぜる
夏川早苗:「私の場合、ほら。歌うのってどうしても仕事関連になっちゃうから」
夏川早苗:「友人とカラオケって、実は来たこと無いのよ」
夏川早苗:「だから、学生らしくて良いね。の良いね」
風花春悠:「へえ……そういえばさっきも言ってたね、交友関係狭いって」
夏川早苗:「そうね。すごく狭いわ。むしろ遠ざけてるから当然なんだけど」
夏川早苗:「だから、正直に言うと」
夏川早苗:「貴方とこうして遊んだり出来るのは楽しいわ」
夏川早苗:カラン、とグラスの中の氷が揺れる。
風花春悠:「んん……」どう反応したらいいか分からず、グラスの冷水に口を付ける。「そうか……」
風花春悠:「……」
風花春悠:「あのさ」
夏川早苗:「なにかしら」
風花春悠:「聞いてもいいかな」
夏川早苗:「スリーサイズはグラビアに載るまで待ってちょうだいね」
風花春悠:「ちっ……がうよ!」
夏川早苗:「ごめんなさい。真面目な空気だったから、つい」
夏川早苗:「真面目に聞きます。なんでしょう」
風花春悠:「ホントにさあ……」嘆息して
風花春悠:「……夏川さんって、どうしてアイドルをやろうと思ったの?」
夏川早苗:「好きだから、かしら」
風花春悠:「好き…… ……アイドルが?」
夏川早苗:「うん」
夏川早苗:「……いえ、ホントの所。始まりはよく覚えてないのよね。」
夏川早苗:「小学校の頃から養成所に通ってたから、多分申し込んだのは親だと思うし」
夏川早苗:「子供心に、テレビでアイドルを見て、これになりたい。とか言ったのを真に受けられたのかもしれないし」
夏川早苗:「だからまぁ、どうしてやろうと思ったのか。と言われると。実はあまり覚えてないのよ」
夏川早苗:「ただ、どうして続けているか。については」
夏川早苗:「やっぱり、アイドルが好きだから。かしらね」
夏川早苗:「……ちなみに、どうしてそんなことを?」
風花春悠:「……別に。ただ、自分の全然知らない世界のことで、気になったのと……」
風花春悠:「大変じゃないのか、と思って」
夏川早苗:「心配してくれてるんだ」
夏川早苗:すこし笑う。
風花春悠:「……そういう訳じゃないけど……」口を尖らせる。
風花春悠:「俺も、ちょっと分かるからさ」
夏川早苗:「でも、大変なのは本当。だから、労ってくれるならたくさん労ってね」
夏川早苗:「あら、おわかりになる」
夏川早苗:「風花くんもチルドレン……って奴だものね。やっぱり、大変?」
風花春悠:「……ああ。何か、さ。ちょっとだけ似てると思わないか」
夏川早苗:「アイドルと、チルドレンが?」
風花春悠:頷く。
風花春悠:「一方では周りの皆に正体を隠して、仮面を被って。もう一方では、求められる自分であり続けようとする……」
風花春悠:「最近さ」
夏川早苗:「うん」耳を傾ける。
風花春悠:「……時々、分からなくなるよ。どれが本当の自分なのか」
風花春悠:そう言って、小さく苦笑する。
夏川早苗:「そうねぇ」
夏川早苗:こちらも釣られて苦笑。
夏川早苗:「夏川早苗と、早川なつみ。……風花春悠くんと、シンダーブレイズと、ね」
夏川早苗:「言われてみればそっくりね」
夏川早苗:「それで、風花くんとしては、どう?」
夏川早苗:「今、私の前だと。仮面は被ってるのかしら?」
風花春悠:「……」一瞬だけ、虚を突かれたような顔をして。
風花春悠:「……ああ。多分ね」
夏川早苗:「あら、残念」
夏川早苗:目を猫のように細める。
風花春悠:「多分、今の俺は……」
風花春悠:「本当よりちょっと、いい奴なんじゃないかな。そういうカヴァーにしようと思ったからね」
夏川早苗:「ふぅん。それならちょっとありがたいわね」
夏川早苗:中身が半分を切った紅茶のグラスの中身を、ストローをマドラーにしてぐるぐる回す
夏川早苗:「本当よりいい人を演じてくれてるってことは」
夏川早苗:「少なくとも。私に酷い所を見せて、嫌われても良いって思われてるわけじゃないものね」
風花春悠:「……」
風花春悠:「見せただろ?もうとっくに」
夏川早苗:「………時雨さんと小夜さん。それに鈴木さん」
夏川早苗:「今回参加するとしてるなら、風花くんと知り合った多分、私が最後よね」
風花春悠:「……まあ、そうだね」
夏川早苗:「特に、あの姉妹2人に見せてるのが、貴方の『素』かしら」
夏川早苗:「どうにも、事情がありそうだし」
風花春悠:「……どうだろうな。多分、そうだと思うけど」
夏川早苗:端末を操作する。BGM代わりに掛けていたオンボーカルの曲が終わったので、次のBGM。
夏川早苗:「ふぅん。じゃあ。2人は私のいる場所は既に通り過ぎてるわけだ」
風花春悠:「……?」言葉の意味が理解できず。「通り過ぎて……?」
夏川早苗:「じゃあ、いい子ちゃんばかりしてるわけにもいかなさそうね」
夏川早苗:「あぁ、わかんないかしら、風花くん」
風花春悠:怪訝な表情でその顔を見る。
夏川早苗:にっこりと、穏やかに微笑んで。
夏川早苗:「私、結構貴方のことは好きなのよ」
夏川早苗:「『昔の知り合い』には、負けたくないと思うぐらいには」
夏川早苗:「私、負けず嫌いだから」
夏川早苗:ね?と細めた目線で訴える。
夏川早苗:「だからね」
夏川早苗:「この話を役得だと思ったし」「好きな人が、他の人と2人きりになるのは面白くないと思ってるけど」
夏川早苗:「遠慮はしないから」
夏川早苗:両手を組んで、顎を乗せて、覗き込むように
夏川早苗:「貴方が」
夏川早苗:「私を好きになるように、してみせるわ」
風花春悠:「……な……」
風花春悠:単なるクラスメイト、協力者の言葉ではないことくらいは、自分にも理解できる。
風花春悠:視線を逸らせない。耐精神攻撃への訓練だって受けているのに。
風花春悠:こんな時、どうすればいいのか分からない。そんな経験はまるで無いし、そんな訓練も受けてこなかった。
風花春悠:「…………からかう、なよ」
風花春悠:顔ごと目を逸らして、誤魔化すようになんとかそう返した。
風花春悠:グラスの氷は、すっかり溶けてしまっていた。


GM:シーン終了。購入・ロイスあれば。
風花春悠:応急キット狙います
風花春悠:2DX>=8
DoubleCross : (2R10[10]>=8) → 9[8,9] → 9 → 成功

風花春悠:確保して以上。
夏川早苗:じゃあこっちもキット。
夏川早苗:1dx>=8
DoubleCross : (1R10[10]>=8) → 9[9] → 9 → 成功

夏川早苗:お揃いだね風花くん。
夏川早苗:確保。
夏川早苗:ロイスは風花くんのPを連帯感から好意に。
夏川早苗:以上です。


【ミドル2-1/舞台裏】

GM:登場侵蝕をどうぞ。
木花時雨:53+1d3
DoubleCross : (53+1D3) → 53+2[2] → 55


GM:【 複合アミューズメント施設『シーンレベル』】
GM:こちらは2人とは違って、ゲームセンターのエリア。
木花小夜:「……煩い」入るなり、顔をしかめる。
木花時雨:「まあ、その分他の人に会話も聞かれずらいから」
木花時雨:そっと手を握ったまま。ふたりでドローンを放ち、此処に入った。
木花時雨:「姉さん、何か気になるものとかある?」
木花小夜:煩わしそうにしながらも、振りほどくことはせず。
木花小夜:「そんなこと言われても……何も、触ったことないし」
木花小夜:「時雨は。よく来るの……?」
木花時雨:「…そっか。じゃ、適当に簡単なのとかからやって…」
木花時雨:「うーん…。わたしから、っていうのはあまりないけど。別の学校とかに行ってたときは、こう言うとこも付き合ったかな」
木花小夜:「……そっか」
木花時雨:「だから、何回かはあるよ。…まずは、シューティングとかやってみる?簡単だけど、馴染みはあるかなーって」
木花小夜:「馴染み、ね」
木花小夜:「……シューティングって」
木花時雨:ふわりと柔らかく微笑んで。「まあ、経験は経験かなーって」
木花小夜:「時雨と戦えってこと……?」
木花時雨:「ちがうよ、協力してやる奴!」
木花小夜:「じゃあやる」
木花時雨:「せっかくだし、一緒にしたくて。……えへへ」
木花時雨:「うん。やろ」
木花時雨:そう言ってコインを投入する。
木花小夜:ゲームが始まる。
木花時雨:姉さんと、こうして。一緒に同じことをする、というのは。それこそクラスの時にまで、戻らないと無いような気がして。
木花小夜:射撃の腕自体はそれなりだ。銃を使った戦型ではなかったが、
木花小夜:“隠れ家”ではそれなりに射撃訓練もさせられていた。
木花小夜:だが。
木花小夜:画面内の敵の攻撃を見て、身を翻す。
木花小夜:ダメージの表示。
木花小夜:「はあっ……!?」
木花時雨:「わ、っと」カバーするように射撃。
木花小夜:「避けたじゃない……!」
木花時雨:こちらも、射撃自体は基本を抑えた程度。無能力に近いからこそ、基礎だけは常に反復を欠かさなかった。
木花時雨:「これ、こっちのキャラは動かせないから…」苦笑して。
木花小夜:「銃は手元にあるのに……?」銃型のコントローラを不可解そうに握って。
木花時雨:経験があるから、絶え間なく打ち込み画面外へのリロード、相手のくる間隔。其れを見落とさず、丁寧に。
木花時雨:「コントロールできるの、銃だけだから…」
木花時雨:「だから、銃だけでなんとかしなくちゃいけない、ってやつなんだよね。…御遊びだよねえ」
木花小夜:「お遊びね」
木花時雨:訓練では、銃を撃つことよりも、遮蔽の取り方や動き方こそが重要だった。
木花小夜:「実戦とはぜんぜん違う……けど」
木花小夜:「……そりゃそうよね。そういうのを知らない人が作ってる」
木花小夜:「普通は、そんなの知っている方がおかしい……」
木花時雨:「うん。……それに、ダメージを受けたって誰も傷ついたりしないからさ」
木花時雨:「だから、ただのお遊びで。気軽にできるの」
木花小夜:最初はひどいものだったが、何とか持ち直してきて。
木花小夜:それでも、所詮ははじめてだ。途中のステージでこちらのみ脱落した。
木花小夜:一人になった時雨の画面を眺めている。
木花時雨:「ふ、っと、あ」
木花時雨:それにどこか動揺したのか、それとも経験があるといっても、然程何度も遊んでる訳でもない。
木花時雨:当然のように難易度が上がればミスをして、それが積み重なってゲームオーバー。
木花時雨:「……うーん。此処でクリアできればちょっとはカッコイイところ見せられたのにな—……」
木花小夜:「……ううん。構え、見れば分かる」
木花小夜:「手慣れてる……前は銃を持たされただけでワタワタしてたのに」
木花小夜:「それが玩具だから?それとも」
木花小夜:「……戦闘任務をこなしてきたから?」
木花時雨:「……へへ。その節はどうもご迷惑を……」
木花時雨:「……どっちもかなあ。わたしだって銃を使う訳じゃないけど」くるりと手の内で玩具の銃を回す。
木花時雨:「本物なら、こんな風になんて出来ないし」す、と音もなく筐体のポケットへ。
木花時雨:「昔なら、護身程度にしかやれてなかったから」
木花時雨:苦笑を浮かべて。
木花小夜:「……私の居ないうちに、大きくなってる」
木花時雨:「だって、姉さんが」
木花時雨:「……姉さんが、わたしのせいで」そっと、腕元にくっつくように。
木花時雨:「…そう思ってたから。だから……やれることは、やらなきゃって思ったの」
木花小夜:「……っ」
木花時雨:「………ね、姉さん」肩口に頭を埋める。
木花時雨:「帰ってきてくれて、ありがと」
木花小夜:「大丈夫よ」自分より背の高い、妹の頭を撫でる。
木花小夜:「大丈夫。もう、苦労させない」
木花小夜:「私がなんとかするから。そのために、私は来たんだから」
木花時雨:「……えへへ。本当はさ、何をしてたの、とか。どうして、って聴こうかなって思ってたの」撫でられながら。
木花小夜:「時雨は、大丈夫……」
木花時雨:「……姉さんが、一緒にいてくれれば。ただ、それだけでいいから」
木花時雨:「わたしにだって、背負わせて。なんでもする。ちょっとでも、前よりできるようになったの」
木花時雨:「……昔みたいに、姉さんたちだけに、背負わせたくない」服の裾を、小さく。拒絶されるのを恐れるように掴む。
木花小夜:「時雨は何もしなくていい!」
木花時雨:「……えへへ」
木花小夜:「生きててくれれば、いいから……!」
木花時雨:「そんなことないって言おうと思ったのに」
木花時雨:「……そう言ってくれる声を聴くだけで、安心しちゃうな」
木花時雨:「……居なくならないで。離れても、いつか戻ってくるってちゃんと約束して」
木花小夜:「……」それには応えず。「ねえ、時雨」
木花時雨:「わたし、姉さんの邪魔にはなりたくないけど…これだけは、わがままを言わせてほしい」
木花小夜:「他には?」
木花時雨:「……なあに?」
木花小夜:「他には、何か。おすすめ、あるの?」
木花時雨:「うん」顔を上げて。「クレーンゲームとか、プリクラとか。色々あるよ」
木花時雨:こうしていることが、奇跡のような偶然に支えられているのだろうと、分かっている。
木花時雨:だから、せめて。
木花時雨:「どっちも、物が残るから。どっちから行こうか」
木花小夜:「時雨と協力できるやつがいいかな」
木花時雨:「じゃあ、プリクラから行こう。簡単なやつだから」
木花時雨:そのまま、そっと手を引く。
木花時雨:以前の時とは、逆だなと思って。少しおかしかった。
木花小夜:時雨に手を引かれるままだ。
木花時雨:「ね」
木花小夜:時雨の手を引いて、先を歩くことはない。「うん?」
木花時雨:「いっぱい、一緒に。いろんなこと、したいな」
木花小夜:「ええ。任務が終わるまで」
木花小夜:「時間の許す限り。色々」
木花時雨:「そっか。じゃあ、それまでに頑張らないと」
木花時雨:「姉さんには、いっぱい楽しいこととか、嬉しいこと。持っていてほしいから」
木花時雨:微笑む。いずれきっと、また離れて。今度こそ生きている内に会えないのかもしれなくて。
木花小夜:「時雨……」
木花時雨:それでも。それでも…。せめて、出来ることをしたい。
木花時雨:「何でも言って」
木花時雨:「わたし、がんばるよ」
木花小夜:「……」
木花小夜:違う。
木花小夜:もう、誰も。
木花小夜:頑張らなくたっていいんだ。
木花小夜:声には出せずに、手を引かれるように次の場所へと向かう。


GM:次の選択をお願いします。
GM:「木花時雨/鈴木千秋/木花小夜」
風花春悠:お相手は木花小夜さん、場所は植物園でお願いします。
GM:OK.


【ミドルフェイズ2-2:木花小夜】

GM:登場をどうぞ。
風花春悠:42+1D3
DoubleCross : (42+1D3) → 42+1[1] → 43

GM:ここの判定項目は任意の〈知識:〉ですね。
GM:難易度は同じく9。
風花春悠:知識も無い……何も無い男……
風花春悠:知識:植物で判定します
風花春悠:2DX>=9
DoubleCross : (2R10[10]>=9) → 8[8,8] → 8 → 失敗

風花春悠:喉のとこまで出てるのに……!
木花小夜:2DX>=9
DoubleCross : (2R10[10]>=9) → 4[3,4] → 4 → 失敗

GM:じゃあ2人とも全然知らん
風花春悠:かなしい
GM:チルドレンなんてそんなもんだよね……


GM:【遠藤植物園】
GM:あまり人気のある施設ではない。だが、曲がりなりにも観光施設である上に
GM:隠匿が容易だ。確認しておくのは悪い手ではない。
木花小夜:「……」機械を放ったきり、その場に立っている。
風花春悠:「……」こちらも黙っている。どう声を掛けたらいいか分からない。
風花春悠:気まずさに耐えかねて逃げるように視線を動かし、
風花春悠:「……あ」
風花春悠:一つの花の名を見て声を上げる。
木花小夜:「……何?見つかった?」
風花春悠:「いや……」白い花を示して
風花春悠:「“ゼフィランサス”。前にコードで見たことあるな」
風花春悠:「そっちの“アザレア”もだ。これが元ネタだったのか……」
木花小夜:「……バカ」
木花小夜:「花を見て、感想がそれ?」
風花春悠:「……何だよ……悪いか?」
木花小夜:「当たり前でしょう。不審極まりない」
風花春悠:「……分かったよ……」一人で感心していたのに無碍にされ、不服げな顔。
木花小夜:「もっとあるでしょう、いくらでも」
風花春悠:「例えば?」
木花小夜:「……あ、ほら、あのアジサイ」
木花小夜:「毒性の強い種よ。根に中毒症状を引き起こす成分がある」
風花春悠:「ん」目を向ける。
木花小夜:そもそも花は咲いていない。秋だからだ。
風花春悠:「……」
風花春悠:「いや、その感想もどうかと思うが……?」
木花小夜:「……悪い?」
木花小夜:「知らないでしょう、お互い。こういうの」
木花小夜:「知ってこなかった」
風花春悠:「まあ……そうだな」草花に目を落とす。「仮に知ろうと思ったとしても、そんな暇も無かった」
風花春悠:「こんな時間も久々だ……任務中だけどな」
木花小夜:「私たちにとって、こういう植物って」
木花小夜:「材料でしかなかった。巣を作るための……」
木花小夜:「花の綺麗さなんて、見向きもしてなかった」
風花春悠:「巣、ね……」
風花春悠:「……そうだな。そうやって必死に守ろうとした群れだって……」
風花春悠:「もう、三羽しか残ってない」
木花小夜:「……」
風花春悠:「……」
風花春悠:「……なあ」
木花小夜:「……うん」
風花春悠:「……今まで、どこで何してたんだよ」
風花春悠:「教えられないことなのか?俺にも、時雨にも」
木花小夜:「……ごめん」
木花小夜:「秘匿性の……高い任務で……」
風花春悠:「……そうか」
木花小夜:「……最近までは、訓練、してた」
風花春悠:「……訓練?」
木花小夜:「力が、戻らなくて。あの時から」
木花小夜:「多分、“継承”が起きたんだと思う」
木花小夜:「覚えてる?」
木花小夜:「親鳥が言ってたこと。私達の、特性は」
風花春悠:「……!」思わず右腕に目をやり。
風花春悠:「受け渡せる……」
木花小夜:「……ええ。多分、同じ」
風花春悠:「小夜から、時雨に……か……」
風花春悠:「それで、時雨は……」
木花小夜:「……遺産の継承は、強い侵襲を受ける」
木花小夜:「副作用よ。多分、時雨の対抗種因子は、当時の私よりも強い」
木花小夜:「敵にも。自分自身にも……」
風花春悠:「…………」言葉に出来ない。それが姉である彼女にとってどれほどのことか、想像できると言うのも烏滸がましい気がして。
木花小夜:「……風花」
木花小夜:「風花も、そうなんでしょ」
風花春悠:「……」
木花小夜:「そんなものを継承して、何もかも無事で居られるなんて」
木花小夜:「私はそんな呑気な判断できない」
風花春悠:「……」
風花春悠:「ああ」
木花小夜:「教えて。何が起きてる?教えられないことなの?」
風花春悠:「……」瞑目する。
風花春悠:「……あいつが……」
風花春悠:「ひかるが死んだ時のこと」
風花春悠:「ちゃんと話したこと、無かったな」
風花春悠:「……あいつさ」
木花小夜:「……うん」
風花春悠:「俺のせいで死んだんだよ」
風花春悠:「俺を庇ったんだ。避けられたはずの攻撃だったのにさ」
風花春悠:「何で、って聞いても、分からないって……」
風花春悠:「……最後まで笑ってた。本当、あいつ……」
風花春悠:「ふざけてるよ」
風花春悠:俯き、右手で目元を覆う。
風花春悠:「こんなもん残して、勝手にいなくなりやがって……」
木花小夜:「ええ。そうよ。ひかる、いっつもふざけてて」
木花小夜:「少なくとも、風花には。見せたくなかったんでしょ」
木花小夜:「水面から上の、優雅な姿だけしか」
木花小夜:「……風花のせいじゃない」
風花春悠:「……」
木花小夜:「ひかるを送り出したのは、私」
木花小夜:「『風花を助けに行かなきゃ』って。そう言うあの子を、送り出した」
初空ひかる:木立の影の向こうから、少女が笑っている。今の自分たちよりも幼い、あの頃のままの姿で。
風花春悠:それはきっと亡霊ではない。自分の頭が作り出した、ただの幻。
木花小夜:「私が、風花の方に行ってれば」
木花小夜:「君を守れたのかもって。思う時がある」
風花春悠:「……やめてくれよ」呻くように。
風花春悠:「そんなこと言われたら」
風花春悠:「……甘えたくなる。止まりたくなるんだよ」
木花小夜:「やめてほしいなら、その俺のせいだっていうのもやめて」
木花小夜:「ひかるが死んだのは、風花のせいじゃないし」
木花小夜:「ひかるのために、風花が、戦い続けなきゃいけないことなんてない」
木花小夜:「そうだよね、ひかる」
木花小夜:「君がそんなことを望むもんか……」
初空ひかる:「ほら」小夜の背後から笑いかける。
初空ひかる:「さよさよだって言ってるじゃん」
初空ひかる:「私のことなんか忘れてさ。やめちゃおうよ、戦うのなんて」
風花春悠:「……少し、違う」
風花春悠:「俺が戦ってるのは、確かにひかるが切っ掛けだけど……」
風花春悠:「今戦ってるのは、ひかるの為じゃない」
木花小夜:「じゃあ、何のために……」
風花春悠:「……」
風花春悠:「……今回の任務、俺は必ず成功させるつもりだ」
風花春悠:「恐らく上はこの任務で、俺に指揮者としての素質を問おうとしてる」
木花小夜:「ええ。私も、今回の任務を成功させる」
木花小夜:「……」
木花小夜:「上に行きたいの?」
風花春悠:「ああ」頷く。
風花春悠:「正規エージェント。支部長。日本支部。……本部」
風花春悠:「どこまでも上りつめてやる」
木花小夜:「苦しんで、登って、苦しんで、登って……」
木花小夜:「登りつめた先に、何があるっていうのよ」
風花春悠:「強くなりたいんだよ」
風花春悠:「他の何を犠牲にしても。他人にどう思われようと、関係ない」
風花春悠:「外に出て、分かった」
風花春悠:「現実っていうのは、どうしようもなく冷たくて──」
風花春悠:「きっと、火が必要なんだ」
風花春悠:「消えない灯火が」
風花春悠:「戦いたくなんてないよ。誰だってそうだ。俺たちがそうだったみたいに」
風花春悠:「それでも誰かがやらなきゃいけないなら、せめて背負うのは、俺だけでいい」
風花春悠:「……“シンダーブレイズ”を、誰もが恐れるようになればいい」
風花春悠:「そうなれば、せめて俺の手の届く限りは」
風花春悠:「誰も傷付かず。凍えずに済む」
木花小夜:「私は、嫌」
木花小夜:「君が光になってしまったら、誰が君を照らせるの?」
風花春悠:「……仕方ないんだよ」小さく、力ない笑みを浮かべて。
風花春悠:「本当の光は、もう消えてしまったんだから」
風花春悠:右腕を、握る。
風花春悠:「ひかるが最後にくれた火を、絶やす訳にはいかないんだ」
風花春悠:「一度立ち止まってしまえば……もう二度と、再点火できない気がする」
木花小夜:「ええ。もう居ないわ」握る右腕に、上から手をかざす。
木花小夜:「誰もが“シンダーブレイズ”を恐れても、私は、君を恐れない」
木花小夜:「そんな火なんて、いらない」
木花小夜:「おかしいのは、火が必要な、この世界の方なんだから」
木花小夜:「今は遥か遠い春を、迎えてみせるから。私が」
木花小夜:「君が登りつめるより、ずっと早く」
風花春悠:「……何でだよ」
風花春悠:「分かんないのかよ。俺は……」
風花春悠:「それじゃあ俺は……」
風花春悠:何の為に。その言葉を、寸前で呑み込む。
木花小夜:「私はね。赦してないのよ」
木花小夜:「初空ひかる。君のことを……」
木花小夜:それだけ言うと、踵を返して。
木花小夜:「……時間よ。どうやら、ここは外れみたいね」
風花春悠:「……ッ……」
風花春悠:「……小夜!」その背中を呼び止める。
風花春悠:「言いたかったのは、こんなことじゃない」
風花春悠:「一つ、言ってなかったことがある」
木花小夜:振り向かないが、立ち止まる。
風花春悠:「……」
風花春悠:「……生きていてくれて、よかった」
風花春悠:「また会えて嬉しい」
木花小夜:「……私も、同じ気持ち」
木花小夜:君には見えない角度で、少しだけ。
木花小夜:微笑みを見せた。


GM:シーン終了。ロイス・購入が可能。
木花小夜:風花、なにか欲しい物があれば買ってあげるよ
木花小夜:大丈夫……?ここにお金置いておこうか?
風花春悠:木花小夜 〇懐旧/不審 を 木花小夜 〇懐旧/不安 に変更
風花春悠:自分で買える……!
木花小夜:お姉ちゃんお金持ってるから……遠慮しなくていいのよ……?
風花春悠:いらねーよ!勝手に部屋入んなよ!
風花春悠:何買おう 思いつかないから適当にブルーゲイルでも狙おう
風花春悠:2DX>=20
DoubleCross : (2R10[10]>=20) → 7[3,7] → 7 → 失敗

風花春悠:ウッ……以上です
木花小夜:ブルーゲイルね
木花小夜:8dx+1>=20
DoubleCross : (8R10+1[10]>=20) → 10[2,3,3,3,4,6,8,10]+2[2]+1 → 13 → 失敗

木花小夜:財産7点。13→6
木花小夜:はい。お姉ちゃん買っといたからね
風花春悠:ね……姉ちゃん……
風花春悠:あ……ありがとう……
木花小夜:うん、お礼が言えて偉いね


【ミドル2-2/舞台裏】

木花時雨:55+1d3
DoubleCross : (55+1D3) → 55+3[3] → 58

夏川早苗:50+1d3
DoubleCross : (50+1D3) → 50+2[2] → 52



GM:【遠藤植物園】
GM:君たちも並行して、爆弾の捜査を進めていた。
木花時雨:ドローンを放つ。ふたりとは別方向から、きちんと施設全体を埋めれるように。
夏川早苗:時雨さんと2人行動。木の生い茂る、見通しの悪そうな場所をピックアップ中。
夏川早苗:「思えば、時雨さんとこうやってお話するの、初めてよね」
木花時雨:「操作とかは大丈夫ですか…っと、はい。そうですね」
木花時雨:「自分が居るグループと夏川さんとはあまり接触無い感じですし」
夏川早苗:「えぇ。そんなに複雑じゃないものね。」ドローンの行く先を見据えつつ。
夏川早苗:「そうね。私、クラスだとグループとかは避けるタイプだから」
夏川早苗:「ちょっと見栄を張ったけど、時雨さんと、どころかクラスの女子とこうして話すのが初めてね」
木花時雨:「やっぱり、アイドルをされてる事情から………」
木花時雨:「そ、それはまたなんというか。すごいですね…?」
夏川早苗:「そうなのよ」
夏川早苗:「中学卒業するぐらいから顔が売れ始めたから。高校だとボロを出さないように最初からね」
木花時雨:「は—……すごいですね」
夏川早苗:「放課後はレッスンだから、部活とか遊びに行くのも断ることになるし、悪いからね」
木花時雨:「でも、それくらい大変で、制限ばっかりなら…通信制とか、そういうのでも良かったのでは?」
夏川早苗:「あ、やっぱりそう思う?」
木花時雨:「あ、いえ。気に障ったなら申し訳ありません」
夏川早苗:「いえ、大丈夫よ。そんな深刻な話じゃないから」
木花時雨:「ただ、学校を勉学と資格の場と思うなら、そちらの選択肢があったのになぜだろうな、と」
夏川早苗:「じゃあ、そうね……時雨さんは、こうやって高校に…潜入?入学?するのって、初めてじゃないんでしょう?」
木花時雨:「ええまあ。中学時代は特に飛び回ってましたね」苦笑。
夏川早苗:「あ、そうなの。じゃあなおさらかしらね」
夏川早苗:「色んな学校を見てたなら、『学校』って一括にしても、それぞれ違うって知ってるでしょう?」
木花時雨:「……ああ、そうですね。確かに」
夏川早苗:「知識として知ってても、実際に体験するのとはえらい違いだと思うのよね」
夏川早苗:「ドラマの演技にしても、途中からの転校生にしても、ね」
木花時雨:「……これは一本取られました」
夏川早苗:「ふふ、取っちゃった」
木花時雨:「ええ、でも負けっぱなしは嫌なので。…そういう、知ることだけが目的じゃあないとも見てるんですがどうです」
夏川早苗:「あら」
夏川早苗:「流石は学校のプロ、お目が高い」
木花時雨:「プロって程じゃないですけどね…馴染むのもあまりうまくないし…」
夏川早苗:「馴染む事を諦めてるよりはマシだと思うわ」
木花時雨:溜息を付きながら歩く。
夏川早苗:花の名前と説明のプレートを歩きざまに見つつ。
夏川早苗:「ま、そうね。今言ったのは後付みたいなもので……学校に行かずに一本に専念する。って子を説得する時の常套文句ね。」
夏川早苗:「単純に既に受験が済んでたってのもあるし、あとは」
夏川早苗:ため息をつく時雨さんの顔を、覗き込む。
夏川早苗:「女子高生、というのが楽しそうだった。からかしらね」
木花時雨:「?」見返す。
木花時雨:「……ああ。そう言うイメージ、ありますからねえ」
木花時雨:花々を見る。
夏川早苗:「小中までは義務教育……だからってわけじゃないけど。高校生になってから解禁されることって、いっぱいあるわよね」
夏川早苗:「物語でも、高校生の主人公っていっぱい居るし」
夏川早苗:「楽しそうだなーって思ったから、やってみた。そんな感じ」
木花時雨:「そうですね。高校生、いっぱいいます」
夏川早苗:「お気に召して頂けたかしら?」
夏川早苗:時雨さんの隣で花を見る。
木花時雨:「ええ。しっかり納得できました」
木花時雨:あのクラスと、渡り歩いた支部で受けてきた訓練と知識は、その薬効や毒性、枝葉の有効活用についてで。
木花時雨:こうして高校生として…カヴァ—であっても、そう歩くときには、
木花時雨:その美しさと芳しさを想って。
木花時雨:「物語とか、本の中の高校生って」
夏川早苗:「うん」
木花時雨:「キラキラしてて、コーラとか好きなものを飲んで、好きなひととデートをして歩いたりして」
木花時雨:「……素敵ですよね」
夏川早苗:「えぇ」「青春、っていうのかしらね」
木花時雨:「わたし、そういうことをして欲しいひとがいるんです」
夏川早苗:「してほしい? ……したいひと、じゃなくって?」
木花時雨:「そうなったら、いいなあって。そうずっと思ってたこと」
木花時雨:ふわりと微笑む。
木花時雨:「自分が、というの。そりゃありますよ」
夏川早苗:「あぁ、あるのね」
夏川早苗:「で、それ以上に優先したい相手?」
木花時雨:「でも、それより。自分がいいな、って思ったことを、その憧れさえ知らないひとがいるなら…」
木花時雨:「教えて、上げたいじゃないですか」
木花時雨:染み入る雨のように微笑んで。
夏川早苗:「………ふむふむ」
夏川早苗:「ねえ、時雨さん」
木花時雨:「はい、なんでしょう」
夏川早苗:「それって、どっちに対しての感情?」
木花時雨:「……今困ってるのですよね。どっちもなので」
夏川早苗:クイ、と親指を、自分達と別行動の2人が行っただろう方向に。
夏川早苗:「はぁーん」
夏川早苗:「なんか、重そうだものね、あの2人」
木花時雨:「春悠…さんは、鈴木さんとか夏川さんとかいるし、アレでクラスだと友達いるみたいなのでまあ時間かければちょっとよくなるかなーと思うんですけど」
夏川早苗:「貴方も居るしね」
木花時雨:「姉さんは……」口を閉じる。
夏川早苗:「となると、小夜さんかぁ」
木花時雨:「………本当は」
木花時雨:「どっちも、抱え込むひとだから」
木花時雨:「せめて、荷物を分けて欲しいって思うんですけど……意地っ張りだから」
夏川早苗:「そうっぽいわね」
木花時雨:「……ごめんなさい、つい愚痴を」
夏川早苗:「いいのよ」苦笑して「こっちの業界にも居るわ、そういう子」
木花時雨:「やっぱり、何処でも居るんですかね、ああいうひと」苦笑して。
夏川早苗:「いるいる。1グループに1人は居る」
木花時雨:「そんなに」
夏川早苗:「真面目で、しっかり者で、皆を放って置けなくて」
夏川早苗:「『私一人が我慢すれば、被害が一番少ないから』とか言い出しそうな子」
木花時雨:うんうん、とうなずうく。
夏川早苗:「正直アレよね」
夏川早苗:「迷惑よね」
木花時雨:「それで、失敗すると自分のせい、って思っちゃうタイプ」
木花時雨:「……ノーコメントで」
夏川早苗:ノーコメントにふふっ、と笑い。
夏川早苗:「相手に恩だけ売って、返させてくれない人ね」
夏川早苗:「高利貸しより厄介だわ」
木花時雨:「ひどいひとです」
木花時雨:「本当に…」
夏川早苗:「そうねぇ……」
夏川早苗:「やっぱり、こっちも押し売りするしか無いんでしょうね」
木花時雨:「あまり、重荷にもなりたくないけど。そうするしかないんですかねえ」
夏川早苗:「そうするしかないんじゃないかしらねぇ」
夏川早苗:「だって、ほら。それで仮に潰れなくて、最後まで歩き切ったとして」
夏川早苗:「『貴方が幸せになったのは、私がずっと支えていたからです!』なんてマウント取られた場合」
夏川早苗:「何も言い返せないじゃない。」
木花時雨:「ふふ……ほんとだ」
木花時雨:「多分、そうしたいんでしょうね」
夏川早苗:「そうねぇ」
夏川早苗:「私のお陰で皆が笑顔に、って。理想的だわ」
木花時雨:「問答無用で、かくあれと。人の気なんて知らぬげに」
木花時雨:「あはは、何かのフィクションでありそうな御題目ですね」
夏川早苗:「あはは、ほんとだ。私達のほうが一般から見るとだいぶフィクションなのにね」
木花時雨:「そりゃ、わたしたちだってただ少しばかり、他の人と違うことが出来るだけですもの」
木花時雨:「みんな纏めて幸せに、なんて。御伽噺の魔法じゃないんですから」
夏川早苗:「それもそうだわ。いけませんね。外側から知ったふうなことを言い始めたら脳の老化だわ」
木花時雨:「ふふ」くすくすと笑う。
夏川早苗:「便利な言葉だものね、「私のせい」「私のおかげ」って」
夏川早苗:「私の中で『マジ』と同じくらい、一度使ったら戻れない魔性の言葉だと思ってるわ」
木花時雨:「そうですね…」
夏川早苗:「えぇ、マジで。」
木花時雨:「早速使ってる」
夏川早苗:「おっと、いけないいけない」口元に手を当てる。
木花時雨:「もう戻れないですねぇ」悪戯っぽく。
夏川早苗:「うう、清らかだった頃の私に戻れないわ…」よよよ、と泣き真似
木花時雨:「あはは」
夏川早苗:ぱ、と手の中の目薬を晒してみせる。
木花時雨:「一瞬騙されちゃいました」
夏川早苗:「プロですので」得意げに胸を張る。
夏川早苗:「………しかし、良いわね。こういうの」
木花時雨:くすりとその姿に笑って。また、植物園の木々を見やり。
夏川早苗:「こういう会話意外と普通の友達っぽいわ」
木花時雨:「ええ。わたしも、此処まで踏み込んで話したの、初めてですが」
木花時雨:「物語でいう友達同士のやりとりみたいで、ちょっと嬉しいですね」
夏川早苗:「えぇ、ほんとに」
夏川早苗:くすりと笑う。
夏川早苗:「特別だなんて自惚れるつもりはないけど、それぞれに共有しづらい秘密を抱えてて」
夏川早苗:「それを明かしながら話せる相手が居るのは、とても嬉しいことだわ」
木花時雨:「ええ。そうやって、互いに話し合えれば。意外と何とか、なる気がしてきます」
夏川早苗:「えぇ、そうよね。話す前より、一言でも言葉を交わせれば」
夏川早苗:「結構なんとかなるんじゃないかって、思えるのよね」
夏川早苗:「ほら、私達、可愛いし」
木花時雨:「ええ、」そうですね、と言いかけて。
木花時雨:「……いや夏川さんは綺麗ですが」
夏川早苗:「あ、肯定した」
木花時雨:「そちらではなく…」
夏川早苗:「なかなか自信家だわー。あなどれないわー」
木花時雨:「ちがっ……!こ、この…!」
木花時雨:「分かってますよね!?」
夏川早苗:「わからん。わからんなんも」
夏川早苗:「あ、素敵なお嬢さん。アイドルとか興味ない?」
夏川早苗:財布から名刺を取り出す。
木花時雨:「其れ分かってる言い方ですよ!そしてアイドルは別のやることあるのでむーりーでーすっ!」
夏川早苗:「ちぇっ」
木花時雨:名刺はちゃんと受け取る。
夏川早苗:「じゃあアイドルはいいわ。よく考えたらライバル増えるし」
夏川早苗:その名刺には、夏川早苗の携帯アドレスが描かれている
木花時雨:「うわあくるっと変わったぁ…」
夏川早苗:「じゃ、お友達には興味あるかしら?」
木花時雨:そのアドレスを、仕事用のそれでなく。
木花時雨:「ええ、わたしで良ければ喜んで」私用の。今まで出会ったひとたちとの、想い出を詰めた端末の方に読み取らせる。
夏川早苗:その返答に、ほ、と。まるで緊張していたかのように安堵の息を漏らす。
夏川早苗:「えぇ、貴方が良いわ。時雨さん」
夏川早苗:「…………………」少し離れて、全身を観察する。
木花時雨:「眼も悪いし要領もそんなよくないやつですが、どうかよろしく」ぴろん、と。貰ったアドレスに、私用にだけ使うアドレスから返信。
夏川早苗:短な振動を端末に感じて、その返信を見る。
木花時雨:白い髪は、どこか黒ずんだ灰色で。制服だと、膨らんだところのせいでどこか太く見えるし、脚だって細く綺麗なものではない。
木花時雨:『木花時雨です。どうか、わたしをよろしくおねがいします』
木花時雨:ふわりと、その名前の如くに微笑んだ。
夏川早苗:白い髪は落ち着いた色合いで変に浮かず。制服の上からでもわかる女性らしさと、運動により培った健康的な張りを持っている。
夏川早苗:「うん」
夏川早苗:こちらも返答。そちらの端末に間を置かず着信があり。
夏川早苗:『夏川早苗です。どうぞよろしくおねがいします』『早川なつみでーっす!これからよろしくねっ!』
夏川早苗:「これで、お友達」
木花時雨:その二通りの便りに、口元を綻ばせ。
木花時雨:「ええ、どうかよろしくお願いします』
夏川早苗:にまりと笑って。
夏川早苗:「今度は、お店がある所が良いわね、時雨さん」
夏川早苗:頭の中で、叩き込んだ素体を着せ替えつつ。
木花時雨:「…?」こてんと首を傾げる。よくわかっていなさそうな。
夏川早苗:「私のおかげで、というと嫌味になっちゃうから」
夏川早苗:「私達で。幸せに向かっていけると良いわね」
木花時雨:「ええ。きっと、そうして見せます」
木花時雨: 
木花時雨:そうやって、二人で歩く。
木花時雨:まるで、何処にでも見かけるような、普通の高校生のように。
木花時雨:――こうやって歩くことは、初めてじゃない。
木花時雨:勿論、此処まで話したのは初めてなのだけど。
木花時雨:それでも、
木花時雨:こうして楽しく、こころが軽くなるような時間を過ごして。
木花時雨:わたしの為にと、そういう時間を作ってくれた人は、前にもいたから。
木花時雨:(――ああ)
木花時雨:(わたし、よわっちいし。どうしようもなく要領も、察しだって悪いけど)
木花時雨:こんなひとたちが、普通に、傷つけられることも、力におびえることもなく、
木花時雨:そうやってただ、静かに善き営みを為せることが。
木花時雨:どうしようもなく、美しく見えるから。
木花時雨:(わたしは、“パイロープ”)それは、柘榴石の名前。
木花時雨:永久に、ずっと。赤く紅く、輝き続ける、宝石の名前。
木花時雨:こうして幸せに過ごす誰かの光を、そっと照らせるようにと。
木花時雨:今は、そう言う意味を持った名前だ。


夏川早苗:ロイス 「木花時雨 ○P使命感/Nしょんぼり」→「木花時雨 ○P友情/N使命感」
木花時雨:ロイスは変わらず、夏川早苗 〇尊敬/劣等感。


【ミドルフェイズ2-3:鈴木千秋】

GM:登場をお願いします。
GM:SRSシステムの適用をお忘れなく。
鈴木千秋:36+1d3
DoubleCross : (36+1D3) → 36+3[3] → 39

風花春悠:43+1D3
DoubleCross : (43+1D3) → 43+2[2] → 45



GM:【東山総合病院】
GM:静粛さが求められる病院の敷地内と言えど、ある程度、声を出しても問題ない場所は存在する。
GM:この病院では、特病棟横の中庭がそれに該当した。
GM:判定は〈交渉〉9です。
鈴木千秋:交渉、、、、
GM:成功でシナリオ間の【社会】達成値を+2。
風花春悠:こ……交渉
鈴木千秋:とりあえず《支援射撃》
鈴木千秋:先輩のダイスを+4します
鈴木千秋:39→41
風花春悠:鈴木……!
風花春悠:銃を片手に上げた社会性……無駄にはできない!
GM:病院内で銃を……
風花春悠:6DX>=9
DoubleCross : (6R10[10]>=9) → 9[2,7,8,8,9,9] → 9 → 成功

鈴木千秋:ww
鈴木千秋:やったね!先輩!
風花春悠:やった!
鈴木千秋:じゃあ鈴木もがんばるね
鈴木千秋:1dx>=9
DoubleCross : (1R10[10]>=9) → 8[8] → 8 → 失敗

風花春悠:鈴木ーっ
鈴木千秋:先輩ごめーん!
風花春悠:やっぱり銃がないと……
GM:では1人成功!
鈴木千秋:交渉ごとは先輩にお任せして、鈴木は隣でニコニコしてます
GM:UGN系列の病院ではある。
GM:医師に話をつけ、活動許可を得ることに成功しました。


鈴木千秋:「せーんぱいっ!」 一仕事終えて中庭に。中央のベンチに座る先輩の背後から。
鈴木千秋:ぴとっ
鈴木千秋:ハル先輩のほほに冷たい感触が走る。キンキンに冷えたコーラだ。
風花春悠:「っおっ……!」びくん、と大げさに身体を跳ねさせる。
鈴木千秋:「あははは。跳ねてる。Spring先輩だ」
風花春悠:「……お前なあ……!」呆れ顔。「一応任務中だぞ」
鈴木千秋:「任務中なのはわかってるけど。ほら」
鈴木千秋:「今は、鈴木が先輩一人占めだし?」
鈴木千秋:「せっかくなので、コーラで乾杯といこうかなって」
風花春悠:「二人で任務ってだけだろ……変な意味を付けんじゃねーよ」
風花春悠:「コーラね……」
風花春悠:受け取って、炭酸の立つ黒い液体を眺める。
鈴木千秋:「チルドレンと言ったらコーラでしょ?先輩、コーラ好き?」
風花春悠:「え、何」
風花春悠:「チルドレンと言ったらコーラなのか」
鈴木千秋:「そうなのデス」 人差し指を立てて
鈴木千秋:「チルドレンはコーラが大好きなのデス」
風花春悠:「そういうもんか……?まあ、確かに」
風花春悠:「俺も覚えはあるけど……」
風花春悠:「まあ、じゃあ」
風花春悠:ボトルを掲げて
風花春悠:「……乾杯?」
鈴木千秋:にかった笑い、こちらもボトルを掲げる。
鈴木千秋:「先輩一人占め記念日に。かんぱーい!」
風花春悠:「記念日ってお前……」
鈴木千秋:「あ、飲み終わったボトルはあっちのゴミ箱ね。で、売店はそこ入って右。お手洗いはこの建物の裏ね」
鈴木千秋:見知った我が家のように詳しい。
風花春悠:独特の風味と喉を通る炭酸の感触に、あの日の約束を思い出す。
風花春悠:どこかから視線を感じる。結局あいつらの中で何人が、こうしてコーラを飲むことが出来たのだろうか。
風花春悠:「やけに詳しいなお前……ああ、そうか」
風花春悠:「友達の病院なんだっけか、ここ?」
鈴木千秋:「うん」 コーラを飲んでプハーっと。 「リカのおうちだよ」
鈴木千秋:「リカも同じオーヴァードなんだけど」
鈴木千秋:「……ちょっと先輩に似てるかな」
風花春悠:「俺に?そりゃ……」怪訝な顔。「……つまんなそうなヤツだな……?」
鈴木千秋:あまり一度に飲むと喉が痛いので、一口ずつコーラを喉に流し込む。
鈴木千秋:「先輩、自分のことつまんないやつって思ってるんだ?」
鈴木千秋:「先輩で……先輩と遊ぶとこんなに面白いのに?」
風花春悠:「『で』じゃねーよ……実際そうだろ」
風花春悠:「前から疑問だったんだが」
鈴木千秋:「ん?」先輩の隣に腰かけて。
風花春悠:少し居心地悪そうにしつつ、わざわざ距離を取るのも癪なのでそのまま。
風花春悠:「……こうやって俺に絡むのが、監視任務に必要なのか?」
鈴木千秋:「先輩は、さ」
鈴木千秋:「任務だから、鈴木が一緒にいると思ってる?」
風花春悠:「……」
風花春悠:「……そうだろ?」首を捻る。
鈴木千秋:「……さっき、リカ……鈴木の友達が、先輩に似てるって言ったじゃん?」
鈴木千秋:「なんで似てるかっていうと」
鈴木千秋:「2人とも良いやつで、一緒にいると楽しくて、それに」
鈴木千秋:「……嘘が、下手なんだ」
風花春悠:「そいつと……」
風花春悠:「……俺が、か?」鸚鵡返しに聞く。
鈴木千秋:「先輩、さ。嘘がヘタだよね」
鈴木千秋:「今のもそう。無理に鈴木を突き放そうとするし。それに」
鈴木千秋:「しぐちゃんとさよさよに対する態度もそう。先輩の目、とても悲しくて、寂しそうだった。……先輩のことずっと見てるからね。分かるんだ」
風花春悠:「……」
風花春悠:「ヘタって……」
風花春悠:「……マジ、か」
鈴木千秋:「おやぁ?」
鈴木千秋:「上手いと思っちゃってた?」
鈴木千秋:「鈴木の目はごまかせないよ?」
風花春悠:「……っ……るせーな……!」
風花春悠:「嘘なんてついて……」
風花春悠:「……」
風花春悠:「……いいんだよ、他の連中にはバレてないんだから……」
鈴木千秋:「……うん」
鈴木千秋:「鈴木は、黙っててあげる」
鈴木千秋:「先輩が嘘をつきとおさなくちゃいけないなら。鈴木はずっと先輩の味方でいてあげる」
鈴木千秋:「だってさ」
鈴木千秋:「そんな寂しそうな目をしてる先輩に、誰も味方がいないなんて、寂しいもん。たとえ、世界中の誰もが先輩のことを嫌いになったとしても」
鈴木千秋:「鈴木は」
鈴木千秋:「最後まで、先輩の事を好きでいるから」
鈴木千秋:「……かわいい後輩っしょ?」
風花春悠:「……」
風花春悠:「……鈴木。お前さ」
鈴木千秋:「ん?」
風花春悠:「普段からそれくらい……」
風花春悠:「……いや……何でもない……」
鈴木千秋:「えー?気になるじゃん」
鈴木千秋:「鈴木的には、『かわいい後輩』に対する回答も気になるところでアリマス」
風花春悠:「だからそういうところがなあ!」
鈴木千秋:「ひゃー!先輩が怒った」 頭を抑える
鈴木千秋:「まあ、『かわいい後輩』を否定しなかったんで、先輩は鈴木をかわいいと思っているんだなってことで納得しマス」
風花春悠:「お前マジ……! …………!」
風花春悠:「……あのなあ、俺が言いたかったのは……」
鈴木千秋:「うん……」
鈴木千秋:その瞳は、真っすぐに。 先輩の言葉を聞き洩らさないように見つめる
鈴木千秋:風が優しく流れていくだろう。
風花春悠:「……」
風花春悠:いつになく真剣なその様子に、少し戸惑いつつ。
風花春悠:「……お前だって、チルドレンとしてじゃなく、他にやることあるだろってこと。少なくとも俺の監視よりは楽しいことがさ」
風花春悠:「友達だっているんだろ?さっき話してたやつとか……」
風花春悠:「彼氏だって、その気になれば余裕で出来るだろ。お前それだけかわ……」
風花春悠:「……」
風花春悠:「……明るいし……」
鈴木千秋:「彼氏、か」
鈴木千秋:「先輩は?」
鈴木千秋:「彼女とか、ほしくないの?」
風花春悠:「は?」こちらに振られるとは少しも想像していなかった。
風花春悠:「別に……そんな暇ねえし……」
風花春悠:「彼女ってだって……あれだろ」
風花春悠:「行くんだろ?デートとか」
鈴木千秋:くすくす、と思わず笑う。 「あはは、おっかしいなー、先輩」
鈴木千秋:「もう、してるじゃん」
鈴木千秋:「デート。」
風花春悠:「………………は?」
鈴木千秋:「date」 良い発音
風花春悠:「いや、ちが……違うだろ!?」ガタン、と思わず立ち上がる。
風花春悠:「にっ……んむだって言ってんだろ!」
鈴木千秋:立ち上がって先輩の手に。右手にそっと触れたいです。
鈴木千秋:払いのけてもいいし、そのままにしても良いです
風花春悠:「ッ……!」払いのけ────
風花春悠:……られない。反射より動揺が大きくて、一瞬固まってしまう。
鈴木千秋:では、そのまま。
鈴木千秋:「先輩。鈴木、ちょっとは知ってるんだ。……この右手のこと。監視役だもん」
鈴木千秋:「忘れなくちゃ、とか思ってる?」
風花春悠:「……」視線を落とし。
風花春悠:「……分からない」
風花春悠:「忘れなくちゃ、と思ってるのか。忘れちゃ駄目だ、と思ってるのか」
鈴木千秋:「……うん。それで、良いと思う。だって」
鈴木千秋:「忘れようとする先輩も。忘れちゃダメだって思う先輩も。どっちも、先輩が今まで積み上げてきた結果だから。……簡単に『忘れる』なんて、言わないでほしい」
鈴木千秋:「でもね、先輩」
鈴木千秋:そのまま、先輩の右手を。自身の心臓に当てる。
鈴木千秋:「聞こえる?鈴木の心臓。ドキドキしてるでしょ?……鈴木は、先輩の前から勝手にいなくならないから」
鈴木千秋:「鈴木は、先輩が死ぬまで。先輩のことを最後まで見届けるから。」
鈴木千秋:「だって」
鈴木千秋:「鈴木は、先輩の”監視役”だから。先輩を置いて、先にいなくなっちゃダメなんだ」
風花春悠:「……」
鈴木千秋:ベンチに座ったまま。優しく包み込むかのように、仄かに笑む
風花春悠:その鼓動を感じる。かつて失い、接がれた右手越しに。自分を置いて、先にいなくなった少女の手を通して。
風花春悠:「……鈴木」
鈴木千秋:「……」耳を傾ける。
風花春悠:「……ありがとう」
風花春悠:目を閉じ、ほんの少し口元を緩める。
鈴木千秋:「どういたしまして。……ふふ、さっきの友達と先輩の共通点、もう1個あった」
風花春悠:「?」
鈴木千秋:「鈴木は、その人のことを」
鈴木千秋:「大好きなんだってさ」
風花春悠:「鈴……」
風花春悠:「……」
風花春悠:そこでようやく我に返り、胸に置かれたままの手に気付く。
風花春悠:「バッあっ……!!何してんだお前!!」
風花春悠:耳まで赤面し、飛び退くように離れる。
鈴木千秋:「あっ……。セクハラの既成事実が」
風花春悠:「鈴木!!」
風花春悠:「ぐっ……お前この野郎……覚えてろよ……!」
風花春悠:「……行くぞ!もう巡回も済んだだろ……!」
風花春悠:さっさと踵を返し、逃げるように早足で去っていく。


GM:シーン終了。ロイス・購入が可能。
GM:社会補正も使って購入できます。
鈴木千秋:先輩、何かほしいものあるー?
鈴木千秋:支援射撃するよー?
風花春悠:何かあったかな……
鈴木千秋:(店員の背中に銃口を押し付けながら)
風花春悠:鈴木……!
風花春悠:特に無いからその銃を仕舞え!
鈴木千秋:はーい。じゃあ、鈴木の手が悪さしないように、先輩に握っててもらおうかな
風花春悠:鈴木!!
風花春悠:応急手当キットでも狙おう……
風花春悠:2DX+2>=8
DoubleCross : (2R10+2[10]>=8) → 6[4,6]+2 → 8 → 成功

風花春悠:ふたつめ確保します
鈴木千秋:応急狙います
鈴木千秋:1dx>=8
DoubleCross : (1R10[10]>=8) → 6[6] → 6 → 失敗

