『エイト・クイーンは並ばない』(GM:DT)


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【関連セッション】
『白く黒いミゼールは黒く白い』
『エイト・クイーンは並ばない』

エイト・クイーンは並ばない

“トランジ”芳井(よしい)(はる)キャラシート(PC1:自動)
“ウラハラ”日生(ひなせ)日出人(ひでと)キャラシート(PC2:めかぶ)
“ステイルメイト”香上(かがみ)進一郎(しんいちろう)キャラシート(PC3:ガントス)
“ルージュ・ヌワール”シェリー・ミルズ( )キャラシート(PC4:いーさにうむ)

【Index】

オープニング:シェリー・ミルズ
オープニング:香上進一郎
オープニング:日生日出人
オープニング:芳井春
ミドルフェイズ1:楸河荘にて
ミドルフェイズ2:シャンスにて
ミドルフェイズ3:ニュー九株ビルにて
ミドルフェイズ4-1:奈義時緒の場合
ミドルフェイズ4-2:“インタリオ”の場合
ミドルフェイズ4-3:楠本陽子の場合
ミドルフェイズ4-4:キンバリー・リー・エバンスの場合
ミドルフェイズ4-5:津山イトの場合
ミドルフェイズ4-6:新見詩の場合
ミドルフェイズ5:ニュー九株ビルにて・再び
クライマックス:瑞事ホテル九株にて
エンディング:沖角太産にて
エンディング:香上進一郎
エンディング:日生日出人
エンディング:芳井春
エンディング:シェリー・ミルズ

【プリプレイ】

GM:『エイト・クイーンは並ばない』 やっていきます
GM:よろしくね~
芳井春:よろしくね!
日生日出人:よろしくね~!
香上進一郎:よろしくおねがいします!
シェリー・ミルズ:よろしくお願いするわ
GM:では自己紹介から参りましょう。PC1!息子 おねがいします
芳井春:息子だァー?
芳井春:はい
芳井春キャラシート
芳井春:よしい・はる。コードは《トランジ》!
芳井春:甘い目元の大柄な青年。支部長である《エスキース》矢掛翠の息子です!
芳井春:UGNエージェントですがさして素質はなく、戦闘能力もほぼない。
芳井春:熱と毒を帯びた脆弱な肉塊を、従者として使役できるという感じのオーヴァードなようです
芳井春:基本は探知・情報収集と、この肉塊を使い捨てての防御がお仕事という感じ。
GM:肉塊……
血肉細工:つかいすてられます
芳井春:シンドロームはブラム=ストーカー/サラマンダー/エグザイルのトライブリード。
芳井春:従者型で、基本はDロイス【組織の助力】を含めたミドルでの頑張り。戦闘ではメジャー放棄カバー+反撃邪毒を行うのみ!
芳井春:今回は経験点が増え、社会を2あげたので、従者と本体の二人体制でミドル判定を行います。
芳井春:さらにミドルに強くなったぞ!
GM:やった~
芳井春:こんな感じです!よろしくねー
GM:はーい ではそんな春のハンドアウトがこれです
PC1 芳井春用ハンドアウト シナリオロイス:新見詩 推奨感情:好奇心/不安
九株市有数の資産家である新見北斗。彼の死後、彼の所蔵品は散逸しつつあった。
その中にあるレネゲイドアイテムの状況調査のため、その遺産を相続した新見詩の元を尋ねると、
彼女はそれを手放してしまったと奔放に告げる。
逆に彼女は、あなたと、あなたの母親を、あるパーティに招きたいのだという。
GM:出ます 女王のうちの一人が……
芳井春:うたちゃん!娘!パーティ!
芳井春:この年で親とはちょっとなァ~
芳井春:どんな子か楽しみです!
芳井春:がんばるぞ~
GM:がんばって~
GM:では次!ヒナちゃんお願いできるかな
日生日出人:は~い!
日生日出人キャラシート
日生日出人:ヒナだよ~!ヒナって呼んでね~。
日生日出人:というわけでひなせ・ひでとです。あだ名はヒナ。UGNエージェント、コードネームは《ウラハラ》。
GM:非常にヒナヒナしている
日生日出人:整った派手な外見で、染めたピンクベージュの髪がトレードマーク。
GM:目立ちそう
日生日出人:服装も派手だから多分すごい目立つ
日生日出人:年齢は19歳で、性別は……不定!
日生日出人:能力で外見を自由に変えることができ、時と場合によって男だったり女だったりします。
日生日出人:九株市UGN支部では支部長室によく出没しており、もっぱら支部長の仕事を手伝ったり愚痴を聞いたりしています。
GM:自在ってわけ まさかその立ち絵コマが2個あるのは……
日生日出人:オホホ 変更可能よ
GM:変わった!※ログでは一切分からない表現でお送りされております
日生日出人:とはいえ能力的にすごく優秀というわけでもなく、周囲からは「顔で気に入られている」と揶揄されており、本人も特に否定していません。
GM:まあいいからな 顔……
日生日出人:派手な見た目に反して性格は気弱め、ふにゃふにゃしており、すぐ気にしちゃうところがあります。
日生日出人:シンドロームはソラリス・オルクス・エグザイルのトライブリード。
日生日出人:《ディストーション》を起点にした社会型の白兵攻撃を行います。
日生日出人:《宵闇の魔花》による達成値増加、《領域の盾》によるカバーなどの支援も網羅しており、
日生日出人:模範的エージェント構成として器用貧乏にちょこちょこサポートしていけたらいいな~と思っています。
日生日出人:そんな感じでした~!以上だよ~!よろしくね~
GM:たすかる~
日生日出人:んへへ
GM:よろしくね~ ではヒナくんのハンドアウトはこちらです
PC2 日生日出人用ハンドアウト シナリオロイス:“汀” 推奨感情:親近感/不信感
九株市の新しい市会議員である寄島ひろし氏は、レネゲイドのことを識る者であるという。
当然、この欲望渦巻く街の中には、権力者である彼に接近する女性の影は多い。
あなたはその動向を探る中で、彼と親しくするあるホステスと出会う。
彼女は“汀”と名乗り、あなたとも近づきたいと微笑む。
GM:寄島ひろし 寄島ひろしをよろしくお願いいたします
日生日出人:すごい絶妙なネーミングすぎる
日生日出人:政治のことはよくわかんねえけど色仕掛けなら得意だ!色っぽいお姉ちゃんに受けてたとうじゃねえの
GM:なかよくしてあげて~
日生日出人:なかよくしたーい!がんばりまーす
GM:では次!香上もはよしろ もう先輩方終わってるだろ
香上進一郎:は?
香上進一郎キャラシート
香上進一郎:香上進一郎(かがみ・しんいちろう)。16さいです。
香上進一郎:市内の九株北高校に通う高校生にしてUGN九株市支部のチルドレンでもあります。
香上進一郎:きちっとした身なりの通り堅物、生真面目くんです。
GM:つまんないやつ
香上進一郎:趣味はチェスを始めとしたボードゲーム全般。
香上進一郎:熱くなりやすいタチなのであんまり強くないです。
香上進一郎:よく相手してあげてる同僚は強さに胡座かいているので、そのうちボコれそうです。
GM:ざーこ♡
香上進一郎:鏡見ておはなししてるのかな
香上進一郎:シンドロームはモルフェウス/ノイマンのクロスブリード。
香上進一郎:Dロイス《精鋭》の恵まれた白兵固定値から《ブラストフォーカス》でバシバシステゴロを挑みます。
香上進一郎:侵蝕が高まってくると、本来武器破壊デメリットのある《ストライクモード》を
香上進一郎:素手を参照しないデータの《インスタントボム》とのシナジーで火力アップできたり
香上進一郎:《ラストアクション》で死にながら殴るインチキくさい動きもできます。
GM:なんてやつだ 性格悪そう
香上進一郎:あ、能力は己が触れたレネゲイドの出力を瞬間、飛躍的に増加、爆発させる能力みたいなやつで
香上進一郎:香上は体内で爆発とリザレクトを組み合わせることによって文字通り爆発的な瞬発力と破壊力を生み出してるみたいな そんな感じです。けっこう痛い。
GM:コワ……
香上進一郎:基本脳筋なんですが
香上進一郎:ダブルクロス至上最強ぶっ壊れエンブレム《バディムーブ》も搭載しているのでミドルもやや援護に回れたりもできます。先輩方をいっぱいサポートするぞ。
香上進一郎:まあどっかのチルドレンには真似できない汎用性も備えてるんですよね。
香上進一郎:精鋭なので。
GM:あ?
香上進一郎:以上で~~~す
GM:じゃあですを無駄に伸ばしちゃう香上進一郎くん16さいのハンドアウトはこれです
PC3 香上進一郎用ハンドアウト シナリオロイス:八人の“女王” 推奨感情:有為/脅威
あなたがいつものように街中をゆくと、不穏な影を感じる。
裏の人間が、堂々と表の世界に居座っているような居心地の悪さ。
同行者である君の同僚が言うには、それを引き連れるものもまた、“女王”であるという。
この街の支配を争う、“八人の女王(エイト・クイーン)”の一人であると。
香上進一郎:なんだか気味がわるいぞ
香上進一郎:OP時点で誰かと邂逅するのだろうか
香上進一郎:まさか同行者と二人きりなんてことには…
GM:します 邂逅を……
香上進一郎:ほほ~ん なるほどね
GM:残念でした~
香上進一郎:がんばります 足引っ張るなよ
GM:じゃあ最後 新キャラ!シェリー・ミルズさん お願いします
シェリー・ミルズ:ゲスト枠です。夜の女を……やりに来ました
シェリー・ミルズキャラシート
GM:顔が良すぎる……
シェリー・ミルズ:"ルージュ・ヌワール" シェリー・ミルズ。23歳。
シェリー・ミルズ:黒いレース・ドレスに身を包んだ、蠱惑的な金色の瞳を持つ女。大ぶりの赤いピアスが目を惹く。
シェリー・ミルズ:九株市に幅を利かせるマフィア組織"ミルズ・ファミリア"、その首魁たる男と日本人の母の間に生まれた一人娘。
GM:マフィアじゃん!コワイ!
シェリー・ミルズ:マフィアの令嬢よ コワイよ
シェリー・ミルズ:オーヴァードとしての能力を遺憾なく発揮し、組織の実権のほぼ全てを握る"女王"の一人。
シェリー・ミルズ:その一方で、マフィアの令嬢という立場から離れたい、平凡な生活への憧れを抱いている……とも。あくまで噂。
シェリー・ミルズ:高級ホステスだった若い頃の母と瓜二つの美貌を持ちますが、父親には「その顔は飽きた」と蔑まれるなど快く思われてはいません。
シェリー・ミルズ:そんな母はシェリーが幼い頃に転落事故(諸説あり)で亡くなっており、その遺品であるピアスを切掛に覚醒。
GM:すごい一文
シェリー・ミルズ:父親は愛人作って帰って来ないよ
シェリー・ミルズ:"幸運ピアン・シャンス"の名を冠する真っ赤なピアスは遺産・ニーベルングの指輪に相当する一品であり、
シェリー・ミルズ:"本当の願い"が叶わなくなる代わり、大きな力が与えられる──とされる、曰く付きの品。
シェリー・ミルズ:女郎蜘蛛のキュマイラであり、己を中心とした広域に"領域"を構築し、その内側にあるヒト・モノを支配下に置くことが主な能力です。
シェリー・ミルズ:データ的にはキュマイラ/エグザイル+オルクスの白兵アタッカー+サポート。
シェリー・ミルズ:《バックスタブ》乗せてそれなりに殴りつつ、《間隙の魔術師》《デビルストリング》《妖精の手》で色々とサポート・妨害をしていきます。
シェリー・ミルズ:こんな感じかしら~
GM:万能だ
GM:よろしくお願いします~ ハンドアウトはこちらになります
PC4 シェリー・ミルズ用ハンドアウト シナリオロイス:九株市 推奨感情:尽力/敵愾心
“ミルズ・ファミリア”の幹部として九株市とその周辺に根を張るあなたの支配に対して、
現在の混乱模様は好機でもあり、情勢如何によっては影響力消失の危機でもある。
ファミリーのボスでありあなたの父――ブランドン・ミルズは、今更に君を呼びつけると、指示を下した。
その小さな街を完全に支配せよと。さもなくば――
GM:呼びつけられます 久々に
シェリー・ミルズ:普段寄り付かないくせに……
シェリー・ミルズ:元より今の状況に甘んじるつもりはないわよ
GM:なんとかしましょうね 他の女王共を蹴落とすとか……
シェリー・ミルズ:やっちゃうか……
シェリー・ミルズ:がんばります よろしくおねがいします
GM:よろしくお願いします!
GM:ではトレーラーを貼っていくので
GM:うおおやるぞという気持ちになり、それを表現しておいて下さい
■トレーラー 昨日と同じ今日。今日と同じ明日。
そんなもののほうがマシだ。明日よりも酷い明後日よりは。

某県九株市。
大規模FHセル同士の対立関係を背景に、それぞれの息のかかったギルドと鴻央会の諍いが跡を絶たない犯罪都市。
UGNの九株市支部は、これに対応するため、全国でも異例とも言える、警察組織との積極協力を表明。
法とレネゲイドの両面から、全面衝突の回避を模索していた。

さる連続殺人事件に端を発した、鴻央会系廿雀組とギルド、そしてUGNの衝突。
それは二者のトップの逮捕により一旦の終息をみた。
その後の九株市裏社会の権力は、数名の女性――女王に収束したと囁かれる。

“インタリオ”――新たに台頭した、犯罪組織ギルドの宝石商。
楠本陽子――鴻央会系列廿雀組元若頭、楠本磊の妻。
新見詩――亡き大資産家の莫大な遺産を相続した、一人娘。
シェリー・ミルズ――マフィア組織“ミルズ・ファミリア”、そのボスの令嬢。
津山イト――年齢不詳の老婦人。色街を取り仕切る女衒の長。
キンバリー・リー・エバンス――レネゲイド系企業"ウジミト”の、若き女社長。
奈義時緒――警視庁R事案対策本部、九株市分署の女長官。
“エスキース”矢掛翠――商工会役員のカヴァーを持つ、UGN九株市支部支部長。

すべての女王が並び立つには、この盤面まちは狭すぎる。

ダブルクロス the 3rd edition『エイト・クイーンは並ばない』
ダブルクロス――それは裏切りを意味する言葉。
GM:うおおやるぞ よろしくおねがいします~
芳井春:うおおやるぞっ
芳井春:よろしくお願いします!
香上進一郎:ウオ~~~ッ よろしくお願いします!
日生日出人:うおおやるぞー!よろしくお願いします!
シェリー・ミルズ:やってやりましょう よろしくお願いします!


