『白く黒いミゼールは黒く白い』(GM:DT)


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【関連セッション】
『白く黒いミゼールは黒く白い』
『エイト・クイーンは並ばない』

白く黒いミゼールは黒く白い

“トランジ”芳井(よしい)(はる)キャラシート(PC1:自動)
“ウラハラ”日生(ひなせ)日出人(ひでと)キャラシート(PC2:めかぶ)
郭鴉(アウタールーク)梶子(かじこ)行弘(ゆきひろ)キャラシート(PC3:アスハル)
“ステイルメイト”香上(かがみ)進一郎(しんいちろう)キャラシート(PC4:ガントス)

【Index】

オープニング:UGN九株市支部
オープニング:香上進一郎
オープニング:梶子行弘
オープニング:日生日出人
オープニング:芳井春
ミドルフェイズ1
ミドルフェイズ2 一日目・昼
ミドルフェイズ3 一日目・夜
インタールード1
ミドルフェイズ4 二日目・昼
ミドルフェイズ5 二日目・夜
インタールード2
ミドルフェイズ6 三日目・昼
クライマックス 三日目・夜
エンディング:合同
エンディング:梶子行弘・芳井春
エンディング:香上進一郎
エンディング:日生日出人
エンディング:芳井春・日生日出人

【プリプレイ】

GM:『白く黒いミゼールは黒く白い』 開始していきます
芳井春:ワーイ
香上進一郎:ワーッ
日生日出人:キャーッ
梶子行弘:白黒ーっ!
GM:まずは自己紹介からお願いしようかな
GM:PC1の春 あなたからしなさい
芳井春:おやおや
芳井春:はーい
芳井春キャラシート
芳井春:よしい・はる。コードは《トランジ》。
芳井春:甘い目元の大柄な青年。軽薄かつ気障なふるまいを好んで行います。
GM:顔が良すぎる
芳井春:でしょう
芳井春:UGNエージェントですがさして素質はなく、戦闘能力もほぼない。脆弱な肉塊を従者として使役できる程度です。いちおう僅かな熱と毒を撒き散らしながら死ぬこともできます。
芳井春:基本は探知による情報収集と、この肉塊を使い捨てての防御がお仕事。
GM:従者ち……
芳井春:シンドロームはブラム=ストーカー/サラマンダー/エグザイルのトライブリード。
芳井春:初の従者型にチャレンジしてみました。基本はメジャー放棄カバーとちまっと反撃、それからミドルでの頑張りという感じで。
GM:がんばえ~
芳井春:あとはDロイス【組織の助力】で己の素質を信じずコネでなんとかしていくぜ。
GM:従者に挑戦するすべての人を応援しています
芳井春:ありがと~♡
芳井春:応援してね♡
芳井春:いろいろ初が多くどうなるか未知数ですが楽しんでいきます!
GM:組織としても助力もしていきます
芳井春:よろしくねー
GM:ではそんな春のハンドアウトがこちら
PC1 芳井春 シナリオロイス:上戸下 志帆 推奨感情:庇護/猜疑心
君は九株市UGN支部に所属するUGNエージェントだ。
ある晩の警邏にて、君は少女を保護した。
オーヴァードと思しき、白い乱れ髪の少女は、上戸下志帆という。
行く宛がなく、追われているという。少女からは血の香りがした。
芳井春:上と下!
芳井春:あきらかにあやしいぜ
GM:たすけてあげて~
芳井春:おまもりいたします
GM:良い心がけ!では次!
GM:PC2、ヒナちゃんお願いします
日生日出人:はーい!ヒナだよ~
日生日出人キャラシート
GM:エッチな立ち絵出てきたな
日生日出人:ひなせ・ひでとです。ヒナって呼んでね〜
日生日出人:19歳、UGNエージェント。コードネームは《ウラハラ》。
日生日出人:染めたピンクベージュの髪がトレードマークで、喋り方はのんびりめ。
日生日出人:能力で外見を自由に変えることができ、時と場合によって男だったり女だったりします。
GM:なんてことだ……
日生日出人:へへん
GM:ピンクポニテ顔良美女になってしまうのかよ 許せない
GM:なってる……
日生日出人:なっていくぜ
日生日出人:UGNでは高官の直属部下として活動しているものの、これといって秀でた能力があるわけではなく、
日生日出人:周囲からはもっぱら「顔で選ばれた」と揶揄されているようです。
日生日出人:シンドロームはソラリス・オルクス・エグザイルのトライブリード。
日生日出人:《ディストーション》を起点にした社会型の白兵攻撃を行います。
日生日出人:《宵闇の魔花》による達成値増加、《領域の盾》によるカバー操作と、変わり種の支援もあるので、
日生日出人:うまくみんなに貢献していきたいなと思ってます。
GM:おお ユーティリティだ
日生日出人:データ的には器用貧乏エージェントとしてやっていくぜ!以上、よろしくお願いいたします~
GM:ではそんなヒナくんのHOはこれだよ~
PC2 日生日出人 シナリオロイス:“六座頭”長坂泰彰 推奨感情:有為/脅威
君は九株市UGN支部に所属するUGNエージェントだ。
ギルドの宿老――大幹部の一人、“六座頭”の保有するオフィスビル。
そこで君は彼に、UGNが保有しているというレネゲイド資産の返還を要求される。
君にはだが、そのような心当たりはない。はずだったが。
GM:ギルドのおえらいさんと交渉してきてね
日生日出人:わわ~大変なお仕事
日生日出人:UGNとギルドの関係性ってどんな感じなんでしょう
日生日出人:ド敵対関係…ってほどでなくてもいいのかな 味方でもないだろうけども…
GM:本来は敵対関係だけど この街では一方的に潰しちゃうともう片勢力が興隆してヤバいので
GM:派手すぎることをしたら咎めるけど 組織ごと根こそぎ潰しはしない感じ
日生日出人:はは~ なるほど 理解です
GM:事件の事後対応に終止させられていますね。
日生日出人:なるほど!
日生日出人:詳しく話を聞いていきたいと思います
GM:聞いて~
GM:ではお次 PC3の梶子きゅんお願いします
梶子行弘:はあい
梶子行弘キャラシート
梶子行弘:かじこゆきひろ。コードネーム《郭鴉(アウタールーク)》。若干11歳ながら、警察のR案件調査に協力する非常勤職員をしています。
梶子行弘:ワークスはレア度SS「鑑識」! 少年鑑識だ
GM:初めてみたかも
梶子行弘:主として証拠品や痕跡の分析からの追跡を得意としており、
梶子行弘:手にした素材を『鴉』にして操る遺産の力を用いてコレを可能にしている。
GM:カア~
梶子行弘:母の血脈に宿った遺産の力でオーヴァード化した後、それを恐れた警察キャリア組の父親に捨てられており
梶子行弘:そこら辺の意趣返し……的な感情もあるのかも。しれない。
GM:なるほどね……
梶子行弘:能力は『黒の鉄槌』による範囲RC+遠距離反撃!
梶子行弘:とにかくリアクションを放棄しながら殴っていきたいと思っています
GM:ゴリゴリの暴力だ
梶子行弘:あとは遺産の代償+能力媒体のため、鳥の羽を収集する衝動を抱えています。
梶子行弘:当人は羽毛アレルギーです。
梶子行弘:今回は犯罪都市と言うことで、黒の契約者の代価ロールをしていければなと思っています。
GM:かわいそう
梶子行弘:よろしくお願いします
GM:はーい よろしくねえ
GM:ではそんな梶子きゅんのHOはこれです
PC3 梶子行弘 シナリオロイス:連続怪死事件 推奨感情:好奇心/不快感
君は九株市警察本部捜査研究所に所属する研究員だ。
お目付け役の婦警、粕屋千夏子ともに、君は現在、連続怪死事件の調査に赴いている。
突如として焼身自殺を図るという、奇怪な行動を起こすその原因を、レネゲイド性の手口と判断。
UGNと協力し、事件の解決を図れとの指示が君たちへ下った。
梶子行弘:きゅんとはなんですかきゅんとは
GM:敬称です
梶子行弘:いいでしょう。ぼくの優秀さを発揮してあげます
GM:ぼくだ 助かります
GM:がんばって~ では最後
GM:PC4の香上です お願いします
香上進一郎:香上です。
香上進一郎キャラシート
香上進一郎:香上進一郎(かがみ・しんいちろう)。コードネームは《ステイルメイト》。
香上進一郎:16さい。高校1年生やりながらUGNチルドレンやってます。
GM:両立できてえらいねえ
香上進一郎:エリートなので。
香上進一郎:よくいえば質実剛健。悪く言えば生真面目で頭でっかち。
香上進一郎:趣味のボードゲームでもよく同僚に敗北を喫しているらしいです。ノイマンなのに。
GM:ザッコ……
香上進一郎:なんだと……
香上進一郎:幼少期に覚醒し暴走した際、両親を巻き込んじゃってます。
香上進一郎:幸いにも命に別状はなかったものの、己の力の制御が効かなかったことをめちゃくちゃに悔やんでおり
GM:大変じゃん
香上進一郎:以降は自分と自分の力を律する術に固執、そのためにUGNに志願する形でチルドレン入りしたようです。
香上進一郎:シンドロームはモルフェウス/ノイマンのクロスブリード。
香上進一郎:己が触れたレネゲイドの出力を飛躍的に増加、爆発させるわりとシンプルなやつ。
香上進一郎:本来は大規模な爆発とか起こせるレベルの能力ぽいですが前述の悔悟やらトラウマやら自戒やらで
香上進一郎:殆どは己の体内とか そのあたりに出力を絞って 爆発的な加速で近づいてぶん殴るインファイトが持ち味になりました
GM:ステゴロってわけね
香上進一郎:《インスタントボム》《ブラストフォーカス》でステゴロよ。
香上進一郎:《武芸の達人》《精鋭》で安定した達成値を出せるのがウリ。
香上進一郎:あとはダブルクロス史上最強最高エンブレム《バディムーブ》も搭載しているので細かい所に手が届く支援もできたらいいなというきもちです。
香上進一郎:やってやりますよ。
GM:最強エンブレムじゃん
GM:せいぜいがんばってね香上 よろしくおねがいします~
GM:HOはこれです
PC4 香上進一郎 シナリオロイス:“順嵐”楠本磊 推奨感情:有為/憤懣
君は九株市UGN支部に所属するUGNチルドレンだ。
君は同僚のチルドレン倉馬美舞とともに、鴻央会系廿雀組の事務所へと赴いていた。
若頭の楠本磊と面会した君たちは、犯人の身柄を強く脅迫――要求される。
それを飲むにせよ飲まないにせよ、事件の犯人を早急に探す必要はあるだろう。
香上進一郎:ヤクザじゃん!
香上進一郎:自分ヤクザは嫌いですね。
GM:好き嫌い言わないの いい歳でしょ
香上進一郎:なんですか ただ感想を述べただけじゃないですか 仕事には出しませんよ
GM:はいはい じゃあよろしくね
GM:ということで男どもが出揃ったので トレーラーを貼って始めていきます

トレーラー 昨日と同じ今日。今日と同じ明日。
そんなもののほうがマシだ。明日よりも酷い明後日よりは。

某県九株市。
大規模FHセル同士の対立関係を背景に、それぞれの息のかかったギルドと鴻央会の諍いが跡を絶たない犯罪都市。
UGNの九株市支部は、これに対応するため、全国でも異例とも言える、警察組織との積極協力を表明。
法とレネゲイドの両面から、全面衝突の回避を模索していた。

どちらか一方が潰えては、一方の支配力が強まりすぎてしまう。
さりとて両者を一気に潰すほどの戦力は期待できない。
そうして、均衡を保ちながら最悪の事態を先延ばす試みは、しかして。

鴻央会構成員のみを狙った、連続殺人事件。
彼らはその殺人事件の犯人と思しき、少女の引き渡しを要求する。
それは薄皮の膠着を破り崩す、最初の傷口か。

この戦いに勝利してはいけない。

ダブルクロス the 3rd edition『白く黒いミゼールは黒く白い』
ダブルクロス――それは裏切りを意味する言葉。

GM:『白く黒いミゼールは黒く白い』 始めていきます よろしくおねがいします!
芳井春:よろしくお願いしまーす!
日生日出人:よろしくお願いします!
香上進一郎:よろしくお願いします!
梶子行弘:よろしくお願いします!


【オープニング:UGN九株市支部】

GM:登場PCは芳井春・日生日出人。登場侵蝕はなしで。
日生日出人:0d10
DoubleCross : (0D10) → 0

芳井春:0d10
DoubleCross : (0D10) → 0

GM:振ってる……


GM:某県九株市。
GM:大規模FHセル同士の対立関係を背景に、それぞれの息のかかったギルドと鴻央会の諍いが跡を絶たない犯罪都市。
GM:UGNの九株市支部は、これに対応するため、全国でも異例とも言える、警察組織との積極協力を表明。
GM:法とレネゲイドの両面から、全面衝突の回避を模索していた。
GM:【ニュー九株ビル 5F 輸入家具「ジャス・キューセミ」】
GM:九株市のUGN支部は、雑居ビルの居抜きだ。
GM:当初使用していた4階建てビル「九株スカイビル」および、それが手狭になってきた頃に
GM:警察の押収物件を無償貸与された6階建てビル「ニュー九株ビル」の二棟を拠点とする。
GM:その新棟の5F。輸入家具店「ジャス・キューセミ」は表のカヴァー。
GM:その実態は、UGN九株市支部の応接室兼、支部長室であった。
GM:部屋の奥。洋風家具に彩られた高級感溢れる区画。
GM:ソファとテーブル。その奥にデスクと椅子。そこに一人の女性が鎮座する。
矢掛翠:「ご苦労さま。集まってもらったのはね」
矢掛翠:スーツ姿の女性。九株市支部長の“エスキース”矢掛翠。
矢掛翠:「現状の環境を改めて整理してもらうのと、次の仕事の説明のため」
矢掛翠:「よろしい?“トランジ”、“ウラハラ”」
矢掛翠:ソファへ座る2人へと声をかけた。
芳井春:目元が甘く、大柄で身綺麗な男。手足を持て余し投げ出すように座っている。
芳井春:「はいはい。どのような?」
日生日出人:染めたピンクベージュの髪に、まるで少女が好むような服装をした甘い雰囲気の青年。ちょこんと横に座り。
日生日出人:「よろしいですー」
矢掛翠:「知っての通り。ここ九株市では我々以外のレネゲイド勢力の跳梁を許しています」
矢掛翠:「一つが、犯罪組織ギルド。その裏にはFHの関与もあると噂されてる」
日生日出人:「ふんふん」
矢掛翠:「もう一つが、鴻央会傘下の廿雀組。ここも同じく、別口のFHから支援を受けている」
芳井春:「ヤクザと傭兵で、FHの代理戦争ドンパチってとこだな」
矢掛翠:「ええ。うちとしてはどちらも潰したいけれど」
矢掛翠:「潰せば本元が腰を上げてくるでしょうね。そうすればうちの戦力では太刀打ちできないし」
矢掛翠:「そもそも、根を張りすぎてる。彼らを潰すだけで市民にどれだけ二次被害が及ぶか……」
芳井春:「風俗だの暴力団だのまで手を出すと、キリもねえですしね」
芳井春:「経済もズタボロだ」
矢掛翠:「ええ。なのでひとまずうちとしては、私の独断で警察との協力を結びました」
矢掛翠:「彼らはオーヴァード犯罪者を点数に計上できる。私たちは彼らの犯罪者情報網を利用できる」
日生日出人:「ウィンウィンってやつだ」
芳井春:(――独断ね)
矢掛翠:「お互い上から鼻つまみ者になることを除けばね」
日生日出人:「他のとこだと、警察と協力なんて考えられない~な感じなんだっけ」苦笑する。
矢掛翠:「特に、向こうがそうね」
芳井春:「ほとんど公安任せなんだっけか?」
矢掛翠:「我々の組織は、横紙破りで出来たようなものだから」
矢掛翠:「当時の対立は凄まじかったと聞いてる。今も根に持つ層は多いでしょうね」
矢掛翠:「まあ、ここまでは今までの話」
日生日出人:「ふんふん?」
矢掛翠:「問題は今」
矢掛翠:「うちに3勢力から“相談”が来てる」
矢掛翠:「いえ、相談といえば聞こえはいいけど……“要求”ね」
芳井春:「ギルド、廿雀組、それと」
矢掛翠:「警察よ」
日生日出人:「ぜんぜんいい話じゃなさそう」両手で頬杖をつく。
芳井春:「協力って話じゃなかったか? 随分と横暴そうに聞こえるが」
矢掛翠:「どこも必死なのよ。勿論うちもね」
矢掛翠:「廿雀組のほうは、倉間さんと香上くんにお願いしたわ」
矢掛翠:「例の事件の件でしょう。相当苛立ってるみたい」
GM:君たちは事件についても聞いている。
GM:連続怪死事件。
芳井春:「ああ、全員が焼身自殺で死んでるっていう……」
GM:廿雀組の構成員が、相次いで焼身自殺を図る事件。
GM:彼らはその犯人の確保・引き渡しを強く要求している。
芳井春:「ふん。で、じゃあギルドの方にも派遣をってことか」
日生日出人:「俺達二人で行けってこと?」
矢掛翠:「本当はそうしたかったんだけど」
矢掛翠:「警察からその事件を受けて、こちらでも警邏の人員を割いてくれないかって」
日生日出人:「パトロール! なんか警察っぽい」
日生日出人:ころころ笑う。
芳井春:それを横目に見て。「……なら」
矢掛翠:「うちとしても、一人は出しておかないとマズいでしょう」
芳井春:「ギルドにはヒナセを行かせるべき、ってあんたは言う」
矢掛翠:「……矢掛支部長、でしょう」
矢掛翠:「もしくは、“エスキース”か。あんたはやめなさい」
芳井春:「ハイハイ」肩を竦めて。「矢掛支部長」
矢掛翠:「よろしい。実際、そうね」
矢掛翠:「“六座頭”から直々に連絡を寄越されてる。あまり刺激したくない相手ね」
矢掛翠:「“ウラハラ”の方が適任と判断します」
芳井春:「おまえどっちで行くんだ?」
日生日出人:「俺かあ」
芳井春:「稀代の女好きとは聞いてないが」
日生日出人:「えー」横目に見返す。
日生日出人:「でも、そうだなー、好きになってくれるかもだし」
日生日出人:「かわいい方でいくー」
芳井春:うげ、とわざとらしく溜め息をつく。「あっそ」
矢掛翠:「……本来私が行くべきなんでしょうけど。警察の方々との”打ち合わせ”があって出られない」
日生日出人:「夜な夜な?」
矢掛翠:「……夜な夜な」嘆息して。
日生日出人:「多くない~?支部長、最近ずっと出ずっぱりだね」
芳井春:ヒナセの足を冗談じみて軽く蹴る。
日生日出人:「ふへへ」 
矢掛翠:「なので交渉事も……ある程度支部員に任せることになる」
日生日出人:「みまちゃんとしんちゃんなんか、まだ高校生なのにね」
矢掛翠:「過度な要求を受け入れる必要はないけれど。喧嘩を売るような真似は謹んでね」
芳井春:「美舞はまだしも、香上に交渉なんてできるか?」
日生日出人:「できるよー、きっと」
日生日出人:「俺ねえ、がんばります。喧嘩は売らないと思うけど…」
芳井春:「と思うのフワフワさはなんなんだ」
日生日出人:「違うよー。なんかさ、俺、なめられそうじゃん」困ったようにころころ笑う。
日生日出人:「春くん、いいの? 春くんのが大きいし迫力があるから向いてそうじゃない?」
芳井春:一瞬、眉を顰め。「いいんだよ」
芳井春:「……舐められる相手のが向いてるだろ」
日生日出人:「あ、拗ねた?」
芳井春:「あ~? どこがそう見えんだよ」笑って。
芳井春:「まあいい。じゃあそのように支度しておきます」
日生日出人:「そだね」春くんを見上げる。
芳井春:「んだよ」
日生日出人:「えー、下調べとか、手伝ってよ」
日生日出人:それから支部長を見る。
矢掛翠:「ああ。“ウラハラ”は残ってね」
芳井春:「あ?」
日生日出人:「あれ」
日生日出人:「えっと、これから二人でごは…」芳井さんをまた一瞥。
矢掛翠:「段取りの相談。お願いできるかな?」
芳井春:ヒナセに言葉を返そうとしたが、切り。
日生日出人:「待ってる?先行っちゃってても…」
芳井春:「んじゃ先食っとくか」
日生日出人:「うん。またね」
芳井春:「終わって時間あれば来いよ」ひらりと手を振り。
芳井春:心無しか荒い足音と、ドアの開閉音。
日生日出人:それを聞きながら、支部長に改めて向き合う。
日生日出人:「…いじわるした?」
矢掛翠:「……違う違う」
矢掛翠:アンティークの食器棚に向かって、中からワインを取り出す。
矢掛翠:「私がちょっと付き合ってほしかった」
日生日出人:「ふふふ」ころころと笑う。
日生日出人:「こっちでいいの? 女子会にしよっか?」
矢掛翠:「ん~。そっちの気分」
日生日出人:「はあい、女王様」
日生日出人:ソファにちょこんと座ったまま、支部長の仕草を眺めている。
矢掛翠:スーツのジャケットを脱いで席に掛ける。
矢掛翠:「適当に摘むものも取っていいから」
日生日出人:「あ、あれ。こないだ買ったチョコまだ残ってたよね。あれにしよ」
日生日出人:勝手知ったる様子でぱたぱたと奥に行って、高級そうなあしらいの箱をテーブルに並べる。
矢掛翠:「んー」気のない返事をしながら、シャツとスカートも脱いで私服に着替えている。
日生日出人:「夜な夜なの話したから嫌になっちゃったの~?」
日生日出人:着替えている様子が視界の端。特に気にする様子もない。
矢掛翠:「というか。夜な夜なの内容かな」見ずに返す。
日生日出人:「ふうん?」
日生日出人:「こら、ここで黙るのはなしだよ」
矢掛翠:「……現状の謝罪行脚に付き合わされてるのよ」ゆったりとした私服に着替えて戻ってきて。
矢掛翠:「アホくさ……」
日生日出人:「あらら」
日生日出人:出迎えるように、ソファの端による。
日生日出人:「誰に謝るの? さっき言ってたみたいに、上の人たち?」
矢掛翠:ソファに深くその身を沈めて。
日生日出人:きょとんとその顔を覗き込む。
矢掛翠:「県警の上層部。やっかまれてるのよ」
矢掛翠:「これをモデルケースにUGNとの全面協力を押し付けられないか心配なんでしょ」
矢掛翠:「だからすぐに失点探して突き回してくる」
日生日出人:「そっかあ」
日生日出人:華奢なデザインのワイングラスを取って、その細い手に掴ませる。
日生日出人:「俺達、迷惑かけちゃってる?」
矢掛翠:「ううん。助かってる」
日生日出人:「優しいの、翠さん」 傾いできた頭を撫でる。つややかな髪が指の間に流れる。
矢掛翠:「ごめんね。春と約束あったんでしょ」
日生日出人:「んー」
日生日出人:「んん」困ったように笑う。
日生日出人:「翠さんの愚痴聞けるの、俺だけって思ってて良い?」
矢掛翠:「あとはヒナちゃんもかな」冗談めかして。
日生日出人:「ふふふ」ころころ笑う。
日生日出人:グラスに注いだワインを見る。葡萄色、芳醇なアルコールの香り。
日生日出人:「ふたりとも、意地っ張りなんだからなあ」
日生日出人:なんでも持ってるのに、と、その言葉はチョコレートと一緒に飲みこむ。
日生日出人:甘くて苦い味がする。


【オープニング:香上進一郎】

GM:登場をお願いします。
香上進一郎:香上進一郎の侵蝕率を1d10(→ 10)増加 (38 → 48)
GM:緊張してんのかよ
香上進一郎:トップスピード香上です。


GM:【鴻央会系廿雀組 事務所】
GM:周囲を白塗りの塀に囲まれた日本家屋。
GM:その中の客間に、君は同僚とともに招かれていた。
GM:招かれていた、とは言うものの。
GM:周囲にはガラの悪い男たちが取り巻いており、剣呑な雰囲気。
GM:とても歓迎されている感じではない。
GM:向かいの席に、一人の男が現れる。
楠本磊:「ああ?誰だそいつ。新入りか?」君を見てそう言うのは、
GM:廿雀組の若頭、楠本磊だ。オーヴァードであるとは、君も教えられている。
倉間美舞:「はい!うちの新入りです~!」
倉間美舞:「楠本さんのところにはご紹介しようと思いまして~」間延びした声。
倉間美舞:普段のふるまいとはまるで違う。思い切りキャラを作っている。
香上進一郎:この場に似つかわしくない格好。乱れ一つ無い、詰襟を身につけた少年。
倉間美舞:(挨拶)振り向いてパクパクとする。(はよしろ)
香上進一郎:(お前いつもそれで通しているのか)
香上進一郎:僅かに眉根を寄せて。
倉間美舞:(殺すぞ)
香上進一郎:眼の前の男に視線を向けて。僅かに頭を下げる。
香上進一郎:「若頭直々のご対面、恐縮です」
香上進一郎:「香上と申します。良しなに」
楠本磊:「……おお」思い切りタバコを吸いながら応じる。
楠本磊:「んで。倉間テメエ……どうなってやがる」
楠本磊:「テメエらんところは無能揃いか?まだ見つかってねえのかよ」
倉間美舞:「いや~その、うちとしてもこうやって増員してまして、目下捜索を……」
倉間美舞:「許しがたいレネゲイド犯罪の検挙に、全力で取り組んでますとも」
楠本磊:「御託は聞き飽きてんだよ。三日だ」
楠本磊:「三日の内に殺った奴を生かして連れてこい」
香上進一郎:「例の」
香上進一郎:「焼死事件の下手人ですか」
楠本磊:「ああ。あのハゲカスんところの仕業に決まってるだろうが」
GM:ギルドの“六座頭”のことを指していると分かるだろう。
香上進一郎:「(ハゲ。ハゲ……? ああ、ギルドの……)」
楠本磊:「あいつの首でも手を打ってやる。もし期限過ぎても出ねえようなら……」
楠本磊:「連中の拠点にカチコむ。カタギがどれほど死のうが構いやしねえ」
倉間美舞:「え~……やめましょうよ……」
香上進一郎:僅かに視線を隣の少女へ向ける。本気で言ってると思うか?
倉間美舞:(こいつはマジにやるよ)
楠本磊:「それから倉間。テメエもトバすぞ」
倉間美舞:「え~、あれも冗談じゃないんです~……?」
倉間美舞:後ろで組んだ掌からギリギリ音が鳴っている。
香上進一郎:(キテるな)
楠本磊:「俺は誠実だぞ? 筋は通す」
楠本磊:「やると言ったことは違えねえ」
倉間美舞:「善処いたします~……」
香上進一郎:「………」僅かに思案した後。ぼそりと呟く。
香上進一郎:「事件の犯人は────」
香上進一郎:「必ず見つけ出します。が」
楠本磊:「がぁ?」タバコを灰皿に潰すようにもみ消す。
香上進一郎:「引き渡しに。応じることはないでしょう」
倉間美舞:(ばか)パクパクと開く。(バカかお前)
楠本磊:「……」
香上進一郎:「仮に、ギルドの思惑だったとして」
香上進一郎:「廿雀組の若頭であるあなたは、その掌の上でただ踊るだけの愚者ではない」
香上進一郎:「それに」
香上進一郎:「もう何人も、組員が死んでる」
香上進一郎:「自分は。“鴻央会(ヤクザ)”も。"外国人(ギルド)"も」
香上進一郎:「虫唾が走るほど嫌いですが」
香上進一郎:「殺人鬼をみすみす引き渡して」
香上進一郎:「"この町の市民"にこれ以上、危害を及ぼすような可能性を」
香上進一郎:「看過できない」
香上進一郎:「上には。そう進言しようと思ってます」
楠本磊:「……」
楠本磊:「そうか。そりゃあ偉い」
楠本磊:「賢い坊やだなあ」
楠本磊:「いいご両親に育てられたのか?よろしく伝えといてくれよ」
香上進一郎:行儀よく膝の上に置いていた、歪に変形し傷だらけの指が。僅かに動く。
香上進一郎:「生憎と」
香上進一郎:「それを伝えるべき相手は、もう居ないので……」
香上進一郎:「世話になった先輩に、伝えておきます」
楠本磊:「……フン」鼻を鳴らす。
楠本磊:「三日後。二言はない」
楠本磊:「その間に先輩に身の振りを学んどけ」


GM:その帰り道。屋敷が見えなくなってから。
倉間美舞:脛蹴りする。
香上進一郎:鉄のような蹴り心地。
香上進一郎:「何すんだ」
倉間美舞:「痛っづ……!」
倉間美舞:「何すんだじゃね~だろお前……バカか!」
倉間美舞:「バカか!?」
香上進一郎:「いや……」
香上進一郎:「思いの丈を」
香上進一郎:「真正面から伝えてみたんだよ」
倉間美舞:「思ったように喚くだけなら赤ん坊でもできるだろーが」
香上進一郎:「下手に取り繕っても、あの人。そういうの、すぐ勘づくだろ」
倉間美舞:「だったら黙ってろや……」
香上進一郎:「あの人がイラついてたの、お前のあのキャラのせいでもあるんじゃねえのか」
香上進一郎:「ぞっとしたぞ」
倉間美舞:「あ?」
倉間美舞:「どっからどう見てもか弱いか弱い美舞ちゃんだったろうが」
香上進一郎:「袋持ってないか?」
倉間美舞:「袋?」
香上進一郎:喉を押さえている。
倉間美舞:「何。無いけど……」
香上進一郎:「いや……もういいや。飲み込んだから……」
倉間美舞:「んだそれはよ……」
香上進一郎:「しかし……実際」
倉間美舞:「てかマジでどうするんだよこっから~……あ?」
香上進一郎:「ん。アタリついてんのかな」
倉間美舞:「ついてねーからこんなことになるんだろ」
倉間美舞:「なんだっけか……サツからなんかうさんくせー奴招聘するらしいぞ」
倉間美舞:「なんか専門の……捜査官的な……」
香上進一郎:「公安……?」
倉間美舞:「お前マジでサツにも喧嘩売るなよ」
倉間美舞:「逮捕だぞ」
香上進一郎:「倉間はオレを誰にも彼にも喧嘩売る野郎だと思ってる?」
倉間美舞:「少なくともさっきと今で2回売ってるところは見たからな」
香上進一郎:「………」
香上進一郎:ズレた眼鏡のブリッジを中指で僅かに上げる。
香上進一郎:「まあ……お前ほど世渡りは、上手くないけど」
香上進一郎:ごきり、と指を鳴らす。「信頼には、応えたいからな」
香上進一郎:「………今日の件」
倉間美舞:「あん?」
香上進一郎:「怒られっかな。矢掛支部長に」
倉間美舞:「……何。ビビってんの?」
香上進一郎:「ビビってるっつーか」
香上進一郎:「失望されたくない……」
倉間美舞:「……ぶふっ」
倉間美舞:「そうなんでちゅか~?かわいらしいでしゅね~?」
香上進一郎:「ぶっ殺すぞ」
倉間美舞:「あ?やるか?」
香上進一郎:暫しガンを飛ばしあったあと。ため息をついて。
香上進一郎:「報告書、シメてからな」
香上進一郎:「今日は負けねえぞ」何らかの駒を摘むような仕草。
倉間美舞:「またやんのかよ……」
香上進一郎:「戦術書をまた新たに読破したオレに隙は無い」
倉間美舞:「は~アホ。アホ丸出し」
香上進一郎:「そうやって勝者の座に胡座掻いて座っていられるのも今の内だということを」
香上進一郎:「教えてやるよ。バカ」
倉間美舞:「身になってねーんだよご本ばかり読んでシコシコしててもよ」
倉間美舞:「実戦積めやドーテー野郎」
香上進一郎:「品が無さすぎる……」
香上進一郎:「人のこと言えんのか?」
倉間美舞:「……」電話を取り出す。
倉間美舞:「あの、支部長、ちょっと聞いて欲しいんですけど~」
香上進一郎:「バカやめろ!!」
倉間美舞:「香上くんがあ~」
香上進一郎:「違います。自分は適宜、UGNの尖兵として恥ずかしくない振る舞いを……」
倉間美舞:ひらひらと通話してないスマートフォンを振って。「バァーカ」
香上進一郎:「………」
香上進一郎:額の汗をゆっくりと拭って。彼女を追い抜くように歩き出す。
香上進一郎:今だにからかう調子の声色を背に。僅かに口元を緩ませて。


GM:シーン終了です。ロイス取得あればどうぞ。
香上進一郎:“順嵐”楠本磊 有為/○憤懣と
香上進一郎:みまちにも取っちゃお。しょうがないから。しょうがないから取ります。
GM:へ~
香上進一郎:倉間美舞 P○信頼/Nバカ
GM:あ?
香上進一郎:よし。


【オープニング:梶子行弘】

GM:登場をお願いします。
梶子行弘:1d10+36
DoubleCross : (1D10+36) → 5[5]+36 → 41



GM:【九株市 路地裏】
GM:立入禁止のテープが貼られ、現場には警察の姿がある。
GM:「……一課の連中か。あんたらの出る幕じゃねえよ」先に来ていた刑事が、遅れてきた刑事に告げる。
GM:「何?コロシならウチのシマでしょうが。四課さんのもんじゃないんじゃないですかね」
GM:「違えよ」刑事は返した。「うちのものでもねえ……“R”だ」
GM:そこを分け入る、一人の若い女性の姿がある。
粕屋千夏子:「はーいすみませ~ん!すみませんすみません」
粕屋千夏子:「通ります~失礼しま~す」
粕屋千夏子:「えへへ……ごくろーさまです!」
GM:刑事たちはその婦警に不審な目を向けた。
GM:「何の用だ、邪魔するから帰」
粕屋千夏子:「お連れしました~!」
粕屋千夏子:「うちの捜査員です、ほら、どいてどいて~!」
粕屋千夏子:「おいで~!」
梶子行弘:「――あのですね、千夏子さん」
粕屋千夏子:「ん~?」
梶子行弘:レインコートを被った小さな影が、すり抜けるようにやってくる。
梶子行弘:「犬猫じゃないんですから。ほら、皆さんも怪訝そうな顔をしてる」
粕屋千夏子:「違うよ~。怪訝そうな顔をしてるのはゆきくんが幼いからでしょ」
梶子行弘:「幼くはありません。これでも背の順ならクラスで真ん中より後ろです」
梶子行弘:『KEEP OUT』の黄線を潜り抜ける。
粕屋千夏子:「何センチ?」
梶子行弘:「142cm」レインコートのフードを外すと、黒髪の少年が見上げる。
梶子行弘:「成長期です」
粕屋千夏子:「じゃああと30cm欲しいな~」
梶子行弘:「身長で人を見るのはよくありませんよ」
粕屋千夏子:「確かに」しゃがんで目線を合わせる。
梶子行弘:「いつもお疲れ様です。現場保全、有難うございます」 明るい笑顔を見せて、ぺこりと周囲の警官にお辞儀をする。
GM:「あ、おお……」警官らは困惑を隠せない様子だが、辞令が行っているのだろう。
GM:諾々と君が調査を進めるのに従うだろう。
GM:現場の中央には、ビニールシートがかけられて盛り上がった場所がある。
梶子行弘:「ほら。千夏子さん」
粕屋千夏子:「ん~?」
梶子行弘:屈み込んできた傍の女性を手で押しのけながら、そちらを指さす。
梶子行弘:「あちらが被害者ですよね」
粕屋千夏子:「ああ、うん。被害者は廿雀系のフロント企業の幹部で~」
粕屋千夏子:「年齢が45歳、男性、えーっとあと……」パラパラ調書をめくっている。
梶子行弘:周囲を軽く見回したあと、近づいて、ビニールシートの傍に屈み込む。
粕屋千夏子:「あっあと死因は火傷か一酸化炭素中毒」
梶子行弘:両手を合わせて、少しだけ瞑目。 「失礼しますね」と言って、シートを剥がす。
粕屋千夏子:「あっもしかしてめくる……?わたしあっちに」
粕屋千夏子:「あっめくってる……」
GM:焼け焦げた死体だ。炭化しかけた死体は、苦悶の表情を浮かべているように見える。
粕屋千夏子:「うっ……」
梶子行弘:「有難うございます。失礼しました」 礼を言って、シートを戻す。
粕屋千夏子:「うう……うぷっ」
梶子行弘:炭化した肉の匂いに、僅かに眉をしかめるが、振り向いたときには隠している。
梶子行弘:「嫌なら同行しなくてもいいんですよ」
粕屋千夏子:パタパタとどこかへ走り去っていく。
梶子行弘:「……なんでここの部署に居るんですか……」ぼやきながら見送る。
GM:知識:鑑識で判定して下さい。難易度は7。
梶子行弘:6dx+2
DoubleCross : (6DX10+2) → 9[1,2,4,7,7,9]+2 → 11

梶子行弘:これが鑑識ワークスの力です
GM:OK。では先程の一瞬でわかります。
GM:ただの焼死ではない。口腔内の方が燃え方が激しい。
GM:つまりこれは、“内側”から燃えた。
梶子行弘:ほほう……
梶子行弘:つまり人体発火現象! プラズマ!
梶子行弘:周囲の地面を指で擦る。油や燃料、火薬の類いは全く存在しない。
粕屋千夏子:ふらふらと戻ってくる。心なしか顔が青い。
梶子行弘:「おかえりなさい」
粕屋千夏子:「あっただいま、ごめんね」
梶子行弘:「この方が燃えたときの、目撃証言などはあるんですか?」
粕屋千夏子:「あっえーっと、綺麗に誰もなし」
粕屋千夏子:「多分あれだよ、あれ」
粕屋千夏子:「……」ちょっと考え込んで。
粕屋千夏子:「《ワーディング》!」
梶子行弘:「!?」
梶子行弘:身構える。が、例のレネゲイドとやらの気配が広がるわけではない。
粕屋千夏子:「?」首を傾げる。「どうしたの?」
粕屋千夏子:「名前違った……?」
梶子行弘:「使ったのかと思いましたよ」
粕屋千夏子:「違うよ~」
粕屋千夏子:「というか、使い方覚えてないし!」ぶんぶん手を振る。
梶子行弘:「ワーディングで人避けして、なにかの特質で人を燃やした」
粕屋千夏子:「うんうん。その可能性が高そうだね」
梶子行弘:「通報がなかったってことは、これだけ人を燃やすのに、ガソリンや火薬を使わなかったってことですしね」
梶子行弘:「これで何人目でしたか?」
粕屋千夏子:「4人目だねえ。また廿雀組の人」
粕屋千夏子:「抗争なのかなあ。やだよね」
粕屋千夏子:「拳銃とか出てくると市民に被害が出る可能性も高いんだよ」
梶子行弘:「拳銃以前の問題でしょう、こんな殺人者が町中にいたら」
粕屋千夏子:「あっそうか……」
梶子行弘:「単純に抗争なら良いですけど。組に恨みを持つ人が、レネゲイドに感染したとか」
梶子行弘:「そういう可能性もありますよね。……火種はなくても、他に何か残っていないか……」
粕屋千夏子:「監視カメラとか映ってないかもあとで確認するね」
梶子行弘:「お願いします。ぼくは、そういう指示は出来ませんし」
梶子行弘:路地の端から端を目を凝らしながら歩く。「これ、あそこはどう言ってるんですか」
粕屋千夏子:「あそこ?」
梶子行弘:「なんて言いましたか。ぼくらみたいなのを囲ってる」
梶子行弘:「ユニバーサル……」
粕屋千夏子:「あっあのかっこいい人一杯のとこ」
粕屋千夏子:「……スタジオ?」
梶子行弘:「たぶん違いますよね。カッコイイ人って……」
梶子行弘:「思い出した。UGNです、UGN」
梶子行弘:「提携したんでしょ、警察と」
粕屋千夏子:「うん。うちに手を貸してくれるんだって」
粕屋千夏子:「優しい人達だよねえ」
梶子行弘:「ほんとですかね。だったら真っ先に組をやっつけるんじゃないですか」
粕屋千夏子:「確かに。それで一斉逮捕とか出来たらいいよね」
粕屋千夏子:「なんでしないんだろう?」
梶子行弘:「千夏子さん、騙されやすいんだから。軽く気を許しちゃ駄目ですよ」
粕屋千夏子:「え~、そんなことないよ!」
粕屋千夏子:「これでも警察官の端くれ、人を見る目はあります!」胸を張る。
梶子行弘:「あっ。死体の手が動いて千夏子さんの足首掴もうとしてますよ」
粕屋千夏子:「えっやっ!?」
粕屋千夏子:つんのめってすっ転ぶ。
粕屋千夏子:「あづっ」
梶子行弘:「うわっ」
梶子行弘:「ちょっと! 大丈夫ですか?」ここまで派手に反応されるとは思わなかった。
梶子行弘:すっ転んだ傍にしゃがみこむ。
粕屋千夏子:「うんっ平気……あっ」
粕屋千夏子:「死体は!?」
梶子行弘:「嘘です。すみません、騙そうと思いました」
梶子行弘:手を差し伸べる。
粕屋千夏子:「嘘……嘘?」
粕屋千夏子:「も~」手を取る。ぐっと気にせず体重をかける。
梶子行弘:「うぐっ」
梶子行弘:つんのめりそうになる。
粕屋千夏子:「あおう」気づいて力を緩めて自分で立つ。
梶子行弘:しかし、不自然に上方向へと力をかけ、立ち上がらせる。
粕屋千夏子:「えへへ……ごめんごめん」
粕屋千夏子:「あっでも……嘘をつくのはダメ!」
粕屋千夏子:「いい?」
梶子行弘:「ぼくの方も軽率でした」
梶子行弘:「ですが、それをおいても千夏子さんは心配ですよ」
粕屋千夏子:「ゆきくんに心配されるほどじゃないよ~」
梶子行弘:「UGNに連れ去られないよう気を付けてください」
梶子行弘:「こっちに手を貸すって、どういう風なんですか」
粕屋千夏子:「連れ去られないよ~……」
粕屋千夏子:「……あっ!」
粕屋千夏子:「ごめん、連れ去られるんだ!」
梶子行弘:「はい?」
粕屋千夏子:「ゆきくんに来てほしい~って」
粕屋千夏子:「捜査協力の依頼を受けてるの。向こうでも事件を調べてるんだって」
梶子行弘:「ぼくを指名ですか。善意の、市井の協力者を」
粕屋千夏子:「能力者特有の観点を突き合わせて、解決を図りたいんだって」
梶子行弘:「まあ……それなら」
梶子行弘:「千夏子さんが行くよりは安心ですね」
粕屋千夏子:「えっ?」
粕屋千夏子:「わたしも行くけど……」
梶子行弘:「ぼくは連れ去られませんし……」
梶子行弘:「えっ……」
梶子行弘:「そうですか」
粕屋千夏子:「ゆきくん一人だと心配だし。お目付け役をせよと仰せつかっているのです」
梶子行弘:確かに、協力する以上は警察の正規人員は必要だろうし。
梶子行弘:R案件に対応できるオーヴァードの警官なんてほとんどいないから、それはそうなのだろうけど。
梶子行弘:どこか誇らしげな女性警官の表情を見上げる。
梶子行弘:「……せめて」
梶子行弘:「“ワーディング”のやり方くらいは、思い出しておいた方が良いのでは」
粕屋千夏子:「ゆきくんは覚えてます……?」
粕屋千夏子:「あの、コツなどを……」
梶子行弘:「……。仕方ないですね……」
梶子行弘:肩を落とす。
梶子行弘:ばさり。背中に流したレインコートのフードが、翼のように小さく羽ばたいたように見えた。


GM:シーン終了です。ロイス取得あればどうぞ。
梶子行弘:事件/連続焼死事件/興味/警戒:○/ロイス
梶子行弘:とりあえず以上です
GM:ゆきくんわたしは~?
梶子行弘:もうちょっと活躍したところ見せてくれたら取りますよ
梶子行弘:大人らしくがんばってください
GM:うん、がんばるね!
梶子行弘:…………。
GM:?