鈴木千秋:だめ、失敗。
鈴木千秋:ロイスは既に取得済みなので以上です。
風花春悠:ロイス 鈴木千秋 安堵/〇警戒 を反転、〇安堵/警戒に
風花春悠:以上です


【ミドル2-3/舞台裏】

GM:登場をどうぞ。
木花時雨:1d3+58
DoubleCross : (1D3+58) → 3[3]+58 → 61

夏川早苗:52+1d3
DoubleCross : (52+1D3) → 52+2[2] → 54



GM:【東山総合病院 特病棟内】
GM:既に捜索ユニットは放出済みだ。あとは結果を待つだけではあるが。
木花小夜:「……」手元にカルテを抱えている。
木花時雨:マップアプリを元に今まで調査したところや怪しいところがないか再ピックアップ作業。
木花小夜:院内での検査対象オーヴァードの、カルテのコピー。
木花時雨:「…姉さん、それは?」作業自体もほぼ確認のようなものだ。そう長くかかるものでもない。
木花小夜:「……要観察オーヴァードの、検診データよ」
夏川早苗:「別に疑ってたわけではないのだけど」
夏川早苗:院内をキョロキョロしながら。
木花時雨:「ああ…そういえば、ここで検診とか結構委託させてもらってるんだっけ」
夏川早苗:「こういう便宜を図られるのを見ると、本当に秘密結社なのね、って思うわね」
木花小夜:「あなたのよ。時雨」
木花時雨:「あ」目をぱちくり。
夏川早苗:「あら。」
木花小夜:「予想はしてたけど……やっぱり」
木花小夜:「無茶してるのね」
木花時雨:「……う、うーん。ちょっと恥ずかしいな…」頬を掻きながら。
木花時雨:「そうかな。リザレクトもあるし、其処からそう外れたり、連戦とかはそんなにできてないから」
夏川早苗:ちらりと時雨さんを見る。病院に来る前から消毒液や清潔な匂いを漂わせていた少女。
木花時雨:「姉さんたち程じゃないよ」苦笑。
木花小夜:「嘘つき」
木花時雨:「……本当に大丈夫なんだってば」
木花時雨:困ったように笑う。過保護なところがある姉が見れば、そう言われもするとは分かっていたけれど。
木花時雨:本当に心配されると、言い訳したりするより前に、なんだかうれしくなってしまう。
夏川早苗:「少し思ってたんだけど」
木花小夜:「……戦闘任務から外れられないの?」
木花小夜:「……何」
木花時雨:「ええっと…おっと。何でしょう」
夏川早苗:「時雨さんとか小夜さんとか、昔から任務に入ってると、こういうのって常連になるものなの?」
夏川早苗:時雨さんのガーゼなどを触れないように、頬をムニムニしつつ。
夏川早苗:「怪我とか入院とか」
木花時雨:「戦闘任務担当だと、結構そうかにゃ……ちょっと止め……やみゅぇ…」
木花時雨:引き離すのもできずにむにむに弄ばれている。
木花小夜:「ちょっと、止めなさいよ……」
夏川早苗:「私としては、運動部がテーピングしてるのを怪我と心配しちゃうぐらいにズレてるかどうか、微妙に判断つかないんだけどもね」
夏川早苗:「おっと、失礼」
夏川早苗:パ、と手を離す。
木花時雨:「ううー、弄ばれた……。こほん。実際、まあ斬った張ったで、リザレクト限界も越えることが結構あるから」
木花小夜:「経験上、リザレクト限界域まで戦った後は」
木花時雨:「やっぱり、検査とかも受けなくちゃいけないってことで…よくあるかなあ」
木花小夜:「だいたい確認が入る。侵蝕率の確認とかね。それから」
木花小夜:「特筆する能力を持ってると、検査も増える」
木花小夜:カルテを握りしめる。それは木花時雨のものだけではなく。
木花時雨:「春悠さんとかが、分かりやすいかな」
木花小夜:特筆すべき遺産を持つチルドレンのものも。
夏川早苗:「ふむ」小夜さんの手元のカルテに目を向けながら。
夏川早苗:「へぇ、風花くんもそうなのね」
木花時雨:「まあ、具体的内容はちょっとわたしからは言えないけど」
木花小夜:「オーヴァードの中には、そういうものも居るってこと」
木花小夜:「特別な力を持つほど、日常が遠のく」
木花小夜:「帰ってくることが難しくなるのよ」
夏川早苗:「……あぁ」
夏川早苗:「目に見えて特別なものがあると、日常では浮いちゃうものね」
木花時雨:「その差異が、ただびととはズレを生んで。そうして、その人自身も自分を見失いやすくなる」
木花時雨:「人格っていうのは、他者との関わり合いだから。ズレが大きいと、ね」
夏川早苗:UGNの講習で聞いた。日常との繋がりが薄れ、特異な現象を日常とし、外れてしまったものを。
夏川早苗:「そして、ジャームって奴になっちゃう、と。なるほど」
木花時雨:「そういうことです。なので、病院にはよくお世話になるんだよ、という事なのですね」
夏川早苗:「はい、勉強になりました。」
夏川早苗:「ということは、アレなのね」
木花小夜:「……別に、勉強を教えるつもりだったわけじゃない」
木花時雨:「姉さんも、感謝は素直に受け取っていいのに…」苦笑して。「はい、何でしょう」
夏川早苗:「良いわ、こっちが勝手に学んでいくから。お手数おかけして申し訳ないけどね。」
夏川早苗:「こうやって町中を……まぁ、今回は病院だけど。日常を過ごす場所を回るってのは」
夏川早苗:「意外と、私達にとって必要な任務ってことなのね」
夏川早苗:「"日常を過ごす場所"を、意識するために。」
木花時雨:「そうですねえ。戦ってるだけじゃ、普通の人だっておかしくなる。ましてや踏み外しやすいわたし達おいておや、という訳です」
木花小夜:「普通、任務の形でやることじゃないと思うけど……」
夏川早苗:「そうね。アイドルでもずっとステージの上じゃないんだから」
夏川早苗:「オンオフの意識ははっきりしないと」
夏川早苗:「………あ、やっぱり任務でやるのって珍しいの?」
木花小夜:「……当たり前でしょう」
木花時雨:「わたしも情報収集の一環で、とかでも…あまりないかなあ」
木花小夜:「普通、ほとんどの任務って。戦闘行為が前提よ」
木花時雨:「お仕事をする必要がある、ってことは。そこにレネゲイドが関わる事件があった、ってことだもんね…」
夏川早苗:「そうね。レネゲイドとか言うこの力、その気はなくても被害を出すには充分だものね」
木花時雨:悲劇があってから、わたしたちは動く。そうでなければ、そこに正すべきものがあるのだと分からないからだ。
夏川早苗:「私、途中まで新人に対するチュートリアルでも始まるのかと思ってたところがあるのだけど、この任務」
夏川早苗:「ある意味、例外という意味では合ってたのね」
木花小夜:「本当に、全然任務参加していないのね」
木花小夜:「当然か。早川なつみだものね……」
木花時雨:「人気アイドル?なんでしょうし。…姉さんも知ってるくらいですものね…」
夏川早苗:「あはは。そうそう。公私ともにレッスンが忙しかったのよね。」
木花小夜:「ちょっと待って時雨」
木花小夜:「私も知ってるくらいって何?」
木花時雨:「いやだって」
木花時雨:「絶対知ってる反応だったじゃない。タピオカとかあんなにニュースになってたのは知らないのに」
木花小夜:「あの時期は私リハビ……」
夏川早苗:「あ、そうそう。それそれ」
木花小夜:「あ、いや。何でもなくって」
夏川早苗:《万能器具》。内ポケットからマジックを取り出す
夏川早苗:「サインしなきゃなと思ってたのよ」
木花時雨:「………あ、あれ。いいんですか」姉の言いかけた言葉に、どこか胸を痛めて。そのマジックに少し驚いた顔。
木花小夜:「……貰っておきなさいよ、時雨」
木花小夜:「なかなかないんじゃないの、こういう機会って」
木花時雨:「いや姉さんこそ。好きなんでしょ」
木花小夜:「いや別に好きじゃ……」
木花小夜:「あ、いや、嫌ってるとかじゃなくて、その」
木花時雨:「姉さんの方がこういう機会無いんだから貰っておきなって。いや、姉さんは嫌いならそもそも反応しないでしょ」
夏川早苗:「好きじゃないの…?」うるうる。
木花小夜:「知ってるだけだから……」
夏川早苗:時雨さんの位置からは後ろ手に目薬が見える。
木花小夜:「なんで泣くのよ……!?」
木花時雨:くすりと笑みを堪えてさっとこちらも退く。
夏川早苗:「……大丈夫。泣いてないわ。ええ、全然」
木花時雨:「ほら。貰ってあげなよ」
夏川早苗:手帳を取り出し、空きページに2枚、流麗な筆記でサインを描く。それを破って。
夏川早苗:「名前だけでも覚えていってくれると嬉しいわ…?」
夏川早苗:そっと小夜さんに握らせる。
木花小夜:「いや名前は覚えてるから……」そのまま受け取る。
木花時雨:くすりと笑う。
夏川早苗:『小夜さんへ』『時雨さんへ』名義でそれぞれ。
木花時雨:「あれっわたしにも」
夏川早苗:「もちろんよ」
夏川早苗:「というか、私的には新規のファンを開拓する時雨さんの方も重要度高なのよ」
木花時雨:「そうでしたかー…」
木花小夜:「……」1枚を時雨に渡す。
木花時雨:「……ありがとう、小夜姉さん」そっと受け取る。
夏川早苗:うんうん、とうなずいて。
木花時雨:「へへ。おそろいだね」
木花小夜:「お揃いって……」
木花小夜:「そうだけどさ……」
夏川早苗:「この任務終わったら」
夏川早苗:「『シーンレベル』辺りでカラオケに行きましょうか」
木花時雨:「いいでしょ。姉さんと一緒に貰ったもの、ってだけで嬉しいもん」
夏川早苗:「皆で。」
木花時雨:「それも楽しそうだなあ」ふわりと笑って。
夏川早苗:「打ち上げって分化があるのかわかんないけど」
夏川早苗:「なんだか、みんなの歌が聞きたくなったわ」
木花小夜:「いや、歌ったこと無いけど……?」
木花時雨:「全然上手くないんだけどなあ…でも、そうだね。姉さんの歌は聞いて見たいかも」くすくす笑いながら。
木花小夜:「だから無いってば……」
木花時雨:「だからだよー」
木花小夜:「隠れ家じゃそういうの全然やんなかったし……」
木花小夜:「ひかるの下手くそな鼻歌だけで……」
夏川早苗:「大丈夫大丈夫。誰でも初めはそうだもの。気楽に行きましょう」
夏川早苗:二人の手をきゅっと握り。
夏川早苗:「お金取るわけじゃないんだから。ね?」
木花時雨:「プロが言うと重みが違うなあ」苦笑。
木花小夜:「取られても文句は言えないものね、これ」
GM: 
木花小夜:……皆が去った後。
木花小夜:カルテの束を眺める。
木花小夜:木花時雨。風花春悠。そして。
木花小夜:夏川早苗のそれを。
木花小夜:溜息をついて、受け取ったサインごと。カバンへとしまい込む。


木花時雨:ロイスは…みんな結んでるのでなし。以上で。
夏川早苗:こちらもロイスは結んでるので。好感と友情のまま以上。


【ミドルフェイズ2-4:木花時雨】

GM:登場をどうぞ。
風花春悠:45+1D3
DoubleCross : (45+1D3) → 45+3[3] → 48

木花時雨:木花時雨の侵蝕率を+3(1d3->3)した(侵蝕率:61->64)


GM:【しのぶれ自然公園】
GM:大きな運動公園だ。家族連れの姿も多く、
GM:穏やかな時間が流れている。
GM:判定は任意の〈運転:〉9です。好きな遊具で遊んでね
風花春悠:肉体ならまだ……
木花時雨:肉体はゴミ。行きます。
木花時雨:2dx=>9
DoubleCross : (2R10[10]>=9) → 10[6,10]+4[4] → 14 → 成功

風花春悠:4DX>=9
DoubleCross : (4R10[10]>=9) → 7[2,3,4,7] → 7 → 失敗

木花時雨:どうしたお前?!
GM:まさかの事態
風花春悠:そんな……
GM:じゃあ時雨ちゃんだけ成功だ
風花春悠:ボコボコにされた
木花時雨:あやや…


木花時雨:「ええと、ですね」ドローンを放流してから、君の隣、一歩ぶん離れたところで。
木花時雨:「……人目もありますし、普段通りの呼び方話し方は、よくないと思うのです」
木花時雨:「……なんて呼べば、いいですか?」どこか困ったような顔で。きみの瞳を見上げています。
風花春悠:「……ん……」遊具で遊ぶ子供たちをぼんやりと眺めていたが、時雨に視線を移して。
風花春悠:「ああ……」少し気まずそうに。
風花春悠:「……前と同じ、で……いいんじゃないか……」
木花時雨:「………春悠、さん……うーん」
木花時雨:「……こんなところに二人で居る男女だと、ちょっと違う気がする…?」こてんと首を傾げつつ。
木花時雨:「…春悠、くん?」上目遣いで。これでいいかな、とおそるおそる。
風花春悠:「そうか……?」こういう基準がよく分からないので、こちらも悩む。
風花春悠:「……んん……」
木花時雨:「……お、おかしいかな」
風花春悠:検討するように顎に手を添えて。
風花春悠:「……いや。いいんじゃないか?それで……」頷く。
木花時雨:「…よかった」くすりと笑う。
木花時雨:「じゃあ、春悠くん。行こう?」
木花時雨:手を差し伸べて。公園を背に、君へ微笑みかける。
風花春悠:一瞬の間。「……あ、ああ……」手を握る。少し距離感を図りかねつつ、歩き出す。
木花時雨:「…ぁ、」手を取られるのは想定してなかったので、一瞬だけ固まって。
木花時雨:「…うん!」
木花時雨:どこか無邪気に笑って、隣を歩きます。
風花春悠:「……何か……」木漏れ日の中を歩きながら。
風花春悠:「久し振りだな、こういうの」
風花春悠:「……いや、外では……初めてかもしれない」
木花時雨:「…そうかな?……いや、そうだね」
木花時雨:「そもそも、クラスでだって。大体ふたりっきり、なんて全然なかった気がするし」
木花時雨:「……そう思うと、初めてなのかなこれ」
木花時雨:口元に人差し指を当てて、昔のことを思い返す。
風花春悠:「……昔はいつでも皆一緒だったのに」
木花時雨:「……ぁ、ごめんね」
風花春悠:「今じゃ殆ど話すこともない」それは自分が彼女らを遠ざけているのが理由でもあるが。
木花時雨:「………話したい?」
風花春悠:「別に……時雨が謝ることじゃ……」
風花春悠:「……時雨は?」
木花時雨:「ううん」
木花時雨:「いっぱいあるよ。いっぱい」
風花春悠:「……そうか」
木花時雨:「でも、さ。わたしからそう言うこと言うの、おこがましいかなって、そうも思うの」
風花春悠:「おこがましい? ……なんで」
木花時雨:地面に、視線を落として。
木花時雨:「だってさ。一番楽をして、一番最後まで自分の命惜しさで何もしなかったの、わたしだから」
風花春悠:「は……?」足を止める。
風花春悠:「……何言ってんだよ」
木花時雨:一緒に足を止める。
木花時雨:「資料、見た?」
木花時雨:「わたしの対抗種ってさ。姉さんから奪ったものだけじゃないんだよ」
木花時雨:「元から、わたしの身体にきちんとあって。其れを発現させるのに、生存本能とかが勝手にブレーキを掛けてたんだって」
木花時雨:「だったら、ねえ。それってさ」嘲る笑み。
木花時雨:「自分の身体とか、命惜しさに何にもしなかった、ってことじゃないかな」
風花春悠:「……知らなかったんだろ?大体、そんな能力……」時雨のガーゼや包帯に目をやり、
木花時雨:もしも。あの時、いなくなるまえに、自分も戦えていたなら。どんなに傷ついても、それでもと言えたなら。
木花時雨:「そうかな。だって、あの教官だよ?」
風花春悠:「もし元々あったとしても、皆絶対に止めてたよ」
風花春悠:「特に小夜はな」少し笑う。
木花時雨:「そうだよね」
木花時雨:「止めてくれる。皆」
木花時雨:「そう。止めてくれるからって、わたしは…どこかで安心してたんだよ」
木花時雨:「だから、姉さんが最後に、いなくなるまで。わたしは立たなかった」
木花時雨:「……もしもだよ。もしも」
木花時雨:「わたしが、ちょっとでも戦えるように、きちんとみんなみたいに、」
木花時雨:「自分の命を、身体を危険に晒す勇気があったなら」
木花時雨:「みんなはもっと疲れていなくて。そしてひかるさんと春悠くんだけじゃなく、姉さんも一緒に戦えて、みんな無事に戻れたかもしれない」
風花春悠:「……『だから』、か?」
風花春悠:「だからそんな身体になってまで、戦わなくちゃいけないと思ってるのか?」
木花時雨:「ちょっと違うかなあ」
風花春悠:「罪滅ぼしとでも言うつもりなのか」
木花時雨:「護れたかもしれないものがあって」
木花時雨:「それは、わたしが足を止めたから、わたしは何かが出来たのに何もしないままで」
木花時雨:「……もうね、いやなんだ」
木花時雨:「何かできたはずって。そう想い続けるの」笑う。
風花春悠:「……」
木花時雨:「その前に、動かないと。そうじゃないと」
木花時雨:「また、わたしは。わたしの大事なものも、誰かの大事なものも、見落として言い訳しなくちゃいけない」
木花時雨:「……へへ。ごめんね。ついつい、いっぱい言っちゃった」
風花春悠:「……それがお前の、やりたいことなのか?」
木花時雨:「それがひとつかな」
木花時雨:「もうひとつはね」と、と一歩。近づいて。
木花時雨:「春悠くんとか、姉さんが。幸せに穏やかに過ごして欲しいなあって。そう思ってるの」
風花春悠:「……!」
木花時雨:「……余計なお世話だよね」
風花春悠:瞳に動揺が走る。
木花時雨:「春悠くんだって、やりたいことあるんだろうし。わたしなんかがいまさら何を、って話でさ」
木花時雨:「……ふふ、ああ、そうだ」
木花時雨:「一つ、冗談を思いついたや。聞いてくれる?」
風花春悠:「……」無言で言葉を待つ。
木花時雨:耳元に、背伸びして口を寄せる。
木花時雨:「……春悠くんとわたしで、姉さんを攫ってさ。一緒に3人で、どこかで暮らすの」
木花時雨:「UGNとか、そういうの全部忘れてさ。ただの高校生とか、そんなのみたいにね」
木花時雨:「…わたしはしたいことを、ひとつ諦めるから」
木花時雨:「あなたも、諦めてくれる?」
風花春悠:……いい夢だ。
風花春悠:心の底からそう思う。そんなことが出来たら、どんなに幸福だろうかと思う。
風花春悠:自分が思い描く理想も、それと似ていて。
風花春悠:ただ違うのは──
風花春悠:「駄目だ」
風花春悠:自分は、そこにはいない。
風花春悠:「そんなこと、出来ない」
木花時雨:影が重なるくらいに近く。そこで、彼の声を聴く。
木花時雨:「……どうして?」
木花時雨:「いいじゃない、ずっとずっと辛そうだよ、春悠くん」
木花時雨:「わたしも一緒にいる。あなたがどんなに、自分を赦せなくても」
木花時雨:「わたしは、ずっと傍にいる。だって、わたしも自分を赦せないもの」
木花時雨:「あなたを捨てることなんて、きっとできない。他に何もないから」
初空ひかる:「しぐーはいい子だね」
初空ひかる:まるで生きている人間のように、木漏れ日の中でひかるが微笑む。
初空ひかる:「願ってもないことじゃん、風花」
初空ひかる:「もうこんなことやめて、ぜんぶ忘れて、逃げちゃおうよ」
初空ひかる:「さよさよは渋るかもしれないけどさ、しぐーのお願いなら聞いてくれるって」
風花春悠:その響きは、どうしようもなく甘美な誘惑で。脚が竦みそうになる。
風花春悠:「……俺たちはオーヴァードだ」
風花春悠:「そう生まれ付いた。この力がある以上、どこにいても、どこまで逃げても」
風花春悠:「必ず戦いは俺たちを追いかけてくる。そして、いずれは追いつかれる」
木花時雨:透明な瞳が、君のすぐそばで見つめている。
木花時雨:「……そうかも。でもさ」
木花時雨:「こうしてるのだって、いつまで続けられるか、分からないよ?」
風花春悠:「……何?」
木花時雨:「そうじゃない。あんなに強かった教官も」
木花時雨:「鳩名くんも。小出君も」
木花時雨:「姉さんも。…ひかるさんだって」
木花時雨:「みんな、いなくなったりしたよ」
木花時雨:微笑んだまま、少女は言う。
木花時雨:「明日、わたしが。姉さんが。春悠くんが、そうならない保証なんて、何処にあるの?」
木花時雨:「…ふふ。なーんて、ね」
木花時雨:「冗談だよ。ただの、ね」
風花春悠:「そうだ」誤魔化すような笑みに、正面から。
風花春悠:「保証は何処にも無い」
木花時雨:「………春悠くんは、強いなあ」
木花時雨:「保証もないのに、平気なの?」どこか、弱ったような笑み。
風花春悠:「馬鹿言えよ」自嘲気味に笑う。「逆だ」
風花春悠:「皆いなくなった。教官も。木も。海も。ひかるも」
風花春悠:「外で会ったUGNの連中も。いい奴ばっかり……いなくなってない連中ばっかり、先にいなくなる」
風花春悠:「……俺はもう、何一つだって失くしたくない」
木花時雨:「………そっか」
風花春悠:「保証は何処にも無い。だから信じられるのは自分だけだ。自分の力だけ」
風花春悠:「だから俺は、戦い続けるしかない」
木花時雨:「じゃあさ」
木花時雨:「そのあなたの力に、ひとつ。よわっちいかもだけど、追加してみるのはどう?」
風花春悠:「……」
木花時雨:「あなたの隣でも、あなたのいないところに置いてもいい。後ろに置くのもね」
木花時雨:「便利じゃないかな?」ふにゃりと笑う。
風花春悠:「……」
風花春悠:「……ずっと……」
風花春悠:「小夜は、死んだと思ってた」
木花時雨:「……わたしも。ずっとそう思ってた。わたしが殺したんだって」
風花春悠:かぶりを振って。「だから、それから。この数年間」
風花春悠:「俺が戦い続けてきたのは、時雨のためでしかなかった」
木花時雨:「……」ぽかんとしている。
木花時雨:「………うぇ、えっと。その……そ、そうなんだ…」
風花春悠:「お前に傷付いてほしくない。戦ってほしくない。俺のことなんて忘れて、平和に暮らしてほしい」
風花春悠:「それを目指して戦ってきた。後ろも振り向かずに」
風花春悠:「だから」
風花春悠:苦い自嘲の表情を浮かべる。
木花時雨:「……うん」ただ、聞くことしか出来ない。ずっと。嫌われて、憎まれて、そうされてきたのだと思っていたから。
風花春悠:手を伸ばし、頬に貼られたガーゼに触れる。
風花春悠:「お前が戦っていたことすら、知らなかった」
風花春悠:「バカみたいだよな」
木花時雨:「…ぁ、だめ…対抗種、が……」
木花時雨:「………いいよ」
木花時雨:「春悠くんが、そういう一本気なこと。ずぅっと昔から、知ってるもの」
風花春悠:触れた手から痛みが走る。それでも。
風花春悠:「俺もそうだ」
風花春悠:「昔からずっと、知ってたはずなのにな」
風花春悠:「お前が他の誰より、無理して頑張る奴だって」
風花春悠:「……お前と小夜は、この世の誰より大切な家族だ」
風花春悠:「失くしたくないんだよ」
風花春悠:「絶対に」
木花時雨:そっと、右手の指に触れるか、触れないかのところにおいて。
木花時雨:「わたしもだよ」
木花時雨:「春悠くんと姉さんを。絶対失くしたりなんて、したくないの」
風花春悠:「……」
風花春悠:手を離し。深い溜息を吐く。
木花時雨:頭を、胸元に預ける。
風花春悠:「……頑固なところも変わらないな」
木花時雨:「…そっちこそ」
木花時雨:「………さっき言ったこと、本気だよ」
木花時雨:「わたしは、あなたになら使われていい。身体と命を預けても、後悔なんてしないから」
木花時雨:顔を上げて、眼を合わせて。
風花春悠:「……そう言っても」
風花春悠:「ただ穏やかに暮らしてほしい、は、聞かないのか」
木花時雨:「やだ」
木花時雨:「春悠くんでも、聞いてあげない」
木花時雨:そう言って。
木花時雨:そっと背伸び。
木花時雨:影が重なる。君の唇、その端に。柔らかい感触。
木花時雨:「……理由は、これ!」
木花時雨:「…………」
風花春悠:「────」
風花春悠:「え」
木花時雨:今思うと、とんでもないことをした気がする。
木花時雨:「………そ」
木花時雨:「そそろそろドローンも戻ってくる時間だから戻ってるねじゃあ!」
木花時雨:ば、っと身を翻して。
木花時雨:全速力で走り去る。
風花春悠:「…………」
風花春悠:呼び止めることも追いかけることも出来ず、呆然とその場に立ち尽くす。
風花春悠:今起きたことが理解できない。
風花春悠:唇に触れた感触は、夢でも幻でもなく。
風花春悠:木花時雨。木花小夜と共に、自分にとってこの世の誰より大切な、守るべき家族。
風花春悠:そう。家族。妹のように思って────
風花春悠:思って、いたのに。
風花春悠:混乱する思考の中、今だけは任務のことも忘れて。
風花春悠:ただ一人だけ、木花時雨のことだけを考え続けていた。


GM:シーン終了。ロイス・購入が可能。
木花時雨:えっと、GM。同じ対象…今回は春悠くんに、家族としてじゃなくて男の子としてのロイス取ってもいいですか
GM:いいですよ。僕が禁止できる謂れはなぜかないので。
木花時雨:わあい。
木花時雨:ありがとうございます。
木花時雨:”男の子”風花春悠 〇恋情/不安 で。
風花春悠:木花時雨 庇護/〇不安 を 木花時雨 〇庇護/隔意 に変更
木花時雨:あ、購入もあった。ウェポンケースは無理そうかな。応急狙います。
木花時雨:2dx+2=>8
DoubleCross : (2R10+2[10]>=8) → 8[8,8]+2 → 10 → 成功

木花時雨:やった。もって置きます。以上。
風花春悠:何買うかな……
風花春悠:簡易手術キット
風花春悠:2DX+2>=18
DoubleCross : (2R10+2[10]>=18) → 10[10,10]+10[3,10]+2[2]+2 → 24 → 成功

GM:すごい
風花春悠:えっ買えた 以上!


【ミドル2-4/舞台裏】

GM:登場をどうぞ。
鈴木千秋:41+1d3
DoubleCross : (41+1D3) → 41+2[2] → 43

夏川早苗:54+1d3
DoubleCross : (54+1D3) → 54+2[2] → 56



GM:【しのぶれ自然公園】
夏川早苗:「鈴木さんは」
夏川早苗:バネのついたパンダの遊具を揺らしながら
夏川早苗:「アウトドア系かしら」
夏川早苗:「つまり、こういう所は詳しいタイプかしら、という質問なのだけど。」
鈴木千秋:「うーん。どっちかというとそうかなー」
木花小夜:木に寄りかかってそれをすごい目で見ている。
鈴木千秋:シーソーをぎっこんばったんしてる
鈴木千秋:「あっ。さよさよ、反対側乗ってよ」
夏川早苗:「私と小夜さんはこういう所不慣れな雰囲気が出てるから、貴方の双肩にかかってると言っていいわね」
木花小夜:「……あのさ」
夏川早苗:「そうよ小夜さん。そんなに離れてたら仲良し三人組に見えないわ」
木花小夜:「その、さよさよっての、止めて」
鈴木千秋:「鈴木が頼りってことだね。りょ」
鈴木千秋:「え?かわいくない?さよさよって呼び方」
木花小夜:「かわいいかわいくないじゃなくって」
木花小夜:「あの子の呼び方だったのよ、それ」
夏川早苗:「あの子?」
鈴木千秋:「……あー」
夏川早苗:「あら、この反応は仲間はずれの予感」
木花小夜:「……死んだ仲間の、よ」
夏川早苗:「………………」
夏川早苗:「なるほど、ね」
鈴木千秋:「……どうしてもいやだって言うなら止めるけど、さ」
木花小夜:「ごめんね。貴方達には、関係ないけど」
木花小夜:「私が、思い出すだけ」
鈴木千秋:「んーん。こっちも無神経だった。ごめん」
鈴木千秋:「それじゃ代わりに、なんて呼ぼっか。姫とか?」
木花小夜:「何それ?そんなの流行ってるの?」
夏川早苗:「(流行ってたら了承するのかしら…)」
鈴木千秋:「!!」 「もちのろんだよ!ねえ、さなちゃん?」
鈴木千秋:ウインクして合図。
夏川早苗:「えぇ、そうね。親しき仲にも礼儀あり。愛称と敬称を同時に表すことが出来るのだから」
夏川早苗:「合理的でいいわよね、姫」
木花小夜:「ああ、先輩だからってこと?まあ、じゃあいいわそれで」
夏川早苗:「(マジか)」
鈴木千秋:「(マジか)」
鈴木千秋:「(さなちゃんさなちゃん)」
夏川早苗:「(何かしら鈴木さん)」
鈴木千秋:「(鈴木たち、とんでもない爆弾に火を点けちゃったんじゃないかな)」
木花小夜:「……なにを密談してるのよ」
鈴木千秋:「な、なんでもございません!姫!」
夏川早苗:「(奇遇ね鈴木さん。今その発想に思い至った所よ)」
夏川早苗:「そうね、小夜姫。流石にいきなりシーソーは無神経だったか、という話よ」
夏川早苗:「女子に体重比べとか、ねぇ?」
鈴木千秋:「そうそう。それに、スカートだし」
木花小夜:「そもそも、それ、運用方法がわからないのだけど」
鈴木千秋:「ねぇ?」
木花小夜:「体重を比較するものなの……?」
鈴木千秋:「(マジか)」
夏川早苗:「(マジか)」
木花小夜:「ちょっと、2人だけで意気投合しないで……!」
鈴木千秋:「体重を比較、うーん、間違ってはいないけど」
夏川早苗:「まぁ結果的に比較はされるわね」
鈴木千秋:「おや?おやおや? 姫も混ざりたいんだ?」
夏川早苗:「そうね。説明するより実際やってみたほうが早いわね」
木花小夜:「離れてたら不自然って言ったじゃない」
夏川早苗:シーソーの片側にハンカチを敷いて。
夏川早苗:「さ、どうぞ。小夜姫」
鈴木千秋:「ごめんごめん、ほら、さなちゃんの方にどうぞ、姫姫」
木花小夜:横向きに腰掛ける。
鈴木千秋:「自転車2人乗りか!」
鈴木千秋:「ま、まあ、姫っぽくて良いか」
夏川早苗:「捕まってないと危ないわよ、姫」ぐい、とシーソーの姫側の端に足を載せて体重をかける。
木花小夜:「えっ何……わっ!」
夏川早苗:「ぎっこーん」小夜さん側が下に傾き、鈴木さんが上に上がったと同時に足を離す
鈴木千秋:「ばったーん」 続いてこちらが重力に身を任せる
夏川早苗:足の甲で勢いを補助。
木花小夜:「……っ」ずり落ちないように無理な姿勢で耐える。
鈴木千秋:「ほらほら、姫。どんどんいくよー?」
夏川早苗:「足のバネを意識するとうまくいくらしいわ、姫」
木花小夜:「バネって……これも協力するやつなの?」
夏川早苗:「そうね。息を合わせて上げたり下げたり。単純でしょ?」
木花小夜:「成程。じゃあ――」
鈴木千秋:「ほらほら、姫。がんばれがんばれ……えっ?」
木花小夜:タイミングに合わせて蹴り上げる。元々、身体操作のセンスはある。
木花小夜:「これでいいのねっ!」
夏川早苗:「おっと」
夏川早苗:勢いよく跳ね上がるシーソーを前に、手助けで出しそうになった足を引っ込める。
鈴木千秋:「ーーーーッ!!」
夏川早苗:「さすが姫。いい調子よ」
夏川早苗:「鈴木さんも頑張れ、頑張れ」
鈴木千秋:「や、やってやる!」
夏川早苗:「ナイス闘争心。だんだん距離が近づいてきたわね」
鈴木千秋:跳ね上がるシーソー。頂点で得た位置エネルギーをそのまま速度に変え、反動をつけてこちらも跳ね上げる
夏川早苗:ヒートアップするシーソー合戦を見ながら、リズムを取るように拍手。
木花小夜:「させ……るかっ!」
木花小夜:わざと蹴りを弱く。タイミングをずらして揺らがす。
鈴木千秋:「なにっ……をっ!!」
鈴木千秋:「うわわっ!?」
鈴木千秋:崩れる体勢。見せた一瞬の隙
夏川早苗:「ほう……さすが姫。この短い間に成長しているわ」
木花小夜:「行けっ……!」
木花小夜:間髪いれずに、思い切り蹴り出す。
鈴木千秋:「しまっ……!!」
鈴木千秋:後に鈴木は語る。あの時は、とても太陽が眩しくて――――。シーソーはゆっくりと私を天に放り投げた。
鈴木千秋:ズザザザァァッ!
夏川早苗:「あーっと。鈴木くんふっとばされたー」
鈴木千秋:「くっ、ガッツが足りない」
木花小夜:「あの、これ本当に」
夏川早苗:「お疲れ様。二人共、高校生と思えないナイスファイトだったわ」
木花小夜:「流行ってるの……?なんというか、サイズ感的に」
夏川早苗:「友情が芽生えたわね、二人共」
木花小夜:「小学生くらい向けな気がするんだけど……」
夏川早苗:「まぁ、小学生でも使える遊具だから」
夏川早苗:「でも、自転車が小学生でも乗れるからと言って」「自転車が小学生向け限定なわけではないでしょう?」
夏川早苗:「もう一度称えるわ。二人共ナイスファイト」
木花小夜:「それはそうだけど……」
夏川早苗:「自分達がスカート姿だと忘れるぐらいの熱中ぶりだったわ」
夏川早苗:パチパチ。拍手。
鈴木千秋:「えっ?うわっ」
木花小夜:「っ!」めくれ上がっていたスカートを払う。
夏川早苗:「いやぁ、もう、なんというか」
夏川早苗:「ごちそうさまです?でいいのかしら」首をかしげる
鈴木千秋:「……まあ、良いや。見られたとしても、女の子と先輩くらいだし」
木花小夜:「いや風花に見られるのも嫌だけど……」
夏川早苗:「大丈夫よ、3人だけの秘密だわ」
夏川早苗:「ちなみに鈴木さんと姫は」
夏川早苗:「風花くんには下着を見せるぐらいの仲なのかしら」
木花小夜:「は!?」
木花小夜:「そんなわけがないでしょう……!?人を何だと……!」
鈴木千秋:「下着は無いかな。セクハラはあるけど」
夏川早苗:「鈴木さんはだいぶ距離が近いし、姫と時雨さんは結構、訳ありな感じよね」
夏川早苗:「へぇ」
夏川早苗:「あるのね」
夏川早苗:「合意?」
木花小夜:「あるの……?」
木花小夜:「は?」
鈴木千秋:「えー?うーん。どっちかというと、無理やり?(鈴木の方から」
木花小夜:「はあ……?」
木花小夜:「えっ」
夏川早苗:「へぇー」
木花小夜:「風花……!」
夏川早苗:「そっか。無理やり。へぇー。そう」
木花小夜:「い、今時雨と一緒じゃない……!」
鈴木千秋:「あ、しぐちゃんもヤバい?」
木花小夜:「風花!出てきなさい!風花ーっ!」
夏川早苗:「ストップ。姫、ストップ」
鈴木千秋:「ちょっ、姫?姫ー?待ってー?」
木花小夜:「時雨になんかしたら、私、絶対許――!」
木花小夜:「何!」
夏川早苗:「こういうことに大事なのは、お互いの気持だと思うの。私」
木花小夜:「時雨がされることを望むっていう意味……?」
鈴木千秋:「おおー。しぐちゃん、大胆」
夏川早苗:「鈴木さんが無理やりセクハラさせたのは、この際一旦置いておいて」
夏川早苗:「そうねぇ、時雨さんが望むかもしれないし」
夏川早苗:「この中の誰かが望んでるかもしれないわよね」
夏川早苗:「皆としては、どうなのかしら。そこんところ」
木花小夜:「風花はそういうやつじゃないわよ」
木花小夜:「あいつ、ずっと操を立ててるのよ。初恋の女に」
鈴木千秋:「おおー。信頼してる」
鈴木千秋:「初恋の女」
木花小夜:「ずっと見てきたから、知ってるんだから」
鈴木千秋:「(さなちゃんさなちゃん)」
鈴木千秋:「(ずっと見てきたって、もしかしてもしかしてなやつかな?)」
夏川早苗:「(そうね、もしかしてなやつね。鈴木さん)」
夏川早苗:「姫の言うことだし、一番付き合い長そうだし。そういうなら信頼するわ」
夏川早苗:「つまり」
夏川早苗:「大元の所に居るってことね、強敵が。」
夏川早苗:はふぅ。大きくため息を付いた。
鈴木千秋:「こりゃー強敵だ」 同じく。息を漏らした


夏川早苗:鈴木さんのPを連帯感から友情に。意外とノリが合うわ。あと姫のNを不安に。大丈夫かしら。
鈴木千秋:こちらも、夏川早苗/〇友情/憐憫 に変更します。
鈴木千秋:以上です


【ミドルフェイズ3】

GM:全員登場を推奨。
GM:侵蝕ダイスは1d10に戻ります。
風花春悠:48+1D10
DoubleCross : (48+1D10) → 48+1[1] → 49

木花時雨:木花時雨の侵蝕率を+6(1d10->6)した(侵蝕率:64->70)
鈴木千秋:1d10+43
DoubleCross : (1D10+43) → 2[2]+43 → 45

夏川早苗:夏川早苗の侵蝕率を+10(1d10->10)した(侵蝕率:56->66)


GM:【しのぶれ自然公園】
GM:昼過ぎて、日が落ち始めたその時。報告が。
GM:結論から言えば、この場には爆弾の存在が確認されたという。
GM:解体処置自体は終えられ、つつがなくその場は片がついたが。
GM:事後処理と残爆弾がないかどうかで、ひとまず、その場に留まっている。


木花小夜:「……処理班が活動中。別命あるまで待機」
木花小夜:「この任務、こんなのばかりね」
風花春悠:「これも任務の内だ」
木花時雨:「まあ、爆弾の位置を探すのが一番重要って言う任務だから…」
風花春悠:既にチルドレンとしての冷たい表情に戻っている。
木花時雨:「そう。だから、寧ろ出番が無い方が無事にできてるってことだしね」
夏川早苗:「ふぅん。そういうものなのね」
鈴木千秋:「とりま、立ってるだけもなんだし。お茶でも買ってくる?」
風花春悠:「……警戒は怠るなよ」
木花時雨:「救急隊員みたいな感じかな…あ、お金どうしましょうか」
夏川早苗:「一人だと5人分は大変でしょ。私も手伝うわ」
鈴木千秋:「大丈夫大丈夫。お金は出しておくから」
鈴木千秋:「ありがとさなちゃん。助かる~」
風花春悠:「経費で落ちるだろう」財布から札を1枚取り出して手渡す。
鈴木千秋:「うわ、先輩、太っ腹!みんな、スポンサーである先輩に頭を下げるのだ」
木花時雨:こんこん、とゴツいブーツの爪先を確かめつつ。「領収書出るかな自販機…」
木花時雨:「ありがとうございます」ぺこり。
風花春悠:「……気を抜くなよ。本気で言ってるぞ」
木花小夜:「風花がスポンサーってわけじゃないでしょ」
木花小夜:「UGNの経費なんだったら……」
木花時雨:「経費申請とかやるのが隊長だし…?」口元に指を当てて。
鈴木千秋:「あはは、姫は固いなー。……分かってる、先輩。心配してくれてありがと」 
夏川早苗:「売店……とかもわざわざ領収書きるのもねぇ」
木花時雨:「…姫?」
風花春悠:(姫……?)
木花時雨:ちらっと春悠くんに知ってるのかなー、という視線を、口元に指を当てたまま。
鈴木千秋:「姫」視線は小夜姫に。
夏川早苗:「姫」頷いて小夜さんに。
木花小夜:「……何。何でこっち見てんの」
木花時雨:「……え、何で?」
木花時雨:「そりゃあ姉さんは綺麗だけど…」
風花春悠:「……」時雨の口元から目を逸らしつつ。
木花時雨:つい、と無意識に唇を指でなぞる。なんとなく、感覚を反芻したくなって。
風花春悠:「……。……またコードが変わったのか?」
夏川早苗:「……………………」その場の目線を確認しつつ。
木花小夜:「そんなコードあるわけ無いでしょ……」
木花小夜:「ただのあだ名よ」
木花時雨:「前どこかで聞いたことある気がするけどな…どこだっけ」
木花時雨:「綽名。姉さんに」
風花春悠:(姫……?)
風花春悠:(流行ってるのか……?)
木花時雨:「………ふふ。いや、でも。いいな、姫。かわいい」くすくす笑う。
木花小夜:「笑わなくてもいいでしょ……」
木花時雨:「かわいいなーって思っただけだよ~~」
鈴木千秋:「似合ってるってことだよ。ね?」
夏川早苗:「そうですね。」
風花春悠:「……」咳ばらいをして。「全員、緊張感が欠け過ぎだ」
木花小夜:「……そうね。そう」
風花春悠:「……他の爆発物は当然のこと、犯人もまだ近辺にいる、或いは戻って来る可能性がある」
木花小夜:「ダメだ」
木花小夜:「任務の目的、忘れそうになる……」
木花時雨:「……すみません、隊長。こほん」ぴしり、と表情を無表情のそれに。
風花春悠:「……しかし、駅の次は公園か」
夏川早苗:「そうね。さすが隊長」
風花春悠:「敵の目的は何だと思う」
鈴木千秋:「はーい。警戒は怠らないであります」
木花時雨:「単純に…人通りの多さは前提として。交通のチョークポイント?」違うか、と思いつつ。
風花春悠:「何らかの思想や目的があるのか。或いは単に愉快犯なのか……」
夏川早苗:「こっちに視線集めて、本命は別。ってのもあるわよね」
GM:その時。爆発音。
鈴木千秋:「!!」
GM:すぐ近く、公園のどこか。
GM:市民の避難は完了している。人的被害をもたらすことはないだろうが……
木花時雨:「犯行声明とかは、」きゅ、と周囲へ警戒。「近傍!方角は…」
夏川早苗:「!?」とっさに耳をふさぐ。
風花春悠:「……!」音のほうに走り出す。「“パイロープ”と“ミュー・シーフィ”は近辺の確認!」
風花春悠:「残りは俺と来い!」
木花時雨:「了解っ」周囲へ眼を巡らせ。「早苗さん、大丈夫。行って!」
鈴木千秋:「ちゃんと名前で呼んでよね。らじゃー」
木花小夜:「いえ」
木花小夜:「行っちゃダメ」夏川早苗の手を掴む。
夏川早苗:「了解したわ。二人も気をつけて」
夏川早苗:「………え?」
鈴木千秋:ハル先輩の後を追って走り出す
夏川早苗:がく、と掴まれて足を止める。
木花小夜:「早川なつみ。あなたは私と来てもらう」
木花時雨:「…姉さん?」
木花小夜:「それが、私の任務」
風花春悠:「おい、何を……」気付いて振り返る。
木花小夜:「――来ないで」
夏川早苗:「む………」アイドル名。
鈴木千秋:「先輩!急いで!」 
木花小夜:「彼女を連れて行くわ。邪魔をしないで」
風花春悠:「待て、“フル”」
夏川早苗:「………その任務、っていうのは」
夏川早苗:「この5人のとは、別?」
木花小夜:「――ええ」
木花時雨:じり、と。身構えて。「…この状況下出ないといけないことですか?」
風花春悠:「……」凍て刺すような視線を小夜に向ける。到底家族に向けるものではない。
木花時雨:「爆弾テロの可能性があります。後日改めてという訳には」
風花春悠:「それは」
風花春悠:「お前は……」
木花小夜:《赤色の従者》。火のように燃える、赤い球体が浮かぶ。
風花春悠:「UGNか?」
木花小夜:「――いいえ」
木花小夜:「私は、FHエージェント、“ミュー・シーフィ”」
木花小夜:「彼女を連れて行くことが、私の任務」
木花時雨:「…………………うそ」眼を見開いて。
夏川早苗:「…………………あら、まぁ」
木花時雨:「………嘘でしょう?」
木花小夜:「嘘じゃない。嘘じゃないから」
鈴木千秋:「……」 先輩の顔を見やる
木花小夜:「おとなしく、そのままで居て」
風花春悠:「……」大きな動揺は無い。少なくとも、表向きは。
木花小夜:「あなたたちと、戦いたくない」
木花時雨:「…………できないよ」くしゃくしゃな顔。
木花時雨:「わたしはUGNチルドレンの“パイロープ”だし。…夏川さんは、」手のひらに、真紅の焔が灯る。
風花春悠:「“フル”。“タルト・トタン”。……“パイロープ”」
木花時雨:「わたしの、友達なんだ」
風花春悠:「戦闘準備」
鈴木千秋:「…………」 髪をふわふわと気流が巻き上げる。 戦闘準備だ。
木花時雨:「――了解」冷えた声。磨き上げた、戦闘単位としての声。
夏川早苗:「………そういえば」「時雨さんとは仲良くしてもいいか。確認してたのよね。私」ちらり、と風花くんを見つつ。
夏川早苗:「ねぇ、小夜姫」
木花小夜:「危害を加える気はない。何もしてこないなら」
夏川早苗:「私は貴方を、友人だと思っていたのだけど。」
夏川早苗:「貴方が私を、知って、仲良くしてくれていたのは」
木花小夜:「私は、あなたのことを知っていたわ」
夏川早苗:「それも嘘?」「───それとも、それも嘘じゃない?」
木花小夜:「作戦目標としてね。だから。あなたを好きなわけじゃないのは、本当」
夏川早苗:「そう」
夏川早苗:「どおりで。」
夏川早苗:「やっぱり、貴方達姉妹。似てるわね」
夏川早苗:アイドルに向かって、好きじゃないだの、知らないだの。
夏川早苗:「私を好きにさせたくなってきたわ」
GM:NPCのハンドアウトを公開します。
・NPC/木花小夜用ハンドアウト
シナリオロイス:“ゲルダ”初空ひかる 推奨感情 P:遺志/N:憎悪
君は“シンダーブレイズ”風花春悠の元同期で、現在は彼と同じ任務に付くこととなったFHエージェントだ。
“ゲルダ”初空ひかるは、UGNの過酷な任務で失われた、君の友人だ。
彼女のような犠牲を、世界に二度と繰り返させないために。君はあるFHの任務に従事する。
すべては彼と、妹の時雨のために。君の目的は、犠牲を繰り返さないことだ。
GM:ミドル戦闘を開始します。
小夜[6] 紅球[9] 夏川[9]

     5m

鈴木[12] 時雨[9] 風花[2]
GM:配置はこうです
GM:夏川さんは拉致されたのでこっちね
GM:NPCのデータは概ね最初に掲示したものと同じですが
GM:リザレクト演出の代わりとして、HPだけ増強が入っています。
鈴木千秋:了解でーす
夏川早苗:はーい
GM:侵蝕率は45で固定。本体のHPを0にすれば勝利。
風花春悠:嫌だよぉ……
木花時雨:了解…です…
GM:セットアップ。
鈴木千秋:なしです
木花時雨:なし。
風花春悠:なしのつぶて
木花小夜:本体と従者が《氷の茨》。ラウンド中、エンゲージから離れた対象は4D10のHPを失う。
木花小夜:「風花……時雨……」周辺に冷気が立ち込める。
木花小夜:「お願いだから、戦わないで」
木花小夜:空気中の水分と、自分の血を凍らせて。周辺に有刺鉄線のような赤い線が漂う。
木花小夜:「もう苦しまなくていい」
風花春悠:「それは懇願か?“ミュー・シーフィ”」
風花春悠:「分かっている筈だ。敵として俺の前に立った以上」
風花春悠:「“シンダーブレイズ”に、慈悲は無い」
木花小夜:「それでもよ!」
風花春悠:敵と己に言い聞かせるような言葉。
木花小夜:「言ったでしょう!私は、“シンダーブレイズ”を恐れない!」
GM:鈴木さんの手番から。
鈴木千秋:はーい
鈴木千秋:マイナーで15m後方に下がります
鈴木千秋:《コンセントレイト(ノイマン)》+《コンバットシステム》+《ワンショットツーキル》
鈴木千秋:小夜姫と従者を狙います
GM:来な!
鈴木千秋:8dx+4
DoubleCross : (8R10+4[10]) → 8[1,2,3,5,6,7,8,8]+4 → 12

GM:コンセ!
鈴木千秋:すみません、コンセ抜けてた
鈴木千秋:もっかいふります
鈴木千秋:8dx8+4
DoubleCross : (8R10+4[8]) → 7[1,2,2,2,2,5,5,7]+4 → 11

鈴木千秋:??
GM:C8の恐怖
鈴木千秋:り、リアクションどうぞ、、、
木花小夜:本体はドッジ出来ないんですよね。従者のダイスペナルティがあるから。
木花小夜:3dx 従者
DoubleCross : (3R10[10]) → 9[5,6,9] → 9

鈴木千秋:あ、あぶない。なんとかあたった
GM:ダメか。甘んじて受けましょう。
GM:ダメージをどうぞ。
鈴木千秋:2d10+17
DoubleCross : (2D10+17) → 9[7,2]+17 → 26

鈴木千秋:諸々有効です
GM:そのダメージなら健在!
鈴木千秋:じゃあ、ちょっとだけ演出
鈴木千秋:鈴木千愛の能力は、「五感鋭敏」と「気流操作」。鋭敏となった五感を、気流で集めた音や匂いの粒子でさらにブーストする。
鈴木千秋:当然、微弱ではあるが気流のみの操作も可能であり
鈴木千秋:「とりま。後で話聞かせてもらうかんね」 ピストルの形にした指から、空気の衝撃が放たれる
鈴木千秋:「……弱すぎた?出力操作は苦手なんだよね。次、よろしく」 
木花小夜:「ぐっ……!」攻撃はそのまま受ける。
木花小夜:昔であれば、炎の自動防御で薙ぎ払っていただろう。だが。
木花小夜:今は既に、変質を果たした。
鈴木千秋:(こっそり浸食上げておきます。45→53)
GM:次は行動値9組!
GM:時雨ちゃんか夏川さん
木花時雨:まず夏川さんかな?
夏川早苗:はーい
夏川早苗:マイナーなし、メジャーで《C:バロール》《死神の瞳》《停滞空間》、判定前に《紡ぎの魔眼》
夏川早苗:夏川早苗の侵蝕率を+1した(侵蝕率:66->67)
夏川早苗:対象は小夜さん
夏川早苗:8dx7+1
DoubleCross : (8R10+1[7]) → 10[1,2,2,2,6,9,9,9]+10[1,5,8]+10[9]+10[10]+6[6]+1 → 47

木花小夜:ドッジ出来ないんだってば……命中します。
夏川早苗:命中時、行動値0、次のダメージ+7Dになります。
木花小夜:ヒエ……
夏川早苗:夏川早苗の侵蝕率を+10した(侵蝕率:67->77)
夏川早苗:ちょっと演出。
夏川早苗:「まず、教えておくけれど、姫」
夏川早苗:夏川早苗の能力は、単純な魔眼の出力による干渉。
夏川早苗:しかし、その魔眼は決まった形を取らず。ボコボコと、地面から泥が溢れ出る。
夏川早苗:……メガネを外す。それは能力には関係ない。
夏川早苗:ただ、気分の問題だ。
夏川早苗:「貴方が私を早川なつみと呼ぶのなら」
夏川早苗:「『アイドルにはお触り厳禁』。覚えておいて。」
木花小夜:「何を……何を……?」
夏川早苗:ぞるり、と手の形をする黒い泥が両足を掴み、触れている手から染み出した黒い影が、紐の形になって袖から入り込み、腕を拘束する。
夏川早苗:「でないと」
夏川早苗:「黒いお兄さんが来て、大変なことになるわよ」
木花小夜:「っ……!これ……!」自らを凍結させ、致命的な可動範囲だけは確保する。だが。
木花小夜:その氷自体が、枷と苛む。
木花小夜:「こんなもので……!」
GM:時雨ちゃんの手番へ。
木花時雨:マイナーで姉さんたちのエンゲージへ移動。
木花時雨:茨のダメージ入ります…?
GM:茨は離れた時!
  小夜[0] 紅球[9]
  夏川[9] 時雨[9]
     5m

    風花[2]

     15m

    鈴木[12]
木花時雨:良かった!じゃあメジャーで≪コンセントレイト:ウロボロス≫≪原初の赤:災厄の炎≫!姉さんとあかだまを殴る!
木花時雨:9dx7+6
DoubleCross : (9R10+6[7]) → 10[2,2,2,2,3,8,9,10,10]+6[2,2,3,6]+6 → 22

木花時雨:うえっ回んねえ…
木花小夜:リア不
木花小夜:従者はドッジ。
木花小夜:3dx
DoubleCross : (3R10[10]) → 7[2,5,7] → 7

GM:ダメだ……
木花時雨:よかったー。対抗種とオーバーカウンターが起動して。
GM:あ、その前に
木花時雨:ムッ
木花小夜:従者が《炎陣》。小夜をカバー。
木花時雨:成程…ではダメージを。
木花時雨:3d10+4d10+12 装甲等有効。
DoubleCross : (3D10+4D10+12) → 20[5,8,7]+19[8,7,3,1]+12 → 51

木花時雨:51点装甲有効ダメージ。
木花時雨:木花時雨の侵蝕率を+6した(侵蝕率:70->76)
木花時雨:木花時雨のHPを-18(2d10+3->9,6+3)した(HP:29->11)
木花時雨:ごりっと減ったな…。
GM:倍の102点食らって死ぬ!
木花時雨:演出!
木花時雨:静かに駆け寄る。
木花時雨:右の腕を大きく後ろへ引いて。その手のひらで、真紅の焔が燃え盛る。
木花時雨:「………加減はするからっ!」
木花小夜:「時雨……!」
木花時雨:姉は、こういえば。きちんと対処する、と信じている。
木花小夜:「止めて、その力を、使わせたくないから、私は……!」
木花時雨:身体から昇る影が。火に吸い込まれる。その真紅が燃え盛る。
木花時雨:「ごめん。いっつも、いつもさ。心配掛けてるよね」
木花時雨:「でも…ごめん。そのお願いは、聞けないよ」
木花時雨:手のひらを叩き付ける。
木花時雨:宝石を割り砕いたかのように。真紅が吹き荒れた。
木花小夜:その攻撃を知っている。その色を。
木花時雨:それは、”アルマンディン”の色。何より真紅に輝く柘榴石。
木花時雨:その、模造品/イミテーションだ。
木花小夜:「“ガーネット・スター”!」紅球をかざす。
木花小夜:柘榴石の異名を持つ、ケフェウス座のμ。
木花小夜:“ミュー・シーフィ”を。
木花小夜:盾のように広げ、その火を受け止めて。
木花時雨:「……へへ。やっぱり防ぐよね」薄い肌色が、余計に白く。その血を燃やしたかのように。「やっぱり姉さんは、すごいな…」
木花小夜:攻撃に耐えかねて、割れる。
木花小夜:「……時雨……っ!」
GM:従者が吹き飛んだので、
   小夜[0]
  夏川[9] 時雨[9]
     5m

     風花[2]

     15m

    鈴木[12]
GM:風花くんの手番。
風花春悠:マイナーでコンボ【ハンド・オブ・グロ—リー】
鈴木千秋:あ、先輩に支援使っておこう。《支援射撃》
鈴木千秋:ダイス+4です。 浸食は53→55
風花春悠:ありがたく!
風花春悠:≪骨の剣≫+≪死招きの爪≫+≪氷の回廊≫
風花春悠:攻撃力30の素手を作成しつつ戦闘移動、小夜にエンゲージ。
風花春悠:メジャーでコンボ【デッドマンズ・ドライヴ】
風花春悠:≪コンセントレイト :バロール≫+≪瞬速の刃≫
風花春悠:対象は小夜!
   小夜[0]
 夏川[9] 時雨[9] 風花[2]

     20m

    鈴木[12]
GM:来い!
風花春悠:10DX7+3
DoubleCross : (10R10+3[7]) → 10[1,2,3,5,5,6,6,7,8,10]+10[2,6,10]+1[1]+3 → 24

木花小夜:従者が消えたのでドッジ出来る!
木花小夜:1dx
DoubleCross : (1R10[10]) → 7[7] → 7

GM:……ダメージを。
風花春悠:ダメージ!
風花春悠:3D10+30 装甲有効
DoubleCross : (3D10+30) → 12[5,1,6]+30 → 42

夏川早苗:死神の瞳で+7Dを覚えておいてね
GM:死神の瞳もあるよ!
風花春悠:あっ
風花春悠:追加で振ります
風花春悠:7D10+42
DoubleCross : (7D10+42) → 43[4,5,7,1,8,9,9]+42 → 85

風花春悠:ウヒャ~
GM:累積100点超えるわ!無理!
木花小夜:そのダメージで倒れます。復活もない……というか演出でリザレクトして、
木花小夜:戦闘終了です。
風花春悠:侵蝕はしめて49>61!
風花春悠: 
風花春悠:風花春悠──“シンダーブレイズ”の手足が、紅蓮の炎に包まれる。
風花春悠:炎は凝縮し、外骨格を形成。骨の装甲。黒く渇き、節々が赤熱したそれは、燃え尽きた薪を思わせる。
風花春悠:「……」
風花春悠:地を蹴る。火の粉が舞い、瞬く間に“ミュー・シーフィ”の眼前へ。
風花春悠:ほんの一瞬、彼女と視線が交錯する。
木花小夜:「これ以上、戦わせないでよ!」
木花小夜:「ひかる!もう止めてっ!」
風花春悠:「……」
風花春悠:かつての彼女なら、こうして容易には距離を詰めさせなかっただろう。
木花小夜:「あなた達が戦わなくていいようにするのよ……!」
木花小夜:「チルドレンが、戦わなきゃいけない、世界のほうがおかしいんだから!」
風花春悠:能力の大部分を失い、それでもまだ、こうして戦場に立ち続ける。その理由は。
初空ひかる:「そうだよね」
初空ひかる:「本当は分かってるんでしょ?風花もさ」
木花小夜:「だって私たち、まだ、子供じゃない……!」
木花小夜:「私は、君を。死なせたくないっ……!」
風花春悠:ほんの一瞬、眉間に皺を寄せて。
風花春悠:──それだけだ。交わす言葉も持たず、視線を逸らす──否、身体を捻る。
風花春悠:慈悲も容赦も無く。爆炎と共に回し蹴りを叩き込んだ。
木花小夜:抵抗もなく、彼女の小さな体は宙を舞い。
木花小夜:遊具へと叩きつけられた。
GM:それは、非常にあっけなく終わった。


GM:シーン終了。ロイスのみ可能です。
木花時雨:ロイスは…なしで。応急使ってもいいですか…?
GM:どうぞー
GM:あ、ちなみにですが
木花時雨:わあいありがとうございます
風花春悠:木花小夜 〇懐旧/不審 を 木花小夜 懐旧/〇罪悪感 に変更します
木花時雨:2d10+11 一個目
DoubleCross : (2D10+11) → 8[2,6]+11 → 19

GM:木花小夜もHP1になってるので
GM:使ってあげたかったら使ってもいいです
風花春悠:使います……
鈴木千秋:木花小夜/執着/〇不安
木花時雨:ぬ…。じゃあ二個持ってるから姉さんに使うね
鈴木千秋:これに変更
夏川早苗:小夜さんへの感情をP好感/○N不安に変更で。こちらは以上。
木花時雨:あっ春悠くんが行くなら遠慮する
風花春悠:あ、
鈴木千秋:以上です。
風花春悠:簡易手術キットあるので4D10回復してください
夏川早苗:小夜さんに使う、かな
GM:すごい……
夏川早苗:すごーい
鈴木千秋:手厚いケア
GM:じゃあ貰います
木花時雨:強い…。じゃあ二個目自分に使います
木花時雨:2d10+19
DoubleCross : (2D10+19) → 13[5,8]+19 → 32

木花小夜:1+4d10
DoubleCross : (1+4D10) → 1+29[2,10,9,8] → 30

木花時雨:全快した。以上。
GM:すごいいいやつだ
GM:全回復!
木花時雨:HP29になって以上!
風花春悠:以上!