【オープニング:シェリー・ミルズ】

GM:登場ダイスをお願いします。
シェリー・ミルズ:シェリー・ミルズの侵蝕率を1D10(→ 8)増加 (33 → 41)
シェリー・ミルズ:たかめ


GM:【市外 邸宅】
GM:九株市からそれなりに離れた街だ。街を訪ねたこともないし、
GM:まして、こんなところに屋敷を持っていることさえ把握してはいなかった。
GM:だが、“彼”はここに、あなたを呼びつけた。連絡さえ久方ぶりだ。
GM:屋敷に足を踏み入れる直前。
グレイ・バーンズ:「……シェリー」君の護衛、褐色肌の青年が、君に声をかける。
グレイ・バーンズ:「……今回の呼び出し。何だと思う」
シェリー・ミルズ:「さぁ。何かしらねぇ」
シェリー・ミルズ:華美ではないが、品のある落ち着いた雰囲気の邸宅を一瞥し、興味なさげに返す。
シェリー・ミルズ:「アタシを呼び付けてまで言いたいことの想像くらいは、できなくもないけれど」
シェリー・ミルズ:「……どうせ、ろくでもないのでしょうね」
グレイ・バーンズ:「……消すつもりでないことは確かだな」
グレイ・バーンズ:「だったら一人で来いと但し書くだろう」
シェリー・ミルズ:その言葉にくすりと笑む。
シェリー・ミルズ:「もしそのつもりなら、呼び出すことすらしないわよ」
シェリー・ミルズ:「少なくとも──まだ。アタシはあの男にとって、便利な手駒の一人」
シェリー・ミルズ:つかつかと男の傍に歩み寄る。真紅で彩られた指で、くい、と男の顎を撫でて、
シェリー・ミルズ:「消すなら、先に貴方を消してからにするわよ、きっと」
グレイ・バーンズ:「光栄だな」表情も変えずに答える。
グレイ・バーンズ:「どうやら、俺もまだ便利な手駒で居られるらしい」
シェリー・ミルズ:ルージュを塗った唇が愉しそうに吊り上がる。それも、ほんの数秒で真っ直ぐに直って。
シェリー・ミルズ:「……さぁ。久々に父娘おやこの再会と洒落込みましょうか」
GM:屋敷に踏み入れ、扉を開く。護衛が詰めているわけでもない。
GM:本拠の事務所と構えているわけでもなく、私邸の一つなのだろうか?
GM:そこに踏み入っていくと、そこの主人の部屋がある。
シェリー・ミルズ:グレイに一度視線を送り、それからノック。
グレイ・バーンズ:無手だが、いつでも飛び出せるように構えてはいる。
GM:「……誰だ」と、中から誰何の声。
シェリー・ミルズ:言葉を返すことなく、レースに彩られた手がノブを捻る。扉を開ける。
シェリー・ミルズ:「愚問ね。時間通りよ」
GM:そこは執務室と寝室を一つにしたような、飾り気のないが金の掛かっていそうな装丁の部屋だ。
GM:男が一人。それは君の父親であり。
GM:“ミルズ・ファミリア”の首魁である男だ。ブランドン・ミルズ。
シェリー・ミルズ:この男の趣味だ、と一目で分かる。多少色味が多いのは、ここに連れ込んでいる女の影響だろうか。
シェリー・ミルズ:「久しぶりね、パパ」
ブランドン・ミルズ:「……ああ」その顔を見て。
ブランドン・ミルズ:「そうだったな。忘れていた」
ブランドン・ミルズ:射すくめるような眼光が見抜く。
シェリー・ミルズ:瓜二つの母と唯一異なる色。宝玉のような金色の瞳──
シェリー・ミルズ:父から継いだ色。視線が絡み合い、探るように細まる。
グレイ・バーンズ:一礼する。
シェリー・ミルズ:「……わざわざ呼び出した癖に。相変わらずね」
ブランドン・ミルズ:「そういえば呼んでいたか。おい」後ろを向き、声をかける。
GM:ベッドがもぞもぞと動き、むくりと人が起き上がる。
ナターリア・グリゴリエヴナ:「え……何?てか……誰その女?」
ナターリア・グリゴリエヴナ:「ふああ」銀髪の半裸の女が這い出て、欠伸をする。
シェリー・ミルズ:「…………」 目を細め、女を見る。自分の黒髪とは似ても似つかない豊かな銀髪が揺れている。
ブランドン・ミルズ:「新聞だ。持って来い」
ナターリア・グリゴリエヴナ:「はあ~い」けだるげに答えて、ろくに服もまとわぬ姿で立ち上がる。
ナターリア・グリゴリエヴナ:君に目が合うとウインクする。
シェリー・ミルズ:部屋で男の愛人に鉢合わせるのは、これが初めてではない。無表情にそれを見送る。
シェリー・ミルズ:見たことのない女だった。会わない数ヶ月の内に見初めた一人なのだろう。
ナターリア・グリゴリエヴナ:新聞を持ってきて、男に渡す。絡みつくように腕にまとわりついて、頬に口づける。
ブランドン・ミルズ:鬱陶しげに振り払いながら、新聞を開く。
シェリー・ミルズ:僅かに苛立たしげに、ヒールがかつ、と床を鳴らす。
シェリー・ミルズ:「……女との逢瀬を眺める趣味はないのだけど」
GM:新聞記事だ。廿雀組の楠本磊の逮捕記事。
GM:それから、それよりは扱いは小さいが、長坂泰彰の逮捕を報じるもの。
ブランドン・ミルズ:「お前は趣味や道楽で仕事をしているのか?」
ブランドン・ミルズ:「だったら、この2件もお前の絵図通りか?」
ブランドン・ミルズ:「順調に事を進めた結果これを成し遂げたとでも?」
シェリー・ミルズ:最近、警察の動きが俄に慌ただしいことには勘付いていた。
シェリー・ミルズ:だが、これ程の大きな逮捕案件に発展することが想定外だったのは確かだ。
シェリー・ミルズ:「……事業の殆どをアタシに投げてる癖に、こういう時だけは煩いのね」
シェリー・ミルズ:……恐らくは、警察単独ではない。他のいずれかの組織と連携した──そう見ている。
ブランドン・ミルズ:「それを見直す必要が出たということだ」
シェリー・ミルズ:「へぇ?」
ブランドン・ミルズ:「奴らを叩いたのがお前ではないのだろう。であれば、それは」
ブランドン・ミルズ:「UGNの手によるものだろう。つまり、ついに奴らの支配が……」
ブランドン・ミルズ:「九株にも及び始めているということだ」
シェリー・ミルズ:警察単独ではなく、他の組織と連携を図ったならば──その候補の筆頭は、UGNだ。
ブランドン・ミルズ:「政府お抱えの集団だ。あれが根付けば、他の樹は育たん」
シェリー・ミルズ:「もうすっかり裏の仕事に興味をなくしたのかと思っていたけれど」
シェリー・ミルズ:「UGN。世界の真実を知る平和の盾。ねぇ、そんなに嫌いなのかしら。何か因縁でも?」
ブランドン・ミルズ:「好悪を仕事に持ち込むとはな」
ブランドン・ミルズ:「やつらは奉仕者だ」
ブランドン・ミルズ:「利を求めるものであればやりようはある。欲しい物をあてがってやればよい」
ブランドン・ミルズ:「奉仕者は貸しつけられん。あれは駄目だ」
シェリー・ミルズ:「……他の連中と同じように対応するわけにはいかないってことねぇ」
ブランドン・ミルズ:「だが、今だ」
ブランドン・ミルズ:「今であれば、まだ手の出しようがある」
ブランドン・ミルズ:「それを手をこまねいて見ているだけの、部下に教育してやるくらいには」
ブランドン・ミルズ:「俺もまだ裏の仕事に興味があったようだな」
シェリー・ミルズ:「……そ」
シェリー・ミルズ:レネゲイドが汎く世界に拡がるより前。旧体制の裏稼業が強かった時代に、ただ1代で"ファミリア"を創り上げた男。
シェリー・ミルズ:そのやり方だけでは、既に裏社会で勢力を維持することはできなくなった。
シェリー・ミルズ:故に、新しい力を持った自分が糸を引く者に成り代わった。
シェリー・ミルズ:……だが、その嗅覚は決して。衰えてはいないのだろう。
ブランドン・ミルズ:「しくじってくれるなよ。もし手に余るようなら」
ブランドン・ミルズ:「“ファミリア”はこいつに譲る」
ブランドン・ミルズ:傍らで退屈そうにベッドに横たわる女を指す。
シェリー・ミルズ:ぴく、と眉が動く。
ナターリア・グリゴリエヴナ:「え~?」
ナターリア・グリゴリエヴナ:「ラッキ~」
シェリー・ミルズ:「どういうつもりか知らないけれど……きっと。"そうはならない"」
シェリー・ミルズ:断言する。未来が決して変わらないと、知っているかのように。
ブランドン・ミルズ:「ふん」鼻を鳴らす。「安心しろ」
ブランドン・ミルズ:「その時はお前は、こいつの部下だ」
ブランドン・ミルズ:「“そうはならない”と断言してみることだな」
シェリー・ミルズ:「そうなった時は、ビルから身投げでもしてみるわ」
シェリー・ミルズ:鬱屈とした笑みが表情に宿る。
グレイ・バーンズ:「……お嬢様」制するように。
グレイ・バーンズ:「お戯れでも、そういうことを仰るのは……」
シェリー・ミルズ:「…………」 ふぅ、と大袈裟にため息を吐く。
シェリー・ミルズ:「……手を拱いているだけの愚図だと思わないで。パパの手を煩わせるつもりはないし」
シェリー・ミルズ:指先が指揮者のようについ、と持ち上がる。落ちる。
シェリー・ミルズ:「この街を全て手中に収める──それを諦めたつもりもない」
シェリー・ミルズ:これは、本当の望みではないから。いずれ、叶うのだと──叶ってしまうのだろうと。
シェリー・ミルズ:諦念している。
シェリー・ミルズ:「……言いたいことは、それだけ?」
ブランドン・ミルズ:「そうだな、あとは……グレイ・バーンズ」
ブランドン・ミルズ:「それから目を離すな」
グレイ・バーンズ:「……は」一礼。
シェリー・ミルズ:くるり、と背を向ける。艶めいた日本人形を彷彿とさせる髪がさらりと揺れる。
シェリー・ミルズ:「行くわよ、グレイ」
グレイ・バーンズ:声をかけられる前から、それに付き従うように歩きだしている。
シェリー・ミルズ:邸宅の外に出る。中の空気感を払うように、髪を掻き上げて、心底嫌そうに呟く。
シェリー・ミルズ:「……あの男。愛人にも"パパ"って自分のこと呼ばせてるのよ」
シェリー・ミルズ:「本当……最悪」
グレイ・バーンズ:「それを知ってなお、そう呼び続けるのは皮肉か?」
シェリー・ミルズ:「そうかもね」 目を細めて曖昧に肯定する。
シェリー・ミルズ:それ以外の呼び方を試した時に殴られた話なんて、したところでつまらないだけだろう。
シェリー・ミルズ:妙なところで異常な拘りを見せる──そういうところが心底嫌いだった。
シェリー・ミルズ:「……因みにだけど」
グレイ・バーンズ:「……何だ」
シェリー・ミルズ:「もし、ファミリアがあの女のものになったとしたら」
シェリー・ミルズ:数歩、先を歩く。レースの裾が翻って、振り返る──逆光で、表情はグレイからは見えない。
シェリー・ミルズ:「グレイ。アタシと一緒に、この街を出る気はある?」
グレイ・バーンズ:「お前の望みならそうするよ、シェリー」
グレイ・バーンズ:「出る気はあるかではない。出ようと言え」
シェリー・ミルズ:三日月のように、唇が弧を描いた。愉しそうに、笑う。
シェリー・ミルズ:「……ええ。その時が来たら、ね」
シェリー・ミルズ:髪の隙間から、赤い色が覗き。嘲るように、陽の光を受けて煌めいた。


GM:屋敷から去る主従を、窓から見つめる影がある。
ナターリア・グリゴリエヴナ:「結局あれ誰~? 部下候補にしてはナマイキなんだけど……」
ブランドン・ミルズ:「つまらん女だよ」
ブランドン・ミルズ:「つまらんところばかり似ている」
ブランドン・ミルズ:「どちらの親ともな」


GM:シーン終了です。
GM:シナリオロイスは九株市です。
シェリー・ミルズ:九株市 尽力/○執着 で取得します
GM:OK!