【オープニング:日生日出人】

GM:登場をお願いします~ 今度は侵蝕率が上がるぜ
日生日出人:はあい
日生日出人:日生日出人の侵蝕率を1D10(→ 7)増加 (35 → 42)


GM:【青連ビルディング】
GM:ギルド保有のオフィスビル、その最上階。
GM:そこは一般企業の社長室のような佇まいだ。ガラス張りの机の置かれた応接室。
GM:その奥に鎮座するのは、禿頭の老紳士。
GM:ギルドの“宿老”と呼ばれる幹部の一人、“六座頭”長坂泰彰。
長坂泰彰:「やあ。まあ……楽にしたまえ」
日生日出人:「はい、ええと…よろしくお願いします」 ぺこりと会釈し、へにゃへにゃと笑みを浮かべる…長身の女。
日生日出人:利発的な顔立ちに、どこか似合ってない甘い雰囲気の服装。少女にしてはハスキーな声色。
日生日出人:《擬態の仮面》で性別を変えた姿。立派なソファにそのまま腰掛ける。
長坂泰彰:その佇まいを見てかすかに笑みを浮かべるが。それだけだ。
長坂泰彰:「君がUGNの名代……ということでいいのかな」
長坂泰彰:「私としては、てっきり支部長殿がお越しになると思ったがね」
日生日出人:「あ、《ウラハラ》です。えっと、ヒナって呼んでください」
日生日出人:「支部長は…でも、俺に一任してもらってるんで。んと…信頼してほしいです」
長坂泰彰:「ふむ。ではヒナ君。お互い忙しいだろうから、手短に行こう」
日生日出人:(威圧感やばいよ~)と内心思っています。
日生日出人:「はい」
長坂泰彰:「君たちの保有するレネゲイド資産を、我々に変換してほしい」
日生日出人:「…?」首を傾げる。
長坂泰彰:「あれは我が社が管理権を持っているんだ」
日生日出人:「あれ、連続殺人事件のことじゃなくて…」
日生日出人:「レネゲイド資産…?ですか?」 まったく心当たりがない。
長坂泰彰:「おや。ご存知ないのかな」
長坂泰彰:「私はてっきり、君たちが接収したと思っていたんだが……」
日生日出人:「俺、支部長からいろいろ教えてもらってるし、支部のこと、それなりに知ってると思うんですけど…」
日生日出人:「知らないです」きょとんとしている。「どんなやつですか?」
長坂泰彰:「待ちたまえ……写真はあるかな?」
銀髪褐色の女:彼がそう呼ぶと、傍らから銀髪褐色の女が出てくる。
GM:見覚えはない。ギルドメンバーだろうか?
日生日出人:(あっこういうの、覚えといた方がいいんだよね)
日生日出人:じっとその女を見る。
銀髪褐色の女:女は君を舐めつけるように見ると、写真を置いて君にウインクする。
日生日出人:「あへへ……」 見つめられ返すと思っておらず、それに微笑んで返す。
銀髪褐色の女:そのままくるりと踵を返して、部屋の隅に立って君を見続けている。
長坂泰彰:「……これだ」彼女が置いた写真を指す。
長坂泰彰:首から下の映った、少女と思しき胴。
日生日出人:(んんー…) 視線を感じつつ、写真を見るために屈みこむ。締め付けていない上半身がゆるやかに動く。
長坂泰彰:その中央には、エメラルドの首飾りが煌めく。
日生日出人:「えっと、これは…」
日生日出人:「この女の子も、含めてですか?」
長坂泰彰:「ああ。そちらはこのときの容れ物だ」
長坂泰彰:「別にそれごと引き渡してもらっても問題はないが、必要なのはその宝石でね」
長坂泰彰:「もしも今持っていないなら、見つけたら我々に返却を願いたい」
日生日出人:「……」ついっと目の前の男性を見やる。
日生日出人:「えっと、それだけだと…俺達も、探すのが難しいので」
日生日出人:「どういうものなのか、もうちょっと教えてほしいです」
長坂泰彰:「君たちに探してもらおうと思っているわけではないよ」
長坂泰彰:「多忙だろう。例の事件だったか?そこまでの労苦を強いることはない」
長坂泰彰:「ただ、見つけたら返却してほしい。我々の願いはその一つだけだ」
日生日出人:(これは……えっと)
長坂泰彰:「確約してくれるか?」
日生日出人:(この人、これがどんなものか教える気はぜんぜんなくて…それで、この感じ)
日生日出人:(焦っててヤバい感じ…)
日生日出人:(圧がやばいよ~)
日生日出人:「うーん、ええと」 女の視線も痛い。
日生日出人:「確約って言葉は、重いです」
日生日出人:「UGNらしい仕事を、します。うちの支部長は」
長坂泰彰:「ふむ。だけどね、ヒナ君」
日生日出人:「うえ、はい」
長坂泰彰:「善処という言葉は軽いだろう」
日生日出人:「うえ」
長坂泰彰:「こちらとしても、もう少し確かな言葉が貰えると嬉しいがね」
日生日出人:「んん~」
長坂泰彰:「……とは言えだ」
日生日出人:「あっ、はい」
長坂泰彰:「即断を求めているわけではない」
長坂泰彰:「この場で答えを出すことよりも、確実に答えが示されることのほうが重要でね」
長坂泰彰:「どうだろうか?君に回答期日を定めて貰うというのは」
日生日出人:「な…なるほど」
日生日出人:「ええと、ええと……」
日生日出人:今日や明日はさすがに速すぎる。かといってへたに悠長な期限を設けるのも、事態の悪化を招く気がする。
日生日出人:できる限りこの遺産について探り、UGNらしい回答を示すための期間。
日生日出人:「……み」
日生日出人:「三日後で……どうですかねえ」
長坂泰彰:「……」
長坂泰彰:「……」長い沈黙。
日生日出人:「………」 (勘弁して~)と冷や汗を流している。
長坂泰彰:「……いいだろう。三日後」
長坂泰彰:「協力に感謝する」
日生日出人:「わ」
日生日出人:「わぁ…なによりです」
長坂泰彰:「我々は、君たちと、ある一側面では協力関係が築けると思っている」
長坂泰彰:「この裏の世界に、秩序を。その点は一致していると思うがね」
長坂泰彰:「であれば、ルールは何よりも重要だ。違うかな」
日生日出人:「………」
日生日出人:「……長坂さんは」
日生日出人:「ギルドが、この遺産を持っていれば、それが達成できると思うんですか?」
長坂泰彰:「ああ。ある種の無秩序へと陥ることを、防ぐ一助にはなると思うがね」
日生日出人:「そうですか。えっと…俺は」
日生日出人:「ルールっていうのは…、世界に、見えない区切り線を決めてくれるから」
日生日出人:「あった方がいいなって思います」
日生日出人:「……三日後、ちゃんと回答します」
長坂泰彰:「期待している。それの名前は伝えておこう」
長坂泰彰:「“エバーグリーン”と言う」
日生日出人:「意味は…」
日生日出人:聞いてから、あっ言わなきゃよかったかな、と思う。
長坂泰彰:「……どうだろうね?」
日生日出人:「……うへへへ」 愛想笑いを浮かべる。
日生日出人:「あ、《ウラハラ》は」
日生日出人:「ちぐはぐであべこべって、意味ですよ」
日生日出人:「なーんちゃって…」
銀髪褐色の女:「ハハ」
日生日出人:「ひゃっ」
長坂泰彰:「……それはご丁寧にどうも」


GM:シーン終了です。ロイス取得あればどうぞ。
日生日出人:シナリオロイスの“六座頭”長坂泰彰さんに 有為/不信感:〇 で取得します~
日生日出人:これだけで!
GM:OK!


【オープニング:芳井春】

芳井春:芳井春の侵蝕率を1d10(→ 9)増加 (37 → 46)
芳井春:エーン
芳井春:こいつ嵩むのにー
GM:慣れないパトロール


GM:【九株市の外れ 歓楽街】
GM:淫猥なるネオンの洪水の前に、夜の静寂は許されぬ。
GM:今、ある意味で、最も街で活気のある場所だろう。
GM:君は綺羅びやかに照らされた、街の影の地域を歩む。
芳井春:客としていく身でもないが、関わった女がたまたまそこに深く身を浸していたり。
芳井春:あるいは意味もなく、そこで時間を溶かしてみたり。
芳井春:けばけばしい色彩と澱んだ空気はどこか心地がいい。
芳井春:そしてそれは、この街に巣食う様々な思惑があって、なんとか成り立つ歪な塊だ。
芳井春:あるいは、だからこそ心地がいいのか。
客引きの男:「あれ~春くん。久しぶりじゃない」君に声をかける知己もある。
芳井春:「おまえ、まだそこで働いてんのかよ。そのうちガサ入るぞ」
客引きの男:「ヤダな~、辞めたよJK専門店は」
芳井春:「今度はなんだよ」
客引きの男:「時代は人妻。折角だしうち寄ってきなよ。年上好き?」
芳井春:眉を顰める。「ありえねぇ。年上にも限界があんだろ」
芳井春:しっしっと手をひらつかせる。
客引きの男:「ああそう?けっこうウケてるんだけどな~」
芳井春:「気持ち悪」笑う。
芳井春:「フツーの趣味の店になってから来な」
客引きの男:「厳しいな~!そん時は安くしとくよ!」
芳井春:はいはい、と軽くいなして歩き進める。
風俗嬢:「春~」君の腕に絡みつく。
芳井春:「急」見下ろし、そのままにさせている。
風俗嬢:「どした。仕事?」
芳井春:「そう。せっかくだから君の顔でも見ようかと思って?」
風俗嬢:「ええ~?」
風俗嬢:「カノジョは?由央ちゃんだっけ?」
芳井春:「ああ、それはもう別れた。けっこう前だぜ、でも」
芳井春:「わりと今は耐えてる方」
風俗嬢:「え~そうなん?なんで~?」
風俗嬢:「ヘタだった?」
芳井春:「いや全然。これ言うと俺がキレられそうだな」
芳井春:「あいつの名誉のために、下手じゃなかったことだけ保証しとこう」
芳井春:「で、ちなみにそう言うからには」
芳井春:「自信あんの?」絡まれた腕のまま歩いていく。ピンクの光る看板を追い越す。
風俗嬢:「ありまくり。試す~?あ~でも」
風俗嬢:「出勤!」くるっと振り返ってその看板の店に入っていく。
風俗嬢:「今度ね~」
芳井春:「仕事と俺どっちが大事なの、じゃん」また笑って、そちらに視線を投げないまま。
芳井春:ポケットに入ったライターを指で弄びながら、周囲を見渡す。
芳井春:今のところ、特に変わりはない。不定形で醜悪で猥雑な、いつもの『平和』。
芳井春:その一部として歩いていく。
GM:その平和を、ばしゃりと冷やしかけるように。
GM:少し離れたところから、《ワーディング》の気配。
芳井春:「……あ?」
芳井春:荒事になった場合。自分にできることは一時凌ぎと避難だけだ。
芳井春:ライターを一度強く握り、そちらへ向かう。
GM:君が辿り着く前に、その《ワーディング》の気配は消えていた。だが。
GM:薄っすらと血の匂い。
芳井春:それを辿る。
GM:人が倒れている。白い髪の少女。
芳井春:駆け寄り、身を起こさせる。
芳井春:(……こういうときは、無駄にデカくて良かったな)
上戸下志帆:「ん……」
芳井春:その顔を覗き込む。「おい、大丈夫か」
上戸下志帆:身を捩る。「……誰」
芳井春:「誰って。倒れてるから来たんだよ」
芳井春:苦笑する。「その血、どうした」
芳井春:「怪我は。なんかなきゃ、そうはならないだろ」
芳井春:「治療先知ってるけど。連れてくと迷惑か?」
上戸下志帆:「……」歳は11かそこらくらいだろうか?
上戸下志帆:「……必要ない」服をまくり、腹を見せる。刺し傷がある。
芳井春:ひょいっと立たせる。小さく軽い体。このまま運ぶのも問題なく可能だろう。
上戸下志帆:それがじわじわと、緩やかに癒えている。
芳井春:「……《リザレクト》」
芳井春:知った顔ではない。ならばどこだ。
芳井春:「じゃあ、治療先じゃなくて」
芳井春:「どこに帰るか訊いても?」
上戸下志帆:「……無い」
上戸下志帆:「家、無い」
芳井春:「所属は?」訊いてみる。
上戸下志帆:「所属……?」
上戸下志帆:「ひとり」
芳井春:自分にできる推測は、おおむね外れたようだ。
芳井春:「じゃあ、俺に着いてきてもらってもいいかい」
GM:傷は癒えるとは言え、服は血まみれだ。
上戸下志帆:「うん」その顔をぼうっと見る。
芳井春:(……誘拐犯みてえな言い方)自嘲する。
芳井春:女なら分かるが、子供の誘い方なんか知るわけねえだろ。そう心のうちに吐いて。
芳井春:「あんま簡単に頷くなよ」
芳井春:少女をひょいっと抱え上げ、上着で傷を隠すようにする。
上戸下志帆:「……じゃあ、抵抗すればいい?」
芳井春:「はは」
上戸下志帆:「倒せる」
芳井春:「俺もぜってえ負ける」
上戸下志帆:「弱い?」
芳井春:「かなり」
芳井春:「だから安心して俺に着いてきていいよ」
上戸下志帆:「うん」されるがままにしている。
芳井春:さて。
芳井春:一般的な被害者ならば警察。これまで通りの廿雀組関係者なら指示通りに。
芳井春:だが、こうなると。
芳井春:(……ヒナセはギルドか。あいつんちそもそも遠いな)
芳井春:(このへんで事情通じて)
芳井春:(あと服とかもあるといい、できれば女)
芳井春:考えながら、少女を抱えなおす。
芳井春:「とりあえず、名前聞いてなかったな」
芳井春:「俺は芳井春。名前ある?」
上戸下志帆:「……志帆」
芳井春:「苗字は?」
上戸下志帆:「……上戸下」
芳井春:「ふうん」
芳井春:血がこびりついた髪を適当になおしてやって。
芳井春:明滅するネオンに背を向ける。
芳井春:静寂のある夜に向かって、少し重くなった足音で進む。


GM:シーン終了です。ロイス取得あればどうぞ。
芳井春:上戸下 志帆 〇庇護/猜疑心
芳井春:ストレートに推奨どおりになった
GM:さすがね


【ミドルフェイズ1】

GM:登場可能キャラクターは芳井・日生の2人。
芳井春:わ~い
GM:まずは春だけのシーンをやっていくわね
芳井春:芳井春の侵蝕率を1d10(→ 7)増加 (46 → 53)
芳井春:高いのよ
日生日出人:もう上げた方がよき?
GM:上げといて~
日生日出人:日生日出人の侵蝕率を1D10(→ 2)増加 (42 → 44)
日生日出人:はあい!


GM:【市内 一人暮らし用アパート】
赤磐由央:「……久しぶりに来たと思えば」
赤磐由央:「まさか子連れ……」
芳井春:「馬鹿」
芳井春:「連絡しただろ……」
赤磐由央:「されたけど」
芳井春:「悪いとは思ってる」
赤磐由央:「実際見たらうわっていうか……」
赤磐由央:「いいよ。仕事でしょ」
芳井春:痛い視線をよそに部屋へ慣れた様子で入る。
赤磐由央:「イリーガルは善意の協力者、だっけ?」
赤磐由央:「善意ってことにしたげる」
芳井春:「よく覚えてる」
芳井春:「おう、じゃあ善意につけいらせて」
上戸下志帆:「……」
芳井春:少女を抱えて。
芳井春:インテリアの配置が前と少し違う。出しっぱなしのヘアアイロン。
芳井春:空いているあたりに少女を下ろす。
芳井春:「さすがにこのサイズの服は……ねえよな」
赤磐由央:「……ちょっと診せて」少女のお腹をめくる。
赤磐由央:「当たり前でしょ。適当なパーカーでも探しといて」
芳井春:言われるがままクローゼットを勝手に開けている。
赤磐由央:「ん~、傷は治ってってるかな」
芳井春:「これどうせ着ねえだろ」ちょっと可愛めのデザインのパーカーを投げる。
赤磐由央:「うわなっつ。あたしまだ捨ててなかったんだこれ」
芳井春:「いまヒナセ呼んでるから、そんな長くはかかんねえと思う」
芳井春:スマホのメッセージアプリを閉じている。
赤磐由央:「……じゃあ今のうちにお風呂入れとくか」
赤磐由央:「入れる?中のものは好きに使っていいからね」
上戸下志帆:「……」不安げに芳井春の方を見上げる。
芳井春:てきぱきとした処理に圧されていたが。
芳井春:「あー」
芳井春:少女を見る。「大丈夫だろ。おまえ強いんだろ」
芳井春:「きれいになってきな」
上戸下志帆:「……分かった」タオルと着替えを受け取ってトテトテと歩く。
赤磐由央:「……」それを見送って。
赤磐由央:「あれどうしたの」
芳井春:「怪我して落ちてて、帰るとこねえっていうから」
赤磐由央:「ふうん」
芳井春:「なんだよ」
赤磐由央:「ん、いや?」
赤磐由央:「口実?」
芳井春:「いや」
芳井春:「そこまでみっともねえ真似しないって」
芳井春:「俺そういうの嫌いなの知ってんだろ」笑う。
芳井春:「善意に付け入っただけ」
赤磐由央:「言ってみただけ」
芳井春:間接照明の配置が変わっていて、落ちる光の強さが違って感じる。
芳井春:違う部屋のようだなと思い、安堵する。
上戸下志帆:しばらくの後、髪をしとど濡らしたまま少女が上がってくる。
上戸下志帆:その胸元に、大きなエメラルドのネックレスがある。
赤磐由央:ドライヤーで髪を乾かしてやりながら。「どうしたのその宝石」
上戸下志帆:「……」
芳井春:「そんなん付けてたのか」
上戸下志帆:ふるふると首を横に振って、服の中に仕舞う。
赤磐由央:「揺らすな~飛び散る」
芳井春:その光景をぼんやり眺めている。
芳井春:スマートフォンが鳴り、目をやる。
芳井春:「ん、そろそろ」
赤磐由央:「おっ」
芳井春:着信。「悪いな」
赤磐由央:「短かったね~」笑う。
赤磐由央:「まだちょっと濡れてら」タオルでワシワシする。
上戸下志帆:「……」ぺこりと軽く会釈する。
芳井春:受話器を模したアイコンが映る液晶に声を吹き込む。「いま降りる」
赤磐由央:つい、と手が伸びて受話器を置くアイコンを押す。「今度は」
赤磐由央:「一人でこゆの持って来なよ~」胸元で丸を描いて。
芳井春:苦笑する。「……改めて思ったけど」
芳井春:「おまえ、ほんとにずっと甘やかすから、ダメ」
芳井春:「見栄張れねえもん」
芳井春:少女を連れて部屋を出て行く。「ありがと」
赤磐由央:「そゆとこが子供なんだぞ~」手を振って送る。


芳井春:見慣れた姿を探す。
芳井春:「ヒナセ」
日生日出人:支部で所有する普通車のひとつが停車している。
日生日出人:傍らにひとりの女が立って、ぶんぶんと手を振る。
日生日出人:「お待たせえ」
芳井春:「悪い」
上戸下志帆:「……」腕の後ろに隠れる。
芳井春:「あ?怖くねえぞこいつ」
上戸下志帆:「弱い?」
日生日出人:「怖くないよお」かがむ。
日生日出人:「へにゃへにゃだよお」
日生日出人:ちなみに、この時点で写真の少女と外見は一致してるかどうか分かりますか?
上戸下志帆:「本当?」
GM:首から下なので確証はできませんね まあ……同じ可能性は全然あるなというレベル
日生日出人:理解!
日生日出人:「怪我させたりしないよ」
芳井春:「顔もへにゃってしてるだろ、大丈夫」適当に言う。
上戸下志帆:「……」じ、と見て。
上戸下志帆:首を一度かしげるが、それまでだ。
上戸下志帆:特にまた隠れたりはせず、ぼうっと見ている。
日生日出人:「ヒナだよ~。よろしくね」警戒されなくなったと判断し、嬉しそうににこにこする。
日生日出人:「安全な場所に、連れていってあげるから…えっと」
日生日出人:「なにちゃん?」 春くんを見ます。
芳井春:「上戸下志帆だって」
芳井春:シホ、と呼ぼうとするが。
芳井春:…同じ名前の女と由央の前に、と思い。
芳井春:「ジョーゴ?」
芳井春:「強そうだし」
日生日出人:「ええ、かわいくない」
上戸下志帆:「……なんでもいい」
日生日出人:「あはは、ごめんね」ふにゃふにゃと笑う。
日生日出人:「後ろ乗ってくださーい。あのね、シートベルトつけてね」
芳井春:それを見てくつくつ笑う。「先生みてえ」
日生日出人:後部座席のドアを開けて、そちらに促す。
日生日出人:「えー? 似合うっしょお」
上戸下志帆:諾々と従って乗り、シートベルトもつける。
芳井春:「どうかな」その女性の姿を見て。
芳井春:「でも、今日の服は男の方が似合ってる」
日生日出人:「ん~?」微笑む。
日生日出人:「じゃあ、あとで男に戻ろっかなあ」
芳井春:「こいつもさすがにビビるかもな」
上戸下志帆:「……?」
芳井春:助手席に乗り込む。
日生日出人:「うへへ。志帆ちゃん、ちょっとドライブするねえ」
日生日出人:声をかけつつ、自分も運転席に。
日生日出人:支部が所有しているなかで一番大きい車体のもので来たので、
日生日出人:運転席と後部座席との間に少し距離がある。
芳井春:「つーか、おまえあのジジイんとこの帰りだよな」
日生日出人:「そうだよお」 ひそひそと話せば、後ろの少女にはきちんと聞こえないだろうと思うくらいに。
日生日出人:アクセルを踏む。緩やかに車体が動き出す。
日生日出人:「あのねえ」
日生日出人:「ちょーーーー怖かった」
芳井春:「ハハ」
日生日出人:「本当だよ!俺、本当に怖かった!」
芳井春:「ぜってえ嫌だよなアレ」
日生日出人:「みまちゃんとしんちゃんもさあ、大丈夫なのかなあ? 高校生でしょ、怖い大人に囲まれちゃってさあ」
芳井春:「あいつら、むしろ喧嘩売ってそう」
日生日出人:「ええ、支部長の言ってることと真逆じゃん、そんなの」ころころ笑う。
芳井春:「帰って見てキレてるほうがストッパーしてんじゃね」
日生日出人:「あっ」
芳井春:「ん」
日生日出人:「支部長といえば、で、思い出した」
芳井春:「…ん?」
日生日出人:横目に見る。「この間、ごめんね。俺、ごはんの約束、結局ブッチっちゃったから」
芳井春:「ああ。べつに、おまえが気にすることでもないし」
芳井春:「……なんかな」
芳井春:「もうちょっと平然としてたい」笑って、流れていく夜の光を見る。
日生日出人:「えー」春くんが姿勢を変えるのを視界に感じ取って、バックミラー越しに少女を見る。
上戸下志帆:外を見つめながらぼうっと大人しくしている。
日生日出人:「春くんは、仕事、楽しい?」
芳井春:「なに。辛そうに見える?」
日生日出人:「わかんない。でも、ストレス溜まることの方が多いのかなって」
芳井春:「どうだろ」
日生日出人:交差点。その手前の細道に折れれば近道だと知っている。
芳井春:「人とメシ食うのは好きだよ」
日生日出人:春くんだって知っている。分かってて、混雑する交差点へ進む。
芳井春:その道を進んでゆくのを、ぼうっと見ている。
日生日出人:「優しいからなあ、春くんは」
芳井春:「……別に」
日生日出人:「ねえ、どういう顔して由央ちゃんに連絡したの?」 くすくす愉快そうに笑いながら聞く。
芳井春:うげ、とヒナセの方を見る。
日生日出人:「この際ヨリ戻そうって言った?」
芳井春:「言ってねえ」
日生日出人:「えー、もったいな」
芳井春:「だからお前に言うのは……あー、クソ」
芳井春:「いいんだよ」
日生日出人:「何が?」
芳井春:「戻らなくて別にいいって」
日生日出人:「ふうん……」横目に見る。
日生日出人:「そこは平然とできるんだ」
芳井春:「……おい」
芳井春:「ひとりでジジイんとこ行かされたからって俺に拗ねるな」
日生日出人:「えーっ」
芳井春:「自分でもダセエって思ってんだよ」
芳井春:「おまえこっち住んでねえし」
芳井春:肘で軽くヒナセを小突く。
日生日出人:「うはは」片腕で小突き返す。
芳井春:「あっテメ」
日生日出人:「春くんがそんなとこパトロールしてるのが悪いんだよ」
芳井春:「……いいだろ、結果こいつ拾えたんだし」
芳井春:「いや、逆にめんどくさいことになるかもか」
日生日出人:「同僚の元カノの家まで迎えに来させられる身にもなって……」
日生日出人:「………」
日生日出人:神妙な顔で黙る。
芳井春:「う」気まずげな顔をしてから、横顔を見やる。
芳井春:「どうした」
日生日出人:「いや、なんか……ん~~」
芳井春:「言えって」
芳井春:「気になるだろ」
日生日出人:「んん~」
日生日出人:「俺さあ、こういう時に妙に勘が冴えわたるタイプなのね」
芳井春:「ん」
日生日出人:「だから、なんか…後で超良くないニュース言うかもって気がした」
日生日出人:「そんときは」
日生日出人:「同僚らしく、一蓮托生ね」
日生日出人:冗談めかして、くすくすと笑いながら言う。
芳井春:苦笑する。
芳井春:「同僚の元カノの家まで迎えに来てくださったんじゃ」
芳井春:「相当なニュースじゃないとキレる権利ねえだろ」
芳井春:「はー、改めて考えるとダサすぎる」
日生日出人:「そんなこと言って、甘え上手のくせに」
芳井春:「おまえよりは下手」
日生日出人:「えー?」ころころ笑う。もう一度、確かめるように、バックミラー越しに少女を見た。
上戸下志帆:その顔は何も考えていないようにも。
上戸下志帆:もしくは、何か、一つのことだけ考え続けているようにも見えた。


GM:シーン終了。ロイス取得のみ可能。
芳井春:日生日出人 〇安心/嫉妬でとってるのでそのままで。
日生日出人:芳井春 友情:〇/嫉妬で取得しており、このままです!
日生日出人:元カノに取らなくていいのか?おうおう
芳井春:別れたからね
芳井春:だいじょぶいよ
日生日出人:では以上で!
GM:うい!


【ミドルフェイズ2 一日目・昼】

GM:集合シーンとなります。全員登場お願いします。
梶子行弘:1d10+41
DoubleCross : (1D10+41) → 9[9]+41 → 50

香上進一郎:香上進一郎の侵蝕率を1d10(→ 6)増加 (48 → 54)
芳井春:芳井春の侵蝕率を1d10(→ 1)増加 (53 → 54)
芳井春:おし!
芳井春:えらいぞ
日生日出人:日生日出人の侵蝕率を1D10(→ 8)増加 (44 → 52)
日生日出人:きゃっ


GM:【ニュー九株ビル 4F 英会話教室「アウトグラッジュ」】
GM:それは表のカヴァーだ。その実態は、
GM:九株市UGN支部の会議室として運用されている。
倉間美舞:「っは~……」わざとらしく溜息を吐く。
倉間美舞:「なんであんなに雑魚ちゃんなんだろうな」
香上進一郎:「……誰の話してる?」
香上進一郎:行儀よく席に着席し、鉛筆を削っている。
倉間美舞:「かがみしんいちろうくん 16さいのおはなしです」棒読みする。
香上進一郎:「………」
香上進一郎:「いや……」
香上進一郎:「しているんだよ。これでも」
香上進一郎:「反省を……抑えが効かなかったと」
香上進一郎:「少しばかり」
倉間美舞:「っへえ~?」
香上進一郎:「ヤツの言い分も言い分だけどな」
倉間美舞:「あいつマジでイキってるよな」
香上進一郎:「カタギがどれだけ死んでも構わねえ、だぞ」
倉間美舞:「普通にやりあったらウチが圧勝すると思うんだけど……」
香上進一郎:「ギルドの存在の手前、そうもいかん」
倉間美舞:「は~ウザ」
倉間美舞:「誰かさんより余程盤面管理が上手い」
香上進一郎:「そうだな」
香上進一郎:「その場しのぎの天啓的妙手ばかりで偶然勝ちを拾いまくるどこぞの誰かよりは……」
香上進一郎:「上手いんじゃないか」
倉間美舞:「うわあ……」
倉間美舞:「シンプルにダサい」
香上進一郎:ばきり、と鉛筆が折れる音。
香上進一郎:「しまった」
芳井春:そこに二つ、足音。
香上進一郎:「あと1本しか無いじゃねえかこの────」足音を耳に。がたりと席を立つ。
芳井春:「香上、若頭にケンカ売ったんだって?」
芳井春:大柄な男と。
日生日出人:「おつかれさまあ」
日生日出人:長身の女。後ろからひょいと顔を覗かせる。
倉間美舞:「おっかれさまでーす」見ずに返事する。「そうでーす」
芳井春:「ハハ」
香上進一郎:「芳井先輩、お疲れ様です」頭を下げて。
倉間美舞:「ウチは~、止めたんですけど~」
日生日出人:「そうだよねえ」頷く。
日生日出人:「すごいよねえ、しんちゃん、怖くなかったの?」
香上進一郎:「ひ、日生先輩も……お疲れ様です」"そちら"の格好であることに内心やや萎縮しながら。
香上進一郎:「そうですね、怖いとは……」
芳井春:「美舞もお疲れ。見たかったなそれ」
香上進一郎:「ただ順当に話を進めて、あのままただ要求を飲むだけって構図の方が……何と言うか……」
芳井春:空いている椅子に雑に腰を下ろす。
日生日出人:にこにこしながら、香上くんが喋るのを聞いて頷いている。
芳井春:「あいつキレてた?」
香上進一郎:「……どう思う?」
香上進一郎:倉間に視線を投げかける。
倉間美舞:「まーーーバチギレっすね」
倉間美舞:「ご両親によろしくつわれてました」
日生日出人:「えっと…嫌味?」
香上進一郎:「そうだった」
香上進一郎:「いつもご指導ご鞭撻のほど、有難う御座います」
芳井春:「は……?」
日生日出人:「わあ~」 しんちゃんと春くんを見て良く分かっていないがにこにことする。
芳井春:「お、おう…………」
倉間美舞:「嫌味つーか脅し的な……」
芳井春:「どうした急に」
香上進一郎:「自分なりのケジメです」
芳井春:「あっそ……?」
倉間美舞:「あっ今のは先輩にもよろしく言っとけをクソ真面目ちゃんがクソ真面目にとらえたやつですね」
倉間美舞:「気にしなくていいすよ」
香上進一郎:「……先輩方が赴いた方が、やはり順調に」いや、と頭を振りかぶり。
香上進一郎:「ギルドの方は? 如何でしたか」
日生日出人:「あっ、えっとね! ヤバかったんだよお」
日生日出人:「でもそれ…あっ、えっと」
日生日出人:「支部長がたしか、もうすぐ来るらしいから…」 スマートフォンをもたもた取り出しながら言う。
矢掛翠:「みんなご苦労さま」
日生日出人:「あっ」 しまう。
矢掛翠:間髪容れずに姿を見せる。
香上進一郎:「支部長。お疲れ様です」
倉間美舞:「おつかれさまで~す」
芳井春:視線だけをそちらに向ける。
日生日出人:「ただいまです~」
矢掛翠:「報告はそれぞれ受けてるけど……その前に」
矢掛翠:「まず、こっちから報告。珍しく悪くないニュース」
日生日出人:春くんの隣に腰かける。
矢掛翠:「新しいお友達が、このクラスにやってきます」
日生日出人:「え~」 にこにこする。
倉間美舞:「ナマイキじゃないといいな~」
香上進一郎:倉間との会話を思い出す。「ああ、例の……」
芳井春:スマートフォンで支部への訪問予定一覧を見ている。
日生日出人:「例の?」首を傾げます。
芳井春:横のヒナセに見せる。
矢掛翠:「ああ。警察の捜査研究所に捜査協力を依頼しててね」
日生日出人:「んん~?」 覗き込んで教えてもらう。
矢掛翠:「そのメンバーが合流する手筈になってる」
芳井春:「チカコちゃんは前来たことあったな。梶子って男の方は初めてか」
矢掛翠:「協力者とはいえ、別組織の人間」
矢掛翠:「失礼のないように……というか、そうね」
矢掛翠:「あまり怖がらせないように」
香上進一郎:いそいそと襟を正している。
芳井春:「……ん?」
倉間美舞:「名指しされてますよ芳井先輩」
芳井春:「強面なら香上かもしれねえだろ」
香上進一郎:「自分はそんなに圧を与えるような顔面を……?」
日生日出人:「大人しい人なんですか?」
矢掛翠:「というより……」
粕屋千夏子:「ここだよ~ここ。すごいよね」入口の方から声。
粕屋千夏子:「普通の英会話教室にしか見えないもんね」
粕屋千夏子:「失礼しまーす!」
梶子行弘:「言われなければそうとは分かりませんね」
梶子行弘:「あまりはしゃがないでくださいよ……」
梶子行弘:少し遅れて、声変わり前の若い声。
梶子行弘:きゅ、とリボンタイの位置を確認し。「失礼します」と、小さな影が英会話教室に入ってくる。
芳井春:向けた視線を、だいぶ下へと降ろして。「……お?」
日生日出人:「わあっ」 嬉しそうに目を輝かす。
倉間美舞:「千夏ちゃんおつかれさまでーす……あ?」
倉間美舞:「なにそれ」
香上進一郎:「お疲れ様です。……?」
香上進一郎:「弟さんですか」
倉間美舞:「ガキ紛れ込んでんぞ」
梶子行弘:「初めまして」
梶子行弘:「九株市警察本部捜査研究所、R科非常勤研究員。梶子行弘です」
矢掛翠:「ようこそ、UGN九株支部へ。と、いうことで」
梶子行弘:見下ろしてくる視線に、表面上はにっこりと笑って答える。
芳井春:(……名前でオッサンかと思ってたわ……)ヒナセに聞こえるかくらいの声で呟く。
矢掛翠:「彼が協力者です。登録コード“郭鴉(アウタールーク)”」
香上進一郎:「こっ、これは……失礼を」
矢掛翠:「これより、よろしくお願いね」
日生日出人:「俺もおっさんかと思ったあ」 声量は普通に言って、にこにこと笑っている。
倉間美舞:「マジ?」
梶子行弘:「このたびは、ご招待ありがとうございます。矢掛支部長」
倉間美舞:「ガキじゃん」
日生日出人:「すごい、かわいい子だあ。よろしくねえ」 ひとりパチパチと拍手している。
芳井春:「……うちの支部デリカシーある奴マジでいねえんだけど」
梶子行弘:「もう11です。あなたも大して変わらないのでは?」
芳井春:「大丈夫?」
梶子行弘:(…………)
香上進一郎:罵詈雑言を吐く女の肩を叩く。
日生日出人:「春くんもたいしてないじゃん」
梶子行弘:(…………芸能事務所……?)
芳井春:「おまえよりはマシだろ」
香上進一郎:「申し訳ございません。悪気は無いんです」
日生日出人:「うそっ」
香上進一郎:「多分……」
梶子行弘:賑やかな男女に出迎えられ、心中は少し意外そうにしている。
粕屋千夏子:「ちゃんとれっきとしたうちの研究員だよ~」
倉間美舞:「触んな~」
日生日出人:「はいっ」挙手する。
芳井春:「どしたヒナセ」
梶子行弘:「はい。千夏子さんより、術……じゃない。オーヴァード歴は長いですよ」
日生日出人:「あの、ゆきくんって呼んでもいいですか?」
粕屋千夏子:「まあ私が全然なんですけどね……えへへ」
梶子行弘:「……構いませんけど」
日生日出人:「ゆきくん!」
梶子行弘:(じゃあ、コードネームは何のために設定してるんだ……?)
日生日出人:「俺達のことは、もう聞いてるのかな。 こっちから、春くんで、俺がヒナで、しんちゃんで、みまちゃんだよ」
日生日出人:順番に指差していく。
梶子行弘:「よろしくお願いします。今回の捜査協力をしていただくメンバーですね」
芳井春:「芳井春な」
芳井春:「香上進一郎、倉間美舞」
香上進一郎:「は。宜しくお願い致します」
倉間美舞:「みまちゃんで~す」机に突っ伏した状態でひらひら手を振る。
芳井春:「日生日出人」
日生日出人:「ヒナって呼んでね」 にこにこしている。
芳井春:にこにこしている女を最後に示す。
梶子行弘:「芳井さん、香上さん、日生さん、倉間さん」
梶子行弘:一人一人に顔を向けていく。
粕屋千夏子:「よろしくおねがいします!」深々と頭を下げる。
粕屋千夏子:「これから一緒にみんなでがんばりましょうねっ」えへえへしている。
芳井春:怖がられる、がピンとこないのでそのまま座って見返している。
梶子行弘:「分かりました。仲良くしてください、UGNの皆さん」
梶子行弘:こちらもぺこりと頭を下げる。
香上進一郎:「して。捜査協力ということは」
香上進一郎:「例の連続焼死事件の……?」
矢掛翠:「ええ。そのあたりも含めて説明しましょう」
矢掛翠:「適当なところに掛けてもらえる?デザインは気にしないでね」
日生日出人:「こっち座っていいよお」 千夏子ちゃんとゆきくんに空いてる席を指し示す。
矢掛翠:「うちは秘密組織なので、こういう表の顔が必要になるの」
梶子行弘:「秘密組織……」 示された椅子に浅く座る。
粕屋千夏子:「あっ日生さんありがと~」素直に座る。
梶子行弘:日生さんに軽く会釈しつつ。
日生日出人:「んふふ」 ふにゃふにゃしている。
粕屋千夏子:メモを取り出して聞き入る準備。
梶子行弘:(くにゃくにゃしてる)
矢掛翠:「まず、警察のR研を招聘させてもらったのは、連続焼死事件の捜査のためです」
香上進一郎:隅に山のように積まれたダンボールからお茶の入ったペットボトルを取り出し、全員に配りつつ。
梶子行弘:隣に座ると意外な背の高さにも気付きつつ。
矢掛翠:「調査の結果、事件時に《ワーディング》が展開されている可能性が濃厚視されてる」
芳井春:「おう」受け取りそのへんに回す。
芳井春:梶子くんにもひょいっと渡しとこう。
矢掛翠:「周辺に発火物はなし。それから、鑑識の所見では、体の内側からの燃焼である可能性を指摘してる」
梶子行弘:「ありがとうございます」 にっこりと返す。(モデルみたいな人だな……)
矢掛翠:「そうよね?」
梶子行弘:「あ、うん。……はい、そうです」
梶子行弘:「燃料や火薬もなしに、内側から満遍なく焼死していました」
粕屋千夏子:「……うっ」
梶子行弘:「ぼくは把握していませんが……オーヴァードならば、そういった力も可能なんですね?」
粕屋千夏子:「思い出してきちゃった……」
梶子行弘:「はいはい。お茶飲んで下さい」
矢掛翠:「ええ。それを可能とする手口は、考える限り無数にあります」
日生日出人:心配そうに千夏子ちゃんを見ている。
芳井春:「内か。薬品作用だの体内から爆発とか…香上のが詳しいかその辺」考えつつ。
粕屋千夏子:「ごめんね~……」ごくごくとお茶を飲んでいる。
梶子行弘:「無数ですか……」 能力バリエーションをそこまで知らない。
香上進一郎:「そうですね」
倉間美舞:「こいつアホだからたぶん自分の能力しかわかんねーすよ」
香上進一郎:「厳密には……自分は発火現象を発生させるような能力ではありませんが」
香上進一郎:「芳井先輩が仰った通り。シンドロームの組み合わせ一つとっても殺すぞその能力は多岐に渡り……」
香上進一郎:「《ワーディング》の反応も確認されているのであれば。十中八九、我々の案件でしょうね」
芳井春:(殺すぞっつってるな……)
梶子行弘:(シンドローム。術の方向性で分類するんだっけ)
矢掛翠:「とにかく、ハウダニットを考える甲斐が薄いのが特徴的なの」
日生日出人:「ふんふん」真剣に頷く。
矢掛翠:「フーダニット。ホワイダニット。こちらの線からの捜査が主力にはなるけれど」
梶子行弘:「人避けがされているだろうことは、こちらでも確かめています」
梶子行弘:「被害者から調べるのなら、……あの二組織が関わってくるんですが」
日生日出人:「あっ、わかるよ」
倉間美舞:「ほんとすか~?」
日生日出人:「えっ」慌てる。「廿雀組と…、えっと、だから、ギルドでしょ?」
梶子行弘:「警察がほとんど手を出せていないヤクザ屋さんですよね」
倉間美舞:「おお~」
日生日出人:「あってた」 春くんに自慢する。
芳井春:「誇ることかよ」笑う。
粕屋千夏子:「おお~」つられて漏らす。
香上進一郎:うんうん、と頷いて。
矢掛翠:「ええ。被害者はいずれも、廿雀組の構成員」
矢掛翠:「それと対立関係にあるのが、レネゲイド犯罪組織ギルドの一派」
倉間美舞:「すげー単純に考えると」
倉間美舞:「ギルドの連中がヤクザぶっ殺しまくってるんじゃないすか」
香上進一郎:「若頭は、そう信じ込んでいたようです」
芳井春:「組からすりゃそうだよなあ」
芳井春:「ヒナセ、ギルド側はなんつってたんだ?」
日生日出人:「………あっ」自分が発言するところだと言われてから気付く。
芳井春:「怖えオッサン」
香上進一郎:「(ハゲカス……)」
梶子行弘:「……両方ともに接触できるんですね。さすがは秘密組織」
矢掛翠:「接触できるというよりは、接触を仕掛けられてるっていうほうが正しいかな」
日生日出人:「んと、なんか言われるかもって思ってたんだけど、全然で…、むしろ、大変ですねーみたいな感じだった」
芳井春:「は? それのが胡散臭ぇな………」
日生日出人:「それよりむしろ、別のことで焦ってるみたいな…」
倉間美舞:「別う?」
日生日出人:「あっ、これ、今言うとごちゃごちゃするから、後、後にします」
矢掛翠:「……とにかく、今は廿雀組の若頭から、犯人の特定と」
矢掛翠:「その身柄の引き渡しを要求――恫喝かな。されています」
矢掛翠:「期日は三日後」
日生日出人:「えっ」 びっくりする。
芳井春:ん?とヒナセを見る。
粕屋千夏子:「えっだめですよそんなことしたら~」
梶子行弘:「……なんですかそれ?」
粕屋千夏子:「ちゃんと法の下に裁きを……レネゲイド犯罪者はできないんですっけ」
粕屋千夏子:「とにかく……うまいこと然るべき処罰をするべきです」
粕屋千夏子:「私刑を許すなんてだめです」
芳井春:「UGNっつーのは本来そういう組織なんだが……」
芳井春:「うちはちょっとややこしくてな」
香上進一郎:「自分も。そう思います。本心は」
梶子行弘:千夏子さんの前に出る程度に、椅子を少し動かす。
梶子行弘:「どういう立場なんですか、UGNは」
矢掛翠:「……そうね。粕屋さんの言うことは全く正しい」
梶子行弘:「超能力者の秘密組織なんでしょう。そのへんのヤクザに恫喝される必要なんてないのでは?」
矢掛翠:「うちのスタンスは、シンプルです。平和」
矢掛翠:「後ろ暗い手段でも、それにより安寧が保たれるならそれを許容する」
日生日出人:心配そうに支部長を見ている。
矢掛翠:「UGNの……というよりは、うちのスタンス」
倉間美舞:「あと言っとくけどな」
倉間美舞:「ただのヤクザのカスなんて何匹居てもどーでもいい」
芳井春:「超能力者の秘密組織はうちだけじゃないからな」
倉間美舞:「そいつが――そいつらがレネゲイドを使う連中で、使わない連中に危害が及びうる」
倉間美舞:「それを潰すしかしないし、するべきじゃないってのがUGNサマのスタンス」
倉間美舞:「僕も分かった?」
香上進一郎:「息がかかっているんです。両組織とも」
芳井春:「全面抗争になると………まあ、想像つくだろ」
梶子行弘:「……本当なんですか?」
日生日出人:「あっ」
梶子行弘:「それじゃあまるで……ヤクザにもマフィアにも、そこら中にオーヴァードがいるみたいな……」
日生日出人:「知らなかったんだ、ゆきくん」
倉間美舞:「お前もそのそこら中のオーヴァードの一人だけどな」
梶子行弘:「千夏子さん、聞いてました?」
粕屋千夏子:「えっあっうん、その辺は講習で……」メモを取っていた手を止めて。
芳井春:「あー。じゃあいま話せてよかった」
粕屋千夏子:「でも全然知らない人には言えないし困るよねこれ」
芳井春:「めんどくせえ街なんだよ、うちは」
梶子行弘:「聞いてない……」 顔を片手で覆う。
日生日出人:「みまちゃん、えっと、優しい言葉使わなくちゃだめだよ~」
日生日出人:「ゆきくん怖がらせちゃうよお」
倉間美舞:「え~っダルい」
梶子行弘:「ぼくは、ちゃんと能力の教育は受けています。そのへんのもの、とは一緒にしないでください」
倉間美舞:「ビビんないようにして下さいよ」
香上進一郎:ふぅ、と溜息を吐いて。
香上進一郎:「悪戯に混乱を招くわけには、参りませんので……」申し訳無さそうな表情。
倉間美舞:「つかこれからヤクザなりとやり合うのにウチにビビってたら終わりじゃないすか?」
梶子行弘:「状況に関しては分かりました。話を中断してすみません」
矢掛翠:「何にせよ、最大の問題は」
矢掛翠:「身柄を引き渡すにせよ、引き渡さないにせよ。まだ犯人の目星がついていないこと」
矢掛翠:「これでは交渉のテーブルにさえ付けないどころか、さらなる被害者が出てしまう可能性もある」
粕屋千夏子:「そうですね、被害者は出さないようにしないと」ぐっと握りこぶしを作る。
芳井春:「とりあえずうちと警察で犯人さえ突き止められれば、ってとこか」
倉間美舞:「ハゲカス側がどう出るかもありますけどね」
日生日出人:「ハゲ…?」
香上進一郎:自分は引き渡しには……と喉まで出かかった言葉を飲み込んで。
芳井春:「ギルドのジジイか」声を出して笑う。
梶子行弘:「マフィアとヤクザよりも先に容疑者を確保する、と」
倉間美舞:「ギルドの。若頭がそう呼んでたんすよ」
倉間美舞:「まあいいでしょ。ハゲでカスだし」
矢掛翠:「倉間さんをギルドとの交渉には連れていけないかな……」
香上進一郎:深く頷いている。
香上進一郎:「ハ───“六座頭”の……ギルド側の出方が、読めないのが少々気がかりではありますね」
芳井春:「言いかけてないか……?」
矢掛翠:「日生さん、さっき言い掛けたこと、みんなに伝えてもらえる?」
日生日出人:「あっ」
矢掛翠:「ギルドの要求事項の話」
日生日出人:こくこくと頷く。
日生日出人:「えっと、ギルドの…長坂さんていうんですけど、会って、話してきて」
日生日出人:「連続殺人事件のことじゃなくて…レネゲイド資産を探してるから、よこせって言われたんです」
倉間美舞:「レネゲイド資産~?」
芳井春:「はぁ………?」
日生日出人:「どんな能力があるのかとか、なんで探してるのかとか、詳しいことは一切教えてくれなくて」
日生日出人:「あるならよこせ、見つけたらよこせって…えっと、それで」
日生日出人:「俺達が回答をする期限を決めろって言われて…、あ、ええと、そうじゃなくて、先、名前と、見た目」
日生日出人:「んと、名前が、エバーグリーンって言って」
梶子行弘:(大丈夫かな……?)
芳井春:「おう、どっちからでも大丈夫」
芳井春:「ん」
日生日出人:春くんを見て、うんうんと頷く。
芳井春:「じゃ、見た目」
日生日出人:「写真、見たんだけど。10代前半くらいの女の子が、ネックレスつけてて」 手で胸のあたりを指し示す。
芳井春:「………」
日生日出人:「エメラルド……あ、緑の宝石ね」
倉間美舞:「宝石ねえ」
香上進一郎:「直近で、そのようなモノを押収した記録、ありましたっけ」
日生日出人:「それ、ついてて。女の子が容れ物で、ネックレスがあれば、それだけでもいいって」
倉間美舞:「あったらすぐわかりそうなもんだけどな」
芳井春:「…………」下を向き、手で目許を覆う。
芳井春:「見た」
矢掛翠:「……見た?」
芳井春:「つーか、さっき」
香上進一郎:「おお」称賛の眼差し。
芳井春:「ヒナセに来てもらって、連れてきた」
日生日出人:「や」
日生日出人:「やっぱ!?」
矢掛翠:「……もしかして、それって……」
芳井春:「あのガキが提げてる…………」
芳井春:「これかよ、悪いニュース」
梶子行弘:「?」
梶子行弘:何の話なのかと首を傾げている。
日生日出人:「うん…………」 困り切った顔で頷く。
芳井春:「あー…ギルド側から探されてるヤツが、偶然俺の見つけたガキで………」
芳井春:「………いや、あとで直接会ってもらうか」
芳井春:「さらにめんどくせえことになったとだけ理解しといてくれ」
日生日出人:「すごい、その、圧かけられてて…」
芳井春:「俺の報告、以上。ギルドには回答期限決めたんだったか?」
日生日出人:「んっと」春くんを見る。
日生日出人:「決めろって言われて、その、返すにしろ、返さないにしろ」
日生日出人:「三日後に、ちゃんと答え決めて返事するって」
香上進一郎:流石芳井先輩だ……(仕事の)手が早い……と感銘を受けながら。
香上進一郎:「三日」
日生日出人:「言いました………」
矢掛翠:「決めさせられたわね。伸ばしづらくなった」
矢掛翠:「本当に、あの男はやり口が嫌らしい」
日生日出人:「うう~」へにゃへにゃする。
梶子行弘:(へにゃへにゃしている……。)
芳井春:「どうせ若頭も三日なんだろ」
香上進一郎:「しかし……奇しくも、若頭に言い渡された期日と同じ」
矢掛翠:「ええ。三日ですべての決着を付けないと」
矢掛翠:「この街が戦場になる可能性もある」
倉間美舞:「少なくとも廿雀組はマジでやる気っすね」
日生日出人:「ギルドもヤバそうなオーラしかなかったよお~」
芳井春:へにゃっとしたヒナセの顔に、配られていたペットボトルを当てる。「ほい、しゃっきりしろ」
日生日出人:「ひゃっ」
粕屋千夏子:「ええ~!困ったな……」
日生日出人:もう何すんのさあ、と言ってへにゃへにゃ笑ってからペットボトルを受け取ってます。
梶子行弘:「なんだかよく分かりませんが」
梶子行弘:「町が戦場になるのを防ぐと、そういうことですね」
芳井春:「そ。街を守りたいのはそちらも同じだろ」
梶子行弘:「はい。それなら、ぼくも千夏子さんも、全力で協力できると思います」
粕屋千夏子:「うんうん!」
芳井春:「おし。話が通じる警察でよかった」
香上進一郎:「改めて。ご協力、誠に感謝致します」
倉間美舞:「これからケーサツには得意技して貰わにゃだしなあ」
日生日出人:「わあ…、かっこいいねえ」ペットボトルを空けながら微笑んでいる。
日生日出人:「得意技?」
倉間美舞:「捜査」
香上進一郎:「うん。立場が違うからこそ。お互いに補い合えるものがある」
粕屋千夏子:「おお、うちの仕事だ!」
梶子行弘:「任せてください。倉間さんより優秀なところ、見せてあげますので」
梶子行弘:倉間さん、というところを少しだけ強調しつつ、にっこりと笑う。
倉間美舞:「……」
倉間美舞:「新しいお友達はナマイキじゃなかったらよかったな~」