【ミドルフェイズ4】

GM:風花くんがシーンプレイヤー。
GM:他の人の登場は任意です。
風花春悠:61+1D10
DoubleCross : (61+1D10) → 61+1[1] → 62

鈴木千秋:出ようかな
鈴木千秋:1d10+55
DoubleCross : (1D10+55) → 6[6]+55 → 61

木花時雨:で、出たいが侵蝕が厳しいんだよな……
夏川早苗:ほっとくとえらいことになるから出ようかな
木花時雨:出ます
木花時雨:木花時雨の侵蝕率を+4(1d10->4)した(侵蝕率:76->80)
夏川早苗:夏川早苗の侵蝕率を+6(1d10->6)した(侵蝕率:77->83)

GM:【しのぶれ自然公園】
GM:戦いは一方的に終わった。
GM:“白鳥の隠れ家”の中でも最強と謳われた、“アルマンディン”の力は、もはや見る影もなく。
GM:彼女は倒れ、蹲った状態だ。
木花時雨:「…姉さん…!」傍に駆け寄ろうとする。
木花小夜:「……う……つ……」《リザレクト》自体は発生している。
木花小夜:立ち上がろうとして、また倒れる。
木花時雨:「…っ」倒れる前に支える。
木花小夜:「んで……なんで……!」
木花小夜:「なんで、あの頃みたいに……私……!」
夏川早苗:「………」吹き飛ばされる直前まで握られていた手首の状態を確かめて、「……無事かしら、姫」
風花春悠:「……」能力は維持したまま、その姿を見下ろす。
木花時雨:「………御免なさい」
木花時雨:「ごめんなさい……」
木花時雨:わたしのせいだ。
木花時雨:「わ、わたしの……せいで」震えた声。
夏川早苗:「何故、とか。どうして。とか」
夏川早苗:「聞いてもいいかしらね、姫?」
鈴木千秋:「パっと見、身体は大丈夫そうかな。良かったね、先輩」
風花春悠:「……」
風花春悠:「“ミュー・シーフィ”」
風花春悠:「爆弾を仕掛けたのもお前か?」
木花小夜:「……正確には、私のセルのメンバー」
木花小夜:「どこに仕掛けてるかは、私も知らない」
風花春悠:「……当然、単独犯ではないか」
風花春悠:「目的は何だ」
風花春悠:「“タルト・トタン”を拉致して、どうする気だった」
夏川早苗:「風花くんや時雨さんを戦わせたくない。だったかしら」
木花小夜:「……」
夏川早苗:「そこに貴方の目的が絡んでるの?」
木花小夜:「“マアト”セルは、欺瞞を暴くためのセルよ」
木花小夜:「UGNチルドレンという、子供を戦わせるいびつな存在のあり方を」
木花小夜:「早川なつみに、公共の電波で糾弾させる」
GM:それだけを聞けば、UGNチルドレンであれば判断できる。
GM:“うまくいくはずがない”。
夏川早苗:「私に?」
夏川早苗:バラエティ番組のひな壇から。UGNで受けた講習を話し始める自分の姿を想像する。
木花小夜:「ええ。オーヴァードでありながら、人々の耳目に触れる、とても広いところにいるのがあなた」
風花春悠:「……」夏川さんに目をやる。知名度の高いアイドルにして、本人もUGNチルドレン。成程目的にはうってつけの人材だろう。
風花春悠:計画の成功自体が不可能であることを除けば、だ。
木花小夜:「千尋沢に居るって噂があって。それを探して連れてくるのが、私の目的」
木花時雨:「夏川、さんに」声が枯れたように。「……そ、そんな。そんなの…」ただの空想話出ないと、受け入れて貰えるのか?
木花小夜:「だった」
鈴木千秋:「だった?」
木花小夜:「……今、失敗した」
夏川早苗:「……なるほど」
木花小夜:「これが成功さえしていれば、すぐにシステムを壊すことが出来なくても」
木花小夜:「チルドレンの活用に、疑問を覚える声は生まれる」
木花小夜:「そうすれば、いずれは」
木花小夜:「みんな、戦わなくってよくなるでしょう」
風花春悠:「……そんなこと」
風花春悠:「お前だって、本気で信じているわけじゃないだろう」
風花春悠:UGNの情報統制は完璧だ。掃きだめのようなネットの片隅に至るまで、監視の目は張り巡らされている。
風花春悠:ましてや、公共の電波など──。
木花小夜:「風花は、自分が本部に」
木花小夜:「……いや。それじゃあ、足りない」
木花小夜:「評議員になれるって、本気で信じる?」
風花春悠:「……」問われて、僅かに逡巡が生まれる。だが。
風花春悠:「手段を選ばなければな」
風花春悠:肯定する。どこまでが本心かは自分でも分からない。
木花小夜:「……だから」
木花小夜:「だから、私も。成功させなきゃいけなかったのよ……」
木花小夜:「でないと、その道を選んじゃうから……」
木花小夜:「そんなの……」
木花小夜:「耐えられない……」
木花時雨:「………」姉が、どういう気持ちで其処まで想ったのかなんて、分からない。でも、こうまでして動こうと、そうする思いの丈くらいは。少しだけでも分かる気がした。
風花春悠:「……だからって、何だよ」
風花春悠:“シンダーブレイズ”の仮面から、僅かに風花春悠としての言葉が零れる。
風花春悠:「分かるように言えよ……どうしてそれが、FHに入ることになるんだよ……」
木花小夜:「入ったんじゃない」
木花小夜:「気がついたら、ここに居たの」
木花時雨:「……ぇ?」
風花春悠:「拾われたのか、セルに」
木花小夜:「ええ。そこで、ずっと」
木花小夜:「リハビリをしてた」
木花小夜:「それで、ようやく、ここまで」
風花春悠:「……それで、そこに情でも湧いたのか?」
木花小夜:「……違う!」
木花小夜:「私の仲間は、“白鳥の隠れ家”だけ!」
木花小夜:「風花と、時雨と。2人だけだよ……」
木花時雨:その言葉が、哀しい。姉さんは、ずっと。ひとりのままだったのだろうか。
夏川早苗:「そう。じゃあ、説得でもされた?大切な仲間が戦わなくても良い世界にするために」
木花小夜:「そうよ。あいつらは、それが“出来る”って」
夏川早苗:「私を筆頭にイタいアイドルを量産すれば、万が一表沙汰になった時に備えて「未成年を大事にしよう」……って計画に?」
木花時雨:「………夏川さん」
木花小夜:「具体的な計画は、私も聞いてないけど」
木花小夜:「出来るって言われて。それを信じて……」
木花小夜:「根拠は?それを信じて……?」
木花小夜:「あれ……?」
風花春悠:「……情に絆されでもしてたほうが、まだマシだった」
風花春悠:「利用されてただけだ。そいつらの口車に乗せられて……いや」
風花春悠:小夜の様子を見て。
風花春悠:「或いは、洗脳でもされたのか」
木花小夜:「違……!私は、本気で!」
木花小夜:「戦わせたくないのよ!もう!二度と!」
木花時雨:「………姉さん。姉さんが、心配してくれて、そう思ってくれたの、本当に嬉しいよ」
木花時雨:哀しい。どうしようもなく悲しかった。
木花時雨:ぎゅ、と姉さんを抱き締める。血が出ているところに当たらないように。
木花小夜:「違……私……」
木花時雨:「……ありがとう。わたし、姉さんの妹でよかった」
木花小夜:「みんなを、傷つけたくなんて……」
木花小夜:「私……」
木花時雨:腕が震えて。声も震えて。「大丈夫……だいじょうぶだよ」
木花時雨:「疲れたよね…。ずっと頑張ったんだもん。だから、今だけはゆっくり休もう?」
木花小夜:「時雨……」
風花春悠:「……」通信端末を手に取る。「処理班を回してくれ。それから、医療班にも連絡を」
木花時雨:昔、そうしてもらったように。姉の背をそっと撫でる。
木花小夜:「……ごめん。風花」
木花小夜:「隊内から、裏切り者が出たら」
木花小夜:「君の、夢は遠のくよね」
木花小夜:「……ごめん……」
風花春悠:「……」端末を手に、少しの間、小夜の顔を見つめて黙り込む。通話先から怪訝そうな声。
風花春悠:「……支部長に報告」
風花春悠:「敵勢力が分かった。“マアト”セルだ」
風花春悠:「……必ず潰す。支部長にもそう伝えろ」
風花春悠:通話を切って、小夜のもとに屈み込む。
風花春悠:「……バカだよ、お前……」
木花小夜:「……知ってるわよ、そんなこと……」
木花小夜:「ずっと、ずっと前から……」
風花春悠:背中を丸めて、震える声を零す。
風花春悠:「……本当に、バカだよ」
夏川早苗:見る。その様子を見る。
夏川早苗:「ねぇ、小夜さん。……時雨さん、鈴木さん。風花くん。」
夏川早苗:平坦なイントネーション。
夏川早苗:「私、レネゲイドとやらには詳しくないのだけど」
夏川早苗:「例えば、洗脳……いいえ、『発言に説得力を持たせる』みたいな、そういうことが出来たとして。」
夏川早苗:そして。誰かを想う人を、思いのままに動かすことが出来るとするなら。
夏川早苗:「…………」
夏川早苗:「いえ」
夏川早苗:「違うわね、そうじゃないわ」
夏川早苗:方法はどうでもいい。つまりは。
夏川早苗:《万能器具》。薄い黄色の布を作り出す。曇った眼鏡を拭って。
夏川早苗:「私、」
夏川早苗:感情の制御は得意だ。伊達に幼い頃から大人達に囲まれていない。子供のように癇癪を起こしたりしない
夏川早苗:だから、
夏川早苗:「今、すごーく怒ってるみたいだわ」
鈴木千秋:背中を震わせる先輩に対して、呟くように。
鈴木千秋:>風花春悠:「敵勢力が分かった。“マアト”セルだ」
鈴木千秋:>風花春悠:「……必ず潰す。支部長にもそう伝えろ」
鈴木千秋:「……隊内に裏切者が出たって、言わなかったんだ」 「……そうすると思った。先輩なら」 それが、自身の出世のために秘匿したわけではないことも知っている。
風花春悠:「……報告はする」
風花春悠:「だが、裏切者じゃない」
風花春悠:「木花小夜は協力者であり、“マアト”セルの被害者であり」
風花春悠:「俺の、家族だ」


GM:シーンを終了します。
GM:ロイス・購入が可能。
木花時雨:ロイスは、姉のロイスがずっと罪悪感表なのでそのまま。以上。
鈴木千秋:木花小夜/〇同情/憤懣
鈴木千秋:こちらに変更します
風花春悠:ロイスはそのまま、ブルーゲイルとか狙います
風花春悠:3DX+2>=20
DoubleCross : (3R10+2[10]>=20) → 9[1,4,9]+2 → 11 → 失敗

風花春悠:以上です
木花時雨:ボデマ狙います。
木花時雨:3dx+2=>12
DoubleCross : (3R10+2[10]>=12) → 7[2,3,7]+2 → 9 → 失敗

鈴木千秋:夏川ちゃんに支援射撃します
夏川早苗:ロイス保留。ボディアーマー狙います
木花時雨:むう。情報収集あるかもなんだよな…失敗で以上に。
夏川早苗:ありがとー
鈴木千秋:《支援射撃》 ダイス+4. 浸食61→63
夏川早苗:ついでに紡ぎの魔眼。+3個。
夏川早苗:夏川早苗の侵蝕率を+1した(侵蝕率:83->84)
夏川早苗:10dx>=12
DoubleCross : (10R10[10]>=12) → 9[1,1,4,5,6,6,7,8,9,9] → 9 → 失敗

夏川早苗:オゥ……以上です
鈴木千秋:じゃあこちらもボデマ
鈴木千秋:1dx>=12
DoubleCross : (1R10[10]>=12) → 4[4] → 4 → 失敗

GM:理論上こいつも判定できるな……?
鈴木千秋:だめ!以上です
GM:ボディアーマー狙おう。何処から手に入れるんだこいつ
鈴木千秋:そうですね、、、
木花小夜:9dx+1>=12
DoubleCross : (9R10+1[10]>=12) → 10[2,4,6,6,6,8,8,8,10]+3[3]+1 → 14 → 成功

GM:買えちゃった……
夏川早苗:すごい
木花時雨:つよい。
風花春悠:流石……
GM:時雨に渡す!時雨使って!
鈴木千秋:つよい
GM:私が時雨守るから……!
鈴木千秋:強火
木花時雨:あっありがとう姉さん!わたしもがんばるよー!


【インタールード:風花春悠】


風花春悠:錆びた刃に、胸を深々と抉られる。
風花春悠:反撃の拳を叩き込むと、半ば腐った頭が吹き飛び、崩れ落ちる。
風花春悠:気付けば戦場の只中にいた。どこまでも続く、戦場。
風花春悠:地面は見えない。あるのは堆く積み重なった死体の山だ。その上で、動く死者達が戦い続けている。
風花春悠:倒れた者は足場の一部となって、他の死者に踏み付けられ。しばらくすると再び起き上がって戦い始める。
風花春悠:神話に語られるヴァルハラとは、とどのつまりこういうものだろうか。だとすれば、実態を知れば誰も来たがりはしなかっただろう。
初空ひかる:「風花、サイテー」
初空ひかる:血煙の舞う戦場の只中にあって、世界から切り取られたような少女。
初空ひかる:「女の子蹴り飛ばしてさ。痛そうだったな~、さよさよ」
風花春悠:「……」
風花春悠:答えない。向かってきた死者を担ぎ上げ、背骨をへし折る。
初空ひかる:「さよさよ、どうしてあんなになってまで戦うのかな」
初空ひかる:「すっごく無理してた。ねえ、どうしてだろうね」
初空ひかる:死体を踏みつけながら、世間話でもするように。
初空ひかる:「本当は分かってるんでしょ?風花」
初空ひかる:「君が戦い続けるのは、あの子達の為」
初空ひかる:「でも」
初空ひかる:「君が戦い続ける限り、あの子は──」
風花春悠:閃光。
風花春悠:一瞬遅れて襲い来る衝撃波に、周囲の敵ごと吹き飛ばされる。
風花春悠:死体の山から真紅の炎が噴き上がり、天を焦がす。
風花春悠:周囲の死者達が紙細工のように焼き尽くされていく。
風花春悠:その中心には、黒髪の小柄な少女。
風花春悠:病的に白い肌──では、ない。その身体は白骨と化している。
風花春悠:「……」
風花春悠:「小夜」
風花春悠:蹲ったまま顔だけを上げ、歩み寄る少女に懇願するように呼び掛ける。
風花春悠:「小夜……!」
風花春悠:少女が腕を振るう。
風花春悠:炎が吹き荒れ、視界は紅に閉ざされた。



【ミドルフェイズ5-1:木花小夜】

GM:登場をお願いします。
風花春悠:62+1D3
DoubleCross : (62+1D3) → 62+2[2] → 64



GM:場所は東山総合病院なので、
GM:判定は1回目と同じとします。
GM:〈交渉〉で9。
GM:成功でシナリオ間の【社会】達成値を+2。
木花小夜:こいつ、おあつらえ向きすぎる……
風花春悠:既に1回成功してるから……いける!
風花春悠:3DX+2>=9
DoubleCross : (3R10+2[10]>=9) → 6[2,3,6]+2 → 8 → 失敗

風花春悠:いけない
GM:風花……!
木花小夜:《コンセントレイト:ソラリス》《テンプテーション》。
木花小夜:9dx7+7
DoubleCross : (9R10+7[7]) → 10[1,2,4,5,5,5,6,6,9]+10[8]+2[2]+7 → 29

風花春悠:つよすぎ
GM:風花の分までやっといたから。私に任せて
風花春悠:小夜……
GM:社会+2、とても役立つなこいつ……


GM:【東山総合病院 特病棟 病室】

木花小夜:――よく気がつく子だった。
木花小夜:燃え盛る炎の中で、私たちは戦っていて。
木花小夜:「大丈夫、ひかる……!?」
木花小夜:ひかると交戦していた敵を、私の火が焼き尽くした。
木花小夜:他の皆の姿は見つからない。無事でいるだろうか。
木花小夜:「あなたが居なくなったら、私……!」
初空ひかる:「大丈夫だよさよさよ。それよりさ」
初空ひかる:「風花を助けに行かなきゃ」
木花小夜:「風花?どこに……じゃあ、私が……!」
木花小夜:「……っ」飛来した弾丸を、炎の防壁で焼き落とす。
木花小夜:この場を離れることはできない。この状況では。
初空ひかる:「さよさよはここを守って。大丈夫だから」
木花小夜:「何が大丈夫なの……!何でひかるが行かなきゃいけないの!」
初空ひかる:「行かなきゃいけないんじゃなくて、行きたいの」
初空ひかる:「私ね、風花のことが好きなの」
木花小夜:「そんなの、知って――」
初空ひかる:「知ってる。さよさよも、でしょう」
木花小夜:「いや、それは……」「そうだけど……」
初空ひかる:「だからね。これは、私の、最後のワガママ」
初空ひかる:「私に行かせて」
木花小夜:何も返せなかった。だってそんなの、卑怯だ。
木花小夜:風花春悠は、君のことが好きなんだよ、ひかる。
木花小夜:だから。

木花小夜:「……君の前では」
木花小夜:「好きを隠さなきゃって思ってたのに……」
木花小夜:ベッドに寝そべることもなく、病室の隅で。
木花小夜:シーツをかぶって屈み込んで、微睡んでいた。
風花春悠:「……小夜?」
風花春悠:不安げな瞳が、その顔を覗き込んでいる。
木花小夜:「あれ、今、私……」
木花小夜:「……風花」顔を上げる。
風花春悠:「……生きてる、よな」
風花春悠:屈み込み、すぐ眼前。ほっとしたような表情。
風花春悠:そうだ。生きている。ほんの少し前まで。小夜が死んだと思っていた頃には、よく彼女の悪夢を見た。
風花春悠:「……何でそんなところで寝てるんだよ」
木花小夜:「……うん。生きてるって、言っていいのかな……」
木花小夜:「咎を受けるべきなのに。あんな、柔らかいところで、甘えられないよ」
風花春悠:「……それで、床で?」「……お前、何て言うか……」
風花春悠:「……」
木花小夜:「……何よ」
風花春悠:「……いや」
風花春悠:結局何も言わず、自分も隣、床に座り込む。
風花春悠:「……」
風花春悠:「あのさ」
木花小夜:「うん」
風花春悠:「……ごめん」
木花小夜:「なんで風花が謝るの」
風花春悠:「いや、その……蹴ったりして……」
風花春悠:まるで姉弟喧嘩でもしたかのように言う。
木花小夜:「風花、蹴り技で戦うタイプじゃないでしょ」
木花小夜:「手。抜いたじゃない」
木花小夜:「まあ、それでも。全然、敵わなかったんだけどさ」
風花春悠:「……」
風花春悠:「検査、結果は出たのか」
木花小夜:「……」
木花小夜:「……先にこれ、言わなきゃか」
木花小夜:「私ね。本当に死んでたの」
風花春悠:「…………!」
風花春悠:「どういう、ことだよ」
木花小夜:「今の身体は、死体に、再現した魂を入れただけ」
木花小夜:「お医者さんが言うには、その施術の影響で、抵抗力が弱くなってるところに」
木花小夜:「暗示性の高いコントロールで誘導されたんじゃないか、ですって」
風花春悠:その顔を見る。病的に──死人のように──白い肌を。
木花小夜:「自分の意志に反していたことじゃない」
木花小夜:「だけど、どこまでかは、分からないけど」
木花小夜:「焦ったんだと、思う。風花と、時雨を見て」
風花春悠:「焦った……?」
木花小夜:「早く2人を助けなきゃって」
木花小夜:「これ以上、戦わせたくないって……だって」
木花小夜:「好きなのよ……」
木花小夜:「どうしようも、無いくらいに……」
風花春悠:「────」
風花春悠:言葉を失う。であればやはり、小夜は自分の所為で。
木花小夜:「たまに、昔の記憶――記録を、夢に見る」
木花小夜:「その時の、私が。本当にどう思ってたのかは、わからない」
木花小夜:「ただ。君を見ていた記憶ばかりを、浮かべる」
木花小夜:「多分、君のことを好きだったんだと思う」
木花小夜:「だけど」
木花小夜:「今は、それは関係なくって。ただ」
木花小夜:「今の、私が。そう思ってるんだ。過去、どうだったかじゃないから」
風花春悠:「……」
風花春悠:驚くべきことがあまりに多すぎて。どうしたらいいのか分からない。頭が真っ白になる。
風花春悠:「小夜」
木花小夜:「……うん」
風花春悠:「他、には」
風花春悠:「……今は?生きてるんだよな?大丈夫、なんだよな?」
風花春悠:「内臓に装置を埋め込まれてるとか……セルの調整が無いと、生きていけないとか……」
木花小夜:「ううん。そんなことは無い」
木花小夜:「一度、死んでること以外は。普通の女の子をやれてる」
木花小夜:「――私のこと、家族としてしか見れない?」
木花小夜:「それはさ。違うでしょう」
風花春悠:「……っ……」
木花小夜:「私たちは、家族みたいなものだったけど」
木花小夜:「君は、ちゃんと。ひかるの事、好きだったじゃない」
風花春悠:「……」
風花春悠:「何で、知って……」
木花小夜:「ふふ。分かるよ」
木花小夜:「見てれば、分かったよ」
木花小夜:「同じよ。私たちは、家族みたいなものだったけど」
木花小夜:「もうね。繕うのはやめた」
木花小夜:「――私は、本当の家族になりたい」
木花小夜:「他人同士でもなれる、家族のカタチを。君と築きたいって。そう思ってる」
木花小夜:「……なんて」白い肌に朱が差す。
風花春悠:「……だ」
風花春悠:「だって、そんなこと」ひどく狼狽えて。
風花春悠:「これまで全然……」言いかけて。つい先程の寝言を思い出す。
風花春悠:ずっと、隠していたのか。これまでずっと?だとしたら、いつから。
木花小夜:一瞬、真剣な目をして。
木花小夜:「“錫の兵隊”。――UGNの種別コード:イフリートの腕」
木花小夜:テーブルに目をやる。彼女の持っていた荷物が検められ、机の上に並べられている。
木花小夜:ほとんど持ち物はない。あるのは“白鳥の隠れ家”で撮った写真と。
木花小夜:先日失敬した、オーヴァードのカルテ。
木花小夜:そこには、支部にも未報告の、医師だけが知る君の精神所見が書かれている。
木花小夜:「幻覚(ゆめ)を見てるんでしょう。死んだ子達の」
風花春悠:「……!」
木花小夜:「ごめん。見た」
木花小夜:「遺産の副作用――悲しみを悼むことも出来ずに、ただ、罪に苛まれる」
木花小夜:「私は、出てきた?」
風花春悠:「……」
風花春悠:どこかから、少女の視線を感じる。
風花春悠:「ああ」
風花春悠:「……何度も夢に見た。小夜が、死んだと思ってたから」
風花春悠:何度も彼女が死ぬのを見た。現実では一度も目にしていないのに、夢の中では、何度も。
木花小夜:「……今は、もうない?」
風花春悠:「……ああ。小夜が生きてるって知ってからは」
風花春悠:つい今しがたの白昼夢は、彼女への罪悪感による単なる悪夢だろう。
木花小夜:「そっか」笑って。「じゃあ」
木花小夜:「私の勝ちだよ、ひかる」どこか虚空へと、告げる。
風花春悠:「……小夜……?」
木花小夜:「化けてでも出てくるだけの思いがあったのは、私の方だから」
風花春悠:「……」
風花春悠:「……は、は」笑みを零す。
風花春悠:その言葉通り、今は幻覚は見えない。
木花小夜:「これからはさ。私の夢、見てよ」立ち上がる。
木花小夜:手を差し出す。
風花春悠:それは単なる偶然か。あるいは、木花小夜と一緒にいるからか。
風花春悠:「……」その手を見つめる。
風花春悠:「なあ」
木花小夜:「うん?」
風花春悠:「もう他に、隠し事はないよな?」
木花小夜:手をクイクイと動かす。おいで、と。
風花春悠:「……俺だって」そっぽを向いて。
風花春悠:「植物園でした話……あんなの、墓まで持っていくつもりだったのに」
風花春悠:「こんなつもりじゃ無かったのに……どうしてかな……」
木花小夜:「お墓から抜け出してきたからね、私」
木花小夜:「まだまだ持っていけないよ」
風花春悠:「……なあ」
木花小夜:「ここで、楽しいこと、まだ何も出来てない」
木花小夜:「うん?」
風花春悠:手を握る。一歳年下の、少年の顔で。
風花春悠:「もう、どこにもいかないよな?」
木花小夜:「うん。どこにも行ったりするもんか」
木花小夜:「じゃあ、最後の秘密」
風花春悠:「うん?」
木花小夜:「ひかるに遠慮していたんだろうね、昔の私は。この呼び方」
木花小夜:だから、風花と呼ぶのは。もう止める。
木花小夜:「もう一度だけ、改めて、言わせて」
木花小夜:「私は、君が好きだよ。春悠」
木花小夜:君に口づけて。
木花小夜:「これも私の勝ちね。ひかる」微笑んだ。


【ミドル5-1/舞台裏】

GM:【ミドル5-1/舞台裏】
GM:登場する方はどうぞ。
木花時雨:1d3+80
DoubleCross : (1D3+80) → 2[2]+80 → 82

鈴木千秋:1d10+63
DoubleCross : (1D10+63) → 2[2]+63 → 65

夏川早苗:1d3+84
DoubleCross : (1D3+84) → 1[1]+84 → 85

鈴木千秋:一応もういっかいふっておこう
鈴木千秋:63+1d3
DoubleCross : (63+1D3) → 63+3[3] → 66

夏川早苗: 
夏川早苗:「病院に入院するのはよくあることなのか、って前に聞いたけど」
夏川早苗:「こんなに早く実践するというのは………なんていうのは」
夏川早苗:「流石に空気読めてないかしら」
木花時雨:「…あはは」
夏川早苗:日が沈み、街の明かりが光源となる時刻。
夏川早苗:ぽつりと口を開く。
木花時雨:「いえ、いいんですよ。変に蓋をするのも、違いますしね」
鈴木千秋:「さなちゃんははっきり言うねー」
夏川早苗:「まぁ、自分たちで送っておいて『まさか入院するとは』って、私でも人の心がないなと思うけど」
夏川早苗:「うん、それなりに慌ててるみたいだわ。変なこと口走ったらごめんなさい」
木花時雨:「いいえ。寧ろ、急に攫われそうになったんです。動揺しても当然ですよ」
夏川早苗:「……そうね。攫われそうになったのよね、私」
夏川早苗:掴まれていた手首をさする。
鈴木千秋:「しぐちゃんには悪いんだけど」
木花時雨:「……あー。ごめんなさい。思い出させちゃいましたか」
木花時雨:「……姉さんの事ですかね」苦い笑みを浮かべて。
鈴木千秋:「鈴木はちょっとイラっとした。……陰口みたいになっちゃうから後で本人にも言うけど」
木花時雨:「………して当然だと思いますよ。わたしも、姉さんだから何も言うつもりにならないだけで」
木花時雨:「もし全然関係ない人なら、めちゃくちゃにこき下ろしてたと思いますもの」
夏川早苗:「そうよね。時雨ちゃんはそういう感じ」
夏川早苗:「内と外の線引がしっかりしてそう」
木花時雨:「そ、其処までですかね…?」
鈴木千秋:「うん。その辺も姉妹そっくりだなって」
木花時雨:「うっ」
木花時雨:「な、なんかその…御不快ならすみません」
夏川早苗:「可愛いわね。よしよし」
木花時雨:「お、同い年ですよう」
鈴木千秋:「あーあー、ちがうちがう。攻めてない攻めてない」
夏川早苗:「いいのよ。仲が良くなると友達の一面って楽しくなるわよね」
夏川早苗:「特別扱いされる気分だわ。」
木花時雨:「あああごめんなさいこっちもつい…」
夏川早苗:「私、卑屈になるタイプはつい甘やかしちゃうんだけど、鈴木さんはどう?」
鈴木千秋:「んー。そうだなあ」
木花時雨:「ぅう………」どうにも、責めて貰った方が気が楽だが。そう言うのは、違う気がして。
鈴木千秋:「鈴木は、意地張ってる子は甘やかしたくなるタイプかなあ」
夏川早苗:「風花くんみたいな?」
鈴木千秋:「うん。先輩みたいな」
夏川早苗:「しかしこの髪の毛……ちゃんと手入れしてるからなのかしら。天然でこの状態を保ってるなら恐るべしだわ…」指でつまんで髪の感触を楽しむ
木花時雨:「………隊長みた……」ごほん、と誤魔化す。
木花時雨:「や、やぁーっ」
夏川早苗:「3人の意見の一致を見たわね」
木花時雨:「と、ともかくですよ!やっぱり、鈴木さんは隊長とは長いお付き合いなので?」
夏川早苗:「なので?」
鈴木千秋:「んー。そうだなあ」
鈴木千秋:「長い付き合いかは分からないけど」
鈴木千秋:「深い付き合いではあるかな?」
木花時雨:「……………そ、そういいますと」どことなく動揺したような。
夏川早苗:「セクハラは経験済みでしたわね。」
夏川早苗:「お詳しい話をリッスンしたいわ」
木花時雨:「セクハラ。セクハラ!?春悠くんが!?」
木花時雨:イメージと違い過ぎてつい声が。
夏川早苗:「あ、そうだ」
夏川早苗:「まず、そこを掘る前に聞いておくことが合ったわね」
鈴木千秋:「??」
夏川早苗:「時雨さんと鈴木さんはぶっちゃけた話」
木花時雨:「いやすごい剛腕振るった後に180度ターンしますね早苗さん」
夏川早苗:「好きなの?風花くんのこと」
木花時雨:「ぶっ」
鈴木千秋:「うん。好き」即答
夏川早苗:「LOVE?」
鈴木千秋:「LOVE」 ※良い発音
木花時雨:「いやちょっ……っ、と待っ……」
夏川早苗:「and YOU?」いい発音。時雨さんに。
木花時雨:「何ですかこの流れ?!」
鈴木千秋:「共通の話題で仲良くなろうとする女子会的な何かか、もしくは宣戦の布告かなあ?」
夏川早苗:「あるいは両方?」
木花時雨:「いきなりフルスロットルできますね?!」
夏川早苗:「私からすれば」
木花時雨:「普通の女子ってこういうのなの…?知らない…なにこれ…」
夏川早苗:「気になってた男子と長い付き合いの女子二人と任務での女子一人がついてきて、最初からフルスロットルよ」
木花時雨:「ちょ、ちょちょちょーっと待ってくださいよ」
木花時雨:「急転直下過ぎてその…困る!」
夏川早苗:「同感よ」
夏川早苗:「この任務始まってからずっと思ってるわ、それ」
木花時雨:「ならもう少し手心をですね…?」
鈴木千秋:「でもさ。見てると分かるんだけど」
鈴木千秋:「姫も好きでしょ?ハル先輩のこと」
木花時雨:「……………」
木花時雨:「いや………まあ………」
夏川早苗:「正直、気が気じゃないわよね」
夏川早苗:「あんな隠し事しててもわかるぐらいに漏れ出てる姫が、今は打ち明けて、弱った状態で二人きりなんて」
木花時雨:「…………そりゃそうですけどもね」
夏川早苗:「ぶっちゃけ、空気を読まず今から戻って邪魔したいぐらい」
木花時雨:「それは止めてあげて下さい」
鈴木千秋:「うわあ、本音漏れてるよさなちゃん」
夏川早苗:「わかってるわ。だからしてない」
夏川早苗:両手をあげる。私は無罪ですのポーズ
木花時雨:「……とんでもなく不器用なんですよ姉さん…いや春悠くんもだけど…」
木花時雨:「……昔からきっとそうで。今もそうで」
夏川早苗:「そうね、それは知ってる」
夏川早苗:「だからあんなに追い込まれてからじゃないと、告白じみた本音も話せないのね」
木花時雨:「ひかるさんを、行かせてしまったことをずっと後悔してて」
木花時雨:「……なので、身内としてはそろそろ行かせてあげたいわけで」
夏川早苗:「そのためなら、風花くんはお姉ちゃんに譲っても満足?」
木花時雨:「それとこれとは別です」
木花時雨:「ってあ」
夏川早苗:「ですよね。」
夏川早苗:にんまり。
夏川早苗:「よかったわ。そこで自分を殺して身を引くとかいい出したら、帰り道が1人減る所だったわ」
夏川早苗:「私ね。時雨さんのそういう根っこの所で我の強いところや、鈴木さんの遠慮のない踏み込み」
木花時雨:「…………いやまあ言ったも同然ですけども」口をもごもごさせつつ。
夏川早苗:「結構好きよ。」
夏川早苗:「叩き潰したくなるわ。」
木花時雨:「………そうやって、夏川さんのずぱっと行くところ、わたしも好きですよ」
木花時雨:「ええ……?」
鈴木千秋:「え、怖い」
木花時雨:「こう、いい感じの話しじゃないの…?」
夏川早苗:「えっ」
夏川早苗:「な、なんでそこで引くの……?えっ、そういう話じゃないの?」
木花時雨:つい敬語も取れた素で零してしまった。
夏川早苗:「だって、私から見ても魅力的な子たちよ……?風花くんも気に入るに決まってるじゃない…?」
木花時雨:「いやわたしは乗ってないので……」
夏川早苗:「どうでもいい人間ならどうせ振られるから放っておくけど、魅力的で好きになっちゃう相手がライバルとか、不安じゃない…?」
木花時雨:「……い、いや。人付き合いを制限するのってどうなんです…?」
木花時雨:「そ、そう思いません鈴木さん…?」助けて、と視線に載せて。
鈴木千秋:「鈴木はあんまりもめるの好きじゃないんだけどなー」
夏川早苗:「えっ……」
夏川早苗:「……………あっ、違う違う違う。そんな闇討ちとかそういう物騒なやつじゃなくて。待ってね、言い訳をさせて」
木花時雨:あっ希望があった!という風に顔が明るくなる。
鈴木千秋:「そこまで言ってなくない!?」
夏川早苗:「私も揉めるのとか嫌よ。平和の鳩を目指してるの。えーっとね、ちょっとまって。普通の女の子の語彙力で表すから」
夏川早苗:「ええとね、この叩き潰すというのはスラングというか、本音ではなく」
夏川早苗:「なんかこう、正々堂々勝負して勝ちたいみたいな、相手が強いほど勝ったとき燃えるみたいな…」
夏川早苗:「……わかる?」不安そうに二人を見る。
木花時雨:「……な、なんとなくは…?」不安げな夏川さんを安心させたくてこう答える。
鈴木千秋:「あはは。あんまりわかんないや」 てへへ
鈴木千秋:「だって」
鈴木千秋:「幸せは勝ち取るものじゃなくて、2人でなっていくものナノデス」
夏川早苗:「む、むう……」
木花時雨:「いやこれもう自分は勝つからって言ってるようなものでは…?」
夏川早苗:「ほんとね」
夏川早苗:「対等だと思ってたら見下されてたわ。どうしましょう」
木花時雨:「実はもう彼女さんだったりするからなんですかねこの余裕」
夏川早苗:「……セクハラ済みって、そういう」
木花時雨:「既成事実ー、とかなんか話してたりしていた噂もまさか…」
夏川早苗:「いえ、アドバンテージ的に、一番私がビリッけつなのはわかってたけど……」
夏川早苗:「………私、男の子の手すら握ったこと無いのよね。」
木花時雨:「い、いや夏川さんは魅力的ですよ…?」
鈴木千秋:」「すごい。アイドルみたい。」
夏川早苗:「実はアイドルなの。内緒よ?」
夏川早苗:「ドラマとかでも恋愛役のオファーは来てないけどね…」
鈴木千秋:「じゃあ、練習してみる?手、握るのとか。鈴木も、先輩しか経験ないけど」
鈴木千秋:手をぐっぱぐっぱ
夏川早苗:「そういう所~~~~~」
夏川早苗:「鈴木さんそういうところよマジで~~」
木花時雨:「自然と当然ですって出してきますね…?」
夏川早苗:「どうしましょう時雨さん。数分前までの私、結構いい顔で宣戦布告を決めようとしてたんだけど」
夏川早苗:「もしかしてだいぶ滑稽だった?」
木花時雨:「いやわたしは滅茶苦茶焦りましたよ…鈴木さんから見てどうだったかは知らないですけど…」
夏川早苗:「どうだったかしら鈴木さん。貴方から見てピエロだったかしら、私」
鈴木千秋:「ううん」即答 「さなちゃんは、誰がどう見たって、アイドルだよ」
鈴木千秋:「それに。友達を滑稽とか思わないし」
夏川早苗:「………嬉しいことを言ってくれるわねぇ」
夏川早苗:「私がバラエティには向いてないことはわかったわ」
木花時雨:いいひとなのだなあと。二人を見て思う。そう言う人たちに好かれるような、そんな風に過ごしたのだと思うと嬉しい反面複雑でもあるけれど。
夏川早苗:「はぁー………なんだかどっと疲れたわ。慣れないことはするもんじゃないわね」
木花時雨:「……あはは」夕陽も沈み、段々と星と月が見えだした空を見つめる。
鈴木千秋:「だねえ。……そうだ、タピオカでも飲んでく?」
夏川早苗:「ま、何かしら。あまり肩肘張らないでも、自然とやってけるポジショニングで大丈夫そうね、私達」
木花時雨:「タピオカ、好きなんです?……ああ、そうですね」くすりと笑い。
夏川早苗:「タピオカもいいけど、前から行ってみたかった店もあるの。着くまでに心変わりしたらそっちね」
夏川早苗:「あ、そうだわ。いい忘れてた。」
木花時雨:「…はい?なんでしょう」
夏川早苗:「さっき言ってた、幸せは二人でなるもの。両手を挙げて同感だわ。素敵よね、アレ」
夏川早苗:「ただ、二人っていうなら。開いてる席は1つしか無いので。それを譲る気はないわ」
夏川早苗:「よろしくね、時雨さん。鈴木さん……いえ、千秋さん」
夏川早苗:二人に握手をしようと手を出す。両手。なんかクロスしたりする。
木花時雨:「またなんというか不思議なやり方しなくても」裂傷をした右でなく、左手で取る。
鈴木千秋:「うわっ。さなちゃんとしぐれちゃん。腕クロスするとすごいね」
鈴木千秋:「めっちゃ、きゅうくつそう」視線は2人の胸部に
木花時雨:「……?ちょっ」顔を赤くして胸元を隠す。
夏川早苗:「そこに気づくとは、やるわね。時雨さん、やばいと思うのよね、コレ」手を離さない。
木花時雨:「ど、同性間でもセクハラですよそれ!」
木花時雨:「う、動くとき邪魔で痛いだけですしこんなの…!」
夏川早苗:「……大丈夫?下着、合ってないんじゃない?動きやすいの紹介しましょうか?」
木花時雨:「ちゃ、ちゃんと合わせてるつもりなんですが…って何でこういう…!?」
夏川早苗:「こんな時間じゃなかったらじっくり着せ替え……もとい紹介出来たんだけど」
夏川早苗:「それはまぁ、今度にしましょうか」
木花時雨:「なぜか身の危険を感じる…」
木花時雨:「す、鈴木さんは」
木花時雨:「その時、付き合ってくれますよね…!?」縋るような眼。


木花時雨:ロイス。取ってなかった鈴木さんに取ります。
木花時雨:鈴木千秋 〇信用/劣等感 で。
夏川早苗:時雨さんと鈴木さんのN感情を変えて、二人共○P友情/N対抗心に変更。
夏川早苗:以上。
木花時雨:以上。
鈴木千秋:ロイスは変更なし。異常です
夏川早苗:異常だね。


【ミドルフェイズ5-2:木花時雨】

木花時雨:木花時雨の侵蝕率を+3(1d3->3)した(侵蝕率:82->85)
GM:登場をどうぞ。
風花春悠:64+1D3
DoubleCross : (64+1D3) → 64+2[2] → 66

GM:桔梗ケ丘大橋の判定は
GM:【肉体】で9です。
GM:成功でシナリオ間の【肉体】達成値に+2。
木花時雨:了解!がんばろっ
風花春悠:肉体……
木花時雨:3dx+2=>9
DoubleCross : (3R10+2[10]>=9) → 9[3,4,9]+2 → 11 → 成功

風花春悠:任意の肉体技能じゃなくて肉体だけですよね?
木花時雨:何か成功するなキミ…?
GM:そうです、肉体のみ!
風花春悠:うおーっ是が非でも成功するしかない!
風花春悠:5DX>=9
DoubleCross : (5R10[10]>=9) → 10[5,5,6,9,10]+2[2] → 12 → 成功

風花春悠:やった!
木花時雨:やった!
GM:念願の肉体ボーナスを……!
風花春悠:嬉しい……
木花時雨:やりましたねっ


GM:【桔梗ケ丘大橋】
GM:一夜明け。
GM:結局、爆弾設置の脅威はまだ除去しきれてはおらず。
GM:君たちは継続して、各地の捜索を行う運びとなった。
GM:夏川早苗の身柄が狙いの一つである以上、
GM:一処に留まるよりも、護衛を付けた状態で場所を伝達しないほうが有効と判断され。
GM:いくつかの爆弾を発見し、捜索は夜にまで及んでいた。
風花春悠:「……小夜の身体」
木花時雨:眼下に広がる、ライトが連なるその橋を見つめていた。
風花春悠:遠くの夜景を眺めながら。
風花春悠:「検査では、今は問題無いらしい」
木花時雨:「はい」
風花春悠:それ以上は言わない。詳しいことは本人から話すだろうし、そうするべきだろう。
木花時雨:「……そうですか。なら、よかった」
木花時雨:ほ、と一つ息を吐いて。
木花時雨:「ありがとうございます、春悠くん」
風花春悠:「……俺は、何もしてないよ」
木花時雨:「いいえ」
木花時雨:「姉さんと一緒にいてくれました。きっと、」
木花時雨:「姉さんは、そうして欲しかっただろうから」
風花春悠:「……こんな時にそんな事くらい、いくらでもするよ。だって……」
木花時雨:「姉妹だからか、いつも構ってくれたからかはわからないけど。なんとなく分かるので」くすりと笑う。
風花春悠:家族だろ、と、言おうとして。言葉を詰まらせる。
木花時雨:「家族だから?」
風花春悠:「……」
風花春悠:結局、曖昧に頷く。
木花時雨:透明な瞳で、君を見つめる。
木花時雨:「………ふふ。その様子、姉さんに何か言われたでしょう」
風花春悠:「な」
木花時雨:「悪いことじゃないけど、困ることで。そして」くるりと。「嬉しいこと。ちがう?」
風花春悠:「別に、何……も……」
風花春悠:「……」自分の顔に触れる。「……俺、そんなに隠し事ヘタか……?」
木花時雨:「少なくとも、わたし達の事だとそうだよ」苦笑して。
木花時雨:「一緒にいたからかな。なんとなく、こう言う風に思ってるんじゃないかな、ってそう感じる」
風花春悠:「……」黙り込む。その沈黙は肯定の意味を帯びる。
木花時雨:「………あーあ。やっぱりそっかあ」小声で小さく。
木花時雨:とん、と普段より一歩より近くに。
木花時雨:「……もしだけど。困ってるなら、相談乗るよ?」
風花春悠:「……」一瞬の間があって。
風花春悠:「いや、いい」かぶりを振る。
木花時雨:「……そっかあ」
風花春悠:「いくら時雨でも……これは、違うと思う」
木花時雨:「…………うーん。今なら、春悠くんに頼ってもらえるかなあって思ったのに」
風花春悠:「自分で考えるべきことのような……気がする」
木花時雨:「姉さんや、ひかるさんみたいには成れないなあ」
木花時雨:「……そっか。うん、わかった」
風花春悠:彷徨っていた視線を定めて。
風花春悠:「……代わりに、聞いてもいいか」
木花時雨:夜空を見上げる。星が輝き、月が三日月となっている。
木花時雨:「いいよ。何でもどうぞ」
風花春悠:「……この前の……」
風花春悠:「……あれ」言葉を濁し。
木花時雨:「…………………ぅ」頬が僅かに染まる。
風花春悠:「……どういう意味だよ。……言い逃げは……ズルいだろ」
木花時雨:「………だ、ダメだったかな」
木花時雨:「…だって。怖かったんだもん」
風花春悠:「だ……ダメとか、そういう問題じゃなくてだな……!」
風花春悠:「……怖い、って……」
木花時雨:「だってさ。春悠くんが好きだったのはひかるさんで」
木花時雨:「昔から、仲が良かったのは小夜姉さんで」
木花時雨:「今は、鈴木さんがいっぱい慕ってるし、夏川さんだっているんでしょ?」
木花時雨:「……お前はそう言う風に見れない、とか。いらなーい、なんて言われたらって思うとね。怖くなっちゃって」冗談めかして。
風花春悠:「いらないって……そんな訳ないだろ」
木花時雨:「……わたし、綺麗じゃないし。強くもないし。明るく皆を照らしたり、気遣いだってうまくない」
木花時雨:「……昔は、気付かないフリしてたけどね。姉さんと話してる時、全然遠慮とかなくて」
木花時雨:「なんだかずっともやもやしてたんだよー」あはは、と笑いながら。
木花時雨:昔とは、少し違う笑い方で。
風花春悠:「……」そんなこと、まるで気付きもしていなかった。
風花春悠:気付かぬうちに、彼女はどれだけ自分のことを見て、想い、考えていてくれたのだろうか。
木花時雨:「女の子は、生まれた時から女優さんって言うんだって。だから、そう気にしない気にしない」
木花時雨:そうやって、笑って。みんなが上手くいくように。ずっとそうしてきた。
風花春悠:「……」
風花春悠:ずっと、時雨の為に戦い続けてきた。だが知らない間に、彼女は見違えるほど強くなっていた。それは能力だけの話ではない。
木花時雨:笑っていれば。上手くそうできれば、その裏側にあるものを…取り繕ったり、隠せるのだと知っている。
木花時雨:誰より見ていたひとが、ずっとその人の事を見ていたから。
風花春悠:「……お前が……」
風花春悠:「……時雨が大切なのは、本当だ」
風花春悠:「でも、そうだ。時雨の言う通り」
風花春悠:「それは家族としてであって……そんな風に考えたこと、なかった」
木花時雨:にこりと笑う。
木花時雨:「そりゃそうだよ。ずっとわたし、護られる側で…してもらう側だったしね」
木花時雨:「……ね」もう、半歩近付いて。
木花時雨:瞳を見上げて、視線を合わせる。
木花時雨:「今でも、そうとしか見れないかな」
木花時雨:泣きそうな笑顔で。
風花春悠:「……」
風花春悠:視線は逸らさない。いや、逸らせない。
風花春悠:「……どうして、俺なんだ」
木花時雨:「ずっと」
木花時雨:「ずっと……前からかな。気付いたら、眼で追ってたの」
木花時雨:「遺産っていうものを持ってたひかるさんを、誰より一番輝いていた、小夜姉さんを」
木花時雨:「そんな、特別なものがなかったのに…自然と、隣にいたあなたの事を」
木花時雨:ずっと。小夜姉さんに、護られて生きてきた。
木花時雨:そうしてもらって、それが当然だったわたしには。そんな、上位にいる彼女たちと、そう言うものもないのに隣にいたあなたの事が、とんでもなく奇妙に思えて。
木花時雨:「……羨ましかったな。わたしもそうなりたかった」
木花時雨:「姉さんに頼ってもらって。頑張る必要なんてない、じゃなくて」
木花時雨:「よく頑張ったね、って。励まし合うような…そんな風に」
木花時雨:「………だから、あなたみたいになりたくて。ずっと真似をしてみようとして…」淡く微笑む。
木花時雨:「全然出来なくて。でも、諦めたくなかった」
木花時雨:「……そうしてたら、かな。気付いたら」
木花時雨:「あなたが、わたしの中で中心になってたの」
風花春悠:「……」
木花時雨:「……へへ。長々ごめんね」
風花春悠:「……なあ」
木花時雨:一歩下がる。芝居がかったような一礼。
風花春悠:「……やめてくれよ。その笑い方」
木花時雨:ぴくり、と止まる。
風花春悠:「いつからなんだ?どうしてそんなに、無理して笑うようになったんだよ」
風花春悠:「……」
風花春悠:「俺のせい、なのか」
木花時雨:「違うッ」
木花時雨:「違うよ…!そんなことない」声を荒げる。
木花時雨:「……だって」震える声で、そのまま続ける。「だってさ。わたしくらい、笑ってなきゃ」
木花時雨:「そうじゃないと……何か、助けて欲しいって。ねだってるみたいで…っ」
木花時雨:両腕で、顔を隠す。
木花時雨:「……見ないで。こんなの、わたしじゃないから…っ」
風花春悠:一歩を踏み出し。その手を取る。
風花春悠:「……俺は!」
木花時雨:「もっと強くて。もっと、綺麗で。誰からだって、頼れるような………ぁっ」
風花春悠:「俺はお前に、無理して笑って貰うために、戦ってきたんじゃない……!」
木花時雨:腕を取られて。涙ぐんだ顔が。
木花時雨:「………わたし、だって」
木花時雨:「春悠くんに、辛い目にあってもらうために、してる訳じゃないよ…!」
木花時雨:「わたしは…!強くなったの!上手く、できるようになったんだ!」
木花時雨:「だから……だからぁ」
木花時雨:胸元の襟を掴む。
木花時雨:「どうして………たよってくれないの」
木花時雨:ぽつぽつと、滴が落ちる。
木花時雨:「ねえさんも……ひかるちゃんも……鳩名くんも……小出くんも」
木花時雨:「はるちか、くんも……!」
木花時雨:「いっしょに」
木花時雨:「いっしょに、あそびに、いくんだって……いったじゃない」
木花時雨:「うそつき……!」
木花時雨:「いっつも、わたしはおいてきぼり…!またそうするの…?」
風花春悠:「────」
木花時雨:泣き声が響く。
木花時雨:木花時雨は、どんなに苦しい訓練の後も、
木花時雨:誰かが死んだとそう聞いた時も、
木花時雨:君の前で涙をみせたことはなかった。
風花春悠:口にしかけた幾つもの言葉が、どれも淡雪のように溶けていく。
風花春悠:時雨を守りたかった。失いたくなかった。何を犠牲にしてでも、彼女の涙は見たくなかった。
風花春悠:その為なら、何でもしようと思った。事実そうしてきた。これまでずっと。
木花時雨:胸元が濡れる感触がする。
木花時雨:人肌の熱を持った感触が。
風花春悠:きっと叶えられると思った。燃え尽きかけた自分の腕でも、彼女だけは守れると信じていた。
風花春悠:だが今、彼女を泣かせているのは。紛れもなく自分だった。
木花時雨:「………なにか、いってよお……!」涙声で、とんでもなく聞き取りずらい。
風花春悠:「……ごめん」
風花春悠:俯いて。ただ零す。
木花時雨:「……はるちか、くんは…わるく、ないでしょ…!どうして……」
木花時雨:「どうしてぇ……」
風花春悠:「違う……」
風花春悠:「俺が悪いんだ」
風花春悠:「時雨を守ろうとして。結局、いつまでもそこに閉じ込めて、縛り付けて」
風花春悠:「そのことにすら、今まで気付いてなかった」
風花春悠:「……ごめん」
木花時雨:ぐずぐずと、縋りついたまま。
木花時雨:「…………いいよ。ゆるしちゃう」
木花時雨:「ずっと…ずっと前から、そうだもん」
木花時雨:「でも……」顔を上げる。
木花時雨:「もう、ゆるさないよ。今からは…もう、だめ」
風花春悠:「……ああ」
風花春悠:胸の中の、小さな頭を抱き寄せる。
木花時雨:「わたしを、たよってよ。がんばったんだよ」
木花時雨:「はるちかくんが。いつ…けがしたり、いなくなっちゃうかも、って。ずっと、こわくて…」
木花時雨:「それでも…」頭を、深く埋める。
木花時雨:「それでも…がんばったの」幼い口調。
風花春悠:「……うん」
風花春悠:「知らない間に、ずっと。俺よりずっと、強くなった」
風花春悠:「お前、もう」
風花春悠:笑いかける。
風花春悠:「姉さんより、背。高いんだな」
木花時雨:「……う」
木花時雨:「うぅぅうう~~~っ」
木花時雨:ぎゅぅ、と。背中に回した手で、全力で抱き締める。
木花時雨:「そう、だよぉ……そうなっちゃったんだよ……」
木花時雨:「もう…いやだよぅ」
木花時雨:「たんじょうび……だれも、いなくて…」
木花時雨:「もう、いやなの……」
風花春悠:「……ごめん」
風花春悠:そうすべきではないと分かっていても。謝罪ばかりが零れる。
木花時雨:「………」ぐす、と啜り上げる音。
木花時雨:「……ね」
木花時雨:「……はなさないで」
木花時雨:涙を零しながら。ぐずぐずの顔で、しゃくりあげながら。
木花時雨:「こんどは……もう、ゆるして、あげられないん、だから……」
風花春悠:「……うん」
風花春悠:月より眩しい街の灯りの中、一層強く彼女を抱き締める。
木花時雨:にぱ、と小さい時。はじめて、クラスに連れられた時のような笑顔で。
風花春悠:「約束する」
木花時雨:「……なら、ゆるす」
木花時雨:そ、っと。
木花時雨:きみの唇と、前髪に。同じものが重なった。
木花時雨:「……好きだよ。ずっと前から…これから、ずっと後も」