【オープニング:香上進一郎】

GM:登場をお願いします。
香上進一郎:香上進一郎の侵蝕率を1d10(→ 6)増加 (38 → 44)


GM:【九株市内 大衆食堂『呉銀』】
GM:君は同僚の倉間美舞とともに、この大衆食堂で食事を取っている。
GM:それなりの旨さだが、量が多く、安い(とはいえ値上げしてちょっと安いレベルになったが)。そういう優良店だが、
GM:来ているのはだからだけではない。
GM:裏社会の人間がしばしば訪ね、一般客の安寧が脅かされているというのだ。
GM:具体的に被害を出しているわけでもなく、警察も取り合ってはくれないと言うが……
倉間美舞:おかずの肉料理だけ並べたようなお盆を取って座っている。
倉間美舞:「つーかなんでよりによってこんなとこ来んだろうな」
香上進一郎:向かいの卓。彩り豊かな具材が乗った、あんかけ焼きそばを頬張りながら。ごくんと飲み込んで。
倉間美舞:唐揚げをかじりながら。「もっと高けー店でやれよ」
香上進一郎:「こういう店だからじゃねえかな」
倉間美舞:「あ?」
香上進一郎:「上流階級のお客様が集う店とかだと」
香上進一郎:「その辺、キッチリしてるだろ。この街じゃ」
倉間美舞:「あ~。別のケツモチが居るってか」
倉間美舞:「じゃあこの辺来てんのは二流以下のカスか」
香上進一郎:湯気で曇った眼鏡を外し。ポケットから取り出したハンカチで拭いていく。
倉間美舞:「つーかメガネ外したお前を見て思われたんじゃねえの」
倉間美舞:「その筋のやつが来てるって……」
香上進一郎:「テメェに言われたかねえわ……」ふ、と息を吐いて。
香上進一郎:ちらりと周りを伺いつつ箸を進める。
倉間美舞:「つーか実際どこだよ。女王サマんとこのどっかなのか?」
倉間美舞:「そうじゃねえとこなら無視したいんだが……」
香上進一郎:「………女王サマ?」
倉間美舞:「あ?知らねえの?」
倉間美舞:「九株裏社会の覇権を握る八人の女連中って触れ込みの」
香上進一郎:「だから八人の女王エイト・クイーン?」
香上進一郎:は、と笑って。
香上進一郎:「洒落てんな。お前が考えたの?」
倉間美舞:「んなわけねーだろボケ」
倉間美舞:「ウチが言うならクイーンはウチの一枚だわ」
香上進一郎:「笑えねえ~」
倉間美舞:「ウチの一枚。分かってる?」
倉間美舞:「その八に入ってんだよ。うちの女王」
香上進一郎:「ああ」
倉間美舞:「まあ当然だが……」
香上進一郎:「ウチ。九株うちのか」
倉間美舞:「そう言ってんだろが」
香上進一郎:「紛らわしいんだよボケ……」
香上進一郎:「で、大層な肩書だけど。他に誰が挙げられてんの?」
倉間美舞:「何?ウチに忠誠でも誓いたくなったのか?」
倉間美舞:「勘違いしちゃって……」
香上進一郎:指折り数えてみる。人物までは定かではないが。それらが司るであろう組織には心当たりがある。
香上進一郎:「お前に尻尾振るぐらいだったらァ、舌噛んで自死を選ぶね。オレぁ」
倉間美舞:「じゃあ今死ぬしかねえだろ……ほかはまずケーサツ」
倉間美舞:「奈義サン。見たことくらいはあんだろ」
GM:奈義時緒――警視庁R事案対策本部、九株市分署の女長官。
香上進一郎:「直で話したことは無いけど。……粕屋さんの上の上の~ぐらいのお人ってぐらいには」
香上進一郎:あの二人は元気にしているだろうか、と。ふと思い当たり。今は思考の角に追いやって。
倉間美舞:「あとなんだっけか……ギルドのハゲカスの後釜が女らしい」
GM:“インタリオ”――新たに台頭した、犯罪組織ギルドの宝石商。
香上進一郎:「ギルドの女っつうと……」
香上進一郎:苦々しい顔を浮かべる。
香上進一郎:あの禍々しいナイフ捌きを思い出す。
香上進一郎:「いや、あの人は違うか」
倉間美舞:「お前の思ってるやつじゃねーと思うけどな」
倉間美舞:「あれは母体FHからの傭兵だろ多分」
香上進一郎:「厄介だったなー、あれ」
香上進一郎:「ってことは……」
倉間美舞:「新顔だろ。あいつらは別によそから派遣するだろうからな」
香上進一郎:「相変わらず手厚いな。どうにも」
香上進一郎:「……じゃ、ギルドと相対する、廿雀組の方も?」
倉間美舞:「あ~……」
GM:彼女が言いよどむと、店に乱入者がある。
GM:ヤクザだろうか?横柄な態度でズカズカと入り込んで、
GM:「オラッ!席を開けやがれ!」
香上進一郎:怪訝な顔で彼女の顔を覗き込もうとした瞬間、目線を落とし。
香上進一郎:ふう、と息をつく。
香上進一郎:「悪っ。タイミング」
GM:周囲の客をのけて、無理矢理に席取りをしている。
GM:「さあ姐さんどうぞお座り下さい!何にしやす?」
倉間美舞:「げっ」
倉間美舞:そっちを見ると顔を引っ込める。
倉間美舞:「あいつらかよ~……」
香上進一郎:(あ?)つられるように、己の肩越しにそちらに視線を向ける。
倉間美舞:(ウチは顔割れてんだよあいつ!)
GM:姐さん、と呼ばれた先に、一人の女性がある。
楠本陽子:和服姿の、歳若く楚々とした女性。
楠本陽子:「やめなさい。皆さん困ってるじゃないですか」
楠本陽子:「それにここは自分でお盆を取って料理を貰うんですよ」
GM:「へ、へえ、すいやせん……」
楠本陽子:「みなさん驚かせてすいません」周囲を見渡し一礼して。
楠本陽子:「ごゆっくりなさってください」
倉間美舞:香上の無駄にでかい体で身を隠しながらちらちらと伺っている。
香上進一郎:己と違って。体の良い外面を作るのが上手い(皮を被るのが上手いとも言う)倉間こいつは。
倉間美舞:「こっちみんなよ~……」
香上進一郎:チルドレンながら、UGNに対する対外組織との交渉、折衝を幾つか任されている。(オレだってやれば出来るが。)
倉間美舞:無理だろ
香上進一郎:そんなことはない。やればできる。
香上進一郎:取り巻く輩の柄の悪さとは裏腹に。
楠本陽子:普通に店頭に並んで和食を取って自分で会計している。
香上進一郎:凛とした雰囲気。淀みない所作と、隠しきれない品の良さで。彼女が只者ではないことが伝わってくる。
香上進一郎:つまり。
香上進一郎:「お前が割れてる……廿雀組?」
香上進一郎:「まさかだけど。……楠本さんの?」
倉間美舞:「そう。陽子さん……あれの嫁」
GM:楠本陽子――鴻央会系列廿雀組元若頭、楠本磊の妻。
香上進一郎:「へぇ。……なんつうか」
香上進一郎:「意外だな……」
香上進一郎:「あん人が所帯持ってたこともだけど……」
倉間美舞:「なんでこんなとこ来てんだよ~マジで……」
香上進一郎:「てか、尋ねてくる危ねえ奴らって」
香上進一郎:「あの人らん事か?」
倉間美舞:「多分そうだろ……店員ビビってるし……」
香上進一郎:「参ったな」
倉間美舞:「大方下見でもしてたんだろ、下っ端連中が」
香上進一郎:チンピラ相手なら、小突いて脅せば良いが。
香上進一郎:「取り巻きの態度はいただけないけど」
香上進一郎:「諌めてるし……」
倉間美舞:「つーかお前割って入る気なの?」
倉間美舞:「言っとくけどお前。あの人普通に怖えってか……」
倉間美舞:「あんたの旦那パクらせたのウチらですなんて知れたらどうなるか知らねえぞ」
香上進一郎:「それは……」
香上進一郎:言葉に詰まる。
香上進一郎:然し。何れにしろ。明らかになる事ではある。
倉間美舞:「無視だろ無視。マジで潰したきゃ女王の許可取ってからだろ」
香上進一郎:どころか、既に知っているかもしれない。
香上進一郎:「………」
香上進一郎:がたりと席を立つ。
倉間美舞:「おいバカお前……」
香上進一郎:空になった器とおぼんを持って。返却棚に返した後。
倉間美舞:「ウチのシールドだろ」
倉間美舞:「香上立つな」
香上進一郎:(そこでブルブル震えてろ)
香上進一郎:つかつかと、“彼女”の元へ歩み寄り。頭を下げる。
香上進一郎:「失礼」
楠本陽子:「はい?」
GM:「何だてめえ……?」
GM:「やんのか?あ?」
香上進一郎:「一般のお客様も居らっしゃいますので」
楠本陽子:「およしなさい」
香上進一郎:「入る際は。もう少し、静かに」
香上進一郎:「席を無理矢理に空けていただくのも、ご勘弁願います」
GM:「てめえ誰に向かって物言ってやがる……?」
楠本陽子:「そうねえ。ごめんなさいね」
楠本陽子:「びっくりさせちゃって……」
香上進一郎:顔を上げる。傷だらけの、歪に膨らんだ手で。ズレた眼鏡を元の位置へと戻しながら。
楠本陽子:「あっ、君、このあたりの学生さんよね?」
香上進一郎:「? はい」意図を掴みかねて、やや困惑した表情で。
香上進一郎:「九株北高校に在籍しております」
楠本陽子:「赤い髪で、こうやって二つに結んだ」ジェスチャーをする。
楠本陽子:「ちょっと気弱そうな女の子をね。探してるんだけど」
楠本陽子:「知らない?」
香上進一郎:「………」
香上進一郎:じいと目を合わせる。
香上進一郎:(成程)
香上進一郎:あの女が恐れを抱くからには。相当な胆力があるものだと思っていたが。
香上進一郎:少しでも抜けば、気圧されるこの感じは。
香上進一郎:似ている。あの人に。
香上進一郎:「………」
香上進一郎:「知りません」
香上進一郎:「そんな、気弱そうな女は」
楠本陽子:「……そう」
楠本陽子:一瞬低く落胆の声を漏らして。
楠本陽子:「そうだよね。学生さんだっていっぱいいるもんね。ごめんなさいね」
楠本陽子:「あ、あとそれから、このあたりで学生さんがよく行きそうなお店って」
楠本陽子:「他にどういうところがあるかな?」
香上進一郎:「そうですね……」つらつらと、幾つか心当たりのある店の名を挙げる。
香上進一郎:本当に気に入っている店の名は伏せておく。
香上進一郎:「こんな所でしょうか」
楠本陽子:「ありがとう、参考にするわ」ペコリとお辞儀する。
香上進一郎:「いえ……」
楠本陽子:「色々ご迷惑をかけて、引き止めてしまってごめんなさいね」
香上進一郎:「……何かしたんですか?」
香上進一郎:「その女の人」
楠本陽子:「人はみんな、なにかをするものでしょう?」
香上進一郎:何をするつもりなんですか。とは。
香上進一郎:聞かせない、響きがあったように思えた。
香上進一郎:「仰る通りです」
香上進一郎:「では、そろそろ失礼します」
香上進一郎:一礼して。「この後。宿題をしなければならないので」
楠本陽子:「ふふ。頑張ってね」
香上進一郎:足取り重く、店を出る。
香上進一郎:ぐ、と伸びをして。ふうう、と息を大きく吐いて。
香上進一郎:ようやく流れ出た、額の汗を拭う。
香上進一郎:「疲れた……」
香上進一郎:と呟いた後。あ。と言葉を漏らし。
香上進一郎:「忘れてた……」
香上進一郎:赤い髪を二つに結んだ、女のことを思い出す。
香上進一郎:彼女らの気は引いたから。さっさとケツ捲っているとは思うものの。
香上進一郎:「………」スマホを取り出し、連絡アプリを立ち上げて。奴宛にメッセージをス、スと入力する。
香上進一郎:『生きてっか?』
倉間美舞:返事の代わりに、背後からドロップキックが飛んだ。


GM:シーン終了。シナリオロイスは八人の女王としていますが
GM:特定の女王に取っても大丈夫です
香上進一郎:なるほど。
香上進一郎:では 楠本陽子 P感服/N○脅威 で取得したいです!
GM:押忍


【オープニング:日生日出人】

GM:登場をお願いします。
日生日出人:日生日出人の侵蝕率を1D10(→ 7)増加 (35 → 42)
日生日出人:よっこいしょ~!