GM:シーン終了。ロイス取得および購入が可能です。
芳井春:どーーーしよかな
梶子行弘:ロイスは保留かな?
日生日出人:そうね~ 保留にしとこうかなあ
香上進一郎:ロイス保留します~
梶子行弘:あ、いや
芳井春:言葉がうかばない 保留でいこう
GM:あとエフェクト使っておきたい人は使ってもいいですよ
芳井春:あっつかーう
梶子行弘:同僚/粕屋千夏子/庇護:○/不安/ロイス
粕屋千夏子:やった~
芳井春:コンボ『そばにいて、と■は言う』/《赤色の従者》《血の絆》
HP15の従者を作成。シナリオ間持続。以降自身のダイスはすべて-3されます。

香上進一郎:じゅしゃぴょい!じゅしゃぴょい!
芳井春:これを三体いま作れるんだっけ
芳井春:芳井春の侵蝕率を8(→ 8)増加 (54 → 62)
芳井春:芳井春の侵蝕率を8(→ 8)増加 (62 → 70)
GM:3体まで出せるけど
GM:血の絆はシナリオLV回だから
日生日出人:今からそんなにガンガン上げて大丈夫かい!
芳井春:あー1個でいいんか
芳井春:なるほど
芳井春:芳井春の侵蝕率を8(→ 8)減少 (70 → 62)
GM:最大2体しか出せないし その……
GM:ミドル戦闘なりがあり破壊されて まだ100%行ってない場合
GM:再作成してクライマックスに臨むことができなくなりますね いま2出すと
芳井春:なんもできんく…なる
芳井春:でやはり一体で
香上進一郎:慎重
芳井春:血肉細工ちゃんをつくるよお
芳井春:これで一体と一人になった
日生日出人:ではこちら購入もいってみよう
梶子行弘:社会ないので応急手当でも買っておくわ
日生日出人:応急手当を購入します
日生日出人:5dx+1>=8
DoubleCross : (5DX10+1>=8) → 9[2,5,7,8,9]+1 → 10 → 成功

梶子行弘:1dx+1
DoubleCross : (1DX10+1) → 1[1]+1 → 0 (ファンブル)

日生日出人:買えっぴ!
日生日出人:ゆきくん!
香上進一郎:ゆ……ユッキー!
芳井春:かなしき
香上進一郎:ボデマかおかな思ったけど確かに応急のがよさそう 応急ねらいます
香上進一郎:2dx+1>=8
DoubleCross : (2DX10+1>=8) → 10[3,10]+1[1]+1 → 12 → 成功

梶子行弘:絆創膏がなかった
香上進一郎:かっちゃった
日生日出人:わけてあげようね
日生日出人:春ぴも購入はできるとおもうぜ
芳井春:おしおし
芳井春:じゃあ手当かうか
血肉細工A:てかこいつがするってことか
血肉細工A:3DX>=8
DoubleCross : (3DX10>=8) → 9[1,2,9] → 9 → 成功

芳井春:買えた えらい
芳井春:あとウェポンケースもってるのでヒナにあげる
日生日出人:わあい!
日生日出人:ありがと~春くん
芳井春:本体ダイスないからこれでおわりのはず


【ミドルフェイズ3 一日目・夜】

GM:情報収集パートに入ります。
GM:登場は自由です
日生日出人:出るよ~!
日生日出人:日生日出人の侵蝕率を1D10(→ 9)増加 (52 → 61)
日生日出人:ひゃああ
梶子行弘:1d10+50
DoubleCross : (1D10+50) → 4[4]+50 → 54

香上進一郎:であえであえ!
香上進一郎:香上進一郎の侵蝕率を1d10(→ 10)増加 (54 → 64)
梶子行弘:よしよし
芳井春:芳井春の侵蝕率を1d10(→ 6)増加 (62 → 68)
香上進一郎:オイ!
芳井春:皆高いから並んで見える


GM:まずは以降のミドル進行について説明します。
芳井春:おおっ
芳井春:なんじゃらホイ
GM:このセッションには治安度というパラメータが存在します。
GM:初期の治安度は5。0になると強制的にクライマックスに突入、抗争が発生し市民にも少なからず被害が発生します。
GM:(シナリオ経験点を得られなくなります)
日生日出人:あわわ
芳井春:かなしい
GM:治安度は以下のような要素で増減します。
敵対勢力の打倒:治安度-1
敵対勢力両方の打倒:治安度+1
警察への増援要請:治安度+1
違法捜査(後述)の失敗:治安度-1
5シーンの経過:治安度-5、以降シーン経過ごとに-1
GM:つまりは猶予は5シーン+αということ。
GM:具体的には、現在が一日目夜ということになります。
GM:それまでにすべてを解決しようね
芳井春:三日間でがんばろうってことね
香上進一郎:一日目夜・二日目昼・二日目夜・三日目昼・三日目夜
香上進一郎:みたいなかんじかあ
芳井春:なるほん
梶子行弘:ペルソナっぽい
GM:そういうこと
日生日出人:ほほ~
GM:情報項目について。
☆連続焼殺事件 情報:警察・噂話 難易度6
☆ギルド 情報:UGN・裏社会 難易度6
☆廿雀組 情報:UGN・裏社会 難易度6
☆上戸下志帆 情報:UGN・裏社会 難易度6
☆監視カメラ映像の入手 交渉 難易度14
GM:初期で挑戦可能な項目は上記です。
GM:☆マークはシナリオ進行に必須の情報です。
GM:また、情報項目内には
GM:【】でくくられた項目が出ることがあります。
GM:これは他の情報の開示条件となるキーワードとなります。
梶子行弘:たくさんある
香上進一郎:ほほ~~~
□長坂泰彰 情報:裏社会 難易度9
 └必要項目【“六座頭”長坂泰彰】
□楠本磊 情報:裏社会 難易度9
 └必要項目【“順嵐”楠本磊】
□???事件 情報:裏社会 難易度10
 └必要項目【???】【廿雀組】
☆“エバーグリーン” 知識:レネゲイド・鑑識 難易度12
 └必要項目【あるレネゲイド資産】【エメラルドの首飾り】
☆事件の犯人について 情報:噂話・UGN 難易度6
 └必要項目【???】【???】【???】【???】【???】
日生日出人:いっぱいでてきた!
香上進一郎:しゅごいい……
芳井春:たくさんあってすごい!
GM:こちらも、必要項目を入手すれば挑戦可能になります。
芳井春:ほえー
GM:必要項目が?のものもあります。
GM:また、項目名自体が?のものが新たに出現する可能性もあります。
梶子行弘:いっぱいあるぅ……
GM:しかし……
日生日出人:おおっ
GM:そうですね
芳井春:おお?
GM:多いですよね?
芳井春:うんうん!
日生日出人:多いよ~
香上進一郎:はい
芳井春:ここからでも入れる保険があるのかな?
GM:1シーンで一人1回開けていっても手が回らなさそうですね
芳井春:ナイナイ
梶子行弘:そうだよ
GM:通常の捜査とは別に、違法捜査に挑戦できます。
日生日出人:違法捜査だって~??
芳井春:法を破れば…いける!
芳井春:破るっきゃnight
香上進一郎:そんな……遵法精神ってやつがないんですか
梶子行弘:そんな……一シーンに一つ以上情報を抜くなんて因果に対する反逆だ!
血肉細工:そうよそうよ!
梶子行弘:生命に対する反逆っぽい人がいる……
・違法捜査
シーン内のPC1人が侵蝕を1d10上げることで、登場PC全員は通常の情報判定に追加して、違法捜査が可能です。
違法捜査では難易度を-5して情報判定に挑戦できます。
ただし、判定に失敗した場合、そのPCの侵蝕値が+1d10され、治安度が-1されます。
GM:成功すれば何も言われないぜ
芳井春:ほ~ん
香上進一郎:侵蝕か〜
梶子行弘:開始のために一人が1d10上げて
梶子行弘:それとは別に失敗したPCも1d10上がっちゃうということね
GM:そういうことです
日生日出人:違法捜査ができるのは
日生日出人:シーンにつき一人だけということでしょうか
GM:シーン登場PCはみんなでできます
GM:侵蝕を上げるのが一人
日生日出人:なるほどお
芳井春:あ、理解!
香上進一郎:1シーンにたいする違法捜査の回数制限などはどうでしょ
GM:あっシーンには1回です
GM:各シーンで違法捜査を追加するかを選べるというわけ
芳井春:フンフン
香上進一郎:絶え間なき理解
日生日出人:理解です!
梶子行弘:理解しすぎて貝になったわ
芳井春:イカにもなった
GM:あっそうだあと
GM:情報収集をせずに 殴り込みをかけることは その組織の情報さえ入手していればできます
GM:ミドル戦闘が発生します。 したくなったらしてください
GM:難易度的には非推奨寄りではあります。
香上進一郎:カチコミじゃ!
香上進一郎:カチコミせんじゃ!
芳井春:殴りこまなかったら
芳井春:ミドル戦闘おこらずクライマックスになるんかな?
GM:不明!
梶子行弘:どっちでもいいさ
芳井春:ミステリアス オッケイ
梶子行弘:俺ァ血が見えればそれでいい
芳井春:どうしたゆききゅん
香上進一郎:広島県警か?
梶子行弘:血を寄越せェ……
梶子行弘:とにかく分かりました
芳井春:わからなくなったらまたきくね~
GM:でははじめていくよ~
日生日出人:はーい!
■情報項目
☆連続焼殺事件 情報:警察・噂話 難易度6
☆ギルド 情報:UGN・裏社会 難易度6
☆廿雀組 情報:UGN・裏社会 難易度6
☆上戸下志帆 情報:UGN・裏社会 難易度6
☆監視カメラ映像の入手 交渉 難易度14
■未開放情報項目
□長坂泰彰 情報:裏社会 難易度10
 └必要項目【“六座頭”長坂泰彰】
□楠本磊 情報:裏社会 難易度10
 └必要項目【“順嵐”楠本磊】
□???事件 情報:裏社会 難易度12
 └必要項目【???】【廿雀組】
☆“エバーグリーン” 知識:レネゲイド・鑑識 難易度16
 └必要項目【あるレネゲイド資産】【エメラルドの首飾り】
☆事件の犯人について 情報:噂話・UGN 難易度6
 └必要項目【???】【???】【???】【???】【???】
香上進一郎:希望なければ廿雀組かな~
日生日出人:こちらもギルドかな~
芳井春:ジョーゴちやりたし
梶子行弘:じゃあ焼殺いきます
日生日出人:では各々やってみよう!
香上進一郎:あ~い
香上進一郎:では☆廿雀組 情報:UGN・裏社会 難易度6 情報:UGNで
芳井春:従者にさすか
香上進一郎:コネ:UGN幹部つかいます
香上進一郎:5dx+3>=6
DoubleCross : (5DX10+3>=6) → 5[2,3,4,5,5]+3 → 8 → 成功

香上進一郎:ヨシ
GM:さすが
日生日出人:☆ギルド で〈情報:裏社会〉で判定します。コネ使いまして
日生日出人:7dx+1>=6
DoubleCross : (7DX10+1>=6) → 9[2,4,4,5,6,7,9]+1 → 10 → 成功

日生日出人:よしゃん
芳井春:えら
血肉細工:上戸下志帆 情報:UGN・裏社会 難易度6 してみよう
芳井春:させよう
血肉細工:3DX>=6
DoubleCross : (3DX10>=6) → 10[4,6,10]+7[7] → 17 → 成功

香上進一郎:じゅしゃだっち!
芳井春:おお?
日生日出人:ゆ…優秀従者!
芳井春:やるわね
血肉細工:えへん
GM:すご
梶子行弘:優秀な方の従者だ
梶子行弘:《生き字引》。侵蝕54→55
梶子行弘:7dx+2
DoubleCross : (7DX10+2) → 8[1,2,3,5,6,7,8]+2 → 10

日生日出人:ゆっきゅんすごい!
香上進一郎:さすゆき
芳井春:みんなすいすいいくぜ
GM:きゅん~
梶子行弘:焼殺たぜ
GM:じゃあまずその4つを開示するね~
☆連続焼殺事件
市内で散発的に発生している連続焼死事件。他殺と推定している。
突如として燃え上がったのを見たという被害者の目撃情報はあるが、下手人を見たものはおらず、覚えていないという。
ワーディング影響下にあったものと思われる。
被害者は【殆どがオーヴァード】であり、それも廿雀組の構成員――鉄砲玉ではなく一定の社会地位を持つ者ばかり。
死体には【特徴的な跡】がある。
☆ギルド
この街に根を張るギルドグループの一派がある。
トップは【“六座頭”長坂泰彰】という男。廿雀組とは長らく抗争状態にある。
【FHの研究セル】がバックに付いており、彼らが開発したアイテムの流通を担うことで提携しているようだ。
現在UGNに、【あるレネゲイド資産】の返却を要求している。
☆廿雀組
九株市周辺を主な拠点とする、鴻央会傘下のレネゲイド組織。
薬品系メーカや不動産業などのフロント企業であるとともに、ドラッグの流通でも財を成すという。
組長は警察病院に入院中。実質的トップは若頭の【“順嵐”楠本磊】。
【人材派遣業のセル】がバックに付いており、構成員を補充しているようだ。
☆上戸下志帆
上戸下志帆。市内在住の小学生。オーヴァード。
数ヶ月前の【火災事件】により両親を失っている。
彼女も死亡したと思われていたが、恐らくはその際に覚醒して逃れていたと思われる。
【エメラルドの首飾り】を所持している。両親の形見だという。
【彼女の能力】は現在検査中で不明。
□長坂泰彰 情報:裏社会 難易度9
 └必要項目【“六座頭”長坂泰彰】
□楠本磊 情報:裏社会 難易度9
 └必要項目【“順嵐”楠本磊】
□上戸下家放火殺人事件 情報:裏社会 難易度10
 └必要項目【火災事件】【廿雀組】
☆“エバーグリーン” 知識:レネゲイド・鑑識 難易度12
 └必要項目【あるレネゲイド資産】【エメラルドの首飾り】
GM:これらの項目の解除を満たしました。
芳井春:あ、じゃあ
芳井春:本体である私の手番がまだあるので ☆監視カメラ映像の入手 交渉 難易度18 をしようかな?
芳井春:『使い物にならない』/Dロイス【組織の助力】を使用します。
芳井春:能力値10、技能LV5として判定。シナリオ3回なのであと2回に。
芳井春:10DX+5>=18
DoubleCross : (10DX10+5>=18) → 10[1,4,4,4,5,7,7,7,8,10]+4[4]+5 → 19 → 成功

芳井春:おお
芳井春:やったー!
香上進一郎:うおすっご……
GM:あっまって
芳井春:あ、まちがえたかな
GM:従者のペナルティと 侵蝕ボーナスは入るから
GM:差し引きで8個かな
芳井春:あ、従者の奴はいるのか!
芳井春:すまん!
香上進一郎:あと難易度14になったのかな?
GM:そうです
芳井春:もろもろわかりのすけです!
芳井春:ふりなおします!ありがとっ
芳井春:8DX+5>=14
DoubleCross : (8DX10+5>=14) → 10[1,2,2,4,5,10,10,10]+8[4,7,8]+5 → 23 → 成功

GM:あがっとる
香上進一郎:上がってる…
日生日出人:あ…上がってる
芳井春:あ あがってる
梶子行弘:なんでさ
芳井春:組織最高。
日生日出人:すげ~
GM:ではそこも開示するね~
☆監視カメラ映像の入手
直接事件をとらえたものはないが、炎上して騒ぎになる【現場から走り去る少女】の姿は映っていた。
上戸下志帆で間違いないだろう。
GM:以上です。


GM:【ニュー九株ビル 2F カレーハウス「ハダイヤ」】
GM:表には貸切 の看板が置かれたカレー店。
GM:通常の営業とは別に、そこも支部施設の一つを担っている。
GM:それが食堂としての機能だ。スパイスの効いた様々な辛さのカレーは勿論のこと、
GM:頼めば定食も出てくる。通常の営業では出て来ないが。
粕屋千夏子:「これが食堂なのすごいですね~」一番甘口のカレーライスを頼んでいる。
芳井春:「ユキ、辛いのって食えんの?」
芳井春:メニューを梶子くんに渡す。
梶子行弘:「あまり食べたことはありません」
梶子行弘:「いちばん美味しいものを教えて下さい」
芳井春:「……難易度高ぇな」
倉間美舞:「ウチいつもの」一番辛いやつのこと。
香上進一郎:「一番は……やはり、チキンですか」
香上進一郎:「中辛でも中々"来"ますが……如何いたします?」
倉間美舞:「いやマトンだろ」
倉間美舞:「チキンて……」
香上進一郎:「癖があるだろうが」
倉間美舞:「あるからいいんだろうが」
梶子行弘:「派閥がいくつかあるんですね……」
梶子行弘:メニューの画像を端から見ながら。
芳井春:「俺はいつもので」ヒナセのも勝手に頼む。
粕屋千夏子:「ユキくんもこれにしようよ~ 辛くないやつのほうが美味しいよ」
香上進一郎:額に青筋を立てながら紙エプロンをいそいそと装着。「自分はほうれん草トッピングでお願いします」
梶子行弘:「ではチキンの中辛で」
日生日出人:そこに遅れてやってくる。うすっぺらい長身の男。
芳井春:「もう頼んだぞ」
梶子行弘:「あとこの……ラッシー? を」
日生日出人:「あっありがと。ウインナーつけてくれた?」 当然のような顔をして春くんの隣に座る。
香上進一郎:フッ……と勝ち誇った笑みを倉間さんに向けつつ。来訪者である先輩に頭を下げる。
倉間美舞:「おつかれーっす」
芳井春:「つけたつけた」
梶子行弘:「…………?」
日生日出人:「んへへ。れーっす」ふにゃふにゃ笑う。甘い雰囲気の服装はさっきと同じで、こっちの方が顔立ちに似合っている。
芳井春:「あ、そうか」
梶子行弘:「どなたですか?」
粕屋千夏子:「ヒナちゃんのお兄さんだよ」
倉間美舞:「えっまだ信じてたんすか」
芳井春:「おまえそんな説明したのかよ」
香上進一郎:「よくない」
梶子行弘:「ああ、ご兄弟……」
日生日出人:「あっ、ごめんね、さっき説明し忘れちゃった…、ちがうよ~」
日生日出人:「ヒナ本人だよ。能力で外見を変えられるの」
日生日出人:《擬態の仮面》を解除した姿。
日生日出人:「さっき女でー、いま男です~。でもどっちもヒナだよお」
梶子行弘:「…………?」
日生日出人:声が少し低くなったくらいで、ふにゃふにゃした喋り方はまったく同じ。
梶子行弘:「……ええ……!?」
梶子行弘:(ふにゃふにゃしている……!! けども!)
粕屋千夏子:「えっそうなの!?」
梶子行弘:「外見って……変装? とかではなく?」
芳井春:「動物になれる奴とかもいるしな……おお。新鮮な反応」
粕屋千夏子:なんなら梶子くんよりびっくりしている。
日生日出人:「えへへ。いま、俺、注目の的」ふにゃふにゃしている。
香上進一郎:「(ううん、この反応。若かりし頃の自分を思い出す)」
梶子行弘:「なんで千夏子さんは騙されてるんですか!」
梶子行弘:「ぼくが忠告したとおりになってるし」
日生日出人:「忠告って、なあに?」
粕屋千夏子:「だって美舞ちゃんがあ~……」
倉間美舞:「すいません説明めんどくさいんで嘘ついてました」
芳井春:「そんなこったろうと思ったわ」
香上進一郎:「大概にしろよこいつ……」
芳井春:「はー。まあ気にすんな」さっそくきたカレーを受け取る。ロースカツ乗せのライスのやつ。
芳井春:辛さも一番辛い。
梶子行弘:「赤っ」
倉間美舞:こっちも受け取る。マトンとナンのカレー。一番辛いやつ。
倉間美舞:もう煙が異臭のように辛い。
日生日出人:「うわあ」目をパチパチと瞬かせる。
香上進一郎:チキンとほうれん草のカレーを受け取って、手を合わせている。辛さは先輩を立てているので2番目に辛いやつだ。
粕屋千夏子:「うえ~……」
粕屋千夏子:「見てただけで喉ひりひりする……」
芳井春:ヒナセの方にウインナーのせのやつを回す。
梶子行弘:「刺激物……」 大人しく、運ばれてきた自分のカレーに口をつける。
GM:中辛でも結構エグい辛味だ。
芳井春:「ギルドのほう、まとめるのそんな手間どったのか?」
梶子行弘:「…………!」
梶子行弘:目を瞑ってラッシーを取って流し込む。
日生日出人:中辛、チキンとナンのカレー。
日生日出人:ゆきくんを心配そうに見て、それからパッと顔を春くんに向ける。
日生日出人:「あっ、うんと…ちょっと呼ばれて…でも済んだから」
芳井春:「……あー」
粕屋千夏子:(ゆきくん)ひそひそ。(私のと交換する?)
粕屋千夏子:(これあんまり辛くないやつだよ)
梶子行弘:(おきづかいなく。びっくりしただけです)
梶子行弘:(具を混ぜたり冷ましたりすることで辛みが和らぐはずなので)
倉間美舞:「どうなんすかあそこぶっちゃけ?」
倉間美舞:「潰せそうなんすかね」
日生日出人:「ん~」ナンを千切りながら首を傾げる。
日生日出人:「FHがねえ」
日生日出人:「研究セル、ってとこまでは掴めてるんだけど」
日生日出人:「まだそこの規模感…が、分かってなくて、ただがっつりバックで面倒見てるみたいだから、変に手を出すのはヤバいっていう」
日生日出人:「風に聞いてます」
倉間美舞:「まあ表叩いたら本腰入れそうすねそれ」
香上進一郎:「乳製品は、痛みを和らげる効果があるので……足りないようであれば、お声がけを」梶子くんに声を向けつつ。
日生日出人:「それこそ廿雀組も黙ってないだろうしねえ」
芳井春:「あっちは別の傾向のセルなんだよな」
香上進一郎:「廿雀組も……背景は似たようなものですが」
粕屋千夏子:「あのー……」
粕屋千夏子:「セルってなんですか?」
香上進一郎:「あちらは主に足りない人材を補うようなセルが……おっと」
日生日出人:「あっ、ごめんね」
芳井春:「お」少し驚いて、大きく掬っていたスプーンを止める。
日生日出人:千切ったナンの切れ端を千夏子ちゃんに見せます。「FHっていう、悪い組織のねえ、グループだよ~」
梶子行弘:「ファルスハーツというのは、支部長に貰った資料で見ました」
香上進一郎:「配慮が足らず申し訳ございません。……端的に言えば」
香上進一郎:「そう、悪い……テロ組織のようなもの、でしょうか」
香上進一郎:「もちろん、レネゲイドの力を用いて」
日生日出人:「んと、いろんなグループがあって…それぞれの目的で動いてるから、大きさもそれぞれなんだけど」小さい切れ端と大きい切れ端を片手ずつに持つ。
日生日出人:「でも、みんなファルスハーツ! みたいな~」千切りきってないナンを示す。
梶子行弘:反省を生かし、今の時点で読める資料を少しずつ貰っている。
粕屋千夏子:「あっUGNが倒さないといけないっていうところだよね。えーっと」
粕屋千夏子:「派閥争いに、廿雀組とそのギルド?って人たちを使ってるってことだよね」
芳井春:「ん、正解」また食べ始めている。一口が大きいので皿の上はざくざく減っていく。
梶子行弘:「黒幕ということですか」
倉間美舞:「ま~逮捕は無理すよどうせ」
芳井春:「あいつらだけ倒してもあんま意味がねえし、片方だけ崩れてもまた荒れる」
倉間美舞:「駒が全滅でもしないと出てこないでしょ」
日生日出人:切れはしのひとつをカレーのルーに沈めてみる。
倉間美舞:「切っても痛くねえってことだろどうせ」
芳井春:「まあだから…あのジジイや若頭もイキってるけど、切れ端なんだよ」
粕屋千夏子:「だから一斉逮捕とかもできないのかな……」
香上進一郎:「そうですね」
梶子行弘:「警察は、レネゲイド犯罪に対しては遅れているというか」
梶子行弘:「警察がオーヴァードのことを認めたら、もう社会が別物になってしまいますね」
香上進一郎:「蜥蜴の尻尾とはいえ。彼らの勢力にもオーヴァードは多数確認されております」
香上進一郎:「はい。故に……異例のことだとは聞いております」
日生日出人:「廿雀組のことは、しんちゃんが詳しいんだよねえ」
香上進一郎:「今回のような共同戦線は……はい、日生さん」
芳井春:「喧嘩売ったもんな?」
香上進一郎:「はい……………」肩を落とす。
倉間美舞:「ぷふっ」
香上進一郎:ごほん、と咳を払って。
香上進一郎:「では、改めて……廿雀組は。日本有数の広域暴力団、鴻央会直系の組です」
香上進一郎:「他聞に漏れず。レネゲイドとの関わりが密接な組織」
粕屋千夏子:「あっ聞いたことあります。むしろ……」
粕屋千夏子:「だからこそ、この時代にこれだけの勢力を維持できてるんじゃないかって」
梶子行弘:「ああ……それなら」
梶子行弘:店員さんに水を頼んでいたところを振り返る。
梶子行弘:「殺された人は、全員オーヴァードだったそうです」
梶子行弘:「幹部というか。末端の構成員ではない人が狙われていた」
日生日出人:「あっ、わかるよ」
日生日出人:「例の、連続殺人事件だ」
香上進一郎:「ああ、通りで……」
芳井春:「それだけのオーヴァードが抵抗できずに死んだのか」
香上進一郎:「ならば。若頭の烈火の如き怒りも、頷けるものがあります」
倉間美舞:「……あいつらそんな幹部みんなオーヴァード揃いだったか……?」
梶子行弘:「そうです。焼死した方々」
粕屋千夏子:「あれ?オーヴァードって死なないんじゃないんですか?」
粕屋千夏子:「なんか……再生できるって」
芳井春:焼死、という単語にわずかに眉を顰めつつ。「ある程度まではな」
芳井春:「そういう能力も有限で、使いすぎると再生もできなくなる」
芳井春:「あるいは自我すら怪しくなったり…そこまで万能じゃない」
粕屋千夏子:「はえ~……」
日生日出人:「怖くなっちゃうねえ」ふにゃふにゃする。
倉間美舞:「まあ少なくとも通り魔じゃあねえわな」
梶子行弘:「だったら、やはり抗争……?」
倉間美舞:「取り巻きの雑魚じゃなくて本丸だけ狙ってんなら、“知ってる”ってこった」
香上進一郎:「偶々にしては行き過ぎているからな」
日生日出人:「んと…」首を傾げる。
日生日出人:「にしても、廿雀組、これから、どうすんだろうねえ」
日生日出人:「さっきもみまちゃん言ってたけど、オーヴァードのヤクザなんて、そんなに見つけてこらんないよねえ」
香上進一郎:「はい、先程の続きになるのですが」
日生日出人:「おお~」
香上進一郎:「ギルドが……バックの研究セルから力を貸与されているように」
香上進一郎:「廿雀組は。"人材"を借り受けているようです」
芳井春:「ははあ」
芳井春:「なくなった分は補充してるのか」
香上進一郎:「はい。鴻央会の傘下とはいえ。いち暴力団にしては、過剰なまでのオーヴァードの存在確認がされていることも、得心がいきますね」
倉間美舞:「仮説いーすか」手を挙げる。
日生日出人:「どうぞ~」にこにこと視線を向ける。
倉間美舞:「その人材派遣セルのマッチポンプつーのは?」
芳井春:「派遣で利を得るために」
倉間美舞:「テメーで削ってテメーで置き換えてんの。すげー儲かると思うんすけど」
日生日出人:「うわあ、凶悪」
芳井春:「確かにな。さすがにチェスでも女王様なだけある」
倉間美舞:「まあチェスは補充効かないすけどね」
梶子行弘:「そんな……商品みたいな」
日生日出人:「でもさあ、それならさあ、えっと…」
日生日出人:「あっ、そうだ、俺だったら、もっと、いろんな方法で事件を起こすよ」
日生日出人:「毎回焼死させてたら、なんかしてるーって、すぐバレちゃうじゃん」
香上進一郎:「仰る通り」
日生日出人:「んへへへ」嬉しそうににこにこする。
香上進一郎:「あのキレそうな若頭が……ただ黙ってその立場に甘んじているとは、少々考え難い」
香上進一郎:「気もする」
倉間美舞:「ま~それはそすかね……?てかなら抗争させりゃいいか」
倉間美舞:「その方が話が……えふっ」ちょっとむせる。
芳井春:食べ終わり、水を飲んでいる。
日生日出人:心配そうな顔でお冷のコップをみまちゃんの前に置いている。
倉間美舞:「すいません、辛っら……」
香上進一郎:「激辛なんて見栄張りやがって……」
倉間美舞:「あ?日和ってる奴が何ほざいてんだ」
香上進一郎:「申し訳ございません。ラッシー追加で」
芳井春:「……その焼死と関係あるかは分からないが」
日生日出人:「春くん、なあに?」
芳井春:「俺が発見したあのガキ……上戸下志帆な」
芳井春:「調べたらそこの家が、火災で全員死んでるらしい」
日生日出人:「えっ、そうなの?」
粕屋千夏子:「身元がはっきりしてるんだ……」
芳井春:「焼死事件と関係あるかは知らねえけど…あいつもそれでオーヴァードとして覚醒したんじゃないかって話らしい」
香上進一郎:「ああ。"全員"とは。そういう」
芳井春:「たぶん警察の方だと死体は見つかってない、くらいの所になってるんじゃないか?」
梶子行弘:「ん……聞いたことあるかもしれません」
芳井春:「そうか、おまえ鑑識だったな」
梶子行弘:「それもですし、学校だよりでも注意がありました。でもそれ、数ヶ月くらい前ですよ?」
粕屋千夏子:「うん。一般の事件なら、こっちで調べれば出てくるかもだけど」
粕屋千夏子:「それまではどうしてたんだろうね」
粕屋千夏子:「どこかで暮らしてたはずだよね?」
芳井春:「まだ、そこまでは分からなかった。ただ」
芳井春:「ヒナセがジジイから言われてた資産、あっただろ」
日生日出人:「うん、エバーグリーンね」
芳井春:「あいつはエメラルドの首飾りを、親の形見だって言って持ってる」
香上進一郎:「………」顎に手を当てて。
香上進一郎:「上戸下志帆の両親は……ギルドの関係者?」
倉間美舞:「形見ってならそうなるな」
芳井春:「そのあたりもまだ聞けてねえんだよな……」
倉間美舞:「その両親も洗ったほうがいいんじゃないすかね」
梶子行弘:「今、その子はどちらに?」
日生日出人:「あっ、えっとね。能力を詳しく調べなきゃだから、検査中…だよね?」
芳井春:シガレットケースを手にし、一度開けて閉めている。「ああ」
倉間美舞:「上すか」
芳井春:「それを利用して過ごしてたとかかもしれねえしな…」
芳井春:ぴちゃり、と一度、中から血が滴った、瞬間に乾いて霧散する。
日生日出人:「…あのさあ、春くん」
芳井春:「ん?」
日生日出人:「あのね、結局俺達、まだ春くんが志帆ちゃんのこと助けたときのこと、そんなに聞いてないから」
日生日出人:「えっと…結構ヤバそうだったんだよね? なんか、分かってるの?」
日生日出人:探るようにというか、心配そうに聞く。
芳井春:「ああ……そうか。そのへんも言ってなかったな」
芳井春:「《ワーディング》があって、辿ったら血まみれで倒れてた。そんで」
芳井春:「刺し傷があった。それが治ることもあいつは理解してた」
日生日出人:「わあ」ますます心配そうな顔をする。
芳井春:「あとは…家はない、所属もピンと来てないっていうんで、とりあえず拾った」
粕屋千夏子:「あわわ……大変だ~……」
香上進一郎:僅かに顔を顰めて。「剣呑ですね」
芳井春:「強いとも言ってたな」
倉間美舞:「……」
芳井春:「倒せるらしい」
倉間美舞:「誰をでしょうね」
芳井春:「……能力をまるで使ったことが無い奴の口調じゃないだろ?」
香上進一郎:「順当に考えれば……遺産を狙う、ギルドの追手……」
香上進一郎:「という事になりますか」
日生日出人:「ん~……」
粕屋千夏子:「確かに。自分が強いか弱いかなんて全然分かんないや」
倉間美舞:「あんたはゼッテー弱いから安心していいすよ」
香上進一郎:「失礼だろうが……」
粕屋千夏子:「わかんないでしょ~」
日生日出人:「あっ」パッと顔を上げる。「だから、さっき、監視カメラの映像取り寄せるって言ってたんだ」
芳井春:「……まあな」
芳井春:おおよそ自分だけのコネクションでは叶わないことだ。
芳井春:UGN内の情報網、そしてそこに繋がる、支部長のデータベース。
梶子行弘:「千夏子さんは間違っても戦わないでくださいね。……監視カメラの映像?」
粕屋千夏子:「あれ?でも町中のやつには映ってなかったよ?」
粕屋千夏子:「あるとしたら個人で設置してるやつとか……」
芳井春:そこで店内、正確にはそこにいる暇そうな店員のひとりに視線を向ける。
GM:店員は携帯をいじっている。
GM:しばらくすると、そのスマートホンを持ってきて、
GM:芳井春の前に置く。
店員:「データのコピーです」
芳井春:「ありがとうございます」それを受け取り、机上に。店員に軽く礼。
GM:勿論彼が集めたわけではない。
GM:然るべき手続きがふまれ、最終的に
GM:支部内の最終決定者の認可が降りたということだ。
芳井春:「個人邸の監視カメラだ」
芳井春:「再生していいか?」
倉間美舞:「ヤッてるとことか映ってなきゃいいすけどね」
香上進一郎:「何を?」
倉間美舞:「お前の知らねーことだよ」
芳井春:「おら、いいから」
日生日出人:はらはらした顔でゆきくんを見ている。
香上進一郎:やや不満げな顔でごちそうさまでした、と空になった皿を片付けて、画面に注視する。
梶子行弘:去って行った店員の背中を追っていた。
梶子行弘:(プロっぽい……)
芳井春:「ユキ、チカコちゃん達もいいか?」
梶子行弘:「え? あ、はい、どうぞ」
粕屋千夏子:頭に疑問符を浮かべていたが、「はい!」と返事する
芳井春:再生ボタンを押す。
日生日出人:ひょいっと顔を向ける。
GM:個人の邸宅が、防犯用に撮影していた固定カメラだ。
GM:事件現場の一つの、すぐ近くにあった。現場そのものではないが。
GM:映像は加工されている。おそらく、先に閲覧した者が必要なところだけを編集したのか。
GM:何も映らない退屈なところはすぐカットされて、俄に騒がしいシーンへ。
GM:悲鳴やらが、音だけが聞こえて、その直後。
GM:一人の少女が、明るんだ方向から逃げ出すように走っていた。
GM:そこで映像が巻き戻って、止まって。
GM:顔が拡大される。
GM:それはたしかに、上戸下志帆の顔であった。


梶子行弘:じゃあ違法捜査の開始を宣言しますね~
梶子行弘:1d10+55
DoubleCross : (1D10+55) → 9[9]+55 → 64

GM:OK。では代表者が侵蝕率上昇をしてもらったので
芳井春:すまねえ
日生日出人:ぜ…全力全開!
香上進一郎:あかん!
芳井春:11歳の罪 味わうかんね
GM:一人一回、追加捜査が可能です。難易度は-5されます。
梶子行弘:11歳に侵蝕を肩代わりさせて……これだから大人は
日生日出人:はは~~
GM:失敗を懸念してパスもありです。
香上進一郎:あ、そっか 全員挑戦できるのかあ
日生日出人:エバーグリーンについて は ゆききゅんに明けてほしいやね
梶子行弘:ああ、ほんとですね
芳井春:鑑識むき!
梶子行弘:じゃあ私やります 香上さん構えておいてください バディを
香上進一郎:おkわよ
芳井春:バデデン
梶子行弘:エバーグリーンについて
□長坂泰彰 情報:裏社会 難易度5
 └必要項目【“六座頭”長坂泰彰】
□楠本磊 情報:裏社会 難易度5
 └必要項目【“順嵐”楠本磊】
□上戸下家放火殺人事件 情報:裏社会 難易度7
 └必要項目【火災事件】【廿雀組】
☆“エバーグリーン” 知識:レネゲイド・鑑識 難易度11
 └必要項目【あるレネゲイド資産】【エメラルドの首飾り】
芳井春:私は流れ的に 上戸下家放火殺人事件  やりたいかも
GM:項目はこう(難易度修正済)
梶子行弘:7dx+2
DoubleCross : (7DX10+2) → 8[3,4,4,5,6,6,8]+2 → 10

GM:おしい
芳井春:おっ!これは!
芳井春:デデデ
香上進一郎:投げましょうか
梶子行弘:これ財産点は使えます?
GM:知識だからだめ
香上進一郎:あっそうなんだ ではバディムーブかな
梶子行弘:くっ……お願いします!
芳井春:こ この11歳 誰よりも金があるな…
香上進一郎:どうぞ!達成値+3だぜ
GM:さすがね
梶子行弘:誰よりもって4点だよ!w
日生日出人:他が貧乏…
香上進一郎:カツカツ支部
芳井春:しかたないのだ
日生日出人:とはいえ成功!さすがですわ
芳井春:わよ~♡
GM:他に挑戦したき人はいるかな
香上進一郎:しかしどうするかな若頭 行こうか迷っている
香上進一郎:ミドル1からガツガツ開けて良いものかみたいな
芳井春:増えるかもしれんし
芳井春:いいんちゃう?
GM:□だから大丈夫よ 必須じゃないので
香上進一郎:あーね
芳井春:空きまくったらみんなでピザでもたべよう
香上進一郎:じゃあやってみようかな~
日生日出人:やってみて~
香上進一郎:では楠本磊 情報:裏社会 難易度5
香上進一郎:3dx>=5
DoubleCross : (3DX10>=5) → 9[6,8,9] → 9 → 成功

日生日出人:さすが~!
香上進一郎:よしよし
芳井春:すごゆ~
GM:ひゅう!
芳井春:□上戸下家放火殺人事件 情報:裏社会 難易度7 をしようかな?
日生日出人:どうぞ~
血肉細工:させられます
血肉細工:3DX>=7
DoubleCross : (3DX10>=7) → 7[2,2,7] → 7 → 成功

香上進一郎:ピタリ賞
芳井春:ギリっ
日生日出人:さすが春くん!
梶子行弘:ゆ、優秀だな……!
GM:さすがね
芳井春:肉もえらいぜ
日生日出人:ではこちらもいきます~
血肉細工:ふんふん
日生日出人:□長坂泰彰 情報:裏社会 難易度9 コネを使って調べるよ
日生日出人:7dx+1>=4
DoubleCross : (7DX10+1>=4) → 10[3,6,6,8,9,9,10]+10[10]+7[7]+1 → 28 → 成功

日生日出人:えっ
GM:???
芳井春:な
香上進一郎:先輩!
芳井春:なに
香上進一郎:すごすぎる
日生日出人:色仕掛けしたんかな
GM:寝ました?
芳井春:あの男と
日生日出人:そうかも
芳井春:なにかあったの!?
香上進一郎:このハゲ~~~~!!!!!
芳井春:どうなのよ!!!!
芳井春:ハゲカスがーーー!!!!
梶子行弘:ヤってるところ……
GM:風評被害なんだよな
GM:じゃあ全部か 開示していくね~
□長坂泰彰
ギルドの幹部、“宿老”の一人。物腰柔らかな老紳士ながら、本性は老獪で狡猾。
彼自身は非オーヴァードながら、物・人よらずレネゲイド資産の運用で財を築いた。
セルから“マルティン・マルキ”という女エージェントを護衛に雇い側に置いている。
彼女は強力なモルフェウス能力者らしい。ギルドと交戦すれば出てくるだろう。
□楠本磊
廿雀組の若頭。組の運営を一手に担う、幹部陣では珍しくオーヴァード。
表のカヴァーを持っておらず、運営に専念している。
実力は確かで、FHの戦闘エージェントと比べても遜色ない長刀使いだという。
だが、最大の問題は、その決断力。決定事項を覆させることは不可能だろう。
□上戸下家放火殺人事件
数ヶ月前に市内で発生した事件。警察の捜査により、放火であることがわかっている。
大人二人の死体が見つかり、それを両親と断定。娘は死体が見つかっていないが、3人死亡と報道した。
父親は廿雀組のフロント企業である不動産業者だったようであり、組の粛清ではないかと思われる。
犯人らしき男の焼死体も見つかっており、それ以上の真相究明は難航している。
☆“エバーグリーン”
ギルドのバックのFHが開発したと思われる、レネゲイドアイテム。ギルドは試供品の実験を行っていたようだ。
自らの“感情”を記憶し、保存するアイテム。所有者の【レネゲイドを沈静化】する作用がある。
感情の保存条件は対象の殺害。現在の保有者は上戸下志帆。
彼女が形見と称するそれとは、おそらく入れ替えられている。このアイテムは本物のエメラルドではない。
芳井春:ちなみにGM、☆事件の犯人について 情報:噂話・UGN 難易度6は
芳井春:まだ未開放っぽい?
GM:まだ未開放です 何故から今回いっぱい開いたやつは
GM:必須項目じゃないから ここに【】はないってわけ
芳井春:あ、たしかにない!
梶子行弘:そういうこと!
芳井春:了解!
香上進一郎:さすが
芳井春:【なるほどね】
日生日出人:これから【???】を開けてく必要があるってわけね
GM:次のシーンで新しい項目出るやつもあります