風花春悠:ロイス 木花時雨 庇護/〇不安 > 木花時雨 〇慈愛/不安
木花時雨:やった…えへへ
木花時雨:ロイスは……えーと。どうしようかな…
木花時雨:どっちも大切なんだよな…。
木花時雨:一度保留で。すみません。


【ミドル5-2/舞台裏】

鈴木千秋:1d3+66
DoubleCross : (1D3+66) → 1[1]+66 → 67

GM:登場ダイスをどうぞ。
夏川早苗:1d3+85
DoubleCross : (1D3+85) → 2[2]+85 → 87

鈴木千秋:先走ってやっちゃった
GM:ほんとだ


GM:【桔梗ケ丘大橋近郊 河川敷】
鈴木千秋:「よっ!」 川に向けて石を投げる。水面を踊るように跳ねる小石が、リズミカルに波紋を生み出していく
夏川早苗:「ナーイショッ」
夏川早苗:ゴルフのキャディの様に声をかける
木花小夜:「……」かなり離れて、その様子を見ている。
夏川早苗:「それで、姫としては。身体、大丈夫なの?」
夏川早苗:夜になって合流した小夜さんに対して。
木花小夜:「ええ。戦闘行動には問題ないレベル」
木花小夜:お腹を軽くさするようにして。
鈴木千秋:「あー、結構吹き飛んでたもんね」 ピッチャー:鈴木。第2球投げました!
夏川早苗:「フォアー」腹式呼吸。
夏川早苗:「……そう、なら良かったわ。」
夏川早苗:「あの二人も気にしない……ってわけには行かないでしょうけど、まぁ」
夏川早苗:「目に見えてなにか残るよりは良いでしょ」
木花小夜:「オーヴァード、あんまりそんなこともないんだけどね」
木花小夜:「致命的な損傷でもなければ、そうそう後までは残らない」
夏川早苗:「……あぁ。しばらくは少しぐらい傷が残ったほうが、心の整理がついたり……するのかしら」
夏川早苗:「あぁ、そういう」
夏川早苗:「まぁ、残らないに越したことはないわよね、傷なんて」
夏川早苗:「女の子なんだし。私達」
鈴木千秋:「そりゃさなちゃんは人一倍気を付けないとだよね」
木花小夜:「アイドルだから、か」
木花小夜:「……アイドルなんだなあ」ついそんな間抜けなことを。
夏川早苗:「アイドルですよ~」両手をフリフリ。
鈴木千秋:「ぷっ。あははは。何言ってんの姫、当たり前じゃん」
夏川早苗:「でも、わかるわ。今までテレビとか書類の向こうの相手がぽんと現れると」
夏川早苗:「びっくりするわよね」
鈴木千秋:「現実感無いんだよね、そういうの」
木花小夜:「まあ、私たちオーヴァードが言うことじゃないかも知れないけど……」
鈴木千秋:「……あのさ」
木花小夜:「……うん」
鈴木千秋:「……そういう意味だと、鈴木も、名前は知ってるけど現実感無い子がいるんだ。」
鈴木千秋:答えづらそうに、ゆっくりと言葉を紡ぐ。
鈴木千秋:「初空ひかるって言う子なんだけど」
木花小夜:「……」
鈴木千秋:「何があったか、漠然と資料でしか知らないんだけどね。どういう子だったのかなって」
木花小夜:「私の口からだけ説明しても」
木花小夜:「ご期待に添えるかどうかは、分からないわよ」
夏川早苗:「私はむしろ、小夜さんの口から聞きたかったりするわね」
鈴木千秋:「姫のレポート力に期待シマス」
夏川早苗:「一番近くで見てきたんでしょ?その恋敵」
夏川早苗:「弁説も必須スキルよね、姫って。がんばれ」
木花小夜:「いやあの私……説明は下手というか」
木花小夜:「報告書もよく時雨に投げてて……!」
夏川早苗:「割と普通に妹にベタ甘いわよね、このお姉ちゃん」
鈴木千秋:「大丈夫大丈夫。説明下手なら、これから食レポ修行に付き合ってあげるから」
夏川早苗:「そうそう。意外となんとかなるものよ。まずは大元から行きましょう。姫的にはそのひかるさんは好き?嫌い?」
木花小夜:「好きよ」即答する。
夏川早苗:「良いわね。どんな所が?顔?性格?口調?」
木花小夜:「そうね、顔と性格と……口調は別に考えたことなかったな……」
木花小夜:「口調ってわざわざ好悪を表明するものなの?」
夏川早苗:「どうだろう。語尾に毎回「でヤンス」とか付けてくるキャラ付け、とかだと割と好悪分かれそうじゃない?」
鈴木千秋:「鈴木、嫌いじゃないかもー」
木花小夜:「そういう子じゃなかった。それでいい?」
夏川早苗:「おっけー。それでいいわでヤンス。」
夏川早苗:「顔はどんな感じ?美人系?かわいい系?」
木花小夜:「……そうね。今何より理解した」
木花小夜:「それ好きじゃないな……」
鈴木千秋:ww
夏川早苗:「ヤスン……」しょんぼり
木花小夜:「どっちだろう……どっちでもあるっていうほうが近いのかな……」
木花小夜:「……ああ」
鈴木千秋:「かわいくて美人とか、最強じゃん」
木花小夜:「写真。持ってる」
鈴木千秋:「見たい見たい!」
夏川早苗:「ヒュウ。流石ですぜ」
夏川早苗:「見ましょう見ましょう」
木花小夜:白鳥の隠れ家で撮った一枚。
木花小夜:5人の少年少女が映っている。
木花小夜:木花時雨。初空ひかる。風花春悠。鳩名木。小出海。
木花小夜:「この子がひかる」中心で快活に笑う、少女を指差す。
夏川早苗:「へぇ……」
夏川早苗:「昔の風花くんも可愛いわね」ぼそり。
夏川早苗:「あ、そうそう。ひかるさんね。いい笑顔だわ」
鈴木千秋:「へー。優しそうな子だね」
木花小夜:「ええ。いつも笑顔で、優しい子だった」
鈴木千秋:「先輩も笑ってる」
夏川早苗:「楽しそうね」
鈴木千秋:「いつも笑顔で優しい子が隣にいたからかな」
木花小夜:「楽しかったわ。訓練は厳しくて、環境も最悪だったけど」
木花小夜:「皆のことは大好きだった」
鈴木千秋:「……過去形?」
木花小夜:「……残ってるのは時雨と春悠だけだから」
夏川早苗:「………なるほどね」
夏川早苗:快活に笑う少女と、二人の男子を見る。
夏川早苗:「この人が、今も風花くんの中に残ってるのね」
木花小夜:「私たちみんなの、傷になってる」
木花小夜:「傷なんて、残らないほうがいいんだけど。どうしてもね」
夏川早苗:「そう」
夏川早苗:「外の傷は、治して埋めて、見えなく出来るけど」
夏川早苗:「見えない傷はそうも行かないものね」
夏川早苗:「それで、姫としてはどうかしら」
夏川早苗:「前に風花くんは操を立ててるっていったけど」
夏川早苗:「このままお譲りする感じかしら」
夏川早苗:「風花くんの隣には座れないし敵わないから、みたいな。」
木花小夜:「……え」
木花小夜:「ちょっと待って」
木花小夜:「私、言った覚えないけど……?」
木花小夜:「春悠がどうとか!ないよね!?」
夏川早苗:「おや、姫の様子が……?」
夏川早苗:「ふうん。じゃあ、ちゃんと勝つつもりなんだ」
鈴木千秋:「おやおや」
夏川早苗:「あ、そこからですか」
夏川早苗:「おやおや」
木花小夜:「な、何……!」
夏川早苗:「ねぇ、姫。落ち着いて考えてほしいんだけど」
夏川早苗:「バレてないつもりだった……?」
夏川早苗:「ずっと昔に出会ってなかったらしい相手のために、ここまで大事に参加しておいて……?」
夏川早苗:「「ずっと見てきたから、知ってるんだから」とか言っておいて……?」
木花小夜:「……」
木花小夜:「……」顔に朱が差す。白い肌ではひどく目立つ。
夏川早苗:パシャ。スマホで撮影する。
木花小夜:「いや……その……」
木花小夜:「ちょ、ちょっと!?」
夏川早苗:「いかんわね、前提が狂ったわ」
鈴木千秋:「あ、さなちゃん。今LINEグループ作ったから。そっちに共有して」
夏川早苗:「私としてはその強敵の情報を恋する乙女目線から知るついでに、ライバルの進捗を聞いておきたかったんだけど」
夏川早苗:ぴろりん。千秋さんの端末に通知音。
鈴木千秋:「うわ、めっちゃかわいいじゃん、姫」
夏川早苗:「それな」
木花小夜:「ちょっと……!」
夏川早苗:「いや、えーと。ごめんなさいね。別に隠してたのを暴くつもりはなかったの。」
夏川早苗:「ただ、あんな事あった後だし、病院で二人きりで、絶対なにか進展してるだろコイツラ、って思ったから、ちょっと牽制したかっただけで」
夏川早苗:両手を合わせる。申し訳ない顔。
鈴木千秋:「さなちゃんさなちゃん。本音が漏れてる」
木花小夜:「……!」また赤くなる。
夏川早苗:「………………」●REC
夏川早苗:「………え、その反応」
木花小夜:「い、いや、別にっ!」
鈴木千秋:「おやおや?」
木花小夜:「謝ってもらわなくっても。いい?けど?」
夏川早苗:「ありがとう」カシャシャシャシャ。
夏川早苗:「で、その」
夏川早苗:「……実際の所、どう?」
夏川早苗:「…………いえ、この言い方は良くないわね。一旦クッションを入れさせて。その、」
夏川早苗:「公共の電波には載せられる………?」
夏川早苗:恐る恐る。
木花小夜:「は???」
木花小夜:「そんなの……!」
木花小夜:「……」
木花小夜:「……あの」
夏川早苗:「はい」ゴクリ。
木花小夜:「公共の電波って」
木花小夜:「どこまでを乗せるものなの……?」
夏川早苗:「うん」
鈴木千秋:「そこから……!」
夏川早苗:「……………!」
夏川早苗:「…………え、ええとね」
夏川早苗:「………」
夏川早苗:「ちゅーとか……?」
夏川早苗:目をそらす。
木花小夜:「……」
木花小夜:「これ、今更だけど」
夏川早苗:「はい」
木花小夜:「私が一方的に話していいことなのかな……」
夏川早苗:「……………」
木花小夜:「春悠と2人のことだし……」
夏川早苗:「……………………」
鈴木千秋:「…………」
夏川早苗:「あー」
夏川早苗:「えーと」
夏川早苗:「うーん」
夏川早苗:「姫。」
夏川早苗:「…………それ」
夏川早苗:「許可を貰えば、今の基準で話すようなことをした。ってことよね……?」
木花小夜:「……」
木花小夜:「……」
木花小夜:「ノーコメント……」
鈴木千秋:「答えてるようなもんじゃん!」
夏川早苗:「姫のすけべ!」
鈴木千秋:はあ、とため息交じりに
鈴木千秋:LINEのグループメンバーを確認する。ハル先輩、時雨、小夜、夏川、鈴木。
鈴木千秋:「次は、5人で撮ろっか」 そう言って、3人で自撮り
鈴木千秋:白鳥の家で取った写真と対を成すように、3人の少女が並んでいる。
鈴木千秋:その写真をLINEグループに送る。
鈴木千秋:あっ。
鈴木千秋:「間違えマシタ」
鈴木千秋:ハル先輩と鈴木。2人のツーショット写真が送られた
夏川早苗:「ほう」通知を確認し。
夏川早苗:笑顔。とても笑顔。CMを撮影するときより満面の、心のそこからの笑顔を浮かべて。
夏川早苗:「おもしれー女ね、チャッキー」
木花小夜:「……何これ」
木花小夜:「みんなで送ればいいの?」
木花小夜:「後で撮ってもらうっと」
夏川早苗:「訂正」
夏川早苗:「おもしれー女共、だったわ」


夏川早苗:小夜さんの感情を○P友情/N対抗心に。
夏川早苗:以上で。


【ミドルフェイズ5-3:鈴木千秋】

GM:遊園地の判定は
GM:〈運転:〉9ですね。
GM:成功でシナリオ間の【肉体】達成値を+2。
鈴木千秋:運転!
風花春悠:肉体!
鈴木千秋:ではまずシーンインしよう
風花春悠:そうだった
鈴木千秋:1d3+67
DoubleCross : (1D3+67) → 3[3]+67 → 70

風花春悠:66+1D3
DoubleCross : (66+1D3) → 66+2[2] → 68

鈴木千秋:jaa
鈴木千秋:《支援射撃》 ダイス+4です
鈴木千秋:先輩、受け取って
風花春悠:鈴木……
風花春悠:なんて出来る後輩なんだ
鈴木千秋:70→72
鈴木千秋:でしょー?
GM:遊園地を何だと思ってるんだ
風花春悠:銃を片手にアトラクションに乗ろう
鈴木千秋:完全にテロ行為
風花春悠:9DX>=9
DoubleCross : (9R10[10]>=9) → 10[1,3,4,5,5,7,8,9,10]+3[3] → 13 → 成功

風花春悠:やったね
鈴木千秋:やったー!
鈴木千秋:こちらも判定
GM:風花くん現状で
鈴木千秋:2dx>=9
DoubleCross : (2R10[10]>=9) → 6[4,6] → 6 → 失敗

GM:+補正持ってるよ
鈴木千秋:ダメ!
風花春悠:そうだった 
風花春悠:鈴木……!
鈴木千秋:鈴木はダメな子
GM:じゃあこれで風花くんは
GM:【肉体】+4,【感覚】+2,【社会】+2の生き物です
鈴木千秋:めちゃ強いな、、、
風花春悠:どんどん強くなっていく


GM:【市内の遊園地 『サンベリナ』】
GM:さほど大きな遊園地ではない。
GM:だが、人が集まるところであることに変わりはない。
GM:いざという時の標的としては、お誂え向きであることも確かだ。
GM:閉園まで、さほど時間があるわけでもない。
鈴木千秋:では
鈴木千秋:「せーんぱいっ!」 人込みの中、背後から抱き着きます。
鈴木千秋:うさぎの耳の帽子を被っている
風花春悠:「うぐっ」
風花春悠:もうすっかりこの攻撃にも慣れてしまった。反射的に体幹で受け止める。
風花春悠:「……鈴木……」振り向いて。「何だその帽子」
鈴木千秋:「せ、先輩……。Springuしない……」
鈴木千秋:「え?これ?かわいいっしょ?」
鈴木千秋:「先輩のもあるよ?」
鈴木千秋:そう言って、先輩にお揃いの帽子をかぶせる
風花春悠:「いらない……」言いつつされるがままにしている。被ったほうが怪しまれないのかな……と思っている。
鈴木千秋:「先輩先輩。ハル先輩。ここでは被らない方が不自然デスヨ?」
鈴木千秋:君の肩に顎を乗せながら、告げる
鈴木千秋:いつものように、ベタベタと。変わらず距離が近い後輩。
鈴木千秋:明らかに調子に乗っている。
風花春悠:「そういうものなんだな…… ……ひっつくな」ぐいぐい頭を押してどかそうとする。
鈴木千秋:「ひゃーっ、パワハラ!パワハラ!セクハラ!……もう、先輩。鈴木が」
鈴木千秋:「鈴木が好き好んで先輩に抱き着いてると思ってる?」
風花春悠:「やめろ人聞きの悪い……! ……ん?……ああ、そうか……」
風花春悠:「任務に必要なカヴァーってことか?」
鈴木千秋:フゥー。落胆したようなため息。
風花春悠:「な、何だよ……」
鈴木千秋:「鈴木が抱き着く理由。半分は鈴木の欲望だけど」
鈴木千秋:「もう半分は」
鈴木千秋:「先輩が、震えてるように見えるから、だよ」
鈴木千秋:「……寒くて暗い真っ暗な夜の中で、燈(あかり)を欲しがってるように見えたから」
鈴木千秋:「……だよ」
風花春悠:「……」
風花春悠:僅かに目を見開く。
風花春悠:「俺が、か」
鈴木千秋:こくん、と。背中越しに頷くのが分かるだろう
鈴木千秋:「先輩が、さ」
鈴木千秋:「震えてる理由、鈴木、ちょっと分かっちゃったんだ」
鈴木千秋:暗に、過去の事が原因だと。
鈴木千秋:人込み溢れる喧噪の中。2人の周りだけがやけに静かで。
鈴木千秋:そのまま先輩の言葉を黙って待つ。
風花春悠:「……そうか」少し目を伏せる。
風花春悠:「お前には……」
風花春悠:「何だか。知られたくなかったな」
風花春悠:「……妙な話だ。監視役なのにな」
鈴木千秋:「……そうだね」
鈴木千秋:「……ちょっとだけ、寂しいかな。なーんて」
風花春悠:「……」
鈴木千秋:「……先輩は、男の子だからね」
鈴木千秋:「弱いところ、隠そうとしちゃうでしょ?」
鈴木千秋:「鈴木は……分かってるから。」
鈴木千秋:「先輩がどれだけ頑張ってきたか。分かるよ。ずっと見てきたもん」
鈴木千秋:「……思いっきり出しても良いよ」
鈴木千秋:「……見ないでおいてあげる」
風花春悠:「……ああ」呻く。
風花春悠:「ああ、ああ、くそっ……」
風花春悠:顔を覆って。
鈴木千秋:背後から回す手に、ほんの少しだけ力を込める。
風花春悠:「……迷惑だ」
風花春悠:「迷惑なんだよ、お前ら……」
風花春悠:「俺はもう、一つも」
風花春悠:「何も失くしたくないんだよ」
風花春悠:泣き言のように零す。
風花春悠:「……怖いんだ」
鈴木千秋:……花火が打ちあがる。 残酷なまでに眩い光が、2人を照らす。
風花春悠:「今でさえ両手を広げて、それでも零れ落ちそうで、必死に守ってるのに」
風花春悠:「これ以上抱えるものを、失くしたくないものを、増やしたくないのに」
鈴木千秋:風花春悠が取りこぼしたもの。それは、まるで花火のように。きらきらと輝いて、そして、消えていく
鈴木千秋:「……」 先輩の右手にそっと触れる。振り払っても良いし、鈴木に身を預けても良い
風花春悠:「時雨だけで精一杯だったのに。死んだはずの小夜は生きてるし。夏川さんは普通の男子みたいに接してくるし」
風花春悠:「もう誰かと関わりたくないのに。だから、みんな遠ざけようとしてたのに」
風花春悠:「……何でだよ」
風花春悠:その手を振り払わず、身を預ける。
風花春悠:「何でお前、そんなに俺に優しくするんだよ……」
鈴木千秋:「……決まってるよ」
鈴木千秋:「先輩の事が」
鈴木千秋:「好きだから」
鈴木千秋:「……先輩は優しいね」
鈴木千秋:「鈴木ね、知ってるんだ。先輩が戦うのは、“誰か”のためだって」
鈴木千秋:「自分のためじゃないんだもん。驚いちゃうよ」
鈴木千秋:「だから、鈴木は。 先輩の味方でありたいって、そう言ったっしょ?」
鈴木千秋:「ね。先輩。見て?」
鈴木千秋:先輩の右手を、自分の胸に当てて。
鈴木千秋:「取りこぼさないで、ちゃんと掴めたじゃん」
鈴木千秋:「先輩の手。とっても暖かいよ」
鈴木千秋:そのまま、優しく微笑みかける。
風花春悠:「……」
風花春悠:俺は優しくなんて、ない。そう言うのは簡単だ。
風花春悠:だがきっと、自分のそんな弱音も、彼女にはその微笑で受け止められてしまうのだろう。
風花春悠:右手を通じて感じる。体温を。鼓動を。
風花春悠:凍えるような夜の中、ずっと必死に、炎に薪をくべてきた。
風花春悠:初空ひかるがくれた火を絶やさぬように戦い続けてきた。
風花春悠:あらゆるものを燃やして、燃やし尽くして。
風花春悠:例え焼け尽きた燃殻だろうと、自分の全てを燃やしてでも、止まるわけにはいかないと。
風花春悠:それが“シンダーブレイズ”だった。
風花春悠:だが或いは、自分が求めていた温もりは。
風花春悠:もしかしたら、こんな形だったのかもしれない。
鈴木千秋:「ねえ、先輩?」
鈴木千秋:「鈴木は、監視役失格かもね。……自分でも公平な判断が出来てる気がしないや」 
鈴木千秋:「監視役は失格かもだけど」
鈴木千秋:「恋人役にはなれないかな」
鈴木千秋:「……冗談です」 その口調は
鈴木千秋:>鈴木千秋:「キノセイデスヨ」
鈴木千秋:>鈴木千秋:「冗談デスヨ」
鈴木千秋:……カタカナの発音は持たずに。
風花春悠:「……」
風花春悠:「……前に」
風花春悠:「前に、俺に。楽しいことを教えてくれるって言ってたな」
鈴木千秋:「……うん」
風花春悠:「……本当は、ひとつ。あったんだ、楽しいこと」
鈴木千秋:「……聞きたいな」
風花春悠:「……」
風花春悠:「口ではいつも、やめろって言ってたけど」
風花春悠:「鈴木と話してる間は、暗いことや辛いことを考えてる暇なんて無かった」
風花春悠:「……嬉しかったんだ。本当は」
風花春悠:「……お前といると、楽しいよ」
風花春悠:「ありがとう、鈴木」
鈴木千秋:「……こちらこそ」
鈴木千秋:「ありがとう、先輩。鈴木は、先輩の監視役で良かった」
鈴木千秋:鈴木千秋の特性。
鈴木千秋:『五感鋭敏』
鈴木千秋:いつからだろう。気が付けば。
鈴木千秋:先輩の姿を目で追って。
鈴木千秋:先輩の声を耳で聞いて。
鈴木千秋:抱き着いた時の先輩の匂いが好きで。
鈴木千秋:先輩に触れられると嬉しくて。
鈴木千秋:「……ねえ、先輩?」
鈴木千秋:「ひとつだけ」
鈴木千秋:「味わってない感覚があるんだけど?」 自身の唇をトントンっと。
鈴木千秋:「ふふっ。今、何考えた?」
鈴木千秋:「先輩のえっち」
風花春悠:「……」
風花春悠:「な、な、何が」
風花春悠:思い切り赤面して顔を逸らす。
鈴木千秋:「目が泳いでマスヨ?」
風花春悠:「何言ってるか分かんねーし……何も考えてない!」
鈴木千秋:くすくすっと吹き出して。
鈴木千秋:「本当かなあ?本当に何も考えてないのかなあ?」
風花春悠:「本当に……!この……!」
風花春悠:「……お前の……」
風花春悠:「お前の……そういう……気持ちは……」
風花春悠:「……う」
鈴木千秋:「う?」
風花春悠:「……っ……ぅ、嬉しい、けど……!」しどろもどろになって。
鈴木千秋:その時、特大の花火が打ちあがる。
鈴木千秋:風花春悠の言葉を掻き消すかのように。
鈴木千秋:重なるは。唇と2人のシルエット
鈴木千秋:「……これは」
鈴木千秋:「監視役としてじゃなくて」
鈴木千秋:「鈴木千秋としての行為、だよ」
鈴木千秋:「……何か言ってよ」
鈴木千秋:「……初めてだったんですけど?」
風花春悠:「……っ……」
風花春悠:よろめいて。口元を抑えて。だが唇には触れることができない。
風花春悠:火が出るのではないかというほど、顔が火照っている。
風花春悠:「……」
風花春悠:口を開いて。何も言えない。
鈴木千秋:気恥ずかしそうに先輩の前まで歩き、振り返る。
鈴木千秋:「大事なことを伝え忘れていました」
鈴木千秋:「知ってた?先輩」
鈴木千秋:「鈴木千秋は、」
鈴木千秋:「風花春悠のことが」
鈴木千秋:「大好きなんだってさ」
鈴木千秋:花火と笑顔が。きらきらと輝いていた。
鈴木千秋:君はもう、取り零さない。
風花春悠:「……」
風花春悠:その顔が、どんな花火よりも綺麗で。視界に焼き付いて。
風花春悠:何とかただ一言だけ、小さく零す。
風花春悠:「……知ってるよ」


鈴木千秋:あ、ロイス忘れてた
鈴木千秋:-風花春悠/〇大好き/不安
鈴木千秋:こちらに変更し、先輩をSロイス指定します
GM:OK。
風花春悠:最初から〇安堵/警戒なので……そのままです………………


【ミドル5-3/舞台裏】

GM:登場ダイスをどうぞ。
木花時雨:1d3+85
DoubleCross : (1D3+85) → 3[3]+85 → 88

夏川早苗:87+1d3
DoubleCross : (87+1D3) → 87+1[1] → 88



GM:【市内の遊園地『サンベリナ』】
木花小夜:「……」
木花小夜:「……こんなところ、来ることになるなんてね」
夏川早苗:一片が入り口として欠けた形になる巨大なコーヒーカップ。真ん中のハンドルを囲むように円形に座って。
夏川早苗:「姫と時雨さん的には、遊園地に外せないこだわりとかあるかしら」
夏川早苗:売店で買った星型のサングラスを付けている。
木花時雨:「……いや、わたしも初めてだから」
木花時雨:「よくわかってないんだけど……なにそのサングラス」
木花小夜:「変装じゃないの……?」
木花小夜:「アイドルだし……」
夏川早苗:「変装でもあり、変装でなくもあり……」
木花時雨:「暗いのに見える…?とげとげしてて当たりそうだし…」
夏川早苗:真ん中のハンドルを、円卓テーブルを回すように回転させる。
木花時雨:「わっ」
夏川早苗:「要するに、非日常の象徴よ」
夏川早苗:カップが緩やかに回り始める。
木花小夜:「わわっ」
夏川早苗:「遊園地の中と外。日常と非日常。その線引をしてくれるのが」
木花小夜:バランスを崩して、時雨に倒れ込む。
夏川早苗:「このサングラスであり、このヘアバンドでありというワケ」
木花時雨:「っと、その、なんか普段なら絶対しなさそうなのが…?!」姉を支えに行って自分も横に。
夏川早苗:「はい」二人に動物耳のバンドを渡す。
木花時雨:「……っと、大丈夫、姉さん…って」
木花小夜:「……ごめん」
木花時雨:「いいよ。むしろ、どんどん来てくれていいから!」
夏川早苗:「そうそう。この普段なら街中で絶対しないようなのを、『遊園地なら仕方ないかな』ってね」
木花小夜:「どんどんは行かないよ」苦笑して。
夏川早苗:倒れ込んでいる二人の頭に動物耳をかぶせる。
木花時雨:「…で、これ」動物耳のカチューシャをぺたぺた触る。
木花小夜:ヘアバンドも抵抗せずに付けられる。
木花時雨:「う、うーん」自分は似合ってないんじゃないかなあと思いつつ。
夏川早苗:うさぎのようなネズミのような。大分デフォルメが強調されたおそろいのデザイン。
夏川早苗:「うん、二人共よく似合ってるわ。遊園地に」
木花時雨:姉さんが抵抗せずにつけられてるの、なんか可愛いなあと思って見ている。
木花小夜:携帯を取り出す。スマートフォンではあるが、飛ばしの、古い型。
木花時雨:「そ、そうかなあ」
木花小夜:夏川さんに渡す。
木花小夜:「撮ってよ」
夏川早苗:「はいさい」
木花時雨:「えっ」
夏川早苗:「はい、笑ってー」
夏川早苗:カシャッ。特に返事を待たずに一枚。
木花小夜:「ちょっと!」
木花小夜:「まだ時雨が笑ってない!」
木花時雨:「は、はい!?」びっくりしながら二人を見ていたら。
木花小夜:「もう一回!」
木花時雨:「ね、姉さん…!」頬が赤くなる。
夏川早苗:「試写試写。はいナイスショット」撮影。
夏川早苗:「ほら時雨さん。笑わないとオフショットが増えていくわよー」
木花小夜:「ほら。早く」
木花時雨:「ね、姉さんもほら笑って!わたしだけそうなのはなんか、やだ!」
木花小夜:「私だって笑ってるわよ。ほら」かすかに口角を上げる。
木花時雨:「ズ、ズルくない…!?」
夏川早苗:「タイミング合わせ。はい、3、2、1」
木花時雨:「あーっもう!」そういいながら、笑いが零れて。
夏川早苗:その一瞬を切り取る。
夏川早苗:「いいねー。伝わってくるよー。その楽しさ、今残ったよ~」
木花時雨:「そ、それ言うなら。夏川さんも撮りますよ!」私用のスマホを抜き出す。
夏川早苗:「おっ、良いわね」
夏川早苗:円形の椅子を伝う。「はい、姫ちょっと詰めて」
木花小夜:「はいはい」
夏川早苗:小夜さんを時雨さんの方に詰めて、自前の端末も取り出す。
木花時雨:「む………」慌ててたのが自分だけみたいでちょっとむっとしつつ腕を伸ばして。
夏川早苗:「はい、チーズ」
木花時雨:「はい、チーズっ」
夏川早苗:穏やかに微笑むように。片手で器用に2つの端末を操り、笑顔。
木花時雨:ぱしゃ、と合成音。
木花時雨:硬さが抜けた、柔らかい表情で。傍の二人とくっつきながら。
夏川早苗:小夜さんの端末で撮影。続けて自分の端末。そして別のアプリを起動してすかさず一枚。
木花時雨:「いっぱい撮ってる」
夏川早苗:「それはね、こうするためよ」
木花小夜:「……何?」
夏川早苗:小夜さんに端末を返し、自分の端末の画面を見せる。
夏川早苗:多少加工されて頬紅が指したり自分たちの周りにSDなキャラクターが写っている画面が表示される。
木花時雨:「わあ」
木花小夜:「……何これ」苦笑する。
木花小夜:「変なの」
夏川早苗:「かわいかろ」ふふーん、と得意げ。
木花時雨:「コレで色々するんです?」覗き込んで。
夏川早苗:「そうそう。その場でお写真に色々出来るんです」
木花時雨:「ほえー……」
夏川早苗:鉛筆のマークをタップした後、明るめの桃色の文字で「なつかわ」と書き込んでいく。
夏川早苗:「ほれこの様に」二人にも画面を差し出す。
木花時雨:「サインするの…?」
夏川早苗:「書きたいことかけば良いよー」
夏川早苗:横から『仲良ししまい』とか書いていく
木花時雨:「ちょ、ちょっとぉ」困った顔だが嬉しそう。
木花時雨:「え、えーと」こちらも、小さく暗めの藍色で「しぐれ」と小さく。
木花小夜:「仲良くなんてないわよ……私」
木花小夜:「時雨を、裏切ってたんだから」
木花時雨:「えっ………」
木花時雨:「……姉さん、わたしはね」
木花時雨:「それでも、姉さんと仲良くしたいよ。姉さんと、一緒にいられたら嬉しい」
木花小夜:「時雨……」
木花時雨:「…わたしだって。一杯酷いことしたよ。能力も、あの時にまで、ずっと戦わなかったことも」
木花時雨:「……ね、姉さん。わたしのこと、許さなくていいよ。それでもいい」
木花小夜:「……赦さないなんて……!そんなこと、あるわけないじゃない!」
木花時雨:「ありがとう。……わたしも、そうなの」
木花小夜:「時雨が、何をしたって。私は」
木花小夜:「嫌いになったり、するもんか」
木花時雨:「わたしも、そうだよ」
木花時雨:「ずっとずっと、昔から」
木花時雨:「姉さんが一緒にいてくれれば、それでいいから」
木花時雨:「……だから、変な遠慮とか、そういうのしなくていいの。どんどんワガママとか、したいこととか、言って欲しい」
木花小夜:「……」
木花時雨:「………だめかな」
木花小夜:「……一つだけ。一つだけ、あって」
木花時雨:「なあに」
木花小夜:「私ね。時雨と、だけじゃなくて」
木花小夜:「春悠とも、一緒に、居たいって。思ってる」
木花時雨:「………」苦笑するように笑って。「姉さんも?」
木花小夜:「……分かってるわよ。そんな、虫のいい話が、今さらって」
木花小夜:「だけど……も?」
木花小夜:「も?」
木花時雨:「…………」口元をさっと手のひらで押さえる。
木花小夜:「時雨」
木花時雨:「ごめんいまの無かったことに……」「できないよね。はい」
木花小夜:「何を言っても、私」
木花小夜:「時雨のこと、嫌いになんかならないよ」
木花時雨:「………えへへ。ありがとう」
木花時雨:「わたしも、虫のいい話なんだけど」
木花時雨:「春悠くんに、一緒にいて欲しいなって言ってきました」
木花小夜:「……時雨は」
木花小夜:「いつの間にか、大きくなったね」
木花時雨:「……うん。ひとりでも、やっていけるようになったよ」
木花時雨:「姉さん……だからさ。わたしに遠慮とか、わたしのことばっか考えずに」
木花時雨:「自分のしたいこと、していいんだからね」
木花小夜:「大丈夫よ、時雨。私も」
木花小夜:「してきたから」
木花時雨:「………やっぱり、姉さんにはかなわないなあ」
木花小夜:「夢でなんかさ。終わらせたくないんだ」
木花小夜:「だって、それじゃあ、この先、もっと綺麗になっても」
木花小夜:「思い出としてしか、見てもらえないじゃない」
木花時雨:「……わたしも。もう、独りでいるの、つかれちゃった」
木花小夜:「そんなの、面白くない」
木花時雨:「前は、みんな一緒にいて。帰れば顔も見られて、声だって聴けたのに」
木花時雨:「ずっとひとりは、もう耐えられないし、我慢したくない」
木花時雨:「春悠くんだって、きっとそうだって勝手に思ってる」
木花時雨:「……実際、姉さん綺麗だもんなあ。もっとそうなるのかなー」小夜姉さんに抱き付く。
木花小夜:「なるよ。時雨だってさ。前よりずっと綺麗になった」
木花小夜:髪を撫でる。
木花時雨:眼を細める。「……ならいいな。だってさ」
木花時雨:「綺麗なところ、見て欲しいもの」
夏川早苗:「…………よかったわね、時雨さん、姫。」
夏川早苗:星型のサングラスの下にハンカチを当てている。
夏川早苗:「ふー………一時はどうなることかと思ったわ」
木花小夜:「……ああ」
木花小夜:「居たんだ……」
木花時雨:「……ええと、なんか心配させちゃったならごめんなさい」
木花時雨:「姉さん!?」
木花小夜:「あ、いや、そのっ!」
夏川早苗:「……………………」
夏川早苗:「………………………………………」
木花時雨:「………夏川さん、本当その…ごめんなさい…言って聞かせますから…」
夏川早苗:「大丈夫よ」
夏川早苗:「ぜんぜんなんともありません」震え声。
木花小夜:「いや、ほんとごめんってば……!」
木花時雨:「ほ、ほら!姉さん謝って!」
木花小夜:「ごめんなさい……」
夏川早苗:「ソフトクリームが食べたいなぁ~」
木花小夜:「買う!買うからっ!」
木花小夜:「他に欲しい物ない……!?」
夏川早苗:「ふふっ、じゃあ」
夏川早苗:「もうちょっと一緒に、遊んでくれる?」


木花時雨:ロイスのポジネガ反転。小夜姉さんのロイスを、憧憬表に。やっぱり姉さんはすごいのだ。……まあ、色々支えていかないといけないかもだけど。
木花時雨:以上。
夏川早苗:ロイス変更なし。友情。


【ミドルフェイズ5-4:夏川早苗】

GM:登場をお願いします。
夏川早苗:夏川早苗の侵蝕率を+2(1d3->2)した(侵蝕率:88->90)
風花春悠:68+1D3
DoubleCross : (68+1D3) → 68+3[3] → 71

GM:千尋沢高校での判定は
GM:ちょっと特殊です。
夏川早苗:なんと
風花春悠:なんだなんだ
GM:判定の方は、【任意の能力値】で9。
GM:で、成功した場合は
GM:【判定に使用した能力値以外の任意の能力値】を使った判定を、シナリオ間達成値+2。
風花春悠:はは~
夏川早苗:ほほー。
GM:つまり伸ばしたい能力値以外での
GM:判定成功を狙うとよいでしょう。
夏川早苗:じゃあ芸術アイドルで行こうかな。成功した場合は精神アップで。
GM:現状でついてるボーナスとかをうまく利用してね。
GM:あ、能力値!
GM:技能は使えません
夏川早苗:あ、感覚か。
夏川早苗:じゃあ感覚で判定して精神あげよう。
風花春悠:肉体を狙って社会で挑戦しよう
風花春悠:3DX+2>=9
DoubleCross : (3R10+2[10]>=9) → 8[3,3,8]+2 → 10 → 成功

夏川早苗:《紡ぎの魔眼》判定ダイス+3個
風花春悠:やったー
夏川早苗:夏川早苗の侵蝕率を+1した(侵蝕率:90->91)
夏川早苗:7dx>=9
DoubleCross : (7R10[10]>=9) → 9[1,2,2,3,3,8,9] → 9 → 成功

GM:じゃあ風花くんは肉体が累計+6だ
夏川早苗:あっぶない。やったー
風花春悠:いえーい
GM:夏川さん、ボーナスもあるから11かな
GM:とにかく成功!精神が+2されました
夏川早苗:そうでした。いえーい。


GM:【千尋沢高校】
GM:夜。
GM:当然、校舎内に、他の人の姿は見当たらない。
GM:捜索を行う、君たちだけがそこに居る。
夏川早苗:自分たちの通う教室。風花くんがいつも使う席……の一つ前に腰掛ける
夏川早苗:「夜の学校って、幻想的というか、若干ホラーもあるわよね」
風花春悠:「確かにね」
風花春悠:こちらは一つ後ろ、いつもの席に座る。
風花春悠:「変な感じだ。こんな時間に学校にいるのって」
夏川早苗:椅子に横座りになるように後ろを向く。
夏川早苗:「そうね。普通はこんなとき、見慣れたはずの光景が…ってなるんだと思うけど」
夏川早苗:「こういう静かなのも嫌いじゃないわ、私」
風花春悠:「……そうだな。俺も賑やかなのは……」
風花春悠:「……あんまり、得意じゃないかな」
夏川早苗:「ふふ、それっぽい」
夏川早苗:「でも、得意じゃないなくても。わいわいやるのは好きだったりする?」
風花春悠:「いやまあ、そうだけどさ……遠慮無いよな、夏川さん……」
風花春悠:「好き……」
夏川早苗:「………そうかしら?結構これでも、気を使ってるのだけど」
風花春悠:「……どうだろうな。そう見える?」
夏川早苗:「うん」
夏川早苗:「結構、そう見える」
夏川早苗:「姫にね、昔の写真を見せてもらったの。貴方の子供の頃の写真」
風花春悠:「姫って……小夜か」
夏川早苗:「そうそう、小夜さん」
夏川早苗:「それを見たらなんとなく、ね」
風花春悠:「……そうなのかも。何か俺……」
夏川早苗:ことり、と眼鏡を机の上に置く。
風花春悠:「……最近、ウソつくのに自信無くなってきたから……外から見た印象のほうが正しいのかも」
夏川早苗:「ふぅん、そうなんだ」
夏川早苗:「風花くん、素直だもんね。」
風花春悠:「……」
風花春悠:「……マジか……?」
夏川早苗:「小夜さんと時雨さん、千秋さんもかな」
夏川早苗:「何かあったでしょ」
夏川早苗:「マジです」
風花春悠:「それは流石にどうなんだ、ひねくれ者だと思うけ……ど…………」
風花春悠:「……」
風花春悠:「……マジか」
夏川早苗:「ほら」苦笑「反応が素直だ」
風花春悠:「……そこまで……?そこまで分かるのかよ」
夏川早苗:「アイドルですからねぇ」
風花春悠:「凄いんだな……アイドルって……」神妙な顔。
夏川早苗:「そうよ。アイドルはすごいのです」
夏川早苗:「と言っても私は、私が出会ってからの貴方しか知らないのだけどね、風花くん」
風花春悠:「……?」首を傾げる。
風花春悠:「そりゃ……そうだろ?」
風花春悠:「俺だって、俺が出会ってからの夏川さんしか知らない」
夏川早苗:「ふふ、そりゃそーだっ」
夏川早苗:「ねぇ、風花くん。時雨さんや小夜さんや千秋さんのこと、大事?」
風花春悠:「……何だよ、急に……」
夏川早苗:「別に?いい人達よねー、って思って」
風花春悠:「……」少し躊躇うが。
風花春悠:「……ああ。……大事だよ」確かに頷く。
夏川早苗:「……………そうよね」目線を細めて笑う。
夏川早苗:「私ねぇ、風花くん。小さい頃からずっとアイドルレッスンしてたでしょ?」
夏川早苗:「だから、つい。仲良くなった相手にも、競争心を抱いちゃうのよね」
風花春悠:「……ああ」以前のカラオケ店での会話が頭を過る。
風花春悠:「言ってたな。負けず嫌いだって」
夏川早苗:「うん」
夏川早苗:「すっごくいい子で、仲良くしたいのも本当だけど。同時に競い合う『敵』って身構えちゃう所があってね」
夏川早苗:「だから、普通に仲良くしてるのって、羨ましいなー。なんて思っちゃうわけです」
風花春悠:「……」
風花春悠:「仲良く……」
風花春悠:「……は、してるんじゃないか……?多分、クラスの中では一番喋ってると思うけど……」
夏川早苗:「うん。そう、かな。そうだと嬉しいな」
夏川早苗:「こういう事を言うとね。笑顔で接しておきながら、とか。友達のフリして、みたいな」
夏川早苗:「天使の顔でお腹の中は真っ黒。みたいな。腹黒みたいに言われることもあるんだけれど」
夏川早苗:「………貴方には、そういう私も。知ってほしくて」
夏川早苗:「ね。」
夏川早苗:机の上に両腕を組んで、顎を乗せるように。
夏川早苗:下から君を見上げる。
風花春悠:「……」少しその様子にたじろいで。
夏川早苗:「時雨さんは儚げに見えて、芯はしっかり強くて、他人を思いやれる素敵な子」
夏川早苗:「小夜さんは難しいように見えて素直だし、からかいたくなるぐらい可愛い子」
夏川早苗:「千秋さんはとっても明るくて、自分と周りの皆を幸せにしてくれる優しい子」
夏川早苗:「皆、私が男だったら惚れてるぐらい魅力的だわ」
夏川早苗:「正直、そんな子達に慕われてる風花くんには嫉妬の炎が出そう」
夏川早苗:笑顔。
風花春悠:「……う……」口籠る。
夏川早苗:「でもね」
夏川早苗:「そんな皆にも、私、負けたくないの」
夏川早苗:「私、貴方の事情を何も知らないわ。貴方の抱えてるものも、きっとなんにも。他の皆に比べたらね。」
夏川早苗:「家族みたいな木花さんや、貴方の事情を知って接する千秋さんに比べたら、私は貴方に助けられただけの、路傍の小石かもしれないけど」
夏川早苗:「たった数ヶ月に満たない想いの積み重ねでも。何年もの時間を掛けなくても。他の人に負けてるつもりはないわ」
夏川早苗:「貴方が好き。って気持ち」
風花春悠:「……」改めて形にされたその言葉に、息を呑む。
風花春悠:「……あの、さ」
夏川早苗:「なんでしょう」
風花春悠:「……どうしても。他の誰に好かれても、分からないことなんだけど」
風花春悠:「……何で、俺なんだ?」
風花春悠:「芸能界なんて……もっと格好いい奴とか、いっぱい……いるんじゃないのか」
夏川早苗:「貴方が私を助けてくれたからよ。」
夏川早苗:「ええ、そうね。厳密に言えば、貴方じゃなくても良いかもしれないわ。」
夏川早苗:「でも、私が巻き込まれた時、死にそうな時───死んだ時。」
夏川早苗:「そばにいてくれたのは貴方だった」
夏川早苗:「もちろん、貴方にとっては任務の一つよね」
夏川早苗:「正直、別に貴方じゃなくても良かったのだと思うわ」
夏川早苗:「任務に忠実で、真面目で、出会う機会が多くて、ちょっと顔が好みで、マイナス点よりプラスが多ければ」
夏川早苗:「私は誰でも良かったんだと思う───けれど」
夏川早苗:「そこに居てくれたのは、貴方だったのよ。風花くん」
風花春悠:「……」
風花春悠:「……小夜と」
夏川早苗:「うん」
風花春悠:「この前、小夜と戦ったよな。あれがUGNイリーガルとして、初めての戦闘か?」
夏川早苗:「そうね……そうなるわね」
夏川早苗:「今まではレッスンばかりだったもの。」
風花春悠:「あの時。それに……俺が君を助けた時。君がオーヴァードになった時」
風花春悠:「……どう思った?」
風花春悠:「……怖くは……なかった?」
夏川早苗:「怖いわよ。でも、怖くはなかったわ」
夏川早苗:「私、自分を特別だと思っていたわ。遅咲きだけど、悠々と王道を歩いているような。もしかしたら才能があるんじゃないかって」
夏川早苗:「それがいきなり、何も通じない世界を知って、とても怖かった。けど、怖くなかったわ」
夏川早苗:「貴方が居たもの、風花くん」
風花春悠:「……」 
風花春悠:目を閉じる。
風花春悠:「俺は、怖いよ」
風花春悠:「いつだってそうだ」
夏川早苗:「…………そう」
風花春悠:「痛いのは嫌だ。死ぬのはもっと嫌だ」
風花春悠:「誰かが傷つくのも嫌だ。誰かを傷付けるのも嫌だ」
風花春悠:「戦いなんて、大嫌いだ。当然のことだ」
夏川早苗:「………そうよね」
風花春悠:「俺に近付くってことは、俺のことを知るってことは」
風花春悠:「そういうものの中に、飛び込むってことになる」
風花春悠:「君は、それでいいのか」
夏川早苗:「うん」
夏川早苗:「貴方が守ってくれるなら、それでいい。………それが、いい」
夏川早苗:「私、貴方の側に居たいのだもの」
夏川早苗:「その代わりにね」
夏川早苗:「貴方が私を知らなくても、私が新しい世界を教えてあげる」
夏川早苗:「貴方が関わることのなかった世界を、私が案内してあげる」
夏川早苗:「貴方が助けたものは。貴方が助けてくれた私はこんな子で」
夏川早苗:「あの時死ななくて良かったって、生きていてよかったって」
夏川早苗:「貴方がとても怖い思いをして、それでも守ってくれたものはこんなに素晴らしいんだって」
夏川早苗:「貴方に言わせてあげる。」
夏川早苗:「アイドルの早川なつみとして、そして貴方のクラスメイトの夏川早苗として」
夏川早苗:「貴方の知らない世界と。お金を取れるぐらいの顔と。後は性格」
夏川早苗:「貴方に私を好きになってもらう材料は、今はコレで全部」
夏川早苗:「貴方が好きよ、風花くん。風花春悠くん。」
夏川早苗:「私は貴方の側に居たい」
夏川早苗:「貴方が私の側に居て、私を好きになっていってくれたら」
夏川早苗:「私、とっても嬉しいわ」
風花春悠:「…………!」
風花春悠:息を詰まらせて。
風花春悠:それから、深く吸い込む。
風花春悠:「……何も……」
風花春悠:「何もよくないだろ……!」
風花春悠:声を荒げる。優等生の仮面が剥がれ落ちる。
夏川早苗:「………ふふ」その顔を見る。
夏川早苗:「そういう顔、初めて見せてくれた」
風花春悠:「何なんだよ、アンタは……!」
風花春悠:「死ぬかもしれないんだぞ!もっと酷い目に遭うかもしれない!」
風花春悠:「その代償が、俺と一緒にいることって……」
風花春悠:「そんなの……」
風花春悠:泣きそうな顔で。
風花春悠:「意味わかんねえよ……」
風花春悠:「アイドルなんだろ、アンタは……」
夏川早苗:「そうよ」
風花春悠:「俺に無いものを何でも持ってる。明くて暖かい、陽の下で生きていける人間なんだよ」
風花春悠:「どうしてわざわざ、火の中に飛び込もうとするんだよ……」
夏川早苗:「普通の学生で、普通のアイドルで、UGNなんか関係ない、一般人だったわ」
夏川早苗:「それでも、一度死んだのよ」
夏川早苗:「火の中に飛び込むつもりは無いわ。向こうから来るんだもの。火の粉を払うすべぐらい、備えておかなきゃ嘘じゃない」
夏川早苗:「それで、わざわざそこに飛び込む人が居るなら。好きな人がそうするっていうなら」
夏川早苗:「一緒に火の粉を払う手伝いぐらい、するわよ」
夏川早苗:「勘違いしないで、風花春悠。」
夏川早苗:「私はおんぶにだっこで、貴方が守ってくれた日常とやらで、貴方のお陰で幸せになりたいんじゃない」
夏川早苗:「貴方と一緒に、嬉しいことは2倍喜んで。悲しいことを2人で半分にして」
夏川早苗:「貴方のお陰じゃなくて」
夏川早苗:「貴方と一緒に、幸せになりたいの」
風花春悠:「……」
風花春悠:「……後悔する。絶対」
夏川早苗:「でしょうね。」
夏川早苗:「正直言って、自分でも面倒くさい女と思うわ」
夏川早苗:「ちょっと優しくしただけでコロっと転んで、わざわざこんなこと言って」
夏川早苗:「男の子や恋人に妙な幻想を抱いてるし、ワガママだっていっぱい言うと思う」
夏川早苗:「その代わりに差し出せるのはアイドルでクラスメイトという希少性ぐらいだけど……これは風花くんにはどうでもよさそうね」
夏川早苗:「私ね、風花くん。男の子と付き合ったこと、無いの」
夏川早苗:「小学生に上がる前から同じ境遇の女子とレッスンの日々だったし、友達は居ないし」
夏川早苗:「スタイリストさんやメイクさんも女性だし、水着仕事も今まで事務所NGだったわ」
夏川早苗:「ドラマに出た時も、恋愛役は未経験。」
夏川早苗:「……水着についてはまだ中学生、という事もあったけど。名前が売れ始めた頃は、まだこんなに大きくなかったしね」
夏川早苗:「いえ、それはどうでもよくて」
夏川早苗:「つまり。」
夏川早苗:「私に触れたことがある男の子は風花くんが初めてで。」
夏川早苗:「キスだってしたことないし。服の下を見たことのある男の子は居ない。」
夏川早苗:「誰にも踏み込ませたことはないから、男の子にとってどれほど価値があるかわからないけど」
夏川早苗:「隣にいて、踏み込んで、後悔も喜びも、色んな初めての跡を、私に残してくれる人」
夏川早苗:「私は、その初めてが貴方だったら良いな、と思ってる」
夏川早苗:「ねぇ、風花くん。改めて言うわよ。」
風花春悠:「…………」
夏川早苗:「私と、恋人として。お付き合いをしてください」
風花春悠:深く項垂れている。その耳は赤く染まって。
風花春悠:「……何言っても……」
風花春悠:「無駄みたいだな…………」
夏川早苗:「そうみたいよ」
風花春悠:「…………」
風花春悠:深い沈黙が落ちて。
夏川早苗:「恨むなら、うっかり一回優しくだけでこんなに執着してくるメンヘラ女に出会う、自分の運の無さを恨みなさい」
風花春悠:引き攣ったような呼吸の音。
風花春悠:「……ごめん」
風花春悠:「やっぱり、まだ分からない」
風花春悠:「自分の気持ちとか。そういうの、全部」
風花春悠:「分からないから。適当に答えを出したくない」
夏川早苗:「ふむ。」
夏川早苗:「まぁ、そうでしょうね」
夏川早苗:「答えを出すなら……小夜さんかな。その時に既にやってるでしょうし」
風花春悠:「う……」
風花春悠:「……皆が…… ……夏川さんが本気でそう思ってくれてるなら」
風花春悠:「俺も真剣に考えて、答えたい」
風花春悠:「だから、もう少しだけ待っててくれないか」
夏川早苗:「……………………………」
風花春悠:「……この任務が終わる頃には、必ず答えを出す」
夏川早苗:「いやよ」
風花春悠:「なっ……!?」
夏川早苗:「嫌だけど、いいわ。風花春悠」
夏川早苗:「返事の保留を許してあげる。さっきも言ったように、他の人も魅力的なのは、私だってわかってる」
夏川早苗:「その代わり、」
夏川早苗:「歯を食いしばって。目をつむりなさい」
風花春悠:「……!」
風花春悠:仕方ない。殴られても当然のことをしている自覚はある。
風花春悠:言われるがままに目を閉じ、歯を食い縛る。
風花春悠:「……リザレクトしない程度に頼む」
夏川早苗:拳を握る。そして、目を閉じたのを確認して。
夏川早苗:「任せておいて」
夏川早苗:「昇天させてあげる」
夏川早苗:その唇に。
夏川早苗:柔らかな感触。
風花春悠:「……」
夏川早苗:「………目を開けていいわよ」
風花春悠:予想外の感触に、しばらく反応が遅れて。
風花春悠:「……」
風花春悠:「え」
夏川早苗:「………………」
風花春悠:「今……」
風花春悠:「殴……」
風花春悠:「……え……?」
夏川早苗:目を開けた君の前に、裸眼の半眼がある。
夏川早苗:そしてその唇の前に。
夏川早苗:人差し指と中指。2本の指が横に構えられている。
夏川早苗:「あのね、風花くん」
夏川早苗:「私。キスは恋人とって決めてるの」
夏川早苗:「………だから」
夏川早苗:「……………これ以上は、答えを出したあとで。ね?」


夏川早苗:「風花春悠 ○P好意N不安」→「風花春悠 ○P好きN不安」に変更
夏川早苗:Sロイス指定します。
夏川早苗:以上。
風花春悠:夏川早苗 興味/〇警戒 > 夏川早苗 傾倒/〇脅威