GM:【ニュー九株ビル 5F 輸入家具「ジャス・キューセミ」】
GM:九株市のUGN支部。その支部長室のカヴァー。
GM:そこで事務仕事を進めていた君のもとに、帰り着く者がある。
矢掛翠:「ふぅ……」深い溜め息を吐いて、部屋に。
日生日出人:彩った長い爪で、パチパチとキーボードを叩いていた手を止める。
GM:“エスキース”矢掛翠。商工会役員のカヴァーを持つ、UGN九株市支部支部長。
日生日出人:脱色したピンクベージュの髪。派手で整った顔立ち、甘い雰囲気の青年。
GM:彼女の支部長としての業務は、他の支部に比べ、専ら、対外折衝の比率が高い。
GM:それだけの多勢力を、この街が抱えていることの証左でもある。
日生日出人:「おかえりなさぁい」
矢掛翠:「ただいま。ふう……」
日生日出人:「疲れてるねえ」いそいそと立ち上がり、上着を受け取ります。
矢掛翠:上着を渡しながら。その顔はうっすらと赤い。
日生日出人:「いっぱい飲んだ?」顔を覗き込む。
矢掛翠:「ん……新しい市会議員との懇親会だったんだけど」
矢掛翠:「参っちゃうな。ああいう手合い」
日生日出人:「市会議員……、なんか、圧強そう」ふにゃっと笑いながら、彼女をソファに導く。
日生日出人:「聞いていい話? やなこと言われちゃったの?」
矢掛翠:そのままソファに掛けて。
矢掛翠:「ん~まあ。そうだなあ……」
矢掛翠:「元気な人よ」
日生日出人:「苦手そう~」上着をハンガーにかけながら、ふにゃふにゃ笑っている。
矢掛翠:「泊まらないかって。しつこくって」
日生日出人:「わあ」
日生日出人:ぱたぱた戻ってきます。「いまどきそんな人いるの~? 普通にセクハラだよお」
矢掛翠:「そういうやり方で上がってきた人なんでしょうね」
矢掛翠:「普通にいくらでもいるわよ、そういうの」
矢掛翠:「表沙汰になると、問題視されるようになってきたのが最近ってだけ」
日生日出人:「そっかあ」ソファに座っている彼女の顔を、背もたれから乗り出して覗き込む。
日生日出人:「あしらうの慣れないくせに」
矢掛翠:「……どうにもね」
日生日出人:ふにゃっと微笑む。「……お茶にしますか? 飲み直しますか?」
矢掛翠:「……お茶でお願いしようかな」
日生日出人:「うん。ゆっくり待っててね」
矢掛翠:「実際ね。彼、レネゲイドについても把握してて」
矢掛翠:「UGNうちの権限拡大には好意的なのよ」
矢掛翠:「まあだから……関係は悪くしたくないんだけど……」
日生日出人:「ははあ~」グラスに冷たいお茶を注ぎ、戻って来る。
日生日出人:「一番厄介そ~」
日生日出人:「あんまりゴキゲン損ねたくないけど仲良くしてるとぐいぐい来られる~」
矢掛翠:受け取って、一口飲んで。「……一番の問題は」
日生日出人:「うん」隣に座る。
矢掛翠:少し幅を開けて座り直して。「その旗幟が揺らがないか」
矢掛翠:「この街であの性情は、格好の的になってしまう」
日生日出人:ちぇっと思う。ぱちぱちと瞬き。
日生日出人:「悪い奴らに利用され放題かも…ってこと?市会議員て、そんなに権力あるんだ」
矢掛翠:「議員自体にっていうか……そうね」
矢掛翠:「政治家の強さって、要はコネクションだから」
日生日出人:「あ~」
矢掛翠:「それが出来る相手に口を利ける、ってとこ」
日生日出人:「しかも、レネゲイドのこと知ってるんだもんねえ」
日生日出人:「話早いのがまた、厄介そ~~」
矢掛翠:「……そう。でね……申し訳ないんだけど」
日生日出人:「ん~?」
矢掛翠:「ちょっと、探ってほしいの。彼のこと……というか」
矢掛翠:「彼に近づく女性を、かな」
日生日出人:「お仕事だあ」支部長を見つめたまま、目を細める。「女性? いるんだ」
矢掛翠:「彼を利用しようとしている者が、どういう意図の志向性を彼に持たせようとしているのか」
日生日出人:「意図の…志向性……」
矢掛翠:「彼に何をさせたいのかってこと」苦笑して。
日生日出人:「あっ、はあい」こくこくと頷く。
日生日出人:「利用するにしても、目的があるんだもんね」
日生日出人:「他の組織が、その人に何をさせたくて、どういうやつだと思って近付いてるのか、分かれば対処できるもんね」
矢掛翠:「そういうこと。それはどうしても、私が付け回すわけにはいかなくって」
矢掛翠:「お願いできるかな?また面倒な仕事になるけど……」
日生日出人:「翠さん、女王様だからねえ」
矢掛翠:「そんな器じゃないんだけどな~……」
日生日出人:「んへへ、そう思ってるのに、かわいそう」ふにゃふにゃ笑う。
日生日出人:「俺もねえ、大丈夫だよ。がんばって調べてきます」
矢掛翠:「うん……お願いね」
日生日出人:「……」その表情をじっと見つめる。
矢掛翠:「……うん?」
日生日出人:「あのねえ、この仕事、俺だからって、任せてくれる仕事でしょ?」
日生日出人:「がんばったら、ご褒美くれる?」
矢掛翠:「ええ、勿論」
矢掛翠:「私が渡せるものであればね」
日生日出人:「ずっるう~」くすくす笑い、翠さんの髪をするりと撫でる。
矢掛翠:されるがままにしながら。「ずるくない」
日生日出人:「そ~?」
日生日出人:「じゃあ、貰っちゃお。欲しいもん」
矢掛翠:「うん。がんばってね」
日生日出人:「うん」ふにゃっと笑う。何をとは聞かれなかったし、言わないまま。


GM:夜の九株市。繁華街の高級クラブ。
GM:件の寄島ひろし九株市会議員は、その店に滞在し。
GM:君がその動向を観察している中で、上機嫌の様子で外に出てきた。
寄島ひろし:「いや全く……九株市というのはかくも良い街ですなあ」
寄島ひろし:「これは増々この街の発展のために尽力しませんとな!わはは!」
日生日出人:(おっ)青年の姿のまま、物陰からその様子を伺っている。
日生日出人:(やっとこ出てきたあ~)
GM:男はそのままふらふらと車に導かれていく。秘書の運転する車だろうか。
-:それを見送る女が、彼に口づけたように見えた。
日生日出人:吸っていた煙草を携帯灰皿に押し付けながら、それを見やる。
GM:そのまま彼を乗せた車は走り去っていき。
-:ヒラヒラと振っていた手を、車が見えなくなると止めて。
-:うーん、とその場で伸びをしている。若そうだが、歳不相応に蠱惑的な印象の女。
日生日出人:彼と懇意にしているホステスなら、まあ、情報源としては妥当なところである。
日生日出人:顔立ちを覚えつつ、どうやって近付こうかな、と考える。
-:しばらくすると、すん、と鼻を鳴らし。
-:ぱっと君の隠れている方を見た。
-:にこやかに手を振る。
日生日出人:「わ」ビビる。
日生日出人:「わあ~…見られてるう」こちらも手を振りながら、物陰から道に姿を現します。
日生日出人:「こんばんはあ」
-:「こんばんは~。お客さん?」
-:「今なら私開いてるよ?」
日生日出人:「えっ、ほんと?」 (正攻法!)とピーンときている。
-:「うん。あ~、でも」
-:「うち禁煙なんだよね」
-:「それでもいーなら」
日生日出人:「ふあ~」
日生日出人:「お姉さんと仲良くできるならね、ガマンするう」ふにゃふにゃ笑う。「くさい?お姉さんこそ、やじゃない?」
-:「ん~」
-:「おにーさんと仲良くできるならガマンする」
日生日出人:「んへへ~」ふにゃふにゃ笑います。
日生日出人:「俺ねえ、ヒナ」
“汀”:「んふふ。私“みぎわ”」
日生日出人:「みぎわちゃん。かわいーねえ」
日生日出人:「俺ねえ、えーと」高級クラブを見る。「別にこういうとこ、慣れてないの」
日生日出人:「でもなんかね、みぎわちゃん、いま立ってるの見て…なんか見ちゃって」
“汀”:「ふーん?」値踏みするように見て。
日生日出人:「良いな~って思ったの」
“汀”:「あはは。うれし~」
“汀”:「実際いいからね。私は」
“汀”:「お目が高いよ」
日生日出人:「んへへ」そこまで嘘でもない。彼女は美人だし、蠱惑的で、それでもなんだか人好きのする雰囲気があった。
日生日出人:「じゃ、遊んでもらっちゃおっかなあ~」
日生日出人:「人気者?みぎわちゃん」
“汀”:「まあね。一番人気だよ」
日生日出人:「さっきもなんかオジサンとちゅーしてたし」
“汀”:「おじさんとしてた口でされるのヤ?」
日生日出人:「え~?全然」くすくす笑う。「俺もねえ、おんなじようなものだし」
“汀”:「そ~?」鼻をスンスンと。
日生日出人:「何~?お鼻~?」
“汀”:「女の匂いする~」ケラケラと笑って。「あとなんだろ」
日生日出人:「教えてほしい~?」鼻をスンスンとやり返す。
“汀”:「カレー?あ、『ハダイヤ』のかなこれ」
日生日出人:「え~、よくわかるねえ」
“汀”:「いいよ別に。わかるし」
日生日出人:「すごいねえ、特技?」
日生日出人:「俺、ぜんぜんわかんない。いー匂いはするう」
“汀”:「ん~。そんなとこ」
“汀”:「これでお客取ってる」
“汀”:「だけじゃないけど」
日生日出人:「なあに~、それ」
日生日出人:「なんか言いかけたでしょ」くすくす笑う。
“汀”:「ちゃんとほかも上手いってこと」
日生日出人:「喜ばせてくれるってこと?」
“汀”:「もちろん」
日生日出人:「んへへ」
日生日出人:「ちゅーする?」
“汀”:「お店入ってくれるならしたげる」
日生日出人:「え~」
日生日出人:「良いなって思ったって言ったじゃん」
“汀”:「私に価値かけてくれないの~?」
日生日出人:すいっと顔を寄せて口づける。
日生日出人:「ん~」ふにゃっと笑う。「かけたい」
日生日出人:「俺ねえ、優しくしてもらうのが好きだからね、いっぱい優しくしてね」
“汀”:「店の人にバレたらヒナくん殺されるよ」んふふと笑う。
日生日出人:「そんなのでビビんないもん」ふにゃふにゃと笑う。
日生日出人:「いま、結構必死で、みぎわちゃんと仲良くなりたがってるの、わかる?」
“汀”:「分かる」舌をちろりと出して自分の唇を舐めた。「分かるよ」
日生日出人:それを見咎め、するりと指を絡める。「…じゃ、連れてって」
日生日出人:「お店行く。ここまで話してくれたし」
“汀”:「んふふ。ようこそ」指を絡め返して、店へと誘う。
日生日出人:「うん」にこっと笑い返し、連れられるがまま。
GM:その店の名前は、クラブ「バルク」。
GM:八人の女王の一人である、津山イト――色街を取り仕切る女衒の長が、直轄に治める店であった。


GM:シーン終了。ロイス取得が可能です。
日生日出人:シナリオロイスの“汀”ちゃんに取るよ!
日生日出人:“汀”/好奇心/不信感:〇/ロイス 今の時点はこれで!
GM:OK~


【オープニング:芳井春】

GM:登場をお願いします。
芳井春:芳井春の侵蝕率を1d10(→ 4)増加 (37 → 41)
GM:おちついてる
芳井春:無敵
GM:従者だしとく?
芳井春:あ、そうだね
芳井春:ここで出しときますか
芳井春:コンボ『そばにいて、と■は言う』/《赤色の従者》《血の絆》 を使用。
芳井春:HP15の従者を作成。シナリオ間持続。以降自身のダイスはすべて-3されます。
芳井春:芳井春の侵蝕率を8(→ 8)増加 (41 → 49)
芳井春:だした!おっけです
GM:OK~