GM:【九株スカイビル 3F タトゥーショップ「バレッド」】
GM:ニュー九株ビルの斜向い、一回り小さなビル。
GM:そこが旧九株UGN支部のすべてだった。現在はメインの機能を新棟に移したが、
GM:未だに支部機能の一部として運用されている。
GM:タトゥーショップも勿論カヴァーだ。中では申し訳程度の検査設備が入っている。
倉間美舞:「ここにガキ入れてるの見られたらケーサツに捕まりそう」
粕屋千夏子:「つ、捕まえないよう! ダメだと思うけど……」
芳井春:ノートPCと壁面投影式のスクリーンを操作している。「美舞と香上もそもそもダメだろ」
香上進一郎:「ごもっとも」汚れた拳をハンカチで拭いながら。
香上進一郎:「楠本と長坂については……報告の通りですね」
日生日出人:「ん~。あの女の人、FHから来てたんだなあ」ぼやきながら、表の店内に繋がるドアをロックしている。
日生日出人:店内に充満する独特の香料の匂いが、微かに検査室に漂う。
倉間美舞:「ハゲはオーヴァードじゃないって噂マジなんすね」
芳井春:刺青の図案などを貼っていた壁面は取り払われ、白い壁面に光が四角く点る。
日生日出人:「ゆきくん、遅い時間になってきたけど、眠くない? 大丈夫?」
梶子行弘:「ご心配なく。……でも、換気はちゃんとしたほうがいいと思うんですけど」
日生日出人:「うはあ~」目を白黒させている。
粕屋千夏子:「火事になったら危ないよねえ」
粕屋千夏子:「消防法っていうのがあってね……」
芳井春:「火事といえば」
芳井春:壁面に画質の荒い、男と女の写真。
倉間美舞:「? なんすかこれ」
芳井春:「ジョーゴの親」
芳井春:「あと犯人らしい奴の写真もあるけど、死体映したのしかなかった」
粕屋千夏子:「えっそれ……」
粕屋千夏子:「放火事件の捜査資料ですか?」
粕屋千夏子:「どうやってそれを……」
芳井春:人差し指を立てる。「そこはお見逃し頂いて」
日生日出人:「春くんはなんでもできるからなあ」へにゃへにゃ笑う。
芳井春:「俺のじゃ…まあいい。犯人の死亡を確認したかったのと、親の身分なんかを調べたくて」
芳井春:「犯人については不明。で、こいつの父親」
芳井春:「不動産業者だ。廿雀組関係の」
香上進一郎:「……廿雀組?」
芳井春:「そう」
香上進一郎:僅かに目を見開いて。「ギルドではなく」
芳井春:「廿雀組内部での粛清で放火されたんじゃねえかって話もある」
芳井春:「……そうすると、あの首飾りはなんなんだよって話なんだがな」
GM:娘の写真もある。顔つきは同じだが、髪は黒く、表情も豊か。
倉間美舞:「……じゃあ、そこで覚醒を?」
芳井春:「それが一番ありそうじゃないか?」
日生日出人:「ん~…」
粕屋千夏子:「人が死ぬときとかが、一番こういう覚醒が多いんですっけ」
芳井春:別人のように見える少女の顔を見る。血が似合わない、ごく普通の少女。
日生日出人:「えっと、もし、志帆ちゃんが…火災事件のこと、廿雀組の粛清が理由なんだってわかってるなら…」
粕屋千夏子:「……復讐?」
日生日出人:「…考えちゃっても、おかしくないよねえ?」
梶子行弘:「あんな小さい子がですか。穏やかじゃないですね」
倉間美舞:「お前と一緒だろトシ」
倉間美舞:「まあ小さいが……」
香上進一郎:「にしても……いち小学生が廿雀組の幹部の所在を突き止め、ひとりで死に至らせるのは」
香上進一郎:「容易いものではありません」
日生日出人:「エバーグリーンを持ってる理由とも、繋がらないしねえ」
梶子行弘:「香上さんの言うとおり、難易度の問題です」
倉間美舞:「あれが探知機能を持ったレネゲイドアイテムだつーのは?」
芳井春:「あるいはあいつが探知向きのオーヴァードで、アイテムが戦闘向き」
芳井春:「どんな代物なんだ、あれは。ジジイは言わなかったんだろ?」
梶子行弘:「エバーグリーンに関しては、そのどちらでもないと思いますよ」
粕屋千夏子:「わかるの?」
梶子行弘:「ぼくも分析に協力しました」
日生日出人:「ええっと…、おお」答えようとして、ゆきくんを見る。
芳井春:「おお」
芳井春:「すげえな」
香上進一郎:「素晴らしい」尊敬の眼差し。
香上進一郎:「結果は、如何でしたでしょうか」
梶子行弘:「やめてくださいよ。それに向いた能力というだけです」
梶子行弘:と言いながらやや自慢げ。
梶子行弘:「まず、効果としては、オーヴァードの侵蝕の抑制……レネゲイドの沈静化ですね」
粕屋千夏子:「探知でも戦闘でもないね」
芳井春:「ああ、でもそうか」
芳井春:「あれだけのオーヴァードと短期間戦闘していたら、覚醒したての奴は普通」
芳井春:「ジャーム化してもおかしくない……」
香上進一郎:「芳井先輩が彼女と邂逅した際も」
香上進一郎:「そのような兆候は無かったと伺っています」
芳井春:「検査でも、まだそういう結果は上がってなかったはずだしな」息を吐く。
日生日出人:「い…一応、まだ、志帆ちゃんが何かしたって決まったわけじゃないから…」
梶子行弘:「ただ……条件がですね」
日生日出人:「条件?」
梶子行弘:「そうなるまでの経路がどうにも……説明がし辛いんですけど」
日生日出人:「大丈夫だよっ、俺達、変なことには慣れっこだもん」
梶子行弘:「……他者を殺害することで、効果を発揮するみたいなんです」
倉間美舞:「んだそれ。魂でも取ってるのか?」
芳井春:眉を顰め、スクリーンを睥睨するように見ている。
香上進一郎:「殺しを、トリガーに……」
香上進一郎:「その、効果というのは?」
日生日出人:「……んん~~」困った顔をしている。
梶子行弘:「殺した相手へと向けた感情を保存することで、オーヴァードが持つ絆……の代わりにする」
粕屋千夏子:「外部ストレージみたいな……?」
梶子行弘:「どうも、元々はギルドが作った試供品みたいで」
梶子行弘:「それをどういう経緯でか、あの子が持ってる」
梶子行弘:「親からの遺品とは、どうもすり替えられてるみたいです」
日生日出人:「えっ」びっくりする。
梶子行弘:「少なくとも、エメラルドじゃなかったので」
芳井春:「……入り組みまくってんな」
倉間美舞:「もとからパチモンの宝石だった可能性もあんだろ」
日生日出人:やおら立ち上がり、少女とその両親の写真が写っていたスクリーンを切り替える。
日生日出人:撮影したばかりの、首飾りの写真を表示。
香上進一郎:「……差異がある?」
芳井春:スクリーンに向けていた目に鮮やかな緑が映る。
梶子行弘:「ただのイミテーションだったらそれも分かります」イージーフェイカー:成分分析。
GM:母親の胸に、同じようなネックレスがかかっているようにしか見えない。
日生日出人:「ふえ~…すごいねえ、ゆきくん」
日生日出人:「俺、全然わかんないや」 写真を見比べて首を捻っている。
梶子行弘:「有難うございます。……ネックレスの部分はどうも本物っぽいので」
芳井春:「そのへん、プロの判断を聞けてよかったな。うちじゃそういうの出来る奴いないし」
香上進一郎:目を皿のにようにしているが、言われてみれば僅かに違和感がある……というようにしか感じ取れない。
香上進一郎:「はい。改めて、感服いたしました」
日生日出人:「あ、ほんとだ、すっごいよく見ると、宝石だけ入れ替わってる……」
倉間美舞:「なあそれ、遺産じゃねーんだよな?」
倉間美舞:「継承者になってるわけじゃない。なら」
倉間美舞:「取り上げて返してもいいわけすよね」
日生日出人:スクリーンに顔を近づけている。みまちゃんに振り返る。
倉間美舞:「片方の要求は片付くんじゃないすか」
日生日出人:「えっと……、そうだけど、えと」
日生日出人:「そしたら、このエバーグリーンに保存されてる志帆ちゃんの感情、返してあげらんないよね」
倉間美舞:「怨恨で殺してんなら殺意なり憎悪じゃないんですか?」
倉間美舞:「返す必要あります?」
香上進一郎:「そもそも……」
日生日出人:「えっ…、あっ」ワタワタと香上くんの方を見る。
香上進一郎:「エバーグリーンに保存されているのは、本当に上戸下志保の感情なんでしょうか」
日生日出人:「あっ、そう、そうでした」
粕屋千夏子:「あっ」
香上進一郎:「はい。日生先輩も先程、仰っていたように」
粕屋千夏子:「替え玉かもしれないってこと……?」
梶子行弘:「すり替えは、少なくとも意図的です」
香上進一郎:「彼女が彼ら幹部を殺害したという」
香上進一郎:「決定的な証拠も、まだ見つかっていない」
粕屋千夏子:「誤認逮捕はよくないよね」
香上進一郎:「状況証拠としては……十二分でしょうが」
梶子行弘:「感情の保存で替え玉……成程」
芳井春:香上を横目に見る。薄く笑う。「おまえ、喧嘩っぱやいのにそういうとこは冷静だな」
梶子行弘:(よく思いつくな、そういう使い方)
香上進一郎:「……挑発されると、どうも」
香上進一郎:肩を竦める。
芳井春:「いいとこだよ」
芳井春:「……あいつは結局、何を望んでて、何がしたいのかも、そもそもまだ聞けてねえんだよな」
粕屋千夏子:「そうです、聴取も捜査ですよっ!」
日生日出人:「んと…えと、なので」
日生日出人:「ギルドの件は、まだ、保留に…します! 俺が、支部長から一任されてる、し………」
日生日出人:「ってことでいいよね………?」不安そうに春くんを見る。
芳井春:「俺もそう頼みたいと思ってた」
芳井春:「まだわからないことが多すぎる」
倉間美舞:「まだ期限までありますしね」どさっとベッドに座る。
芳井春:(……それに)
芳井春:(このまま、全部失ったガキの復讐で終わる話じゃ、……いや)
芳井春:スクリーンの画面を消す。
芳井春:四角い光が途絶えて、壁面。


GM:シーンを終了します。ロイス取得及び購入が可能です。
芳井春:はーい。ロイスとるはる
芳井春:香上進一郎:〇信頼/不安(後輩への心配てきな)
香上進一郎:ワ~~~イ!!
芳井春:梶子行弘:〇感嘆/脅威
芳井春:すごゆき
梶子行弘:やった~
香上進一郎:う~~~~~んめちゃ迷うが……あえての保留
日生日出人:う~ん ここは保留にしておこう
梶子行弘:ロイスは私も保留
日生日出人:購入は~…防具かっておこう ボディーアーマー狙います
日生日出人:6dx+1>=12
DoubleCross : (6DX10+1>=12) → 9[1,2,3,3,8,9]+1 → 10 → 失敗

香上進一郎:バデム~バデム屋さんだよ~
日生日出人:あっしんちゃん!
日生日出人:わ~!+3して成功させます!ありがと~!
香上進一郎:へいらっしゃい! いいバディムーブ一丁!
日生日出人:きゃ~!
芳井春:おいしそう
梶子行弘:購入どうしようかな
倉間美舞:そのキャラ何?頭沸いた?
香上進一郎:頭は沸騰しないぞ
香上進一郎:自分もボデマ狙いにしよ
香上進一郎:3dx+1>=12
DoubleCross : (3DX10+1>=12) → 10[6,8,10]+8[8]+1 → 19 → 成功

香上進一郎:すごい買えた
芳井春:すボマ
日生日出人:えっすごい 優秀
芳井春:自動巡回ソフトちゃんにしとくか 噂話調べるかもだし
梶子行弘:応急手当リベンジ
梶子行弘:2dx+1
DoubleCross : (2DX10+1) → 8[3,8]+1 → 9

血肉細工:3DX>=5
DoubleCross : (3DX10>=5) → 6[3,3,6] → 6 → 成功

梶子行弘:ゲット!
香上進一郎:すば!
梶子行弘:以上です
芳井春:ソフトもゲット
芳井春:これでSwitchで遊びます
芳井春:いじょ


【インタールード1】

GM:判定なしの会話シーンとなります。
GM:希望者は侵蝕1で登場が可能。
芳井春:デルゼイ
香上進一郎:出!
香上進一郎:香上進一郎の侵蝕率を1(→ 1)増加 (64 → 65)
芳井春:芳井春の侵蝕率を1(→ 1)増加 (68 → 69)


GM:【九株スカイビル 4F ゲームセンター「ワールサイド」】
GM:客の入りなど見たことがない。わざわざ訪れるものはそうないからだ。
GM:だからこそ、支部員が入り浸るには恰好と言える。新支部からの目も遠い。
芳井春:階段の自販機で買った缶コーラを相手に投げる。
香上進一郎:片手で受け止め、頭を下げる。「ありがとうございます」
芳井春:「いや。ふ、ヤクザの件からかいすぎた」
芳井春:「なんかツボって…」肩を揺らす。
香上進一郎:プルタブを開け、口を付けて。「………」
香上進一郎:「まあ……頭に血が登りやすいのは」
香上進一郎:「事実ですので……散々、周りの皆や、先輩にも注意された部分です」
芳井春:「おまえがよくやってるテーブルゲームとかって、どうなの?」
芳井春:「冷静な方が勝ちやすいのか、ああいうのは」
香上進一郎:「それは、勿論そうです」
香上進一郎:「慮外の一手を指された時……」
香上進一郎:「勝ち目の薄い時。僅かな勝機を見出し、道筋を引くために」
香上進一郎:「欠けてはならないものです。……同時に、冷静なままでも。勝ち切るのは難しいんですが」
芳井春:色褪せたエアホッケー台の向かい。綿がすり減ったソファにどっかりと座る。
芳井春:「へえ。勢いみたいなのが要るのかな」
香上進一郎:「頭はクールに。心はホットに……みたいな?」
香上進一郎:「どうにも……難しいです。特にあいつ相手には」
香上進一郎:苛々しげに飲み干したスチール缶を握りつぶす。
芳井春:「ハハ。美舞、頭切れるもんな」
香上進一郎:「腹立たしいですが……」
香上進一郎:「そこの回転だけでいうならば、芳井先輩や日生先輩にも遜色無いですからね」
香上進一郎:「口が悪すぎるのを除けば……」
芳井春:「俺?」笑う。「口はマジでどうにもならなかったな」
芳井春:「ヒナセに見せとけば直るかと思ったけど」
芳井春:「外面だけ進化して帰ってきた」
香上進一郎:「全く」
香上進一郎:「日生先輩の優しさにつけこんでるんですよ」
芳井春:「まあ……ヒナセはだいたい断らねえしな……」
芳井春:自分の缶を開ける。缶コーヒー。
香上進一郎:「たまに、先輩方が羨ましくなりますよ」
香上進一郎:「阿吽の呼吸というか……」
香上進一郎:「……熟年夫婦?」
芳井春:わずかに目を見開く。「なんだそら」
芳井春:「……似合わねえ~」笑って。
芳井春:「チルドレンだのエージェントだのを組ませるのって」
芳井春:「不足を補い合えるようになんだろう、と思うけどさ」
芳井春:「正直あんまピンとこねえよな」
香上進一郎:支部長の方針ですね、という言葉を飲み込む。
香上進一郎:察しの悪い己でも、ここまでの付き合いでそれくらいの機微は分かってきた。
香上進一郎:「自分は……」
芳井春:その顔を見てまた少し笑う。「ん」
香上進一郎:「あまり口にはしたく無いですが。理には叶っていると考えています」
香上進一郎:「廿雀組の一件に関しても」
香上進一郎:「自分ひとりだけで臨んでいたら、もっと目も当てられない状況になっていたという自覚はまあ……あるので」
芳井春:「美舞に聞かせたらほくそ笑みそう」
香上進一郎:「芳井先輩はそんな人ではないと信じていますが」
香上進一郎:「絶対、本人の前で言わないでください。調子に乗るので……マジで」
芳井春:「あっクソ、断りにくい言い方を」
芳井春:「言わないって」
芳井春:「……あと、美舞がどう思ってるかは知らねえけど、少なくとも俺は」
芳井春:「おまえがちゃんとキレてるの、いいことだと思うよ」
香上進一郎:ぽかんとした表情。
芳井春:「疲れるだろ。そういうの」
芳井春:「なんつーか……俺は面倒だから、ちゃんとキレたり、ちゃんと喧嘩したり、したくねえし」
芳井春:「し続けられるのはいいことのような気がしてる」
香上進一郎:この人らしい言い分だな、と考えながら。目を伏せる。
香上進一郎:「……だとしても。抑えるべきときに抑えられないようでは」
香上進一郎:「組織に仕えるものとして。失格だと思います」
香上進一郎:「けど」
香上進一郎:「……オレ個人としては」
香上進一郎:「嬉しい言葉です」
芳井春:「おお」目を細める。
芳井春:「これも秘密ってことで。なんか説教くせえなって今思ったから」
香上進一郎:はは、と笑って。
香上進一郎:「はい。日記にだけ記しておきます」
芳井春:ひらりと手を振る。「パンチングマシーンでもして帰るか」
香上進一郎:「いいですね。……ハンデ入ります?」
芳井春:その頭を小突いて、古びたマシンにコインを入れた。


日生日出人:日生日出人の侵蝕率を1(→ 1)増加 (61 → 62)
梶子行弘:64→65


GM:【九株市内 商店街シャッター通り】
GM:新興のショッピングモールに客を取られて久しく、閑散とした通り。
GM:活気あるネオン街とは裏腹。薄暗く静かな路。
粕屋千夏子:「ゆきくん眠くない?大丈夫?」
日生日出人:「大丈夫~?」
日生日出人:《擬態の仮面》を使用した女の姿。着替えており、利発的な顔立ちに似合う、女らしい華美な服装。
梶子行弘:「だから、子供扱いしないでくださいって」
梶子行弘:「歩きながら寝たりはしませんよ」
粕屋千夏子:「子供だよ~……本当はね」
粕屋千夏子:「こんな時間まで出歩いちゃダメなんだけど……」
日生日出人:「うん、うん」こくこくと頷く。
梶子行弘:「だから千夏子さんがいるんでしょう」
粕屋千夏子:「そうです」
日生日出人:「俺もいるよっ」両手をぎゅっと握る。
粕屋千夏子:「ヒナちゃんも来てくれてありがとうね」
梶子行弘:「保護者同伴。でも、ぼくだって……」
梶子行弘:「えっと、……はい。まあ」
梶子行弘:握られた手と、日生さんの顔を困惑した目線で行き来させる。
梶子行弘:(雑誌の表紙みたいな人だ)
日生日出人:「んへへ、どうせ、情報提供者の人に挨拶行かなきゃだったから、気にしないで」
粕屋千夏子:(こんな時間に挨拶……?)
日生日出人:「こうして二人ともお話しできるし、楽しいよ~」
粕屋千夏子:「えへへ……」
梶子行弘:「女性だったり男性だったりは、どうやって決めてるんですか?」
日生日出人:「んっとね~、仕事だと、必要に合わせて決めてんだけど」
日生日出人:「基本はね~、気分~」
梶子行弘:「気分ですか……」
梶子行弘:「まあ、お似合いだから良いんでしょうけど」
粕屋千夏子:「ファッションみたいな……?」
日生日出人:「えっ、いま、褒めてくれた? 褒めてくれた?」顔を覗き込む。
梶子行弘:「褒め、いや、っと……!」 ふわりと漂う香水の匂いに、目を逸らす。
日生日出人:「照れてるう」 千夏子ちゃんを見てころころ笑う。
梶子行弘:「ち、千夏子さんも言ってましたよね!」
梶子行弘:「カッコいい子が沢山いるところだって!」
粕屋千夏子:「ん~?」
粕屋千夏子:「そうだな~」
粕屋千夏子:「私にはお似合いとか言ってくれてない……」
梶子行弘:「そこいじけるんですか!?」
日生日出人:「だめだよお、ゆきくん。女の子のことは、ちゃんと褒めてあげないと~」
粕屋千夏子:「だって~……」
日生日出人:「ね~」
梶子行弘:「意気投合してる……!」
梶子行弘:「千夏子さんの制服も……おに……似合……」
粕屋千夏子:期待の眼差しで見ている。
日生日出人:ワクワクした眼差しで見ている。
梶子行弘:「……動きやすそうでいいんじゃないですか!」
粕屋千夏子:「……」
粕屋千夏子:「やだ~~~!」
梶子行弘:「『やだ~~~』!?」
梶子行弘:「大人の言葉じゃない!」
粕屋千夏子:「大人だってやなものはやで……」
GM:その時、銃声。
GM:すぐ近くだろう。隣の通りだろうか。
粕屋千夏子:「……!」
日生日出人:困ったように笑っていたのが、パッと顔色を変える。
粕屋千夏子:「見てくるね、そこにいてね」
梶子行弘:「ちょっ、待った方が……」
日生日出人:「一緒に行こ」
梶子行弘:「、はいっ」
日生日出人:うん、と頷く。「三人一緒にいた方がいいよ。ヤバかったら、すぐ逃げるよ」
日生日出人:「うん!」
粕屋千夏子:こくこくと頷いて。
GM:そのまま駆けつけると、そこには。
刺青の男:「テメエら全員地獄送ったらあ!」銃を構えた刺青の男。
負傷した男:物陰に隠れた、負傷した男。同じく銃を取り出して狙いをつけようとしている。
粕屋千夏子:「け、警察です!」
粕屋千夏子:「ふたりとも銃を下ろして下さい!」
GM:男たちはそれを聞き入れる様子もなく、銃を下ろすことはない。
梶子行弘:(千夏子さん……!)
刺青の男:「どいてくれや警察のネーチャン。こいつハジいたら出頭しますわ」
粕屋千夏子:「だめですよう!」
日生日出人:(オーヴァード…じゃないのかな。だったら、二人に任せた方が、いいけど…)
梶子行弘:(日生さん)
梶子行弘:(どっちがどっちの所属とか、分かりますか)
日生日出人:(んっ、ん~とね)じっと二人の男を見る。
粕屋千夏子:「そっちの人も!下ろして下さい!」
梶子行弘:飛び出したいのを、ぎりぎりで押さえているような表情。
負傷した男:無言で銃声。彼女の足元に着弾する。
粕屋千夏子:「きゃっ……!」
梶子行弘:「!」
日生日出人:「あっ、もう」
日生日出人:(刺青してる方が鴻央会で……、その相手してるのが、ギルド、だと思う)
日生日出人:(状況からもだし、イタリア製の銃なんて使うの、鴻央会ぽくない…)
梶子行弘:(抗争中の、ってことは、やるなら同時に、ですね)
日生日出人:(うん)頷く。(できる?)
梶子行弘:(こっちからお願いするところでした。どっちがやりやすいですか?)
日生日出人:(ん~)(不意を突く方が得意なんだ)
日生日出人:(隠れてる方いくね)
梶子行弘:(じゃあ、血気盛んな方はやります)
日生日出人:(じゃ…、ふふ。派手にやってね!)
日生日出人:笑って、背中を叩く。それが合図。
日生日出人:腹の内側から真黒い穴が開いて浸食されるようにして、途端にぬるりと姿を消す。《猫の道》。
梶子行弘:叩かれる。そのまま、路地に顔を出す。「おじさーん!」
刺青の男:「あ!?」銃を向ける。
粕屋千夏子:「ゆきくん!ダメ!」
梶子行弘:「そこ、ダメだよー! 危ない!」 入れ墨の男、隣の街路樹を指さす。
刺青の男:「あ?」銃は向けたまま。街路樹に意識が向く。
梶子行弘:「そこねー、巣があるからー! 音を立てたら……」
梶子行弘:「集られるから!」
梶子行弘:掌の中で拾った、木の枝を握る。周囲に、黒い羽根が舞い上がる
梶子行弘:「――『アウタールーク』、『蒐集せよ』」 瞬時。目線を逸らした男を、
梶子行弘:梶子の掌から生まれ、弧を描いて飛来した、木と葉でできたカラスの群れが襲いかかる。
刺青の男:「アッ!?クソ、なんだ……!」
刺青の男:「テメエまさか、カシラと同じ……」
カラス:「ア゛ア゛ー!」「ア゛ーッ!」
カラス:模型じみたカラスが、雨あられと男を襲撃する。
カラス:体積はカラス、重量はそれに準じた木材そのものだ。銃を弾き飛ばし、足下を蹴っ飛ばし、顎を翼で打つ。
刺青の男:「ガアッ……!」
梶子行弘:男が打たれ倒れるのを確認すると、カラスの群れは、再び羽と枝葉に分割され、羽根だけが梶子の元へ戻ってくる。
粕屋千夏子:「おお……」
梶子行弘:「あーあ。だから言ったのに」
梶子行弘:「ケガはないですか、千夏子さん、……くしゅっ!」
粕屋千夏子:「あっ」わたわたと駆け寄って、手錠をかける。
日生日出人:「二人とも、大丈夫~?」 ぶんぶんと手を振っている。
粕屋千夏子:「私は大丈夫だけど~……」ハンカチでくしゃくしゃと顔を拭いてあげる。
粕屋千夏子:「ヒナちゃん!そちらも大丈夫ですか~?」
梶子行弘:「いいですって、……しゅんっ!」
日生日出人:「大丈夫だよお~!」 ヒールの下で、物陰に隠れていた男が昏倒させられ、地面に倒れ伏している。
日生日出人:「こっちも手錠、お願いします~…、どしたの? 風邪気味?」
梶子行弘:涙目を拭いつつ、周囲の羽根が消える。「……ありがとうございます。うわ、いつの間に……」
日生日出人:「んへへ……」かがみ込んで、ゆきくんの顔を覗く。
日生日出人:「千夏子ちゃんのこと、守ってあげたいんだねえ」
梶子行弘:「わっ、な、……っ」
梶子行弘:「ただのアレルギーですって。羽の! 花粉症みたいなものですから!」
粕屋千夏子:「あっ……」
粕屋千夏子:「だっ、ダメですよヒナちゃん、私」
粕屋千夏子:「危ないことしてって怒ろうと思ってたのに……」
梶子行弘:「よってたかって……もう!」
粕屋千夏子:「怒りづらくなります」
梶子行弘:「……先に危ないことしたのは千夏子さんでしょ」
梶子行弘:「それに……お目付役の千夏子さんが怪我でもしたら、ぼくの評点が下がります。それだけです」
粕屋千夏子:「私は現職だから大丈夫なの」
日生日出人:「んへへへ」ふにゃふにゃ笑う。
粕屋千夏子:「それにケガだって、治る……」
粕屋千夏子:「ん……ですよね?たしか」
日生日出人:「治るけど~」
梶子行弘:「この人、そこも分かってないのに飛び出すんですよ? 信じられます?」
日生日出人:「危ないよねえ」
梶子行弘:へにゃへにゃ笑ってる日生さんに言い募る。
日生日出人:うんうん、ふにゃふにゃ、と頷いている。
日生日出人:「でも~、ほらほら、治安維持に成功したんだから」
日生日出人:「二人とも、ね~、仲良く…えっと、点数?もらえるよ~。良かったよ~」
粕屋千夏子:「……そうだねえ」
粕屋千夏子:「ありがとうね、ゆきくん」
梶子行弘:「『良かったよ~』、じゃなくて…………」 はあ、と溜息。
梶子行弘:「そうですね。怪我がなくて、良かったです」
梶子行弘:「さっきの時は、少しだけ」
梶子行弘:迷うことなく、飛び出していった時は。
梶子行弘:「……似合っていましたよ。制服」


GM:シーン終了です。ロイス取得のみが可能。
芳井春:取得済みゆえにそのまま!
香上進一郎:芳井春 P○尊敬/N劣等感 で取得するぜ
芳井春:えーっ嬉しい
梶子行弘:UGN/日生日出人/感服:○/困惑/ロイス
芳井春:照れます
梶子行弘:以上です
香上進一郎:尊敬だ 尊敬しかない
日生日出人:梶子行弘 かわいい~:〇/心配 ロイス で取るね~
梶子行弘:かわいい~ じゃないですよ
梶子行弘:もっと有能なところを見てください!
芳井春:かわいい………
日生日出人:かわいいな~
香上進一郎:かわいいです。
粕屋千夏子:ゆきくんはかわいいよ
倉間美舞:クソガキだろ
香上進一郎:座ってろ!
梶子行弘:倉間さんは帰り道のゴミ捨て場で気を付けて下さいよ
梶子行弘:カラスはどこにでもいますからね


【ミドルフェイズ4 二日目・昼】

GM:引き続き情報収集です。もしくは
GM:敵対勢力への攻撃、を宣言することもできます。
日生日出人:新!
香上進一郎:なにっ
梶子行弘:なんてことだ
GM:これを選んだ場合ミドル戦闘が発生します。
GM:登場は自由にどうぞ。
芳井春:でまし!
梶子行弘:1d10+65
DoubleCross : (1D10+65) → 5[5]+65 → 70

香上進一郎:でりけり
香上進一郎:香上進一郎の侵蝕率を1d10(→ 10)増加 (65 → 75)
芳井春:芳井春の侵蝕率を1d10(→ 5)増加 (69 → 74)
香上進一郎:お前マジ大概にせえよ!
日生日出人:日生日出人の侵蝕率を1D10(→ 6)増加 (62 → 68)


GM:情報収集を再開します。
【調査済】
☆連続焼殺事件【殆どがオーヴァード】【特徴的な跡】
☆ギルド【“六座頭”長坂泰彰】【FHの研究セル】【あるレネゲイド資産】
☆廿雀組【“順嵐”楠本磊】【人材派遣業のセル】
☆上戸下志帆【火災事件】【エメラルドの首飾り】【彼女の能力】
☆“エバーグリーン”【レネゲイドを沈静化】
☆監視カメラ映像の入手【現場から走り去る少女】
□長坂泰彰
□楠本磊
□上戸下家放火殺人事件
GM:これが調査済み項目と入手キーワード
【未調査】
☆事件の犯人について 情報:噂話・UGN 難易度6
 └必要項目【???】【???】【???】【???】【???】
☆上戸下志帆の能力 知識:レネゲイド 情報:UGN 難易度10
 └必要項目【彼女の能力】
☆死体の追加調査 知識:レネゲイド 鑑識 難易度12
 └必要項目【殆どがオーヴァード】【特徴的な跡】
□ギルドの黒幕のFH勢力 情報:UGN 難易度8
 └必要項目【FHの研究セル】
□廿雀組の黒幕のFH勢力 情報:UGN 難易度8
 └必要項目【人材派遣業のセル】
GM:追加があり、現状はこうです
香上進一郎:追加来たわね
GM:挑戦可能なのは下4つになります。
梶子行弘:死体の追加調査かなあ
芳井春:上戸下志帆の能力かのう
香上進一郎:じゃあ廿雀組いただきますわ~
日生日出人:ではギルドを!
GM:では各々判定どうぞ~
芳井春:従者に調べさせよう
血肉細工:☆上戸下志帆の能力 情報:UGN 難易度10を調べさせられます
血肉細工:4DX>=10
DoubleCross : (4DX10>=10) → 10[5,7,7,10]+10[10]+10[10]+3[3] → 33 → 成功

香上進一郎:すごない?
芳井春:???
梶子行弘:?
芳井春:この従者 優秀過ぎない?
梶子行弘:あの……もしかしてなんですけど
日生日出人:もしかして……その従者
梶子行弘:自我を得て主との成り代わりを狙ってませんか?
血肉細工:どうしてそれを
日生日出人:は 春くんがB級ホラーの被害者に
血肉細工:そ そんなことないでジュシャよ~
香上進一郎:さすがせんぱい さすが(虚ろな目)
血肉細工:ほらっ みんながんばるジュシャ!
梶子行弘:急にVtuberみたいな語尾してくるじゃん
梶子行弘:死体の追加調査、鑑識で振りますが《イージーフェイカー:成分分析》でボーナスつきますか?
GM:OK!達成値に+2していいですよ
梶子行弘:やったぜ
梶子行弘:7dx+2+2
DoubleCross : (7DX10+4) → 8[1,1,5,5,5,6,8]+4 → 12

GM:ボーナスで突破してる
日生日出人:ぴったし!ばっちり!
香上進一郎:ナイスボ
芳井春:ジャス!
梶子行弘:聞いといてよかった~
日生日出人:さすがだねえゆきくん~
梶子行弘:またバディしてもらうところだった
香上進一郎:ウッフフ
GM:では公開していくね
日生日出人:あっまって
GM:あっごめん
GM:ヒナちこれからね
梶子行弘:香上さんとヒナさんがまだ
香上進一郎:あたちも~
GM:ほんとだ
香上進一郎:レディファーストどうぞ
GM:なんか……デカい達成値のせいで
GM:目が……
日生日出人:レディだよ
香上進一郎:こわれちゃった
芳井春:いいですよ すべて成功にしても
日生日出人:□ギルドの黒幕のFH勢力 情報:UGN 難易度8 〈情報:UGN〉で、コネ使い判定します。
日生日出人:8dx+1>=8
DoubleCross : (8DX10+1>=8) → 8[1,1,2,2,6,6,8,8]+1 → 9 → 成功

GM:肉塊さんがそう言うなら……
芳井春:おっしゃ
GM:お見事!
香上進一郎:やったぜ
日生日出人:これくらいで…普通だから!
日生日出人:しんちゃんもやっちまいな~
香上進一郎:やり!
梶子行弘:従者さんマジでなんだったんだ……?
香上進一郎:では□廿雀組の黒幕のFH勢力 情報:UGN 難易度8 をコネ:UGN幹部使用して調査します。
香上進一郎:5dx+3>=8
DoubleCross : (5DX10+3>=8) → 10[2,2,8,9,10]+8[8]+3 → 21 → 成功

芳井春:おお
香上進一郎:クッ やはり先輩はすごい
芳井春:いやいや
日生日出人:じゅうぶんだよ!
GM:やば
梶子行弘:ダイス数とは飾りでしかないのかよ
GM:じゃあ改めて全員公開するねえ
香上進一郎:おたのみもうす
☆上戸下志帆の能力
【対象との同化】。自分の身体状態を対象と共有する能力。
推定シンドロームはエグザイル・ソラリス。
たとえば相手が普通の人間であれば、高侵蝕率状態のオーヴァードにさせることになる。
また、彼女の侵蝕率は100%を優に越えているはずだが、現状ジャーム化の兆候はない。
☆死体の追加調査
 └必要項目【殆どがオーヴァード】【特徴的な跡】
正確にはジャームだ。オーヴァード化……ひいてはジャーム化させられている。
リザレクトを封じる手口だろうか。だが非オーヴァードをオーヴァード化する意味はない。
体内に切開してまた繋いだような跡がある。そこが発火点と思われ、“火種”を打ち込まれたのではないか、と思われる。
その【レネゲイドの反応】を辿ることができるだろう。
□ギルドの黒幕のFH勢力
FHのレネゲイドアイテムの研究セル。
ギルドにテストアイテムを卸しているほか、戦闘エージェントを派遣している。
彼らが糸を引くギルドと交戦する場合は、少数精鋭の勢力となるだろう。
また、対レネゲイドアイテムの交戦を知悉しており、その破壊を得意とする。
現状では本格介入の動きはないようだ。
□廿雀組の黒幕のFH勢力
FHのオーヴァード兵士派遣を生業とするセル。
廿雀組の実働兵士としてオーヴァードを提供している。
彼らが糸を引く廿雀組と交戦する場合は、多数の兵士との戦いとなるだろう。
兵士らは本質的には、組への忠誠心はない。狙うなら組員だろう。
現状では本格介入の動きはないようだ。
芳井春:了解!
香上進一郎:理解をえました


GM:二日目、昼。
GM:【九株スカイビル 1F スナック「夜夢影」】
GM:昼間は休業中だ。それ故に、その時間帯の打ち合わせ用途に使われることもままある。
日生日出人:「というわけでー」 《擬態の仮面》。今日は男。借りた銀縁眼鏡をかけている。
日生日出人:氷の入ったグラスに、カルピスを真ん中くらいまで注ぐ。
日生日出人:「こうやって、オーヴァードの侵蝕率が高まっていたとしてもね」
日生日出人:「絆っていうお水を持っていれば、きちんと飲める飲み物になる…日常に帰ってこれるわけなのです」
粕屋千夏子:「ふんふんふん」顔を近づけて見ている。
日生日出人:水を注いで、千夏子ちゃんに渡す。
日生日出人:「んでもね、こうして、侵蝕率が満杯になっちゃってー」
日生日出人:グラスになみなみとカルピスを注ぐ。「絆っていうお水も失っちゃうと、これは…飲むことができないねえ」
日生日出人:「この状態のことを、俺達は、ジャームと呼んでいます。こうなっちゃうと、絆も感情もないので、理性がなくなっちゃって…」
日生日出人:「恐ろしい怪物みたいになってしまうのです~」
日生日出人:「ジャームを直す技術は、まだ見つかっていません。だから、千夏子ちゃんもそうならないよう気を付けてね」
粕屋千夏子:「ひゃああい」零れそうであわあわしている。
梶子行弘:「これどうやって飲むんですか……」
日生日出人:クイッと眼鏡のフチを持ち上げる。「以上、ヒナのレネゲイド教室でした……」
芳井春:ひょい、とヒナセの眼鏡を取る。横にコップを置く。
日生日出人:「あれっ」
芳井春:「ほい」持ち主に返す。
香上進一郎:「……? ああ、どうも」目を細めて、それが己が貸したものであることを確認して、また装着。
香上進一郎:「自分としても。とてもわかり易い例えでした……日生先輩」
芳井春:「やっぱこういうのはヒナセが上手いな」
日生日出人:「えー? んへへへ」
倉間美舞:「メガネ無いと目つきヤベーな」
倉間美舞:「目つき罪で逮捕されそう」
粕屋千夏子:「そんな罪状無いよ……?」
香上進一郎:「しかし……先輩のお役に立てたなら、本望だ」
香上進一郎:「……立てたか?これ」
日生日出人:「立てたよ~。あっ、あのねえ」
日生日出人:「そもそも、なんで教室を開いてたかっていうと、志帆ちゃんの検査結果について話そうとしてたら」
日生日出人:「専門用語多すぎて意味わかんないよね~って話になっちゃって」
日生日出人:ね~、と千夏子ちゃんに言う。
粕屋千夏子:ね~、と返す。
倉間美舞:「結果出たんすか?」
芳井春:「ああ」
芳井春:「推定シンドロームはエグザイル・ソラリス」
芳井春:「これは区分だから、そこまで気にすんな」チカコちゃんに。
粕屋千夏子:パラパラとシンドロームの説明をめくっていた「あっはい」
芳井春:「時折いるが、自分の身体を同化させて相手と共有できるタイプで……そうだな」
芳井春:ヒナセが注いだコップを見る。
芳井春:「それの例えで言うなら」指さす。「同じコップを共有させるみてえな」
芳井春:「自分の侵蝕も相手と共有させる。そういうことができるってことだ」
粕屋千夏子:「ふんふん」空の小さなコップにおっかなびっくり注ぐ。
粕屋千夏子:「空のコップがこうなるってことですかね」
日生日出人:「普通の人間も、こうやって、カルピス無理やり注いじゃえば」
日生日出人:「オーヴァードになっちゃうよねえ」
芳井春:「そう」
梶子行弘:「他人をオーヴァードにするって……」
芳井春:「報告と同じだよな」背の高いカウンターの椅子に座る。
梶子行弘:「じゃあ、オーヴァードを狙った殺しじゃなくて?」
芳井春:「逆だったってわけだな」
梶子行弘:「相手を殺す間に、オーヴァードにさせたってこと? ……犯人が彼女だっていうなら、ですけど」
倉間美舞:「……廿雀会幹部にそんなオーヴァードうじゃってるのか疑問だったんすよね」
芳井春:ユキくんにチカコが注いだコップを回す。
香上進一郎:「そうだ。引っかかってた」
香上進一郎:「それなら、辻褄が合う」
倉間美舞:「少ないからこそ数少ない楠本がイキってたはずなんで。あそこ」
日生日出人:「FHが人材を補充しまくってたわけでもなかったねえ」
芳井春:「殺された奴がジャーム化まで至ってたのも…」
芳井春:「あいつ自身が、普通ならジャームになってるくらいの侵蝕だからじゃないかと」
香上進一郎:「疑問は残ります、が」
芳井春:タブレットに少女の調査結果が表示されており、机上に。
香上進一郎:「ただ殺すだけなら。そんな手間は必要ない」
芳井春:「殺され方はどうだったんだ?」
梶子行弘:「傷口から、何かを撃ち込まれて、そこが火種になっていたみたいです」
芳井春:「……それで内部から焼かれたと」
梶子行弘:「ただ、その傷口自体は、塞がれていた」
倉間美舞:「エゲツね~……」
梶子行弘:「ぱっと見で外から分からなかったのはそのせいです」
梶子行弘:「それも含めて、やはり、手口が変ですね」
芳井春:「無駄が多すぎるな」
粕屋千夏子:「こういうこと言っていいのかわからないけど。うん」
日生日出人:「ウラハラだねえ」 困ったように笑って呟く。
粕屋千夏子:「効率が良くないよね……?私でもそう思うよ」
梶子行弘:「たまたま、そういう変な能力に覚醒しただけって可能性は?」
倉間美舞:「まそりゃなくはねえだろけども」
芳井春:「…まあ、使い勝手がカスな変な能力ってのはあるよ」
芳井春:「俺がその類だし」
日生日出人:「春くん~」
香上進一郎:「またそんな……」
日生日出人:「そうだよ~、みんな反応に困るでしょ~」
芳井春:「あ~」
芳井春:「忘れて」
梶子行弘:「?」
香上進一郎:「……とはいえ。分かることがあるのは」
芳井春:手持無沙汰に、コップと水を配る。
香上進一郎:「犠牲者をオーヴァードに覚醒させたのは、上戸下志保であっても」
香上進一郎:「体内を発火させて、殺害に至ったのは……別の誰か、何か」
香上進一郎:「が。しっくりきます」
梶子行弘:「二人組ってことですか」
芳井春:「発火ってんじゃサラマンダーのがしっくりくるしな。ソラリスでも、まあ、できなくはないが…」
日生日出人:「死体の傷口から、レネゲイドの解析は進めてるんだよね?」
日生日出人:ソファにのしっと寄りかかって、ゆきくんに聞きます。
梶子行弘:「ここの施設を使って追ってますよ」
梶子行弘:(今日は男性なんだな)
日生日出人:「それで…、エグザイルでもソラリスでもない因子が発見されたら、志帆ちゃんじゃないってことで確定できる…かなあ」
芳井春:「検査がある程度終わったなら」
芳井春:「本人とも少しは話せるかもしれない」
梶子行弘:「ですが……彼女の侵蝕率は、ジャームになってもおかしくないレベルなんですよね?」
芳井春:「……優秀だなあ、おまえ」苦笑して頷く。
梶子行弘:「…………。まあ」
梶子行弘:言い辛いことだったらしい、という空気だけを受け取る。
芳井春:「いや。実際そうだよ」
芳井春:「可能性として一番高いのは、そうだ」
梶子行弘:「それで」
梶子行弘:「あなたたちがまだ彼女の確保に動かないのは何故です?」
日生日出人:「あっ、あのね」
日生日出人:姿勢を正す。
矢掛翠:がちゃりと、扉が開いて。「それ」
矢掛翠:「私から答えてもいいかな」
日生日出人:「それは…、あっ」
日生日出人:慌てたように黙る。
倉間美舞:「おつかれさまで~す」
芳井春:軽く頭を下げる。
香上進一郎:「お疲れ様です、支部長」
梶子行弘:「お疲れ様です」
日生日出人:ワンテンポ遅れて会釈する。
矢掛翠:「まあ、当然の疑問だと思う」
矢掛翠:「まず、最初に訂正するとね。確保はすでに出来てます」
矢掛翠:「我々が保護するっていうのはそう言うこと。ここからふらふらどこかに行けるわけではないわ」
梶子行弘:「それは……そうでしょうが」
矢掛翠:「その上で、彼女の処遇はまだ確定していません」
矢掛翠:「知りたいのはそっちよね。まあ、司法と同じよ」
矢掛翠:「疑わしいだけでは罰せない。我々のように、特に社会に対して優越した権限を持たされた者は」
矢掛翠:「そこの舵取りをしっかりと抑えないと、組織自体の興亡に関わってしまう」
梶子行弘:「あくまで、彼女の犯行である可能性があるだけ」
梶子行弘:「今はまだ、調査の段階。そういうことですか」
矢掛翠:「ええ。ただ……」
矢掛翠:言葉を切って、くしゃくしゃの紙を机の上に置く。
矢掛翠:「彼女が持っていたメモ」
芳井春:目線を外して話を聞いていたが、そちらに視線を向ける。
粕屋千夏子:恐る恐る広げる。コピー紙数枚の束。
粕屋千夏子:目を見開く。「これ……」
粕屋千夏子:「【顧客名簿】ですか?」
日生日出人:「顧客名簿?」
日生日出人:一緒に覗き込む。
GM:名前と住所、連絡先が書かれたファイルの打ち出しだろう。
GM:そのいくつかの名前には、線が引かれている。
芳井春:「……この消されてるのは。被害者か?」
香上進一郎:「これ……廿雀組の?」
矢掛翠:「ええ。記載があるのは不動産を買った廿雀組の構成員」
矢掛翠:「必然……下っ端ではなくて、自分で屋敷や店舗を持つ人間のね」
日生日出人:「あっ…、志帆ちゃんのお父さん、不動産会社の人だったから」
梶子行弘:「その名簿……ってことですか……」
粕屋千夏子:「はい。消されてる人は、みんな事件の被害者です」
芳井春:「……そうか」
倉間美舞:「殺人リストかよ」
GM:ここで、手番が残っている人は判定が可能です。
芳井春:残ってます!
☆事件の犯人について 情報:噂話・UGN 難易度6
 └必要項目【対象との同化】【レネゲイドを沈静化】【レネゲイドの反応】【現場から走り去る少女】【顧客名簿】
GM:こちらに挑戦可能になりました。
芳井春:調べます。
芳井春:【コネ:UGN幹部】を使いダイス+2。侵蝕ボ・従者ペナ合わせて±0になる。
芳井春:2DX+1+0@10>=6 情報:UGN
DoubleCross : (2DX10+1>=6) → 10[3,10]+9[9]+1 → 20 → 成功