【ミドル5-4/舞台裏】

GM:登場をどうぞ。
鈴木千秋:1d3+72
DoubleCross : (1D3+72) → 1[1]+72 → 73

木花時雨:1d3+88
DoubleCross : (1D3+88) → 1[1]+88 → 89



GM:【千尋沢高校 体育館】
GM:爆弾の設置が容易な場所である、とは言える。
GM:校舎に比較して、セキュリティの薄くなることは容易に想像がつくからだ。
鈴木千秋:「夜の学校ってさ、なんかワクワクしない?」
木花時雨:ドローンを放ち、一息ついて。
鈴木千秋:体育館の隅に転がっているボールを拾い上げて。
木花小夜:「正直なところ」
木花時雨:「……そうですか?わたしはどうにも落ち着かなくて」
木花小夜:「昼夜問わず、かな」
木花小夜:「全然、通ってないから……」
木花時雨:ちょっと眉根を下げて姉さんを見る。
鈴木千秋:「あー……」
鈴木千秋:「ならさ」 拾い上げたバレーボールを小夜姫にパス
木花時雨:「…ん。でも、その分。楽しんでいってほしいなあ」
鈴木千秋:「あんまりこういう球技もやったことない感じ?」
木花小夜:「いや、球技自体は」
木花小夜:時雨にパス。「戦闘カリキュラムにあったから」
木花小夜:「身体操作と連携。両方、習得できるから」
木花時雨:ぱん、と受け止めて。「そうだねぇ…姉さんそれも上手かったなー」ゆるく千秋さんへトス。
鈴木千秋:「なるほどー。なら、これは?」 そう言って、ふわりとボールをトス。マイナステンポ
鈴木千秋:小夜姫の頭上にボールが舞う
木花小夜:「ちょっ早っ……!」
木花小夜:飛び上がって、何とか指先で捉えて。
木花小夜:指の力だけで、時雨のいる方に勢いよく飛ばす。
木花時雨:「あわわっ」
木花小夜:「もう……! 取り零しそうになったじゃない!」
木花小夜:「時雨大丈夫――」
木花時雨:鋭いコースで足元にくるそれを、バレーのレシーブのようにして上方へ。千秋さんへ、それでも早目に飛ぶ。
木花小夜:「わ、すご」妹の動きに驚嘆する。
木花時雨:昔なら、絶対に取れずに転んでいたかもしれない。
木花時雨:「ま、間に合った…びっくりした」
鈴木千秋:「ちょ、ちょっと待って!ひゃっ!」 
鈴木千秋:体勢を崩しながらもなんとかレシーブ。へろへろとしたボールがゆっくりと上空へ。木花姉妹のちょうど真ん中あたりに飛んでいく。
木花時雨:ちら、と姉に視線を。体勢を崩していない自分が行った方がいいだろうか。
木花小夜:ちら、と妹に視線を。順番的には私だ。
木花小夜:結局、2人とも踏み出して。
鈴木千秋:「えっ?えっ?」
木花小夜:2人で片手づつで返して。
木花時雨:あ、やっちゃったな、と思ったのはもう数mもないところ。
木花小夜:勢いで体をぶつけた。
木花小夜:「あたっ……」
木花時雨:「った……!大丈夫、姉さん…!」自分が下になるように。
鈴木千秋:「ちょっちょ、大丈夫?」
鈴木千秋:「ごめーん、レシーブみすったから」
木花時雨:「大丈夫です大丈夫です……あたた」
木花時雨:「いえ、こっちも速めの行ったので…」
木花小夜:「時雨!大丈夫……!?」
木花時雨:懐から消毒液を出す。剥がれたガーゼの下に引っ掛けて。
木花時雨:「大丈夫。ちょっとガーゼ剥がれただけだから。替えはあるからすぐ直せるよ」
木花小夜:「何でそんな普段から替えを持ってるのよ……」
鈴木千秋:うんうん頷いてる。同意
木花小夜:「……」
木花時雨:剥がれたガーゼは、どこか黒く焼け焦げたようなものがくっついていて。
木花時雨:「いや、どうしても治りが遅いところあるから…」
木花小夜:「……私が、やろうとしたことは」
木花時雨:亀裂のように刻まれた跡の上に、塗り付けた軟膏とガーゼを当て、貼り付ける。
木花小夜:「彼女を……早川なつみを……じゃない。夏川早苗を」
木花小夜:「巻き込むようなことを、やろうとしたのは、間違ってたのかもしれないけどさ」
木花時雨:「うん」
鈴木千秋:「ん」
木花小夜:「思い自体はね。今でも、間違っていないと信じてる」
木花小夜:「もう、好きな人に、戦ってほしくはないの。これだけは、本当に、思ってる」
木花時雨:「………」苦笑して。「…わたしもまあ、否定したくないなあって思うから、何も言えないよ」
木花小夜:「できれば、戦いから離れて、穏やかにって」
木花時雨:「……そう言う人こそ、報われて欲しいなあ、とも思うけどね」
鈴木千秋:「ならさ」
鈴木千秋:「2人は、もっと笑わなきゃダメっしょ」
木花時雨:「…笑う?」眼を瞬かせ。
鈴木千秋:「先輩が戦ってる理由の一つは、2人のためなんだから」
木花小夜:「……そんなに笑ってない……?」
鈴木千秋:「じゃー笑ってみよう。はい、ニーっ」 自分の口を両手で引っ張る
木花時雨:「……姉さん結構柔らかくなってたしそういうのじゃ…あっこれ有無を言わさない奴」
木花小夜:「そういう、作った笑い、意味あるの……?」
木花時雨:「うっっ」
木花小夜:「こういうのって、自然と笑えなきゃ意味ないんじゃないの……?」
鈴木千秋:「正論」
木花時雨:「ぐっっ……」
鈴木千秋:「そういうのは、自然に笑える人が言う台詞だとオモイマス」
木花時雨:「鈴木さんみたいな?」
鈴木千秋:「あはは。鈴木は毎日楽しんでるから」
木花小夜:「……チルドレンって、いつも笑えるわけじゃないでしょう」
木花小夜:「そういう時は、どうしてるの?」
木花小夜:「春悠に打ち明けてる……?」
鈴木千秋:「えっ」
木花時雨:耳をそばだてている。
木花小夜:「いや。どうなんだろうって……」
鈴木千秋:「う、打ち明けるって……?」
木花小夜:「多分、そういうこと、してないんじゃないかって」
木花時雨:じーっとみどりのめが見詰めている。
木花小夜:「自分が、悲しく思ったこととか。そういうの」
木花小夜:「溜めて言わないタイプでしょ」
木花小夜:「私、知ってるわよ。そういうクチの子」
木花時雨:「…………しれっと、最後にどかんってやっちゃうタイプ」ぼそっと一言。
鈴木千秋:「……どんな子?」
木花小夜:「何でも受け止めてあげるって面だけ得意な」
木花小夜:「死ぬ時は死ぬ、普通の子よ」
鈴木千秋:「あはは。じゃー鈴木も死んじゃうかなあ?」
木花小夜:「……そうは言ってないでしょ」
木花小夜:「そうならないように、笑顔以外もちゃんと出すときに出してって言ってるの」
木花小夜:「私、これでも先輩なんだから。学校でも、チルドレンとしても」
木花小夜:「それに……友達でしょう」目をそらして。
木花小夜:「頼っても、いい」
鈴木千秋:「姫~」 抱き着く
鈴木千秋:「ありがとうね。その時はうんと姫に甘えるから」
木花小夜:「はいはい」微笑んで、頭を撫でる。「苦しゅうないわよ」
木花時雨:じ、と。視線を逸らさず鈴木さんに向けたまま。ひとつ息を吐く。姉さんも鈴木さんにとっても、互いにとって悪く無いように見えたから。
鈴木千秋:そんなしぐれちゃんに向けて手招き。おいでおいでー
木花時雨:ふ、と苦笑して。
木花小夜:「時雨」優しく、片手を広げて。
木花時雨:「じゃあ、二人とも甘やかしますね」そのふたつの腕ごと、二人纏めて抱き締めて。
木花小夜:「えっいや」
木花小夜:「違……!」
木花時雨:「……ふたりとも、よくがんばってます。すごいですよー」ぽふ、と頭をそっと撫でる。
木花小夜:「逆……!」
木花時雨:「たまには、こうしたいの。いいでしょ?」
木花小夜:「……分かったわよ」
木花時雨:ぽむぽむ優しく撫でる。囁き声は羽毛のように柔らかく。腕はそっと添えるように。
木花小夜:「あなたのワガママを、聞いてあげる」
木花小夜:撫でられながら、心地よさそうに。
木花時雨:「……むう。我儘にされてしまった…」
鈴木千秋:「これじゃ、どっちがお姉ちゃんか分からないね?」 等と、小夜姫としぐちゃんを見ながら
木花時雨:「鈴木さんも一番年下なんだから甘えていいんですよう」
鈴木千秋:「わーい!おねえちゃーん!」 胸に飛び込む
木花時雨:「はいはーい。時雨お姉ちゃんですよー」そのまま柔らかく受け止めて。そっと背と頭を撫でる。
鈴木千秋:「ひゃんっ!」
鈴木千秋:変な声
木花時雨:ぽんぽん、と後頭部を優しく。
木花時雨:「いっつも気を遣ってくれてますもんね。…いいんですよ、今は」
木花小夜:「へえー」
木花小夜:「そんな顔も出来るんだ?」
木花時雨:つうーっと二人の首筋から背筋までをそぉっと。
鈴木千秋:「ひゃあっ!!」
木花小夜:「んんっ!」
木花小夜:「っ……!時雨!」
木花小夜:「なんでこっちまで……!」
木花時雨:「……力抜いちゃお?大丈夫、そういう手加減得意だから」
鈴木千秋:「やめっ、鈴木は感覚が鋭敏だから……」
木花時雨:「ふ—……っ」
木花時雨:「ゆるゆるになっちゃえ」耳元に囁くような息と一緒に。
木花小夜:バッと離れる。
木花小夜:「や……やめなさいよ!」
木花小夜:「どこでこんなこと覚えたの時雨……!」
木花時雨:「あっ………残念……」
鈴木千秋:「んんっ……」
木花時雨:「…?ほら、支部とかで整体とかするよね?それ、時間ある時に習ったの」
木花小夜:「……」
木花時雨:「みんな、ちょっとでも休んだりしてほしかったから」
鈴木千秋:「……こんな声、まだ先輩にも聞かせてないのに」
木花小夜:「春悠もやってるの……?」
木花時雨:「……はーい、鈴木さんはもっと休もうねー…」
木花時雨:「………やってあげたかったんだけど」
木花時雨:「こっち来てからだとなんか遠ざけられちゃってて……せっかく磨いたのに」
木花時雨:「だから、姉さんにもちゃんと味わってほしいなーって」にこにこしている。
木花小夜:「ちょっと、時雨?眼が据わってるっていうか……」
木花小夜:「時雨?ねえ時雨?」
木花時雨:「遠慮しないで…ほら、ね?」
木花小夜:「ちょっと、待――!」
木花時雨:そっと腕を開いて、膝の上に招く。
木花時雨:「はーい、二名様ご案内ですー」


木花時雨:ロイス変更なし。今みんなポジだしね。以上。


GM:4シーン分の購入やりましょう!忘れてた!
GM:風花くんが4回
GM:他の皆は1回づつ出来ます
GM:最後の購入機会ね!
GM:あと情報収集がこの後残ってるから
GM:財産の使用も計画的にね~
木花時雨:はあい。何か欲しいものある人~
風花春悠:あるんだ!?
夏川早苗:はーい
鈴木千秋:何買おうかなー
夏川早苗:ボディアーマーとか狙っておくかな、ぐらいですね
風花春悠:誰か用のボデマ買おう
風花春悠:3DX+2>=12
DoubleCross : (3R10+2[10]>=12) → 8[2,6,8]+2 → 10 → 失敗

木花時雨:あとまあ千秋ちゃん用のホローポイントとか徹甲弾?
風花春悠:3DX+2>=12
DoubleCross : (3R10+2[10]>=12) → 9[3,9,9]+2 → 11 → 失敗

鈴木千秋:あ、ありがてえ!
風花春悠:うーん……
鈴木千秋:あ、
木花時雨:あと姉さん、千秋ちゃん、早苗さん用のボデマもありわね
鈴木千秋:先輩に支援射撃打っておきます
鈴木千秋:ダイス+4で。
風花春悠:鈴木!
風花春悠:7DX+2>=12
DoubleCross : (7R10+2[10]>=12) → 10[1,5,6,6,7,8,10]+3[3]+2 → 15 → 成功

鈴木千秋:《支援射撃》 73→75
風花春悠:鈴木……!
鈴木千秋:出来た後輩っしょ?
風花春悠:まだ着てないなら鈴木にあげます
鈴木千秋:わーい!ありがとうございます!いただきます!
鈴木千秋:ボデマ(ベージュのカーディガン)装備!
木花時雨:徹甲弾狙っておくかな。こっちのが良さそう。
木花小夜:ビジネススーツ買おうかな
木花小夜:あ、その前に
木花小夜:《赤色の従者》《血の絆》。
木花小夜:従者を出しておこう。
木花時雨:3dx+2=>10 徹甲弾。
DoubleCross : (3R10+2[10]>=10) → 8[2,7,8]+2 → 10 → 成功

風花春悠:あっとうとう
木花時雨:成功、千秋ちゃんへ。マイナー使用で、その攻撃は装甲を-5で攻撃できます。
鈴木千秋:しぐちゃん……!ありがとうね!
風花春悠:最後一回でもう一着ボデマ狙い
風花春悠:3DX+2>=12
DoubleCross : (3R10+2[10]>=12) → 4[1,2,4]+2 → 6 → 失敗

風花春悠:だめ!以上!
木花小夜:ビジネススーツを本体で。
木花小夜:6DX+3>=14
DoubleCross : (6R10+3[10]>=14) → 10[3,5,7,8,10,10]+9[9,9]+3 → 22 → 成功

夏川早苗:すごっ
鈴木千秋:つよ
木花小夜:購入、装備。
木花時雨:つよい
風花春悠:マジか
鈴木千秋:じゃあボデマいっておこう
夏川早苗:メイド服……と思ったけどとりあえず財産もないのでボディアーマーを狙います。
鈴木千秋:2dx>=12
DoubleCross : (2R10[10]>=12) → 2[2,2] → 2 → 失敗

夏川早苗:《紡ぎの魔眼》判定ダイス+3個
夏川早苗:夏川早苗の侵蝕率を+1した(侵蝕率:91->92)
鈴木千秋:鈴木はダメな子
夏川早苗:6dx>=12
DoubleCross : (6R10[10]>=12) → 8[1,3,6,7,8,8] → 8 → 失敗

鈴木千秋:以上です
夏川早苗:安心してチャッキー。私もよ。
夏川早苗:以上です。
木花小夜:あと1個ボディアーマーがあれば全員に行き渡るのかな、じゃあボディアーマー狙い。
鈴木千秋:さなちゃん……ズッ友でいようね
木花小夜:従者が振ります
夏川早苗:当たり前よ。嫌だと言っても逃さないわ。
木花小夜:8dx>=12
DoubleCross : (8R10[10]>=12) → 10[2,2,3,6,7,8,10,10]+10[1,10]+7[7] → 27 → 成功

GM:すごい従者……
夏川早苗:さっきから。
風花春悠:強すぎ
鈴木千秋:つよ!!
木花時雨:えっ何それ…つよ…
GM:GMだと回ることを悪用するな
夏川早苗:従者ってすごいな…
GM:僕にとってはハードルなんだぞ……!
鈴木千秋:www
木花小夜:えへへ
GM:夏川さんへ!
夏川早苗:ありがとう、姫。ぬくもりを感じるわ。


【ミドルフェイズ6】

GM:情報収集シーンとなります。
GM:風花くんがシーンプレイヤー。他登場は自由です
風花春悠:71+1D10
DoubleCross : (71+1D10) → 71+1[1] → 72

鈴木千秋:出ます
鈴木千秋:1d10+75
DoubleCross : (1D10+75) → 3[3]+75 → 78

木花時雨:木花時雨の侵蝕率を+1(1d10->1)した(侵蝕率:89->90)
夏川早苗:夏川早苗の侵蝕率を+1(1d10->1)した(侵蝕率:92->93)
鈴木千秋:私以外みんな1
GM:SRSシステム継続してるじゃん
夏川早苗:アピールタイムということね。


GM:まず情報項目出しましょう
■情報項目
・“マアト”セルの目的〈情報:UGN,FH〉9,12
・“マアト”セルの戦力〈情報:UGN,FH〉9
GM:この2個!
GM:1つ目については
GM:情報が2段階あります
GM:12まで達成すればどっちも抜ける。
風花春悠:成の程!
GM:項目はこれだけですが
GM:手番有り余るからそうですね……
GM:余った人は戦力についてを
GM:追加で調べることが出来て
GM:敵シンドロームとかが分かる感じで行きますか
木花時雨:おおー
GM:必須は今の2つだけ!
風花春悠:やったね
GM:社会補正ついてる人は活用してね~
鈴木千秋:ハル先輩に《支援射撃》 ダイス+4です。
鈴木千秋:78→80
木花小夜:目的について、本体が情報収集チームを使って、情報:FH。
木花小夜:6dx+5>=12
DoubleCross : (6R10+5[10]>=12) → 8[4,5,6,6,7,8]+5 → 13 → 成功

木花時雨:流石姉さんっ
風花春悠:優秀……
風花春悠:鈴木の支援を受けつつコネ:UGN幹部使用で戦力について振ります
風花春悠:9DX+4>=9
DoubleCross : (9R10+4[10]>=9) → 10[5,6,6,6,6,7,8,8,10]+1[1]+4 → 15 → 成功

木花時雨:つよい。
鈴木千秋:つよよ
木花時雨:追加の戦力調査を。コネUGN幹部起動。
木花時雨:5dx+1=>9
DoubleCross : (5R10+1[10]>=9) → 8[2,2,3,4,8]+1 → 9 → 成功

木花時雨:ギリギリ成功。
風花春悠:えらい
鈴木千秋:やったね先輩。これは2人の成果だよね?
鈴木千秋:ナイス時雨ちゃん!
GM:追加はちょっと待って~
GM:情報開けるね先に
木花時雨:はーい
鈴木千秋:ワクワクー
・“マアト”セルの目的(1)
セルのやろうとしていたことは2つ。
一つは市内各所への爆弾の設置。これはいくつかの目的を持つが、主には陽動。
それから、支部の戦力把握と、後述の作戦目標から戦力を分断すること。
二つ目は早川なつみの確保。オーヴァードでありながらアイドルとして衆目の知名度を引く彼女を使い、
少年兵を使用する秘密組織の存在を公共の電波で糾弾させることが目的。
だが、後者については、ただやろうとしてできるものではなく、実現性には疑問が残る。
ここまでは木花小夜に与えられていた情報。
GM:ここまでが難易度9の情報。
・“マアト”セルの目的(2)
ただ放送するだけでは、UGNの電子監視網に捉えられて終わる。
その機能に打撃を与えるとともに、記憶処置しきれないほどの、衝撃的な映像を流す必要がある。
それが市内での爆弾テロによる破壊活動計画。爆弾は陽動ではなく、本命の作戦の一部。
処置能力に限界を与えたところで、同時放送により負荷をかけて防衛網を突破する狙い。
また、そのためには、“組織に利用されていた凄惨な少年兵”の象徴が必要。
怪物的な姿に変じて交戦する、遺産継承者との交戦をも撮すことも、計画に含まれている。
GM:こちらが難易度12の情報。
・“マアト”セルの戦力
セルリーダーと4人のチルドレンで構成されたさほど大きくないセル。
現状、それと思しき部隊は、君たちの元へと向かってきている。
だが、周辺で数件の爆弾処理に追われ、対応可能人員は君たちの他にない。
■メンバーリスト
“ガンマ・ドラコニス”
“ベータ・オリオニス”
“デルタ・サジッタリ”
“アルファ・タウリ”
“ラムダ・スコルピ”
GM:手番の余っている人は
GM:この中から選んで情報を収集することも出来ます
木花時雨:成程…難易度技能などは…
GM:難易度は〈情報:UGN,FH,裏社会〉8。
木花時雨:了解です。
木花時雨:ではまずアルファ・タウリを。情報UGN,コネ幹部起動。
木花時雨:5dx+1=>8
DoubleCross : (5R10+1[10]>=8) → 7[1,3,6,6,7]+1 → 8 → 成功

木花時雨:技能分で成功するねきみ。
鈴木千秋:やった!じゃあラムダいきます
鈴木千秋:3dx+3>=8
DoubleCross : (3R10+3[10]>=8) → 6[1,4,6]+3 → 9 → 成功

鈴木千秋:出来る後輩
夏川早苗:ガンマ行きます。
夏川早苗:要人への貸しを起動して《紡ぎの魔眼》判定ダイス+6個。
夏川早苗:夏川早苗の侵蝕率を+1した(侵蝕率:93->94)
夏川早苗:9dx>=8
DoubleCross : (9R10[10]>=8) → 10[1,1,2,5,6,6,6,8,10]+5[5] → 15 → 成功

木花小夜:従者がベータ狙いで。
木花小夜:8dx>=8
DoubleCross : (8R10[10]>=8) → 10[1,1,1,2,8,9,9,10]+6[6] → 16 → 成功

GM:じゃあデルタ以外は空きますね
・“ガンマ・ドラコニス”
セルリーダー。天頂の星を意味する、りゅう座γを冠す男。バロール・ノイマンの、自らも前線に立つタイプと目される。
・“ベータ・オリオニス”
巨人の足を意味する、オリオン座βを冠すチルドレン。ノイマン・オルクス・ウロボロス。高速機動からの奇襲を得手とする。
・“アルファ・タウリ”
あとに続くものを意味する、おうし座αを冠すチルドレン。ハヌマーン・オルクス・ソラリスの、完全な後方支援タイプ。
・“ラムダ・スコルピ”
尾をもたげた蠍を意味する、さそり座λを冠すチルドレン。オルクス・ソラリスの爆破能力者。爆弾の作成元と思われる。
GM:情報は以上!残り1人は詳細不明です


GM:【千尋沢高校 体育館】
GM:捜索ユニットが爆弾を発見。
GM:爆弾の処理自体は終えたが、後処理部隊の到着が遅れている。
GM:他にも複数箇所で、爆発を伴う状況処理が発生しているとの連絡。
GM:支部のキャパシティが追いついていない。
GM:それどころか、電話口で告げられたのは、
GM:敵部隊の接近の報であった。
風花春悠:「いよいよ本腰を入れてきたか……」通話を切り、息を吐く。
風花春悠:任務の緊張感は保ったままだが、これまでのような刺々しい空気は無い。
木花時雨:「と、なると。相手が本格的に動いてきた?」
木花小夜:「……私が失敗したことが、伝わったんでしょう」
風花春悠:「だろうな。接近中の敵は5人。情報にあるセルの人数と同じ。総出で来てる」
風花春悠:「支部は完全に混乱してる。どこも手一杯で、増援は望めそうにない」
木花時雨:「だとすると…夏川さんの確保も、姉さんの回収も狙ってるのかな…?」口元に指を当てつつ。
風花春悠:「……俺たちだけでやるしかないな」
木花小夜:「私をわざわざ回収するとは思えない。彼らの目的と、関係ないもの」
木花時雨:「ん、了解。……むう。そういうのではない、んだね。わかった」
木花小夜:「早川なつみは。いえ。夏川早苗は、まだ狙われてると思ったほうがいいと思うけど」
夏川早苗:「なるほど。じゃあ、小夜姫も気兼ねなく相手をぶっ飛ばせるわね」
鈴木千秋:「ぶ、物騒~」
風花春悠:「その『目的』だが」
夏川早苗:「あぁ。私が大演説ぶち上げるという目的自体は、本当なんだっけ」
風花春悠:「……どうなんだ?小夜。前に言ってた通り、やっぱり公共の電波での暴露と糾弾が狙いなのか?」
風花春悠:暗に、そうとは思えない、と言っている。
木花小夜:「ええ、そこまでは間違いない。ご丁寧に“マアト”なんて名乗ってるのは、そのため」
木花時雨:「…でも、姉さんが聴いてた所までだと、到底上手くいかないはず。という事は」
風花春悠:「……何か秘策でもあるのか?」
木花時雨:「上手くいかせる方法を、少なくとも彼らがそう考えるものがある…と思うんだけど」
木花小夜:「……」
木花小夜:「……」
木花小夜:「……アメミト」
風花春悠:「……?」
鈴木千秋:「なんだっけ、それ?」
木花小夜:「それが必要だって、言っていたのを、聞いた覚えがある」
木花時雨:「…?古代エジプトの冥界裁判の霊獣…だっけ?」
風花春悠:「よく知ってるな、そんなの……」
木花小夜:「ええ。“マアト”の羽根と、死者の心臓を天秤に乗せて」
木花小夜:「罪が重ければ、アメミトがその魂を貪り食う」
木花小夜:「……神話学体系、春悠、成績良くなかったもんね……」
風花春悠:「こんなに使うことになるとは思ってなかったんだよ……!」
鈴木千秋:「先輩、勉強が趣味なのにね?」 にまにま
木花時雨:「魂が本来永遠である古代エジプトでは、それは最悪の刑罰として恐れられてる、んだっけ。…ま、まあ。こういうのは補えるから」
風花春悠:「ともかく……そのままの意味じゃないよな。コードネームか? それとも、遺産か何かか?」
木花時雨:「いつでも聞いてくれていいから、ね?ほら話…」
夏川早苗:「まぁ……苦手なことって誰にでも有るわよね」
木花小夜:「とにかく、“真実”をただ知らしめるだけじゃなくて」
木花小夜:「象徴が必要なのよ。真実により衝撃を与える、なにかが……」
木花小夜:「チルドレンの欺瞞を糺すための……」
木花時雨:「………象徴、ってなると。じゃあこの場合は…」
木花小夜:「じゃあそれは、戦わされるチルドレンそのもので……」
木花小夜:「……」
木花小夜:「……っ」
木花小夜:「嘘……」
木花小夜:「もしかして……いや、そんなの……」
風花春悠:「おい……何だよ?どうした?」
風花春悠:「落ち着け。何か分かったのか」
木花小夜:「敵の、もう一つの狙いは……」
木花小夜:「君かもしれない……」
風花春悠:「……」
風花春悠:「……俺……?」不可解な表情。
風花春悠:「どういうことだよ……?」
木花小夜:「オーヴァードアイドルの暴露だけじゃない」
木花小夜:「戦わされる、チルドレンの画を使おうとしてるんだ、あいつら……!」
木花小夜:「あいつらは、春悠を……碑にしようとしてる!」
木花小夜:「誰もが恐れる、“シンダーブレイズ”に!」
風花春悠:「……ッ……」
木花小夜:「ダメだ……!」
木花小夜:「戦っちゃダメ!」
木花小夜:「私、私は……!」
木花小夜:「こんな……計画に、手を……!」
風花春悠:「……」
風花春悠:そうだ。自分はこれまで、敵に恐怖を与えようとしてきた。力と脅威を示し、恐怖を刻み込めば、いずれ“シンダーブレイズ”に向かってくる敵はいなくなるだろうと思っていたから。
風花春悠:だが、その結果がこれだ。これまで重ねてきたことは、新たな敵を招くだけだった。現にこうして今、自分の存在の為に仲間を危険に晒そうとしている。
夏川早苗:ぴぃー
夏川早苗:ぴっ ぴっ ぴっ
夏川早苗:《万能器具》ホイッスルを作成。
夏川早苗:空気にそぐわない、軽い笛の音が響く。
夏川早苗:「まずは落ち着いてくれるかしら、二人共」
風花春悠:「……」思わずそちらを向く。
木花小夜:「……っ」
木花小夜:「……ごめん。取り乱しても仕方ないのに……」
夏川早苗:「ベテラン2人がオロオロされたら、一番新人の私が動けないの。おわかり?」
夏川早苗:「………"恵まれない子どもたちに愛の手を"」
夏川早苗:「確かに。可哀想だと同情を引くのなら、本人以上に、確実な"物証"はないでしょうね」
夏川早苗:「………それで?」
夏川早苗:「私達は一体これから、どうするのかしら?」
夏川早苗:動揺している2人に。そして何かを切り出そうとしていた別の2人に、目線を向ける。
木花時雨:溜息。変に遠慮するんじゃなかった。
木花時雨:「うん。状況ははっきりしたよね。じゃあ、」
木花時雨:「これから、相手の目的を阻止して。こっちが勝つために、どう動こう?」
風花春悠:「……ああ」瞑目し、息を吐く。「今考えるべきは、それだな」
木花時雨:「うん。相手の言うことやることで、作られた状況に飲まれてちゃ、勝てるのも勝てない」
木花時雨:「教官もそう言ってたよね?」くすりと笑いながら。
木花時雨:「ほら。しっかりして、隊長さん」
木花時雨:ぽん、と軽く拳で胸元を叩く。
風花春悠:「……ああ。悪かった」頷いて。
木花時雨:「ん。ショックなのは分かるから。慰めるのは後でいい?」冗談めかしてからかうように笑う。
風花春悠:「い、いい、大丈夫だって……!」どことなく慌てて。
風花春悠:「……小夜も。今更そんなこと気にしなくていい」
木花時雨:「はぁい」
夏川早苗:「(なんか、言い方がエロね)」
木花小夜:「でも……」
木花小夜:「これ以上、苦しめたくない……」
鈴木千秋:では、そんな小夜さんをきゅっと抱きしめて
鈴木千秋:小夜姫の後ろ頭に回した手で、良い子良い子します。撫で撫で
鈴木千秋:「小夜姫は良い子だね……。良い子良い子……」
鈴木千秋:「小夜姫がハル先輩の事を心配してるのは分かるよ。じゃあ、どうしよっか?先輩の事、どこかに隠しちゃう?」
木花小夜:「……いい子なわけないでしょ……」されるがまま。
木花小夜:「それも一つの手だとは思う。4人で迎撃する」
木花小夜:「いや、夏川さんもか。3人……」
木花小夜:「いや、やっぱ時雨も後ろに……2人……」
木花時雨:「3対5は結構厳しい……って姉さん……」半目で。
木花小夜:「いや、2人だと鈴木さんの負担が……」
鈴木千秋:「鈴木と2人で頑張ろっか?ふふ、それも良いけど、姫だって気づいてるっしょ?」
鈴木千秋:「先輩はそんなの望んでないって。先輩は、小夜姫もしぐちゃんも傷つく姿を見たくないって」
木花小夜:「……」
鈴木千秋:「きっと『この状況は自分のせい』だなんて思ってる先輩だしなー」
木花小夜:「分かってる。分かってるよ」
風花春悠:「そ……そんなこと……」口籠る。
木花小夜:「誰のせいでもない。世界のせいでさえない」
鈴木千秋:「先輩、やっぱり嘘が下手」 くすくすと
木花時雨:「…まぁだ頼ってくれないんだ」ぼそっと。
木花小夜:「ただ、守るために、全力でなきゃいけない……」
風花春悠:「……小夜。俺を苦しめたくないって言うなら、あんまり落ち込まないでくれ」
風花春悠:「そっちのがキツいんだよ。分かるだろ?」
木花小夜:「……ごめん。お互い、分かってたはずなのにね」
木花小夜:「こうなっちゃうんだよな、私たち」笑って。
木花小夜:「もうやめにしよう。お互いにね」
鈴木千秋:「……みんな一緒じゃん?自分よりも、守りたい人がいる。……みんな、同じだよ。だから、全員で戦おう?死んじゃダメだかんね。全員で、生きるの」
鈴木千秋:「無事に終わったらさ。乾杯でもしよっか?みんなで」
木花小夜:「ええ、あれよね」
木花小夜:「タピ……」
木花小夜:「……」
木花小夜:「……なんだっけ」
鈴木千秋:「……なんだっけー?」先輩と時雨ちゃんを見る。同じ“チルドレン”である2人を。
風花春悠:「……タピオカ。もう流行も終わってるけど……」
風花春悠:「……そうだな。経費は出ないだろうが。奢るよ、隊長として」
木花時雨:「まだまだ、お勧めのお店はあるんでしたね、鈴木さん。じゃあ、其処で」
木花小夜:「後輩に奢らせるわけ無いでしょ。先輩に奢らせなさい」
風花春悠:「へえ、いいのか?木花先輩」
木花小夜:「愛する後輩たちのためなら、ね」
鈴木千秋:愛する後輩“たち”。その発言を聞いて、嬉しくて小夜姫の頭を再びなでなでします
夏川早苗:「素敵な先輩がそういうのなら、奢って頂くのがいい後輩、かしらね。」
夏川早苗:「…………ふう」わざとらしくため息をつく。
夏川早苗:「というか、アレね。風花くんを時雨さんが励まして、小夜姫を千秋さんが抱きしめて」
夏川早苗:「そもそも狙われてる私のことは、だーれも心配してくれないのよね」
夏川早苗:「悲しいわー。あーあ。泣いちゃおっかな」
木花時雨:ふ、とどこか力が抜けた笑みを姉に向けて。
夏川早苗:妙に通る声の棒読みで嘆く。
木花小夜:「……え、あ、いや……!」
木花時雨:「あ……ええと、その。さっきの啖呵を切った人なら大丈夫かな…って……ええとごめんなさいっ」
風花春悠:「いや、そ、それは大前提であって……!なあ!?」
木花小夜:「違うって……!その、追加でもう一個頼んでもいいから……!」
木花小夜:「あ、いや、アイドルだったら稼いでるから意味ないかな……!」
鈴木千秋:「鈴木たち、さなちゃんの事好きだよ?LIKEじゃなくてLOVEだよ?」
夏川早苗:「………………ふふっ」皆の慌て振りを見て、こらえきれず笑う。
夏川早苗:「ごめんなさい。冗談です。ちょっといじわるをしました」
夏川早苗:「だって皆、私抜きで楽しそうなんだもの」
夏川早苗:「そして、そんな皆が、私を守ってくれるんでしょう?だから」
夏川早苗:「私だって、皆を応援するわ」
夏川早苗:「……あまり経験はないのだけど、良いものね」
夏川早苗:「仲のいい皆で。協力して一つの目標に向かって頑張る、ってのは」
夏川早苗:両手でメガネを外して。ふ、と。
夏川早苗:口元を緩めるように笑う。
風花春悠:「ああ。必ず全員、無事に帰ろう」
風花春悠:「……小夜。“マアト”セルがどうやって戦闘を撮影、発信するつもりなのか、心当たりは?」
木花小夜:「被害さえ起こせば、誰かが勝手にやってくれるってことだと思う」
木花小夜:「報道局だけじゃない。火種なんて、野次馬の携帯電話で十分」
木花小夜:「火種が小さくても、火勢が強ければ、広がるから……」
風花春悠:「……そうか。その部分を断てればいいと思ったんだが、難しそうだな」
木花小夜:「大丈夫。誰も、犠牲にならなければいいんだから」
木花小夜:「火種さえ、一切。渡さなければいい」
風花春悠:「分かった。結局、最善を尽くすしかないってことだな」
風花春悠:「まあ、いいさ。嫌われるのには慣れてる」
風花春悠:「そいつらが俺を利用する気なら、足りなかったんだろうな」
風花春悠:「思い知らせてやる。“シンダーブレイズ”に手を出すのが、どういうことかってな」


GM:シーン終了。
木花時雨:ロイス。“マアト”セル 〇怒り/無関心 で。これで全枠埋まり。
夏川早苗:ロイスは1枠開けて保留。以上です。
木花時雨:以上です。
風花春悠:ロイス満杯なのでなし!
鈴木千秋:ロイスは保留。以上でっす


【クライマックス】

GM:【クライマックスフェイズ】
GM:全員登場を。
木花時雨:木花時雨の侵蝕率を+10(1d10->10)した(侵蝕率:90->100)
鈴木千秋:1d10+80
DoubleCross : (1D10+80) → 9[9]+80 → 89

夏川早苗:夏川早苗の侵蝕率を+3(1d10->3)した(侵蝕率:94->97)
風花春悠:71+1D10
DoubleCross : (71+1D10) → 71+5[5] → 76

GM:【深夜 千尋沢高校】
GM:待ち受ける君たちの前に、5人の人影が現れる。
ガンマ・ドラコニス:「こちらは、“マアト”セルのリーダー、“ガンマ・ドラコニス”だ」刀を履いた青年。
ガンマ・ドラコニス:「聞こえているな、UGNの諸君!」
ガンマ・ドラコニス:「我々は、君たちとの交渉を求める!」
風花春悠:「……真正面から来て、何事かと思えば」
風花春悠:「交渉だと?」
風花春悠:険しい表情で青年を見据える。
ガンマ・ドラコニス:「そうだ!我々は無用の血が流れることを求めては居ない!」
ガンマ・ドラコニス:「平和こそ、最も尊ぶべきものだろう?」
アルファ・タウリ:「……意味があるとは思えませんね」傍らの青年がつぶやく。
木花時雨:「市内での爆弾テロを仕掛けておいてよく言いますね…」右手を上に開きつつ。
ラムダ・スコルピ:「まあ、やらせておけばいいんじゃないですか」小柄な少女が呆れたように。
風花春悠:「……一応、用件は聞く。具体的には?」
ベータ・オリオニス:「早川なつみの身柄と、遺産――“錫の兵隊”の引き渡し」幽鬼のように佇む少女が代わりに答える。
デルタ・サジッタリ:「あれ?裏切り者は条件に入れなくていいんですか?」快活そうな少女は首をかしげる。
木花小夜:「……戻る気はない」
ガンマ・ドラコニス:「ああ、非常に残念ではあるが……我々に賛同できないのならば、仕方がない」
ガンマ・ドラコニス:「いずれ理解する時が来るだろうさ」
風花春悠:「返す気も無いがな」
風花春悠:「……早川なつみは分かる。“錫の兵隊”をどうする気だ」
ガンマ・ドラコニス:「決まっている」
ガンマ・ドラコニス:「それに食わせるんだよ。さまざまな形質のレネゲイドを」
風花春悠:「……何だと?」
風花春悠:右手に目を落とす。
風花春悠:怪物じみた自分の姿を映像に収めるだけが狙いではなかったのか。
ガンマ・ドラコニス:「それは、そうやって、殺めたものを蓄えるものだろう?」
ガンマ・ドラコニス:「そして、破綻させる。その時の持ち主は、別に」
ガンマ・ドラコニス:「君でなくてもいい。君でもいいがね」
風花春悠:「……破綻……」
木花時雨:「……そんなことの為に?ひかるさんの……それを?」
鈴木千秋:「……なんだ、全然わかってないじゃん。“錫の兵隊”がレネゲイドを食らって、持ち主を破綻させる?」
木花時雨:声が酷く冷えているのが分かる。ぎぢ、と指に力が籠った。
鈴木千秋:「それは、先輩に破綻なんか起こさせないよ。……監視役が断言する」
鈴木千秋:「その手がもたらすものは破綻なんかじゃなくて。もっと大事なものを掴める手なんだから」
木花時雨:「……チルドレンを守るために、その当のチルドレンのものを捧げさせるの?」
木花時雨:「ふざけないで」
木花時雨:「何度、奪ったら気が済むの。何度、辛い目に合わせれば満足するの?いい加減にしてよ」
木花時雨:「ひかるさんも、春悠くんも、あなたたちの都合のいい人形なんかじゃない…!」
ガンマ・ドラコニス:「これで最後の1回だとも。腕を切り離すか、自らが碑になるか」
ガンマ・ドラコニス:「君のやりたい方を選ぶといい」
夏川早苗:「無用な血を流したくない、と言ったわね。素敵な平和主義者だわ、ミスターブシドー」
夏川早苗:「その言い草。ならば遺産の持ち主の破綻は『有用な流血』と言った所かしら」
夏川早苗:「自分の大事なものだけが有用と言ってのける、お綺麗な弁説と自信。舞台度胸に惚れ惚れするわ」
夏川早苗:「アイドルに興味はない?───そのほうがよっぽど大成出来そうよ、貴方」
ガンマ・ドラコニス:「君と舞台に立つのもいいだろうな。そこで私は、この世界の欺瞞を糾弾してみせるとも」
夏川早苗:「あぁ、良いわね。でも一つ、訂正しなきゃいけないのよね」
ガンマ・ドラコニス:「……何かな?」
夏川早苗:「偶像(アイドル)は、素敵な欺瞞を売るものなのよ」
夏川早苗:「真実を伝えたいなら、本でも書きなさい」
夏川早苗:「実写化の際のオーディションはご贔屓によろしくね?」
夏川早苗:口元に手を当てて、くすりと微笑む。
デルタ・サジッタリ:「あーらら。口説きそこねてますねえ」
アルファ・タウリ:「あのような美女を。もったいない男だ」
木花小夜:「……あなた達の思いは、多分」
木花小夜:「間違ってない。この世界は、どこか、歪んでしまっていて」
木花小夜:「でも、それを正すためなら」
木花小夜:「誰かの犠牲も構わないなんて、そんなの」
木花小夜:「そっちのほうが、よっぽど、おかしい」
ベータ・オリオニス:「裏切り者が、よく口が回る……」
ガンマ・ドラコニス:「……まあ、仕方ありませんね」
ガンマ・ドラコニス:「見てもらうほうが、早いでしょう」
ガンマ・ドラコニス:「お願いしますよ。彼らに夢を」
アルファ・タウリ:「仰せのとおりに。では、お見せするとしましょうか」
アルファ・タウリ:Eロイス『虚実崩壊』。
GM:君たちは幻像(ゆめ)の世界へと囚われる。
GM:クライマックス戦闘を開始します。


GM:クライマックス戦闘のルールを説明します。
GM:君たちは現在、幻覚の世界へと囚われています。
GM:この世界では、クリンナップ終了時に
GM:衝動判定が発生します。
GM:難易度は9。これに成功すれば、世界からの脱出が可能です。
GM:脱出できない場合、次のラウンドも衝動判定を繰り返す形となります。
GM:また、脱出したキャラクターは、次のラウンドからは
GM:救出判定が可能です。〈知覚〉〈意志〉〈交渉〉7に成功で、
GM:指定したPCの意志判定の達成値に+3。
GM:また、脱出困難(このままではジャーム化するかも)と判断した場合
GM:撤退も可能です。即座にバックトラックを行い、クライマックス戦闘から除外されます。
GM:全員の幻覚世界が終了(5人共に脱出or撤退)したら、あらためて、クライマックス戦闘が始まります。
GM:夢の内容は、5人ともバラバラなのですが、
GM:風花くんの夢だけ暫定的に演出しましょうか。
GM:----
GM:---
GM:--
GM:-
GM
GM:-
GM:--
GM:---
GM:----
GM:夢を見ている。
GM:自分だけが、それを俯瞰して見ている。
GM:それは、あるファミリーレストラン。
GM:“私たち”は、久しぶりに会うことになった。
木花小夜:「ごめん、遅れた……」3人のいるテーブルに、黒髪の女性が現れる。
木花時雨:「ううん、全然待ってないから大丈夫」銀にも見える、雪のような白い髪の女性が応えて。
鈴木千秋:「姫、おっそーい!」 艶のある茶髪をなびかせながら、1人の女性は顔をあげう
木花小夜:真紅のメッシュはない。黒く染め直した。
木花小夜:「ちょっと説明会が……っていうか」
夏川早苗:「こっちもいま来たところよ、姫。料理がだけどね。」黒い髪を一本に纏めた女性が、ヒラヒラと手を振っている。
木花小夜:「まだ、姫って呼ぶの……?いい加減恥ずかしいんだけど、それ」
風花春悠:「……」ぼんやりと。実体のない意識だけで、その様子を見ている。
風花春悠:また、普段見ている悪夢かと思う。だがそれにしては、あまりにも────
木花時雨:「もう聞き慣れちゃったなあ…いつからだっけ、それ呼出したの」
鈴木千秋:「3年前、くらい? あはは、あれから色んなことがあったよねー」
木花小夜:「会ったときからよ。千秋と、早苗と」
夏川早苗:「いつから……っていうと。私は小夜って読んだ回数の方が馴染みがないからねぇ」
木花時雨:「うーん、これはもう定着してるし……わたしもそう呼んだ方がいいのかな?」くすりと悪戯っぽく。
木花小夜:「ええ……まさか、あんな大事になるなんて」
夏川早苗:「3年も呼べば、高校生活終わっちゃうものね。早いもんだわ」
GM:あの事件の折。
GM:UGNチルドレンの存在が、明るみに出て。
GM:世間の困惑と非難の中、そのシステムは緩やかに解体された。
GM:レネゲイドの存在も明るみに表出して。
GM:現在は、UGNの後釜組織が、成人の公務員として、レネゲイド関連の治安維持を担っている。
木花時雨:「あんなにごたごたして、一体どうなるかって思ったら……もう今は平和で、みんな華の大学生だもんねえ…」
夏川早苗:「意外と、明かされてみると皆慣れるものなのよね」
木花時雨:「あんなにいっぱい悩んだりごちゃごちゃしてたんだけどなー」コーヒーを、マドラーでかき混ぜて。
夏川早苗:「おかげさまで私も忙しいったら無いわ」
夏川早苗:メロンソーダに口をつける傍ら、片手でこまめに台本らしき束をチェックしている。
鈴木千秋:「売れっ子現役アイドルだもんねー」
木花時雨:「今やスターダムだもんねえ、早苗さん」
鈴木千秋:「今日は?時間大丈夫なの?」
夏川早苗:「大丈夫にしたわ。今もお仕事中」バサバサと本を振りながら。
木花小夜:「こないだのドラマ見たよ……すごいよかった」
木花小夜:「なんというか、その」
木花小夜:「よかった」
夏川早苗:「ふふっ、ありがとうね、姫」
木花時雨:「前のアルバムも買ったよー。追加曲すっごい好き。……今も?」こてんと首を傾げて。
夏川早苗:組んだ両腕に顎を乗せて。
鈴木千秋:「味気ない感想だなー。そんなんじゃ食レポできないよ?」と言って、姫にハンバーグをあーんさせたいです
木花小夜:「んむ」それを咥える。
夏川早苗:「その、チルドレンさんを主題にしたドラマの出演が決まったの。元UGNとして、レネゲイドの監修も合わせてね」
木花時雨:「あっ…ず、ずるい……!」
夏川早苗:「はい、姫。あーん」長いスプーンでクリームソーダのアイスを差し出す。
木花小夜:「熱……そういうの、撮れるようになったんだ」
木花時雨:「おお……。すっごい大役じゃないですか…って早苗さんも…!?」
木花小夜:「いや、まだハンバーグ入ってるから……!」
木花時雨:「姉さんにあーんするの、わたしの役なのにー…!」
夏川早苗:「残念。」時雨さんの方にスプーンを差し出す「あーん」
木花時雨:「はわっ……あ、あーん?」
夏川早苗:「そうそう、早苗さんも出演予定」「お陰様で、私、卒業したのにまたセーラー服よ。」
夏川早苗:舌の上にそっと冷たいクリームを乗せる。
木花時雨:あむ、と小さくアイスを口に。
鈴木千秋:「永遠の17歳だね。ひゅーひゅー」
木花時雨:「……つめた…おいし。そうですねえ、わたしたちで一番今若いんじゃないです?」
夏川早苗:「あら、じゃあ先輩たちに奢ってもらおうかしら」
木花小夜:「奢るわよ。先輩だもの、私」
夏川早苗:「しまった、ガチの先輩が居たわ」
木花小夜:「今日も遅くなったし……」
鈴木千秋:「せ、先輩……!」
木花時雨:「姉さん、お金大丈夫…?」
木花時雨:「わたしも出そうか…?」
夏川早苗:「………姫、そこまで困窮してるの?」妹に心配されてるのを見てちょっと不安顔
木花小夜:「大丈夫よ。チルドレンの退職手当と負傷手当、たくさん貰ってるから」
木花小夜:「こんなのまで貰えるなんて、思ってもなかった。あの頃は」
木花時雨:「そうだねえ…びっくり。こんなに待遇変わるんだ…って驚いちゃったな」
鈴木千秋:「これも……レネゲイドの存在が公開されたから?」
夏川早苗:「そうねぇ……命をかける度に手当をもらってたら今頃大金持ちだぜ、みたいな環境だったものね」
木花小夜:「そうね、もっと言えば……」
木花小夜:「私たちの境遇が、おかしいって。問題になったから」
木花時雨:「そうやって、伝えられて、取り上げられて、皆が正しく動いたから」
木花時雨:「こんなに良くなったんだよね」
夏川早苗:「そうね。私も当時は、関わったばかりだけど。」
夏川早苗:「同じ様に子供の頃から養成所に通って、その結果花開いたにしては」
夏川早苗:「預金残高の違い、すごかったものね」
木花小夜:「アイドルって、トップ以外は全然稼げないって言うしね」
木花小夜:「まあ今は心配ないんだろうけど……」
木花小夜:「……」
木花小夜:「これ、私が奢るべきなの……?」
木花時雨:「ミリオンヒットも出たしね…って姉さん…」苦笑して。
鈴木千秋:「せんぱい~。ゴチになりやっす」
夏川早苗:「姫先輩~、そんな殺生な~」
木花小夜:「いいけどさ……!」
夏川早苗:「姫のこと尊敬してるわ。マジマジ。超リスペクト。」
木花小夜:「嘘くさい……」
鈴木千秋:「あはは、良いんだ! 姫、チョロ……良い子だね~」
木花時雨:くすくすと、そうやって笑いあう姉さんと、早苗さんと千秋さんを見て笑っている。何の憂いもないかのように。
夏川早苗:「嘘じゃないわよですよ。次の役作りの参考にしたいぐらい。」
夏川早苗:「秘密を抱える主人公くんの前に現れる、ミステリアスな美少女転校生ですって。わぁ素敵。」
木花小夜:「転校生はやったけど……!」
木花時雨:「ふふふ…綺麗だもんねえ小夜姉さん」
夏川早苗:「さっすがぁ。そして、そんな転校生のプロの私生活を見ることで私は実質お仕事中というわけ」
木花小夜:「何言ってんの。時雨のほうが綺麗でしょ」
鈴木千秋:「そーそー。そんなキレイなのに。彼氏作らないの?」 木花姉妹に向けて
木花時雨:「それで仕事って言い張ってたの早苗さん…?」
木花小夜:「千秋こそどうなのよ」
木花小夜:「そういうの、自分からでしょ」
木花時雨:「そういう千秋さんこそ…ッと被っちゃった」
夏川早苗:「仲良し姉妹め」
木花小夜:「ふふっ」
木花時雨:「まあ実際仲いいですから?…ま、それは置いておいても、前千秋さんが告白されてるの見ましたよ~」
夏川早苗:「ちょいちょい惚気飛ばしてくるわよねこの子」
木花時雨:「うちの姉さんがこんなに可愛いので……」



GM:これは夢だ。
GM:たとえ君が、彼の思惑通りに動いたとて。
GM:こうなるとは限らない。
GM:だが、それでも――
GM:衝動判定が発生します。
GM:難易度は9。
風花春悠:まずジェネシフト。
風花春悠:76+2D10
DoubleCross : (76+2D10) → 76+13[3,10] → 89

風花春悠:衝動判定
風花春悠:4DX
DoubleCross : (4R10[10]) → 6[1,1,4,6] → 6

風花春悠:ぎゃあーーーっ
GM:失敗。侵蝕値上昇を。
風花春悠:89+2D10
DoubleCross : (89+2D10) → 89+18[9,9] → 107

風花春悠:うわーーーーっ
風花春悠: 
風花春悠:──良かった。
風花春悠:幸福そうな四人を見て、心からそう思う。
風花春悠:そうだ。争いの無い平穏な日々を。こんな光景を手にするために、自分はずっと戦ってきたのだから。
風花春悠:本当に、良かった。
風花春悠:安寧の中、意識は深く、更に深くへと沈んでいく。
風花春悠:ほんの少しも気にはならない。そこに自分がいないことなど。


GM:ほかのPCもそれぞれ、衝動判定をお願いします。
木花時雨:8dx+1=>9
DoubleCross : (8R10+1[10]>=9) → 10[1,4,4,4,5,7,9,10]+6[6]+1 → 17 → 成功

鈴木千秋:はーい
木花時雨:成功。
鈴木千秋:4dx>=9
DoubleCross : (4R10[10]>=9) → 9[1,5,9,9] → 9 → 成功

木花時雨:木花時雨の侵蝕率を+19(2d10->10,9)した(侵蝕率:100->119)
夏川早苗:7dx+4>=9
DoubleCross : (7R10+4[10]>=9) → 10[7,9,9,9,9,10,10]+7[1,7]+4 → 21 → 成功

鈴木千秋:成功!
夏川早苗:成功!
夏川早苗:夏川早苗の侵蝕率を+11(2d10->6,5)した(侵蝕率:97->108)
木花時雨:めちゃくちゃに効いてるの笑っちゃうんですよね
木花小夜:4DX>=9
DoubleCross : (4R10[10]>=9) → 9[2,3,5,9] → 9 → 成功

風花春悠:俺だけじゃん!!
GM:みんな成功しとる!
夏川早苗:ほんとですね。
木花小夜:侵蝕率+11(2d10->3,8) (侵蝕率:89->100)
鈴木千秋:2d10+89
DoubleCross : (2D10+89) → 13[7,6]+89 → 102

GM:では、君たち4人は、その夢から脱する。
GM:それは、ただの幻像だ。
GM:君たちは、目を覚ます。
木花時雨:手を握る。腕に走った亀裂が、夢の時には無かった痛みが、自分の居場所を教えてくれた。
木花時雨:頭を振る。振り払う。わずかに零れた滴と共に、甘やかな足引くそれを振り払い、立ち上がる。
木花小夜:「うう、ううう……!」
木花小夜:「“タウリ”……!あなたが、見せたの……!?」
木花小夜:「なんで……なんで……こんなっ……!」
アルファ・タウリ:「……おや。お早いお目覚めだ」
木花時雨:「……ひっどい夢だったよ」ぐしゃぐしゃになった顔で。
アルファ・タウリ:「もう少し、かかると思っていたのですが。“私たちに従った場合の未来”は、お気に召しませんでしたか?」
鈴木千秋:頬を撫でる。そこには、涙の痕。(……夢、だったのかな) 頭を振り払い立ち上がって。
木花時雨:「……」奥歯を噛む。
夏川早苗:「あぁ……………」「あぁ」ゆっくりと頭を振る。
木花時雨:「……都合が良過ぎ。きっと、ああはできない。ならない…」自分に言い聞かせるように。
木花時雨:「……ほんと。目が覚めても足を引くなんてさ…最悪だ」
夏川早苗:「……そう、夢か。夢なのね」
夏川早苗:「こういうことが出来るのね」「こういうことを、するのね」「便利なものだわ、レネゲイド」
木花小夜:「……春悠」
木花小夜:「……春悠は……?」振り向き。
風花春悠:「……」
風花春悠:ただ無言で立ち尽くしている。瞳は虚ろで、返事はない。
アルファ・タウリ:「どうやら、彼にとっては、そうではないらしい」
木花時雨:「………」こちらも振り向いて。その様子に、痛ましいものを見るように――また同時に、苦虫を噛み潰したような顔で。
鈴木千秋:「鈴木はあんな未来なんて嬉しくない。……早く先輩を戻さないと」
アルファ・タウリ:「何を見ているのかは、私にも知りえません。彼自身の描く、演算ですからね」
木花小夜:「春悠っ……!」
鈴木千秋:「先輩!ハル先輩……!」
夏川早苗:「…………………風花くん。」夢に囚われた風花くんを見る。
木花時雨:「……貴方達のこと、嫌いだったけど」「今、もっと嫌いになったわ」
木花時雨:皆を背にして、独り向き合うように立つ。
夏川早苗:「素敵な脚本家みたいね、貴方。………それとも、演出家かしら。どっちでも良いけれど。」
夏川早苗:「嫉妬を覚えるわ。」
アルファ・タウリ:「嫌われてしまいました。美女に嫌われるのは堪えますね?」
夏川早苗:「うん。少し、叩き潰したくなった。」
アルファ・タウリ:「君のせいですよ」
ガンマ・ドラコニス:「知りませんよ、そんなことは。だが、これで」
ガンマ・ドラコニス:「目的は達せられそうだ。彼に、夢を見る気持ちが、残っていて嬉しいものだ」
ガンマ・ドラコニス:「実に――子供らしい」
GM:1ラウンド目終了。