GM:【九株市郊外 新見邸】
GM:九株市有数の資産家、新見北斗。
GM:彼は好事家としても知られ、種々の珍品をこの屋敷に蒐集していたと言われる。
GM:その中には、いわゆるレネゲイドアイテムに属するものも数多くあった。
GM:とはいえ、彼はそれを集めるばかりで、積極的な使用も、引き渡しもする様子はなかったため、
GM:UGNとしても人員余裕がなかったのもあり、それを半ば看過する形を取っていた。
GM:だが、彼の死後。
GM:それらのいくらかの流出が見られ、UGNとしても調査の必要を生じていた。
GM:そうして、君にその任が回ってきたというわけだ。
芳井春:ポケットの中のライターに触れていた指を離す。
芳井春:垂れ目がちな顔つきの、大柄な青年。衣服は整っているが、軽薄な印象でもある。
芳井春:古めかしい建築様式の館を眺める。
芳井春:(……“八人の女王エイト・クイーン”の内のひとり)
芳井春:("ウジミト”の社長のとこの話はこないだ聞いたばかりだが、こっちがどんな奴かはまだ情報がない)
芳井春:深く息を吐き、訪問を知らせる。
GM:扉が開き、そこに少女の姿がある。
新見詩:「ようこそお越しいただきました」
新見詩:「遺産整理をお手伝いいただける役所のかたですよね。詩と申します」
GM:新見詩――亡き大資産家の莫大な遺産を相続した、一人娘。
芳井春:想像以上に若い…あどけなくすら感じる。
芳井春:自分のような男が役所勤めに見えるかはさておいて。「この度はお忙しいところ申し訳ない」
新見詩:「いえ。詩も扱いには苦心するところもありましたので」
新見詩:「ご助力いただけるのは助かります」
芳井春:「荷物持ちにはなかなか役に立つと思いますよ」笑う。
芳井春:「入っても?」
新見詩:「どうぞ」恭しく招く。
芳井春:磨かれたガラス扉に、令嬢に似つかわしくない風貌の自分が映り、苦笑する。彼女に追従する。
新見詩:贅を尽くした豪奢な屋敷だ。悪趣味とも言えるほどにきらびやかで、
新見詩:あたりによくわからない造形の美術品なり調度品が置かれ、掛けられている。
新見詩:遺品整理を進めているにしては、未だ大量にあるように思える。
芳井春:「多いな」ひとりごとじみて呟く。「大変でしょう」
新見詩:「はい。詩の力では動かすことも能わぬものも多く……」
新見詩:「とは言いましても、どれも父の形見ですから。なるべくそのままにしておきたいのです」
芳井春:「…ああ」
芳井春:「じゃあ、こちらで触っても、極力元の位置がいいかな」
芳井春:整って完璧な設えよりは、悪趣味な方がいくらか居心地がいい。歪んだ女体めいた彫刻に視線を向け、それから眼前の少女へと。
芳井春:「いくらかこちらで調査のために触っても構いませんか?」
新見詩:「はい。元にお戻しいただけるのであれば構いませんが……」
新見詩:「とはいえ、その。誤解を恐れず申し上げるのですが」
芳井春:「はい?」
新見詩:「これらをすっかり手放してしまいたいわけではないんです」
芳井春:「……形見ですしね。大事にしたいものも多いでしょう」
新見詩:「なるべく残したまま、維持管理に必要な分だけを頂戴したく、ですから、その……」
新見詩:「値の高くつくものだけ、少しばかり売ってしまおうと思っているんです」
芳井春:なるほど、と頷く。
新見詩:「お恥ずかしながら。詩にはその価値が測りかねており……」
新見詩:「なんでも、曰く付きのものばかりであるとも父は申しておりましたので」
芳井春:「曰く付き…」
芳井春:いくつかUGN側で調査すべき品だけは把握している。そのほかの価値は、自分にもわからないが。
GM:UGN側で調査すべき品として記録しているもの。
芳井春:かつて見たエメラルドの輝きを思い出し、視線を這わせる。
GM:例えばそれらを自在に行使……悪用するようなものがあれば、それだけで。
GM:この街に主導権を得ることも可能かもしれない。彼女が女王とされているのはそういうことだ。
GM:調査するべき物品はしかし、ほとんど見当たらない。
芳井春:(……ん?)
GM:見つかったものもあるが、その姿が確認できないものも数多く。
新見詩:「何か、気になるものはございますでしょうか?」
芳井春:屋敷には既に、自身の“従者”……不出来な造形を巡らせた後だ。
芳井春:そちらで触れていないということは、この視覚の先にも無い。
芳井春:「いや、むしろ……」
芳井春:「事前に聞いていたよりも、少ないと思って」
新見詩:「ああ、ええ」
新見詩:「いくらかはお譲りした後なんです」
芳井春:「え?」
新見詩:「これらには価値があるとおっしゃった方がおりまして」
新見詩:「ですので、そう仰ってくれた方に、お譲りしました」
芳井春:「…あー、失礼……どなたかお聞きしても?」
新見詩:「ああ、はい。確か……」
新見詩:「……」
新見詩:「……はて」
新見詩:「どなたでしたか……」
芳井春:「おい」と、状況に似つかわしくない、笑いに似た息が零れる。
芳井春:「……形見なんでしょう。だれそれと渡していいという風には、見えなかったが」
新見詩:「あっ、詩を物忘れの激しいと思っておいでですか」
新見詩:「そのようなことはありません。きちんと信頼の置ける方にお譲りして……」
新見詩:「……お譲りして……?」
芳井春:「…くく。いや、……信頼がおける方の名前を覚えてないわけも……」
新見詩:「はて。詩はその対価を受け取りましたでしょうか……?」
芳井春:と、その少女を見る。
芳井春:「……」
新見詩:「覚えていないはずが無いのですが……」
芳井春:真っ先に頭をよぎったのは、個人の記憶、認識に操作するいくつかのレネゲイド。およびその行使者。
芳井春:女王というのは、その持ちうる強大さを指すものであり、そこに及ぶ危険も示唆している…のならば。
芳井春:そういった手合いが、この少女に触れた可能性だってそれなりにあるはずだ。
芳井春:「……例えば、いま、俺が」
新見詩:「はい?」
芳井春:「これに価値があると言えば、あなたは俺に譲ろうと思いますか」
新見詩:「いえ。その価値に応じた支払いをいただきたく思います」
新見詩:「それが取引というものでは……」
芳井春:「じゃあ、あなたが人一倍ぼんやりしていて、渡しちまった可能性はないな」苦く笑う。
新見詩:「むっ」
新見詩:「何か詩のことを軽んじておられるような……」
芳井春:「いや、いや。軽んじてない……ただ。分かるだろ」
新見詩:「歴とした新見の女ですよ」豊かな胸を張る。
芳井春:「その…曰くつきの遺産狙いの人間が、周囲にうようよしてることはさ」
芳井春:「八人の女王の一人だって噂も。新見詩さん?」
新見詩:「八人の女王……?」
芳井春:どこか日本人形じみた少女の誇らしげな顔を見て…余計なことを言っているな、と思う。
新見詩:「詩がそのようなものの一員なのですか」
芳井春:「そうだよ。得体のしれない遺産を幾つも持って、しかもそれを、のうのう現れた男一人にも踏み入れさせる」
芳井春:「本当に譲っていいものだったのか?」
新見詩:「……分かりません」
新見詩:「お譲りした覚えはあるのですが、それが、果たして」
芳井春:碌な仕事をしていない。必要なものを、言い含めて回収しろと言われている。こんなことをしろとは、誰にも。
新見詩:「どのようなものであったか、定かならぬところがあります」
新見詩:「ただ。これは誤解のないように申し上げますが」
新見詩:「のうのう現れた、どこぞのものとも知れぬ男を踏み入れさせたわけではありません」
新見詩:「芳井春様と存じ上げていたからです」
芳井春:「……」
芳井春:「……そんなに有名人になった記憶はないんだけどな」
新見詩:「矢掛翠様のご子息でいらっしゃいますよね」
芳井春:だろうな、と頷く。
芳井春:「商工会議所に行った方が早いぜ、それなら。俺を通すよりは」
新見詩:「であれば、詩にひどいことはしないでしょう?」
芳井春:「…?」
芳井春:「知り合いか」
新見詩:「……ご挨拶には来られていました。父が存命のときですが」
新見詩:「そういうった、曰く付きのものを取り扱う稼業でもあるのだと」
芳井春:(……ワーカホリックめ)
新見詩:「ですので、信頼して、お招きしたのです」
新見詩:「誰彼構わず殿方を招いてはおりません」
芳井春:「……なるほど」
新見詩:「そこは誤解いただきたくありません」
芳井春:「ああ。はいはい…うん。それはよくわかった。すまない」
新見詩:「ご理解いただければ何よりです」
芳井春:「よくわかりました」
芳井春:自然と。作り笑いでなく笑い。
芳井春:「じゃあ、もっと早く来るべきだったな…俺は」
新見詩:「はい?」
芳井春:「少なくとも覚えてない取引が行われる前に、来るべきだった」
芳井春:「俺のためにも、…あなたのためにかは分からねえけど、まあ。」
芳井春:「残りの品は、なら矢掛の方で取り扱っても構わないかな」
新見詩:「あっはい。地下の方にいくらか隠してあるものもございます」
新見詩:「そちらは外しておくようにと言われておりましたので……」
芳井春:「北斗さん…お父様にか?」
新見詩:「はい。翠様とのご約束と……」
GM:地下に行って確認すれば、リストにあるものが、そこにいくつかあるだろう。
GM:全てというわけではなく、やはりいくらかの物品の散逸は確かだろうが。
芳井春:……少なくとも、把握は出来た。それがいちばん重要だった。
芳井春:いくつかの物品を手に入れたいと意図し、行動した何者かがいたことがだ。
新見詩:「あっ」
芳井春:「ん。見せて貰えてよかった……どうした?」
新見詩:「翠様にお贈りしようと思っていたんですが」
新見詩:「春様より渡して頂けますか」
芳井春:「なんだ、賄賂は受け取れないけど」
新見詩:招待状を取り出す。
芳井春:言いながら、手を出す。
新見詩:「寄島ひろし様。ご存知ですか?」
芳井春:「……ああ……」
芳井春:直接ではないが。そことの折衝への苦労を、伝聞としていくらかは。
新見詩:「あの方は父とは古い友人でして……」
芳井春:「へえ」
新見詩:「当選の暁には、盛大にパーティを開くと。父は約定していたのです」
芳井春:「それに招いて貰えるって話か」
新見詩:「父は亡くなりましたが、僭越ながら詩がそれを引き継ごうと思いまして」
新見詩:「はい」
新見詩:「翠様にもぜひ、と」
新見詩:「様々な方をお呼びする予定で、盛大にしますので」
新見詩:「お越しいただければ詩は嬉しく思いますとお伝え下さい」
新見詩:「春様もぜひ、一緒にいらして下さい」
芳井春:(UGNうちには今のところ協力的なコネクション)
芳井春:それを手に入れ、維持するための手間と労力がどれ程のものか、直接でなくとも、推測はできる。
芳井春:「ああ、ありがとう」
芳井春:「食事も美味いと嬉しいな。たまにデザート以外微妙なときあるだろ」
芳井春:冗談めかして、白く上質な封筒を指で弄ぶ。
新見詩:「そういうものなのですか」
芳井春:「俺も新見北斗さんのパーティは知らないけどな」
芳井春:「だから、楽しみにしとく」
新見詩:「はい。お任せ下さい」
新見詩:「いらした方を、落胆させて返すなどあってはなりませんから」
新見詩:「……本日のご来訪は」
新見詩:「ご落胆はなさっていませんか?」
芳井春:少女の表情を見て…いや、見る前から。「いや」
芳井春:「来れてよかったよ」
新見詩:ぱあとその顔が華やいだ。
芳井春:少なくともまだ、手遅れになる前に会えただろうと。そんな出会いであると。
芳井春:そうであることを、少女の笑顔に信じて。


GM:シーン終了です。ロイス取得が可能です
芳井春:新見詩 興味/〇庇護
芳井春:こうしようかな
GM:はーい!
芳井春:女王だし独り立ちだし もっと一人前扱いでいてあげたい気がするんだけどのPそっちでした


【ミドルフェイズ1】

GM:全員登場をお願いします。
日生日出人:日生日出人の侵蝕率を1D10(→ 9)増加 (42 → 51)
日生日出人:あひゃー
シェリー・ミルズ:シェリー・ミルズの侵蝕率を1D10(→ 10)増加 (41 → 51)
香上進一郎:香上進一郎の侵蝕率を1d10(→ 9)増加 (44 → 53)
シェリー・ミルズ:ぎゃん
芳井春:芳井春の侵蝕率を1d10(→ 1)増加 (49 → 50)
香上進一郎:グアア
シェリー・ミルズ:一人だけスンッてしてる
芳井春:まあ従者ぶんあるからたすかる
GM:慣れてるやん
芳井春:へへ