芳井春:おお
日生日出人:す…すげえ
香上進一郎:すごすぎ 福山雅治?
日生日出人:抱いたのか?
芳井春:誰をでも嫌すぎるだろ
GM:やば……
GM:では、開示します。
☆事件の犯人について
組員を次々と殺害していたのは上戸下志帆である。
現場の映像にも走り去る彼女の姿はある。
手口はまず、非オーヴァードの被害者を切開し、その中に火種となる化学物質を打ち込む。
その後に、対象との同化により対象をオーヴァード――ひいてはジャームへと覚醒。発火により焼き殺す。
対象はおそらく、父親の所持していた顧客名簿を入手。それに基づいての犯行。
彼女の生体データに一致する、肉片の一部が、被害者の体内より発見された。
芳井春:答えは。これまでの情報のあちこちから何度も告げられていた。
芳井春:そして今もそうだった。
芳井春:理解したくなかったのは自分であり、ならば、理解させるのも。
血肉細工:ぼたり、と天井から滴るものがある。
血肉細工:それは血液。そして肉片。骨と、いくつかの部品が落下する。
芳井春:「目ェつぶって…遅いか」
日生日出人:「ふわっ」びっくりする。
梶子行弘:「!?」
日生日出人:「あっ、これ、春くんの能力で…、もー、怖いよお」後半は春くんに文句を言っている。
梶子行弘:咄嗟に飛び退き、周囲に羽根を浮かせかける。
血肉細工:それが逆回しの映像のように組み立てられていく。
梶子行弘:「って、え? 芳井さんの」
倉間美舞:「あの。マジで……」
倉間美舞:「言ってからやって下さい」
粕屋千夏子:気絶している。
香上進一郎:「……やっぱり良いと思うけどな」使い勝手、とぼそり呟いて。
芳井春:「あー。そう、ちょっと待って、マシにするから」
血肉細工:ちぐはぐな骨に皮膚を纏い、
血肉細工:血液の羽根を凝固させた醜悪な造形。
日生日出人:「う~ん、グロさ的にはたいして変わらないと思うけど…」
芳井春:「マシにならねえ」笑って、その手に似た造形の端を視認する。
日生日出人:「ええと、どうしたの? おつかい?」
血肉細工:首はない。頷くように振動し、指に似た箇所を広げる。
血肉細工:シャーレに入った小さな肉片。
芳井春:タブレットにデータが届く。それを理解し、した上で、緩慢に開く。
日生日出人:「なあに? 良いニュース?」
芳井春:「大局的には良いニュースかもな」
矢掛翠:「……」
芳井春:「解けるべきことがわかった。…それは死体から発見された一部で」
芳井春:「上戸下志帆の生体データと、同じ」
芳井春:「……余計に遮って悪かった、ユキ」
芳井春:シガレットケースを開く。
梶子行弘:「…………いえ」
梶子行弘:「あなた方への理解が浅かったのは変わりません。こちらこそ失礼しました」
芳井春:そこに肉塊が吸い込まれ、ぴちゃん、と跳ねる音。閉める。
倉間美舞:「シンドローム。エグザイルとソラリスつってましたね」
倉間美舞:「自分の肉片を飛ばして仕込んで、そいつを化学変化させて……いや」
倉間美舞:「手口の問題じゃねーか」
香上進一郎:僅かに口を開き、閉じてを繰り返し。押し黙り。
日生日出人:「うぇ…、んと…」 困り切った顔をする。
日生日出人:「志帆ちゃんが、連続殺人事件の犯人で」
日生日出人:「確定、ってことになっちゃうよ……」
芳井春:「……支部長。あいつと直接話しても構わないのか?」
矢掛翠:「ええ。ジャーム化の傾向はないわ」
矢掛翠:「“高侵蝕にも関わらず”、ね。会話自体の危険性は低いと判断します」
矢掛翠:「それに、もしもあなたの見立てが正しいなら」
矢掛翠:「私達を襲うことはないでしょうね」
芳井春:声を荒げようとして、出来ず、息を吐く。「……ああ」
芳井春:「なら、面会の申請を。後で提出します」
芳井春:「そのように」
矢掛翠:「ええ。準備しておきます」
日生日出人:心配そうに二人を見ている。
矢掛翠:「みんなもご苦労さま。ひとまずは休んでね」
矢掛翠:「ここからが大変になるから」


GM:シーン終了。ロイス取得及び購入が可能です。
香上進一郎:ロイスは保留いたします。
芳井春:上戸下志帆 〇庇護/猜疑心→上戸下志帆 〇誠意/庇護 にしてみるかな
日生日出人:志帆ちゃんに取ろうかな 庇護:〇/不安 で
梶子行弘:ロイス保留~。
梶子行弘:ボディアーマー狙ってみるぜ
梶子行弘:2dx+1
DoubleCross : (2DX10+1) → 3[1,3]+1 → 4

梶子行弘:ハイ、ゴミ
日生日出人:ゆっきたら! おにいさんも挑戦してあげるからね
日生日出人:6dx+1>=12
DoubleCross : (6DX10+1>=12) → 10[4,5,8,9,9,10]+6[6]+1 → 17 → 成功

香上進一郎:すごすぎ
日生日出人:買えた!あげる
芳井春:すご
芳井春:じゃあヒナの高速振動ブレードでも試そうかな
日生日出人:春きゅん!
血肉細工:4DX>=20
DoubleCross : (4DX10>=20) → 6[1,4,4,6] → 6 → 失敗

香上進一郎:たかし
血肉細工:むりよ
芳井春:うむ
日生日出人:気持ちだけ受け取っておくね~
香上進一郎:春先輩はボルアクいらないんだっけ
梶子行弘:やった~!ヒナおにいさんのボディアーマー!
日生日出人:そうだぞ~!
香上進一郎:自分もワンチャン振動狙ったほうがよきかな
芳井春:どうかな…実のところ
芳井春:わからない
芳井春:使うかが
梶子行弘:ブルーゲイルあったほうがよくない?
芳井春:初稼働ゆえに
香上進一郎:たし/かに
日生日出人:こっちは手番余ったらくらいの優先度で大丈夫ですよ~
香上進一郎:じゃあワンチャンブルゲわね
梶子行弘:梶子は調達がゴミ
香上進一郎:3dx+1>=20
DoubleCross : (3DX10+1>=20) → 8[2,5,8]+1 → 9 → 失敗

香上進一郎:ぜんぜんむりっぴ
梶子行弘:なくても問題ない構成だから
日生日出人:20は高い壁
芳井春:じゃあまあ 今後に期待で
日生日出人:優秀少年鑑識じゃ…
香上進一郎:さすがだわ
芳井春:りょ


【ミドルフェイズ5 二日目・夜】

GM:上戸下志帆との会話シーンになります。
GM:シーンプレイヤーは芳井さん。登場は自由です。
日生日出人:あっ僕出たいです
芳井春:わーいきてー
日生日出人:日生日出人の侵蝕率を1D10(→ 1)増加 (68 → 69)
芳井春:芳井春の侵蝕率を1d10(→ 4)増加 (74 → 78)
梶子行弘:1d10+70
DoubleCross : (1D10+70) → 6[6]+70 → 76

香上進一郎:でてみるぜ
香上進一郎:香上進一郎の侵蝕率を1d10(→ 8)増加 (75 → 83)
香上進一郎:うひい
梶子行弘:korehahidoi
GM:マジで呪われてる


GM:【ニュー九株ビル 6F 消費者金融「アマミスタ」】
GM:支部長室の直上は、オーヴァードの保護のための設備だ。
GM:簡単な検査施設と、保護のオーヴァードが、暴走しても問題ないような
GM:そういうつくりになっている。支部で一番厳重と言ってもいい。
GM:そこの最奥の拘留設備に、上戸下志帆の姿はある。
上戸下志帆:「……」部屋への訪問者を見て、顔を上げる。
芳井春:大柄な影が差す。
芳井春:「二日ぶりか? だいぶ久々な気がするな」
上戸下志帆:「……騙したの」
芳井春:「……おまえが」
芳井春:「何をしたいか、訊かないで連れて来たのは、俺が悪いな」
上戸下志帆:「ここから出して」
上戸下志帆:「やらなきゃいけないことがあるの」
日生日出人:「志帆ちゃん~」ひょこっと春くんの脇から現れて、手を振る。
上戸下志帆:そちらを見て。「みんな、敵なの?」
日生日出人:「味方か敵かどうかなんて、簡単に言えないよ」苦笑する。
日生日出人:「だから、お話しに来たんだよ。みんなで話を聞きに。ねえ」春くんを見上げる。
芳井春:硬直していた体が、わずかに弛緩して。
芳井春:「……ああ。おまえの話を、聞かずに来たから」
芳井春:「聞きたくて、会いに来たんだ」
上戸下志帆:「……」
上戸下志帆:「……何」
日生日出人:「ちょっと人数多くて、ごめんね」 後ろのしんちゃんとゆきちゃんにも、輪に入るように視線で示す。
香上進一郎:ぺこりと頭を下げて。冷たい壁に背を付けてじっと少女に視線を向ける。
梶子行弘:「やあ、こんにちわ」
上戸下志帆:ぼんやりと香上くんの顔を見ていたが。
上戸下志帆:梶子くんの声を聞いて向く。「……子供」
梶子行弘:「九株北小六年、梶子です」
上戸下志帆:「六年……」
梶子行弘:「ひょっとしたら、交流会等で会ったことはあるかもしれませんね」
上戸下志帆:ふるふると首を横に振る。
上戸下志帆:「知らない」
梶子行弘:「そっか、惜しいな。まあ、他がみんな強面だからね。よろしく」
日生日出人:春くんの腕をぽんぽんと叩く。
芳井春:「なんだよ……」
芳井春:「……」
日生日出人:「珍しく、緊張しちゃって」 笑う。
日生日出人:「俺から聞いたげよっか?」
芳井春:「……うるせえ」
芳井春:「……なあ」
芳井春:「やらなきゃいけないことって、なんだ」
上戸下志帆:「……聞いても、邪魔しない?」
芳井春:少女を見る。画質の荒い写真の、豊かな表情のそれと重なってしまう。
芳井春:「邪魔されるようなことか」
上戸下志帆:「……」
芳井春:「おまえの家に何があったかは、少しは調べたよ」
上戸下志帆:「……!」
上戸下志帆:ばっと立ち上がろうとする。
上戸下志帆:抑えられていてできない。
日生日出人:「あっ、怖がらないで」慌てる。
日生日出人:「えっと、大丈夫だよ、俺達、ほんとに、志帆ちゃんから話を聞きに来ただけだから…」
芳井春:その光景を見て、一瞬息を呑み、俯く。
梶子行弘:「そうですよ。それに、健康診断だって受けられる」
梶子行弘:「二日間、ゆっくり休めたのも久しぶりじゃないですか? 君は」
上戸下志帆:「……」
上戸下志帆:「……仇を、取るの」
上戸下志帆:「お母さんと、お父さんの……」
上戸下志帆:「あいつらに、殺された」
梶子行弘:「…………」
芳井春:「仇。よく知ってるな、そんな言葉」
芳井春:「誰かに教わったのか」
上戸下志帆:「違う!私がやるの!」
日生日出人:「…名簿も。よく手に入ったねえ」
日生日出人:「名簿に書いてる人、探すの、難しくなかった?」
上戸下志帆:「……お父さんの金庫に、あった」
香上進一郎:「なるほど……」
香上進一郎:「……辛いこと思い出させるようで、申し訳ないが」
香上進一郎:「きみの目の前で、両親を手にかけたひとは」
香上進一郎:「廿雀組の人間だった」
香上進一郎:「間違いないかな」
上戸下志帆:こくりと頷く。
上戸下志帆:「私達を、殴って、縛って」
上戸下志帆:「……火を点けた」
日生日出人:「志帆ちゃん」
上戸下志帆:「……ん」
日生日出人:「志帆ちゃんはさあ…んっと…もしかして、なんだけどね」
日生日出人:「ぜんぶ、おんなじ思い、させたかったの?」
上戸下志帆:「……うん」
上戸下志帆:「体が、熱くて、熱くて、喉が全部燃えて、苦しくて」
上戸下志帆:「そういうのを、ぜんぶ。ぜんぶ」
上戸下志帆:「全部感じさせた後に、聞くの」
上戸下志帆:「どういう気持ちかって」
上戸下志帆:「でも。あいつらは謝らない」
上戸下志帆:「だから、もう一回、生き返らせて、燃やすの」
芳井春:「……………俺と会ったとき、痛くないみたいに傷だらけだったのに」
芳井春:「ずっと痛くて苦しかったのも、聞けてなかったな」
上戸下志帆:「まだ残ってる」
上戸下志帆:「リスト。返して」
日生日出人:「もし、返したとしたらさ」
日生日出人:「志帆ちゃんに、能力の使い方とか教えてくれた人のこと、俺達に教えてくれる?」
日生日出人:そんな人がいるのかどうかは知らないが、カマをかけてみる。
上戸下志帆:「返して、私が倒すの。邪魔しない?」
GM:反応からして、いると言っているようなもの。
日生日出人:「先に教えてくれるなら、考えるよ」
上戸下志帆:「……宝石を売ってる、おじさん」
上戸下志帆:「助けてくれて、どうすればいいか、教えてくれた」
GM:宝石商と聞いて思い浮かぶのは、ギルド保有のビルだ。
芳井春:(………ああ)
日生日出人:「そっか。ありがと」 みんなにちらりと視線を向けて頷く。
日生日出人:「……そんで、ごめんね、志帆ちゃん」
芳井春:手に力が籠る。少女を見て、動けていない。
日生日出人:「志帆ちゃんの邪魔、するよ。リストは返せないし、ここからは出してあげられないや」
上戸下志帆:「……!?」
上戸下志帆:「なんで……なんで」
上戸下志帆:「なんで!」
芳井春:「………おまえがやるって言ってる」
上戸下志帆:バタバタと暴れているが、拘束は解けそうにない。
芳井春:「おまえの意思とか、気持ちに。火をつけたのは本当におまえか?」
芳井春:「ずっとそれを考えてた」
上戸下志帆:「違う。あいつら」
上戸下志帆:「あいつらが、私を、燃やして」
上戸下志帆:「火をつけた」
上戸下志帆:「だから、私も、火をつけるの」
芳井春:「………そして、どうすればいいかは」
芳井春:「おまえが考えたんじゃないだろ」
芳井春:「それでおまえが楽になれるのか、結局、こっちだって巻き込んでるだけで………あー、クソ、違う」
日生日出人:春くんを一瞥する。
芳井春:「おまえを助けたとき」
芳井春:「俺はおまえに助かってほしかったんだ」
上戸下志帆:「……?」
芳井春:「明らかにおかしくて、辛そうで、血まみれだったから」
芳井春:「助かってほしかった。おまえ、またそうなるんだろ」
上戸下志帆:「……私は」
上戸下志帆:「……私だけ、助かってほしくなかった」
芳井春:「……うん」
芳井春:「でも俺は、おまえが俺の目の前で、少しでも助けられてくれたなら」
芳井春:「嬉しかったよ」
芳井春:「……だからなんだよって話なんだけどな」苦笑する。
芳井春:「それだけ。おまえに言いたかった」
芳井春:少女を見る。それはただの人間の形で。
芳井春:怪物にも、死骸にも、何にも似ていない。
芳井春:ただあの写真の中で、笑っている姿にだけ、似ている。


芳井春:ビルを出てすぐ、外壁にへばりつくようにガラスの覆いがある。
芳井春:時代の流れのためにつけられたそれは、喫煙者のための間仕切りで。
芳井春:愛煙家からすれば、小さな牢獄のようだと、皮肉をもって例えられる。
日生日出人:「なんて顔してんの」
芳井春:「……うるせえ…」
日生日出人:ここに引っ張ってきた男が、くるりと振り返って笑う。
芳井春:「つうか、そんなか」
日生日出人:「いつも堂々としてるからなあ」
芳井春:「してたいだろ、そりゃ」
日生日出人:「ん~?」ポケットをごそごそ漁る。「ええと…、あ、あった」
日生日出人:端がくしゃくしゃに折れた煙草の箱。一本取り出してくわえる。
日生日出人:「はい、ください」
芳井春:オイル式のライターを取り出す。
芳井春:小さな火をそこに灯す。
日生日出人:吸って、春くんをじっと見て、
日生日出人:煙をふきかける。
芳井春:「臭ぇだろが」
日生日出人:「んははは」ころころ笑う。
日生日出人:「ここいてね、吸い終わるまで」
芳井春:「はー……別にいいよ」
芳井春:「……結局ほとんどおまえに聞いてもらったし」
日生日出人:「んん~」
日生日出人:「きつかったねえ」
芳井春:「そのへんも結局おまえに頼んだだろ」
芳井春:「そういうの含めて」
日生日出人:「え~?」 紫煙を吐き出す。
日生日出人:「俺さあ、施設育ちじゃん」
芳井春:それを見ている。「ん」
日生日出人:「小さい子の面倒見ること多かったのね。だから、なんか、気持ち、分かったのかも」
芳井春:「子供の扱い?」
日生日出人:「うん」ふにゃふにゃ笑う。「子供好き」
芳井春:「俺は好きじゃねえんだけどな」苦笑する。
日生日出人:「え~」
日生日出人:「助けられたら嬉しいって言ってたじゃん~」
芳井春:「それは別に子供だからとかじゃねえし」
日生日出人:「……」灰を落とす。
日生日出人:「いま、何考えてるの?」
芳井春:「どうすればよかったかとか、これからとか、あるけど」
芳井春:「……結局は」
日生日出人:「うん」
芳井春:「あいつの周囲、そうさせてきたものも」
芳井春:「いやそれ以上に…」
芳井春:「俺が俺に腹が立ってる」
日生日出人:「なんで」困ったように笑う。
日生日出人:「気が付かなかったから?」
芳井春:「とか。もっと最初に話も聞いてやれたとか……」
芳井春:「結局俺はこういうとき」
芳井春:「うまくやれねえなあ、って話」
日生日出人:「なんでも持ってるからなあ、春くんは」
芳井春:「持ってるだけだ」
日生日出人:煙草をくゆらす。笑う。「ん~、だから」
日生日出人:「取りこぼしたとき、ショックだよねってハナシ」
芳井春:それで、薄く笑う。「それはそうだな」
芳井春:「慣れねえよ、まだ」
芳井春:「……それに」
日生日出人:「なあに?」
芳井春:「取りこぼすと、余計」
芳井春:「それは最初から俺の内側になかった、ってわかる」
日生日出人:「………」
日生日出人:「……ん~~?」首を捻る。
日生日出人:「わがままだなあ、春くんは」
日生日出人:「お坊ちゃんだからかなあ」
芳井春:「そうだよ」
日生日出人:「認めるのお?」くすくす笑う。
日生日出人:「いいじゃん、こっから、手に入れれば」
日生日出人:「俺的にはさあ、思うのは…」
芳井春:「ん」
日生日出人:「あの子、志帆ちゃんに、何したげるのか正解かとか、わかんないよ。俺達じゃ」
日生日出人:「警察じゃないし」
日生日出人:「春くん、自分のこと、立派なUGNエージェントとも思ってないでしょ?」
芳井春:「は?そりゃそうだろ」
日生日出人:「ね~」へにゃへにゃ笑う。
芳井春:「それがどうしたよ」
日生日出人:「だからさあ、わがままお坊ちゃんが、やりたいことやればいいんじゃないのっていう」
日生日出人:「こっから、話し合いでしょ。どうしますか~っていう」
日生日出人:「そんときに、支部長に変にエンリョする春くん、俺、見たくないもん」
芳井春:「そりゃ、ダセエな」
日生日出人:「元カノの家に迎えに来てもらうのより、やばいよ」ころころ笑う。
芳井春:「おまえもダセエことしろ」肘で小突く。
日生日出人:「やだあ、俺、ダサくなりたくないもん」
日生日出人:小突かれて楽しくなってけらけら笑う。
芳井春:「俺だってそうに決まってんだろが」
芳井春:「……いつもうまくいかねえ」
日生日出人:「そうかなあ」
日生日出人:「少なくとも、俺はさあ」
日生日出人:「火、つけてもらってるよ」
日生日出人:紫煙がネオン光る灰色の空に溶ける。
芳井春:手にしたオイルライターを見る。
芳井春:煙草は吸わない。これを使うときは、あの肉塊にかりそめの命を与えるとき。
芳井春:そして、誰かに火を貸すとき。
日生日出人:「ライター、持ってないからねえ」 けらけら笑って言う。
芳井春:「………なら、少しは」
芳井春:「持ってる甲斐があるよ」
日生日出人:ん、と視線を向ける。あとはそれ以上、特に何も言わなかった。
芳井春:今の自分は、甘えているだろうか。慰めを求めているだろうか。……違っていてほしい、と思う。
芳井春:ライターを掌で弄ぶ。
芳井春:誰かを燃やせるなら、自分は誰を燃やすだろう、と。少しだけ考えて、ライターの金属に映る自分に笑った。


GM:【ニュー九株ビル B1F 地下駐車場】
GM:地下駐車場のカヴァーを持つここは、
GM:支部機能としては訓練室に相当している。
GM:防音と耐久が高く、ある程度は暴れても問題ない。
香上進一郎:天から吊るされた、継ぎ接ぎだらけのサンドバッグを。
香上進一郎:一撃、一撃。轟音のような音をフロアに響かせながら叩いている。
梶子行弘:轟音の中に紛れて、ふっと入口に軽い足音が現れる。
香上進一郎:「む」遅れてその気配に気づき、拳をぴたりと止める。
梶子行弘:軽く耳を抑えながら。「地下駐車場が訓練スペースですか」
香上進一郎:「梶子さん。ええ……」
梶子行弘:「ボクシングですか? すっごい音」
香上進一郎:首元のタオルで汗を拭って。「これしか取り柄が無いもので」
梶子行弘:「意外というか……」
梶子行弘:「外見からじゃ、どんな能力を使うかなんて全然分からないんですね」
香上進一郎:「……はい」
香上進一郎:「今だに、自分は……先入観に囚われているのかも」
香上進一郎:「あんな子が。そんな真似をする筈が無いだろう、と」
香上進一郎:「検討違いの解釈でした。……全く、お恥ずかしい話です」
香上進一郎:「オーヴァードでは、珍しくもない話なのに」
梶子行弘:「オーヴァードだから、ではないと思いますよ」
梶子行弘:「彼女は、たまたま手段を与えられた……あるいは持った、というだけで」
梶子行弘:「子供だから復讐心がない、なんてことはありません」
香上進一郎:「仰る通りです」
梶子行弘:「それでも。じゃあ」
梶子行弘:「芳井さんのような想いが無駄かというと……そうじゃないでしょう?」
香上進一郎:顰めていた眉を僅かに広げて。「勿論」
香上進一郎:「あの人に救われたのは……彼女だけではありませんから」
梶子行弘:「優秀そうですもんね」
香上進一郎:「とても。尊敬できる先輩です」
梶子行弘:入口近くの訓練器具に座り、足を揺らす。
香上進一郎:「……無意味な仮定ですが」
香上進一郎:「もし、梶子さんが」
香上進一郎:「上戸下志保と、同じ立場、同じ能力を有したとして」
香上進一郎:「如何されますか」
梶子行弘:「……、……うーん」
梶子行弘:「難しいことを聞きますねー?」
香上進一郎:「先程から、堂々巡りなもので」
香上進一郎:「もし、己が彼女と同じモノを抱えていたら。どうしただろうか、と」
梶子行弘:「真面目ですね。香上さんも、日生さんも、芳井さんも」
梶子行弘:「お節介というか……」
香上進一郎:「良く言われます。……倉間以外は」憎々しげに呟いて。
香上進一郎:「まあ、あれはあれで……いや、いいか」
梶子行弘:「あはは。……ぼくは、きっと似たようなことをしますよ」
梶子行弘:「彼女ほど一心不乱には出来ないし、きっともっと、遠回りしますけど、確実な手段を取ると思いますが」
梶子行弘:「それでも、犯人を追って、追い詰めて追い詰めて。……後悔させる」
梶子行弘:「『あんなことするんじゃなかった』。捨てるんじゃなかったって、思わせてやる」
香上進一郎:「………」氷のように冷たい瞳で、あどけなさが残る少年の顔を覗く。
梶子行弘:一瞬、その表情に暗いものが差して。「……けど」
梶子行弘:「その後に、誰に出会うかで、変わるでしょう」
梶子行弘:「ぼくは千夏子さんに会って。今、こうして貴方たちに」
梶子行弘:「彼女は……最初は、その宝石屋に会って。そして今、貴方たちに会ったんだ」
香上進一郎:「………オレも」
香上進一郎:「信じたいです、その話。だって」
香上進一郎:「我々の捜査協力関係者が、粕屋さんと、梶子さんで」
香上進一郎:「心の底から、良かったと。改めて感じたこの想いは」
香上進一郎:「暗いもので、ある筈がない」
梶子行弘:「…………」
梶子行弘:「香上さん。学芸会でも出てこないような言い方されますよね」
香上進一郎:「…………」
梶子行弘:「倉間さんにからかわれたりしてませんか?」
香上進一郎:「………しょっちゅうですが」
香上進一郎:やや顔を赤らめて、脇にあったボクシングローブを梶子くんに投げて渡す。
梶子行弘:「ですよねえ。……おっと。でも、ふふふっ」
香上進一郎:「そういう苛々の解消にも、コイツは向いています」
香上進一郎:「叩いてみますか」
香上進一郎:「生憎と、自分が先輩面出来るのは、これくらいです」
梶子行弘:それを受け取りつつ。「こちらも。その評価が維持してもらえるように、頑張りますね」
梶子行弘:ボクシンググローブを面白げに見つつ。
梶子行弘:(流石に鴉化させても意味ないなあ)と思い、試しに嵌めてみようとして。
梶子行弘:「…………これ、左右どっちがどっちなんです?」
梶子行弘:首を傾げて、それだけ聞いた。


GM:シーン終了。ロイス取得及び購入が可能です。
日生日出人:ロイスは保留かな…
梶子行弘:ラスト1なので保留で
香上進一郎:あ~~そか タイマン会話もありけり
梶子行弘:購入は……ワンチャン賭けるぜ! ブルーゲイル!
梶子行弘:2dx+1
DoubleCross : (2DX10+1) → 9[3,9]+1 → 10

日生日出人:せつない
梶子行弘:対戦ありがとうございました
芳井春:ロイスホリュー
芳井春:肉塊にさせるな
芳井春:させるか
日生日出人:高速振動ブレードチャレンジ!
日生日出人:6dx+1>=20
DoubleCross : (6DX10+1>=20) → 8[1,3,5,7,7,8]+1 → 9 → 失敗

香上進一郎:じゃあウチもロイホ(ロイス保留)にしよ
日生日出人:対戦ありがとうございました
香上進一郎:ブルゲ 対戦よろしくお願いします。
香上進一郎:4dx+1>=20
DoubleCross : (4DX10+1>=20) → 6[2,4,5,6]+1 → 7 → 失敗

香上進一郎:対あり
血肉細工:4dx
DoubleCross : (4DX10) → 9[3,4,7,9] → 9

芳井春:いじょ
梶子行弘:以上


【インタールード2】

GM:判定なしの会話シーンとなります。
GM:希望者は侵蝕1で登場が可能。
日生日出人:日生日出人の侵蝕率を1(→ 1)増加 (69 → 70)
香上進一郎:でるぜでるぜ
香上進一郎:香上進一郎の侵蝕率を1(→ 1)増加 (83 → 84)
芳井春:先にあげとくか
芳井春:芳井春の侵蝕率を1(→ 1)増加 (78 → 79)
梶子行弘:出るだけ
梶子行弘:1d1+76
DoubleCross : (1D1+76) → 1[1]+76 → 77



GM:【ニュー九株ビル 3F マッサージエステ「梅大事」】
GM:マッサージエステも表のカヴァーにすぎない。
GM:ここは仮眠室兼シャワールーム類、つまりは宿泊用のスペースとなっている。
香上進一郎:濡れた身体でドアを開ける。
香上進一郎:同年代の男子と比べ、上背こそ平均的だが。
香上進一郎:極限までに鍛え上げられ、数多の実践で磨き上げられたそれは、ひとりの兵士足るに相応しいもの。
香上進一郎:備え付けのタオルで隈なく身体を拭いて。鏡の前。まだ少し湿った髪を櫛で整える。
日生日出人:そこに、コンコン、とノックの音がして。
日生日出人:「はいりまーす」返事を待たずにドアが開く。
香上進一郎:「どう……ひ、日生先輩。お疲れ様です」
日生日出人:「あっ、しんちゃんいた」 うすっぺらい体つきの男が顔を覗かせる。
日生日出人:「おつかれ~。シャワー使ってたの? 俺も使う~」
香上進一郎:ややしどろもどろの返答。"その姿"であることに内心で胸を撫で下ろし。
香上進一郎:「少しばかり。梶子さんと共に、訓練をしてたもので」
日生日出人:「えっ、ゆきくんと? いいねえ、青春だねえ」ふにゃふにゃ笑う。
香上進一郎:つられて、広角だけを上げる。
香上進一郎:どうにも、この先輩の前だと。調子が狂ってしまうのだ。
日生日出人:「ん~? しんちゃんは、大丈夫? なんか、落ち込んだり、してない?」顔を覗き込む。
香上進一郎:「そう、ですね……」
香上進一郎:「らしくも無く。暗雲としたものを抱えていましたが」
香上進一郎:「少しだけ。晴れやかな気持ちです。今は」
日生日出人:「そっかあ…。それは、良かった」微笑む。
日生日出人:「…しんちゃんてさあ」
日生日出人:「ご両親の話、しても大丈夫な人だっけ?」
日生日出人:占領してるロッカーから歯ブラシを取り出して、歯磨き粉を乗せながら聞きます。
香上進一郎:「ええ。支部長も、ご存知の事ですし。特別隠していたつもりも、無いので」
日生日出人:「連絡、取ってないんだっけ」
香上進一郎:鏡に映る、冷えた己の目をじっと見つめながら。
香上進一郎:「自分が、覚醒した際。余波に巻き込んでしまってからは」
香上進一郎:頭を振って。
香上進一郎:「一切」
日生日出人:ちらりと鏡に映るしんちゃんを見る。
日生日出人:「志帆ちゃんの逆だねえ」
日生日出人:「それって…、ケジメ的な?やつ?」
香上進一郎:「……己の力を律する術を身につけるために」
香上進一郎:「自分は、UGNの門戸を叩きました」
日生日出人:「おお」歯を磨きながら、目を細める。
香上進一郎:「だから。その悲願を成就するまでは……」
香上進一郎:「と、考えていたつもりでしたけど」
日生日出人:「ど?」
香上進一郎:寂しげに笑う。
香上進一郎:「どうなんでしょう。案外、ただ」
香上進一郎:「怖くて、逃げ出しただけだったのかもしれません」
日生日出人:「……も~」 手を伸ばして頭を撫でようとしてくる。
香上進一郎:ばっ、と身を引く。「……はっ」
香上進一郎:「も、申し訳ございません。嫌という訳では無いと言いますか」
日生日出人:きょとんとしている。
香上進一郎:恥ずかしいです、と口にも出せず。
香上進一郎:「……そういえば」
日生日出人:「……ふっ、んふふふ」その様子を見つつ、愉快そうにくすくす笑う。
日生日出人:「ん~?」
香上進一郎:「日生先輩の……その辺りのお話は」
香上進一郎:「伺ったことが無かったと思って」
日生日出人:「俺ねえ……」うがいをする。「……そりゃあ、だって」
日生日出人:「特に話すことないもん。俺、施設育ちでねえ、親のことよく覚えてなくて」
日生日出人:「だからねえ、みんな、いろいろ大変そうだな~って」
香上進一郎:彼がチルドレンから、エージェントに昇格をしたのだという話は、倉間から聞いている。
香上進一郎:「……そうですね」
日生日出人:「あっ、別に、嫌味とかじゃないよ!」言ってから慌てる。
日生日出人:「みんな、いろいろ相談してくれたら、俺、聞くしかできないけど…聞けてよかったな~、って思うもん」
香上進一郎:「承知しています」僅かに顔を綻ばせて。
香上進一郎:「……そうやって、日生先輩が」
香上進一郎:「相談に乗ってくださったり、苦しみをわけあってくれたりすることで」
香上進一郎:「自分たちが、どれだけ救われていることか……」
香上進一郎:「だからこそ、憤る気持ちもあります」
日生日出人:「え~、なになに」
香上進一郎:「……あの」言いにくそうに。
日生日出人:いくつも嵌めた指輪を外しながら首を傾げる。「ん? なんでも言っていいよお」
香上進一郎:「支部内で蔓延している、下らない噂」
香上進一郎:「どうして、否定なさらないのですか」
香上進一郎:「一度だって、あなたと共に任務に臨めば」
香上進一郎:「先輩が、確かな実力でその座に着いていることが、わかるはずなのに」
日生日出人:「あ~」目を泳がせる。
日生日出人:「俺ねえ、あるもんね、噂。支部長に、いろいろ…んへへ」
日生日出人:「ん~。でも、別に、いいかなって」
香上進一郎:「それは……どうして?」
日生日出人:「俺、別に、自分の実力にそこまで自信あるわけじゃないし…」
日生日出人:「…それにねえ」
日生日出人:「ん~」考える。「んっと」
日生日出人:(たとえば、言い訳になることも、あるかなって……)
日生日出人:誰の、とは言わないが、そしてこれをそのまま目の前の彼に言うのもなあ、と思ったので。
日生日出人:ふにゃふにゃ笑う。
日生日出人:「めんどくさいから~」
香上進一郎:「めん……」面食らった表情。
香上進一郎:いや、と言葉を切って。
香上進一郎:「不躾でした」すみません、と頭を下げて。制服の袖を通し。
香上進一郎:「……オレは」
日生日出人:「ん?」
香上進一郎:「芳井先輩も、日生先輩も。自身の力を、過小に評価していると思ってます」
香上進一郎:「自分が頭を抱える難問を、いとも簡単に解いて」
香上進一郎:「その背に続きたいと、思わせてくれる」
香上進一郎:「自慢の先輩です」
日生日出人:「……んへへ。急にどうしたの」微笑む。「うん、ありがと」
日生日出人:「頑張ろうね、明日も。まだまだ、大変だから」
香上進一郎:やや乱れた着衣を整え直して。「はい」
香上進一郎:「何卒。よろしくお願いします」
日生日出人:うん、と笑う。こっちこそよろしくねえと言って、彼と別れる。
日生日出人:シャワー室。一人になる。
日生日出人:「難問、いとも簡単に、解けたらなあ……」
日生日出人:ポケットに煙草がある。使うのは、口実にするときがほとんどで、気付いたらくしゃくしゃに箱の隅が折れてしまった。
日生日出人:(こんなのに頼らなくても済むのにねえ)
日生日出人:そう思いながら、そのくせ、このあと自分は5階に行く。


GM:九株市支部を構成する2棟のビルのというのは、ある意味では
GM:秘密基地のようなものである。
GM:普段子供が出入りすることもないような店舗をカヴァーにしているところさえある。
GM:自由に支部内を行き来していいとも、支部員からは言われている。
GM:よって――
梶子行弘:興味本位。
梶子行弘:あくまで興味本位である。決して冒険心などが湧いているわけではなく。
梶子行弘:単に、UGNという組織がどんなものか、を見極める必要があって、ビルの渡り廊下をゆく。
梶子行弘:ここ明らかに改築してるな、などと思いながらスカイビルの方へ。
梶子行弘:2Fの表示。ここには何の店が入っているのだろう、と部屋を覗く。
梶子行弘:装飾も、表札は何も掛かっていない。倉庫か、空き部屋だろうか。
梶子行弘:「……なんだ」 息一つ。他の部屋を見回ろうとして。
血肉細工:床に擦れるような音。
血肉細工:目を下に向ければ、塊。
梶子行弘:「? うわああっ!?」
芳井春:部屋の奥から慌てたように物音。
梶子行弘:びくっ、と飛び退く。
芳井春:「あっ」
芳井春:「……あーー……」
芳井春:「悪い」
芳井春:「ユキか」
梶子行弘:「ああ……はーっ……」
梶子行弘:「芳井さん。……えっと、従者」
芳井春:大柄な男がぬっと現れ、しゃがむ。「夜中に見るもんじゃねえよな」
芳井春:シガレットケースを開け、塊を蹴る。弾けるように吸い込まれる。
芳井春:「あ、そう。よく知ってるな」
芳井春:「つーか、もうかなり遅いだろ。入る?」
梶子行弘:周囲に舞っていた羽が、衣服の隙間に戻っていく。「香上さんに聞きました」
梶子行弘:「そうですね。お言葉に甘えて」 と答えつつ。「何の部屋なんですか、ここは」
芳井春:「おお。偉いなあいつ」言いつつ、奥へ。「空きテナントってことになってる」
芳井春:「まあ実質倉庫で……俺がほぼ好きに使ってる」
梶子行弘:「自由」
梶子行弘:「……フリースペースってことですね」
芳井春:「秘密基地的な」
梶子行弘:「にしては殺風景では?」
芳井春:糸を引く式の小さな電気を点す。椅子が無いので、プラスチック箱にクッションを載せる。
芳井春:「気分気分」
芳井春:自分はPC台のオフィスチェアに。
梶子行弘:シガレットケースを見やり。「秘密の作業部屋って感じですか」
芳井春:「いいな。そう言うことにしよう」
梶子行弘:クッションの上に座る。
芳井春:「いろいろ。一人のが楽な調査とか、寝たりとか」
梶子行弘:背中側でクッションを掴み、座り心地を微調整。
芳井春:「…人来たら知らせるように出してた」ケースを振る。
芳井春:「疲れてない? 寝れてるのか。仮眠室遠いだろ」
梶子行弘:「紙粘土でふざけた友達が作った奴に似てます」
芳井春:「……ハハ」
梶子行弘:「最初っから、そういう見かけだったんですか? 周り、びっくりしますよね」
芳井春:ケースを置き、横目で見る。少年を見て。「うん」
芳井春:「俺が勝手に思ってるのは」
芳井春:「本当は完成形があるんだ」
梶子行弘:「完成形、ですか?」 靴を脱ぐ。そのままクッションの上に足を伸ばす。
芳井春:「ずっと造れてないだけで。……だから俺は驚かなかった。未完成だなと思うだけ」
芳井春:「周りはまあ驚いたよな」笑う。
梶子行弘:「……どうでした?」
梶子行弘:「親とかは、何か言いましたか」
梶子行弘:どこか、特定の言葉を期待するような響きがあった。
芳井春:少年の、その。小さな虫を見つけたような声色に。
芳井春:応えてやりたいなと思う。しかし、恐らくは。
芳井春:「何も。…何もなかったよ」
梶子行弘:「何もって。……ああ、えーっと」
芳井春:「怯えも避けもされなかったし。称賛も憐れみもなかった」
梶子行弘:「親もオーヴァードだったんですね」
芳井春:「……ああ」と、そこで、普段の支部で飽きるほどの前提を彼が持たないことに気づく。
芳井春:「支部長いるだろ」
芳井春:「あの人」
梶子行弘:「…………」
梶子行弘:「えっ?」
梶子行弘:「そうなんですか!? ええ、言われてみれば……うーん……?」
芳井春:「おお。バレてなかった」けらけら笑って。
梶子行弘:身を乗り出して、まじまじと芳井さんを見る。
芳井春:「んー?」
梶子行弘:「……髪と、背が高いところは似て……ますね……?」
芳井春:「背の高い奴なら、いくらでもいるだろ」耐え切れないように声を出して笑う。
芳井春:「うん。でも。まあ、そう」
梶子行弘:「でも、確かにそれなら、オーヴァードでも怖がられはしませんね」
芳井春:「まあな…」
梶子行弘:別のクッションを引き寄せて、抱え込む。
芳井春:「でも、なんだ」
芳井春:「正直気にしないでほしい」
梶子行弘:部屋の簡素さの比して、肌触りがたいへんよろしい。「ふーん?」
梶子行弘:名字が違うことを突っ込むのが迂闊なことくらい、分かる。
芳井春:「なんだよ」そのクッションに手を伸ばす。「心の壁か~?」
梶子行弘:「べつにー。ちょっとだけ、お仲間かと思っただけです」
芳井春:「おお」
芳井春:「なんだよ。洗いざらい夜更かし飲みといくか」
芳井春:飲み物を探そうとして、コーヒーかアルコールしかなく、諦める。
梶子行弘:「11歳にお酒を勧めないでください。犯罪ですよ?」
梶子行弘:「自販機とかないんですか、この階」
芳井春:「してねえって。三階まで昇ればあるけど」
梶子行弘:「それに、大っ嫌いな血縁上親が表向き立派だとムカつきますよねとか、そういう話をしても分からないでしょ」
芳井春:少し目を丸くして。
芳井春:「……すげえ盛り上がるかもしれねえじゃん」
梶子行弘:「なんですかそれ」
梶子行弘:くつくつと笑う。
芳井春:「三階でなんか買うか。奢ってやる…というか奢りたいな」
芳井春:「口止め料に」
梶子行弘:「あー。いいんですか、買収なんて」
梶子行弘:「くれるものはもらいますけど」
芳井春:「いいの。俺が今すごく」
芳井春:「年上の真似事をしたい気分だから」
芳井春:「付き合って」
芳井春:スマートフォンを手に取って。
梶子行弘:「あはは。仕方ないですね」
梶子行弘:クッションを軽く後ろに投げて立ち上がる。
芳井春:それをさっきの位置に戻す。もう一度座れる配置。
芳井春:ずいぶん下にあるつむじ。……11歳のころの自分は。
梶子行弘:「牛乳とか飲んでました? 子供の頃」
梶子行弘:芳井さんを見上げながら。
芳井春:「いや?給食くらい」
芳井春:「おまえの大嫌いな人は、上背はあったか」
梶子行弘:「……そこそこありましたね」
梶子行弘:「強盗犯相手に大捕物して、功績表彰受けてたんで」
梶子行弘:「一時でしたけど、TVでワーキャーって英雄扱いですよ」
梶子行弘:「お母さんを鴉憑きだって言って捨てた奴がですよ?」
芳井春:「ハハ。そら随分と」
梶子行弘:「だからね。ぼくはこのまま有能になって、上り詰めて」
梶子行弘:「芳井さんみたいにとびきりイケメンになってご挨拶に行くつもりなんです」
芳井春:「急に褒めるし」その頭を乱暴に撫で、追い越す。
梶子行弘:すこしでも距離が近づくように背伸びする。
芳井春:「じゃあ、俺はその時には」
芳井春:「その凄い鑑識様と夜遊びした奴だって自慢してやろうかな」
梶子行弘:「どうぞどうぞ。期待しておいてください。ぼくは有能なので、裏切りませんよ」
梶子行弘:少しだけ早足になって、横に並んだ。


GM:ロイス取得のみ可能。取得する方はどうぞ。
梶子行弘:迷うな~~~~~~~
芳井春:梶子行弘 〇感嘆/脅威で取得済み。いい意味でこのままですね
梶子行弘:UGN/芳井春/尊敬:○/嫉妬/ロイス
日生日出人:香上進一郎 誠意:〇/疎外感/ロイス これで取ります
梶子行弘:以上!
香上進一郎:ニャム~
香上進一郎:日生日出人 P○憧憬/N隔意 こう!
GM:OK!
芳井春:やった


【ミドルフェイズ6 三日目・夜】

GM:対応検討のシーンとなります。全員登場お願いします。
梶子行弘:1d10+77
DoubleCross : (1D10+77) → 3[3]+77 → 80

芳井春:芳井春の侵蝕率を1d10(→ 4)増加 (79 → 83)
香上進一郎:香上進一郎の侵蝕率を1d10(→ 6)増加 (84 → 90)
日生日出人:日生日出人の侵蝕率を1D10(→ 4)増加 (70 → 74)
日生日出人:どしたのヒナ