GM:2ラウンド目。
GM:脱出した4人には、救出判定が可能です。
木花時雨:はいー。意思で挑戦します。
GM:〈知覚〉〈意志〉〈交渉〉7に成功で、指定したPCの意志判定の達成値に+3。
夏川早苗:風花くんに救出判定。意志で。
木花時雨:8dx+1=>7
DoubleCross : (8R10+1[10]>=7) → 10[1,2,2,2,4,8,9,10]+1[1]+1 → 12 → 成功

夏川早苗:8dx+4>=7
DoubleCross : (8R10+4[10]>=7) → 10[2,3,4,7,7,8,10,10]+5[2,5]+4 → 19 → 成功

木花小夜:交渉で救出判定。
鈴木千秋:知覚で判定
鈴木千秋:7dx>=7
DoubleCross : (7R10[10]>=7) → 6[1,1,2,5,6,6,6] → 6 → 失敗

鈴木千秋:す、鈴木?
木花小夜:11dx+3>=7
DoubleCross : (11R10+3[10]>=7) → 10[1,2,3,5,5,7,7,8,10,10,10]+7[1,2,7]+3 → 20 → 成功

夏川早苗:姫すご
GM:では、これで補正値が+9!
鈴木千秋:では、先輩に《支援射撃》。ダイス+4します。
鈴木千秋:おきろー
鈴木千秋:103→105
風花春悠:マイナーで暴走解除
風花春悠:メジャーで意志判定
風花春悠:9DX+9>=9
DoubleCross : (9R10+9[10]>=9) → 9[4,4,5,6,7,7,8,9,9]+9 → 18 → 成功

風花春悠:侵蝕もか……!
風花春悠:107+2D10
DoubleCross : (107+2D10) → 107+8[4,4] → 115

GM:OK。では、脱出に成功。
風花春悠:「……」
風花春悠:敵を前にして、無防備に立ち尽くしている。
風花春悠:対精神攻撃の訓練は受けている。そのような敵も何度も倒してきた。
風花春悠:だがそれでも。自らの求めた幸福から、抜け出すことは出来ない。
鈴木千秋:‾‾‾‾その時、どこかから声が聞こえる
鈴木千秋:「……パイ!」 「……センパイ!」 「……先輩!!」
風花春悠:「……」
鈴木千秋:いつも君の名を呼ぶ後輩が。いつもとは違う悲しみを帯びた声で君を呼ぶ。
鈴木千秋:「先輩……」「起きてよぅ……」 ぽたり、と君の胸に暖かい雫が落ちるのを感じるだろう。
風花春悠:後輩の声が聞こえた気がして、振り返る。そこには誰もいない。
風花春悠:おかしな話だ。鈴木なら目の前にいるというのに。あんなに楽しそうに笑って。
木花時雨:敵と向かい合うようにたったまま。
木花時雨:ただ、伸びた影が、キミの其れと重なって。
木花時雨:「……春悠くん」
木花時雨:「……見続けたいくらい、いい夢なんだろうね。きっとみんな幸せなさ」それは、どこかあるはずのない暖かさを感じさせたかもしれない。
木花時雨:「…いいよ。見て居たいなら、見ていて。きみがそうしたいなら」
木花時雨:「わたしが、代わりにやってみせる。きみがしてきたことを継いで、きみが休めるように」優しく囁くような言葉。
木花時雨:「……でも、それでいいの?きみがしてきたことは、歩いてきた道は、」
木花時雨:「それで、諦めていいの?……それなら、わたしが貰っちゃうよ」
風花春悠:「……」
風花春悠:姉と共にはしゃぐ時雨の顔を見る。
風花春悠:良かったと思う。あの笑顔を守ることが出来たなら、自分がやってきたことも報われると。
風花春悠:そう思って────。
風花春悠:(…………)
風花春悠:何か、違和感を覚える。
夏川早苗:左手に、誰かが触れているような感覚がある。
夏川早苗:柔らかく小さな指が、君の指を一つずつなぞるように。
夏川早苗:「風花くん」
夏川早苗:「素敵な夢を、見ているのかしら」
夏川早苗:「それはきっと、貴方が溺れてしまうぐらい、素敵な夢なのでしょうね」
夏川早苗:「だけど」
夏川早苗:「夢なら、私だって見せてあげるわ」
夏川早苗:「貴方一人が望んだ、どこまでも素敵な、優しい夢を超えるぐらい」
夏川早苗:「それ以上の、新しい夢を見せてあげる。」
夏川早苗:「私は貴方と一緒なら、それをやってみせる」
夏川早苗:「だから」
夏川早苗:キュ、と。大きな手の平を、2つの手で包むように。
夏川早苗:「……………お願い、風花くん」
夏川早苗:「戻ってきて」
風花春悠:「……」
風花春悠:芽生えてしまった違和感は、抑えようがない。
風花春悠:夏川さんはアイドルとして活躍しているらしい。オーヴァードとして争いに巻き込まれることもなく。
風花春悠:それが一番いいはずだ。それを望んでいたはずなのに。
風花春悠:目を背けることが出来ない。これは違う、と叫ぶ感覚から。
風花春悠:……嫌だ。
風花春悠:固く目を閉ざす。
風花春悠:これでいいじゃないか。この安寧こそ、何より欲しかった物のはずだ。
風花春悠:この光景を否定すれば。待っているのは、また────。
木花小夜:右手に――“錫の兵隊”に触れる。確かに、そこにある。
木花小夜:その手の平を、自分の心臓に寄せる。
木花小夜:「温かさ、感じるかな。もしかしたら、感じられないかもしれないけど」
木花小夜:「それでも、伝わると、信じる」
木花小夜:「……君の夢には、私は出てるのかな」
木花小夜:「……私は、そうであってほしいけど。もし、そうだとしても」
木花小夜:「君が居ないのなら、いやだ」
木花小夜:「だって、君と一緒に居たいんだよ。私は……」
木花小夜:「だから、お願い」
風花春悠:「……」
風花春悠:ぽつり、と。
風花春悠:どこかに小さな火が灯る。
風花春悠:それは瞬く間に燃え広がり、まるで古びたフィルムのように、その光景を焦がしていく。
風花春悠:炎の中、穏やかに微笑んだままの小夜の顔が、歪み、消えていく。
風花春悠:都合のいい悪夢(ゆめ)が、焼け落ちる。
風花春悠:「……」
風花春悠:風花は静かに目を開き。その時には既に、瞳は敵を見据えている。
風花春悠:「ごめん」
風花春悠:「迷惑かけた」
木花小夜:「そんなことない」
木花小夜:「一緒に、戦おう」
鈴木千秋:「……先輩、おっそーい!寝坊!」くしゃり、と顔を綻ばせながら。
木花時雨:ふ、と僅かに口元を緩めて。
木花時雨:「……いつでもどうぞ、隊長」今は仕事の時間だから、そう呼んだ。
夏川早苗:「………しっかり頼むわよ、隊長さん」
風花春悠:「……ああ」ほんの一瞬、張り詰めた表情から穏やかな微笑を浮かべ。
夏川早苗:「アイドルなんて、見てくれる人が居ないと、ただ可愛いだけなんだから」
風花春悠:「ありがとう、皆」
ガンマ・ドラコニス:「……戻りましたか」
ガンマ・ドラコニス:「……答えは?」
風花春悠:「……はッ」
風花春悠:獰猛で酷薄な笑み。敵に向ける、“シンダーブレイズ”の表情。
風花春悠:「嫌だね」


GM:クライマックス戦闘を、改めて開始します。
■MAP
 風花[2] 時雨[9] 鈴木[12]
 夏川[9] 小夜[6] 紅球[9]

     5m

 ガンマ[7] ベータ[13] デルタ[5]
   アルファ[4] ラムダ[4]
GM:配置はこう。
GM:衝動判定は実施済。
GM:セットアップから入りましょう。
木花時雨:なしです。
鈴木千秋:なしです!
風花春悠:無し。
夏川早苗:《原初の黄:先陣の火》自身の行動値+15。行動値は24に
夏川早苗:夏川早苗の侵蝕率を+2した(侵蝕率:108->110)
木花小夜:本体と従者が《氷の茨》。PCと自分たちを除く相手がエンゲージから離れた場合、LVD点のHPを失わせる。
木花小夜:木花小夜の侵蝕率を+6(侵蝕率:100->106)
デルタ・サジッタリ:《鮮血の奏者》。HPを減少させ、自分の攻撃力を上昇。
GM:他はなし。
GM:イニシアチブ行動はありません。
GM:そのまま行けば、夏川さんの手番。
夏川早苗:はい。マイナーで1m後方に移動、エンゲージを切ります。
■MAP
    夏川[24]

     1m

 風花[2] 時雨[9] 鈴木[12]
   小夜[6] 紅球[9]

     5m

 ガンマ[7] ベータ[13] デルタ[5]
   アルファ[4] ラムダ[4]
夏川早苗:メジャーで《C:バロール》《死神の瞳》《停滞空間》《因果歪曲》、判定前に《紡ぎの魔眼》。対象はガンマエンゲージの5体全員
夏川早苗:夏川早苗の侵蝕率を+1した(侵蝕率:110->111)
GM:OK。判定を!
夏川早苗:12dx7+3
DoubleCross : (12R10+3[7]) → 10[1,2,3,5,6,6,8,8,8,9,9,10]+10[2,2,3,4,8,8]+10[9,9]+10[3,9]+1[1]+3 → 44

GM:高いな~
夏川早苗:リアクションどうぞ!命中時、行動値0、次のダメージ+8D!
GM:全員ドッジをこころみます。
ガンマ・ドラコニス:4dx+1
DoubleCross : (4R10+1[10]) → 6[2,3,5,6]+1 → 7

ベータ・オリオニス:5dx
DoubleCross : (5R10[10]) → 10[2,2,8,9,10]+6[6] → 16

デルタ・サジッタリ:8dx+1
DoubleCross : (8R10+1[10]) → 10[1,1,1,3,4,8,8,10]+1[1]+1 → 12

ラムダ・スコルピ:4dx+1
DoubleCross : (4R10+1[10]) → 9[1,5,7,9]+1 → 10

アルファ・タウリ:4dx+1
DoubleCross : (4R10+1[10]) → 9[3,3,9,9]+1 → 10

GM:フーム、では
ラムダ・スコルピ:《領域の盾》。
ラムダ・スコルピ:自分に使用して、最速のベータをカバーリングしましょう。
GM:ベータ以外の4人は命中。行動値0、次のダメージ+8dに!
GM:演出どうぞ!
夏川早苗:はーい。
夏川早苗:「さて、」
夏川早苗:「見られているのなら、最高の仕事をしないとね」
夏川早苗:カツカツ、と地面をつま先で叩く。地面から影が染み出すような黒い泥がにじみ出る。
夏川早苗:うぞ、ぞ、ぞぞぞぞ。
夏川早苗:形を持たないバロールの魔眼。不定形の泥が積み重なり
夏川早苗:《万能器具》。スポットライト、緞帳、木組みの舞台を作成。
夏川早苗:その黒い泥に形が与えられる。舞台を。真紅の緞帳を。仮初のスポットライトを。
夏川早苗:ぱ、ぱ、ぱぱぱぱっ。
夏川早苗:夏川早苗の姿が映し出される。
夏川早苗:そのままふわりと、重力を無視するように跳んで舞台の上に。
夏川早苗:一人、スポットライトに照らされて、スカートをつまんでお辞儀をする
夏川早苗:『さあさあ皆様。今宵はお集まり頂きありがとうございます』
ベータ・オリオニス:「何を……」
夏川早苗:『此処から先は、どうかお見逃しないように』
夏川早苗:『皆さまを、夢の世界にお連れしましょう』
夏川早苗:緞帳が自動的に閉じる。舞台の上を少しの間、覆い隠し。
夏川早苗:────《万能器具》。
夏川早苗:そして改めて開かれるとき、舞台の上に新しい道具が存在している。
夏川早苗:黒光りする鉄の筒を円形に繋げ、ベルトのように銃弾を装填させた砲門。
夏川早苗:ガトリング砲。その数5丁。
夏川早苗:『それではカウントダウン。3,2、1───』
ラムダ・スコルピ:「ええっ!?」
ラムダ・スコルピ:「た、退避っ……!」
夏川早苗:舞台の上の少女が、赤と緑のカラフルなボタンを客席に向けて。
夏川早苗:『───ゼロッ』
夏川早苗:コンボ:【《ショー・マスト・ゴー・オン》】
夏川早苗:カチリ。
夏川早苗:──ドガガガガガガガッ!!
夏川早苗:コメディのように軽い音と主に、5つの砲門がうなりあげる
夏川早苗:5人に対して狙いをつけたガトリング砲が、弾丸ではなく、弾丸型に成形された黒い泥を発射する
夏川早苗:それはいくらオーヴァードと言えど、その体を蜂の巣に───────
夏川早苗:『────するわけでは、ないですが』
夏川早苗:弾丸の泥はそのまま付着し、固まり、ひたすら動きを阻害していく。
夏川早苗:それは無色の力の固まり。爆弾の導火線。
夏川早苗:外からの力に反応する、起爆前のレネゲイドの爆弾。
ガンマ・ドラコニス:「成程……これが、君の業か」
ベータ・オリオニス:「問題ありません。動けます」
デルタ・サジッタリ:「気持ち悪い~っ!」
夏川早苗:それが、命中した人たちを蝕んでいく。
夏川早苗:『…………うーん、やっぱり。これで撃ち抜けたら楽なんだけど』
夏川早苗:『やっぱりアイドルは、身体じゃなくて心を撃ち抜いてこそよねっ!それじゃ』
夏川早苗:『──皆、よろしくっ!』
夏川早苗:夏川早苗の侵蝕率を+13した(侵蝕率:111->124)
■MAP
    夏川[24]

     1m

 風花[2] 時雨[9] 鈴木[12]
   小夜[6] 紅球[9]

     5m

 ガンマ[0] ベータ[13] デルタ[0]
   アルファ[0] ラムダ[0]
GM:イニシアチブ。次は行動値で言えば、ベータの手番。
風花春悠:はい!
風花春悠:≪時間凍結≫を使用します
GM:OK!
GM:では風花くんの手番に!
風花春悠:HP30>10 侵蝕115>120
風花春悠:マイナーでコンボ【ハンド・オブ・グローリー】
風花春悠:≪骨の剣≫+≪死招きの爪≫
風花春悠:攻撃力+36の素手を作成します
風花春悠:侵蝕120>126
風花春悠:あ、間違い
風花春悠:≪氷の回廊≫も使用します
鈴木千秋:あ、メジャー前にやっておこう。 《支援射撃》 ダイス+5個。 巻き起こした風が炎を活性化するぞ。  浸食105→107
風花春悠:侵蝕は127、戦闘移動して敵エンゲージに入ります
風花春悠:支援をありがたく受け取る!
鈴木千秋:受け取って!
■MAP
    夏川[24]

     1m

  時雨[9] 鈴木[12]
   小夜[6] 紅球[9]

     5m

    風花[2]
 ガンマ[0] ベータ[13] デルタ[0]
   アルファ[0] ラムダ[0]
風花春悠:メジャーでコンボ【デッドマンズ・ドライヴ】
風花春悠:≪コンセントレイト :バロール≫+≪瞬速の刃≫
風花春悠:対象は“ラムダ・スコルピ”!
GM:OK!来な!
風花春悠:15DX7+9
DoubleCross : (15R10+9[7]) → 10[1,1,1,3,4,5,5,6,7,7,8,8,9,9,10]+10[1,3,4,5,6,8,9]+10[5,8]+10[7]+10[9]+2[2]+9 → 61

GM:高……
ラムダ・スコルピ:4dx+1 ドッジ
DoubleCross : (4R10+1[10]) → 7[3,5,5,7]+1 → 8

ラムダ・スコルピ:《領域の盾》。ベータに庇わせる。
風花春悠:何ーっ
GM:死神がなきゃ平気やろ……!ダメージを。
風花春悠:ダメージ!
風花春悠:7D10+36 装甲有効
DoubleCross : (7D10+36) → 41[5,8,9,1,1,9,8]+36 → 77

GM:えげつない威力出るね……?
GM:生存はしてる!
風花春悠:チッ!
風花春悠:侵蝕は127>132
風花春悠: 
風花春悠:敵を見据える。真っ先に叩くべきはセルリーダーか?否……
風花春悠:“ラムダ・スコルピ”に目を向ける。情報にあった爆破能力者。厄介な手合いだ。
風花春悠:(……高起動からの行動阻害か。正規チルドレンでないのが惜しいな……)
風花春悠:まだ動けない敵を見てそんな事を思い、あまりにもチルドレンじみた思考を自嘲し……
風花春悠:思考を切り替える。
風花春悠:風花の身体が燃え上がる。今度は手足だけでなく、頭から爪先まで全身が真紅の炎に包まれる。
風花春悠:同時に外骨格が形成されていく。黒く渇いた骨の鎧。さながら業火に焦がされ肉が焼け落ち、隠されていた中身が露わになったかのように。
風花春悠:姿を現わすのは、まさしく異形の怪物。
風花春悠:節々が赤熱し、引っ切り無しに炎を噴き出すその姿は、煉獄から這い出た罪人が如く。
ガンマ・ドラコニス:「来たか……!」歓喜の笑顔を見せる。
風花春悠:煌々と燃え盛る双眸が、敵を見据える。
ラムダ・スコルピ:「ひえっ……」
風花春悠:無数の敵を追い詰め、屠り、仕留めてきた、彼ら曰く悪魔、曰く死神、曰く断罪者。
風花春悠:その姿こそ“燃殻の火(シンダーブレイズ)”。風花春悠の創り上げた、恐怖の具現にして象徴だ。
風花春悠:彼我の距離を測る。約5m。『出口』は“ラムダ・スコルピ”の直上。
木花小夜:「春悠……」
風花春悠:「……」
風花春悠:火の粉を残し、“シンダーブレイズ”の姿が瞬時に掻き消える。
風花春悠: 
風花春悠:気付けば風花は、荒野に立っている。
風花春悠:白骨が幾重にも積み重なり、血の沼が広がる光景。
風花春悠:それが地平線まで続いている。
風花春悠:普段見ている悪夢────ではない。
風花春悠:それは風花春悠のオーヴァードとしての能力。彼だけが認識し、接触できる領域に足を踏み入れる。
風花春悠:「……」
風花春悠:『出口』を探す。世界のどこかにあるはずのそれを求め、白骨を掻き分け、血の沼を歩き出す。
風花春悠:その領域には時間の概念が無い。あるのはただ風花本人の精神だけだ。
風花春悠:白骨で身体を切り裂きながら、ひたすらに進み続ける。
風花春悠:昼も夜も無い世界で、ただひたすらに歩み続ける。
風花春悠:何度も発狂しそうになって、その度に意識を取り戻す。
風花春悠:──燃えろ。魂まで火に焚べて。
風花春悠:耳元で死神が嗤う。
風花春悠:燃えろ、燃え続けろ“シンダーブレイズ”。それこそお前の本望だろう────
風花春悠:……やがて、主観時間で7年の後、それを見つける。
風花春悠:地面に空いた大穴。黒く光を吸い込むその穴こそ、探し求めていた『出口』だ。
風花春悠:「……」
風花春悠:表情も変えず、穴に身を投げる。
風花春悠:意識が途絶え、そして────。
風花春悠: 
風花春悠:『次の瞬間』、“ラムダ・スコルピ”の真上に姿を現す。
風花春悠:骨で形成した、身の丈を越える大剣。無骨な鈍器に近いそれを振りかぶる。
ラムダ・スコルピ:「えっ私!?なんで!」
風花春悠:「オォオオオオッ……!」
風花春悠:地の底から響くかのような、異形の咆哮。
ラムダ・スコルピ:空間爆破。その間隙に、
風花春悠:炎を撒き散らし、刃を叩き付ける。
ベータ・オリオニス:「問題ない!」刀を構えた少女が割り込む。迎撃の構え。
ベータ・オリオニス:「ぐっ……!」
風花春悠:「……」
風花春悠:割り込んだその少女を、そのまま断ち切る。
ベータ・オリオニス:「ああっ……!」
風花春悠:返り血を浴びるが、それも瞬く間に蒸発していく。
風花春悠:眼前に現れるのは悪鬼羅刹の様相だ。
ベータ・オリオニス:「く、そ……!」
風花春悠:睥睨し、“マアト”セルの面々の前に立ち塞ぐ。
アルファ・タウリ:「“オリオニス”。離れなさい」
ベータ・オリオニス:「――了解」
GM:ベータ・オリオニスの手番。
ベータ・オリオニス:マイナー《縮地》。
GM:3人のエンゲージへ突入。
■MAP
    夏川[24]

     1m

  時雨[9] 鈴木[12]
   小夜[6] 紅球[9]
    ベータ[13]

     5m

    風花[2]
  ガンマ[0] デルタ[0]
  アルファ[0] ラムダ[0]
ベータ・オリオニス:メジャー《コンセントレイト:ウロボロス》《無形の影》。
ベータ・オリオニス:対象選択前に、
アルファ・タウリ:《拡散する世界》。対象をシーン(選択)に。
GM:PC5人+従者を攻撃対象にします。
夏川早苗:ではその攻撃に《時の棺》。判定を失敗
GM:OK!では失敗!
ベータ・オリオニス:ふわり、とその姿がかき消える。
ベータ・オリオニス:「疾――ッ」突如、3人の眼前に再出現。
ベータ・オリオニス:斬線が奔り、それが
アルファ・タウリ:無数に拡大され、周囲へと殺到し――
夏川早苗:「────視線。意識。予備動作。」
夏川早苗:「そういうのに敏感なの、私」
夏川早苗:ステージの上から、声が響く。
夏川早苗:ズァ、と。泥の壁が立ち上がる。
夏川早苗:無数に拡大されたそれを鏡合わせにするように。
夏川早苗:同じ力が攻撃を打ち消していく。
夏川早苗:みつあみを解いた黒髪をたなびかせる。
夏川早苗:「追い抜き厳禁、割込み禁止」
夏川早苗:「そういうことしてると、酷いわよ?」
ベータ・オリオニス:「……ッ!」
夏川早苗:夏川早苗の侵蝕率を+10した(侵蝕率:124->134)
GM:次!鈴木さん!
鈴木千秋:はい!
鈴木千秋:では
鈴木千秋:マイナーで《光芒の疾走》
鈴木千秋:右に1m移動。 107→108
鈴木千秋:メジャー。 《コンセントレイト(ノイマン)》+《コンバットシステム》+《ワンショットツーキル》
鈴木千秋:ベータとラムダを狙います
鈴木千秋:12dx7+4
DoubleCross : (12R10+4[7]) → 10[1,1,2,3,4,4,4,4,9,9,9,10]+10[2,4,5,9]+4[4]+4 → 28

鈴木千秋:リアクションどうぞー
アルファ・タウリ:《現実改変》。
アルファ・タウリ:達成値を-20。
鈴木千秋:??
風花春悠:何だと……
鈴木千秋:た、達成値は8です……
ベータ・オリオニス:5dx ドッジ
DoubleCross : (5R10[10]) → 9[4,5,5,9,9] → 9

ラムダ・スコルピ:4dx+1 ドッジ
DoubleCross : (4R10+1[10]) → 10[3,6,7,10]+4[4]+1 → 15

GM:両者回避!
鈴木千秋:じゃあ、一言だけ言おうかな。
鈴木千秋:「……1つだけ教えて。なんで、レネゲイドを世界に公開したいの?……貴方たちに、何があったの?」 
ベータ・オリオニス:「同じよ。私たちは、こうやって、ずっと、ずっと、戦わされる」
ラムダ・スコルピ:「もう誰も、そうさせないためってわけです。逆に聞きますけど」
ラムダ・スコルピ:「今のままで、本当に、いいんですか?」
鈴木千秋:「……わかんない。わかんないけど」
鈴木千秋:ピストルの形にした指先を上空に傾け、空気の弾丸を放つ。威嚇射撃。
鈴木千秋:「……戦うのは嫌だし、傷つけあうのも嫌いだけど。その人の積み上げてきた過去を否定して良いとは思わない」
鈴木千秋:108→116
ガンマ・ドラコニス:「何も理解していませんね。それを渡せと、私が言ったのは」
ガンマ・ドラコニス:「私が、君の代わりに象徴になるためですよ」
ガンマ・ドラコニス:「その遺産さえ継承していれば、誰でもいい」
鈴木千秋:「そっちこそ分かってない」
鈴木千秋:「“遺産”としてしか見れてない貴方は、分かってないんだ」
鈴木千秋:「……誰でも良いわけないじゃん」
GM:次は行動値9組!
木花小夜:従者を先に動かしましょう。
木花時雨:ありがとう姉さん…!
木花小夜:メジャーで「インファイト・インファンティサイド」:《コンセントレイト:ソラリス》《恐怖の一言》《テンプテーション》《ポイズンフォッグ》。
木花小夜:対象はベータ、従者自身、小夜、時雨。
木花小夜:10DX7+8
DoubleCross : (10R10+8[7]) → 10[2,2,3,4,5,6,7,8,9,9]+10[5,5,7,8]+10[6,9]+10[7]+5[5]+8 → 53

GM:めちゃ高いな……ダメージ出ないのに……
夏川早苗:不思議よね。ダメージ出ないのに。
木花時雨:ガードします。
木花時雨:あっ出目高い組…
ベータ・オリオニス:5dx ドッジ
DoubleCross : (5R10[10]) → 8[1,3,4,4,8] → 8

木花小夜:本体・従者共にガード。
木花小夜:命中で対象を2m動かします。
木花小夜:4m
木花小夜:ベータを4m先へ。
木花小夜:《氷の茨》の効果が発動。
木花小夜:5d10
DoubleCross : (5D10) → 25[6,5,5,1,8] → 25

ベータ・オリオニス:この時点で耐えられないな……
ベータ・オリオニス:コイツらはひとりひとつ、切り札としてアージエフェクトを元データに追加していましたが
ベータ・オリオニス:《原初の灰:異形の捕食者》なんですよね。
ベータ・オリオニス:HPダメージでないので発動も出来ずに倒れます。
木花小夜:そのまま本体と従者は4m前進しておきます。
木花時雨:こちらも4m前進します。
■MAP
    夏川[24]

     1m

     鈴木[12]

     4m

    時雨[9]
   小夜[6] 紅球[9]

     1m

    風花[2]
  ガンマ[0] デルタ[0]
  アルファ[0] ラムダ[0]
木花小夜:「君だけに、背負わせる、もんか……!」
木花小夜:血の球体が、彼女の叫びに合わせて拡がる。
木花小夜:「あああああっ……!」血が広がり、彼女の髪を紅く染める。
木花小夜:『尊属殺(インファンティサイド)』を冠した、紅球が生み出すその冷気の波動が、
木花小夜:周囲のものを、拒絶するように吹き飛ばす。
木花小夜:突き飛ばすだけ。それだけだ。
木花小夜:彼女が敵と見做した存在以外にとっては。
木花小夜:敵を吹き飛ばした先には、有刺鉄線のような赤い線が集積している。
木花小夜:自らの血を凍らせた、死の終焉到達点。
木花小夜:そこに、冷気に運ばれた敵を、引きずり込み、引き裂いた。
ベータ・オリオニス:「え……あああっ!」
木花小夜:「あたしもっ!やれるっ!」自らの冷気で凍えながら、叫ぶ。
木花小夜:「君独りじゃない……!」
GM:木花小夜の侵蝕率を+8 (侵蝕率:106->114)
GM:次!時雨ちゃん!
木花時雨:はい!
木花時雨:マイナーで春悠くんのエンゲージへ移動。
木花時雨:メジャー:コンボ:イミテーション・ガーネット。
木花時雨:≪コンセントレイト:ウロボロス≫≪原初の赤:災厄の炎≫≪原初の赤:ブラッドボム≫。春悠くん以外の敵4名へ攻撃します。
木花時雨:妨害などありますか!
GM:正直メチャメチャしたいが……
GM:しない!
木花時雨:判定いきます!
木花時雨:11dx7+6
DoubleCross : (11R10+6[7]) → 10[1,3,3,3,3,5,8,8,8,9,10]+10[1,4,5,6,7]+1[1]+6 → 27

アルファ・タウリ:最後の《現実改変》。
木花時雨:ぐうう…30いかないなあ
木花時雨:やッ止めて—っ
鈴木千秋:《リバーサルショット》
鈴木千秋:達成値+10!
GM:では差し引き17に!
木花時雨:相殺されて達成値17…うわあん
鈴木千秋:116→122
GM:みんなドッジだな……
ガンマ・ドラコニス:4dx+1
DoubleCross : (4R10+1[10]) → 9[5,5,7,9]+1 → 10

デルタ・サジッタリ:8dx+1
DoubleCross : (8R10+1[10]) → 8[1,2,2,3,5,6,8,8]+1 → 9

ラムダ・スコルピ:4dx+1
DoubleCross : (4R10+1[10]) → 9[3,7,8,9]+1 → 10

アルファ・タウリ:4dx+1
DoubleCross : (4R10+1[10]) → 7[1,1,4,7]+1 → 8

木花時雨:あ、危なかった……。千秋さんありがとう…
GM:リバーサルさえなければな……
木花時雨:ダメージ!
風花春悠:≪餓狼の爪≫ ダメージ+36します 侵蝕132>136
木花時雨:ひええ…すごい。
アルファ・タウリ:切り札使おう。《虚空の残影》・
木花時雨:げぇ
アルファ・タウリ:妄想のアージエフェクト。自分のドッジを成功させる。
風花春悠:生き汚いぞ!
木花時雨:ダメージ振ります…!ちくしょー
木花時雨:2d10+4d10+15+36 装甲など有効。
DoubleCross : (2D10+4D10+15+36) → 5[2,3]+22[9,9,2,2]+15+36 → 78

ラムダ・スコルピ:最後の《領域の盾》。ドラコニスに自分をカバーさせる。
木花時雨:対抗種分が働いてるな…。
夏川早苗:あっ、死神の瞳分が8d。
木花時雨:あっ
風花春悠:ヒェ……
鈴木千秋:めっちゃ強い
木花時雨:じゃあ追加します…ごめんね
GM:はい……
木花時雨:8d10+78
DoubleCross : (8D10+78) → 34[4,4,7,5,1,5,1,7]+78 → 112

夏川早苗:やったってやったって
木花時雨:むう…出目が。
GM:いや……
GM:命中したやつは全滅しますね……
木花時雨:ではまずオーバーカウンター分減らして。
木花時雨:木花時雨のHPを-10(2d10+3->1,6+3)した(HP:29->19)
風花春悠:ヤバ……
木花時雨:復活あります?
鈴木千秋:ヒエエ……
GM:ガンマとデルタが落ちて、
GM:いえ。復活はありませんが、
ガンマ・ドラコニス:《ラストアクション》。
木花時雨:むっ…
木花時雨:木花時雨の侵蝕率を+7した(侵蝕率:119->126)
木花時雨:判定どうぞ。
ガンマ・ドラコニス:《コンセントレイト》《コントロールソート:白兵》《虚構のナイフ》《神機妙算》。
GM:エンゲージに範囲攻撃。
風花春悠:≪孤独の魔眼≫
風花春悠:対象自分一人に変更、侵蝕136>140
GM:OK!では単体攻撃!
ガンマ・ドラコニス:10dx7+4
DoubleCross : (10R10+4[7]) → 10[1,2,3,3,5,7,8,8,8,9]+10[2,3,4,8,9]+5[2,5]+4 → 29

風花春悠:えー復讐しても意味ないから……
風花春悠:ガード!
鈴木千秋:《波紋の方陣》
鈴木千秋:ダメージを−6Dします
風花春悠:鈴木~っ
鈴木千秋:122→125
ガンマ・ドラコニス:3D10+9+2d10+11 諸々有効
DoubleCross : (3D10+9+2D10+11) → 15[3,8,4]+9+15[9,6]+11 → 50

風花春悠:50-10-6-6D10
DoubleCross : (50-10-6-6D10) → 50-10-6-40[4,5,7,9,8,7] → -6

風花春悠:すごい!無傷!
GM:無傷じゃん!
鈴木千秋:やった!
夏川早苗:つよい!
木花時雨:つよーい
GM:では流れで演出してこ!
木花時雨:息を吸い込む。姉の冷気による斥力を生かし、踏み込んで。
木花時雨:伸ばした腕のガーゼが炭となって焼け落ちる。その奥には、黒く影が湧きだす亀裂。
木花時雨:右腕へ湧くまま纏わせ――それは黒く乾き、節々に赤みがかった篭手のように。
木花時雨:――いつだって。
木花時雨:木花時雨は、誰よりも遅くてよわっちくて。
木花時雨:誰かを真似して、それでも遠く届かないことばかり。
木花時雨:木花小夜には、その出力でも制御技術でも遥か遠く。
木花時雨:初空ひかるには、その遺産を用いた技法に遥か及ばず。
木花時雨:風花春悠には、そもそもの体躯も歩み続ける意志力においても及ばない。
木花時雨:今だって、そうだ。
鈴木千秋:――――ッ
鈴木千秋:それは、透明な弾丸。鈴木の放つ空気の弾丸は、同じく固結された空気の壁に当たり乱反射。
鈴木千秋:跳弾する空気が、マアトセルの陣形をかき乱す。
木花時雨:笑みがこぼれた。誰より丁寧で、欲しい時に欲しいものをくれるひと。
木花時雨:わたしは、ああはなれない。
木花時雨:影が溢れる。溢れる。それは、模倣の力。尾/過去を食むヘビ。
木花時雨:手に握るナイフは、紅い朱い柘榴の焔。夜の闇、その只中から割裂いて現世へ舞い戻り。
木花時雨:踏み込む。突き立てる動きでナイフが崩れ、焔が周囲を薙ぎ払い。
アルファ・タウリ:「そんな未来は来ない!君たちに、未来はない!」夢を見せるはずの、その力は。
アルファ・タウリ:もはや通用しない。
風花春悠:“シンダーブレイズ”が拳を振り上げる。
木花時雨:「――そんなのは」「わたしたちが、勝手に決めるよ」
風花春悠:────木花時雨のことを想う。
風花春悠:自分に唯一残されたものを、決して失いたくなかった。
風花春悠:その為に、何を犠牲にしても戦い続けてきた。
風花春悠:彼女を守りたかった。それは他の誰でもない、自分の意思だ。
風花春悠:けれど守るべき少女は、いつの間にか自分より、ずっと強くなっていた。
風花春悠:彼女の成長が嬉しくて、誇らしくて。少しだけ、寂しい。
風花春悠:──彼女に幸福であってほしい。
風花春悠:その気持ちは、この先何があろうと、きっと変わることはない。
風花春悠:木花時雨。誰より大切な、自分の家族。
風花春悠:彼女と一緒なら、きっと自分は、どんな暗闇も迷わず進んでいけるだろう。
風花春悠: 
風花春悠:燃え盛る拳で地面を殴り付ける────瞬間。
風花春悠:槍衾のように地中から大量の骨槍が突き出し、“マアト”セルの面々を貫き、あるいは動きを封じる。
風花春悠:「“パイロープ“ッ!!」
木花時雨:右腕の篭手から噴き出す影を引いて。
木花時雨:焔が、その本質たる影を露わに。
木花時雨:その影が、雨の如く降り注ぎ――敵のレネゲイド構造と、埋まっていた泥の魔眼。その炸裂力を解放させる。
木花時雨:視線のひとつで、彼に感謝を伝える。
木花時雨:――ずっとずっと。
木花時雨:隣に立ちたかった。
木花時雨:今日のこの日の、この時だけでも。
木花時雨:それに笑み崩れたような、顔は見せたくなかったから。
デルタ・サジッタリ:「ウソ……!まだ、何も……!」
ガンマ・ドラコニス:「……ま、だ……!」乱舞するレネゲイドの嵐の中で、動く影がある。
ガンマ・ドラコニス:向かい来る全てを切り払い、それどころか、周りを薙ぎ払わんと荒れ狂い――
木花時雨:「…!」荒れ狂う嵐を、右腕で制御している。自身と彼に当てない為に、動けない。
風花春悠:領域を展開する。“シンダーブレイズ”だけが触れられる、死の領域。
風花春悠:それは他のあらゆる生命を拒絶し、同時に惹き付ける。
風花春悠:レネゲイドとて例外ではない。“ガンマ・ドラコニス”の攻撃が収束し────
風花春悠: 
風花春悠:見慣れた街並みに立っている。
風花春悠:学校も、家々も、どこも見知ったもの────平庭市そのものだ。
風花春悠:ただ一つ違うのは、そこに行き交う人々が、皆黒く焼け爛れた、蠢く死骸であることだ。
風花春悠:かわす言葉も無く、死者たちの街を行く。彷徨い歩いて、やがて街を出て。出口を探す。
風花春悠:────夏川早苗のことを想う。
風花春悠:ただひたすらに戦い続けてきた。
風花春悠:戦って、戦って。
風花春悠:傷付いて、傷付けられて。
風花春悠:この手は血に塗れる一方だと思ってきた。
風花春悠:けれど、こんな自分の道行でも、焼け爛れた腕でも。
風花春悠:確かに得たものは、守れたものはあったのだと。
風花春悠:彼女はそう教えてくれた。
風花春悠:それは自分にとってこの上ない救いで、福音だ。
風花春悠:彼女は“シンダーブレイズ”に救われて、それでも風花春悠を想ってくれている。
風花春悠:夏川早苗。自分が守ることのできたクラスメイト。
風花春悠:彼女と一緒なら、きっと自分は、ひとりの人間として幸福に生きていけるのだろう。
風花春悠: 
風花春悠:その攻撃は、“シンダーブレイズ”の元にのみ収束する。
風花春悠:「……!」
ガンマ・ドラコニス:収束した剣閃が迫る。
ガンマ・ドラコニス:たとえ、収束に到ったとしても、それは。
ガンマ・ドラコニス:一つの死の形であることに変わりはない。
風花春悠:ダメージは負うだろうが、まだ動ける筈だ。冷静な思考で判断し、防御姿勢を取る。
風花春悠:来たる攻撃と痛みに備え────
鈴木千秋:その死は訪れることは無かった。
鈴木千秋:風花春悠の前に現前するは、花弁のように積み重なった空気の層。
鈴木千秋:空気の断層がその衝撃を相殺していく!
風花春悠:「……! ……“フル”!」
鈴木千秋:ピストル形の指のまま、にまっとほほ笑む後輩の姿がある。
鈴木千秋:その空気の層は、ガンマ・ドラコニスの攻撃を完全に沈黙させるだろう
ガンマ・ドラコニス:「……!」
木花時雨:「……やっぱり、敵わないなあ」
ガンマ・ドラコニス:驚愕の表情のまま、その場に倒れ伏す。
GM:イニシアチブ。
GM:木花小夜の手番から。
木花小夜:マイナーで1m前進、エンゲージに突入。
木花小夜:メジャーで『バイバイ・バイオサイド』:《コンセントレイト:ソラリス》《恐怖の一言》《テンプテーション》《ポイズンフォッグ》。
木花小夜:対象は自身と、アルファ、ラムダ。
木花小夜:と風花!
木花小夜:8dx7+11
DoubleCross : (8R10+11[7]) → 10[3,4,4,5,7,7,8,10]+10[2,5,10,10]+5[2,5]+11 → 36

ラムダ・スコルピ:4dx+1
DoubleCross : (4R10+1[10]) → 9[2,5,5,9]+1 → 10

アルファ・タウリ:4dx+1
DoubleCross : (4R10+1[10]) → 4[2,2,2,4]+1 → 5

風花春悠:ガード。
木花小夜:命中で1m動かします。全員を従者のエンゲージへ。
木花小夜:アルファとラムダはHPロス。
木花小夜:5d10
DoubleCross : (5D10) → 36[9,6,6,6,9] → 36

GM:高いな……!
アルファ・タウリ:アルファはそのダメージで倒れます。
■MAP
    夏川[24]

     1m

     鈴木[12]

     4m

   小夜[6] 紅球[9]
   風花[2] ラムダ[0]

     1m

    時雨[9]
木花小夜:「“タウリ”」掌をかざす。
木花小夜:血で作られた氷の鎖が、どんどんと生み出される。
アルファ・タウリ:「何です?」
木花小夜:「あなたのことは、赦せない」
木花小夜:「私に、こんな未来を……見せるなっ!」
木花小夜:それは周囲の敵へと絡みついていき、責め苛む。
木花小夜:「今ですら……精一杯なんだから!」
木花小夜:「甘い悪夢(ゆめ)なんて、見ている余裕はないのっ!」
アルファ・タウリ:「っ……!これは……!」
木花小夜:冷気の波が、そのまま2人を刻みながら押し飛ばす。
GM:木花小夜の侵蝕率を+8 (侵蝕率:114->122)
GM:残る敵は一人。
GM:風花春悠の手番へ。
風花春悠:マイナーなし。
風花春悠:メジャー、≪コンセントレイト :バロール≫+≪瞬速の刃≫
風花春悠:対象“ラムダ・スコルピ”!
風花春悠:11DX7+9
DoubleCross : (11R10+9[7]) → 10[1,1,1,3,5,5,5,6,6,7,8]+6[5,6]+9 → 25

ラムダ・スコルピ:4dx+1
DoubleCross : (4R10+1[10]) → 10[1,7,8,10]+3[3]+1 → 14

ラムダ・スコルピ:《妖精の手》。
風花春悠:オイオイオイ
ラムダ・スコルピ:1dx+21
DoubleCross : (1R10+21[10]) → 1[1]+21 → 22 → ファンブル

GM:だ……ダメだ!
GM:ダメージを!
風花春悠:よっしゃ!
風花春悠:3D10+36+3
DoubleCross : (3D10+36+3) → 15[6,4,5]+36+3 → 54

GM:更に死神!
夏川早苗:死神の瞳~!
風花春悠:あ、死神!
風花春悠:8D10+54
DoubleCross : (8D10+54) → 62[10,10,9,4,10,8,7,4]+54 → 116

GM:……うん
GM:無理!
ラムダ・スコルピ:HP0。
ラムダ・スコルピ:《蘇生復活》。
GM:演出どうぞ!
風花春悠:小夜の放った冷気の波に乗り、残る“ラムダ・スコルピ”に追随する。
風花春悠:瞬間、再び領域に潜航。その姿が煙のように消える。
風花春悠: 
風花春悠:────カン、カン、カン、カン……
風花春悠:遮断機の警報音が鳴り続けている。
風花春悠:気付けばひとり、鉄路に立っている。
風花春悠:並行する無数の線路が、どこまでも、どこまでも続いている。
風花春悠:頭上に張り巡らされた電線が、複雑に絡み合った蜘蛛の巣のように見える。
風花春悠:橙の夕陽は傾くことなく永遠に世界を照らし続け、また来たるべき列車も訪れることはない。
風花春悠:歩き出す。どこまでも変わらない真っ直ぐな線路を、ただひたすらに。
風花春悠:────木花小夜のことを想う。
風花春悠:もう何も失くしたくない。
風花春悠:かつてそう思ったのは、失くしたものがあまりにも大きかったからだ。
風花春悠:家族が一人減るその度に、自分の中から大事な何かがごっそりと抜け落ちていった。
風花春悠:もう二度と失わないために、無我夢中で戦い続けて。
風花春悠:けれど、戻ってくるものがあるなどとは、想像もしていなかった。
風花春悠:……意地っ張りで、不器用で。
風花春悠:まるで自分にそっくりだ。すぐに自分を犠牲にしてしまうところまで。
風花春悠:けれど、違う。
風花春悠:彼女はもっと、ずっと。きっと誰よりも優しくて──強い。
風花春悠:木花小夜。一度は失くした、自分の家族。
風花春悠:彼女と一緒なら、きっと自分は、どこまでだって歩いていけるだろう。
風花春悠: 
風花春悠:瞬く間に再び現れた“シンダーブレイズ”の腕には、骨で形成された巨大な突撃槍が握られている。
風花春悠:「アァアアアッ!!」
風花春悠:獣じみた咆哮と共に、怒涛の勢いで敵を貫く。
ラムダ・スコルピ:「……わわわわわっ」
ラムダ・スコルピ:「ぐっ……ダメですね、これ……」
ラムダ・スコルピ:貫かれたまま、人形のようにぎくしゃくと、喋る。
ラムダ・スコルピ:「――ああ」
ラムダ・スコルピ:「次のステージです」
風花春悠:「……!」
GM:復活したラムダの手番。
風花春悠:何かを感じ取り、仕留めた筈の“ラムダ・スコルピ”を蹴り飛ばし、距離を取る。
ラムダ・スコルピ:メジャーで自傷のアージエフェクト、《ラストファクトリー》。
ラムダ・スコルピ:自分のHPを0にして、シーン内の味方を蘇生。
ラムダ・スコルピ:6d10
DoubleCross : (6D10) → 26[6,9,1,6,1,3] → 26

GM:HP26で全員復活しました。
風花春悠:ウエーッ
ラムダ・スコルピ:「本当は……使いたくないんですけど……」
ラムダ・スコルピ:パン、と小さな爆発音が連続して鳴る。
ラムダ・スコルピ:倒れた彼らの腕には、腕輪が取り付けられており、
ラムダ・スコルピ:爆発により、その内部の薬剤が注入される。
ラムダ・スコルピ:「――やだなあ」
ラムダ・スコルピ:「最初に死ぬの」
ラムダ・スコルピ:それだけ言うと、彼女はその場に崩れ落ちる。
■MAP
     夏川[24]

      1m

     ベータ[13] 1m 鈴木[12]
     
      4m

  小夜[6] 紅球[9] 風花[2]
     アルファ[0]

      1m

     時雨[9]
   ガンマ[0] デルタ[0]
GM:復活をトリガーで、彼ら全員にEロイスがセットされます。
GM:即座に発動。
GM:Eロイス『衝動侵蝕』。
GM:対象は、シーン(選択)出来るんですが
GM:そうしません。この衝動侵蝕は
GM:単体対象で使います。
GM:“当該のキャラクターを撃破した相手”が対象。
GM:アルファが木花小夜。
GM:ベータが木花小夜。
GM:ガンマが木花時雨。
GM:デルタが木花時雨。
GM:ラムダが風花春悠。
GM:難易度は9です。
木花小夜:2dx>=9
DoubleCross : (2R10[10]>=9) → 9[6,9] → 9 → 成功

風花春悠:6DX>=9
DoubleCross : (6R10[10]>=9) → 9[2,3,6,7,8,9] → 9 → 成功

木花時雨:8dx+1=>9
DoubleCross : (8R10+1[10]>=9) → 9[3,4,4,5,6,7,7,9]+1 → 10 → 成功

風花春悠:危ない……
GM:木花小夜の侵蝕率を+14(2d10->4,10) (侵蝕率:122->136)
木花時雨:8dx+1=>9 もう一回。
DoubleCross : (8R10+1[10]>=9) → 10[1,1,3,5,6,9,10,10]+8[1,8]+1 → 19 → 成功

木花小夜:2dx>=9
DoubleCross : (2R10[10]>=9) → 9[3,9] → 9 → 成功

GM:木花小夜の侵蝕率を+13(2d10->10,3) (侵蝕率:136->149)
木花時雨:双方成功。
木花時雨:木花時雨の侵蝕率を+11(2d10->8,3)した(侵蝕率:126->137)
木花時雨:木花時雨の侵蝕率を+14(2d10->7,7)した(侵蝕率:137->151)
木花時雨:ぐえっ…
風花春悠:さっきの攻撃侵蝕上げ忘れてました 140>145です
GM:はあい
風花春悠:145+2D10
DoubleCross : (145+2D10) → 145+4[3,1] → 149

GM:瞬間、淀む。なにか、よくないものを、取り込んだかのような感覚が、3人へ。
GM:仕留めた獲物の毒を、受け継いでしまったかのような。
木花時雨:「……ぐ、これ…!」奥歯を噛み締める。
木花小夜:「あなた、達……」
風花春悠:(……真っ先に倒しておくべき、という判断は、間違ってはいなかったが……結局仕留めきれなかったか……)
木花小夜:「まさか……!」
風花春悠:思考を回し、平静を保つ。外骨格の外にはまるで平然としているように映る。
木花小夜:「死ぬ気なの……!?」
ガンマ・ドラコニス:「何を今更。我々の元を離れたのも、怖気づいたからなのか?」
ガンマ・ドラコニス:「“何を犠牲にしても世界を糺す”」
ガンマ・ドラコニス:「それが“マアト”の存在意義だと。言ったでしょう」
木花時雨:姉の言葉に顔を顰める。「……そんなのに、突合せないでよ…!自分たちだけで、やればいい…!」
GM:ガンマ・ドラコニス。彼はEロイス
GM:『覚醒する世界』を保有しています。
GM:彼が生存していた場合、ステージ内の非オーヴァードは
GM:オーヴァードの存在を確信するに至るでしょう。
風花春悠:「……犠牲。それがたとえ、自分の命でも、か」
ガンマ・ドラコニス:「そんな覚悟くらい」
ガンマ・ドラコニス:「UGNチルドレンにも出来ていると思っていましたが」
ガンマ・ドラコニス:「違うんですか?」
木花時雨:「死んだら其処まででしょう!」
木花時雨:「死んで、それで…!その後に、また危機が迫ったらどうするの!?わたし達自身が、その怪物になったら、何の意味もない!」
風花春悠:「そうだ」
風花春悠:「命を投げ打って出来ることなど、高が知れている」
風花春悠:「本当に叶えたいことがあるなら、生きて、戦い続けるしかない」
風花春悠:「ただ死んだ程度で夢が叶うのなら、俺は何度だって死んでやる」
ガンマ・ドラコニス:「理解に苦しむな」
ガンマ・ドラコニス:「そのように、醜く、苦しむ、戦いの生など!」
GM:復活したうち、未行動の連中の行動。
GM:行動値がみんな0だから自由な順番でやろう……
アルファ・タウリ:まあここからかな。
アルファ・タウリ:《導きの華》《風の渡し手》《癒しの歌》。対象はエネミー4人。
アルファ・タウリ:次のメジャーアクションの達成値を+10、HPを5d10+2点回復。
アルファ・タウリ:5d10+28
DoubleCross : (5D10+28) → 24[3,3,5,8,5]+28 → 52

GM:全員HP52になりました。
風花春悠:ギャ~~
木花時雨:ひええ…
夏川早苗:往生際~!
デルタ・サジッタリ:次はこいつ!
GM:choice[夏川,鈴木,風花,小夜,従者]
DoubleCross : (CHOICE[夏川,鈴木,風花,小夜,従者]) → 従者

GM:どうでもいいとこ狙うなこいつ……
デルタ・サジッタリ:マイナーで行動値を戻して
GM:(アルファは忘れてたのでそのままにします)
デルタ・サジッタリ:メジャー《コンセントレイト:ブラムストーカー》《渇きの主》《飛礫》《鮮血の一撃》……に加え
デルタ・サジッタリ:吸血のアージエフェクト《ソウルスティール》。
デルタ・サジッタリ:10dx7+4
DoubleCross : (10R10+4[7]) → 10[1,2,3,3,4,4,6,7,9,10]+10[5,6,9]+2[2]+4 → 26

木花小夜:6dx ドッジ
DoubleCross : (6R10[10]) → 9[2,5,9,9,9,9] → 9

木花小夜:本体が《炎陣》。
GM:木花小夜の侵蝕率を+2 (侵蝕率:149->151)
デルタ・サジッタリ:3d10+16 装甲無視
DoubleCross : (3D10+16) → 18[9,3,6]+16 → 34

木花小夜:“マアト”に憐憫:○で取得して、昇華して復活します。
木花小夜:残ロイスは5枚に。
デルタ・サジッタリ:HPを28点回復、2点消費。
デルタ・サジッタリ:差し引き26点回復しました。
デルタ・サジッタリ:HP78に。
デルタ・サジッタリ:「余所見は禁物ですよ……っと!」
デルタ・サジッタリ:瞬く間もなく、針を射出する。
デルタ・サジッタリ:それはまっすぐに、紅の球――木花小夜の能力中核へとめがけ、
木花小夜:「させない……!」飛び出た彼女の肩に刺さる。
木花小夜:「ぐっ……!」
デルタ・サジッタリ:「あははっ!なーんだ。まあ、でも」
デルタ・サジッタリ:「エネルギーは頂いちゃいましたからね。あはっ、あははははっ!」
デルタ・サジッタリ:「裏切り者には相応しい末路ですねえ?」
風花春悠:「……小夜……!」
木花小夜:「っ……平気よ、まだ……!私は、私の想いを裏切らない!」
木花小夜:「守るって決めたの!」
ガンマ・ドラコニス:ガンマの手番。
ガンマ・ドラコニス:目の前の敵を攻撃します。
木花時雨:来なさい!
ガンマ・ドラコニス:《コンセントレイト》《コントロールソート:白兵》《虚構のナイフ》。
ガンマ・ドラコニス:あ、マイナーで行動値低下解除しておきますね
ガンマ・ドラコニス:10dx7+14
DoubleCross : (10R10+14[7]) → 10[1,2,2,2,2,5,7,9,9,9]+10[1,3,8,9]+10[8,10]+4[1,4]+14 → 48

木花時雨:無茶言いやがる
木花時雨:6dx+4=>48
DoubleCross : (6R10+4[10]>=48) → 10[1,7,8,8,8,10]+9[9]+4 → 23 → 失敗

GM:頑張ったよ時雨……!
木花時雨:結構回ったんだけど…!当たります。
木花時雨:姉さん…!
ガンマ・ドラコニス:3D10+9+2d10+11 装甲有効
DoubleCross : (3D10+9+2D10+11) → 22[6,10,6]+9+11[9,2]+11 → 53

木花時雨:HP19、装甲8.どうあがいてもHP0.なので
木花時雨:コンボ:カラーチェンジ・ガーネット≪原初の黒:ラストアクション≫。
木花時雨:木花時雨の侵蝕率を+7した(侵蝕率:151->158)
木花時雨:マイナーなし。
木花時雨:メジャーコンボ:イミテーション・ガーネット≪コンセントレイト:ウロボロス≫≪原初の赤:災厄の炎≫≪原初の赤:ブラッドボム≫で同エンの二人を攻撃!
ガンマ・ドラコニス:《時の棺》。判定を失敗させる。
木花時雨:こ、この野郎…!!
木花時雨:木花時雨の侵蝕率を+7した(侵蝕率:158->165)
木花時雨:マアトセルのロイスをタイタス昇華。復活します。
木花時雨:演出とかあればどうぞ!
ガンマ・ドラコニス:剣閃。終ぞ、それを止めるものはない。
ガンマ・ドラコニス:眼前の少女を、過たず斬り伏せた。更に。
ガンマ・ドラコニス:その切り口からは、再び、痛み。
ガンマ・ドラコニス:君には分かる。
ガンマ・ドラコニス:それはレネゲイドを害する、毒。
木花時雨:歯を噛み締める。この程度で――一度死んだ程度で己の脚を止めるなぞ、自分自身が赦せない。意思力が再始動をかけるそれに。
木花時雨:「……こ、の…!」
木花時雨:その身体が、さらなる毒でバランスを崩す。意思に身体が付いてこれない。
ガンマ・ドラコニス:それは、傷を負わせるだけではない。
ガンマ・ドラコニス:次なる行動への糸口も握りつぶすかのような、
ガンマ・ドラコニス:絶望への一太刀。
木花時雨:「……自分が、やられると…!とんでもなく腹が立つ…!」
木花時雨:傷から零れるのは、赤と黒。
ガンマ・ドラコニス:「この体質も、我々の宿痾だ」
風花春悠:「……ッ……」
風花春悠:その光景に息を詰まらせる。彼女が既に一人前のチルドレンだと分かっていても。それでも。
木花時雨:「………それが」もう行動の機は逃した。
木花時雨:「どうしたっ」それでも、膝を立てて立ち上がる。
木花時雨:「そんなもので…わたしを折るなら」
木花時雨:「もっと前にすればよかったな…!」
GM:3ラウンド目終了。
GM:の前。
GM:クリンナップ。
デルタ・サジッタリ:《不死者の恩寵》。HPを回復。
デルタ・サジッタリ:3d10+83
DoubleCross : (3D10+83) → 15[6,2,7]+83 → 98