GM:【九株市郊外 楸河荘】
GM:市の中心地から離れた、閑静なエリアに鎮座する高級ホテル。
GM:さながら森のように広がる庭園に佇む、ゆったりとしたくつろぎの空間。
GM:その祭場を貸し切る形で、新見詩主宰のパーティは行われていた。
GM:その入口近くの降車場。そこに設えられた休憩スペース。
倉間美舞:「中入れねーの?」招待を受けていないため、入り口で警備の任をしている。
倉間美舞:「ぜってー旨いもん出てるだろ……」
芳井春:「未成年の非招待客は、何かと目立つだろうしな…」
芳井春:光沢のあるグレーのスリーピースに身を包み、前髪を上げる形でセットしている。
芳井春:「手土産とかあったら冷蔵庫に入れといてやるよ」
倉間美舞:「あざーっす」
香上進一郎:「お気遣い頂き、ありがとうございます」遅れて一礼。
香上進一郎:学生服ではやや目立つので、先輩のお下がりのジャケットを着用したややフォーマルな格好。
芳井春:「…あ、あと楠本の方は…一応中にいると思うけど、気を付けて。それじゃ」
香上進一郎:「……ですね。はい、先輩もお気をつけて」
倉間美舞:「危なくなったら呼んでくださーい」
倉間美舞:「適当な壁ぶち破るんで」
芳井春:やめとけー、と笑い声とともに去る。
倉間美舞:ふああ、と欠伸する。
倉間美舞:スマホを取り出していじり始める。
香上進一郎:こいつマジか?という苦々しい顔をしながらそっと画面を覗き込む。
香上進一郎:もしかしたら警備用の……地図とか……を。再確認しているのかもしれない。
倉間美舞:「は?キモ」覗き込み防止のシールを張っているが隠す。
香上進一郎:「倉間ぁ」
香上進一郎:「オレらんの任務はスマホ弄りじゃねえよな?」
倉間美舞:「じゃあ聞くけどお前……」
倉間美舞:「ずっと突っ立ってんのそこ?」
香上進一郎:「有事の際以外は……?」
倉間美舞:「つーかマジで警備したいならここに2じゃ足りないのは分かるよな?」
倉間美舞:「ウチが2としてでそっちが0.5としても2.5人分だろ」
倉間美舞:「マジで襲ってくる連中がいるならフツーに四方から来んだろ」
香上進一郎:「バカ言え、少数点の位置はもうちょい右になるわ」
香上進一郎:「つまり、辺りを警邏しながら」
倉間美舞:「小数点を右左っていうのだいぶアホそうだな……」
香上進一郎:「何か異常あったらすぐに報告ってことでいいのか?」
倉間美舞:「逆だろ」
倉間美舞:「中でなんかあったらすぐにぶっ込むか。ここにいて中から出てくるやつを逃さねーか」
香上進一郎:先輩の去っていった方角に視線を向ける。
倉間美舞:「外から来るやつは」ちらりと逆の方を見やる。
倉間美舞:「こっちで止められねえだろ。招かれてる客かも……お」
香上進一郎:この街の有力者を遍く催しということは。
香上進一郎:“楠本陽子”のようなこの街に住む傑物が。己が忠を尽くしている支部長も併せて、この会場内にどれだけ姿を見せるのかと。
香上進一郎:「どうした?」
倉間美舞:「女王クイーンじゃねあれ」
GM:降車場に停まった高級車から、一人の女性が歩み出ていた。
シェリー・ミルズ:スモークガラスに覆われた黒塗りの後部座席から、同様に黒に身を包んだ女が降り立つ。
グレイ・バーンズ:傍らには大柄の褐色の青年が立ち、辺りを睥睨する。
倉間美舞:「たしかあれマフィアの……」
香上進一郎:「……あの人も。女王のひとり?」
シェリー・ミルズ:胸元までを包む艶のあるレースドレスと、素肌をぴったりと覆い隠すシアートップスが隙を感じさせない風貌を醸し出していた。
GM:シェリー・ミルズ――マフィア組織“ミルズ・ファミリア”、そのボスの令嬢。
倉間美舞:「お前今度は喧嘩売んなよ。大人しく見送れ」
香上進一郎:「わあってるよ……」ばつが悪そうに。
シェリー・ミルズ:日本人形めいた濡羽色の髪が、動き様に揺らめく。
シェリー・ミルズ:傍の青年と幾つか言葉を交わすと、ほんの少し逡巡した様子を見せた後、レースに包まれた手を青年へと伸べた。
グレイ・バーンズ:それを引きながら、扉を開き。
グレイ・バーンズ:傍らにいる二人を見る。
倉間美舞:にこやかに営業スマイルをして会釈する。
香上進一郎:(同じ人じゃねえみたいだ)と独りごちながら。
香上進一郎:恭しく頭を下げる。
シェリー・ミルズ:グレイの視線の動きに誘われるように、二人に顔が向く。
シェリー・ミルズ:表情に、先程の戸惑いは露ほども残っていない。固く引き結ばれた唇と、それを彩る深い赤色──それと、髪の隙間から覗くそれより深い赤。
シェリー・ミルズ:この場にいる誰しもを信じていないという金色の瞳をしていた。
香上進一郎:倉間の言葉を疑っていた訳ではないが。
香上進一郎:その眼の色と、細かな佇まいの一つ一つが。
倉間美舞:(おっかね~)
香上進一郎:紛れもなく、彼女が“その座”に値するに相応しい説得力に満ちていた。
シェリー・ミルズ:こつ、こつ。大理石の床をヒールが叩く音だけを残し、二人の前を過ぎていく。
グレイ・バーンズ:導くように、彼女の手を引く。扉が閉まる。
香上進一郎:「………」
香上進一郎:呼吸をするのも久方ぶりかのように、ふう、と息を吐き出して。
倉間美舞:「ぜってー悪人だろあれ」
香上進一郎:「ヤクザみたいなギラギラした光っつうか」
香上進一郎:「鋭く研磨された日本刀みたいな怖さがあったっつうか……」
香上進一郎:「……“あれ”があと」
香上進一郎:「6人?」
倉間美舞:「3人は知ってんだろ」
倉間美舞:「あと4だよ」
香上進一郎:「最悪の数字になっちまった」
倉間美舞:「バカ言え」
倉間美舞:「望んだ1じゃなきゃ最悪だろ」
香上進一郎:「………」ぐ、ぐ、と伸びをして。
香上進一郎:「確かに」
香上進一郎:「支部長と……芳井先輩と、日生先輩」
香上進一郎:「中で何かぁ、起きたら」
香上進一郎:「壁を横切る手間すら惜しい」
倉間美舞:「じゃあ精々“横切りながら取るアン・パッサン”しかねえだろ」
香上進一郎:は、と笑って。「じゃ、“入城”準備まで」
香上進一郎:拭えない、嫌な予感を抱いたまま。
香上進一郎:ジャケットの襟を正し、ごきり、と指の骨を鳴らす。


グレイ・バーンズ:(……今の2人)扉が閉まると、耳打ちのように。
グレイ・バーンズ:(スタッフにしては若すぎる。それからあの体格)
グレイ・バーンズ:(“こちら側”だろう。あの年代を運用するのは、FHか……)
シェリー・ミルズ:視線は前を向けたまま、ほんの少し歩みを遅く。
シェリー・ミルズ:(……そうとも限らないでしょうね)
シェリー・ミルズ:(今どき、非人道的な組織でなくとも──いえ、むしろ人道を謳う組織だからこそ。そういう子たちを囲っている傾向にある)
シェリー・ミルズ:(例えば──UGNとか)