GM:【ニュー九株ビル 5F 輸入家具「ジャス・キューセミ」】
GM:支部長室。君たち全員は集められ、今後の展開についての話し合いの場が設けられている。
矢掛翠:「……まず。調査部の所見から」
矢掛翠:「“エバーグリーン”は、上戸下志帆のレネゲイドを強力に抑制しているのは間違いない」
矢掛翠:「引き離せば、十中八九ジャーム化するでしょう」
芳井春:「……」データが送られたタブレットを見ている。
日生日出人:ちらりと春くんを見る。お茶を淹れた上品なあしらいの湯呑みをみんなに回している。
矢掛翠:「それから、もう一つ。これは推測混じりだけどね」
矢掛翠:「彼女に記憶処理を施した場合でも、同様の結果になると推察されてる」
矢掛翠:「保存した感情が身に覚えのないものであれば、その効果を受けられないだろう、って」
芳井春:「じゃあ、“エバーグリーン”と融合状態を保たせる以外は」
芳井春:「現状維持すら難しいのか?」
矢掛翠:「勿論、今のまま拘束しておくことは出来なくはない。けど。それは」
矢掛翠:「復讐の手段を奪われたまま、恨みだけを募らせていくってことでしょう」
梶子行弘:「八方塞がりってことですか」
矢掛翠:「精神が病んでいけば、レネゲイドの暴走を引き起こしてもおかしくない」
倉間美舞:「拘束ぶち破るために力引き出そうとして侵蝕ぶち上げって感じですかね」
香上進一郎:「……その結果、どれほどに強大な力を持つジャームになるかは、予想がつきません」
香上進一郎:タブレットに写った、虚ろな目をした少女の姿を指でなぞる。
粕屋千夏子:「それ、もちろん普通の逮捕も難しいですよね……?」
梶子行弘:「まず、オーヴァードを拘束する建物がなくないですか?」
粕屋千夏子:「うーん……」
倉間美舞:「つーか。要求はどうするんすか?」
倉間美舞:「ギルドがエバーグリーン。ヤクザがあのガキの身柄。今日すよね期限」
香上進一郎:「上戸下志保から、エバーグリーンを外すことが出来ない以上」
香上進一郎:「どちら共に、良い顔は出来ないだろう」
矢掛翠:「……というよりもね。犯人の身柄を引き渡すっていうのは」
矢掛翠:「彼らの私刑に委ねるということ。もはやエバーグリーンの有無にとどまらない」
矢掛翠:「必ず殺されると見ていいでしょうね」
日生日出人:「できないよねえ、そんなの。んと…人道的に…倫理的に…」
芳井春:支部長へと視線を向ける。
矢掛翠:「……流石にね」嘆息して。
香上進一郎:どこかほっとしたような表情で。
香上進一郎:「では……我々の総意としては?」
矢掛翠:「……それをあなた達と相談したくて来てもらった」
矢掛翠:「どちらにも引き渡したくない、が本音よ」
矢掛翠:「ただ、その判断は、多くを敵に回すことになる」
矢掛翠:「実際に、その矢面に立つのは、あなた達になってしまう」
日生日出人:「どっちもねえ、ふざけんなそんなの~って、言ってくるだろうからねえ」
矢掛翠:「現場のあなた達の意見を無視して、私が上から決められないわ」
日生日出人:「俺達が決めていいの?」
芳井春:「……その責任も、支部長ひとりが背負うことにはなるだろ」
矢掛翠:「最終的に決めるのは私。だけど、あなた達の考えを最大限尊重したい」
矢掛翠:もしかしたら全然斬新な解決策をくれるかもしれないしね、と続けて。
梶子行弘:「二組織を同時に敵に回して、大丈夫なんですか」
矢掛翠:「あまり大丈夫ではないかな……何よりも、一番は」
矢掛翠:「勝ってしまったときね」
矢掛翠:「本格的なFH勢力2つの跳梁を招いてしまう」
梶子行弘:「ああ、例の黒幕が本腰入れて出てくると……」
矢掛翠:「盤上を全部取ってしまっては、むしろこちらの負けになる」
香上進一郎:「味方、敵戦力共に致命的な損害を出さず」
香上進一郎:「“手打ち”になるラインを模索し、それを掴み取る」
粕屋千夏子:「穏便に話し合ってなんとかならないですかね……?」
粕屋千夏子:「あの、実は犯人は死んでました!とか話すとか」
芳井春:「あっちにとっての穏便の最低ラインが」
梶子行弘:「宝石のほうはどうするんですか……」 と千夏子さんに。
芳井春:「引き渡しなんだろう。……そこから甘く済ませる理由がない」
粕屋千夏子:「ん~……偽物作るとか……?」
矢掛翠:「……彼女が発見されたとき、傷を負ってたって言ったわね」
芳井春:頷く。
矢掛翠:「それって、失敗して、反撃を受けた痕なんじゃないかしら」
倉間美舞:「向こうに下手人の顔が割れてるだろうつーことすか?」
矢掛翠:頷いて。「誤魔化しは効かないでしょうね」
矢掛翠:「渡すか、渡さないかの択しかない」
芳井春:「……警察としてはどうなんだ?」
粕屋千夏子:「あっはい!えーっと……」
粕屋千夏子:「犯人の逮捕が難しい以上、そのですね」
粕屋千夏子:「それに代わるものがないと、捜査自体が打ち切りになっちゃうと思います」
梶子行弘:「迷宮入りですね」
粕屋千夏子:「なので、そうですね……例えばですけど」
粕屋千夏子:「組織幹部の逮捕とか。そういう次の目的がないと、警察としては動けないです」
日生日出人:「んん~」
日生日出人:「はあい」挙手。
芳井春:「どうした?」
矢掛翠:「何かしら?」
日生日出人:二人をそれぞれ見る。「ん~とね、エバーグリーンなんだけど」
日生日出人:「そもそも…あれ、ギルドが仕掛けて志帆ちゃんに渡したっぽいじゃん」
芳井春:「ん」
日生日出人:「それさあ、廿雀組が知ったら、怒るじゃん」
日生日出人:「なんか…だから…それ…バレないようにした方がいいのかな…?」
香上進一郎:「楠本は。犯人さえ引き渡せば、手を打つとは言っていたものの」
香上進一郎:「その事実を知った廿雀組が、どう動くかは……想像に難くないかと」
倉間美舞:「逆はどうすか?」
倉間美舞:「わざとリークして潰し合わせるの。そうすりゃウチも楽でしょ」
日生日出人:「凶悪だあ」
粕屋千夏子:「だ……だめですよ!そんなことしたら市民の被害が……!」
粕屋千夏子:「警察は許容できません!」
日生日出人:「そうだよお。UGNの…道義…にも、反するよお」
香上進一郎:「カタギに手を出さない、なんて不文律も知ったことかと口にしていたのは楠本自身」
梶子行弘:「ジャーム化についてなんですが」
香上進一郎:「お前も聞いていただろ」
日生日出人:「ん~?」
梶子行弘:「エバーグリーンを持ってること以外で侵蝕を下げるにはどうしたらいいんです?」
芳井春:「…そりゃあ」
梶子行弘:「仮に助かったとしても、この先ずっとアイテムに頼って維持してくのは無理でしょう」
芳井春:「あれが代替してるような絆を、自前で成立させるしかないんじゃないか…?」
梶子行弘:「そうなると……」
梶子行弘:「彼女の復讐に協力するのはどうです?」
矢掛翠:「……それは出来ない」
矢掛翠:「私が許容しません」
矢掛翠:「オーヴァードに、非オーヴァードの市民を殺戮させるのを認めることはしない」
梶子行弘:「いえ。人殺しを手伝うってわけじゃなく」
梶子行弘:「廿雀組の連中が酷い目にあってるところを目撃させる、みたいな……」
倉間美舞:「殺し方をテメーで再現するやつだろ?」
倉間美舞:「自分の思ったやり方じゃないと満たされないだろ」
梶子行弘:「ふむ。それもそうですか」
矢掛翠:「……もしも。うちで彼女の身柄を抑えるのであれば」
矢掛翠:「一つだけ。ジャーム化を確実に抑える方法は、なくはない」
梶子行弘:「え、あるんですか?」
日生日出人:「…ああ」
日生日出人:「凍結させちゃう?」
矢掛翠:「……ええ」
粕屋千夏子:「凍結……?」
梶子行弘:「なんですかそれ」
梶子行弘:明らかに嫌な響きだ。
日生日出人:「あのね。昨日説明した通り、今の技術で、ジャームを直す方法は見つかってない……から」
日生日出人:「UGNが、暫定…的に、ジャームに対して処置してる方法。凍結させて眠らせて、技術が確立するまでそのままにしておくの」
梶子行弘:「…………」
梶子行弘:「……その……。」
梶子行弘:「それ、かなりぎりぎりではないですか……?」
梶子行弘:色んな意味で。
日生日出人:「んん」困ったように笑う。
矢掛翠:「ええ。だけど、私達にはそれ以上の手段を持ち得ない」
矢掛翠:「残念ながら、万能の組織ではないのよ、今も」
矢掛翠:「何もかも魔法のように上手くは行かない」
芳井春:「……UGNでも、FH産のアイテムを持ち込んでるやつだの」
芳井春:「どこからか分からねえ遺産だのRBとほとんど共生してるやつはいる」
芳井春:「……エバーグリーンを手放さずに済むなら、その場凌ぎでも」
日生日出人:「春くん」遮るように言う。
芳井春:視線を向ける。
日生日出人:「…えっと、…通例…的にね」 警察の二人を見る。
日生日出人:「UGNが、もし、フリーのオーヴァードを保護した時は…最初に見つけた人が、その…監督する責任を負う事が多いの」
日生日出人:「だから……、んん、こんな理屈は、本当は、どうでもよくて」
日生日出人:「春くん、志帆ちゃんのこと、どうしてあげたいの?」
芳井春:息を溢すように笑う。「……そりゃあ」
芳井春:「いくらでもその場凌ぎをさせてやりたいよ」
芳井春:「解決なんて」
芳井春:「……そこまでのことは望んでない」
矢掛翠:「……」
日生日出人:「うん」頷く。「遠慮してない?」
芳井春:「これ以上の贅沢はないだろ」
芳井春:「選ぶ余裕すら、迷う猶予すら、なかったやつに」
芳井春:「いくらでも時間をあげられることよりさ」
日生日出人:「……うん」深く頷く。
日生日出人:「じゃあ、あの、みんなで…、志帆ちゃんを引き渡さないで、俺達が勝ち過ぎず、済む方法、考えたいです」
日生日出人:「まず、そもそも…今日の、廿雀組とギルドとの交渉、乗り切らないと」
香上進一郎:梶子くんと千夏子さんに視線を向ける。
日生日出人:「志帆ちゃんのことも、考える余裕、なくなっちゃうから…」
粕屋千夏子:視線を感じてピリッとする。
梶子行弘:「どちらにも、渡すつもりはないんでしょう?」
香上進一郎:「お二人の立場上。拭えないものは在ると思います」
香上進一郎:訓練場での彼との会話を思い出す。
香上進一郎:「先延ばしにしている、と言えば、それまでかもしれませんが」
香上進一郎:「しかし、遠回りでも。現時点で。確実な方法であることは。確かです」
香上進一郎:「ご容赦頂けますか」
梶子行弘:「ぼくは裁く権利はありませんから」
梶子行弘:「それに、同年代の子が、ヤクザに殺されるのを見過ごすのはいやですね」
粕屋千夏子:こくこく頷く。「あっ……はい!」
粕屋千夏子:「あなた達の判断を信頼します!」
日生日出人:「んふふ……うん。ありがとね」ふにゃふにゃ笑う。
梶子行弘:(……とはいえ。他人に唆されて、異常な力に浮かされていたとしても)
梶子行弘:「何かの落としところが、あるべきでしょうね」
日生日出人:「んん、そうだね…。なにもかもお咎めなしってわけには、いかないよねえ」
梶子行弘:「それと、たとえば死亡や破損を偽装するにしても、どうするんですか?」
梶子行弘:「それが両組織の前に晒されなきゃいけない」
日生日出人:「ん……」考える。「偽装、だよね」
日生日出人:「ちょっとの間、志帆ちゃんが死んじゃったって、誤魔化せればいいんだよね」
倉間美舞:「あ~……」
倉間美舞:「まあじゃあ問題ないすね」なんでもないことのように言う。
日生日出人:「俺、できるよ」
日生日出人:頷く。「見た目、なんにでも変えられるもん」
梶子行弘:「へ」
香上進一郎:そうか、と呟いて。「いや、しかし……」
梶子行弘:唖然と見やる。「……え、他人にもなれるんですか!?」
粕屋千夏子:「ええ……?」理解が追いついていない。
芳井春:「……死体なら」
日生日出人:「んふふふ~。俺さまは《ウラハラ》だからね。なんにでもなれるのだ」いばる。
芳井春:「たぶん、破壊された後の死体なら俺が作れるよ」
香上進一郎:「かなりの危険を伴いますが……」
日生日出人:「俺が志帆ちゃんのふりをしておびきよせて、どっかで春くんが作った死体と交代する…」
日生日出人:「……でも、やるよ。俺ならできる仕事だし。大丈夫だよお」
日生日出人:「みんな、援護してくれるでしょ~」
倉間美舞:「ま~そのへんはウチらが上手くやりますよ」
梶子行弘:「両組織を揃っておびき出すなら、一般人を巻き込まない場所がいいですね」
倉間美舞:「これで負荷掛けたらダセーんで」
芳井春:俯くようにヒナセを見て、何かを言おうとして、黙る。
日生日出人:「んふふ…」ゆきくんを見る。
日生日出人:「どこか、場所、思いつくところあるの?」
梶子行弘:「そんな急に言われても……」
日生日出人:「有能鑑識でしょ~」
梶子行弘:「うーん……」
梶子行弘:「海辺はどうですか。前に社会見学で見ましたけど」
梶子行弘:「海岸沿いの市境のあたりに、昔の造船所跡がありますよね」
粕屋千夏子:「あ、解体業者が談合で捕まって放置されたままのやつだよね」
梶子行弘:「それです。今は立ち入り禁止になってる」
日生日出人:「あっ、だからあそこ観光施設にもなってないんだ……」
香上進一郎:「近辺に住居無く、広さも申し分ない」
香上進一郎:「作戦には妥当だと」
倉間美舞:「つってもウチらじゃ包囲する数はなくないすか?」
倉間美舞:「逃げの一手打たれたら逃しますよ」
梶子行弘:「あれ。組織を両方とも呼んで、潰し合わせるんじゃないんですか?」
梶子行弘:「出会い頭の抗争の方が、うっかり『目標』に当たって死なせやすくなると思いますけど」
倉間美舞:「どっちも全滅したら困るんだよ」
日生日出人:「そこは…」
日生日出人:「俺達が、全滅しないよう、抑える!」
倉間美舞:「そう。放置ってわけにゃ行かねえ」
矢掛翠:「……包囲線を敷くなら、警察からの支援も不可欠でしょうね」
梶子行弘:「なんだか、手のかかる反社団体ですねえ……」
矢掛翠:「長坂の逮捕を餌に、彼らに協力要請をしましょう」
□警察への増援要請 交渉 情報:警察 難易度15
 └必要項目【“六座頭”長坂泰彰】【“順嵐”楠本磊】
GM:上記の判定が可能です。
芳井春:『使い物にならない』/Dロイス【組織の助力】を使用。
能力値10、技能LV5として判定。あと一回になります。

GM:OK!判定をどうぞ。
芳井春:えーとでは おまえが頼りだよ
血肉細工:ふりまあす
血肉細工:12dx+5
DoubleCross : (12DX10+5) → 10[3,4,5,5,5,7,8,8,8,9,9,10]+10[10]+7[7]+5 → 32

GM:すご!
日生日出人:ヤバッ
日生日出人:抱いたのか
香上進一郎:血肉せんぱ~い♡
芳井春:ふふ……えらいぞ……
GM:では警察への増援要請にも成功しました。
芳井春:やったー!
GM:クライマックスで以下のNPCカードを使用できます。

粕屋千香子  タイミング:イニシアチブ
 ギルドと名のつくエネミーが全滅しているときにのみ使用可能。長坂を逮捕拘束する。
芳井春:えらすぎだろ
香上進一郎:すごない?
GM:まあ本人というか +警察組織の力というわけ
香上進一郎:警察組織の助力
梶子行弘:千夏子さん優秀だった
日生日出人:公権力はこっちのものだぜ!
芳井春:組織サイコー♡
日生日出人:「………」
日生日出人:「じゃあ春くん、一緒に行ってきてね」
芳井春:俯いていた顔を、重たげに上げる。
日生日出人:「志帆ちゃんの監督者なんだし」
日生日出人:「一番めんどくさいとこ、支部長と一緒に責任とって行ってきてください~」
矢掛翠:「……そうね」
矢掛翠:「お願いしていいかな」
芳井春:(……どこまでも、俺は)
芳井春:(恵まれて、助けられてる)
芳井春:「………是非」
芳井春:「よろしくお願いします」
芳井春:頭を下げる。
日生日出人:春くんを横目に見る。
芳井春:なんでも持っているんだもんね、と聞こえた気がして。
芳井春:そうだよ、と心のうちで返す。
日生日出人:この後なにか話しかけようか考えていて、いやいらないか、と、やめた。


GM:シーン終了。ロイス取得と、最後の購入が可能です。
日生日出人:ロイス満タンマン
香上進一郎:ロイスは取れない故スキップ
芳井春:ロイスは保留。いま取りたい人にはみんな取ってる。
梶子行弘:購入だ……
梶子行弘:やるぜぼくは ブルーゲイル
梶子行弘:4dx+1
DoubleCross : (4DX10+1) → 7[1,2,6,7]+1 → 8

香上進一郎:いけいけゆきひろ やれやれゆきひろ
香上進一郎:アアーッ
日生日出人:ゆき…!
香上進一郎:かたきをとる ブルゲいきます
梶子行弘:父さん……!
香上進一郎:4dx+1>=20
DoubleCross : (4DX10+1>=20) → 7[2,3,6,7]+1 → 8 → 失敗

香上進一郎:同値!
芳井春:やるか
芳井春:私がではない 貴様だ肉塊ちゃん
血肉細工:5dx
DoubleCross : (5DX10) → 10[1,6,7,8,10]+5[5] → 15

香上進一郎:こりは……
香上進一郎:バディムーブの時間ですかな?
日生日出人:お前は香上!
GM:たりんくない?
血肉細工:あたい
香上進一郎:じゅしゃって財産つかえるn?
GM:使えない
血肉細工:財産つかえないよねたぶん
血肉細工:おにくだから
香上進一郎:トホホ~!
日生日出人:血肉細工ちゃん、HP5点失うとやばい?
血肉細工:ううん!
香上進一郎:あなたは……日生!?
血肉細工:どうせ死ぬだけなので
日生日出人:じゃあ…こいつをあげる 《宵闇の魔花》
血肉細工:ヒナセくん……………
日生日出人:達成値+5できるぜ ただしHP5点を失ってもらう
GM:ワア……!
血肉細工:HP10になるよお
血肉細工:買えたよっ
日生日出人:日生日出人の侵蝕率を4(→ 4)増加 (74 → 78)
血肉細工:ありがとー!
血肉細工:ブルゲほしいひとー
香上進一郎:わたしだいじょうぶ!
日生日出人:フッ そこの少年に渡してしまいな
血肉細工:まあー!
香上進一郎:これがオレたちのチームプレイってワケ
血肉細工:あげるねえー!
日生日出人:こっちはワンチャン高速振動ブレードねらいでいきます
日生日出人:6dx+1>=20
DoubleCross : (6DX10+1>=20) → 8[1,4,4,5,7,8]+1 → 9 → 失敗

日生日出人:だめだった いじょ!
香上進一郎:たかい
梶子行弘:ありがとう血肉細工さん
芳井春:いちお本体ができたか
梶子行弘:父さんにもこんなプレゼントは貰ったことないのに……
日生日出人:絵面がホラーなんよ
香上進一郎:あなたが父さんだったんですね
芳井春:1dx+1
DoubleCross : (1DX10+1) → 6[6]+1 → 7

芳井春:まあむりやな…
芳井春:いじょ
日生日出人:春きゅん…!あたし分かってるからね
梶子行弘:以上です
芳井春:ヒナセ…


【クライマックス 三日目・夜】

GM:全員登場お願いします。
梶子行弘:1d10+80
DoubleCross : (1D10+80) → 9[9]+80 → 89

香上進一郎:香上進一郎の侵蝕率を1d10(→ 6)増加 (90 → 96)
芳井春:芳井春の侵蝕率を1d10(→ 7)増加 (83 → 90)
日生日出人:日生日出人の侵蝕率を1D10(→ 8)増加 (78 → 86)
梶子行弘:グエーッ
芳井春:カガミン…
香上進一郎:5以下 出ず
日生日出人:かなしい


GM:【九株市警察署前】
GM:警察への協力関係の取り付けは完了した。
GM:条件は「“六座頭”長坂泰彰の、身柄の引き渡し」だ。
GM:犯罪界の大物の逮捕は、彼らにとっては十分な戦果となる。
矢掛翠:「粕屋さんも、意外とやり手ね」車を運転しながら。
矢掛翠:「周りに根回ししてくれてたみたい。思ったよりもトントン拍子だった」
芳井春:「すごいな。てっきり世話係くらいかと思ってた」助手席。窓ガラスに視線を向けている。
矢掛翠:「……」
芳井春:どことなく似た顔が映っている。似ているというのは感傷か自意識過剰かもしれないが。
芳井春:「これでも」
芳井春:「俺は、無駄に昇進だの評価だのは気になってて」
芳井春:「そういうの、……下げられたりされてんだろうなってのも、気にしたりする」
矢掛翠:「それ、自分のじゃないでしょう」
芳井春:夜に話した少年のことを思い出す。彼と自分の、話の合わなかったところ。少し似ていて違ったところを。
芳井春:「そりゃ」
芳井春:「うん」
芳井春:「俺はいいじゃん」笑う。
矢掛翠:はあ、と溜め息を吐いて。「いいのよ、人のことなんか」
矢掛翠:「春も。別に、ここでのし上がれなんて言わない」
矢掛翠:「茨の道だもの。面倒事ばかり増える」
芳井春:横顔を見る。昔より疲れているような気がする。自分がそれに気づいただけか。わからない。
矢掛翠:薄給だしね、と付け加えて。
芳井春:「でも、母さんは昔からやめないな」
矢掛翠:「……どうしてかな~……」
矢掛翠:「辞め時を見失っちゃった」
芳井春:「……あんまり」
芳井春:口を開きかける。俺に何が。……そういうのは。
芳井春:(俺よりもっと……)
芳井春:息を吐いて。
矢掛翠:「……こういうこと。言われたくないでしょうけど」
芳井春:「ん」
矢掛翠:「あなたは、何か考えてるの?」
芳井春:「何を。今後?」
矢掛翠:「ええ、これからのこと。別に、絶対うちで、とかじゃない」
矢掛翠:「労働厚生省の嘱託職員としての職歴を使えば、それなりに自由は効く」
矢掛翠:「大学ほどじゃないけど」
芳井春:「……俺は」
芳井春:「一度、目に入って、情が湧いたら、…手放すのができないから」
芳井春:「似てんだろうな」
芳井春:「そういうのばっか」
矢掛翠:「……」
矢掛翠:「……上戸下志帆は、あなたのせいじゃない」
矢掛翠:「取り上げる判断をしたのは私」
芳井春:「そんな風に言われて、そうですかって言えねえよ」笑って。
芳井春:「大丈夫だよ、俺は」
芳井春:「周囲に恵まれてる」とだけ、返す。
矢掛翠:「……そう」
矢掛翠:「じゃあ、きっと」
矢掛翠:「私も周りに恵まれてたから、こう出来ちゃったんだろうな」
芳井春:窓に映る、顔を見る。やはりよく似ていて。
芳井春:どうしようもない。


GM:NPCカードが使用可能になりました。

"エスキース"矢掛翠  タイミング:バックトラック
 バックトラックのダイスを振る前に、2d10侵蝕率を減らしてもよい。


GM:【九株市市境部 造船所跡】
GM:戦場となるであろう指示地点。偽装に向けた準備を進めている。
倉間美舞:見張り役として後ろ手に腕を組んで立っている。
日生日出人:《擬態の仮面》。上戸下志帆を模した少女の外見に変化している。
倉間美舞:それをじっと見る。「マジでわかんね~」
日生日出人:「んへへ~。かわいいっしょ~」
日生日出人:ふにゃふにゃ笑う。表情の作り方は日生日出人だ。
倉間美舞:「かわい~」気のなさ気な返事。
日生日出人:「もうちょっとしたら目隠しと、猿轡もしちゃってねえ」 気にする様子もない。
倉間美舞:「え~先輩にやるの気が引けますわ」
日生日出人:「うそだあ」 けらけら笑う。
倉間美舞:「ほんとですぅ」わざとらしい声音を作る。
日生日出人:「ん~? ねえ~、みまちゃんはさあ」
倉間美舞:「なんすか?」
日生日出人:「落ち込んでたり、してない? 大丈夫?」
倉間美舞:「何にっすか?」
日生日出人:「えっ、だから、志帆ちゃんのこと」
日生日出人:「志帆ちゃんのこと、大変だったからさあ。あっ、いまの俺の姿で言うのもあれだけど…」
倉間美舞:「あ~~~……」
倉間美舞:「でもぶっちゃけ、なんつーか」
倉間美舞:「ウチらが出来たこと全然なくないです?」
日生日出人:「んん~~」
倉間美舞:「なんかシクってああなったとかならまあまあ凹みますけど」
日生日出人:「そうだねえ」首を傾げる。「みまちゃんは、冷静だなあ」
倉間美舞:「ん~」
倉間美舞:「まあ、確かにウチ以外はみんなわりと熱血すよね」
倉間美舞:「熱血ってか……なんつーか」
倉間美舞:「情け深い?」
日生日出人:「んはははは」 ころころ笑う。
倉間美舞:「その顔でやると慣れね~」笑う。
日生日出人:「ちゃんと表情つくれるようにしとかなきゃ」 頬を撫でながら言う。「…俺ねえ」
日生日出人:「最近、思うんだけど」
日生日出人:「でもさあ、たぶん、そうなっちゃうんじゃないかなあ。UGNなんて、いると」
倉間美舞:「なんてとか言っていいんすか?」
日生日出人:「やばいかなあ」ふにゃふにゃ笑う。「だって、基本、陽の目見ないしさあ。お節介でなりたってるじゃん」
日生日出人:「今回だって、春くんが志帆ちゃん拾わなきゃ、そもそもこうならなかったかもだしねえ」
倉間美舞:「ん~、まあそうすね」
倉間美舞:「拾わなかったらクソどもがイキって蔓延りっぱなしでしたね」
日生日出人:「言葉遣い悪すぎるよお~」
倉間美舞:「え~……」
倉間美舞:「……彼らはより活気づいてこの街の支配を強めたでしょうね」
日生日出人:「よくできましたあ」
日生日出人:「みまちゃんは?」
日生日出人:「仕事、好き?」
倉間美舞:「ウチっすか?」
日生日出人:「うん」
倉間美舞:「ん~まあ仕事の中ではだいぶマシじゃないですか?」
倉間美舞:「他の仕事したことないですけど」
日生日出人:「んふふふっ」笑う。「俺も~」
日生日出人:「せめてさあ」
日生日出人:「全部終わったら、みんなで美味しいゴハン食べれるといいよね。それで元気出る人もいるかもだし」
倉間美舞:「あ~いいすね。てかウチもなんかいいもの食いたいです」
倉間美舞:「奢って下さいよ」
日生日出人:「ん~? しょうがないな~」
日生日出人:「モツが美味しいお店連れてったげるよ」
倉間美舞:「チョイス渋くないです……?」
日生日出人:パイプ椅子にぴょんと座る。足をぷらぷら揺らす。
日生日出人:「これからまみれるから」ころころ笑う。「食べたくなりそうだなあって」
倉間美舞:「うわあ」
倉間美舞:「趣味悪」
日生日出人:「んへへへへへ」
日生日出人:「そういうみまちゃんこそ、男の趣味…」
日生日出人:「良かったかあ」視線で目隠しを促す。
倉間美舞:「いいすね。どうせ悪趣味な仕事ですし……あ?」
倉間美舞:「お子様にはガールズトークは早えんじゃないですか」目隠しを持って、目の前の子供に付け始めた。


GM:NPCカードが使用可能です。

"ミクトラン"倉間美舞  タイミング:リアクション/ラウンド1回
 攻撃を受けた時に使用。リアクションを放棄することで、白兵攻撃で反撃できる。
 メジャーアクションのエフェクトを組み合わせ可能(侵蝕率は上昇する)。


GM:そうして約束の時は来る。
GM:ざ、と。ギルドの人間たちが、廃造船所へと踏み込んだ。
長坂泰彰:「どうやら要請に応じていただけたようで、なによりですな」
“マルティン・マルキ”:傍らには銀髪褐色の美女の姿がある。
日生日出人:目隠しと猿轡をされた少女が、緑の宝石がきらめく首飾りをかけて、拘束されている。
日生日出人:(…俺、いないからなあ~)
日生日出人:(変に思われないといいなあ~)
長坂泰彰:「ふむ……しかし」
長坂泰彰:「名代はまた別なのかな、今日は?」
芳井春:大柄な男。少女に視線を軽く流して。
芳井春:「そちらにだけ豪勢に出迎えられるほど」
芳井春:「うちの人員は潤沢ではないもので。ご容赦願いたいところです」
長坂泰彰:「ふむ。まあ我々としても、懐を探りたいわけではないさ」
長坂泰彰:「秘密は適度に守られたほうが、よりよい関係を築けると思うからね」
香上進一郎:男の隣に並び立った少年が、意を探るように視線を飛ばす。
香上進一郎:「(あれが……ギルドの“宿老”)」油断すれば気圧されるような雰囲気に、僅か身構えて。
芳井春:警察の方にはある程度動けるように連絡がしてある。そしてこちらにも。
芳井春:一名、警察の人員を置いている。
梶子行弘:暗い色のレインコートですっぽりと顔を隠して、志帆(の姿をした日生さん)の背後に立つ。
日生日出人:「~~~!!」モゴモゴと叫び、じたばた暴れてみる。話を早められるよう。
長坂泰彰:「怯えることはない。我々は君に危害を加えるつもりは――」
倉間美舞:少女が別の入口の前。扉を開き、手招きする。
日生日出人:ついでに、注目も集められる。
GM:そこから男たちが流れ込む。
芳井春:(来たか)
楠本磊:「長坂ァァァァ……!」
楠本磊:「テメエの差し金かやっぱり!まとめておっ死ね!」
GM:部下たちが拳銃を乱射し、それが拘束された少女へと飛ぶ。
長坂泰彰:「……何」
“マルティン・マルキ”:彼の前に立ち塞がり、飛び来る銃弾が宙空で融け落ちた。
日生日出人:「っ!」受け、小柄な身体が掃射の威力に耐えられなかったとばかりに、派手にもんどりうつ。
芳井春:飛来した銃弾を、分かっていても目で追い。「……」
日生日出人:首飾りは無惨に砕け、衣服が赤く染まる。臓物が飛び散る。
“マルティン・マルキ”:「……ワオ」そちらを見て。
梶子行弘:声を挙げかけるも、銃撃にこちらも横っ飛びする。
楠本磊:「ナメたマネしやがって……!テメエごと沈めてやろうか、あ?」
梶子行弘:「廿雀組!」
梶子行弘:オマケ程度だが、想定外というように呻く。
香上進一郎:ぎり、と奥歯を噛み締めてから。駆け出し、少女の傍へ。
長坂泰彰:「……これは」
香上進一郎:「……どうやら」
長坂泰彰:「どういうことかな」女の影に隠れたまま。
香上進一郎:「想定外の事態のようです。お互いに」
長坂泰彰:「我々が追跡を許した覚えはないが」
芳井春:「あなたがたが痕跡を消しても」
芳井春:砕けた宝石の欠片が靴に当たる。「……あなたがたが付けてきた傷跡は」
芳井春:「いくらでも追いかけてきた」
長坂泰彰:「……残念だ」
長坂泰彰:「君たちとはいい関係を築けるかと思っていたが」そう言うと、彼は身を翻して去っていく。
倉間美舞:(逃げ切れると思ってやがる)
日生日出人:蹴飛ばされた人形のように転がっている。
梶子行弘:「残念?」
梶子行弘:「――自業自得でしょう。“宝石屋”」
長坂泰彰:「……」
梶子行弘:出入り口近く。うち捨てられ、錆びた機材。瓦礫の一つ一つ。
梶子行弘:それら全てが、突然に鴉の姿に変え、出口を塞ぐように獰猛に襲いかかる。
梶子行弘:それだけで打ち倒すほどではないが、簡単に潜り抜けはできない密度だ。
長坂泰彰:「……フン」
長坂泰彰:「火の粉を払ってもらおうか、“マルティン・マルキ”」
“マルティン・マルキ”:「アハ」哄笑して。「オーケー」
楠本磊:「どうやら身の振りを教えてもらったらしいな」香上に向けて言う。
楠本磊:「そのままそいつ抑えてろ。うちの若えのが取る」
香上進一郎:「お陰様で」氷のように冷たい瞳を、男に向ける。
香上進一郎:「楠本さん」
楠本磊:「あ?」
香上進一郎:「廿雀組、連続焼死事件の犯人は。そこで今、くたばった少女です」
楠本磊:「ああ。知ってるよ」
楠本磊:「うちにそいつを見たやつがいてな。殺されかけたと」
香上進一郎:「だったら───」
香上進一郎:「この辺で、矛を収めては如何ですか」
香上進一郎:「幹部だけじゃ、済まなくなりますよ」
楠本磊:「何。こいつらにゃムショ行く覚悟は出来てるよ」
楠本磊:「長坂取って、中でツトめて」
楠本磊:「戻ってこりゃ幹部だ」
香上進一郎:「……ごく、短い付き合いですが」
香上進一郎:「貴方がそう言うのであれば、そうなんでしょうね」
香上進一郎:「誠実な人だ」
梶子行弘:「柱が倒れます! 気を付けて!」その背後。ギギギィ。銃撃を受け、脆くなった大柱が傾ぐ。
梶子行弘:志帆の姿を押し潰す――覆い隠すように。
日生日出人:(! たすかるっ) 柱に隠れ、ぬるりと姿を消す。《猫の道》。人ならざる道を行き、退避。
香上進一郎:視線を一瞬、少女に。僅かに頷いて。
香上進一郎:「だから」
香上進一郎:「オレも。そうでありたい」
楠本磊:一瞬その破壊に目をやるが、その言葉に視線を戻す。
香上進一郎:鳴らした拳を、顎の下で構える。
香上進一郎:「無理矢理にでも。手打ちにさせて貰います」
楠本磊:「……あ?」
GM:その言葉と同時、無数のサイレンが鳴る。
GM:どこからか、ではない。四方からだ。
楠本磊:「……テメエら、まさか」
楠本磊:「俺らをまとめてハメやがったのか」
香上進一郎:「お互い、オーヴァードですから。死にはしません」
香上進一郎:「でも、そうだな」
香上進一郎:「“組長(オヤジ)”さんには。宜しく言っといてください」
楠本磊:「ダボがア……!」タバコを捨て、白鞘を抜いた。
GM:クライマックス戦闘を開始します。
GM:まず、勝利条件と敗北条件です。
芳井春:おお
GM:勝利条件:楠本の戦闘不能+長坂の拘束
GM:つまり実質的に倒せばいいユニットは3体です。
香上進一郎:なるほどなるほど
GM:敗北条件:PCの全滅 もしくは 廿雀組陣営の全滅
日生日出人:あっ そこ全滅させちゃだめなのか なるほど
芳井春:エッチ拷問シークエンスできそう
GM:ヤクザ陣営を倒しすぎると、FHの本格的な人材供出が始まってしまうということですね。
芳井春:なるほどね
GM:トップだけをUGNで拘束する形が望ましい。
香上進一郎:覚悟せよ!
梶子行弘:首だけ落としてやるぜ
日生日出人:楠本以外の廿雀組陣営は"FH傭兵"“鉄砲玉”の2ユニットって判断で大丈夫ですか?
日生日出人:傭兵は正確には廿雀組じゃないから…とかない?
GM:どっちも!
日生日出人:おっけ!よかった!
芳井春:りょ
梶子行弘:りょです
GM:エンゲージですが、少しだけ特殊です。
   [空き]
    |
    5m
    |
    UGN
   / \
  5m   5m
 /     \
ギルド―5m―廿雀組―5m―FH
 |
 5m
 |
[空き]
GM:このような形になっており、三角形状の構造で
GM:それぞれの勢力の後ろ5m位置にも、踏み込める地点があります。
梶子行弘:移動先がそこしかダメって感じ?
GM:移動先はこの6箇所のいずれかのみとなります。
【UGN】
芳井[6]日生[9]梶子[8]香上[7]肉塊[9]

【ギルド】
“マルティン・マルキ”[9]ギルド精鋭1[14]ギルド精鋭2[14]

【廿雀組・前】
楠本[7]鉄砲玉1[4]鉄砲玉2[4]鉄砲玉3[4]鉄砲玉4[4]

【廿雀組・後】
FH傭兵1[6]FH傭兵2[6]FH傭兵3[6]FH傭兵4[6]
GM:多いな 多いです
日生日出人:うおお やってやるぜ
芳井春:がんばる!
香上進一郎:ヤッテヤルデス
梶子行弘:やるわ
GM:ではまず、衝動判定です。難易度は9。
日生日出人:4dx>=9
DoubleCross : (4DX10>=9) → 9[3,5,5,9] → 9 → 成功

芳井春:『使い物にならない』/Dロイス【組織の助力】を使用。
香上進一郎:5dx+3>=9
DoubleCross : (5DX10+3>=9) → 9[3,4,6,6,9]+3 → 12 → 成功

芳井春:能力値10(ダイボ・ペナで今回は9)、技能LV5として判定。最後!
日生日出人:日生日出人の侵蝕率を2d10(→ 12)増加 (86 → 98)
香上進一郎:香上進一郎の侵蝕率を2d10(→ 4)増加 (96 → 100)
梶子行弘:8dx+2
DoubleCross : (8DX10+2) → 10[1,2,3,3,7,10,10,10]+7[1,4,7]+2 → 19

芳井春:9DX+5>=9
DoubleCross : (9DX10+5>=9) → 10[2,5,6,7,8,8,10,10,10]+8[2,7,8]+5 → 23 → 成功

GM:みんなすご
香上進一郎:惜しいんだよナ
日生日出人:ふたりともすごい
芳井春:芳井春の侵蝕率を2d10(→ 10)増加 (90 → 100)
梶子行弘:くっ組織に負けた
梶子行弘:2d10+89
DoubleCross : (2D10+89) → 8[2,6]+89 → 97

梶子行弘:まあ……悪くは……ないか……
GM:では、セットアップから。
GM:ギルド陣営はありません。
日生日出人:こちらもないよ~
芳井春:ナイデース
血肉細工:ないわよ~
香上進一郎:ありませぬ!
梶子行弘:ブルーゲイル温存! なしです
楠本磊:《王者の威声》《速攻態勢》《支配者の瞳》。
香上進一郎:なんだあーっ
GM:同エンゲージ、鉄砲玉の攻撃力を+20,行動値を+6,攻撃達成値を+20。
芳井春:コワ
香上進一郎:オイオイオイ
日生日出人:ひええ
【廿雀組・前】
楠本[7]鉄砲玉1[10]鉄砲玉2[10]鉄砲玉3[10]鉄砲玉4[10]
GM:セットアップは以上です。
GM:イニシアチブ14。ギルド精鋭の手番から。
GM:1はUGN組、2はヤクザ組を攻撃します。
GM:マイナーなし、メジャー《コンセントレイト》《小さな塵》《レーザーファン》《スピットファイア》。
GM:UGN組のエンゲージ全員に攻撃。
ギルド精鋭:7dx7
DoubleCross : (7DX7) → 10[1,2,3,3,7,8,8]+6[2,5,6] → 16

香上進一郎:これは……
梶子行弘:回避の目があるのでは?
芳井春:ドッジしてみるか
香上進一郎:かけてみよう。ドッジ。
梶子行弘:うおーっ うなれーっ
香上進一郎:5dx+1>=16
DoubleCross : (5DX10+1>=16) → 9[3,5,5,7,9]+1 → 10 → 失敗

芳井春:3DX+0@10 回避
DoubleCross : (3DX10) → 10[4,8,10]+5[5] → 15

香上進一郎:クソッ
梶子行弘:3dx
DoubleCross : (3DX10) → 7[3,4,7] → 7

日生日出人:3dx>=16
DoubleCross : (3DX10>=16) → 7[2,3,7] → 7 → 失敗

芳井春:あ
香上進一郎:春ぴいけるな
日生日出人:ニャ~ッ
香上進一郎:バディる?
芳井春:バデムいけるかも
日生日出人:しておこ!
梶子行弘:バディチャンス!
香上進一郎:します!バディムーブで達成値+3!
芳井春:おす、回避
香上進一郎:春先輩に
芳井春:18に。
GM:本体は回避できても……
GM:従者はどうかな!
香上進一郎:そうじゃん!
血肉細工:ガードするっ
血肉細工:そしてメジャー放棄で香上くんをカバーします
香上進一郎:血肉先輩……♡
血肉細工:で、ガードしたので
血肉細工:コンボ『いなくなれ、と■は言う』/《自動触手》《蒼き悪魔》《餓鬼魂の使い》
血肉細工:30のHPダメージと邪毒レベル3をギルド精鋭に付与する。
芳井春:芳井春の侵蝕率を8(→ 8)増加 (100 → 108)
GM:OK!そのダメージではまだ死にません
ギルド精鋭:ダメージロールします。
ギルド精鋭:2d10+23 ガード装甲有効
DoubleCross : (2D10+23) → 11[8,3]+23 → 34

梶子行弘:ボディアーマー装甲8、体力28 HP2残る!
GM:マジかよ
香上進一郎:やっぱりUGNの装備は優秀なんだあ…
血肉細工:しにまーす
血肉細工:消滅!ドロン
日生日出人:死にますん
日生日出人:リザレクト!
日生日出人:1d10
DoubleCross : (1D10) → 1

日生日出人:えらい!!
香上進一郎:リザレクトがうまい
日生日出人:日生日出人の侵蝕率を1(→ 1)増加 (98 → 99)
日生日出人:HP1で復活します
GM:うますぎ
芳井春:うまい!