風花春悠:こっ……こいつ……
GM:あっ溢れたな……最大値まで回復。
木花時雨:め、面倒な…
鈴木千秋:こいつ……!
夏川早苗:こいつマジ…
夏川早苗:行動値が9に戻ります。
GM:4ラウンド目。
木花小夜:本体と従者で《氷の茨》。PCたちと自分たちを除外。
木花時雨:なし。
GM:木花小夜の侵蝕率を+6 (侵蝕率:151->157)
夏川早苗:なし
鈴木千秋:なしです
風花春悠:ブルーゲイル使用、行動値2>7 侵蝕149>154
■MAP
     夏川[9]

      1m

     ベータ[13] 1m 鈴木[12]
     
      4m

  小夜[6] 紅球[9] 風花[7]
     アルファ[0]

      1m

     時雨[9]
   ガンマ[7] デルタ[5]
ベータ・オリオニス:ベータの手番から。
GM:余裕あるところを狙うかな……
GM:choice[鈴木,夏川]
DoubleCross : (CHOICE[鈴木,夏川]) → 夏川

GM:アイドル追っかけよ
夏川早苗:こやつめ。
ベータ・オリオニス:マイナーで《縮地》。夏川さんのエンゲージに入って、
ベータ・オリオニス:メジャー《コンセントレイト:ウロボロス》《無形の影》。
ベータ・オリオニス:12dx7+15
DoubleCross : (12R10+15[7]) → 10[1,2,3,3,3,4,5,6,7,9,10,10]+10[5,6,6,8]+10[9]+3[3]+15 → 48

夏川早苗:加減なさい。ドッジ
夏川早苗:4dx>=48
DoubleCross : (4R10[10]>=48) → 10[2,3,5,10]+5[5] → 15 → 失敗

夏川早苗:頑張ったと思うのよ。
夏川早苗:ダメージください。
ベータ・オリオニス:5d10+28 装甲有効
DoubleCross : (5D10+28) → 27[10,1,1,5,10]+28 → 55

夏川早苗:余裕で死んじゃう。うーん、マァトさんたちに「貴方達 P尽力/○N憤懣」を取得して昇華。11で復活
夏川早苗:夏川早苗に-16のダメージ!(HP:27->11)
ベータ・オリオニス:「視線に敏感?だったら」ふわり、と消え。
ベータ・オリオニス:「追わせなければいいだけでしょう」背後に出現。剣を貫くように差し入れる。
夏川早苗:「っ!」
ベータ・オリオニス:「素人に、動きなんて追わせない。そのまま死なずに動かずに居て」
夏川早苗:ぞぶり、と抵抗なく。腹側に飛び出すように刃が貫通する。
夏川早苗:「……………まったく」ゴボ、と血混じりの空気を吐き出しながら。
夏川早苗:「これだから、冷静になったプロってイヤなのよ……!」
夏川早苗:ブジュウ、と傷口を広げるように前に出て剣を引き抜きながら
夏川早苗:「死なずに、動かず?」
夏川早苗:「やなこった」んべ、と脂汗を浮かべながら、前髪を乱して舌をだす
ベータ・オリオニス:「こいつ……!」
■MAP
     夏川[9]
    ベータ[13]

      5m   1m 鈴木[12]

  小夜[6] 紅球[9] 風花[7]
     アルファ[0]

      1m

     時雨[9]
   ガンマ[7] デルタ[5]
GM:鈴木さんの手番。
鈴木千秋:はい!
鈴木千秋:マイナーで徹甲弾使用
鈴木千秋:《コンセントレイト(ノイマン)》+《コンバットシステム》+《ワンショットツーキル》
鈴木千秋:アルファとベータを狙います
GM:OK!来な!
鈴木千秋:12dx7+4
DoubleCross : (12R10+4[7]) → 10[2,2,3,5,5,5,7,7,7,9,10,10]+10[2,4,6,7,8,8]+10[1,4,8]+10[7]+1[1]+4 → 45

鈴木千秋:回った!!
GM:回すな……!
ベータ・オリオニス:5dx
DoubleCross : (5R10[10]) → 10[4,5,8,8,10]+3[3] → 13

アルファ・タウリ:4dx+1
DoubleCross : (4R10+1[10]) → 8[2,4,7,8]+1 → 9

GM:ダメだ!ダメージを!
鈴木千秋:ダメージ!
鈴木千秋:5d10+17
DoubleCross : (5D10+17) → 34[9,5,8,10,2]+17 → 51

夏川早苗:アルファさんには死神の瞳分も!
鈴木千秋:さらに、αさんには+ダメージ
鈴木千秋:51+8d10
DoubleCross : (51+8D10) → 51+42[4,9,6,9,5,7,1,1] → 93

鈴木千秋:どうだ!
アルファ・タウリ:アルファは耐えきれない!倒れる!
アルファ・タウリ:まだ《救済の調べ》残ってるんだけどな……!自分には使えないので終わり。
ベータ・オリオニス:ベータはHP52なので
ベータ・オリオニス:1残りました。
鈴木千秋:ギャー!
夏川早苗:惜しい!
風花春悠:クソ~ッ
木花時雨:でもここでアルファを落とせたのは大きい!
鈴木千秋:ありがと!
夏川早苗:えらいわよ!
鈴木千秋:イエイイエイ!
GM:演出どうぞ~
鈴木千秋:「死ぬ覚悟、って言ったよね。……捨ててるだけじゃん。そんなの、覚悟だなんて言わないよ」
鈴木千秋:「捨てずに……零さないように、全部掬いあげるのが、勇気なんだよ」 ピストルを模った指から、再びの圧縮空気砲!
鈴木千秋:音を超えた空気の塊が、再び跳弾。不規則な動きで敵を穿つ!
アルファ・タウリ:「なっ……!」
アルファ・タウリ:「そんな……未来は……!」
アルファ・タウリ:「認め……!」昏倒し、倒れる。
ベータ・オリオニス:「厄介な……」直撃するも、なんとか剣を支えに立つ。
鈴木千秋:指先にふっと息を吐く。銃口の硝煙を払うかのように。
GM:残る敵は3人。
鈴木千秋:あ、浸食。
鈴木千秋:125→133
■MAP
     夏川[9]
    ベータ[13]

      5m   1m 鈴木[12]

  小夜[6] 紅球[9] 風花[7]

      1m

     時雨[9]
   ガンマ[7] デルタ[5]
GM:次は行動値9の3人。
夏川早苗:では私から。
夏川早苗:マイナーなし、メジャーで《C:バロール》《死神の瞳》《停滞空間》《因果歪曲》、判定前に《紡ぎの魔眼》
夏川早苗:対象は別エンゲージのガンマ、デルタ2名。
夏川早苗:夏川早苗の侵蝕率を+1した(侵蝕率:134->135)
夏川早苗:13dx7+1
DoubleCross : (13R10+1[7]) → 10[1,3,4,5,5,6,6,7,7,8,9,9,10]+10[1,4,6,7,9,9]+10[1,4,8]+10[9]+10[7]+10[10]+3[3]+1 → 64

GM:そんなに回す必要なくない???
夏川早苗:命中時、行動値0、次のダメージ+8D
夏川早苗:どうしてでしょうね?
デルタ・サジッタリ:8dx+1
DoubleCross : (8R10+1[10]) → 8[3,4,5,5,5,6,6,8]+1 → 9

ガンマ・ドラコニス:4dx+1
DoubleCross : (4R10+1[10]) → 7[1,1,5,7]+1 → 8

GM:当然無理!バステをモリっと受けました。
夏川早苗:夏川早苗の侵蝕率を+13した(侵蝕率:135->148)
夏川早苗:腹部の貫通創から滲む血が黒のセーラー服を汚しながら。
夏川早苗:「ゲホッ……フー」
夏川早苗:「プロフェッショナルって言ったけど、あれ、訂正するわミズ・八艘飛び。」
夏川早苗:「貴方も結構、感情に支配されたアマチュアみたい」
ベータ・オリオニス:「何……!?」
夏川早苗:額の脂汗を指で拭って、荒い呼吸で挑発する
夏川早苗:「貴方、なかなかに遊撃性能が高くって、それで自由に動けるみたいだけど」
夏川早苗:「そんな強いコマを、一番弱い私が足止めしてる」
夏川早苗:「それだけで、この場は私の『勝ち』なのよ」
夏川早苗:痛みにひきつる唇を弧を描くように。
夏川早苗:「そして私は欲張りなので」
夏川早苗:「一人だけの『足止め』じゃ、満足しないの」
夏川早苗:かちり、と。すでに作っていたボタンを押す。
夏川早苗:5つ作ったうちの2つ。予備弾倉を残していたガトリングが唸りをあげる。
夏川早苗:それは、ベータが襲いにかかったことでこちらを意識の外にしていたであろうガンマ、デルタの2人の意識の外から襲いかかる!
ガンマ・ドラコニス:「何……!」
デルタ・サジッタリ:「“オリオニス”!何遊んでんの!」
夏川早苗:泥の銃弾は襲いかかり、固まり、再び2人の行動を阻害する。
デルタ・サジッタリ:「そんなやつ、さっさと意識奪っちゃえばいいんじゃないですか!」
夏川早苗:「『醜く、苦しむ、戦いの生』、お嫌いなんでしたっけね。ミスターブシドー」
夏川早苗:「奇麗好きで理想が高くて、大変結構」
夏川早苗:「それでも一度、泥にまみれて足掻いてみると良いわ」
夏川早苗:「私は、そういう男のほうが好きだもの」
ガンマ・ドラコニス:「もう、そんな思いは」
ガンマ・ドラコニス:「たくさんだ。誰にも歩ませはしない!」
夏川早苗:「……ハッ!」
夏川早苗:「後続のプロデュースを丸投げする男が、よく言う」
GM:次!時雨or従者!
木花時雨:マイナーなし。
木花時雨:メジャーコンボ:イミテーション・ガーネット≪コンセントレイト:ウロボロス≫≪原初の赤:災厄の炎≫≪原初の赤:ブラッドボム≫。二人を攻撃。
木花時雨:13dx7+6
DoubleCross : (13R10+6[7]) → 10[2,2,2,3,4,4,5,6,7,8,8,9,9]+10[1,1,3,5,9]+3[3]+6 → 29

木花時雨:なんでこんなに回んないんだ…w
ガンマ・ドラコニス:4dx+1
DoubleCross : (4R10+1[10]) → 10[4,9,9,10]+7[7]+1 → 18

デルタ・サジッタリ:8dx+1
DoubleCross : (8R10+1[10]) → 9[2,5,5,6,6,6,8,9]+1 → 10

木花時雨:こわっ…
GM:妖精……!ラムダ!どこだラムダ!
GM:いない……
GM:ダメージをどうぞ。
木花時雨:3d10+4d10+18 こわ……
DoubleCross : (3D10+4D10+18) → 19[9,6,4]+22[7,9,4,2]+18 → 59

鈴木千秋:悲しみ……
木花時雨:8d10+59 死神分。
DoubleCross : (8D10+59) → 33[5,7,1,1,3,5,3,8]+59 → 92

木花時雨:うーん出目がびみょい。
GM:いや……
GM:現行のダメージでどっちも落ちますけど……?
木花時雨:あっそうとは…。死神ってやばいな…
木花時雨:木花時雨の侵蝕率を+7した(侵蝕率:165->172)
GM:君だろ!!!
夏川早苗:凄いね。
夏川早苗:こっちのせいにしたわよこの子
木花時雨:演出行きます!(脱兎
木花時雨:目の前の敵を見る。己より、対抗種の毒の扱いも、戦技も練り上げられた男と、耐久戦に優れた使い手を。
木花時雨:そして、その敵をも、碌な実戦経験も訓練も受けていない少女が、思惑の内に捉えて見せたそのときも。
夏川早苗:ベータを眼前に、ガンマと話し、デルタの意識をこちらに向ける。
夏川早苗:一番非力な素人に、その場の3人の意識は釘付けになる。
夏川早苗:その間に、偶像ではない、中身を伴う、それが迫る。
夏川早苗:「(足止めで、十分……!)」
夏川早苗:「……教えてあげないけどねっ!」
木花時雨:少し、笑えてきた。
木花時雨:わたしが、本当に回り道をして、のんべんだらりと歩いてきたならまだいいけれど。
木花時雨:そうじゃなくて、こっちの方がきっちりとした教材も教師もいてこれなのだ。
木花時雨:右腕を後ろ手に。
木花時雨:(本当にさ。笑えるくらい)闇の中に溶け込んで。
木花時雨:(みんな、星みたいに出来る人たちばっかり)気付かれるときには、その腕が降りぬかれる。
木花時雨:焔が覆う。それも、一度目は対処される。
木花時雨:「――まだ」及ばないなら。
木花時雨:「――まだっ」届かないのなら。
木花時雨:何度だって繰り返す。何度だって、やり通す。
ガンマ・ドラコニス:「――及ばない」
ガンマ・ドラコニス:「――届かない」
木花時雨:だって。そうするしか、わたしは追い付き方を知らなくて。
木花時雨:遠くにいる貴方の、その隣に立ちたくて――
木花時雨:リボンのように、影が解けて。
ガンマ・ドラコニス:「そんな、祈りは……無駄だっ!」
木花時雨:くるくると巻き込まれ。
木花時雨:「――そんなことはない」
木花時雨:「そんな、ことはないんだ」ぎりぎりと。その影が、光の裏にできるだけのものが。
木花時雨:圧を与えられ、熱を与えられて。
木花時雨:「――宝石の作り方を知っている?」
デルタ・サジッタリ:「急に、何を……!」
木花時雨:「それは。深い深い地の底で。どうしようもなく深い圧力と、高い温度が必要なんだ」
木花時雨:「人間は……今は、それを地上で作れるようになった」
木花時雨:きらりと。輝く光がそこにある。
木花時雨:「地上にさえ、星を生み出せるなら」
木花時雨:「きっと、届かないはずがないんだ」影が集い、光熱を導いて。
木花時雨:「わたしは、“パイロープ”」真紅の宝石が、生まれるまでの業火をそこに顕現させる。
木花時雨:「わたしの星は、ここにある…!」
ガンマ・ドラコニス:「……!」その炎熱に、迎撃の刃が、溶けて折れる。
デルタ・サジッタリ:「……!」反撃の針が、捻れて焼け落ちた。
木花時雨:焼き焦がす。金属さえも蒸発させる、地上に生まれた天上の星は。ほんの数秒程度で掻き消える。
木花時雨:消えたとしても、星はずっとわたしの中にあるままだ。
木花時雨:…わたしは、貴方の役に立てるくらいにはなれたかな。
木花時雨:貴方は、こんなわたしでも傍に置いてくれるかな。
木花時雨:……わたしを、見ててくれるかな。
木花時雨:そうだったら、きっと嬉しい。
夏川早苗:その光を目に焼き付ける。宝石の如く輝く、まばゆい星。
夏川早苗:目を細めるように、視線に少しの羨望を込めて。
夏川早苗:「全く、注目を浴びるためにずっと頑張ってるっていうのに、私」
夏川早苗:「そのジャンルまで対抗されるってんだから、たまらないわ」
夏川早苗:楽しそうに笑って。
夏川早苗:拗ねるように、唇を尖らせた。
木花小夜:「……時雨は美人だからね」
木花小夜:「私の、自慢の、妹」
夏川早苗:「あぁ、なるほど。そりゃそうか。」
夏川早苗:姫の妹というのなら
夏川早苗:「お姫様が輝かなくて、どうすんのって話ね」
風花春悠:その火を見た。己の身を焼く業火より、ずっと美しい光を。
木花時雨:対抗種の効果を反映します。
木花時雨:木花時雨のHPを-14(2d10+3->2,9+3)した(HP:12->-2)
風花春悠:「……」
木花時雨:HP0の為戦闘不能。復活しません。
風花春悠:「……時雨」
風花春悠:「……本当に。強くなったな」
木花時雨:ふら、とそのまま倒れ込む。毒を流し込まれたまま、戦ったからだろう。
木花小夜:「……時雨、大丈夫だから」
■MAP
     夏川[9]
    ベータ[13]

      5m   1m 鈴木[12]

  小夜[6] 紅球[9] 風花[7]
GM:従者の手番。
木花小夜:従者は時雨にエンゲージして終了。
木花小夜:「……春悠」泣きそうな声で君を呼ぶ。
木花小夜:「本当は、君に。これ以上だって、戦わせたくないんだ。でも」
木花小夜:「お願い。君を、信じるから」
木花小夜:「悪夢を、終わらせて」
風花春悠:「……」
風花春悠:引っ切り無しに炎を噴き出す外骨格の下から、その顔を見る。
GM:風花春悠の手番。
風花春悠:マイナーで戦闘移動、“ベータ・オリオニス”にエンゲージ。
■MAP
     夏川[9]
    ベータ[13]
     風花[7]

      5m   1m 鈴木[12]

     小夜[6]

      1m

     紅球[9]
     時雨[9]
風花春悠:メジャーでコンボ【スタブアウト:シンダーブレイズ】
風花春悠:≪コンセントレイト :バロール≫+≪瞬速の刃≫
風花春悠:対象“ベータ・オリオニス”
鈴木千秋:《支援射撃》 《リバーサルショット》 ダイス+5、達成値+10です。 133→141
風花春悠:16DX7+19
DoubleCross : (16R10+19[7]) → 10[1,2,3,4,5,5,5,6,8,8,8,8,9,10,10,10]+10[1,4,6,7,8,8,10,10]+6[1,3,3,6,6]+19 → 45

ベータ・オリオニス:ガード。《異形の捕食者》を使用。
GM:ダメージを。
風花春悠:5D10+36+3
DoubleCross : (5D10+36+3) → 16[6,1,3,3,3]+36+3 → 55

ベータ・オリオニス:55-3-4d10
DoubleCross : (55-3-4D10) → 55-3-15[6,4,2,3] → 37

ベータ・オリオニス:残りHPは1。
GM:オリオニスも撃破されます。
GM:復活はありません。
GM:戦闘終了。
風花春悠: 
風花春悠:敵を見据える。最後に残った“ベータ・オリオニス”を。
風花春悠:彼らの望み通り、チルドレンが戦わずに済む未来がもし来るならば、どれほど良いだろうか。
風花春悠:叶うのならば、そうあってほしいと願う。今まさに傷付いている小夜を、時雨を、鈴木を、夏川さんを見て、そう思う。
風花春悠:けれど、彼らのやり方は間違っていて。自分たちの理想からも、現実からも、かけ離れていて。
風花春悠:だから今は、戦うしかない。
風花春悠:舞い散る火の粉だけを残し、潜航する。生者を拒む、その領域に。
風花春悠: 
風花春悠:殺風景な部屋だった。
風花春悠:その場所は、自分がとても慣れ親しんだ場所だ。
風花春悠:訓練所。“白鳥の隠れ家”。
風花春悠:そこには誰もいない。あの頃の賑やかだった声は無く、すっかり荒廃しきっている。
風花春悠:無人の訓練所を歩き出す。
風花春悠:卒業以来、訓練所を訪れたことはない。もしかするとこれは現実そのままの姿かもしれないし、もしくはもう、とっくに解体されているのかもしれない。
風花春悠:狂おしいような郷愁と寂寞に駆られながら、『出口』を探す。
風花春悠:────鈴木千秋のことを想う。
風花春悠:何度も折れそうになった。
風花春悠:終わりの見えない戦いの日々で擦り切れて、燃え尽きて。
風花春悠:任務の度に、人間らしい感情は少しずつすり減って、何も感じない生きた屍に近付いていくようだった。
風花春悠:オーヴァードにとってそれは、死より恐ろしい末路に繋がる。
風花春悠:自分が今こうして戦えているのは、紛れも無く彼女のお陰だ。
風花春悠:彼女の明るさに、ずっと救われてきた。
風花春悠:その優しさに、忘れかけたものを何度も思い出せた。
風花春悠:鈴木千秋。生意気な後輩。そして、掛け替えのない恩人。
風花春悠:彼女と一緒なら、きっと自分は、また何度でも立ち上がることが出来るだろう。
風花春悠:……かつての自室の扉を開く。
風花春悠:そこにいたのは、見慣れてしまった顔だった。
初空ひかる:「遅いじゃん」
初空ひかる:初空ひかるが笑う。あの頃の、変わらない顔で。
風花春悠:「……」
初空ひかる:「私がいないと駄目なんだからなー、風花は」
初空ひかる:とことこと歩み寄って、手を差し伸べる。
初空ひかる:「ほら、早く行こ?案内してあげる」
風花春悠:「……」
初空ひかる:「……風花?」
初空ひかる:きょとんとしたように、首を傾げる。
風花春悠:「……ありがとう、ひかる」
風花春悠:「これまでずっと、側にいてくれて」
風花春悠:「だけど、もう」
風花春悠:「俺は、大丈夫だから」
風花春悠:思えばその幻覚は、きっと自分の弱さだったのだろう。
風花春悠:悲しみを忘れさせ、無かったことにしようとする幻。
風花春悠:きっと、それを否定することで、彼らを失ったことすら忘れ、本当の意味で失ってしまう不安から逃れようとしていたのだ。
風花春悠:けれどもう、絶対に。
風花春悠:ひかるを。海を。木を。自分が失った全てのものを。
風花春悠:忘れも。失いも。縛られも、しない。
風花春悠:炎の中に都合の良い幻想を見るのは、もうこれで、終わりにしよう。
stub: 使い残し、半券、刈り取られたもの。あるいは(本物が用意できないときの)代用品。
風花春悠:────その火を消すのが怖かった。
風花春悠:ひかるから継いだ火を一度でも絶やしてしまえば。もう二度と、再び灯すことは叶わないと思っていた。
風花春悠:そうなれば後には、無辺の荒野が。果てなく降り続く雪だけが残るだけだ。誰もが震え、凍えるばかりの。
風花春悠:だから、一度も足を止めなかった。何を捨てても進み続けなければ、きっとその火は消えてしまうから。
風花春悠:────けれど。
風花春悠:今は、違う。
風花春悠:今の自分の手の中には、確かな温もりがある。
風花春悠:そのあたたかさは、心に宿った小さな種火は、たとえ吹き荒ぶ吹雪の中でも、荒れ狂う業火の中だろうと。決して失われることはない。
風花春悠:(だから、きっと──)
stub out: 押し潰して炎を消すこと。
風花春悠:“シンダーブレイズ”の身体を包む火が、搔き消える。炎を失ったその姿は、燃え尽きた薪の如く。
風花春悠:そのまま拳を叩き込む。脆くなった外骨格はひび割れ、砕け、生身の身体が露わになる。
風花春悠:ほんの一瞬の静寂。そして。
風花春悠: 
風花春悠:(きっと、何度でもまた。その火を灯せる)
風花春悠: 
風花春悠:────再点火。
風花春悠:風花春悠の拳の先、“ベータ・オリオニス”の全身から、爆炎が噴き出す。
ベータ・オリオニス:「……!」
ベータ・オリオニス:初撃にすべてを捧げた。それを凌ぎきったはずなのに。
風花春悠:“錫の兵隊”の宿す炎。宿主以外の全てを等しく燃やす煉獄の火が、その身体を焼き尽くしていく。
ベータ・オリオニス:「ぐうううっ……!」
風花春悠:「悪いが、お前達じゃ」
風花春悠:「この火を消すことは、出来ない」
ベータ・オリオニス:「私、達は……!」
ベータ・オリオニス:「……」
ベータ・オリオニス:「死ぬの……?」
ベータ・オリオニス:「何も、なせないで……このまま……?」
風花春悠:「……ああ。そうだ」
風花春悠:「お前達は、ここで死ぬ」
風花春悠:「……だが」
風花春悠:「お前達を糧にして燃える火は、俺が決して消させはしない」
風花春悠:「“シンダーブレイズ”が戦い続ける限りはな」
ベータ・オリオニス:「……そう、それ……」
ベータ・オリオニス:「悪夢だわ」
GM:それだけ言うと、彼女は事切れて。
GM:戦いは、ここに終わった。



GM:バックトラック。
■Eロイス
“ガンマ・ドラコニス”
『覚醒する世界』
『衝動侵蝕』

“ベータ・オリオニス”
『衝動侵蝕』

“デルタ・サジッタリ”
『衝動侵蝕』

“ラムダ・スコルピ”
『衝動侵蝕』

“アルファ・タウリ”
『虚実崩壊』
『衝動侵蝕』
『尽きせぬ力』
GM:Eロイスは8個。
GM:振る方はどうぞ。
鈴木千秋:振ります
木花時雨:振ります。
風花春悠:最後で上がって159、勿論振ります
夏川早苗:振ります
風花春悠:159-8D10
DoubleCross : (159-8D10) → 159-40[5,4,1,9,7,3,3,8] → 119

木花時雨:172-8d10
DoubleCross : (172-8D10) → 172-43[6,2,2,9,9,7,3,5] → 129

鈴木千秋:141-8d10
DoubleCross : (141-8D10) → 141-57[9,4,9,10,10,4,5,6] → 84

夏川早苗:148-8d10
DoubleCross : (148-8D10) → 148-45[9,1,10,5,1,4,10,5] → 103

木花小夜:157-8d10
DoubleCross : (157-8D10) → 157-46[4,10,5,8,2,1,10,6] → 111

木花時雨:倍振りしますー。
夏川早苗:103-5d10 等倍
DoubleCross : (103-5D10) → 103-10[1,3,3,1,2] → 93

木花時雨:129-10d
DoubleCross : (129-10D6) → 129-30[3,4,2,2,3,2,2,4,4,4] → 99

木花小夜:1倍ぶりで行けそうだな。
木花時雨:あぶねえええ
夏川早苗:出目腐ってやがる。
夏川早苗:5点!!
木花小夜:111-5d10
DoubleCross : (111-5D10) → 111-29[7,9,9,3,1] → 82

風花春悠:ロイス余裕あるけど全部1が出るかもしれないので2倍振りします
鈴木千秋:下がりすぎたから倍ぶり
GM:時雨……!
風花春悠:119-12D10
DoubleCross : (119-12D10) → 119-68[6,4,5,7,1,9,7,6,9,5,6,3] → 51

鈴木千秋:84-10d10
DoubleCross : (84-10D10) → 84-68[2,9,9,8,8,7,1,7,7,10] → 16

木花時雨:3点で帰還です
鈴木千秋:3点!
風花春悠:3点!
GM:5点で帰還。
GM:全員帰還おめでとうございます!
夏川早苗:ありがとうございます!
木花時雨:ありがとうございます。
風花春悠:ありがとうございます!
鈴木千秋:ありがとうございます!


【トリガーシーン】

風花春悠:────花が咲いている。
風花春悠:抜けるような青空の下、色とりどりの美しい花畑が、どこまでも、どこまでも広がっている。
風花春悠:けれど、自分だけは知っている。
風花春悠:その花々が、元々は焼き尽くされた死体の山を糧として育ったことを。
風花春悠:だが、どうでもいいことだ。
風花春悠:たとえどんな咲き方であろうと、その花々の美しさに、変わりはない。
風花春悠:普段の悪夢とまるで異なる穏やかな風景に、考えることも忘れて立ち尽くす。
GM:ふと、後ろに気配がある。
風花春悠:「……」
風花春悠:その気配が誰か。半ば確信に近い予感と共に振り返る。
初空ひかる:赤髪の少女の姿が、そこにある。
初空ひかる:いつもと変わらない、笑顔ではなく。
初空ひかる:どことなく、不機嫌そうな顔の、初空ひかるの姿。
風花春悠:「……」
風花春悠:「……ひかる」
初空ひかる:「……色々言いたいことはあるんだけどさ」
初空ひかる:「私を悪夢にするの、やめろよな~~~!」
初空ひかる:「私、こういうさ!綺麗な夢のほうが好き」
風花春悠:「うっ……えっ……」いつもの夢と打って変わったその様子にたじろぐ。
風花春悠:「ご……ごめん……」
初空ひかる:「辛気臭いからそうなるんだよ、もう」
初空ひかる:「胸はってさ、前向く!」
風花春悠:「あ、ああ……」頷いて。
風花春悠:「……うん。そうするよ」
初空ひかる:「うむ、そうしたまえよ!」
初空ひかる:「……ま、とはいえ、多分さ」
初空ひかる:「ぼちぼち最後かな、こういうのは」
風花春悠:「……最後、か」
初空ひかる:「うん。だってさ。風花の心には、もう居るんでしょ」
初空ひかる:「心に、置きたい人」
風花春悠:「……」
風花春悠:「お前……」
風花春悠:「夢だからって恥ずかしいこと言うなよな……!」
初空ひかる:「そしたらお邪魔になっちゃう。目の前でいちゃつかれても正直ムカつくし……」
初空ひかる:「あはは。夢でも夢でなくても私はこういうこと平気で言う」
初空ひかる:「言ってた」
風花春悠:「……そうだな。そうだった」
風花春悠:「うん。……俺も」
風花春悠:「……そう思う。きっともう、最後にしたほうがいいんだろうな」
初空ひかる:「したほうがいいっていうかさ……」
初空ひかる:「これは風花の心なんだから」
初空ひかる:「風花の、持ちようだけだよ」
風花春悠:「……そうか」
初空ひかる:「私は、呪いでも、祝福でもない」
初空ひかる:「ただの、もう死んだ、女の子なんだから」
風花春悠:「……うん」
風花春悠:「それじゃあ」
風花春悠:少し寂しく笑って。
風花春悠:「さよなら、だな」
初空ひかる:「うん。さよなら」笑って。
初空ひかる:「言えてよかった」
風花春悠:「……ありがとう、ひかる」
風花春悠:「俺さ」
風花春悠:「もう、大丈夫だから」
風花春悠:「だから。これから、頑張るよ」
風花春悠:「あの時」
風花春悠:「助けてくれて、ありがとう」
初空ひかる:ニコリと笑って。
初空ひかる:それきりだ。
GM:それもきっと、本物ではなかったのだろう。
GM:本物の初空ひかるは、もう居ないから。
GM:それでも。
GM:君の思い出は、幻像などではない。


風花春悠:人気のない公園で、ベンチに座っている。
風花春悠:遠くから子供達の声が聞こえてくる。吹き抜ける晩秋の風が頬に冷たい。
風花春悠:雲の少ない秋晴れの下、独り言ちる。
風花春悠:「……やっぱり、現実とは違うんだな」
風花春悠:UGN訓練所、“白鳥の隠れ家”。
風花春悠:訓練所はとっくに解体されて、ここはその跡地だった。今では瓦礫の破片すら見当たらない。
風花春悠:まるで全てが夢幻で、最初から無かったことのように思わせる。
風花春悠:かじかむ手が冷たくて、息を吐く。手袋をしてくればよかったな、と思う。
風花春悠:あの戦いで、右手はまた一段と自分の身体の一部に近付いたように思える。
風花春悠:けれど、今はもうそれに不安は無い。
風花春悠:形は無くとも、薄れても。決して消えないものがあると知っているからだ。
風花春悠:息を吐いて。この日ここで会う約束をした、待ち人を待つ。
木花小夜:「……」
木花小夜:「……懐かしい、ってのも、違うか」
木花小夜:「昔見た光景は、全然ないもんね」
風花春悠:首を動かし、そちらを見る。
風花春悠:「……そうだな」
風花春悠:「周りも、何もかも変わってる」
木花小夜:「うん。同じままじゃ居られない」
風花春悠:「……俺たちだって、そうだ。昔の自分が見たら、何て言うだろうな」
木花小夜:「どうだろう。笑い飛ばされるんじゃないかな」
風花春悠:「そうかな」
木花小夜:「む。じゃあ、どうだって思うのさ」
風花春悠:「俺はドン引きされるかもな。小夜は……」
風花春悠:「……んん……そうだな……どう思う?自分では」
木花小夜:「やっぱり、笑われるって」
木花小夜:「「まだそんなことしてんのか」って」
風花春悠:「……なるほどね」
風花春悠:「でもさ」
風花春悠:「案外、憧れられるかもしれないんじゃないか」
木花小夜:「……憧れ?」
木花小夜:「私たち、そんなに、言うほど。日常、出来てないでしょう」
風花春悠:「……」
風花春悠:「まあ、それはそうかも……」
風花春悠:「……小夜って何というか」
風花春悠:その顔をじっと見て。
風花春悠:「意外と抜けてるよな」
木花小夜:「……はっ!?」
木花小夜:「な、何よ……!」
風花春悠:「いや、だって……昔からそうだろ」
風花春悠:「変なところで視野が狭いっていうか……」
風花春悠:「すぐ周りが見えなくなるっていうか。負けず嫌いのせいか?」
木花小夜:「そりゃ……視野も狭くなるわよ!」
木花小夜:「私は……」
木花小夜:「視界の中心に、春悠が居たんだから……!」
木花小夜:「悪い!?」
風花春悠:「……わ……」
風花春悠:「悪くはない、けど……」
風花春悠:「……そ、それだけじゃないだろ」
風花春悠:「クールぶってる割に、言われたことすぐに信じるし……」
風花春悠:「ひかるが言ってた宇宙人と忍者の話、あれ、いつまで信じてた?」
木花小夜:「……」
木花小夜:「……え」
木花小夜:「嘘なの……?」
風花春悠:「……」
風花春悠:「……いや……」
風花春悠:「マジで…………?」
木花小夜:「……ふふっ」
木花小夜:「冗談よ」
木花小夜:「春悠だってさ」
木花小夜:「クールぶってる割に、言われたことすぐに信じるのね?」
風花春悠:「うっ……」
風花春悠:「しまった……墓穴掘った……」
木花小夜:「……似た者同士なのかもね、私たち」
風花春悠:「……そうじゃなくて!」
木花小夜:「うん?」
風花春悠:「……だからさ」
風花春悠:「放っておけないんだよ」
風花春悠:小夜を見据える。真っ直ぐにその瞳を覗き込む。
木花小夜:「……」
木花小夜:「……春悠?」
風花春悠:「……返事」
風花春悠:「遅くなって、ごめん」
風花春悠:「……好きだ」
木花小夜:「……本当に」
木花小夜:「私で、いいの?」
風花春悠:「うん」
風花春悠:背に腕を回し、身を寄せて。
風花春悠:「小夜が、いいんだ」
木花小夜:その腕に。君の腕に。身を預けて。
木花小夜:「……うん」
木花小夜:「私も、春悠と。一緒にいたい」
木花小夜:「一緒になりたい」
木花小夜:「そう、思ってきたから」
木花小夜:「君を離さないから」
風花春悠:「……あの時」
風花春悠:「小夜ともう一度、また会えて。何よりも嬉しかった」
風花春悠:「小夜の気持ちを聞いて、気付いた。思ったんだ」
風花春悠:「もう二度と、絶対に」
風花春悠:「小夜を、失いたくない」
風花春悠:「絶対に、離したりしない」
風花春悠:顔を寄せて、唇を重ねる。
木花小夜:それを受け入れて。
木花小夜:しばらくの後に、そっと離して。
木花小夜:「やっぱり、私は」
木花小夜:「君に触れるのが、好きみたい」
風花春悠:「……」
風花春悠:穏やかな笑みを浮かべ。それから、真剣な表情になる。
風花春悠:「……聞いたよな。俺に、UGNで評議員になれると思うかって」
木花小夜:「……うん」
風花春悠:「あの場ではああ言ったけど。俺は難しいと思う」
風花春悠:「俺一人ならな」
風花春悠:そう言って、手を差し伸べる。
木花小夜:「私たち二人で?バカみたい」その手を取る。
木花小夜:「いいよ。その夢、一緒に見てあげる」
木花小夜:「私が一緒にいるなら、きっと。いい夢だって思えるから」
風花春悠:「……うん。きっと、そう思う」
風花春悠:笑って、それから君の顔をじっと見つめる。
風花春悠:「……なあ」
木花小夜:「……うん」
風花春悠:「やっぱりさ」
風花春悠:「昔よりもっと、綺麗になったよ」
木花小夜:「……っ」
木花小夜:「そういうこと、急に言うな……!」
風花春悠:「えっ何だよ……前振りがあればいいのか……?」
木花小夜:「違う、そういう意味じゃなくて……!もう!」
木花小夜:「これから」
木花小夜:「これからも、ずっと!」
木花小夜:「綺麗に、なってくから……!」
木花小夜:「視界の中心に、置いてよ」
風花春悠:「……そっか」
風花春悠:嬉しそうに、照れくさそうに笑って。
風花春悠:「うん。これからずっと、見てるよ。一番近くで」
風花春悠:「楽しみにしてる」


【エンディング:夏川早苗】

GM:――ガンマ・ドラコニス:「お願いしますよ。彼らに夢を」
GM:――アルファ・タウリ:「仰せのとおりに。では、お見せするとしましょうか」
GM:――君は幻像(ゆめ)の世界へと囚われる。
夏川早苗:----
夏川早苗:---
夏川早苗:--
夏川早苗:-
夏川早苗
夏川早苗:-
夏川早苗:--
夏川早苗:---
夏川早苗:----
夏川早苗:がさり、とビニール袋の音。
夏川早苗:台所に並ぶ、袋に入ったままの野菜。真新しい包丁。その他調味料。
夏川早苗:ひとまずそれを種類ごとに分けるように並べて。
夏川早苗:「…………」
夏川早苗:「よし」
夏川早苗:きゅ、とエプロンの紐を結ぶ。
夏川早苗:一つに編んだ髪は後ろに流して、Tシャツとジーンズの上からひよこ柄の、糊の効いたエプロン。
夏川早苗:まだシミひとつ無い台所に対し、舞台に挑む時のような気分で。
夏川早苗:「…………まずは、レシピ!」
夏川早苗:傍らのタブレットを操作して、条件を入力した。
夏川早苗:[カレー かんたん おいしい]
夏川早苗:…………
夏川早苗:………
夏川早苗:……
夏川早苗:…
夏川早苗:グツグツ、と炎のもたらす温度と、鼻を刺激するようなまろやかな香り。
夏川早苗:「おぉ………」
夏川早苗:とろみの付いた鍋の中身を、皿に盛った白米の上に流しかけて
夏川早苗:「おぉぉぉぉ……」
夏川早苗:初めて作った料理というものに、感嘆の吐息を漏らして。
夏川早苗:2つのお皿を運ぶ。
夏川早苗:「はい、おまたせっ」
夏川早苗:一人暮らしには広いマンションの一室。
夏川早苗:そこに住む「もうひとり」は既にテーブルの上を拭いて用意をしてくれていて。
夏川早苗:向かい合うようにお皿を並べる。
夏川早苗:「いただきますっ」
 :「─────」
夏川早苗:相手と声を合わせて。
夏川早苗:左手で四苦八苦しながらスプーンを口に運ぶのを見る。
夏川早苗:それを妙に乾く口を意識しながら見て。
夏川早苗:「………どう?」
 :「─────」
夏川早苗:「…………むっ」
夏川早苗:「もうちょっとさぁ、遠慮ってものをさぁ……私、アイドルだよ?手料理ですよ?」
夏川早苗:「……いいもん。これから上手くなるし」
夏川早苗:言いつつ、自分のも一口。
夏川早苗:「………………」
夏川早苗:「うん」
夏川早苗:「磨けば光るものがあるわ」
 :「─────」
夏川早苗:「わーらーうーな!」
夏川早苗:身を乗り出してその頭をぽかぽかと叩く。
夏川早苗:おざなりにガードする左手に、キラリと銀色が光って。
夏川早苗:「…………へへっ」
夏川早苗:自分の左手。同じ指に同じ輝きがあるのを確かめる。
 :「─────」
夏川早苗:「気味悪くないです」
夏川早苗:「……ただ、うん。幸せだなぁって思って」
夏川早苗:対面に座る彼の、右腕が存在するはずの空間を見て
夏川早苗:「……ありがとね、って思ったの」
夏川早苗:「………」
夏川早苗:「………………」
夏川早苗:「えへへ」
夏川早苗:左手の指輪を、そっと撫でる。
夏川早苗:「あのね、そろそろ仕事が落ち着きそうなの」
夏川早苗:「ドラマも、数ヶ月でクランクアップだし」
夏川早苗:「大学の方もさ、そろそろ、卒業の訳ですよ」
 :「─────」
夏川早苗:「……………」
夏川早苗:むぅ、と唇を尖らせて。
夏川早苗:「えっとですね、それで、区切りというか、なんというかぁ……」
夏川早苗:左手を、相手の左手に重ねる。
夏川早苗:かちゃり、と銀色の硬い音がぶつかり合う。
夏川早苗:「だから、しばらく、数ヶ月ぐらい、ゆっくりできる予定で、仕事も入れてないの」
夏川早苗:「だから、私」
夏川早苗:潤んだ目で、相手の目を真っ直ぐ見て。
夏川早苗:「……………貴方との、ね………が、ほしいかなぁと、ね?」
 :「─────」
夏川早苗:「も、もう!」
夏川早苗:「わかるでしょ!?ここまでいって!?」
夏川早苗:「私、貴方の!」
夏川早苗:「■■ちゃ■が────」
夏川早苗: 
夏川早苗: 
夏川早苗: 
夏川早苗: 
夏川早苗:…………
夏川早苗:………
夏川早苗:……
夏川早苗:…
夏川早苗: 
夏川早苗: 
夏川早苗:   「あぁ」
夏川早苗:       「やっぱり」
夏川早苗:「作り込みが甘いわね、演出家」
夏川早苗: 
夏川早苗:左手の薬指を見た。
夏川早苗:傷一つ無い、余計な装飾もない
夏川早苗:きれいな、指だった。


GM:【千尋沢高校 屋上】
風花春悠:「……」
風花春悠:屋上を秋風が吹き抜けていく。
風花春悠:眼下に広がる校庭、運動部の様子をぼんやりと眺めながら、鉄柵に寄りかかっている。
夏川早苗:コツコツコツ、と階段をのぼる音。
夏川早苗:そしてどこかが錆びたような扉のノブを回す音が聞こえて、屋上にもうひとり現れる。
風花春悠:「……」ゆっくりとそちらを振り返る。
夏川早苗:黒髪をみつあみにして、眼鏡を掛けた少女が、君がいるのに驚きもせず。外側からノブの鍵を回す。
夏川早苗:「こんにちは。過ごしやすい季節になったわね、風花くん」
夏川早苗:遮るもののない風に揺れる髪を押さえながら、近づいていく。
風花春悠:「……そうだね」
風花春悠:「もう、寒いくらいだ」
夏川早苗:「えぇ。こないだまで夏だと思っていたらもう秋で、油断していると冬になってしまいそう」
夏川早苗:「風花くんは、冬って好き?」
風花春悠:「……どうだろう。寒いのは苦手なんだ」
風花春悠:「寒いからこそ分かることもあるけどね。家のありがたさとか」
夏川早苗:「あぁ、それっぽい。余分な脂肪とかなさそうだもんね、風花くん」
夏川早苗:「そうね、寒さを知ってるからこそ、暖かい家がありがたく思うものよね」
夏川早苗:「ま、私は素直に春が好きだけど。」
夏川早苗:「暖かいし、出会いの季節だものね」
風花春悠:「……別れの季節でもあるけどね」
夏川早苗:「さて、じゃあ場も温めた所で。」
夏川早苗:かしゃん、と。君の隣。鉄柵に背中をあずけるように。
夏川早苗:「お話をしましょうか、風花くん」
風花春悠:「……」
風花春悠:「ああ」
風花春悠:息を吸って。
風花春悠:「……ごめん」
風花春悠:「小夜に告白して、付き合うことになった」
夏川早苗:「……………………………………」
夏川早苗:「そっ、か」
風花春悠:「君の気持ちには、応えられない」
夏川早苗:「小夜さんと、ね」
夏川早苗:「うん」
夏川早苗:「…………そうね」
夏川早苗:「まずは、おめでとう。それと……ありがとう。かしら」
夏川早苗:「誤魔化さず、言ってくれて。」
風花春悠:「……」
夏川早苗:「私ね」
夏川早苗:「小夜さんのこと、好きよ」
夏川早苗:「気難しいと思ったけど生真面目なだけで、クールに見えてすごくこっちを大事にしてくれてるし」
夏川早苗:「私のことを知ってたのが任務だから、ってのはちょっと減点だけど。」
夏川早苗:「その後のフォローとか気遣いでむしろ加点よね」
夏川早苗:「…………………」
夏川早苗:「風花くんは」
夏川早苗:「小夜さんの、どこが好き?」
風花春悠:「……」
風花春悠:「大体は、君と同じ」
風花春悠:「それと」
風花春悠:「……強くて、弱くて。目が離せないところ」
夏川早苗:「………………そっか」
夏川早苗:「そっかぁ……」
夏川早苗:「じゃあ。離しちゃ駄目だよ、目」
風花春悠:「…………ああ」
夏川早苗:「私、視線には敏感だから」
夏川早苗:「目を離してたらすぐ、わかるからね」
風花春悠:「……大丈夫だよ」
風花春悠:「絶対に、離さないから」
夏川早苗:「…………はは。」
夏川早苗:「暑くなってきましたな」
夏川早苗:「そっか、そっか。そこまでですか。じゃあ、うん」
夏川早苗:「仕方ないか」
夏川早苗:ぐ、と両手の指を絡ませて大きく伸びをする。
風花春悠:「……」
夏川早苗:「あーあ、フラれたフラれた!アイドルなのにな~!」
夏川早苗:あはは、と笑顔を見せる。
風花春悠:「……この前」
夏川早苗:「うん?」
風花春悠:「カラオケで初めて聴いて。それから何度も、君の曲を聴いてる」
夏川早苗:「おぉ」
夏川早苗:「照れますねぇ」
夏川早苗:「気に入ってくれた?」
風花春悠:「……うん」
風花春悠:「いい歌だと、思った」
風花春悠:「……夏川さんの歌は、大勢の人を幸せに出来るよ」
夏川早苗:「ふふ、でしょ?」
風花春悠:「……それは戦うより、ずっと尊いことだ」
風花春悠:「……やっぱり」
風花春悠:「夏川さんには、こちら側には来てほしくない」
風花春悠:「君には、陽の当たる場所で歌っていてほしい」
風花春悠:「それが俺の望みだ」
夏川早苗:「………………あはっ」
夏川早苗:「あははっ、そっか、うん」
夏川早苗:「そういえば」
夏川早苗:「風花くんが私を褒めてくれるのは、いまのが初めてだっけね」
夏川早苗:「勝ち目がないはずだわ、そりゃ。アピールが足りませんでした」
夏川早苗:「で、えーと。はい。戦ってほしくない。だっけ。うん」
夏川早苗:「それも良いかもね。戦って傷跡とか残ると怖いし。戦おうと思ってた一番の理由も、なくなっちゃうし」
夏川早苗:「夏川早苗はさ、君の特別になりたかったけど。……なれなかったけど。」
夏川早苗:「早川なつみが貴方の心を揺さぶったなら、それでよしとすべきなのかもね」
夏川早苗:「うん。贅沢な話だ。贅沢な話ですよ。アイドル冥利に尽きるというものです。」
風花春悠:「……」
風花春悠:彼女はとても素敵な人だ。本心からそう思っている。
風花春悠:早川なつみとしてでなく、自分の知る夏川早苗に対して。褒めるべき、好むべきところなど、いくらでも。
風花春悠:だが、何も口にはしない。
夏川早苗:「……………………もし、さ。」一歩、前に踏み出して。振り返らず、後頭部だけを見せて。
夏川早苗:「私が、早川なつみじゃなくて。ただの一女子高生で。」
夏川早苗:「ただの一人として。助けた助けないじゃなくて、なんでも無い女の子として、貴方に寄り添えていたら、なんだけど。」
夏川早苗:「もしそうだったら、私を…………………」
夏川早苗:「…………」
夏川早苗:振り返る。笑顔で。
夏川早苗:「ごめん、やっぱ今のナシ!」
風花春悠:「それは違う」
夏川早苗:「…………っ」
風花春悠:「それは、違うよ」
夏川早苗:「………何が、違うのかな」
風花春悠:「……」
風花春悠:「……俺に告白したのは、早川なつみじゃないだろ」
夏川早苗:「………………そうだね」
夏川早苗:少し、眼鏡を弄って。
夏川早苗:「……あぁ、いえ。そうね」
夏川早苗:クラスメイトとして接する時の、平素な口調になる。
夏川早苗:「でも、私は物心ついたときから夏川早苗で、早川なつみだったから」
夏川早苗:「早川なつみが、貴方の側にいてほしくないと。別の世界で居てほしいと言われると」
夏川早苗:「……もう、どうしたらいいか、わからなかったのよ」
夏川早苗:「ごめんね、変なこと言って。」
夏川早苗:「それで……ええと。さっきの話。陽のあたる場所で、ってやつ」
夏川早苗:「……考えておくわ。まだ制御したとも言い難いから、明日からいきなり。ってわけには行かないけど」
夏川早苗:「向いてないことをして、貴方の負担になるつもりは、ないから。安心して」
風花春悠:「……ああ」
夏川早苗:目線をグラウンドの方に向けながら。
夏川早苗:「………そのお願いを聞く代わり。ではないのだけど」
夏川早苗:「こちらからも一つ、お願いしてもいいかしら」
風花春悠:「……何かな」
夏川早苗:「キスをして。…なんて無茶ぶりはしないから安心して頂戴」
夏川早苗:面白くもない冗談を言うように近づいて、向かいあう。
夏川早苗:《万能器具》。ハサミを作成。
夏川早苗:美容院で使われるような、銀の細身のハサミ。
夏川早苗:「髪を」
夏川早苗:「髪を、切ってくれないかしら」
風花春悠:「……っ……」
夏川早苗:みつあみを解いていく。風に流れるように、ストレートの髪がなびく。
夏川早苗:「……あぁ、安心して。美容師さんみたいにセットしてとか無茶ぶりじゃないから」
夏川早苗:流れる一房を、少しつまんで。
夏川早苗:「一回だけ、ちょきんと切るだけでいいわ。全部切っちゃうとお仕事も大変だし」
夏川早苗:「短くして貰ったら。」
夏川早苗:髪は短くなるけれど。それでもいつかは伸びるから。
夏川早苗:「……それが今ぐらいの長さになったら」
夏川早苗:「ちゃんと、貴方のことを吹っ切るから」
夏川早苗:「……少しだけ、私の中に貴方を刻んでほしいの」
夏川早苗:銀のハサミ。左利き用のそれを、刃先を手前にして差し出す。
風花春悠:「……」
風花春悠:「……分かった」
風花春悠:鋏を受け取る。
夏川早苗:「うん」
夏川早苗:「おねがい」
夏川早苗:数本をつまんだ髪を、切りやすいように君の前に差し出す。
風花春悠:黒髪に刃を通す。
風花春悠:その想いを断ち切るように、二本の刃が重なり合って。
風花春悠:ちょきん、と。
風花春悠:あまりにも軽い音と共に、髪の束は切り落とされて。
風花春悠:「……」
風花春悠:数えきれない言いたい言葉を押し殺して、ただ一つ、言うべき言葉を口にする。
風花春悠:「これからも、応援してる」
風花春悠:「君のファンとして」
夏川早苗:「…………………ありがと。」
夏川早苗:「私と同じ学校に通ってたことを、自慢させてあげる」
夏川早苗:「彼女さんとお幸せにね? 不幸になんてなったら」
夏川早苗:「ちょっと、許せないかも」
夏川早苗:用済みの鋏を受け取る。
夏川早苗:「……………さっ、クラスメイトの風花くん?」
夏川早苗:「私、まだここで練習していきたいの」
夏川早苗:「……良かったら、一人にしてくれる?」
夏川早苗:正面から身体をずらして、扉までの道を開ける。
風花春悠:「……ああ」
風花春悠:「さよなら、夏川さん」
風花春悠:それだけ言って、歩いていく。
風花春悠:軋む音と共に鉄扉が開かれて。
夏川早苗:「えぇ」
夏川早苗:「さよなら、風花くん」
風花春悠:ばたん、と。重い音と共に閉ざされた。
夏川早苗:閉まる扉を見送って。
夏川早苗:静かな足音が遠ざかるのを聞く。
夏川早苗: 
夏川早苗: 
夏川早苗:「あーあ」
夏川早苗:眼鏡を外して、正面で向き合うようにびよんびよんと振る。
夏川早苗:「フラレちゃいましたよ夏川さん」
夏川早苗:「『そうね。やっぱり攻め方が急すぎたんじゃないかしら』」
夏川早苗:裏声。眼鏡を上下させつつ。
夏川早苗:「『あれ、完全に変な女だもの』」
夏川早苗:「やっぱり?そう思います?」
夏川早苗:「やぁやぁ。でも、頑張った方ではないですか?我々結構善戦しましたよ」
夏川早苗:「『まぁできるだけのことはやったって感じよね』」
夏川早苗:「何が悪かったと思いますか夏川さん?」
夏川早苗:「『知らないわよ』」
夏川早苗:「『強いて言うなら運じゃないかしら早川さん』」
夏川早苗:「知った口を聞きますねぇ~」
夏川早苗:「………………」
夏川早苗:ズルズルとしゃがみ込み、眼鏡をかける
夏川早苗:「むなしい」
夏川早苗:ゴン、と鉄柵に頭をあずけて。
夏川早苗:「………はぁー……」
夏川早苗:白い息が空に上る。
夏川早苗:「………………うん、大丈夫、大丈夫」
夏川早苗:「よくあること、よくあること」
夏川早苗:「私が一番じゃないなんて」
夏川早苗:空を見る。
夏川早苗:上を見る。
夏川早苗:自分より高く軽々と飛ぶ鳥を見る。
夏川早苗:夏川早苗、早川なつみ。
夏川早苗:そして、UGNで言う所の《タルト・トタン》。
夏川早苗:和風に訳すと、『重なる塗炭』。
夏川早苗:塗炭の苦しみを幾度も重ねて。
夏川早苗:それでも表面は、甘い甘いタルト・タタンのように、とろける夢を魅せるもの。
夏川早苗:白鳥が水面下のバタ足を、なんてのは。アイドルには当然すぎますか。
夏川早苗:1%の綺麗な虚構を魅せるため。
夏川早苗:99%の苦しみを重ねる生き様。
夏川早苗:そんな私が綺麗と言ってくれたのです。それを喜ばなくてどうします。
夏川早苗:「ふぅ」
夏川早苗:アイドルは、気に入ってもらう職業です。
夏川早苗:競争相手もいっぱい居ます。
夏川早苗:『私より気に入られる子』がいるのは慣れてます。
夏川早苗:大丈夫、大丈夫。
夏川早苗:いつものことじゃあ、ないですか。
夏川早苗:ちょっと苦しいけれど、慣れますよ。
夏川早苗:養成所では、一番開花も遅かったけれど。
夏川早苗:個性的な天才さんに勝てることがまったくない、無個性器用貧乏ですが。
夏川早苗:望まれれば結構、やれるものですって。
夏川早苗:わかってますよ、わかってます。これからもバタ足を続ければ、前にすすめるのはわかってます。
夏川早苗:だけどたまには休憩、休憩。
夏川早苗:ちょっと静かにうつむいて、笑えるようになればいい。
夏川早苗:「『われら役者は 影法師』」
夏川早苗:「『皆様がたの お目がもし お気に召さずば ただ夢を』」
夏川早苗:「『見たと思って お許しを。』」
夏川早苗:アイドルですもの。次があります。その時は、もっと素敵な私になりましょう。
夏川早苗:まぁ、ただ。
夏川早苗:「……………………………はぁー」
夏川早苗:「誰かに負けるのって、辛いわぁ」
夏川早苗:たまには弱音も吐きますよ。
夏川早苗:アイドルだって、人間ですもの。
夏川早苗:ぼやいたつぶやきは、霞む白となって、誰にも届かず消えていく。
夏川早苗:その傍ら、無造作に放置された銀の鋏。
夏川早苗:理容師が使うような、左利き用のプロのそれ。
夏川早苗:彼が親指と中指と、薬指を通した持ち手がどろりと溶けて。
夏川早苗:銀の輪っかが砕けて消えた。