GM:【楸河荘 会場内】
GM:寄島ひろし氏の市会議員就任記念パーティを名目とするその催しは、市内の多くの有力者が集められていた。
GM:それはなにも、“表の有力者”にはとどまらない。
矢掛翠:「……本当に、色々呼んでるな」ドレスではない。仕立ての良い、フォーマルなスーツ。
芳井春:「新見北斗はコネクションも相当に集めてたのか」
矢掛翠:「というより、集めるために作っていたんでしょう」
芳井春:「ん」
矢掛翠:「それに、コネクションがなくても呼べるでしょうしね」
芳井春:細身のカクテルグラスを指で踊らせる。「どうやって?」
矢掛翠:「適当に誘いを出せばいい」
矢掛翠:「今、現役市会議員の政治パーティに招かれて、断る理由はほとんどないでしょう」
矢掛翠:「それ自体が、町での自らの趨勢を示せるんだから」
芳井春:苦笑する。「陣取り合戦みてえなもんか」
日生日出人:…そこに後ろから、コツコツとヒールの音。
日生日出人:「すみません、お待たせしましたあ」《擬態の仮面》により、女の姿に変化している。──スタイルの良い、長身の女。
日生日出人:女性らしい体の輪郭を際立たせるダークネイビーのパーティドレス。普段は高く結った髪を下ろし、それがいっそう艶っぽい雰囲気を引き立たせていた。
矢掛翠:「あら。いいじゃない」
芳井春:視線を滑らせる。「よお」
矢掛翠:「素敵よ」
日生日出人:いかにも、誰かが連れ回すために連れて来られた女、といった風体。
日生日出人:「え~、んへへ」はにかんでふにゃふにゃ笑う。
日生日出人:「しぶちょ…翠さんスーツなのに、俺ばっか着飾っちゃって、恥ずかしい…」
芳井春:そして権力者の息子…いかにも遊び慣れた風体の男が並ぶ。そういう風に収まるだろう。
芳井春:「いいんじゃねえの、こういう時でもないと着ないだろ」笑う。
日生日出人:「はず~~」
芳井春:「美舞も高い飯食べたかったってぼやいてたぜ」
矢掛翠:「私の方はいいのよ」
矢掛翠:「ここで着ないと、やんわりと意志を示せるかなってだけ」
矢掛翠:「件の招待客さんにね」
芳井春:苦笑を隠すようにカクテルグラスを傾ける。
日生日出人:「あ~~」ちろりと春くんを見やる。
矢掛翠:「まあでも、出ないわけにも行かないし。それに、悪いことばかりじゃないのよ?」
芳井春:特に何も触れず。
矢掛翠:「“彼女ら”の動向を見ることも出来る」
日生日出人:「…やっぱ全員来てる?」
日生日出人:「女王様たち」
矢掛翠:「いいえ」
矢掛翠:「時緒ちゃんは来てないみたい。まあ、こういうの嫌いそうだものね」
芳井春:伏せていた視線を上向ける。「ああ、警察方の」
日生日出人:「他はいるんだあ」
日生日出人:「注目されてるねえ、寄島ひろし議員」
矢掛翠:「力があって意志が弱いからねえ」苦笑するように。
芳井春:「ま、主催者も“女王”ってんじゃ」
芳井春:「……しかも表に出て間もないような権力者ときたら、ここで出ておいて様子は見たいかもな」
日生日出人:「うえっと……、にしたって、奈義さん以外の人は来てるってことは」
日生日出人:「ミルズ・ファミリアのお嬢様とかも来てるんだよね? やば~。政治パーティなのに~」
矢掛翠:「ええ。私も見たことないのよね。知ってる顔といえば……」
楠本陽子:部屋の隅で座り込んで、他と話すでもなく周囲を見渡している。
矢掛翠:「あの人が楠本陽子さん。廿雀組の若頭の奥さん」
日生日出人:「うわあ~~」
芳井春:「……廿雀組と言えば、うちは恨みしか買ってねえだろ…」
日生日出人:「みまちゃんは顔バレてるんだよねえ、注意はらってもらわないとねえ」
矢掛翠:「そうねえ。だからあまり挨拶したくはないかな」
矢掛翠:「あとは……」
芳井春:かつて起こした火を思い返し、視線を移す。
新見詩:一人の少女が、君たちのもとに歩み出る。
新見詩:「お越しいただきありがとうございます」
新見詩:「矢掛翠様。芳井春様」
日生日出人:にこにこしている。
矢掛翠:「詩さん……お招き頂きありがとうございます」
芳井春:「ああ。そっちこそ疲れてないか?」
矢掛翠:「息子ともども感謝の念に堪えません。ご息災そうで」
新見詩:日生さんにも会釈をして。
新見詩:「はい。まだ始まって間もありませんので」
日生日出人:ぺこりと会釈を返す。
芳井春:声を掛けてから、まともな敬語をいつからか外していたことに気づく。「なら、よかった」
新見詩:「とはいえこのあと腰を据えて歓談というわけにも難しいかもしれませんが……」
新見詩:「何分詩は主宰の身ですから。そこは申し訳なく」
芳井春:「ああ…そうだ。あなたが前に、遺品を売った相手はここに来てるか」
新見詩:「はい?」きょろきょろとし。「いえ……」
芳井春:声をひそめて、それだけ問います。
新見詩:「こちらに今日いらしている方ではありませんね」
芳井春:「……そうか」
日生日出人:興味深そうにふたりを見つめている。
芳井春:「ああ…だそうだ」ヒナセと支部長の方を見て。
日生日出人:「何か危ないなって思ったときは、俺達に言ってくださいねえ」
芳井春:どこまで信を置いていいかは分からないが、少なくとも彼女の認識を把握できた。ひとまずは。
日生日出人:ふにゃふにゃ笑って詩ちゃんに言います。
新見詩:「は、はあ……」
新見詩:「お客様にそうして頂くのは心苦しいのですが……」
日生日出人:「あっ、そうかあ。んへへ」
日生日出人:「じゃあねえ、パーティ、いっぱい楽しむねえ」
芳井春:「役所はうまく使ってくれよ。市民の権利だ」と、彼女ヒナセを此方側と示して笑う。
新見詩:深々と一礼してその場を後にする。
日生日出人:それを見送りつつ。「いらないこと言っちゃったかも~」
矢掛翠:「ううん。そんなことは……」
芳井春:「そうか?」
日生日出人:「わあ~」二人に一斉に見られて恥ずかしくなる。
芳井春:「そう言ってくれる人間は、多いに越したことはないはずだろ」
芳井春:「なに照れてんだよ」笑う。
GM:彼女が去ってしばらくの後。
津山イト:「フェフェフェ!矢掛の!うまくやってるようじゃないか」
GM:大きく腰を折り曲げた老婆が、君たちへと声をかけた。
日生日出人:「ひゃっ」ちょっと驚いて、春くんの方に寄る。
津山イト:「幼気な嬢ちゃんを転がして……人をたらし込むのが上手くなったね」
矢掛翠:「津山さん……お久しぶりです」
芳井春:「ん」と軽く目を見開いて。「ああ…」
日生日出人:「うえ」二人を交互に見やる。「お知り合い、ですか…?」
津山イト:「これがあんたんとこのボンかい。すっかりいい男じゃあないかい」
矢掛翠:「津山さんよ。この街の……ええと」
芳井春:「はは、光栄です。男を腐るほど見てきた方が仰るなら、自信を持てそうだ」
矢掛翠:「繁華街周りの、事業をよく手掛けてる。そうね……裏町のドンかな」
津山イト:「フェフェフェ!そんな御大層なものじゃあないよ」
津山イト:「ちょいとばかり手慣れてるだけさ。矢掛の、今からでもこっちに戻ってもいいんだよ」
津山イト:「あんたならまだ現役でやってけるだろうさ」
矢掛翠:「お戯れを。若い子たくさん抱えてるでしょ、津山さんのところは」
芳井春:九株スカイビル――旧支部ビルの一階はスナックだ。旧支部長室でもある。
日生日出人:「あっそっか、前のお店……」呟く。
日生日出人:「そっかぁ、繁華街に多いですもんねえ、すごく立派なお店」
津山イト:「ん、あんた……」
津山イト:「ウチの店に来てたね」
日生日出人:(うわ)
日生日出人:「え~」
日生日出人:やば~、と内心思いつつとりあえず表面上はよく分からないふりをしてみる。
芳井春:(ああ…前に言ってた任務の?客で行ったのか…?)思案する。
津山イト:「あたしの店のことであたしに分からないことはないよ」
矢掛翠:「情報ネットワークみたいなものなのよ、彼女の“系列”は」
芳井春:「そりゃ…この街じゃ十分すぎる広さだ」
日生日出人:「……行きましたぁ~」観念する。「楽しかったですう」
芳井春:「行ってたのかよ。楽しんでるし」
日生日出人:「みぎわちゃんにねえ、カレーの匂いするって言われてマジはずかったあ」
芳井春:「っはは!」
芳井春:「マジかよ。じゃあ俺もじゃん」
芳井春:「……ん、つうか“汀”か。ナンバーワンじゃなかったか、バルクの…?」
日生日出人:「すごいんだよお、全部ばれちゃってねえ、だから次は禁煙して行こ~って思っててねえ」
日生日出人:「そうだよ~」頷く。
津山イト:「フン。楽しむ分には文句はないさ」
津山イト:「せいぜい機嫌を損ねないようにやんな。あたしはまた揃えとくだけさ」
津山イト:「そっちで使えなさそうないいのがあれば連れてきな。フェフェフェ……」
日生日出人:「んへへへ……」
津山イト:そのままゆるゆると去っていく。
日生日出人:ふにゃふにゃと笑みを浮かべながら津山さんを見送る。内心脂汗がだらだらと流れている。
矢掛翠:「……はあ……」溜息を吐く。
芳井春:「…前行ったときって男でだろ? すげえな」
日生日出人:「し……」
日生日出人:「死ぬかと思った……」
GM:津山イト――年齢不詳の老婦人。色街を取り仕切る女衒の長。
日生日出人:「そうだよお……なんでバレてるのお……だから今日も女の子になったのにい~……」
矢掛翠:「ふふ、だからだったの?」
日生日出人:「そうだよお~、怖かったよお~」
日生日出人:今度は翠さんに寄る。
芳井春:「怖ぇーわ、あれは」可笑しそうにヒナセにノンアルコールのドリンクを手渡す。
矢掛翠:頭を撫でる。「あの人はああいう人なのよ」
矢掛翠:「年の功かしら。見透かしてくるっていうか……」
日生日出人:「うう~」ドリンクを手渡され、撫でられる。
芳井春:つ、とそのまま視線を外し、身なりの良さそうな別の女性を見遣る。
日生日出人:「ええと、あの、慎重に行動しまあす…」
日生日出人:ふにゃふにゃしながら春くんの視線を追う。「どうしたの、春くん」
矢掛翠:「ああ、あの人?」
芳井春:「ん」
キンバリー・リー・エバンス:仕立てのいいスーツを着込んだ、大柄な女性。
キンバリー・リー・エバンス:積極的に場内の客に話しかけ、なにやら談笑している。
芳井春:「“ウジミト”の社長か」
GM:キンバリー・リー・エバンス――レネゲイド系企業“ウジミト”の、若き女社長。
日生日出人:「あぁ~……そりゃ、このパーティに来るだろうなあって感じの人だねえ」
キンバリー・リー・エバンス:最後にはガッチリと握手を交わしている。商談が成立でもしたのだろう。
矢掛翠:「今握手してる相手……」
芳井春:「ああ、…誰だ?」
日生日出人:いそいそドリンクを口に運んでいる。
矢掛翠:「たしかギルドの……“インタリオ”」
日生日出人:「ふっ」若干噴く。
“インタリオ”:にこやかに答える、金色の短髪、眼鏡の女性。
芳井春:「……マジかよ」ヒナセの背を軽く叩く。
GM:“インタリオ”――新たに台頭した、犯罪組織ギルドの宝石商。
日生日出人:「つ…繋がっちゃったねえ」背中の感触を任せたまま。
日生日出人:「なんだか…良い雰囲気醸しだしてるねえ…」
芳井春:「あっちも前のツテの幾つかは失ってるかもしれねえし…マジか…」
“インタリオ”:君たちの視線に気づくと、ちらりと見て微笑む。
日生日出人:「ひゃっ」
芳井春:こちらもまた見透かすような視線の女だ、と思う。
日生日出人:慌てて会釈を返す。
矢掛翠:「ただの会合で終わるわけもない、か……」
芳井春:体裁だけそれらしく笑う。「そりゃあ、そうか。裏の方で動けば余計に…」
矢掛翠:「出ておいて正解だったな。放っておいたら流れに取り残されちゃう」
日生日出人:「ここにいて、誰がどんな動きしてるか分かるだけでも充分価値がある?」
矢掛翠:「ええ。それから上手く行けば……」
矢掛翠:「味方を作れるかも……いえ」
矢掛翠:「流石にそれは望み過ぎか」
日生日出人:「"インタリオ"なんかはねえ、どこの組織と仲良しって知らなかったから…、もしかしたらいけるのかなあとか、考えてたんだけど」苦笑する。
芳井春:「もしそうなるとすれば」
芳井春:「よほどの“幸運”でもないと、ってことか」
日生日出人:ぱちぱちと瞬きする。「…まだ見かけてない女王様って」
日生日出人:「でも、あとひとりしか…」
矢掛翠:「……そうね。残りの一人、彼女の目論見は、正直まだ分かってないところがある」
矢掛翠:「なんなら、話してみてもいいんじゃない?」
日生日出人:「うえ、直接?」
矢掛翠:「取って食いはしないと思うわよ」そう言いながらも、ちらりと別の方を見やる。
矢掛翠:「私はちょっと主賓に挨拶してくるから。どうするかは任せるわ」
日生日出人:視線がつられる。
芳井春:「……あー」其方を見る。
日生日出人:「あっうえ、翠さん…」
日生日出人:一緒に行こうかと言いかけて飲み込む。「……それはひとりのがいっか」
芳井春:「なんだよ、俺の援護射撃はしてくんねえの?」
日生日出人:「どっちに言ってるのお」春くんを見る。「翠さん?俺?」
芳井春:「ここで母親に頼ったらさすがにダサすぎる…」と小声で冗談めかす。
芳井春:視線の先には黒いドレス。常人ならざる気配。
日生日出人:「んはは」ふにゃふにゃ笑う。「そだねえ、こっちがふたりのがいいかあ」
日生日出人:「じゃあ、普通に、えっと……普通に話してみよっか。同世代で挨拶するの、別にへんじゃないし」
シェリー・ミルズ:どの参加者とも一定の距離を保った場所で、時折傍の青年と言葉を交わしながら佇んでいる。
芳井春:「おー。そういや年はそんな変わらないのか…」
芳井春:「気迫が違いすぎるな、俺らと」けらけらと。
日生日出人:「今日ねえ、俺ねえ、もう、ビビりっぱなしだよお」と言って、春くんにぴたっとくっつく。
日生日出人:「じゃあ、お願いしますう、商工会役員の息子さあん」
芳井春:ごく自然にエスコートするような歩みで。「ふ」少し安堵したような笑みが零れる。
芳井春:そのまま眼前の女性…と、ボディガードの男に声を掛ける。
芳井春:「どうも。こういう場でお見かけしたのは初めてかな」
日生日出人:「こんにちはあ」ひょこっと髪を揺らし、二人の顔を覗き込む。
シェリー・ミルズ:一瞬、傍の青年と視線を交錯させ。眼前に現れた男女を見遣る。
グレイ・バーンズ:少しだけ前に踏み出るが、合図を待つように視線を巡らす。
シェリー・ミルズ:どちらも平均よりもずっと背が高い。ヒールを履いていても、僅かに見上げるような形になりながら、
シェリー・ミルズ:「……どうも。初めまして」
シェリー・ミルズ:落ち着いた音色が、深い色のルージュを震わせて発せられる。
日生日出人:「はじめましてえ。えへへ、新見詩さん以外でねえ、若い人、少ないから」
日生日出人:「話しかけたいね~って、あっちで話してたんですう。ねえ」春くんを見上げる。
芳井春:「そう。ああ、申し遅れた…商工会の者です」と、視線だけを軽く支部長に示すようにして。
シェリー・ミルズ:“エスキース”──この街に居を構えるUGNの支部長。彼女と話していたということは、その身内か支部の関係者だろうと容易に推測はできた。