GM:ギルドの兵士が、君たちへと面制圧するように機関銃を叩き込んだ。
GM:それらは光を引きながら君たちの元へと殺到した。
香上進一郎:光線が殺到する刹那、爆音。
血肉細工:少女の死体があった箇所から血肉が立ち昇る。
芳井春:本人は身を低く瓦礫に紛れ。
血肉細工:組み上げられ、香上さんの眼前で銃弾の一部を受け、爆ぜる。
芳井春:「……おし。香上!」
香上進一郎:瓦礫に亀裂が走ったと同時、一歩。見知った血従の姿が崩れると共に。僅かに頷いて。
芳井春:笑い、視界にはない背を叩くような仕草で送る。
香上進一郎:胸に灯るそれの勢いは増して。駆けてゆく。
梶子行弘:UGNの強化レインコートで銃弾を受ける。が「痛ったぁ……!」衝撃は防ぎきれない。相手を睨み付ける。
GM:ギルド精鋭2はヤクザ陣営を攻撃します。
ギルド精鋭:同じく《コンセントレイト》《小さな塵》《レーザファン》《スピットファイア》。
GM:後方のFH部隊を狙う。
ギルド精鋭:7dx7
DoubleCross : (7DX7) → 6[1,3,3,4,4,5,6] → 6

GM:???
日生日出人:ギルドって…ヒソヒソ
芳井春:ヒソ…
梶子行弘:だから最低ダイス7は信用ならんっていつも言ってるのに
香上進一郎:本気出せよ!
FH傭兵:《イベイジョン》16につき回避。
GM:本職には勝てないのかよ
梶子行弘:そっちはただのギルド! こちらはギルドを焼き尽くすFH!
梶子行弘:能力は完全に上下関係にある……
GM:では次の手番。鉄砲玉が動きます。
GM:大型拳銃で素撃ち。
GM:1,2はギルドを、3,4はUGNを攻撃。
GM:choice[マ,1,2]
DoubleCross : (choice[マ,1,2]) → 2

GM:choice[マ,1]
DoubleCross : (choice[マ,1]) → 1

香上進一郎:マ狙って♡
芳井春:マたおして
GM:まずこっち処理しよう
GM:3DX+20
DoubleCross : (3DX10+20) → 8[3,7,8]+20 → 28

GM:3DX+20
DoubleCross : (3DX10+20) → 10[1,9,10]+10[10]+9[9]+20 → 49

GM:???
芳井春:鉄砲玉すげえ
日生日出人:www
香上進一郎:やっぱりエグイスね 達成値+20は
芳井春:ギルドの時代は終わりだな
日生日出人:ギルドって……ヒソヒソ
梶子行弘:精鋭じゃーん
GM:3d10+25
DoubleCross : (3D10+25) → 13[3,9,1]+25 → 38

GM:5d10+25
DoubleCross : (5D10+25) → 31[10,5,1,8,7]+25 → 56

香上進一郎:せ~の、カシラ、サイコ~~~!!
芳井春:鉄砲玉 優秀
梶子行弘:いやつっよ!!
日生日出人:楠本ニキ~~!!
芳井春:カシラ―!
梶子行弘:鉄砲玉の固定値じゃねーだろ
GM:精鋭1は死ぬ!削られてるから
芳井春:やっちまってくだせえ!ギルドを!
芳井春:おお
GM:2も結構喰らいました
香上進一郎:タフにゃんね
芳井春:ヤッター 一個減ってうれしい
GM:3,4の対象決めます
GM:choice[芳,日,梶,香]
DoubleCross : (choice[芳,日,梶,香]) → 芳

GM:choice[日,梶,香]
DoubleCross : (choice[日,梶,香]) → 日

香上進一郎:ハルヒナ覇権
GM:お前らじゃい!
芳井春:うちらか~
日生日出人:よっしゃこい!
芳井春:覇権はつらいわね
GM:3DX+20
DoubleCross : (3DX10+20) → 9[4,5,9]+20 → 29

GM:3DX+20
DoubleCross : (3DX10+20) → 9[4,7,9]+20 → 29

GM:おそろい
芳井春:おそろやん
日生日出人:まあ素敵
香上進一郎:おにく
梶子行弘:あっちもバディの可能性在るな
芳井春:ドッジしゃす
芳井春:なるほどね
芳井春:ヤクザバディ
日生日出人:ドッジ!
芳井春:3DX+0@10>=29 回避
DoubleCross : (3DX10>=29) → 8[1,2,8] → 8 → 失敗

日生日出人:3dx>=29
DoubleCross : (3DX10>=29) → 8[3,6,8] → 8 → 失敗

芳井春:うむ
芳井春:あら!
日生日出人:まあ…
梶子行弘:wwwww
香上進一郎:同値やん
芳井春:おそろじゃん♡
芳井春:えへへ
GM:匂わせかよ
日生日出人:やだ♡
GM:ダメージいきます
梶子行弘:対抗してる
日生日出人:これ範囲攻撃じゃないからカバーはできないのかな
梶子行弘:カバーすると
GM:あっ範囲ではないですね
梶子行弘:片方が普通に二回殺される
GM:そう
香上進一郎:アカン
日生日出人:だよね ラジャジャ
GM:3d10+25
DoubleCross : (3D10+25) → 13[9,1,3]+25 → 38

GM:3d10+25
DoubleCross : (3D10+25) → 18[5,3,10]+25 → 43

芳井春:そろわなかった
GM:揃わなかった……(あたりまえ)
GM:もろもろ有効です
香上進一郎:いたすぎる
日生日出人:では死ぬんちゅ!改めてリザレクト!
日生日出人:1d10
DoubleCross : (1D10) → 10

日生日出人:オイ!!
日生日出人:日生日出人の侵蝕率を10(→ 10)増加 (99 → 109)
GM:苦手になった
日生日出人:HP10で復活しました
梶子行弘:平均値平均値
芳井春:死ぬので香上くんのロイスを昇華してタイタスに。
香上進一郎:そういうもんなんや


楠本磊:「お前ら……覚悟はできてるんだろうな」
楠本磊:「ナメたやつは全員シメろ」
楠本磊:「そうすりゃゆくゆくはお前らが幹部だ」
鉄砲玉:「おおおお……!」
鉄砲玉:目の血走ったヤクザたちが狙いをつけて、両陣営に撃ち込む。
鉄砲玉:ただの拳銃弾……ではない。不自然に風に乗るように増速する。
日生日出人:一番間近にいた青年が集中砲火を浴びようとする。寸前。
日生日出人:「っは」
日生日出人:「るくん!」ぬるりと空間から姿を現し、引きずり倒すようにする。
日生日出人:うすっぺらい男の姿。片手にレースのあしらわれた傘を所持している。
芳井春:引きずられる。「……っ」
日生日出人:「っげほ」
日生日出人:「ごめ…、かっこつけようと思ったんだけど」
芳井春:「バカ」
芳井春:困ったように笑う。
芳井春:「これ以上かっこつけられると、俺が困る」
日生日出人:「へへん」ドヤ顔。
日生日出人:「言ったじゃん、春くん」
芳井春:「ん」
日生日出人:「同僚なんだから。一蓮托生、でしょ?」
芳井春:頷く代わり。一瞬だけ手を伸ばして。変化していない、いつもの髪に触れて。
芳井春:一瞬。掠めて。(…本当に)
日生日出人:きょとんとする
芳井春:(どれだけ恵まれればいいんだろう)
芳井春:「いけるか」
日生日出人:「うん」春くんの胸をぺしっと叩く。
日生日出人:「火、もらってますから」
   [空き]
    |
    5m
    |
    UGN
   / \
  5m   5m
 /     \
ギルド―5m―廿雀組―5m―FH
 |
 5m
 |
[空き]
【UGN】
芳井[6]日生[9]梶子[8]香上[7]

【ギルド】
“マルティン・マルキ”[9]ギルド精鋭2[14]

【廿雀組・前】
楠本[7]鉄砲玉1[10]鉄砲玉2[10]鉄砲玉3[10]鉄砲玉4[10]

【廿雀組・後】
FH傭兵1[6]FH傭兵2[6]FH傭兵3[6]FH傭兵4[6]
GM:行動値9。同値PC優先で日生さんの手番へ。
日生日出人:「よし」レースのあしらわれた傘を、ギルド勢力に対しついっと向ける。
日生日出人:「お姉さん」 マルティンを見やる。
日生日出人:「俺と遊ばない?」
“マルティン・マルキ”:「ハハ」ニタニタと笑う。
“マルティン・マルキ”:くい、と手招きする。
日生日出人:「んふふ」 笑い返す。
日生日出人:(め~~ちゃ)(強そう~~~) 動きます。
日生日出人:マイナーで5m前進、ギルド勢力のエンゲージへ。
日生日出人:メジャー、コンボ:『大海は胃の中』。
日生日出人:《死神の精度》《オールレンジ》《ディストーション》《コンセントレイト:エグザイル》。
日生日出人:対象はギルド精鋭の生き残ってる方!白兵攻撃します。
日生日出人:(10+3)dx7+1
DoubleCross : (13DX7+1) → 10[1,1,2,2,3,6,6,7,7,8,9,9,10]+10[3,3,3,6,6,9]+4[4]+1 → 25

日生日出人:あっ ん~
香上進一郎:マカマカしてきたな
日生日出人:ぴったりなりますしね 《宵闇の魔花》もつけとこう
日生日出人:+5して達成値30!
GM:OK!ギルド精鋭はドッジ。
ギルド精鋭:5dx+1>=30
DoubleCross : (5DX10+1>=30) → 10[1,3,5,9,10]+9[9]+1 → 20 → 失敗

GM:がんばったが……
日生日出人:あっぶねえ
芳井春:がんばるな!
香上進一郎:こわいって!
GM:う~ん 食らうとしんじゃいそうだなあ
芳井春:なに……?
“マルティン・マルキ”:《砂の結界》《砂の盾》。ギルド精鋭をカバーリング。
日生日出人:こっちがきたか!
芳井春:マルマルーッ!?
香上進一郎:やめやがれ~~~~ッ
“マルティン・マルキ”:さらにダメージロール直前に《ディスマントル》を使用。
日生日出人:ニャ~ッ
“マルティン・マルキ”:攻撃力を-12します。
日生日出人:くそ~っ
日生日出人:ともあれこのままダメージ!
GM:どうぞ!
日生日出人:3d10+30+1d10-12 装甲有効
DoubleCross : (3D10+30+1D10-12) → 16[6,1,9]+30+5[5]-12 → 39

日生日出人:Dロイス破壊者の効果も踏まえて39装甲有効ダメージです。
“マルティン・マルキ”:キーンナイフ+砂の結界でガード値9
“マルティン・マルキ”:FHベストアーマーで装甲値5
“マルティン・マルキ”:14引いて25点ダメージ。まだまだ余裕です。
日生日出人:総計26点もひかれた…
日生日出人:日生日出人の侵蝕率を14(→ 14)増加 (109 → 123)
日生日出人:HP10⇒5


日生日出人:…オルクスシンドローム発症者が自らの因子をとどめておける空間のことを、『領域』と呼ぶ。
日生日出人:日生日出人が作り出す『領域』は、サイズの大小こそあれ、常に四角い箱型をしている。
日生日出人:彼はそのように世界に区切り線を引き、そして彼は、自ら作り出すそれを『体内』と称した。
日生日出人:体を内側からめくりあげ、裏返しにして包み込む──そんなイメージ。
日生日出人:真黒い穴が内側から身体を包むとき、日生日出人の全身は無数の幻覚物質に分解され、因子として領域中に拡散される。
日生日出人:『体内』において、日生日出人は何でもできて、どこにでもいる。どこにでもいるから、どこにもいない。
日生日出人:女の眼前で、うすっぺらい身体がぬるりと溶け消える。
日生日出人:幻覚物質と化した自分を分解、再構成。
日生日出人:同時、女の背後に姿を現す。傘の柄に仕込んだ刃を抜刀。彼女に仕掛けると見せかけ、隣にいた男の首筋を狙い──
“マルティン・マルキ”:刃が、ちり、と融けかけた。
日生日出人:「っ」
“マルティン・マルキ”:男の周囲に、腐蝕する煙のようなものが舞っている。
“マルティン・マルキ”:その煙の出処は、彼女。
“マルティン・マルキ”:「面白いね、それ」
日生日出人:瞬時に刀をはらう──ような剣技は持ち合わせていない。太刀筋ごと幻覚に溶かして煙を避ける。
日生日出人:「…お姉さんこそ」
日生日出人:「稀代の女好きのそばにいたにしては…」
日生日出人:「結構、ガード堅いって言われるでしょお」
“マルティン・マルキ”:「……ウフ」蠱惑的に微笑んで、ナイフを構えた。
GM:次はマルティン・マルキの手番へ。
GM:choice[近,遠]
DoubleCross : (choice[近,遠]) → 近

“マルティン・マルキ”:OK。眼の前の相手を攻撃します。
日生日出人:こいやっ
“マルティン・マルキ”:マイナーなし、メジャーで
“マルティン・マルキ”:《サンドシャード》《砂は砂に》《虚構のナイフ》《プレディクション》。
日生日出人:ヤベッ
GM:ダメージを与えた場合、エフェクト作成武器防具を破壊。ドッジ不可。
日生日出人:あっでもエフェクト作成武器だ よかった でもコワイ
“マルティン・マルキ”:攻撃直前に、FH専用アイテム「真理の花」を使用。
“マルティン・マルキ”:シーン1回、RC攻撃の攻撃力を+10。
“マルティン・マルキ”:ガードした場合、その武器のガード値を-10。
日生日出人:ま~っ
“マルティン・マルキ”:この効果でガード値が0以下になった武器を破壊します。
日生日出人:厄介すぎる
“マルティン・マルキ”:8dx+4 ドッジ不可
DoubleCross : (8DX10+4) → 9[4,5,5,6,8,9,9,9]+4 → 13

日生日出人:うおお 唸れ
日生日出人:唸れないじゃん!
GM:そう ドッジ不可ってわけ
GM:つまりリアクションをしようとするとガードを選択することとなり
GM:ガードを選択すると武器が壊されてしまうというわけ
日生日出人:絶対・絶命!
日生日出人:うおぉ~~ッ
日生日出人:NPCカード、"ミクトラン"倉間美舞を使います!
GM:なにっ
日生日出人:このカードを使用して、リアクションを放棄して白兵攻撃で反撃してやる~ッ

"ミクトラン"倉間美舞  タイミング:リアクション/ラウンド1回
 攻撃を受けた時に使用。リアクションを放棄することで、白兵攻撃で反撃できる。
 メジャーアクションのエフェクトを組み合わせ可能(侵蝕率は上昇する)。
GM:ガードでも……ドッジでもないだと
GM:では、組み合わせるエフェクトを宣言して判定願います。
日生日出人:はあい 使用エフェクトは《オールレンジ》《ディストーション》《コンセントレイト:エグザイル》。
日生日出人:(10+3)dx7+1
DoubleCross : (13DX7+1) → 10[1,1,1,1,3,5,5,6,6,6,9,10,10]+10[2,3,9]+5[5]+1 → 26

“マルティン・マルキ”:反撃だからリアクションできねえ お互いダメージ入れます。
日生日出人:あっ
日生日出人:す…すごい初心者みたいなミスをしたことに気付いたんですがよろしいでしょうか
GM:ムッ
日生日出人:さっきの手番の攻撃時に、ダメージダイス1個少ない状態で振ってしまっていました…!
日生日出人:そ…その分を…この攻撃にダイス1個増やしたりなどは…しても…よかったり…どうすかね…
GM:なるほど
GM:いいよ!
GM:気をつけてね
日生日出人:めちゃくちゃすみません!ありがとうございます!!
日生日出人:じゃあ改めて振りますね
“マルティン・マルキ”:2d10+27 装甲有効
DoubleCross : (2D10+27) → 16[9,7]+27 → 43

日生日出人:4d10+10+1d10 装甲有効
DoubleCross : (4D10+10+1D10) → 20[5,5,5,5]+10+2[2] → 32

“マルティン・マルキ”:ギャオン
日生日出人:飛び散ります。長坂泰彰さんのロイスをタイタス昇華して復活、HP11。
“マルティン・マルキ”:5点引いて27ダメージ。まだまだ健在。
日生日出人:ギ~ッ
日生日出人:日生日出人の侵蝕率を6(→ 6)増加 (123 → 129)


“マルティン・マルキ”:ナイフを構えると、その照り返しが、七色に蠢き、何方向にも分散して発光する。
“マルティン・マルキ”:尋常のものとは思えぬ、禍々しき色合い。
日生日出人:「明らかにやっばそう……」
“マルティン・マルキ”:それがシュウシュウとうなるように煙を上げる。
GM:それが肉体に当たればどうなるかを想像してしまう。
日生日出人:(絶対に)先ほど、煙に触れて融けかけた刀を一瞥。(やばい)
GM:必然、受け太刀に回ってしまう。真理の間隙を突くもの。
倉間美舞:「――後手に」
倉間美舞:「回んな!」飛び出すように、横合いから突進。
倉間美舞:血まみれの骨が刺さった奇怪な棍棒を、横合いから叩きつける。
日生日出人:「みまちゃ……」
日生日出人:「……っん!」ハッとする。瞬間、構えかけた刀を翻し、正面から突く。
日生日出人:自身と一体化させた太刀筋が、不自然に “伸びる”。
“マルティン・マルキ”:「ワオ」それを受けながら、ナイフを投擲するが。
“マルティン・マルキ”:その太刀の一撃が軌道を逸らす。
“マルティン・マルキ”:光の照り返しがはたと消え、煙を上げるナイフとして投げつけられた。
“マルティン・マルキ”:肉を鋭くえぐり、その傷跡を軽く融かした。
“マルティン・マルキ”:だが、それで済んだ。
日生日出人:「っい………」「んへへ」掠めた腹からじゅうじゅうと音がする。
倉間美舞:「クソが……!まだ行けますか?」
日生日出人:「もちろん」
日生日出人:引き付けられれば引き付けられるほどよい。
日生日出人:この間に、他の手勢も動いているのだから。
“マルティン・マルキ”:倒れた身体を起き上がらせて、また笑う。「フ!」


GM:行動値8、梶子くんの手番へ。
梶子行弘:はーい
梶子行弘:うーん……やるか
梶子行弘:マイナーでジェネシフト。
梶子行弘:1d10
DoubleCross : (1D10) → 4

GM:おお……
香上進一郎:天才少年梶子行弘
梶子行弘:侵蝕97→101 天才か?
日生日出人:ジェネシフトの天才
芳井春:天才
梶子行弘:メジャー。《コンセントレイト:バロール》《黒の鉄槌》《原初の赤:氷の塔》《砂の刃》《クリスタライズ》。
梶子行弘:鉄砲玉と楠本のエンゲージに範囲攻撃!
GM:何ィッ
梶子行弘:死ねーっ!
梶子行弘:12dx7+5
DoubleCross : (12DX7+5) → 10[1,2,4,4,5,5,6,7,7,7,7,9]+10[4,4,6,7,7]+10[9,10]+4[1,4]+5 → 39

GM:クソッ いい数字出やがって
日生日出人:すごいぜ
GM:もう切れててよかったぜ バデが
梶子行弘:命拾いしたな・・
GM:拾うかはわかりませんが……
GM:鉄砲玉はイベイジョン8なので全然むり。
楠本磊:ドッジ。《コンバットシステム》《切り払い》。
楠本磊:12DX+5>=39
DoubleCross : (12DX10+5>=39) → 10[1,3,3,5,6,6,7,7,8,8,9,10]+4[4]+5 → 19 → 失敗

日生日出人:高い出目出すなア
GM:流石にリフレックス無しではな。ダメージを!
梶子行弘:こわ~
梶子行弘:4d10+34
DoubleCross : (4D10+34) → 23[6,6,7,4]+34 → 57

梶子行弘:装甲無視、ガード値-5。
楠本磊:装甲が……
GM:鉄砲玉は全滅します!
楠本磊:楠本はまだまだ健在。
GM:演出を!
梶子行弘:OK!
梶子行弘:「大人のくせに、ぎゃあぎゃあばんばんと、うるさいですね」
梶子行弘:少年がフードを脱ぐ。周囲に、どこからともなく現れた羽が舞う。
梶子行弘:日生さんがいた場所の、血だまりを見る。
梶子行弘:日生さんが変わっていなかったとしても、彼らの行動は変わらないのだろう。
梶子行弘:彼らの組織の人員も死んでいる。その時点で、罪や罰は複雑に入り組む。だとしても。
梶子行弘:「被害者面するなよ。――ぼくは、あの子ほど素直じゃないぞ」
梶子行弘:鉄砲玉に向けて、両腕を伸ばす。合せた両手には、小さなライター。
梶子行弘:指先の丸い爪が、壊れかけの車輪を擦った。カシッ。カシッ。――――ぼう。
楠本磊:「何だ……あのガキゃ何を」
梶子行弘:「『蒐集せよ』『"アウタールーク"』!」
梶子行弘:轟!
梶子行弘:指先にも満たない。小さな、小さな火種。
梶子行弘:それが一瞬にして、数十羽の鴉の姿をした豪火の雨に変わる。
梶子行弘:ありとあらゆる素材を、『鴉』の姿と速度に増幅・圧縮・強化して撃ち出す。
楠本磊:「チッ……!テメエら、死ぬ気で避け」
カラス:『ア゛ア゛アーーーーッ!』『カァア――――――――ッ!』『キーーーーッ!』
楠本磊:「……無理か」長ドスを抜き、打ち払うが、その全てをは捌ききれない。
楠本磊:「クソガキが……!」
梶子行弘:「知ってますか?」にこりと笑う。「カラスって、近づかれると意外と大きいですよね」
梶子行弘:火の爪に、嘴に啄まれ、炎の翼に焼き払われ。廿雀会の立っていた場所は、瞬く間に火の海となる。
楠本磊:「またぞろ、やれ火だ、火だ……」
楠本磊:「見飽きてきたな」自らもその身を火に焼かれながら、白鞘を構え直した。


   [空き]
    |
    5m
    |
    UGN
   / \
  5m   5m
 /     \
ギルド―5m―廿雀組―5m―FH
 |
 5m
 |
[空き]
【UGN】
芳井[6]梶子[8]香上[7]
【ギルド】
日生[9]
“マルティン・マルキ”[9]ギルド精鋭2[14]
【廿雀組・前】
楠本[7]
【廿雀組・後】
FH傭兵1[6]FH傭兵2[6]FH傭兵3[6]FH傭兵4[6]
GM:行動値7、PC優先で香上くんの手番へ。
梶子行弘:侵蝕101→115
香上進一郎:よっしゃ
香上進一郎:マイナーで5m戦闘移動、廿雀組のエンゲージへ。
香上進一郎:メジャー、コンボ:“Gambit!(ギャンビット!)”《インスタントボム》《ブラストフォーカス》《ストライクモード》
香上進一郎:対象は楠本磊さん!
GM:来な!
香上進一郎:ウオオーッ
香上進一郎:5dx+20
DoubleCross : (5DX10+20) → 10[2,7,9,10,10]+8[5,8]+20 → 38

香上進一郎:跳ねたぜ
日生日出人:すごいぜ!
芳井春:オシャ!
楠本磊:《コンセントレイト:ノイマン》《コンバットシステム》《カウンター》。
香上進一郎:????
楠本磊:12dx7+2>=38
DoubleCross : (12DX7+2>=38) → 10[1,2,2,3,4,5,5,7,7,8,10,10]+10[1,5,5,6,7]+10[9]+5[5]+2 → 37 → 失敗

香上進一郎:お……おい!
GM:ウワァ~!
日生日出人:コワッッ
芳井春:うわ
GM:1足りなかった 失敗です
香上進一郎:汗をかいたぜ ではダメージ
GM:ダメージどうぞ!
香上進一郎:4d10+28+4d10
DoubleCross : (4D10+28+4D10) → 17[5,4,4,4]+28+17[7,5,1,4] → 62

香上進一郎:装甲無視!
香上進一郎:《ストライクモード》の効果で素手が壊れます。
芳井春:えらい!
香上進一郎:香上進一郎の侵蝕率を13(→ 13)増加 (100 → 113)
楠本磊:威力高すぎんよ~
楠本磊:結構喰らいました かなり削られました
香上進一郎:立ってる~!
GM:先に次のイニシアチブまでやります。
香上進一郎:ウス
楠本磊:《分割思考》。行動値を-10して未行動状態に。
芳井春:ギャ!
GM:以上です。演出どうぞ。


香上進一郎:炎鴉の鳴声が止むと同時。工場一帯に立つ人々、そのすべての耳を劈く地鳴り。
香上進一郎:獲物に飛びかかる寸前の猛獣のように力強く。踏み締めた踵骨の炸裂音。
香上進一郎:身を焦がす炎の中、未だ闘志はまるで消えていない男目掛けて。
楠本磊:……そちらを見やって。長刀を構える。
楠本磊:「香上ィ……!」
香上進一郎:一歩で彼我の距離を詰め。炎の海を越して、男の眼前へと躍り出る。
楠本磊:その前進に合わせるように、長刀の突き。
香上進一郎:楠本が突いた長ドスを、瞬き一つせず睨み。低く構えた半身から。拳を後ろに引いて。
楠本磊:ただの突きではない。空気が圧縮され、鋭い槍と化したかのような。
香上進一郎:身体が膨れ上がる。
香上進一郎:僧帽筋と広背筋。肩甲拳筋、並びに上腕筋の同時“爆破”。
香上進一郎:僅かなレネゲイドコントロールの配分ミスで。己の身体、全てが崩れ落ちるリスクを孕む、自殺行為に等しいその極技は。
香上進一郎:絶え間のない後悔と、鍛錬によって編み出された────
香上進一郎:自戒にして自壊の一撃。
香上進一郎:シッ、と鋭く息を吐き出して。
楠本磊:素早く長ドスを引き戻す。だが間に合わない。
香上進一郎:捻るように打ち出した左拳が。長刀の切っ先を僅かに反らし。
香上進一郎:その勢いのまま、雷鳴のような音を轟かせながら、楠本磊の左脇腹を深く抉る。
楠本磊:「ごぶっ……!」
香上進一郎:「改めて」
香上進一郎:歪に折れ曲がった五指をぎり、と無理やり元の形に戻しながら。
香上進一郎:「挨拶させて頂きます」
香上進一郎:「UGNの“精鋭(トゥルーボーン)”」
香上進一郎:「香上進一郎と申します」
香上進一郎:「良しなに」


GM:次は行動値6、PC優先で芳井さんの手番。
芳井春:あ、そっか!はーい
芳井春:マイナーで5m移動。ヒナセ・マルマル・ギルド精鋭のエンゲージへ。
芳井春:メジャーはコンボ『そばにいて、と■は言う』/《赤色の従者》。
芳井春:HP20の従者を作成。自身のダイスはすべて-3されます。
芳井春:芳井春の侵蝕率を5(→ 5)増加 (108 → 113)
芳井春:演出もちょっとさせてもらおうかな
GM:どうぞ!


芳井春:刃や肉の擦れる音、火花の散る音が舞う。
芳井春:その中で。自分が出来ることは少ない。それでも、ここにいたい、ここで出来ることをしたい。
芳井春:そういう我儘を何度も通してきて、今日もまた通す。
芳井春:苦笑する。オイル式のライターに小さな火を点す。
芳井春:シガレットケースに仕舞った紙片。赤黒い血を染み込ませたそれに引火すれば、燃え広がり。
血肉細工:ぼとり、ぼとりと。血と肉が組み上がる。
芳井春:────仮説。あるいは期待。
芳井春:ブラム=ストーカーに分類されるオーヴァードの中には、日常生活を代替できるほどの、精密な己の複製を生み出せる者もいるという。
芳井春:ならば。己が生み出すこの未完成な血と肉も、同じく。
血肉細工:蠢き、声もなく生まれる肉の塊。
芳井春:それが、そっくりそのまま、自分の形で生まれてはくれないかと。
芳井春:そうして生まれて、今度こそ役立って生きて死ねないかと。
芳井春:なぜだか、いつも。そうであればいいと、期待して、失望する。
芳井春:ロイスが最後に残っていたので、 血肉細工に 期待/〇失望で取得。
芳井春:以上で!


   [空き]
    |
    5m
    |
    UGN
   / \
  5m   5m
 /     \
ギルド―5m―廿雀組―5m―FH
 |
 5m
 |
[空き]
【UGN】
梶子[8]
【ギルド】
芳井[6]日生[9]肉塊[9]
“マルティン・マルキ”[9]ギルド精鋭2[14]
【廿雀組・前】
香上[7]楠本[0]
【廿雀組・後】
FH傭兵1[6]FH傭兵2[6]FH傭兵3[6]FH傭兵4[6]
GM:行動値6 FH傭兵たちの手番。
GM:1,2はギルドを、3,4はUGNを攻撃。
FH傭兵:マイナー《破壊の爪》メジャー《コンセントレイト:エグザイル》《貪欲なる拳》 《伸縮腕》《獣の力》。
GM:1,2はそれぞれマルティン、精鋭を攻撃します。
芳井春:倒しといて
FH傭兵:12DX7
DoubleCross : (12DX7) → 10[1,1,2,2,4,4,4,5,5,8,9,10]+6[5,5,6] → 16

FH傭兵:12DX7
DoubleCross : (12DX7) → 10[1,2,5,7,7,7,7,8,9,9,9,10]+10[1,2,2,3,3,4,7,7,8]+10[1,5,8]+6[6] → 36

“マルティン・マルキ”:《砂の結界》でガード
香上進一郎:この女~
“マルティン・マルキ”:《砂の結界》《砂の盾》で2の攻撃もカバー。
FH傭兵:2d10+21 もろもろ有効
DoubleCross : (2D10+21) → 12[5,7]+21 → 33

FH傭兵:4d10+21 もろもろ有効
DoubleCross : (4D10+21) → 24[9,1,10,4]+21 → 45

“マルティン・マルキ”:あっ忘れてた ウェポンケースからキーンナイフを再装填してます
日生日出人:なるほどね
“マルティン・マルキ”:1の攻撃で軽減後19点ダメージ
“マルティン・マルキ”:2の攻撃で軽減後31点ダメージ。
“マルティン・マルキ”:それでHP0。《瞬間退場》します。
芳井春:やったー!
香上進一郎:タフだったぜ
GM:喜んでいる場合じゃないぜ 3,4はお前たちを攻撃するのぜ
梶子行弘:そんな……協定はどうなってる!?
GM:choice[1,2,3,4,従]
DoubleCross : (choice[1,2,3,4,従]) → 1

GM:芳井
日生日出人:ねらわれがち!
芳井春:ウス
GM:choice[2,3,4,従]
DoubleCross : (choice[2,3,4,従]) → 4

GM:香上!
香上進一郎:しんいちろうだよ
FH傭兵:12DX7 よし
DoubleCross : (12DX7) → 10[1,1,2,3,4,6,6,6,7,7,10,10]+4[1,3,3,4] → 14

FH傭兵:12DX7 かが
DoubleCross : (12DX7) → 10[1,2,2,2,3,3,4,5,5,6,6,9]+4[4] → 14

GM:こいつら……
GM:弱くない?
香上進一郎:オソロ
日生日出人:バディじゃん
香上進一郎:ドッジしてやるってんだよ
芳井春:ドッジしてみるか
香上進一郎:5dx+1>=14
DoubleCross : (5DX10+1>=14) → 7[2,3,3,3,7]+1 → 8 → 失敗

香上進一郎:だめでした
芳井春:3DX+0@10 回避
DoubleCross : (3DX10) → 7[6,7,7] → 7

芳井春:ナーン
GM:ダメージだします!
FH傭兵:2d10+21 よし 装甲有効
DoubleCross : (2D10+21) → 4[2,2]+21 → 25

FH傭兵:2d10+21 かが 装甲有効
DoubleCross : (2D10+21) → 11[9,2]+21 → 32

芳井春:25が私かな
芳井春:だね
芳井春:ロイス切って復活してたわ しにまーす
香上進一郎:ボデマで8引いて……24かな。HP3で生きてます!
芳井春:血肉細工 期待/〇失望 これさっきとったやつ昇華!
芳井春:HP13!


FH傭兵:後方に控えた彼らが、腕を変形させ、それが伸びて両陣を襲う。
“マルティン・マルキ”:それらを溶融させながら捌いていたが、手数に劣り。
“マルティン・マルキ”:少しづつ着弾する。「……ハアァ」
日生日出人:「……」それに気付く。
“マルティン・マルキ”:「帰る」
日生日出人:「んへ」
日生日出人:「怒られないのお?」
“マルティン・マルキ”:「キョーミない」手を床につく。
“マルティン・マルキ”:ズブズブと床が融け、人が通れるような孔ができる。
“マルティン・マルキ”:「バアイ」手を振る。
芳井春:「……雇われらしいな」
倉間美舞:「元締めのセルに戻っただけっすよね多分」
倉間美舞:「またやり合いますよ。ダリい」
梶子行弘:「えっ……」 あっさりと去っていった相手に目を丸くした。
日生日出人:「……でも、あれだねえ」
日生日出人:「長坂さん、切ってもいいやってことなんだねえ」
芳井春:「ギルド側をもう少し捌けば」
芳井春:「チカコちゃんとこも動きやすくなりそうだな」
倉間美舞:「……こっちも来ます!」
GM:攻撃はまだ継続している。彼らの攻撃の対象は君たちもだ。
香上進一郎:不規則に迫る腕の一撃に、身を貫かれ。それでも膝は屈さずに。
香上進一郎:「はい」
香上進一郎:「あと僅か。気合い、入れ直します」
芳井春:生み出した血肉細工を操作する前に、いくつかの着弾。「的がデカいと苦労するな、香上!」
香上進一郎:「先輩ほどじゃあ、無いです」
香上進一郎:軽口につい、笑みを零す。
芳井春:「うっせ、まだ動ける口は残ってるな」
芳井春:「若頭も動くぞ」


楠本磊:行動値0、楠本の回復手番。
楠本磊:マイナーでエンブレム:鉄砲玉。リアクションのダイスを-1個、攻撃を装甲無視に。
楠本磊:メジャー《コンセントレイト:ノイマン》《コンバットシステム》。
楠本磊:香上進一郎を攻撃。
香上進一郎:ギャッ
芳井春:好きなんかな
香上進一郎:えっ こ、困ります
楠本磊:12dx7+2
DoubleCross : (12DX7+2) → 10[1,1,1,2,3,4,7,7,7,8,8,10]+10[2,4,6,8,9,10]+10[3,4,9]+3[3]+2 → 35

香上進一郎:おい!
香上進一郎:困るだろ!
香上進一郎:ウオオ~避けるしかねえ ドッジ!
日生日出人:しんちゃんファイト!
香上進一郎:4dx+1>=35
DoubleCross : (4DX10+1>=35) → 10[2,3,3,10]+1[1]+1 → 12 → 失敗

芳井春:がんばった!
香上進一郎:ぴえんです。
日生日出人:どんまいだよしんちゃん
香上進一郎:アットホームな職場だ
楠本磊:4d10+9 装甲無視
DoubleCross : (4D10+9) → 20[9,4,5,2]+9 → 29

香上進一郎:死にます!
香上進一郎:同時!
香上進一郎:《ラストアクション》! 即座にメインプロセスを……行うぜ
香上進一郎:香上進一郎の侵蝕率を5(→ 5)増加 (113 → 118)
香上進一郎:マイナー無し。メジャーで《インスタントボム》《ブラストフォーカス》《ストライクモード》。
香上進一郎:対象はもちろん楠本のカシラ!
GM:来な!
香上進一郎:香上進一郎の侵蝕率を13(→ 13)増加 (118 → 131)
香上進一郎:6dx+20
DoubleCross : (6DX10+20) → 8[1,2,4,7,8,8]+20 → 28

香上進一郎:ゲッ 低い
楠本磊:これなら行けるか……?
楠本磊:ドッジ。《コンバットシステム》《切り払い》。
楠本磊:12dx+5>=28
DoubleCross : (12DX10+5>=28) → 10[1,2,3,4,5,6,7,8,8,8,10,10]+8[8,8]+5 → 23 → 失敗

日生日出人:ヒ~~ッ
楠本磊:チッ……!
香上進一郎:こわいにょ~!
芳井春:こわいよ
GM:ダメージを!
香上進一郎:3d10+28+4d10
DoubleCross : (3D10+28+4D10) → 14[8,3,3]+28+24[9,10,1,4] → 66

香上進一郎:例によって装甲無視!
楠本磊:ぐええ
楠本磊:それはとても耐えられません。HP0になり、
楠本磊:《蘇生復活》します。
香上進一郎:すな~~!
芳井春:エーン
芳井春:えっと~
芳井春:ここで…その…天啓(?)を受けたんですけど
香上進一郎:先輩…?
GM:はい
芳井春:いまの香上くんのダメージにオートで《餓鬼魂の使い》を今から使ってもよろしおすでしょうか
GM:構いません。どうぞ。
芳井春:ありがとうございます!では
香上進一郎:せ……先輩!
芳井春:楠本さんに邪毒レベル3を付与!
芳井春:芳井春の侵蝕率を3(→ 3)増加 (113 → 116)
GM:では、クリンナップまで処理しましょう。
楠本磊:邪毒ダメージ9点が発生。
楠本磊:HP1のため、そのダメージで倒れます。これ以上の復活はなし。
香上進一郎:楠本さんのロイスをタイタス昇華でHP12で復活しておきます。
芳井春:やったーー
香上進一郎:手強かった……
日生日出人:やったね~!
GM:演出行きます


楠本磊:彼の言の通り、男は動き出している。
楠本磊:再び白鞘の直刃を構えて、突きの姿勢。
楠本磊:そのまま風のように早い足取りを見せ、一気に香上進一郎へと突きかかる。
楠本磊:それは過たずその肉体を刺し捉えるだろう。
香上進一郎:半歩足を下げ、掌を敵に向けた、半身の構え。
香上進一郎:目測、回避は困難。ぎり、と歯を噛み締めて。
香上進一郎:「───────っ、ぐ、うう!」
香上進一郎:未だ使い物にならない、腕を捨てる。左掌から左肘にかけて。肉を裂き進む冷たい刃を。
香上進一郎:滑るようにして。ぎりぎりで形を保った手で。獲物を握る、男の手を掴む。
楠本磊:「……あ?」
楠本磊:「なんだ、お前、今ぶっ刺して」
香上進一郎:「………あ」
香上進一郎:「なたの首を。例えここで、すげ替えても」
香上進一郎:「その背後に潜む、闇を祓うことは」
香上進一郎:「今のオレたちには、出来ない」
香上進一郎:空いた右手。度重なる能力の多用と、全身に響く激痛を堪えながら。眼の前の男の胸ぐらを掴み。
香上進一郎:「だからこれは、“王手(チェック)”じゃ、ない」
香上進一郎:「問題を、先送りにした」
香上進一郎:天井を見上げるように、思い切り、頭を引いて。
香上進一郎:「ただの、“ステイルメイト”」
香上進一郎:楠本の額に、己の額を。ぶつけてやる。
香上進一郎:唸るような衝撃と轟音。
香上進一郎:だが、それだけ。
香上進一郎:殺すための一撃ではない。
香上進一郎:意思を挫くため。
香上進一郎:このあとに続く、隙を作るための一手。
楠本磊:激しい脳震盪を起こし、よろめき、倒れかけて。
楠本磊:「……んな」
楠本磊:「舐めんな……オラァ……!」
楠本磊:「落とし前だ……落とし前を」
楠本磊:「つけさせるまでは、退かねえぞ……!」
芳井春:……ぴちゃん、と血が弾ける音。
芳井春:香上が与えた傷跡から、捻じ込まれる血液の着火源。
芳井春:それは上戸下志帆の死骸。…それを模していた、血と塊から潜り込む。
芳井春:(……あいつのしたことを真似たところで)
芳井春:(誰が許されて、誰の気が晴れるでもない)
芳井春:内側から蝕むような火が、点る。
楠本磊:「……!」
芳井春:男の残った力を、内側から焼き尽くす炎。
楠本磊:声を上げることは出来なかった。
楠本磊:その喉を灼かれ、次に心を灼かれた。
楠本磊:最後に、意識を。
芳井春:ほんの少しの慰めにも満たず。ただ、その火は。
芳井春:復讐ですらないまま、男の最後を奪い去る。


GM:ラウンド終了。2ラウンド目。
   [空き]
    |
    5m
    |
    UGN
   / \
  5m   5m
 /     \
ギルド―5m―廿雀組―5m―FH
 |
 5m
 |
[空き]
【UGN】
梶子[8]
【ギルド】
芳井[6]日生[9]肉塊[9]
ギルド精鋭[14]
【廿雀組・前】
香上[7]
【廿雀組・後】
FH傭兵1[6]FH傭兵2[6]FH傭兵3[6]FH傭兵4[6]
GM:セットアップ。
GM:エネミーはありません。
芳井春:なし
日生日出人:なし!
梶子行弘:なし
香上進一郎:なし!
GM:では、イニシアチブはギルド精鋭の手番から。
ギルド精鋭:この局面ではUGN狙いかな。ロイス切れてない梶子くんを狙います。
ギルド精鋭:マイナーなし、メジャー《コンセントレイト:エンジェルハイロゥ》《小さな塵》《スピットファイア》。
ギルド精鋭:7dx7
DoubleCross : (7DX7) → 10[1,1,3,4,7,7,8]+10[3,3,7]+10[10]+10[10]+6[6] → 46

香上進一郎:おい!
GM:おっ今回はすごい回った 復権です
芳井春:急にがんばるじゃん
梶子行弘:前回のアレは!?
芳井春:子供を狙うときばかり
GM:命の危機を感じたから
梶子行弘:《迎撃する魔眼》。リアクション放棄して黒の鉄槌で反撃。
梶子行弘:侵蝕115→123
梶子行弘:12dx7+5
DoubleCross : (12DX7+5) → 10[1,2,2,4,4,5,6,8,9,9,9,10]+10[3,6,7,10,10]+10[4,7,10]+10[7,10]+6[3,6]+5 → 51

芳井春:おお!?
梶子行弘:?
日生日出人:や…ヤバッ
香上進一郎:すごすぎ
芳井春:警察、敵に回すべきでないよ
梶子行弘:これは……いけるのでは?
香上進一郎:“真理”
GM:越えられてる……
梶子行弘:ダメージどうぞ
ギルド精鋭:5d10+23 装甲有効
DoubleCross : (5D10+23) → 28[7,6,3,6,6]+23 → 51

梶子行弘:6d10+12
DoubleCross : (6D10+12) → 46[7,8,10,5,10,6]+12 → 58

日生日出人:こ 超えてる
芳井春:ゆききゅん…
香上進一郎:ダメダイス気持ち良すぎだろ!
梶子行弘:死亡~。連続焼死事件のロイスを昇華して復活。
GM:越えられた……
ギルド精鋭:そのダメージで落ちます!
梶子行弘:マジか
梶子行弘:やった~
香上進一郎:キメた~!
日生日出人:すごい!
芳井春:うおおお
芳井春:あ、でじゃあ
GM:これにより、NPCカードの使用条件を満たしました。
GM:使用しますか?
芳井春:梶子くんNPCカード呼んだら?
梶子行弘:使います! いけっ! チカコ~!
香上進一郎:チッチカチュ~!
粕屋千夏子:チカチ~!
梶子行弘:くそっかわいい

粕屋千夏子  タイミング:イニシアチブ
 ギルドと名のつくエネミーが全滅しているときにのみ使用可能。長坂を逮捕拘束する。
GM:長坂の逮捕が完了したぜ
芳井春:司法!
芳井春:やったー!
GM:勝利条件:楠本の戦闘不能+長坂の拘束
香上進一郎:あなたには黙秘権があります
GM:これらを満たしたため、戦闘終了。あなた達の勝利となります。
日生日出人:やった~!
芳井春:わーーーい!
香上進一郎:ワ~~イ!
梶子行弘:漁夫の利じゃあーい!
GM:程よくボコしたってわけ
GM:では、演出!


ギルド精鋭:無言で銃を向ける。その照準は、この場で最もか弱い――
ギルド精鋭:と、見えたものだ。後方に控える幼い少年。
ギルド精鋭:それに向けて、機関銃を向け、打ち込む。対応に盾が来ればそれで良し。
ギルド精鋭:来なければ、弱い相手から戦力を削れるだけのことだ。
梶子行弘:「うっ、ぐ――!」
梶子行弘:壊れかけのレインコートでは意味がない。機関銃の弾丸が、小さな体を打ち、吹き飛ばす。
日生日出人:「ゆきくん…」パッとそちらを見る。
梶子行弘:「げほっ……!」
梶子行弘:戦うのは初めてではない。だが、慣れているわけでもない。
梶子行弘:光芒を引く弾丸の痛みも。致命部位のみ再生する異常な身体感覚。呻き、涙がにじみ。それでも。
梶子行弘:「――ぃじょうぶ、ですよっ!」
日生日出人:駆け寄りかけて、その声に動きを止める。
梶子行弘:右手で傷口を押さえ、吹き飛ぶ体がぐるりと回る。
梶子行弘:――梶子行弘の、正確にはその母親の家系は、鴉憑きと呼ばれた術士の一族だった。
梶子行弘:遙か昔、一族の始祖が、とある神話の獣と約束を交わした。
梶子行弘:他者の羽でその身を飾り、王にならんとした黒い鳥との契約が、今も血に流れている――――とかいう、眉唾な話だ。
梶子行弘:「……こ、れは。血の約束」
梶子行弘:それは王になりたかったわけではなく。
梶子行弘:神や、他の鳥たちを騙したかったわけでもなく。
梶子行弘:「ぼくらに翼与える限り  君に、万色の栄光を捧げる」
梶子行弘:「虚装の飛鴉(アウタールーク)よ、――徴発せよ!」
梶子行弘:押さえた傷口から。
梶子行弘:光を纏う、弾丸のごとき鴉が姿を現わす。
カラス:―――――アァ。
カラス:撃ち込まれた弾の、速度の、衝撃の、レネゲイドの全てを翼とした鴉が鳴く。
カラス:声高々に。自らの姿を誇示するように。
カラス:ぼくをみろよ、と泣き喚く。
梶子行弘:「行」    「けっ!」
梶子行弘:光芒が走る。弾丸の速度。音を突き破る。大砲の弾すら越えた質量と速度。
日生日出人:(志帆ちゃん) それを見る。彼と同じ年頃の少女を思う。
日生日出人:ひとり街を彷徨っていた彼女は、果たして誰に気付かれたか。
日生日出人:(終わろうとしてる)
梶子行弘:飛翔した鴉が、速度と質量のまま、ギルドの精鋭を吹き飛ばした。
GM:それと同時。その廃造船所に人影が現れる。
粕屋千夏子:「長坂泰彰、確保完了しましたっ!」
粕屋千夏子:現れた女が、ぴしりと敬礼した。
粕屋千夏子:「皆様のご協力に感謝します!」
梶子行弘:「…………千夏子さん」
粕屋千夏子:「あっゆきくん!怪我してる!?」
芳井春:血肉の塊を、脱力した腕でシガレットケースに仕舞う。また倒れるかもしれないし、と揶揄る余裕もなく。
梶子行弘:「掠り傷ですよ」 足下にぼたぼたと血が垂れている。構成員たちを鴉が抑え付けている。
日生日出人:「掠り傷どころじゃないよ~…」苦笑する。
粕屋千夏子:「ちゃんと止血しないとだめだよ……ええと、確か」
梶子行弘:「お互い様でしょ……」
粕屋千夏子:「充実してるんですよね、ええと、支部の医療セクション?」
梶子行弘:「それをいうなら香上さんが、いちばん……」
梶子行弘:ふらふらと揺れている。
芳井春:「美舞、香上頼んだぞ~……」
香上進一郎:「ははは。梶子さんも、男前が増したというものではないですか」
倉間美舞:「えー」ブツブツ言いながら寄る。
日生日出人:「ああ、ああ~。おんぶしよっか~?」ゆきくんを心配している。
芳井春:「無理しそうなら殴っとけ」
倉間美舞:「マジっすか」もうグーを構えている。
香上進一郎:裂けた腕部の修復は始まっているものの、痛々しい傷跡が残るそれをさっと後ろ手に。
香上進一郎:「や、やめろ。マジでやばいから。今」
芳井春:「ヒナセ、おまえも」
日生日出人:「俺?」
芳井春:「いっつも人のことばっかだろうが。どうなんだよ」
芳井春:血だまりのあった、彼が模した彼女のいた、そこを見つめながら。
日生日出人:「えっ、あ~」ふにゃふにゃ笑う。「弾食らって、モツがねえ」
日生日出人:「へへ。仕事したでしょ~」
芳井春:「モツ…? 知らねえけど」
芳井春:「お疲れ様でした。お前にも」
芳井春:「散々火を貰った。俺もな」
芳井春:「……だからやれたんだ」
日生日出人:「うえ」
芳井春:「………んだよ」
日生日出人:「えっ、なんか…急に真正面からクサいこと言われたから…」
芳井春:「………」
芳井春:「知らね」
日生日出人:「え~~~」
日生日出人:「なんだ、もっかい言ってくれていいのに」
芳井春:「嘘でもねえし」笑って。
日生日出人:「ん~~……」うまく返せなくなっている。
芳井春:重い体で立ち上がる。
倉間美舞:「なにイチャついてんすか。来ますよ」
倉間美舞:「支部長」
芳井春:「ついてねえだろ」
日生日出人:「イチャついてないよお!」
香上進一郎:「いや………」
香上進一郎:もごもごと口ごもる。
芳井春:「なんだその顔。おら帰るぞ」
梶子行弘:「ぐっだぐだですね……」
粕屋千夏子:「いいんじゃない、それで!」
芳井春:「おまえもぐだぐだなうちで治療受けんだからな」
粕屋千夏子:「あとは私達がやっとくから!みんなはゆっくり休んでね」
梶子行弘:「治療はしっかりしてくださいよ……?」
香上進一郎:「自分も何度も世話になってるので。腕は確かですよ」
梶子行弘:「千夏子さん気を付けて下さいね……」
芳井春:「それは大丈夫。なんせ明日からも」
芳井春:「昨日と今日と変わらない日を続けなきゃいけねえんだから」
芳井春:「すぐ治さねえとやってらんないだろ」
梶子行弘:「そうですね。ぼくも、学校に戻ります」
日生日出人:「はは」笑う。「いつも、負けても勝ってもない」
GM:少なくとも、あなたたちの勝つべき勝負は。
GM:いつでも、この後にあるのだ。


GM:バックトラックです。
GM:Eロイスはありませんが……
芳井春:母さん!