【エンディング:鈴木千秋】

GM:――君は幻像(ゆめ)の世界へと囚われる。
風花春悠:一人の少年が、道を歩いていく。
風花春悠:学生服姿のどこにでもいそうな少年に見えるが、よく見れば彼には、右腕が無い。
風花春悠:少し不慣れな様子で左手だけで荷物を持ち、ゆっくりと歩いていく。
鈴木千秋:では、そこに。
鈴木千秋:「ハールせーんぱいっ!」 背中に伝わる柔らかい衝撃
鈴木千秋:君の肩から両腕を回し、包み込むような体勢を取る1人の少女
鈴木千秋:「Spring先輩、今帰り?」
鈴木千秋:「一緒に帰ろ?」
風花春悠:「う、お……!?」少しよろめいて、何とか体勢を保ち。
風花春悠:「……千秋か」
鈴木千秋:「千秋チャンです」
風花春悠:「毎回やらないと気が済まないのか?それ」
鈴木千秋:「様式美というか、お約束というかって感じ?」
鈴木千秋:そう言って、君の左手の荷物を奪う様にして手に取り、
鈴木千秋:代わりに
鈴木千秋:空いた君の左手に、自身の手を繋ぐ。
風花春悠:「いつも警戒しながら歩かなきゃならない身にもなれよな……」
風花春悠:「……重くないか?それ」
鈴木千秋:「でも、嬉しいっしょ?」
風花春悠:「う……嬉しくねーし……」
風花春悠:僅かに目を逸らす。
鈴木千秋:「嬉しくないならやめちゃおっかなー?」にまにま
鈴木千秋:「先輩のカバン、何も入ってないじゃん」
鈴木千秋:当然、今後も背後からの抱き着きを改めるつもりなど一切ない
風花春悠:「う……いや…… ……え?」
鈴木千秋:「……おやおや?」
風花春悠:「ノートとか入ってるだろ…… ていうかな」
風花春悠:「やめろって、人前でベタベタすんの……!」
鈴木千秋:「……わかった。それじゃ、これからは」
鈴木千秋:「人目を忍んでベタベタするね?」
風花春悠:「いや、だからそういう……」
風花春悠:「……」
風花春悠:「……そういう、話……だよ……」
鈴木千秋:「そういう話だったかー」 上機嫌そうに鼻歌を鳴らす
風花春悠:「こいつ……調子乗りやがって……」
鈴木千秋:「先輩で……先輩と遊ぶの、楽しいんだもん」
風花春悠:「『で』じゃねーだろ……!わざと言ってないか!?」
鈴木千秋:「キノセイデスヨ」 下手くそな口笛を吹きながら。
鈴木千秋:「先輩は?どう?」
鈴木千秋:「鈴木といると、楽しい?」
風花春悠:「……な、何だよいきなり……」たじろいで。
風花春悠:「言わなくても知ってんだろ」口を尖らせる。
鈴木千秋:にぱっと笑顔になり
鈴木千秋:「勉強よりも楽しい?」
鈴木千秋:「勉強が趣味の真面目クンな先輩だけど。鈴木といる方が楽しいのかな?」
風花春悠:「……勉強なんて。あんなの、適当に言っただけだっての」
風花春悠:「だから……あー……」
風花春悠:顔を赤くして。
風花春悠:「あー……ったく!」
風花春悠:「……楽しいよ」
風花春悠:「千秋といるのが、一番楽しい」
鈴木千秋:「へっへー、そっかー、そうですかー」
鈴木千秋:「それじゃ、ここで質問デス」
鈴木千秋:「良いニュースと悪いニュースがあるんだけど。どっちから聞きたいデスカ?」
風花春悠:「お前、何するにもいきなりだな……」
風花春悠:「そうだな、じゃあ、悪い方から」
鈴木千秋:「人生はいきなりの連続なのデス」
鈴木千秋:「悪い方から?先輩、ショートケーキの苺は最後に残しておくタイプ? ……えーと、悪い方のニュースは」
鈴木千秋:「実は鈴木、この間のテストの結果がヤバいです。なので、」
鈴木千秋:「勉強の得意な誰かさんに、家に来てもらって勉強を教えてもらう必要がありマス」
風花春悠:「お前……ちゃんと勉強しろって言ってんだろ!」
鈴木千秋:「ひゃあー。怒らないでー。パワハラ、パワハラ、セクハラ」
風花春悠:「セクハラ要素は今は無いだろ!全くお前は……ちゃんとやれよな、やれば出来るんだから」
鈴木千秋:「鈴木の事、買ってくれてるんだ?」
風花春悠:「やらないから困るって言ってんだぞ」
鈴木千秋:「……ハーイ。『セクハラ要素は“今は”ないだろ』には目を瞑ってあげたのに」
鈴木千秋:「……続いて、良いニュースですけど」
風花春悠:「うっ…… っせーな……!人前でそういうこと…… ……何だよ」
鈴木千秋:「悪いニュースで、これから鈴木の家で勉強を教えなくちゃならなくなった先輩に対する良いニュースなんですけど」
鈴木千秋:強調。
鈴木千秋:そして、君の耳元にそっと口を寄せて
鈴木千秋:(鈴木の家、今日は誰もいません)
風花春悠:「……」
鈴木千秋:「」
鈴木千秋:「『セクハラ要素は“今は”ないだろ』」
鈴木千秋:「……」
鈴木千秋:「……」
鈴木千秋:「預言者かな?」
風花春悠:「……」
風花春悠:「千秋!!」
鈴木千秋:「ひゃー!ごめんごめん!あっ、途中でコンビニ寄ってこーね」
鈴木千秋:そう言いながら。
鈴木千秋:2人は、ゆっくりと歩いていく。隣で笑いながら
GM:----
GM:---
GM:--
GM:-
風花春悠:一人の少年が、道を歩いていく。
風花春悠:学生服姿の、どこにでもいそうな少年。外見上、特に変わったところもなく。
風花春悠:確かな足取り。右手で荷物を持ち、ゆっくりと歩いていく。
鈴木千秋:「ハールせーんぱいっ!」 背中に伝わる柔らかい衝撃
鈴木千秋:君の肩から両腕を回し、包み込むような体勢を取る1人の少女。
鈴木千秋:「Spring先輩、今帰り?」
鈴木千秋:「一緒に帰ろうか?」
風花春悠:「う、お……!?」少しよろめいて、何とか体勢を保ち。
風花春悠:「……鈴木か」
鈴木千秋:彼の右手に目を向ける
鈴木千秋:「先輩の鞄、相変わらず何も入ってないね。鈴木が持ったげようか?」
風花春悠:「……は?何だよそれ」怪訝な顔。
風花春悠:「別にいらない。荷物なんて持たせられないだろ、後輩に」
鈴木千秋:「さすが。先輩の鏡。後輩に荷物は持たせられない」
鈴木千秋:「言質をいただきましたので」
鈴木千秋:「はい」
鈴木千秋:と、自分の鞄を先輩に差し出します。後輩に荷物は持たせられないよね?にまにま
風花春悠:「何だよその理屈……!」言いつつ、左手で鞄を受け取って持つ。
鈴木千秋:「へへ。……やっぱり先輩、優しいね」
風花春悠:「……別に……」
風花春悠:「優しくなんて、ない」
風花春悠:声色にどこか真剣なものが混じる。
鈴木千秋:「……そっか。優しくないか。……鈴木としては」
鈴木千秋:「わざわざそう言っちゃうところが、優しいと思っちゃうんだけどな」
鈴木千秋:こちらも、言葉尻が真剣みを帯びている
風花春悠:「……」 黙り込んで歩く。
鈴木千秋:「……」 その隣を歩き。くるっと先輩の前に出て振り向く。
鈴木千秋:後ろ歩きをしながら、先輩の顔を覗き込む。そして
鈴木千秋:「先輩?良いニュースと悪いニュースがあるんだけど」
鈴木千秋:「どっちから聞きたい?」
風花春悠:「……そうだな」
風花春悠:「じゃあ、悪い方から」
鈴木千秋:「先輩、ショートケーキの苺は最後に食べるタイプ? ……悪いニュースは」
鈴木千秋:僅かに息を飲んで。
鈴木千秋:「あはは。鈴木にとっての悪いニュースかな」
鈴木千秋:「……先輩さ、この前の任務の意味、分かる?」
鈴木千秋:「なんで」
鈴木千秋:「時雨ちゃんと小夜姫が、わざわざ同じチームになったと思う?」
風花春悠:「……」
鈴木千秋:「鈴木は思うんだけど」
鈴木千秋:「先輩の“右手”。その最終確認のためじゃないかな」
鈴木千秋:「その2人をチームに加えてなお、先輩が制御出来るのかってやつ」
風花春悠:「……」右手に視線を落とす。何ら異常はない。
風花春悠:「……最終確認?」
風花春悠:「じゃあ、まさか──」
鈴木千秋:「……本部エージェントになりたいんだよね、先輩」
鈴木千秋:「……良いニュースは」
鈴木千秋:「『“右手”の危険性は無い』っていう鈴木の報告が、正式に受理されたってこと」
鈴木千秋:「……先輩の夢が、一歩進んだのかな」
風花春悠:「……」
風花春悠:「外れるのか、監視」
鈴木千秋:「勘が鋭いなあ、先輩」
鈴木千秋:「……うん。鈴木の『監視役』の任務は、無事に遂行したノデス」
風花春悠:「……」どう反応していいか、分からない顔になって。
風花春悠:「……そう、か……」
風花春悠:息を吐きながら零す。
風花春悠:「……今まで、世話になったな」
鈴木千秋:ゆっくりと、先輩に近づき
鈴木千秋:むにっ
鈴木千秋:先輩のほっぺを伸ばす
鈴木千秋:「そんな顔で言わないの」
風花春悠:「……」視線を上げて、その顔を見る。
鈴木千秋:「先輩は、さ」
鈴木千秋:「やっぱり優しいね」
鈴木千秋:「自分の事よりも。今、こうして鈴木の事を考えてくれてる。……でもね」
鈴木千秋:「これからは、鈴木みたいな違う子の事を考えてちゃダメだよ? 怒られちゃう」
鈴木千秋:「不器用で、でも真っすぐな。放っておけない子に、さ」
風花春悠:「……っ……」
風花春悠:息を呑む。
風花春悠:「……言おうと、思ってたのに」
風花春悠:「もう、知ってたのか」
鈴木千秋:「……当たり前じゃん。だって、鈴木は。最後まで先輩の『監視役』だったから」
鈴木千秋:「ずっと見てたし」
鈴木千秋:「それに、先輩。言えなかったっしょ?……分かるよ。先輩、優しいもん」
風花春悠:「……それは、そんなのは」
風花春悠:「本当の優しさじゃないだろ……!」
鈴木千秋:「……鈴木ね、思うんだ。すべてを正直に告白することだけが優しさじゃないって」
鈴木千秋:「……優しい嘘があっても。良いのかなって」
鈴木千秋:「……先輩は、真っすぐ歩いて。……先輩は選んだんじゃない。答えを出しただけだから」
鈴木千秋:「先輩を選んだのは、鈴木の方」
鈴木千秋:「……もう、荷物を持ってもらってさ。一緒に歩くことは出来ないけれど」
鈴木千秋:そう言って、持ってもらっていた荷物を受け取る。
鈴木千秋:とんっと、その場から一歩ステップバック。
鈴木千秋:「頑張れ、風花春悠」
鈴木千秋:「頑張れ」
鈴木千秋:「ハル先輩」
鈴木千秋:指をピストルの形にして、バンのポーズ
風花春悠:「……」
風花春悠:「……俺を」
風花春悠:「俺を、支えてくれたのは。見守ってくれたのは。救ってくれたのは」
風花春悠:「……多分。人生で、他の誰よりも、一番」
風花春悠:「鈴木千秋だった」
風花春悠:「鈴木がいなければ。俺はいま、ここにいない」
風花春悠:「ありがとう」
風花春悠:目を閉じて。
風花春悠:「……ごめん」
鈴木千秋:「……違うよね?」
鈴木千秋:「『ごめん』じゃなくて」
鈴木千秋:「『がんばる』だよ」
風花春悠:「……ああ」強いて笑みを作って。
風花春悠:「やかましい後輩がいなくなって、調子は崩れるかもしれないけど」
風花春悠:「でも。ああ。そうだ」
風花春悠:「……頑張るよ」
風花春悠:その目を見つめて、確かに頷く。
風花春悠:そうして、二人の道は分かれた。
風花春悠:たとえその道が、再び交わることはなくとも。
風花春悠:鈴木千秋は、掛け替えのない恩人で。それだけは確かで。
風花春悠:ただ、ひとつ。
風花春悠:これからは帰り道で、背後に警戒して歩く必要が無くなるのだな、と思うと。
風花春悠:どうしようもなく、寂しくなった。
鈴木千秋:小さくなっていく背中を見つめながら。
鈴木千秋:天を仰ぎ見る。
鈴木千秋:「……」
鈴木千秋:スマートフォンを取り出し、どこかに電話をかける。
鈴木千秋:Trrr Trrr
鈴木千秋:「あ。もしもーし。今何やってんの?」
鈴木千秋:「タピオカ?好きだねー」
鈴木千秋:「あのさ」
鈴木千秋:「カラオケ行こうよ?」
鈴木千秋:「……えー?良いじゃん、前ゴチったっしょ? おごって?」
鈴木千秋:「あはは。失恋ソング縛りだ」
鈴木千秋:「……オッケー。それじゃ、現地で待ち合わせね?んーと」
鈴木千秋:歩けば10分程にカラオケボックスはある。しかし
鈴木千秋:「30分後くらいに行くから」
鈴木千秋:そう言って電話を切る。
鈴木千秋:――『さよなら』さえ上手に言えなかった。
鈴木千秋:『監視役』を外れ。『恋人役』にもなれなかったけど。
鈴木千秋:もう少しだけ、『後輩』でいても良いかな
鈴木千秋:……カラオケボックスでの待ち合わせ。時間を多めに申告しておいてよかったと思う。
鈴木千秋:だって。
鈴木千秋:こんな顔は、見せたくないから。
鈴木千秋:「……」
鈴木千秋:「……うえぇぇん」


【エンディング:木花時雨】

GM:――君は幻像(ゆめ)の世界へと囚われる。
木花時雨: 
木花時雨:-
木花時雨:--
木花時雨:---
木花時雨:----
木花時雨:もう、春もその姿を見せ始めたころ。
木花時雨:春一番が吹き、桜の花が咲き、
木花時雨:出会いの前の、別れの季節。
木花時雨:もう、卒業式も間近で。受験シーズンの為か、任意出席となり3年生は姿もまばら。
木花時雨:その教室の、夕暮れの西日に照らされる教室。
木花時雨:カーテンは閉まり、どこか薄暗い。
木花時雨:そんな教室の中で、ひとり。少女は待っていました。
木花時雨:――腕や全身の傷もなく。ガーゼも消毒液も、血の匂いもしない。
木花時雨:昔のように、伸びやかな長髪が、灰なぞ混ざらない新雪のような銀色をして。
風花春悠:近付いてくる足音もなく、不意にドアがノックされる。
木花時雨:「あ」
木花時雨:「いいよ、開いてる」
木花時雨:さほど大きくないのに、響く声。
風花春悠:左手でドアを開き、また左手で閉め。少年が入室してくる。
風花春悠:「……時雨」
木花時雨:「…おつかれさま。もう進路相談とかだっけ…?それも終わった?」
風花春悠:西日に照らされる、穏やかな表情。
風花春悠:「ああ。大丈夫」
風花春悠:「悪い、待たせた」
木花時雨:「いいよ、これくらい。全然待ったうちになんて入らないから」
木花時雨:「それに、こうして一人で教室にいるのも、なんだかわくわくするしね?」
木花時雨:そう言って笑う少女は、君の隣席の机に腰掛けています。
風花春悠:「そうか?」教室を歩いて、自分の席に腰掛ける。
木花時雨:「そうだよ。ほら、夕陽に照らされて誰もいない教室って、普段と全然違うじゃない?」
木花時雨:ほら、と手を教室にやって。きらきらと、その銀の髪が夕陽を反射する。
風花春悠:「確かに。ちょっと不思議な感じだ」
風花春悠:そっと手を伸ばして、その髪に触れる。
風花春悠:「……随分伸びたな、髪」
木花時雨:「ね。夕陽だと、ほこりもきらきら反射して……ひゃっ」
木花時雨:「……ん。こういうの、きらい?」
風花春悠:「まさか」
風花春悠:笑って。
風花春悠:「綺麗だよ」
木花時雨:「………えへへへ。照れるなー」
木花時雨:「ね」つい、と君のすぐそばまで身体を寄せて。
木花時雨:「……昔みたいに、前線でないからさ。こうやって伸ばせるんだよー」
木花時雨:きみの肩にも、幾房かの銀糸が掛かる。
木花時雨:「……こうやってできるなんて、夢みたい」
風花春悠:「そっか……でも、まあ」その距離にも、あまり動じた様子はない。
風花春悠:「短いのも、可愛くて好きだったけどな」
木花時雨:「……もー」
木花時雨:「頑張って御洒落しても、しがいが無いぞ、春悠くん」
風花春悠:「ええ?ご、ごめん……」
木花時雨:「……そんなに、短い方がいいなら」
木花時雨:「そうするけど」
風花春悠:「褒めたつもりだったんだけどな……」
風花春悠:「ううん」
風花春悠:「このままでいいよ」
木花時雨:「……えへへへ」
木花時雨:「やっぱりさっきのなーし。いっぱいお洒落するねー」ぐりぐりと頭を押し付けて。
木花時雨:「一杯可愛いところ、見てもらいたいし……」
木花時雨:ふにゃふにゃになってくっつく。
風花春悠:「ほんとに?楽しみだな」猫にそうするように頭を撫でる。
風花春悠:「見たいな、時雨の可愛いところ」
木花時雨:甘え切った猫のような声を上げて。嬉しそうにその手を受け入れている。
木花時雨:「…………ふへへ…どんどん見せちゃうよー。頑張るからね」
木花時雨:「……ね」
木花時雨:「どんなのがいい?」耳元で、熱っぽい囁き声。
風花春悠:「なに?」
木花時雨:「…ほらー。海なら、水着とかだし。山なら、山ガール?だっけ。そう言うのがあるし-」
木花時雨:「……ほら。どんなところがいい?」
風花春悠:「……あんまり悩ませないでくれよ……」本気で困った顔。
木花時雨:「……ええー。だって」
木花時雨:「そう言うところも見たいもん」
木花時雨:「わたしの事を考えて、悩んでくれてるんだよね…?」
木花時雨:「そう言う風に、わたしだけー、って見られるの。たまらなくうれしくなっちゃうんだなー、時雨くんは」
風花春悠:「こいつ」笑って突っつく。「末恐ろしい小悪魔ぶりだな」
木花時雨:「えへへへ」
風花春悠:「全部見たいに決まってるだろ、そんなの……」
木花時雨:「で、どう?希望はありますかなー?」にっこりと笑いながら覗き込んで。
木花時雨:「全部」
木花時雨:「……おっと。想定外でしたよそれは」
風花春悠:「何だよ、自分で言っておいて」
木花時雨:「……え、えー。い、いやだって」
木花時雨:「……だ、だってさ……全部見て欲しい-って思うけど、見たいって言われると…」
木花時雨:「わ、分かれよぅ!」ぺしぺし叩く。全然痛くない。
木花時雨:「何か……なんかこう、グワーってなるの!」
風花春悠:「あははは!何だよ!当り前だろ?」
風花春悠:「時雨のことなら何でも知りたい。全部見たいよ」
木花時雨:「むうう……!」さっきから、ずっと。
風花春悠:叩く手を掴んで。
木花時雨:顔が…いいや。全身が、火照りっぱなしで。
木花時雨:「……あ、」
風花春悠:「一番好きな人なんだからさ」
木花時雨:「ぅ」
木花時雨:「……も、も~~~!それ反則だって言ったじゃん!」
木花時雨:「わ」
木花時雨:「わたしだって…!わたしだって、一番大好きだよ!」
風花春悠:「うん。知ってる」
木花時雨:「むうう……前より照れない……!」
木花時雨:「わたし、全然馴れないのに~」
風花春悠:「はは!本心だし。弱点を見せる時雨が悪い」
木花時雨:「なんだよそれ~ずるい!春悠くんずるいよ~!」
木花時雨:「…………本当に」むすーっとした顔で。
木花時雨:「……世界ランキングしたら、絶対わたしが一番だってくらい、好きなんだからね」
風花春悠:「意味あるか?そのランキング……」
風花春悠:「時雨が一位に決まってるだろ」
木花時雨:「あ……」あるよ、と言いかけて。
木花時雨:「……こ、この~~~!」
木花時雨:「大好き!」思いっきり抱き付いた。
木花時雨:ぐり、と押し付けて西日が、眼にも眩しくなって。
木花時雨:そうして。
木花時雨: 
木花時雨:----
木花時雨:---
木花時雨:--
木花時雨:-
木花時雨: 
木花時雨:手を握る。
木花時雨:腕と、其処から全身に走った亀裂が。
木花時雨:夢の時には消えていたその痛みが、自分が今どこにいるのかを教えてくれた。
木花時雨:頭を振る。
木花時雨: 
木花時雨:きっと。
木花時雨:きっと後悔する。
木花時雨:この夢を、振り捨てたことを。
木花時雨:それも、きっとすぐ後に。
木花時雨:分かってる。分かっているけれど。
木花時雨:この夢に、縋りついてしまったら――
木花時雨: 
木花時雨:わたしはこの、自分の恋にさえ。嘘を付いたことになってしまうから。
木花時雨: 
木花時雨:ひとしずく。
木花時雨:眼の端から、その甘やかなものと一緒に、零れ落ちた。
木花時雨: 
木花時雨:放課後。西日も長くなった、晩秋の季節。
木花時雨:その教室で、独りで待つ少女がいます。
木花時雨:髪は、ざっくりと邪魔にならぬよう短く切って、
木花時雨:黒が混ざったような、白めいた灰色の髪をして。
風花春悠:近付いてくる足音もなく、不意にドアがノックされる。
木花時雨:「はい、どうぞ」
木花時雨:小さいけれど、よく通る声。
風花春悠:扉を開け、少年が入室してくる。戦闘で負った負傷も癒え、目立った傷も無い。
木花時雨:眼を細める。
風花春悠:「……時雨」
木花時雨:「…よかった。後遺傷はないみたいで」
風花春悠:「ああ。そっちは?」
木花時雨:そう言う自分は、ガーゼと包帯で、腕はぐるぐる巻きになっていて。顔や首元も、よく見れば張り付けてある。
木花時雨:「見ての通りかな。まあ、何週間かあれば全部綺麗になるし、これでも見た目がアレだからって覆ってるだけ」
木花時雨:病弱なんです、ってロールをするには便利なんだけど、と笑いながら。
風花春悠:「……そう、か」少し表情を曇らせる。
木花時雨:「気にしないでよ。本当、触ったって痛くないんだよこれ」
木花時雨:「……触ってみる?」にや、と笑いながら。
風花春悠:「いいのか?」こちらは真剣な顔で。
木花時雨:「ふえ」
木花時雨:「……う、うん構わないよ!こっちから言ったしね…!」
木花時雨:そっと腕を差し出す。
木花時雨:腕の動きも、指の動きも不自然な点はない。
風花春悠:「……」その腕、痕に触れる。
木花時雨:特に動きもない。けれど、包帯の感覚の奥に、どこか硬い感触がある。
木花時雨:焼け焦げた炭のような。
風花春悠:そっと動かして、撫でるようにして。
風花春悠:「……本当に、痛くないんだな?」顔色を伺う。
風花春悠:「大丈夫なんだな?」
木花時雨:ざらざらと。包帯の感触の奥に。どこか凸凹を感じるだろう。
木花時雨:「大丈夫だよ」
木花時雨:「心配しいだなあ、春悠くんは」
風花春悠:「……そう、か」それ以上は、何も言わない。
風花春悠:時雨が選んだ道だと分かっていても。心配しないなど、出来る筈がない。
木花時雨:「わたしが何時も塗ってる軟膏とかだって、単純なワセリン混ぜた新陳代謝の加速だからね。全然ただ、焼けた皮膚とかが残ってるだけ」
木花時雨:「……ダメだなあ」
木花時雨:「どうしても、そんな顔させちゃうね。わたし」
風花春悠:「……違う」
風花春悠:「もし時雨が世界一、誰より強い、神様みたいな力を持ってたとしても」
風花春悠:「……やっぱり俺は、心配するんだと思う」
木花時雨:「……そっか。ありがとう」
木花時雨:違うよ、春悠くん。わたしが言いたいのは、そういうことじゃなくて。
木花時雨:「……やっぱり。力なんて磨くよりも」わたしが欲しいものは、違うやり方でないと。
木花時雨:手に入らなかったんじゃないかなあ、と。そう思った。
木花時雨:「でも、わたしだって心配したからね?本当。急にデータにない動き方するし…」
風花春悠:「……」
木花時雨:どことなく明るく、違う話をしようとして。
木花時雨:「ね、春悠くん」機先を制すように。
木花時雨:「それ。言う前にね。したいことあるんだ」
風花春悠:「……え」 虚を突かれて。
木花時雨:「それ言われちゃうと。出来なくなっちゃうから」
木花時雨:「……いいかな」
木花時雨:不安げに。君の事を見上げる。
風花春悠:「……」
風花春悠:「……ああ」
風花春悠:その言葉と目に真剣な意思を感じて、頷く。
木花時雨:きみは、こんな彼女の事を見たことがあるかもしれない。君の意思を、発言をしたいと言えば。
木花時雨:押し通せるような。そんな雰囲気で。
木花時雨:「……ありがとう」
木花時雨:と、と。腰掛けていた机から降りて。
木花時雨:君の、正面から。ほんのすこし離れたところに立つ。
木花時雨:すぅ、と息を吸い込む。
木花時雨:「風花、春悠くん」瞳と瞳を合わせて。
木花時雨:「あなたに、いま。きちんと、お伝えしたいことがあります」
木花時雨:真っ直ぐな眼。
風花春悠:その瞳を、真っ直ぐに見返す。
木花時雨:今までで、いちばん。
木花時雨:その姿に、にこりと笑って。
木花時雨:「わたし、木花時雨は」
木花時雨:「…UGNチルドレン“パイロープ”でも、」
木花時雨:「白鳥の隠れ家の、家族同然の同期生としてでもなく」
木花時雨:「ひとりの、女の子として……」
木花時雨:息を吸い込む。
木花時雨:「あなたのことが、好きです」
木花時雨:「……ずっと一緒に、いたいくらいに。あなたと、同然、とか。幼馴染、とかじゃなくて」
木花時雨:「本当に、パートナーとして。支え合えるように。なりたいくらいに」
木花時雨:は、と荒い息を吐く。
木花時雨:「………答えて頂いても、よろしいですか?」
風花春悠:深い呼吸をして。時雨を見つめて。
木花時雨:涙の滴が浮いた瞳が。君を見詰めている。
風花春悠:「時雨の気持ちは、嬉しい」
風花春悠:「公園で打ち明けられて。橋で気持ちを聞いて」
風花春悠:「本当に、嬉しかった」
木花時雨:「……うん」
風花春悠:「家族としてしか見られない、なんて、嘘で誤魔化したりしない」
風花春悠:「一人の女の子として。時雨は、可愛くて、素敵で。魅力的で」
風花春悠:「俺のことを好きだって言ってくれて。本当に嬉しかった」
木花時雨:「………………うん」
風花春悠:「だから」
風花春悠:「ありがとう」
風花春悠:「……だから」
風花春悠:「……ごめん」
風花春悠:「それでも。俺は小夜を選んだんだ」
木花時雨:「……………そっか」
木花時雨:なんとか、声を絞り出す。涙声で。それでも、なんとか。微笑みは崩さずに。
木花時雨:「………わかった。そっか…姉さんか」
木花時雨:「……おめでとう。姉さんも、受け入れてくれたんでしょう?」
風花春悠:「……うん」
木花時雨:「良かったね………うん、でも、そっか。じゃあ…」空気を飲み込んで。
木花時雨:「じゃあ………わたしも、呼び方」
木花時雨:「変えないと、ね」
木花時雨:>「こんなところに二人で居る男女だと、ちょっと違う気がする…?」
木花時雨:嘗て、そんな風に言ったから。
木花時雨:「どんなふうに、よんだらいいかな。……お兄ちゃんとか?」
木花時雨:冗談めかして笑いを交えて。
風花春悠:そんな風に、無理して笑ったりしないでくれ。
木花時雨:「……何でも、いいよ。わたしは、どうしたっていい」
風花春悠:そんな言葉も、今の自分には烏滸がましく思えて。
風花春悠:「……時雨の」
風花春悠:「時雨の、したいように呼んでくれ」
木花時雨:「…………」
木花時雨:「……いじわるだね、風花くんは」
風花春悠:「……ごめん」
木花時雨:「……じゃあ。ここからは、クラスメイトで、同じチルドレンで、」
木花時雨:「……あなたの恋人の、その妹」
木花時雨:「よろしくね。風花くん」
木花時雨:「………ああ、でも。そっか」
木花時雨:「まだ、貴方が隊長なのかな。……もし、戦力としてだったり、事務員として手がいるなら」
木花時雨:「いつでも、“パイロープ”をお呼びくださいな」
木花時雨:「ちゃんと、御役に立って見せるから」
木花時雨:「ね?」
木花時雨:「……もちろん。必要ないなら、そのままで」
木花時雨:「どちらでも。望むように」
風花春悠:ほんの一瞬、躊躇って。だが結局は、
風花春悠:「時雨」
風花春悠:いつものように、その名前で呼ぶ。
木花時雨:「うん」
木花時雨:軽い言葉で応ずる。
風花春悠:「……我儘を、言ってもいいか」
木花時雨:「……はいはい、何でしょう」
風花春悠:「お前が嫌なら、聞き流してくれても。そのまま俺を殴って帰ってくれてもいい」
風花春悠:息を詰まらせるようにして。訥々と話す。
風花春悠:「……俺は」
風花春悠:「……それでも。やっぱり、時雨の近くにいたい」
木花時雨:「………は、」言いかけて。「風花くん…」
風花春悠:「それが時雨の望む形じゃないことは、分かっていても」
木花時雨:「……うん」
風花春悠:「今、こんな事を言うのは。卑怯で、最低の屑野郎って、罵られることかもしれないけど」
木花時雨:「…いいよ。あなたになら」
風花春悠:「……それでも。時雨は、俺にとって、何より大事な人なんだ」
風花春悠:「時雨には、何より残酷なことかもしれないけど──それでも」
風花春悠:「小夜と、時雨と、俺」
風花春悠:「最後に残った家族と……大切な人と、離れ離れになりたくない」
木花時雨:「……………そっか」
木花時雨:息を大きく吐いて、吸い込む。
木花時雨:「……今ちょっとね。頭がぐるぐるしてるの」
木花時雨:「……本意じゃないことも言いそう。いい?」
風花春悠:「……ああ」
風花春悠:こくりと頷く。
木花時雨:「…ばかだよね、春悠くん」
木花時雨:「あのね。わたしがどうしてあんなこと言ったかわかる?分かってるかな。分かった上で言ってそうなので余計に腹立ってきた」
木花時雨:「さっきの告白ね」
木花時雨:「あれ、わたし」
木花時雨:「あなたと小夜姉さんがおそらく付き合ってる好きあってるんだなーってなんとなくわかった上で言ったからね?」
木花時雨:「わかるかなー。何年も何年も好きだったのよ」
木花時雨:「今でも、どこかで。どうにかしてわたしのものに出来ないかなーって考えてるの」
風花春悠:「…… ……?」理解が追い付かない顔で狼狽する。
木花時雨:その顔を見て溜息を吐いて。
木花時雨:一気に間合いを詰めて抱き付く。
風花春悠:「……ッ……!?」
木花時雨:「……こういうこと」耳元で囁く。
風花春悠:「し、ぐれ……!?」
風花春悠:振り払う事も出来ずに硬直する。
木花時雨:「好きだよ。好きなの。全然好きでもない戦闘訓練とか戦闘を、あんなに痛くて苦しい力であろうが、平気で乗り越えられちゃうくらいにね」
木花時雨:「……さて、問題だよ春悠くん」
木花時雨:「そんなわたしが。いつか……」
木花時雨:「我慢できなくなっちゃうのは。いつでしょーうかっ」
風花春悠:「……そ」
風花春悠:「それ、は」肩を掴んで、ゆっくりと、だが確かに引き剥がす。
木花時雨:そのまま従って、剥がされる。
木花時雨:くすくすと笑って。
木花時雨:「ほら。こんなに動揺してる」
木花時雨:「どおするの?姉さんの前でさ、わたしがこんな事するかもよ?」
風花春悠:「……大丈夫だ」
風花春悠:「……仮にそうなっても、俺が……拒めば……」
木花時雨:「……そこで断言してよ…」
風花春悠:「拒めるよ!」
木花時雨:「あー、もー。ダメだ!取っちゃおうとかそう言う前に、心配になってきた!」
風花春悠:「大丈夫だから……!」
木花時雨:「これハニートラップとか大丈夫?!絶対ダメな奴じゃん!」
木花時雨:「姉さんも春悠くんもさあ……!それ全然信用できないよ!?」
風花春悠:「……っ……本当に、心配ない……!信じてくれ!」
木花時雨:「……ほんとー?」半目で。
風花春悠:「……本当だ!」
木花時雨:「……」さらりと右腕を取って。
木花時雨:ぺたりと、頬にくっつける。
木花時雨:「…………うん。ふざけちゃったけど」
木花時雨:「……ふふ。そうだよね。それでも、確かに…こうして、一緒にいられるのは…わたし達だけだもんね」
風花春悠:「……時雨……」
木花時雨:「春悠くんの言うこと。全体的に聞いてあげる」
木花時雨:「……姉さんの説得は、ちゃんとしてね?」
風花春悠:「……ああ、ああ」こくこくと頷く。
木花時雨:「よろしい」
木花時雨:「…じゃあ、こんなところかな。どう?」
風花春悠:「……う、ん」どういう顔をしたらいいのか分からない様子で。
風花春悠:「……ありがとう、時雨」ぎこちなく礼を言う。
木花時雨:「しゃっきりしてよ、もー」
木花時雨:「……うん。どういたしまして、春悠くん」最後に。
木花時雨:小さい時のような、淡い微笑みで。
木花時雨:「……それじゃあ、なにか記念に料理とか作っておこうか?材料とかはこっちで買っておくから」
木花時雨:「春悠くんは、先に姉さんと一緒にいて」
風花春悠:「……ああ……そうだな。分かった」
風花春悠:思い出したように荷物を拾い上げて。
風花春悠:「それじゃあ、時雨」
木花時雨:「うん」
風花春悠:「……待ってるからな」
木花時雨:「……はあい。頑張って美味しいのつくって、あげる」
風花春悠:そうして、少年は教室を出ていく。
木花時雨:そうして。
木花時雨:足音が、廊下を通って。
木花時雨:階段を下る音も消えるまで、そのまま待って。
木花時雨:其れが消えた何分――何秒数えただろう?――の後。
木花時雨:くらり、と。立ちくらみを起こしたように。壁に。
木花時雨:「………分かってたけど」
木花時雨:「……分かってたけど……」
木花時雨:「……唐変木。鈍感。いくらなんでもあれはない…」
木花時雨:本当は。
木花時雨:どうすればよかったか、なんて。ずっと前から分かってた。
木花時雨:力なんて磨くよりも。きっと。隣に、近くにいて。あなたの事を聴いて。わたしの事を話して。
木花時雨:そうやって、互いに距離を縮めて、支え合っていくべきで。
木花時雨:そうしなかったのは。出来なかったのは。怖かったからと。付いていけない自分のことで、当たってしまう己の弱さが分かっていたから。
木花時雨:ああ。
木花時雨:今からでも、時間が巻いて戻ればいいのに、なんて。
木花時雨:……下らない繰り言だ。こうして今、誰もかれも上手くいったのに――
木花時雨:それでも。
木花時雨:頭のどこかで、ずっとそんなことを。未練たらしく考えている。
木花時雨:「…」
木花時雨:西日も、随分傾いて。まるで血の色のような光が、己に掛かる。
木花時雨:「……本当にね」
木花時雨:「……好きだったの。きっと、これだけは」
木花時雨:「世界中の誰がなんて言ったって…否定なんて、させてやらない」
木花時雨:その言葉を最後にして。
木花時雨:心の中の宝石箱に、その想いを。
木花時雨:ゆっくり、蓋をして。しまい込んだ。


【エンディング:木花小夜】

GM:――君は幻像(ゆめ)の世界へと囚われる。
木花小夜:----
木花小夜:---
木花小夜:--
木花小夜:-
木花小夜:目を開ける。まず感じるのは、眩しさだ。
木花小夜:まるで、そこにある、すべての光が、自分に向けられているかような。
木花小夜:それが慣れなくて、少し目を細めた。
木花小夜:次の違和感は、左手。薬指。
木花小夜:戦いに使う手指に、何か、重みを感じて。
木花小夜:それを視る。
木花小夜:指輪を。
木花小夜:顔を上げる。そこは。
木花小夜:パーティ会場だろうか?
木花小夜:テーブルが並んで、それを囲んで座った、着飾った人たちが、自分を見ている。
木花小夜:正確には、自分を、ではない。
木花小夜:自分と、その隣にいる人を。
木花小夜:「――春悠」
風花春悠:「……小夜?」
風花春悠:急にぼんやりした様子の君を、心配そうに見つめる顔。
風花春悠:「大丈夫か?」
木花小夜:「ううん。大丈夫」
木花小夜:「ちょっと、慣れなくって」
風花春悠:「そりゃ、初めてなんだからさ」笑う。
木花小夜:着飾った彼の右腕は、そこにある。
木花小夜:正確には、“造った”。
木花小夜:従者の生成の応用。木花小夜の意志で、作り上げた腕。
木花小夜:今は、手袋に包まれて。
木花小夜:「そうだけどさ……」
木花小夜:「なんか、春悠は。余裕そうで」
風花春悠:「そんなこと無いって。緊張してるよ」
木花小夜:「……そっか。じゃあ、いいや」
木花小夜:「同じ気持ちなら、この緊張も。楽しいことだと思える」
風花春悠:「……」
風花春悠:「……いつもの負けず嫌いかと思ったら……」
風花春悠:「小夜」
木花小夜:「うん」
風花春悠:純白のドレスで着飾った、その姿を見つめ。
風花春悠:「キスしていい?」
木花小夜:「ちょっと……」
木花小夜:「みんな、見てるから……!」
木花小夜:席を見渡す。
風花春悠:「いや、だって……」
木花小夜:家族席。そこには、
木花小夜:木花時雨がいる。
木花小夜:その傍らには、写真がある。
木花小夜:“白鳥の隠れ家”で撮った、一枚。
木花小夜:5人の少年少女が映っている。
木花小夜:木花時雨。初空ひかる。風花春悠。鳩名木。小出海。
木花小夜:そして、友人席。そこには、
木花小夜:夏川早苗が居る。
木花小夜:鈴木千秋が居る。
木花小夜:自分の道行きが、皆に祝福される、という
木花小夜:これはそういう夢だ。
木花小夜:稚気じみた夢。描くだけの材料に乏しい、彼女が思い描いた、幸福の形。
木花小夜:「……どうしても」
木花小夜:「……どうしても、今じゃないとダメ?」
風花春悠:「……だって、小夜が可愛くてさ……」
風花春悠:「皆に見せてやりたいと思って。俺の恋人はこんなに可愛いって」
木花小夜:「恋人じゃないでしょ。もう」笑って。
木花小夜:「家族でしょう。本物の」
木花小夜:「そうなれた」
風花春悠:「そうだった」笑い返す。
風花春悠:「……お嫁さん、か」
風花春悠:「……それで」
風花春悠:「お答えは?」悪戯っぽく笑う。
木花小夜:「……うん」
木花小夜:「いいよ。1回だけね」
木花小夜:誰もが笑い合う、理想(ゆめ)の形。
木花小夜:そんなものがない事は、もう、私たちは知っている。
木花小夜:知っているんだ。それでもと、足掻いてきたから。
木花小夜:目を瞑り、顔を近づけて。
木花小夜:――だから、これは。
木花小夜:――偽りの火に煽られた、一時の幻想なんだ。
木花小夜:――ここに辿り着くことがあったとしても。
木花小夜:――お前たちによるもので、あっていいはずがない。
木花小夜:-
木花小夜:--
木花小夜:---
木花小夜:----

GM:【千尋沢高校 校門前】
木花小夜:一人の少女が、校門の前。立っている。
木花小夜:千尋沢の制服に身を包んだ、小柄な少女。
木花小夜:病的に白い肌。
木花小夜:黒い髪に、燃えるような真紅のメッシュ。
木花小夜:どこか浮世離れしたような風貌の少女は、誰かを待って、立っている。
風花春悠:昇降口を出たところでその姿を見つけて、はっと表情を変え。小走りで駆け寄る。
風花春悠:「……小夜!」
木花小夜:ぱっと顔を上げる。
木花小夜:不機嫌そうにも見えたその顔は、朗らかな喜色に染まる。
木花小夜:「……春悠」
木花小夜:「遅いじゃん」
風花春悠:「……待っててくれたのか?」
木花小夜:「うん。待っててあげた」
風花春悠:「……あっ……ありがとう」照れたようにぎこちなく。いかにも慣れない様子で。
風花春悠:「ええと……じゃあ……」
風花春悠:「一緒に……帰るか」
木花小夜:「ううん。今日はね」
木花小夜:手をのばす。左手を。
木花小夜:「デートに行きたい。このまま」
風花春悠:「へっ」予想外の答えに驚いて。
風花春悠:「で、デート……」
風花春悠:「このまま……」
木花小夜:「……ダメかな」
風花春悠:「……そうか……」
風花春悠:「い、いいんだな……そういうことして……」そもそもそのような発想が無かった。
風花春悠:「……恋人……なんだもんな……」
木花小夜:「そうだよ。自由に、そういう事ができるんだよ」
風花春悠:「……分かった」頷いて。
風花春悠:「行こう、デート」
風花春悠:「うん。行きたい」
木花小夜:「じゃあ、行こうよ」左手を、ピンと伸ばしたまま。
風花春悠:「……うん」
風花春悠:その手を握る。右手で。まだ不慣れに戸惑ったように、おずおずと。
木花小夜:しっかりと握り返す。
木花小夜:これは、悪夢(ゆめ)じゃない。
木花小夜:君の右手の温もりは、確かに、ここにある。


木花小夜:そのまま歩いていったのは、何の変哲もない、
木花小夜:ただの、地元の商店街。
木花小夜:特別なものが、全くあるわけでもないが。
木花小夜:二人で、手をつないで。そこを歩いている。
木花小夜:「知ってる?春悠」
木花小夜:もう片手には、自販機で買ったペットボトルのコーラ。
風花春悠:「ん?」
木花小夜:「別にさ。私たちの年代の子、コーラばっか飲んでるわけじゃないんだって」
木花小夜:「なんか、笑っちゃう。あんだけ憧れたのにね」
風花春悠:「ああ……それな……」しみじみ頷く。
風花春悠:「外に出てびっくりしたよな。あれって何かさ……」
風花春悠:「チルドレンの間でだけ流行った、噂……都市伝説……ともちょっと違うけど……」
風花春悠:「そういう、偏った知識だと思うんだよな」
風花春悠:「よその訓練所出た奴も、コーラの話知ってたりするし……」
木花小夜:「何だろうね。統一された概念のほうが、コントロールしやすいって思われてんのかな」
風花春悠:「……どうだろうな。出所は謎だけど。何となくそういうのじゃない気がするな」
風花春悠:「……憧れ、なんじゃないかな」
木花小夜:「憧れ?」
風花春悠:「うん。外の世界への……自由への憧れの形。チルドレンなら誰でも持ってる」
風花春悠:「その話が合同訓練とかで、色んなところのチルドレンに広がったんじゃないかな」
風花春悠:「まあ、全部憶測だけど」笑う。
木花小夜:「じゃあさ、偉くなって由緒調べようよ」笑い返す。
風花春悠:「面白そうだけど。経費の無駄って怒られそうだな」
木花小夜:「そうかも?そのへんはちゃんと勉強しなきゃな……」
木花小夜:「まだまだ全然勉強したりないや。色々、知っていかないとね」
風花春悠:「小夜は真面目だよな、昔から」
木花小夜:「春悠だってそうでしょう」
木花小夜:「似た者同士だもん。知ってるよ」
風花春悠:「人から言われるけどさ。何か、違うんだよな。姿勢っていうのかな」
風花春悠:「俺は本心では勉強とか訓練とか、嫌いでさ。でも必要だし負けたくないから、仕方なくやってるんだけど」
風花春悠:「小夜は……割と本心から真面目に取り組んでる感じがするんだよな」
風花春悠:「……外から見るとそうなんだけど。どうなんだ?実際」
木花小夜:「……ふふ。ふふふ……」
風花春悠:「な……なんだよ」
木花小夜:「私もね、本当は、訓練、大っ嫌いだった」
木花小夜:「でもさ、ひかるがギャンギャン騒ぐし」
木花小夜:「時雨にいいとこ見せたくって」
木花小夜:「苦にならないふりしてた」
風花春悠:「……マジで?」目を瞬いて。
木花小夜:「だってさ、考えてもみなよ」
木花小夜:「あんな訓練、楽しいと思う?」
風花春悠:「……」
風花春悠:「……そりゃそうだな……」
風花春悠:「え~?何だよ……尊敬してたのにさあ」
木花小夜:「あっ、そうなの……?」
木花小夜:「じゃ、じゃあ今のナシ!」
木花小夜:「私春悠に尊敬されたいや」
風花春悠:「無理だろ……!今更……!」
木花小夜:「う……」
木花小夜:「だ、だってさ……」
木花小夜:「春悠には、よく思われたいっていうか……」
木花小夜:「ダメかな……?」
風花春悠:その顔を眺める。笑みを堪えながら。
風花春悠:「……代わりに、親近感は湧いたかな」
風花春悠:「……可愛いって思った」
木花小夜:「……っ」朱が差す。
木花小夜:「な、ならっ!いいけどさ……!」
風花春悠:「……」
風花春悠:「ホントに可愛いな……?」
木花小夜:「……は、春悠だってっ!」
木花小夜:「カッコいいよ……」消え入りそうな声で。
風花春悠:「……う……」顔を上気させて。
風花春悠:「あ……ありがとう……」
風花春悠:手をつないだまま、顔を背ける。
風花春悠:「……そ、そういえばさ!」
木花小夜:「う、うん!」
風花春悠:「…… ……えー…… ……ああ、そう、そうだ!」
風花春悠:「学校でさ、これから何て呼べばいい?」
木花小夜:「どうって……」
木花小夜:「……ああ」
木花小夜:「木花先輩って呼んでたもんね」
風花春悠:「うん。……そうなんだけどさ」
風花春悠:「小夜って呼ぶと……その」
風花春悠:「バレバレだろ……? 付き合ってるの……」
木花小夜:「ふふ、ふふふ……」
木花小夜:「……隠したいんだ?」
風花春悠:「……半々くらい……」
木花小夜:「あ、責めてる訳じゃないからね!」
木花小夜:「私もね、その気持ちはわかるつもりっていうか……そのね」
木花小夜:「隠すのも、楽しそうだって思える」
木花小夜:「なんか、そういうのってさ。楽しそうじゃない?」
風花春悠:「……うーん……」考え込んで。
木花小夜:「普通に青春してるって感じっていうか」
風花春悠:「それも楽しそうだし。周りから茶化されたりしたくもないけど……」
木花小夜:「……姫って呼ぶ?」
風花春悠:「本当に呼んでいいなら呼ぶけど?」
木花小夜:「……」少し想像して。
木花小夜:「……いや」
木花小夜:「やっぱいい……」
風花春悠:「自分の言葉には責任持てよな……!」
風花春悠:「やっぱりちょっと、自慢したい気持ちもあるな。こんなに可愛い先輩と付き合ってるって」
木花小夜:「うん、まあさ……正直……」
木花小夜:「あんまり隠し通せる気持ちもないし……あとさ」
木花小夜:「学年、違うしさ……その」
風花春悠:「?」
木花小夜:「隠してると、学校で、あんまり」
木花小夜:「一緒に居られないかなって……」
木花小夜:「ほら、こうやってさ」
木花小夜:「下校しながら、どこか出かけるとか、また、したいし……」
風花春悠:「……そうだな……」
風花春悠:「確かに、困る。それは……」
風花春悠:「……ああ、でも……そうだな……」
風花春悠:「……」
風花春悠:ちらりと君の顔を見て。
風花春悠:「……正直言って」
風花春悠:「木花先輩……って呼ぶの」
風花春悠:「結構……何だろうな……」
風花春悠:「……好きっていうか……来るものがあるんだよな……」
木花小夜:「……ワガママなんだから」
木花小夜:「じゃあさ。こうしようよ」
木花小夜:「どう呼んでもいいよ。木花先輩でも、小夜でも、姫でも」
木花小夜:「好きなときに、好きな気分で。色々、試しちゃおう」
木花小夜:「これじゃないといけない、なんてことはないでしょ」コーラのボトルを振って。
風花春悠:「……いいのか?……あっ」
木花小夜:「どう呼ばれたって。君に呼ばれるのは、きっと」
木花小夜:「とても、暖かくなれるから」
風花春悠:「……小夜……」表情を緩めて。
風花春悠:「……嬉しいけどさ」
風花春悠:「そのボトルそのまま開けるのはやめとけよ、姫」
木花小夜:「えっ」もうその時には、キャップを思い切りひねって。
木花小夜:コーラが勢いよく噴出する。
木花小夜:「えっ……きゃっ!?」
風花春悠:「うわっ……!小夜!」
木花小夜:「ごめっ……大丈夫!?」
木花小夜:手を離して、向かい合って君を見る。
風花春悠:「い、いや、大丈夫だけど……そっちこそ……」
木花小夜:「飲みかけでもこんなに出てくると思わなくて……!」
風花春悠:「炭酸知ってはいたのに振ってたのか……?」
風花春悠:「知らずにやってたのかと……」
木花小夜:「満タンじゃなきゃそんなに来ないと思って……」
風花春悠:「……何か、やっぱり……」
風花春悠:「微妙に抜けてるよな、小夜……」
木花小夜:「ふふ……」びしょ濡れた服で、髪で。笑う。
木花小夜:「あんま否定できないや」
木花小夜:「まあ、また一個、勉強になったと思うよ」
木花小夜:「訓練は嫌いだったけどさ。勉強は、嫌いじゃないし」
木花小夜:「知らないことを、一つ一つ、知っていくのは、楽しいから」
風花春悠:「一つ一つ、か」
木花小夜:「したいこと、たくさん、たくさんあるから」
木花小夜:「一つづつ、全部やろうよ」
風花春悠:「……二人で?」
木花小夜:「うん。二人で」
木花小夜:「……」とてとてと歩み寄って。
木花小夜:君に身を委ねるように。「私ね、今」
木花小夜:「したいことがあるんだ」
木花小夜:「二人じゃないと、出来なくて」
木花小夜:「この距離じゃないと、出来ないこと」
木花小夜:「私が、その答えを言っちゃう前に」
木花小夜:「溢れ出ないように、栓をしてほしい」
風花春悠:微笑を浮かべ、手を伸ばし。濡れて頬に張り付いた黒髪をよけて。
風花春悠:小さな彼女に合わせて、少し身を屈めて。
木花小夜:大きな彼に合わせて、少し背伸びをして。
風花春悠:こわれものに、儚い宝石にそうするように。愛しい人に口付けをする。
木花小夜:――今日のこの日の口づけは、特別じゃない。ただの1ページなのかも知れないけど。
木花小夜:――忘れられないと思う。
木花小夜:――だって、コーラの味しかしなかったから。
木花小夜: 
木花小夜:あの頃では考えられないくらい、夢のような時間だと思う。
木花小夜:だけど、これは現実で。
木花小夜:世界だって、何も変わってはいない。
木花小夜:まだ、寒くて、厳しいままだ。
木花小夜:だけど。
木花小夜:現実はひどく冷たくて、丸まって震えていた、リトマチガル(Little Match Girl)は。
木花小夜:凍えていた、マッチ売りの少女(リトマチガル)は、もう居ない。
木花小夜:君が温もりをくれたから。
木花小夜:二人で温めあって、過ごしていく。


ダブルクロス the 3rd edition『リプレイ・スタブ Case2:リトマチガルは凍えて』 終




【アフタープレイ】

GM:経験点集計です。
GM:いつもの5点を差し上げて。
GM:シナリオの目的は、基本5点に加えて
GM:ハンドアウトの目的を達成したかを確認します。
GM:達成されていれば更に+5点を。
GM:風花春悠くん。
風花春悠:はい
GM:君は4人の少女らと絆を構築し、困難に立ち向かい、
GM:そして、その先にたどり着きましたか?
風花春悠:はい……!
風花春悠:辿り……着きました……
GM:では、目的達成の5点を。
GM:木花時雨さん。
木花時雨:はい。
GM:君の目的は、君と君の姉、そして彼とのこれからの関係性を見つけていくことだ。
GM:こちらを達成することは出来ましたか?
木花時雨:はい。家族として、一緒にいることにしました。
GM:OK。では、目的の達成を。
GM:夏川早苗さん。
夏川早苗:はい。
GM:あなたは、彼によって救われた今の立場を、悪意より守り抜くことが出来ましたか?
夏川早苗:えぇ。これからも頑張っていきます。アイドルとして。
GM:OK。目的を達成しました。
GM:鈴木千秋さん。
鈴木千秋:はい。
GM:君の目的は、彼が危険因子でないことを、証明することだ。
GM:これを証明できましたか?
鈴木千秋:はい。鈴木の報告書は正式に受理され、先輩が危険因子でないことを証明出来ました。……これからは
鈴木千秋:……陰ながら、先輩の活躍をお祈りしたいと思います。
GM:分かりました。目的を達成しましたね。
GM:では、シナリオ点は皆さんに10点。
GM:Eロイスが8個。
GM:Dロイスは“アルファ”の業師。“ベータ”の実験体。“ガンマ”と“デルタ”の対抗種で4点。
GM:ここまでの27点に加えて、侵蝕点とSロイスの有無を加えた点が
GM:あ、違う
GM:“ミュー”の実験体もなので、28点に足し合わせてください。
GM:何点になりましたか?
鈴木千秋:Sロイス込みで、36点です
風花春悠:31点です
木花時雨:Sロイス等なしのため、31点です。
夏川早苗:S込で38点。
GM:C((31+31+38+36)/3)
DoubleCross : 計算結果 → 45

■経験点
風花春悠 31点
木花時雨 31点
夏川早苗 38点
鈴木千秋 36点
木花小夜 45点
GM:ご査収ください。
木花時雨:ありがとうございます。
夏川早苗:ありがとうございます。
風花春悠:ありがとうございます……!
鈴木千秋:ありがとうございます。
GM:これで、長い任務は全て終わりです。
GM:皆様のこれからに祝福あらんことを。
GM:本当に、お疲れ様でした。
風花春悠:お疲れさまでした……!
鈴木千秋:お疲れ様でした!ありがとうございました!
木花時雨:お疲れ様でした。GMも、本当にありがとうございました。
夏川早苗:大変お疲れさまでした。GMも皆様もありがとうございました。
風花春悠:皆さん本当にありがとうございました!
木花時雨:pc1という大役を務めた春悠くん、すきゃっとさんにも敬意を。ありがとうございました。