"エスキース"矢掛翠  タイミング:バックトラック
 バックトラックのダイスを振る前に、2d10侵蝕率を減らしてもよい。

芳井春:母さんすげえ!
香上進一郎:沁みる^~~~~
GM:こちらのNPCカードが使用可能です。効果を使用する方はどうぞ。
日生日出人:ありがて~~
香上進一郎:もちつかう!
日生日出人:使います!
芳井春:もちろんもらう
日生日出人:129-2d19
DoubleCross : (129-2D19) → 129-27[12,15] → 102

GM:19になってる
香上進一郎:日生先輩!
芳井春:芳井春の侵蝕率を2d10(→ 4)減少 (116 → 112)
日生日出人:まちがえてる
梶子行弘:つよ!
日生日出人:129-2d10
DoubleCross : (129-2D10) → 129-8[6,2] → 121

梶子行弘:つかいます!
香上進一郎:131-2d10
DoubleCross : (131-2D10) → 131-13[3,10] → 118

梶子行弘:123-2d10
DoubleCross : (123-2D10) → 123-10[1,9] → 113

芳井春:す すくねえ
GM:息子!
日生日出人:息子…w
GM:息子には追加があるからね
香上進一郎:素直になって♡
芳井春:そうやな
梶子行弘:残ロイス5。素振り!
梶子行弘:113-5d10
DoubleCross : (113-5D10) → 113-19[2,1,5,7,4] → 94

香上進一郎:ロイスは5個。等倍で~
香上進一郎:118-5d10
DoubleCross : (118-5D10) → 118-25[5,9,4,2,5] → 93

日生日出人:残りロイス5個。二倍振りします
梶子行弘:最後までぼくは有能だったな
日生日出人:121-10d10
DoubleCross : (121-10D10) → 121-65[10,9,4,5,4,9,4,9,3,8] → 56

香上進一郎:フッ…
芳井春:残り4 二倍振りしとこ
日生日出人:もどりすぎた まあいいや
芳井春:いや等倍で
GM:リマインドソウルあるから5個ってわけね
芳井春:112-4d10
DoubleCross : (112-4D10) → 112-29[8,10,6,5] → 83

芳井春:83-1d10
DoubleCross : (83-1D10) → 83-6[6] → 77

芳井春:こう
芳井春:そういうこと!
GM:全員帰還おめでと~
GM:母も大満足です
芳井春:母さん…


【エンディング:香上進一郎】

GM:【焼肉専門店 豚べこ】
GM:市内にある焼肉店だ。特にランチがリーズナブルで、価格帯にしてはそこそこ味もよい。
日生日出人:「うちはねえ、自分のお肉は自分で管理することになってるからねえ」
日生日出人:《擬態の仮面》、今日は女の姿。ゆきくんにとうとうと説明している。
日生日出人:「どんどん焼いて、取られないように気をつけてねえ」
芳井春:回されてきた白飯をみんなに受け渡している。
香上進一郎:お礼の言葉と共に、特盛のそれを自らの前へ。
梶子行弘:「合理的ですね」
粕屋千夏子:「ゆきくん大丈夫?ゆきくんの分焼いてあげようか?」
倉間美舞:「ま~冷静に考えて」生焼け気味の肉を食いながら。ご飯はない。
梶子行弘:「お世話しようとしないでください、千夏子さん」
倉間美舞:「普通にこっちのが食いたかったすわモツより」
梶子行弘:「ぼくのタンがそろそろ焼けそうなので」
日生日出人:「んえ~~」
芳井春:タン塩をトングで取っていた。
芳井春:「あ」
梶子行弘:「あ」
芳井春:「……」皿の上にもうある。「次がんばれ」
芳井春:「こっち狙いがオススメ」焼け始めている方を示し、白ご飯と頂いている。
倉間美舞:「うわ~」
梶子行弘:「ここからこっちはぼくのですからね……!」
日生日出人:「おとなげな~」
日生日出人:網の隅でホルモンを並べてじっくり転がしている。
芳井春:「いいんだよ! 半端にあげたほうがめんどいだろが」
香上進一郎:ふう、と息を吐き、眼鏡を上げる。「しかし、此処もまた、ある意味で戦場に違いないですからね」
香上進一郎:「油断は駄目です、油断は」
倉間美舞:「肉炙ってるしな」
粕屋千夏子:「や……やめてよ!」
日生日出人:「じっくりいじめてるよお」
芳井春:「そう言われると不味そうに思えてくる…」
粕屋千夏子:「やめて~!」
芳井春:未成年が多いのでウーロン茶を煽っている。
香上進一郎:特上ロースは……片面20秒、返して15秒……とぶつぶつ呟きながら完璧なタイミングを狙っている。
梶子行弘:「大丈夫ですよ千夏子さん、サラダバーもあります」
日生日出人:「えへへ…、ごめんごめん」 ふにゃふにゃ笑っている。
梶子行弘:「そもそも、後処理は大丈夫なんですか?」
梶子行弘:「結構な大捕物だったと思うんですけど」
倉間美舞:「キモ」生焼けのまま特上ロースをかっさらう。
香上進一郎:「ああッ」
粕屋千夏子:「うん、もう大変!」
粕屋千夏子:「だけどえーっと、私みたいな下っ端にはあんま関係ないっていうか……」
粕屋千夏子:「どこの管轄にするかでずっと揉めてるよ~」
芳井春:「今後がめんどくせえのは目に見えてるしな」
芳井春:じっくり炙った壺づけカルビをゲット。
日生日出人:「ええと…、長坂さんだけだよね。警察の勝ち点になったのは」
粕屋千夏子:「うん。でも余罪がどんどん出てくるんだって」
粕屋千夏子:「会社の方でも、色々違法なことやりまくってたみたい」
芳井春:「……ハハ。数え切る前に寿命がきそうだ」
粕屋千夏子:「まあこれまで全然発見できてなかったんですが……面目ない……」
粕屋千夏子:言いながら野菜をいっぱい焼いている。
香上進一郎:「簡単には尻尾を掴ませない相手でしたから」
香上進一郎:「警察の方々にとっては」
香上進一郎:「寧ろ、ここからが戦いなのでしょうね」
梶子行弘:「オーヴァードの従業員がいるなら、証拠隠滅なんかも簡単でしょうしね」
芳井春:「ユキもまだまだ忙しいな」
芳井春:「昇進のチャンスか、むしろ」
粕屋千夏子:玉ねぎ。ピーマン。しいたけ。なす。ゆきくんの取皿に勝手に取り分ける。
粕屋千夏子:「そうだよ~」
粕屋千夏子:「いっぱい食べて、いっぱい働いてもらわなきゃ」
梶子行弘:「警察が拾ってこれる証拠は、分析もしやすいですから」
梶子行弘:「ええ、ええ。すぐに千夏子さんも追い抜いてみせますから」
粕屋千夏子:「おお~」
日生日出人:「すごい、かっこいいねえ」ニコニコ笑う。
梶子行弘:「千夏子さんを上司にしておくと心配なので」
日生日出人:「ふふふ。心配だもんねえ」
梶子行弘:「ぼくがきちんと上から見張って……」
梶子行弘:「日生さん、ふにゃふにゃされてますよ」
倉間美舞:「いつもっしょ」完全にただ高い肉だけを食い続けている。
芳井春:「いつもだな」
梶子行弘:「それはそうなんですが……」
日生日出人:「え~? どういう意味~」 焦げ気味のホルモンをタレにつけている。
香上進一郎:「いや……」そんなことは……と言葉尻が窄む。
梶子行弘:カルビを取る。
芳井春:「美舞おまえ高いのを生焼けにして味わえてんのか…?」
倉間美舞:「いい肉なら行けます。ウマいっす」
芳井春:ホルモンをなんとなく取って食べつつ、モツの話を思い出している。やめる。
香上進一郎:「誰にも奪われたくないという欲求だけが先走った結果生まれた、哀れなスタイルなんです」
梶子行弘:「生焼けなのはわざとなんですか!?」
香上進一郎:「悼んでやってください」
倉間美舞:「だってこいつに入ったら可愛そうじゃないですか?」
倉間美舞:「絶対ウチに入りたいでしょ肉だって。選ぶ権利がある」
香上進一郎:「何故だ。オレの血となり肉となれる」
芳井春:「じゃあこれは俺に選ばれたということで」高いカルビのしっかり焼けたのを貰う。
香上進一郎:「光栄だと……あッ」
梶子行弘:「今後の成長というならぼくでは?」 カボチャを取っている。
梶子行弘:「争いは醜いですよ」
香上進一郎:減らねえ……白米が……と悲痛な叫びを上げて。
香上進一郎:「梶子さんはまだ11ですから」
香上進一郎:「芳井先輩越えも、目じゃないですよ」
芳井春:「おお。的になるけど」
粕屋千夏子:「え~大きすぎるよう」
粕屋千夏子:「172くらいがいいです」
梶子行弘:「その具体的な数字はなんなんです?」
日生日出人:「んふふ」
梶子行弘:「180は越えたいですね。」
梶子行弘:「牛乳も毎日飲んでいます」
日生日出人:「千夏子ちゃんの身長だと、春くんくらいの大きさの人が並ぶと大きすぎちゃ…」
日生日出人:「わ~、高い目標を持ってたねえ」
粕屋千夏子:「え~……」
倉間美舞:「え~もまあまあ失礼じゃないですか?」
日生日出人:「そういうみまちゃんはあ?」
日生日出人:「自分より高い身長の人がいいの?」
倉間美舞:「え~別にそういうのないっすね」
倉間美舞:「おかねもちがいいな~って思ってます」
芳井春:「素直」
倉間美舞:「好きなだけ肉食いたいすね」
香上進一郎:無言で焦げたタマネギとピーマン、人参を鞍馬の皿へ。
日生日出人:「その時はちゃんと焼いてもらうんだよお」
倉間美舞:「うわっ」
梶子行弘:「逆襲だ」
倉間美舞:「食べる?」梶子くんに渡そうとする。
梶子行弘:「なんで食べると思うんですか?」
倉間美舞:「好きかなって……」
梶子行弘:「大富豪はきっと復讐を受け入れるひとが好きですよ」適当に言ってる
芳井春:「……肉足すか」メニューを開く。
芳井春:「あんま高くないゾーンで食いたいやつ言ってけ~」
香上進一郎:ここぞとばかりに完璧の焼き加減のハラミを頬張って。
日生日出人:「また高いやつ?」覗き込んでくる。
梶子行弘:「ハムスターか何かだと思われてますか?」
芳井春:「絶対頼まれるからそれ以外」
梶子行弘:「ソーセージ詰め合わせください」
倉間美舞:「高いやつなんでダメなんすか」
芳井春:「予算」
GM:伝票がす、と取り上げられる。
日生日出人:「わ」ついっと見上げる。
矢掛翠:「予算ねえ……」今しがた店に入ってきた。
矢掛翠:「大丈夫よ。好きに頼んじゃって」
倉間美舞:「マジっすか」
香上進一郎:「お疲れ様です……よろしいので?」
芳井春:「おお。珍しい」
芳井春:間に合ったのか、という意味で。
日生日出人:「来れないかと思ってた…、良かったです」ニコニコ笑っている。
矢掛翠:「ええ。ちょっとしたらまた出るけどね」
梶子行弘:「特別ボーナスですか?」
矢掛翠:「顔出しとこうと思って」
日生日出人:きょろきょろ見回して、自分の座っていたところをずれる。
芳井春:メニューを支部長に手渡す。「ノンアル?」
矢掛翠:「ええ。お茶貰おうかな」
梶子行弘:ソフトドリンクを呑みながら、並んでいる二人を見やる。
日生日出人:「店員さーん」呼んでいる。
梶子行弘:(こうしてみると、確かに似てる……)
香上進一郎:そわそわとしながらサラダを取り分けている。
倉間美舞:「苦っが……」一口食べるアピールをしようとしてやめた。
倉間美舞:「一番高いの行っていいすか」
日生日出人:「も~、みまちゃあん」
梶子行弘:「石釜ビビンバ食べてみたいんですけどいいですか?」
芳井春:「はいはい」
矢掛翠:「どうぞって言いたいんだけど……そうだなあ」
粕屋千夏子:「あっあのね、ゆきくん」
粕屋千夏子:「私達の分は一応公務員だから……」
梶子行弘:「?」
粕屋千夏子:「私が割り勘を……」
梶子行弘:「…………ああー。」
香上進一郎:溜息を付きながら肉食動物が残そうとした野菜をトングで手元に寄せて。
梶子行弘:「いいです、じゃあ自分で頼みます」
矢掛翠:「贈収賄、うちみたいな秘密組織相手で気にしてもしょうがないのに」
粕屋千夏子:「心意気の問題です!」
香上進一郎:「ああ……道義上の……」
芳井春:「立派だな…」
芳井春:「ヒナセ、香上はいいか?」
日生日出人:「あっ、えっとねえ」
香上進一郎:「あっ、では少しだけ……これ、と……あとこれ」
香上進一郎:「5……6? 6かな? 6だな。それぞれ6人前でお願いします」
倉間美舞:「少しの概念バグってんのか」
日生日出人:「えっ、すごい…え~と…、えっと…」慌てている。「えっと……」
芳井春:「ん? 飲み物?」他の注文をメモしながら。
日生日出人:「わかんなくなっちゃった…、あとでいいです」
日生日出人:「乾杯先にしよ~」
芳井春:「んじゃ後な。ゆっくり決めといて」まとめて、店員を呼ぶ。
GM:店員が注文を承けて、すぐに飲み物だけが来る。
矢掛翠:「じゃあ。改めて……」お茶を手に持って。
矢掛翠:「今回は本当にみんなお疲れ様。色々とままならないこともあったでしょうけど」
矢掛翠:「でも、とても良くやってくれた。私としては、勝ちと誇ってもらっていいと思ってます」
矢掛翠:「簡単だけどこれくらい。じゃあ、楽しんで」
矢掛翠:「乾杯」


【エンディング:梶子行弘・芳井春】

GM:上戸下志帆については、UGN九株市支部よりの移送が決定した。
GM:予定の処置は、エバーグリーンごとの凍結。正確には、
GM:ただの形見のエメラルドと一緒の凍結。そういうことになっている。
GM:今日はその移送の予定日だ。まさに行われる処。
上戸下志帆:「……」護送車に向けて、特に何も言わず歩いている。
上戸下志帆:抵抗の様子もない。
芳井春:責任者としてそこにいる。共に護送車に乗り込もうとして。
梶子行弘:「はい、はい。道を空けて下さいね」
梶子行弘:「許可は取ってますので、はい。失礼します」
梶子行弘:警官を一人連れだって、護送スタッフの壁を抜ける少年が一人。
芳井春:「……ユキか」
芳井春:何かを言おうとして辞め。「……まだ少し時間はある。知って来たんだろうが」
梶子行弘:「どうも、芳井さん。ふう、ぎりぎり追いつきました」
芳井春:「少し、おまえに任せても?鑑識殿」
粕屋千夏子:「ごめんね~、ちょっとだけ時間ください!」
梶子行弘:「……信頼いただき、ありがとうございます」
梶子行弘:「とはいえ、こちらは鑑識の仕事ではないです」
梶子行弘:薄く笑む。楽しげではなく。余裕を保つための表情。
芳井春:「個人の用事か」
上戸下志帆:「……?」
芳井春:「……なら。そうだな。護衛はしておくから、済ませておいてくれ。こっちかな」
梶子行弘:「正確には」
梶子行弘:「九株北小六年二組、級長としてのお話です」
梶子行弘:「お願いします。時間は掛けませんので」
芳井春:笑う。「そりゃ、俺たちじゃ代われない仕事だ」
芳井春:「お任せしますよ、級長」
梶子行弘:そして、前に立つ。「お久しぶりです。上戸下さん」
上戸下志帆:「……何?」
上戸下志帆:「あなたが、私にできることなんて」
上戸下志帆:「なにもない」
梶子行弘:「ええ。そうでしょうね。ぼくも、できることがあればと思いますが」
梶子行弘:「ぼくはあなたの何者でもないし、逆もそう」
梶子行弘:「だから、代わりに」
梶子行弘:背中側から、大きめのナップサックを下ろす。
梶子行弘:手作り感のあふれる、動物の柄の。実習で作られたもの。
梶子行弘:「これは、あなたにと、届けられたものです」 中身をひらく。
上戸下志帆:「?」
梶子行弘:……花束。写真。ハンカチ。手作りの小物。涙の後が残る、メッセージカード。
梶子行弘:「九株みどりが丘小学校、6年A組の方から」
梶子行弘:「それとこちらは、田尾スイミングスクールの先生からで……」
梶子行弘:ばらばらと、細かく説明していく。彼女たちのために、供えられたものについて。
梶子行弘:数ヶ月前。痛ましい、一軒家が全焼した火事。一般には、事件性はないとして、周囲には事故として広まっている。
上戸下志帆:「……」
上戸下志帆:「私には、もう、こういうの」
上戸下志帆:「関係ない。私は、あそこで殺されて」
上戸下志帆:「だから……」
梶子行弘:「あなたにとっては、そうでも」
梶子行弘:「このひとたちにとっては、そうじゃない」
上戸下志帆:ポタポタと涙が垂れる。
上戸下志帆:「関係ないから。関係ない……」
梶子行弘:「それを、邪魔と思うか。……ほんの僅か、残されたものだと思うか」
梶子行弘:「ぼくが指示することではない」
上戸下志帆:「う」「うあ」
上戸下志帆:「ああああ……!」
梶子行弘:「……、……」
梶子行弘:涙の雫が、ちいさな折り紙の花を湿らせている。
梶子行弘:こちらも目頭が熱くなりかけて、目線を逸らす。「離さないで、ください」
梶子行弘:「これが、他愛もない長期休暇になるよう、願っています」
梶子行弘:ナップザックを抱えさせて、背を向ける。「行きましょう、千夏子さん」
粕屋千夏子:ぺこり、と礼をしてついていく。
GM:そのまま彼らがその場を離れて。
GM:護送車への乗り込みは、そのままつつがなく進んだ。
GM:その中。
上戸下志帆:ぎゅ、と。ナップザックを抱えたまま、大人しく座っている。
上戸下志帆:泣きはらした痕がまだ残っている。
芳井春:告解室じみた静寂に揺られて。
芳井春:「……ジョーゴ」
芳井春:「これ、呼びはじめたのに、俺しか呼ばねえんだよな」苦笑する。
上戸下志帆:「変だもの」
芳井春:「なんだよ」笑う。「早く言ってくれたら」
芳井春:「ちゃんと志帆って呼んだよ」
上戸下志帆:「別に。何でもいい」
上戸下志帆:「私が、私であることは、同じだもの」
芳井春:「……ふ」
芳井春:「うん。そうだな」
芳井春:少女を見上げる。見上げて初めて、自分が俯いていたことに気づく。
芳井春:写真の中だけの、微笑みと。泣きはらした目。
芳井春:「……志帆でしかない、志帆の話が聞きたかった」
芳井春:「聞きたいよ、俺は」
芳井春:「……って、こういう我儘ばっか浮かぶんだよなあ」
上戸下志帆:「……」
上戸下志帆:「話、面白く、ないから」
芳井春:「別に、いいよ。そんなの」
芳井春:「何話そうかとか、聞きたいかとか、すげえ真面目に考えたんだけど」
芳井春:「全然浮かばなかったし」
芳井春:「……なんか。ただ、少しでも多く」
芳井春:「覚えてたいだけだから」
芳井春:車内は揺れて、外は見えない。到着まであとどれくらいかも、分からない。
上戸下志帆:ぽつぽつと話し始める。
上戸下志帆:とりとめのない、要領を得ない、ただの日常の話を。
芳井春:時間が足りない、と思う。なにひとつ、うまく返せないまま、うん、うん、と頷く。
芳井春:もう少し、車が迂回して。信号が止まって、もう少しの時間が欲しい。
芳井春:話すことなんかもうない、と言われるまで。
芳井春:車は揺られて、そうして。
芳井春:いつかは辿り着く。


GM:護送車が去った後。
粕屋千夏子:「ゆきくん」
梶子行弘:「なんですか」
梶子行弘:いつもより、少しだけ固い声。
粕屋千夏子:頭を撫でる。
粕屋千夏子:「よくできました」
梶子行弘:「ちょっと」
梶子行弘:撫でられて、髪が乱れ、片目をつむる。
粕屋千夏子:「うん。本当にえらい」
梶子行弘:「……泣くなんて、思わなかったんです」
梶子行弘:わずかばかりの抵抗が止む。撫でられる手と髪で、目元が隠れる。
粕屋千夏子:「……うん」
粕屋千夏子:「大丈夫だよ。泣かせたんじゃないよ」
粕屋千夏子:「ようやく、泣けたんだよ」
梶子行弘:「ぼくは」
梶子行弘:「単に、やれると思ったから、やっただけです」
粕屋千夏子:「……うん。分かってる」
梶子行弘:「……でも」
梶子行弘:「ほんとうに、ただの女の子で。クラスメイトと同じ子が、あんな目に遭って」
梶子行弘:「……………………」
梶子行弘:許せなかったし。なにより。それ以上に。自分の内に生まれた感情に、困惑している。
梶子行弘:「少しでも、力になれて、」     「……良かった……!」
粕屋千夏子:「……うん。……うん」
粕屋千夏子:その小さな体を自分の方に引き寄せて、ポンポンと頭をまた撫でる。
粕屋千夏子:「私も、ゆきくんが」
粕屋千夏子:「そういうふうに思える子で、うれしい」
梶子行弘:「ふーっ、……うう……!」 すん、と鼻を啜る音。
梶子行弘:「また、こどもあつかい、しないでください……」
梶子行弘:女性の、体温を感じる。最初に会ったときから、彼女はずっと温かい。
粕屋千夏子:「するよ~、たくさんするよ」
粕屋千夏子:「君が大人になるまでね」
梶子行弘:「なにをどうしたら大人なんですか」
梶子行弘:このくらいの事件を、冷静に、完璧に。
梶子行弘:被害者に心乱されるなんてことなく、瑕疵なくこなせば、それが大人だろうか?
粕屋千夏子:「それは私だって分かんないけど」
粕屋千夏子:「きっと、そうなりたい、じゃなくて」
粕屋千夏子:「そう思ってもいいかなって思える日が来るよ」
粕屋千夏子:「きっと、それが大人」
梶子行弘:「……むずかしいですよ」
梶子行弘:「ちかこさんのくせに……」
粕屋千夏子:「そうだねえ」
粕屋千夏子:「……くせには余計~」
梶子行弘:千夏子さんの肩に頭を押し付ける。
梶子行弘:「……いつか、もうすっかり大人だねって、言わせてやりますから」
梶子行弘:「だから。それまで、しっかり見ていてくださいよ。ぼくのこと」


【エンディング:香上進一郎】

GM:【九株スカイビル 4F ゲームセンター「ワールサイド」】
GM:フロアの一角にはテーブルが置かれ、非電源ゲーム用のコーナーに勝手に改造されている。
GM:君は報告書の作成を一段落させたところだ。
香上進一郎:包帯だらけの手で目頭を強く抑える。此度の事件の規模が規模だけに。その量も途方もない。
香上進一郎:ペンを放り、僅かに残った温くなった缶コーヒーを飲み切る。
倉間美舞:ごん、と湯気の立つ鍋が置かれる。「終わったかよ?」
香上進一郎:「ん」
倉間美舞:「おっせえ」誰か一人がやればいいだろと主張して自分はやってない。
香上進一郎:「いや、あと少し……」そういえばもう長いこと腹に何も入れてない。
倉間美舞:袋ラーメンだ。具は適当に入った切ってないハムだけ。
倉間美舞:鍋のままそのまま給湯室から二人分持ってきた。
倉間美舞:「おっせ~」どかっと机の前に座ってトントン叩く。
香上進一郎:「そもそもお前のが得意だろ、こういうの……」文句を垂れながら器にそれを二人分よそう。
香上進一郎:「うわ、麺固まってる」
倉間美舞:「あ~?」
香上進一郎:「雑」
香上進一郎:いただきます、と手を合わせて麺を啜る。
倉間美舞:「じゃあ食うな」
香上進一郎:「食う」
倉間美舞:「ウザ……」そのまま麺を啜りながら。
倉間美舞:「つーかこれいつも思ってるんだけど、報告書って何処に出すんだよ」
倉間美舞:「支部長知ってるだろ事件」
香上進一郎:「まあ」
香上進一郎:「正直……オレもそう思わないことはないけど」
香上進一郎:「形として留めておくことで」
香上進一郎:「主観的でなく、客観視できる状態で、後で振り返ることができるのは」
香上進一郎:「今後の抑制にもなるから……とか?」
倉間美舞:「じゃあ主観的な文書くなよ?ウチの貢献勝手に削ったりとか」
倉間美舞:「そういうせこい事すんなよ」
香上進一郎:「しねえわバカ」
香上進一郎:「日生先輩からも言われてるしな」
倉間美舞:「言われてなかったらしてたのかよ」
香上進一郎:答えは沈黙。むしゃむしゃとハムを齧る。
倉間美舞:「なんとか言えや……」
香上進一郎:空になった器を下げて。ごちそうさまでした、と手を合わせる。
倉間美舞:食器をその辺に適当に置いて。
倉間美舞:「……で」
倉間美舞:「やんのか」
香上進一郎:彼女の口が開かれると同時に、足元のボストンバッグから年季の入ったチェス盤を取り出して。
香上進一郎:傷と焼け痕が残った小箱から、駒を取り出して並べていく。
香上進一郎:「………」
香上進一郎:「勝負の前に」
倉間美舞:「うん?」
香上進一郎:「この事件で、改めて。自分がまだまだ未熟だということを痛感したっつーか」
倉間美舞:「当たり前だろ……」
倉間美舞:「そもそも未熟じゃないと思ってたのが驚きだが……」
香上進一郎:ぐっ……と歯を噛み締めて。
香上進一郎:「……ギルドとの折衝も、上戸下志帆への対策……ケアとか。緻密な作戦の立案も」
香上進一郎:「みんなの力に、まだまだ成り得てない。オレがやったのは、ただの尻拭い」
香上進一郎:「だから、まあ……先輩にも、梶子さんたちにも」
香上進一郎:「感謝してるわけ」
倉間美舞:「んなの全員そうだろ」コインを弾く。ぱし、と甲に乗せて伏せる。
倉間美舞:「どっち」
香上進一郎:「表」
倉間美舞:開く。表。「どっち」
香上進一郎:「……白」
香上進一郎:「まだまだ足りてない」
香上進一郎:「だから、オレには必要なんだ」
倉間美舞:「何が」
香上進一郎:「正しい方向にも導いてくれる人も」
香上進一郎:「ど深夜に」
香上進一郎:「面倒くせー趣味に付き合ってくれる奴も」
倉間美舞:「面倒くせー趣味で負かしてくれる人だろ?」
倉間美舞:「来いよ」
香上進一郎:「言ってろよ」
香上進一郎:僅かに笑って。思案した後。
香上進一郎:キングの真上、e2。その白く輝くポーンを、黒に向かって進めた。
倉間美舞:そのままe5にぶつけるように打つ。オーソドックスな展開から入り、
倉間美舞:その後はポーンをガンガンと前に出していく。ただで取られるような位置にも躊躇なく。
倉間美舞:わざと取らせることで盤上位置の有為を取りに行く、ギャンビットを愛用して選択する。
香上進一郎:正道とは言い難い。型に嵌らない手を推し進める相手だ。
香上進一郎:しかし、もう何度も相対し、何度も考察を経た相手。呼吸を合わせるように守りを固め、攻勢が止む僅かな隙を狙う。
香上進一郎:互いの駒が盤上から消えていく。
香上進一郎:盤上を支配するのは。
香上進一郎:互いのクイーンと。ルーク、ビショップ、ナイトの絶妙な位置と。僅かに残ったポーン。
倉間美舞:ムスッと黙ったように頬杖をついてプレイしている。指し手は考えているのか不思議なくらい早い。
倉間美舞:何も考えずに出しているように見えるが、そうでは説明がつかないくらいに仕掛けをバリバリに仕込んでいる。
香上進一郎:フーッ、と息を吐き。脳に酸素を送る。
香上進一郎:厳密に持ち時間は定めていないが。以前長考した際は死ぬほど煽られたので。以来、できる限り合わせるようにしている。
香上進一郎:展開は既にエンドゲーム。詰められぬよう、慎重に詰めに臨む。
倉間美舞:ふ、と立て続けにプロモーション。ポーンを一気に2枚クイーンへ。
倉間美舞:そのまま盤上に高い支配力を作り、あとは踏み潰すだけ……だったが。
倉間美舞:「……」チェックせずに手番を渡した。
倉間美舞:「……」完全に盤面ほぼ全てに利かせて、逃げ場を完全に奪っている。
倉間美舞:もはや、彼が動かせる駒が一つもないほどに。
香上進一郎:「………あ?」
倉間美舞:「……」
香上進一郎:僅かに遅れて気づく。
倉間美舞:「……うわ」
倉間美舞:「ミスった」
倉間美舞:チェスには勝ちと負けだけではない。
倉間美舞:相手にチェックはされていない状態で、自分の動かせる駒が1つもないとき。
倉間美舞:引き分けが成立する。
倉間美舞:それをステイルメイトと言った。
倉間美舞:「……」
香上進一郎:「………」複雑そうな顔。
倉間美舞:「……」露骨に不機嫌になる。
香上進一郎:「中国の」
香上進一郎:「シャンチーってゲームだと」
香上進一郎:「“これ”にした方が負けらしいぞ」
倉間美舞:「だったらなんだよ……チェスだろ」
倉間美舞:「ルークにプロモーションしときゃよかったな……」
香上進一郎:「うん」
香上進一郎:「だから、何だ」
香上進一郎:「勝ち負けの基準っつーのは、割りと。千差万別っつうか……」
倉間美舞:「ウチにとっては負けだからな」
倉間美舞:「ボコせてねーし」
倉間美舞:「あ~~~ウッザ」
香上進一郎:「奇遇」
香上進一郎:「オレもむしゃくしゃする」
香上進一郎:「てな訳でもう一戦。……駄目だな、やっぱ麺、あれだけじゃ足らねえ」
香上進一郎:「まだなんか余ってた?」
倉間美舞:「たしか隠れ家(2Fの空きテナントのこと)にウインナーあったはず」
倉間美舞:「パクるか」
香上進一郎:「…………」尊敬する先輩の優しげな顔を思う。
香上進一郎:でも、確か。この前。オレが育ててたカルビ、獲られてたな。
香上進一郎:「パクってくる」
香上進一郎:「駒、並べとけよ」
倉間美舞:「はいワル~」ケタケタ笑う。
香上進一郎:「お前にゃ負ける」はは、と年頃の少年のように笑って。席を立つ。
香上進一郎:夜はまだ長い。


【エンディング:日生日出人】

GM:【ニュー九株ビル 5F 輸入家具「ジャス・キューセミ」(支部長室)】
GM:君は現在、資料作成の手伝いをしている。
GM:支部員たちからの報告書は上がっているが、それで終わりではない。
GM:それをUGNの上へ。それから、協力相手である警察へ。
GM:内容に手を加え、彼ら好みのものに仕立てて渡す作業がこれから。
矢掛翠:「警察の方お願いできる?そっちの方は今回」
矢掛翠:「だいぶ楽というか。甘く見ては貰えると思う」
矢掛翠:「向こうにしっかり花を持たせたから」
日生日出人:「長坂さん逮捕したとき、俺達なんもしてないもんね」
日生日出人:ノートパソコンから共有のフォルダを開いて操作しながら、いつも通りふにゃふにゃ笑う。
矢掛翠:「楠本磊についても、表向きは逮捕した手筈になってる」
日生日出人:「あ、そうなんだ」
矢掛翠:「身柄はこっちで預かるけどね。組の勢力も減退したというポーズね」
矢掛翠:「これで両者とも、トップが消えて動きづらくなった。トップだけって所がミソ」
日生日出人:「組織自体は潰せてないから…」
矢掛翠:「次を立てる動きをせざるをえない。うちにちょっかいを出したり」
矢掛翠:「本格的なセルの介入口実にまでは至らない……といいなって思う」
日生日出人:「断言はできないねえ」 苦笑する。
矢掛翠:「後は問題は……」
矢掛翠:「“エバーグリーン”の記述かな」
日生日出人:「…志帆ちゃんに渡したのって、あれ、本物?」
矢掛翠:「……ええ。スタッフには偽物って言って渡した」
日生日出人:「わあ~」
日生日出人:「翠さん、大胆」
矢掛翠:「いくら凍結保存に任せるとは言っても、」
矢掛翠:「ジャーム化した後かそうでないかでは、対応難易度に開きが出すぎる」
日生日出人:「うん」
矢掛翠:「たとえば、侵蝕の大低減技術が発明されたとしても」
矢掛翠:「ジャームは戻せない。茹で卵を孵せないようにね」
矢掛翠:「でも、まだ温度が熱いだけの卵なら、望みはある」
日生日出人:「ジャームになるっていうのは…」
矢掛翠:「保冷剤くらい、一緒につけてあげたかった」
日生日出人:「理性を失うこと、周囲との絆を結べなくなるっていうことで……」
日生日出人:翠さんを見る。「……翠さんが、そうしてくれたからね」
矢掛翠:「……これくらいしか出来ないからね」
矢掛翠:「実際に、動いて、こうできるように引き止めてくれたのは」
矢掛翠:「他ならない、あなた達のおかげ」
日生日出人:「え~」 困ったように笑う。
日生日出人:「春くんがねえ」
日生日出人:「送るって言い出したじゃない。たぶん、最後まで、何かしてあげたいんだろうなって、思って」
日生日出人:「しんちゃんもゆきくんも、きっと、たくさん考えて、だからこうしようって、動いてて…」
日生日出人:「………」黙る。苦笑する。「……エバーグリーン」
日生日出人:「壊しちゃった、って、書いとく?表向きには、そうなってるし」
矢掛翠:「壊されちゃった、で」
日生日出人:「ふふ。抗争に巻き込まれてね、志帆ちゃんとともに……」
矢掛翠:「ちょっと悪かな~?」
日生日出人:「……ん~」
日生日出人:探るように翠さんを見る。「……志帆ちゃんのことも」
日生日出人:「人を殺した罪が消えるわけじゃないよねって、俺は思っちゃって」
日生日出人:「だけど…だから、こうして、エバーグリーンと一緒に、いなくなったってことにして、」
日生日出人:「責められないように、眠らせてあげて…っていうの」
日生日出人:「悪かな~?」 同じような言い方をする。笑う。
矢掛翠:「……そうね。そう考えてしまうのは責められないけど。そうだなあ」
矢掛翠:「それでも、責めを負うべきだと思う。いずれね」
矢掛翠:「私たちは、みんな、人に優越する能力を持っているけれど」
矢掛翠:「それが人として扱うに影響することはあってはならない」
日生日出人:「うん」
矢掛翠:「復讐殺人の容疑者として、量刑されることが正しいと思う」
矢掛翠:「年少者による酌量とか、そういうものはあるかもしれないけど」
矢掛翠:「私達の領分ではない。それは司法の領域」
日生日出人:「……人の領域だね」
日生日出人:「…理性がなきゃ、それだって受けられない、もんねえ」
矢掛翠:「そういうこと」
日生日出人:「あれ」
日生日出人:「連続殺人事件の犯人、志帆ちゃんだって、じゃあ、警察って知ってるの?」
矢掛翠:「……ええ」
日生日出人:「そっか」
矢掛翠:「そうするべきだって。粕屋さんが」
日生日出人:「本業の人に、そう言われちゃねえ」
日生日出人:「……」 ちょっと黙る。表情を変える。「…ごめんね」
日生日出人:「暗い話ばっかりしちゃった」
矢掛翠:「いいのよ。話しながらだと気が紛れるの」
矢掛翠:お酒入れるわけにもいかないしね、と続けて。
日生日出人:「ん~」 そこから先、ちょっと言うのをためらう。躊躇ってから、結局言う。
日生日出人:「俺でいいの~?」
矢掛翠:「うん?」
日生日出人:「えと…、お酒飲めて話しやすい人、他にもいるんじゃないの~って…いう」
矢掛翠:「あら。今日は弱気ね?」
日生日出人:「うえ」
日生日出人:「いじめないでよお」
矢掛翠:「ごめんごめん。そうだなあ……」
矢掛翠:「あなたが唯一の人かは分からない。きっと、探せばいくらでも替えがきくのかも」
矢掛翠:「でも今はここにいるあなたがいい」
矢掛翠:「ズルい?」
日生日出人:「ん…」
日生日出人:「ズルい」
日生日出人:「でもいいんだ。俺もズルいから」
日生日出人:やおら立ち上がり、翠さんのそばに行く。
矢掛翠:ふと手を止めて。「そうなの?」
日生日出人:艶めいた髪に触れる。「うん」
日生日出人:「……そだ。真面目な提案、しようと思ってたんだ」
矢掛翠:「うん?」
日生日出人:「パトロールさ、あれ、今回きりで終わらせるんじゃなくて」
日生日出人:「ときどきでも、続けていいんじゃないかなあって、思ったの」
矢掛翠:「そうね。この先の勢力動向は注視しなきゃ」
矢掛翠:「仕事増えちゃうけど、大丈夫?」
日生日出人:「うん、いいよ」
日生日出人:「誰かの、初めて出会う誰かになれるかも、しれないし」
日生日出人:「……それで、今度は、ちゃんと助けられたって言えたら、いいよねえとか…」
日生日出人:指先が毛先に触れている。誰のために言ってるのか分からなくなって、言葉が途切れた。


【エンディング:芳井春・日生日出人】

GM:【ニュー九株ビル 屋上】
日生日出人:満開の星空など、ついぞこの街では見たことがない。
日生日出人:煌々ときらめくネオンがそれ以上に強く光り、夜空を地上から照らす。
日生日出人:乱立するビル、そこにいるのが人なのか超人なのか、味方なのか敵なのか。ひとつひとつ区切ることはきっと敵わない。
日生日出人:フェンスに寄りかかって、そんな、いつも通りの風景を視界におさめて。
日生日出人:「ん~……」
日生日出人:春くんへメッセージを送る。
日生日出人:『終わった?』と入力し、消し、考え、『こっち戻る?』と入力、送信。
日生日出人:「……煙草…」
日生日出人:「ん~…いや……ごはん…? ん~……」
芳井春:そのメッセージに既読はつかず、ドアが軋んで、開く。
日生日出人:「わっ」びっくりする。
芳井春:大柄な人影。「お、いた」
日生日出人:振り向きます。「えっ」
芳井春:「……何。幽霊みてえな反応して……」扉を閉める。
日生日出人:「え、だって、俺、いま春くんにメッセージ送って…」
日生日出人:「…思ってたより早くて、びっくりした」
芳井春:端末を取り出す。「おお」瞠目し。「……まあ」
芳井春:「早く終わった。思ったより」
芳井春:「順調に進んだ」
日生日出人:「……」探るようにその顔を見る。
日生日出人:「おつかれ」
芳井春:フェンスの傍に来て、外を見ている。
芳井春:「行けてよかった」
日生日出人:「…そっか」
日生日出人:「そっか」笑う。「良かったあ」
芳井春:「うん」
芳井春:「……俺はもっと、話すのが上手いと思ってた」
芳井春:「すげえ下手でウケた」
日生日出人:「んふふ」
日生日出人:「想像つくなあ」
芳井春:「つくなよ」
芳井春:かすかに笑って、虫のように小さく見える、車の往来を眺めている。
日生日出人:「へへ」笑う。「…志帆ちゃんも」
日生日出人:「話せてよかったって、思ってくれてるといいね」
芳井春:「……ん」
日生日出人:「あ、支部長には?」
芳井春:「連絡だけしてある」
芳井春:「向こう出るときに。細かい報告は明日かな」
日生日出人:「そっか」
日生日出人:「……二人で話せるう?」 茶化すように言う。
芳井春:「へ。そのつもりで来た」
日生日出人:「えっ」 びっくりする。
芳井春:「……あ?」
日生日出人:「お…俺じゃないよ!」
芳井春:「ああ。母さんと?」笑う。
芳井春:「おまえ俺より年いちおう下だろが」
日生日出人:「ええ、一個しか変わらないじゃん」
芳井春:「……そこまでじゃねーっての」
芳井春:「てか」
日生日出人:「……」春くんを一瞥。「そうだよね…」
日生日出人:「ん?」
芳井春:「いや。おまえほんとに」
芳井春:「人の心配ばっかするなーと思って」
日生日出人:「え~?」 ふにゃふにゃ笑う。
芳井春:「別に好きでやってるならいいけどさあ」
日生日出人:「…だって、今回、春くん責任感じてるだろうし」
日生日出人:「他のみんなも、つらいよねえとか、考えるし…」
芳井春:「おまえは?」
日生日出人:「うええと」
芳井春:「……好きでやってるなら、いいけど」同じことを言う。
芳井春:「ホルモン以外も食いたくならねえの、的な」
芳井春:「話」
日生日出人:「……」
日生日出人:「……、なんか」
日生日出人:「俺、子供好きでね」
芳井春:「ん」
日生日出人:「だから、なんか、やだなあって思ってて…」
日生日出人:「やだなあって思ったとおりのことが起こってて、それにもやだなあって思って…」
日生日出人:「……たんだけど」
芳井春:「うん」
日生日出人:「決めるのとか、言うのって、難しいね」 苦笑する。
芳井春:「……うん」
日生日出人:「タイミング逃したら、わかんなくなっちゃって」
日生日出人:「なんか、自分が、何したいのかとか…何してるのかとか」
日生日出人:「………」黙る。「……だから、えっと」
芳井春:ヒナセの方を見て、そのまま聞く。
日生日出人:「……今も、何話してるのかよくわかんなくなっちゃった」苦笑する。
日生日出人:「話すの、下手なの、俺もかも」
芳井春:「ハハ」
芳井春:「別にいいじゃん」
日生日出人:「つまんなくない?」
芳井春:「いいよ。上手い話が聞きたいわけじゃねえし……」
芳井春:「上手く話したくておまえと話してるわけでもないしさ」
日生日出人:「……」
日生日出人:「春くんはさ」
芳井春:「んー?」
日生日出人:「仕事、好き……かどうかは、関係なくさ」
日生日出人:「辞められなさそう」
芳井春:「母さんとも似た話したわ」
芳井春:「そう思う、俺も」笑う。
日生日出人:「そっか」微笑む。
芳井春:「つーか、支部内占領しまくってるしな俺」
日生日出人:「あっ、冷蔵庫!」
日生日出人:「ついに冷蔵庫まで置き始めたでしょ!」
芳井春:「あると便利だろ……」
芳井春:「飲み物冷やせるし……」
芳井春:「いいんだよ。たまに誰かパクってくから役に立ってる」
日生日出人:「あ~……、育ち盛りがいるからなあ」
芳井春:「二階、隠れ家呼ばわりされてっからな」
日生日出人:「間違ってないじゃん」ころころ笑う。
芳井春:「あそこも今更片づけるのめんどい」
日生日出人:「そっか。だったら…」
日生日出人:「いるしかないね」
芳井春:「そうかも」
日生日出人:「あのさ」
日生日出人:「平然としなくて、いいんじゃないかなあ」
芳井春:「……」
日生日出人:「……たまにはね」
日生日出人:「そだ。この間、ブッチしちゃったご飯のぶん、俺、奢る!」
芳井春:「あー?別に気にしてねえけど……」
日生日出人:くるりと回る。「俺が気にするから」
日生日出人:「いいの。んへへ、でも、安いとこね」
芳井春:「どーすっかなあ」
日生日出人:「ん~? どこにしよっかなあ、せっかくだし、ちょー辛いラーメン食べれるところ…」
日生日出人:ひとりごとのように言いながら、てくてく先を行く。
芳井春:それを追い、「あ」と思いついたように言う。
日生日出人:「ん~?」
芳井春:「何したくて、何しようとか、わかんねえけど。俺も」
芳井春:「でもお前、いるし」
芳井春:「その逆でいいかなって思った」
日生日出人:「………」振り返る。きょとんとする。
日生日出人:きょとんとした後、笑う。
日生日出人:「ウラハラは、俺だし」
芳井春:「んじゃハラにラーメンを入れるぞ、“ウラハラ”~」
芳井春:歩き出して、彼に並ぼうとして。
芳井春:街の夜が目に入る。
芳井春:地上が空よりも輝いた、不格好な夜の光。
芳井春:静寂はなく、その活気すら、明日もあるとは知れない。
芳井春:これは仮初で、時間稼ぎで。
芳井春:けれどまだ、この夜は、この街は死者(トランジ)にはならない。
芳井春:……そして、歩いていく。

Dx3rd 『白く黒いミゼールは黒く白い』 終


本作は、「F.E.A.R.」及び「株式会社KADOKAWA」が権利を有する『ダブルクロス The 3rd Edition』の二次創作物です。
(C) FarEast Amusement Research Co.Ltd.


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