芳井春:見る者が見れば、彼女と似た面立ちに気づくかもしれない。あるいは噂で耳にすることもあるだろう。
日生日出人:「俺ねえ、ヒナです。こっちは春くん」
シェリー・ミルズ:「矢掛さんの事務所の方、かしら。顔と……少し。噂は聞いているわ」
シェリー・ミルズ:ほんの少し威圧的な笑みが薄れて、唇が僅かに孤を描く。
シェリー・ミルズ:「シェリー・ミルズよ。彼はグレイ。アタシのボディガード」
グレイ・バーンズ:無言で軽く会釈する。
芳井春:「シェリーとグレイ。よろしく」
芳井春:「こっちは『俺が』呼ばれたわけでもないもんで、暇をしてたわけ。こいつを付き合わせてね」
シェリー・ミルズ:視線を二人の背後へと彷徨わせる。「……そうね。他は他で、お話に夢中のようだし」
シェリー・ミルズ:金髪の女と若き女社長は、まだ色々と積もる話もあるのか、熱心に会話を続けている。
日生日出人:「シェリーさんも、やっぱり今日は、寄島さんに呼ばれて来たんですか?」
シェリー・ミルズ:「元を辿れば、そういうことになるかしら」
芳井春:「新見のお嬢さんか。あっちとはお知り合いで?」
シェリー・ミルズ:「直接、というわけではないわ」 とことこと歩き回っては招待客の一人ひとりに声をかけているらしい、新見詩に視線をやりながら。
シェリー・ミルズ:亡くなった新見詩の父のコレクションについては、自分の父親から少しばかり耳にしたことがある。
日生日出人:「新見さんとこねえ、たくさん、コレクション持ってるんだよねえ」
芳井春:(…シェリー・ミルズはオーヴァードだと聞く。なら、あるいは…と思ったが)顔の見えない売却先を思い浮かべ。
シェリー・ミルズ:「とても珍しい物を持っている、とは専らの噂ね」 自身の耳に揺れる赤を、同じ色をした爪先で撫ぜる。
日生日出人:「どうでもよさげ?」
シェリー・ミルズ:「興味がないわけではないけれど」
シェリー・ミルズ:「もし、彼女の手に余るものが今後流れるようであれば──気を付けないと、とは思うわね」
日生日出人:「誰の手に何が渡るか、わかんないですからねえ」黒髪の奥で揺れる、鮮烈な赤色を見る。
芳井春:「同感だ。……そのあたりの情報を、他と共有する気は?」
シェリー・ミルズ:「“価値あるもの”は、得てして周囲に影響を及ぼしかねない。商工会の方なら、ご存知でしょうけど……」 共有、という提案にうっすら目が細まる。
シェリー・ミルズ:「……ふぅん」
シェリー・ミルズ:支部長そのものの言葉ではない。だが、ここに連れてきている以上は、少なくとも一定以上の信頼を置いた腹心だということだ。
シェリー・ミルズ:取引をしないか、と。この男は問うているのだ。
シェリー・ミルズ:「その提案、アタシ達にだけ言っているのかしら。それとも、この場の全員に?」
日生日出人:「すごいぶっちゃけ」探るように彼女の表情を覗き込む。
日生日出人:「いまのところ、シェリーさんだけです」
シェリー・ミルズ:「どうだか」
日生日出人:「……シェリーさんこそ」
日生日出人:「他の人とこれくらい話しました?」
シェリー・ミルズ:「話さなくとも、手に入れられるものもあるわ」
シェリー・ミルズ:「これほど話したのが、あなた達だけというのは本当だけど」
日生日出人:「……流れに取り残されたくないのは、俺達もです」
芳井春:「街の情勢も大きく変わった。けっこう必死でね、こっちも」
日生日出人:「うん、だから…えっと…案外、協力できるんじゃないかなあ、みたいな…」
シェリー・ミルズ:傍に置いてあったグラスを指先で摘み、くい、と煽る。炭酸の泡が揺らめくピンクの液体が僅かに減る。
シェリー・ミルズ:「意外ね。もう少し──堂々と構えているものかと思ったけれど」
シェリー・ミルズ:「この街じゃ、正義を名乗るのも必死にならざるを得ないのかしらね」
日生日出人:「必死だよね~」春くんを見上げる。
芳井春:「名乗れるかすら怪しい」苦笑する。
芳井春:「蜘蛛の糸すら頼みの綱だ」
シェリー・ミルズ:その笑みか、或いは言葉に釣られてか、ふ、と笑み混じりの吐息が零れる。
シェリー・ミルズ:「そういう話があったことは、覚えておくわ」
シェリー・ミルズ:「……この街に、女王が八人もいるだなんて。そんな盤面、いつまでも続きはしないでしょう?」
シェリー・ミルズ:きっと、この均衡は長くは続かない──いずれ、何処からか。誰かから、崩れ始める。
日生日出人:「……そうだとしたら」
日生日出人:「誰が、最後に残ると思います?」
シェリー・ミルズ:「さあ」
シェリー・ミルズ:「あなた達は、誰にそうなって欲しいのかしら」
日生日出人:「それはもちろん…」
日生日出人:「……少なくとも、あなたではないです」
シェリー・ミルズ:「…………ふ、ふっ」
グレイ・バーンズ:じり、と一歩踏み出そうとする。
日生日出人:「うひゃっ」顔が青ざめる。
シェリー・ミルズ:かつ、とヒールを控え目に鳴らし、グレイを諫める。
シェリー・ミルズ:「面白いわね、貴女。ヒナ、と言ったかしら」
芳井春:「……おい、おい。少なくとも今危害を加えるなら、こんなとこで言いやしない」
日生日出人:「はい、はい、ヒナですう、はい」春くんの後ろに隠れてコクコクと頷く。
グレイ・バーンズ:「危害を加えるつもりがあるかどうかを」
グレイ・バーンズ:「決める権利はお互いが持っていると思うが」
芳井春:「…正論だ。……あーー……こうなると俺言い負けるから嫌なんだよ…」
シェリー・ミルズ:「頭では分かっていても、素直に口にしてしまうタイプなのかしら、ねぇ?」
日生日出人:「ふあ~~、ご、ごめんなさい……で、でも、あの」
日生日出人:「協力できるならしたいっていうのも嘘じゃないし……」ごにゃごにゃ言う。
芳井春:「どっちのことか知らないが、どっちでもそう間違いじゃない」ひらひら手を振る。
芳井春:「あなたにだって、最後は自分だけが残るつもりで協力してもらえれば、十分すぎる協調だと思った」
シェリー・ミルズ:「最後には決別すると分かっている協調に、乗ってくれるような人がここにいるかしらね」
日生日出人:「そんな…ちぐはぐなことだって…あるかもしれないし…」表情を探りながら言って。
シェリー・ミルズ:「……あなた達が“そういう”立場なのは、覚えておくわ」
日生日出人:「うは、はいっ。ありがとうございますう~…」
日生日出人:後ろに隠れながら、ぐいぐいと春くんのスーツを引っ張る(撤退の合図)
芳井春:内心相当に頷きながら、軽く一礼をする。
シェリー・ミルズ:ほんの少しドレスの端を摘んで、会釈。
日生日出人:「お、お邪魔しましたぁ~…」慌てて会釈し、春くんに引っ付いて歩み去って行く。
グレイ・バーンズ:グラスを受け取って、テーブルに置く。
グレイ・バーンズ:その目線は2人より外さない。
シェリー・ミルズ:二人の背を視線で追いながら、小さく問う。
シェリー・ミルズ:「……どう思う? 今の二人」
グレイ・バーンズ:「流石に全勢力と一気に事を構える気とは思えない」
グレイ・バーンズ:「組みどころを探しているのは、あながち嘘ではないだろうな」
グレイ・バーンズ:「それに値するかは……お前が決めることだ」
シェリー・ミルズ:「……彼らは既に、残りの女王もう一人と手を組んでいる可能性が高い」
シェリー・ミルズ:「揺れる情勢を不安視した組織が手を伸ばしたら、奈落に突き落とされる」
シェリー・ミルズ:「その可能性だって、否定はできないわ」
シェリー・ミルズ:例えば──“インタリオ”とキンバリー・リー・エバンスは共同歩調を取るのだろう。少なくとも今は、表向きは。
シェリー・ミルズ:果たして自分はどういう立場であるべきなのか……正直言って決めかねている。
シェリー・ミルズ:「……収穫があったのは確かね。来て良かったわ」
グレイ・バーンズ:「……そうか。ならいい」
グレイ・バーンズ:「……あれはどうする」見やるのは女王の方ではない。
グレイ・バーンズ:パーティの主賓。
シェリー・ミルズ:「変に目をつけられる方が厄介だから。挨拶はしていくわよ」
シェリー・ミルズ:「……気は進まないけれどね」
グレイ・バーンズ:「……普段の仕事も」
グレイ・バーンズ:「気が進んでいるようには見えないがな」
シェリー・ミルズ:「…………」 言葉は返さず、口を噤む。
シェリー・ミルズ:蜘蛛の巣を張るには、時間がかかる。壊れた箇所を直しながら、この街全てを手中に収めるには──まだ何もかもが足りない。
シェリー・ミルズ:だが、常にそうしていなければ。
シェリー・ミルズ:絡め取られ、身動きできなくなるのは──自分の方かもしれないのだから。
津山イト:「フェフェフェ!なんだい、いい若いのもいるじゃないか」
津山イト:腰の曲がった老婆があなた達に近づいてくる。
シェリー・ミルズ:「どうも」 その勢いに少し面食らいながら。
津山イト:「あんたは……」じろりとねめつけるように見て。「ふうん」
津山イト:「いい女だが……うちには合わんさね」
シェリー・ミルズ:「愛想を振り撒くのは苦手よ」
津山イト:「ああ。男を立てられない女だね」
シェリー・ミルズ:この街で何かしらの事業をやろうとすれば、定期的に彼女の影が見える。小競り合い、というほどではないが、決して良好な関係であるとは言い難いだろう。
シェリー・ミルズ:「……そうね。そういう性分だという自覚はあるわ」
津山イト:「イヒッ。それが悪いとは言わねえさ」
津山イト:「そっちのはやってけると思うがどうだい。うちに寄越す気は?」傍らの男を見て。
シェリー・ミルズ:「彼は、だめよ」
シェリー・ミルズ:言葉が言い終わるか終わらないかの内に。
津山イト:「ふうん……」
グレイ・バーンズ:「……お嬢様。そろそろ寄島様へのご挨拶を……」
シェリー・ミルズ:即答してしまったことが、言葉以上の意味合いを含んでしまっていることに遅まきながら気付く。
シェリー・ミルズ:「……ええ。そういうことだから」
津山イト:「ふん。どうにもならなくなったら来な」
津山イト:「女である限り合わんでもやってけんこともないさ」
シェリー・ミルズ:「そうならないようにしたいものね」
シェリー・ミルズ:それ以上は言わず。女にくるりと背を向ける。
GM:それから、あなたが主賓のもとに向かうと。向こうからかき分けるように寄ってきた。
寄島ひろし:「おお……なんと美しい……」
寄島ひろし:「このような女性まで私の就任を祝ってくれるとは。議員になるものですな、わはは!」
シェリー・ミルズ:ぞわ、と嫌な感覚が肌にはしる。
シェリー・ミルズ:「……初めまして。お招きいただき、ありがとうございます」
寄島ひろし:「うむ……私が招いたわけではないがね。北斗のお嬢さんが君を招いたということは……」
寄島ひろし:「君もそちらの向きの関係者なのだろう?」
シェリー・ミルズ:「ええ、まあ」
寄島ひろし:「何。私としてもね。そういう者の支持をこそ受けたいと思っているんだよ」
寄島ひろし:「そういうところからこそ、エネルギーは生れ出づるものだ!というのが持論でね」
シェリー・ミルズ:(この場にいるのだからそうだろうとは思っていたけれど。こちらのことをある程度知っている……か)
寄島ひろし:「これからも積極的な協力をね……」手を差し出すが。
寄島ひろし:「……む」
寄島ひろし:「お嬢さん、しかしよく似ているな……」
シェリー・ミルズ:「……はて。父でしょうか」
寄島ひろし:「いや。昔の話だがね」
寄島ひろし:「この街に“女王”と渾名されるホステスがいたんだ」
寄島ひろし:「大層な美人だったよ。だいぶ前の話だが……お嬢さんによく似ておるなと思った」
シェリー・ミルズ:「……“女王”、ですか」 くすり、と笑う。
シェリー・ミルズ:「光栄ですね、そのような人と似ていると評されるのは」
寄島ひろし:「この街で大成する顔なのかもしれんな」
寄島ひろし:「あやかりたいものだよ」握手を求める。
シェリー・ミルズ:ほんの僅かに逡巡──それをゆっくりとした動きで覆い隠しながら。その手を取る。
シェリー・ミルズ:「この街を昔から知る人と良い関係を築くことは、こちらとしても望むところです」
寄島ひろし:ぐい、と強引にも思えるように握って。値踏みするように撫で回す。
シェリー・ミルズ:レースの手袋越しに、じっとりとした体温を感じる。
グレイ・バーンズ:思わずそれを引き剥がそうとしたとき。
寄島ひろし:「……」
寄島ひろし:「……ゲフッ」
寄島ひろし:「……ゴフッ!ガフッ……!」
寄島ひろし:男が大きく血を吐いた。
シェリー・ミルズ:「…………?!」
寄島ひろし:ずるりと手が離れ、倒れる。
シェリー・ミルズ:思わず手を解き──否、手が重力に従って離れる。数歩下がる。
シェリー・ミルズ:「……っ、グレイ!」
寄島ひろし:目からも血を流している。血は止まらず、だらだらと流れ続ける。
GM:キャアアア!と周囲から悲鳴。
シェリー・ミルズ:こちらの世界に通じていても、あくまでもただの人間だったはずだ。安否の確認を──そう考えて声を上げたが、その様相では。
グレイ・バーンズ:「お嬢様」手を引く。安否の確認ではない。
グレイ・バーンズ:ここから離れさせようとするように。
楠本陽子:「あなた……あなたが」
楠本陽子:「これを?」
シェリー・ミルズ:大きく息を吐き、声の主に視線を向ける。
GM:「あ……あの人が手を握ったら、急に血を吐いて……!」
“インタリオ”:「……ほう。そうなりますか」
シェリー・ミルズ:(…………まずいことになったわね)
キンバリー・リー・エバンス:「フ。大胆なことをするやつもいるもんだ」
シェリー・ミルズ:「……アタシは、何もしていないわ」
シェリー・ミルズ:(言って、信じてもらえるわけもないでしょうけど)
楠本陽子:「……ひとまず、詳しい話をお聞かせして頂いても?」
新見詩:「……」茫洋とそれを見ている。
シェリー・ミルズ:僅かに眉を顰め、グレイに視線を送ってから。「……構わないわ」
芳井春:「…クソ、警察方が来てねえ時に…」
グレイ・バーンズ:それを無視して腕を引く。
芳井春:「いや、だからか…?」
シェリー・ミルズ:「……ちょっと、グレイ」 この女が怪しい、という直感があった。直接話せるなら好都合だと考えていたが。
グレイ・バーンズ:(留まるべきではない)
日生日出人:「まっまっまずはっ、通報……」スマートフォンを操作しつつ。
グレイ・バーンズ:(だれかがお前を嵌めようとしている)
シェリー・ミルズ:「…………」
日生日出人:「あっ、シェリーさん行っちゃう!春くん、追いかけて!」
芳井春:「…!そっちは任せた!」
シェリー・ミルズ:「……気が変わった。どうせ、何も出てきやしないのだし。時間の無駄よ」
矢掛翠:「……うん。追いかけて。それから……」
矢掛翠:「他の勢力には引き渡さないで」
矢掛翠:「何か、嫌な感じがする」
津山イト:「フェフェフェ!こりゃあ……」
シェリー・ミルズ:腕を引かれるままに、その場を去ろうとする。
津山イト:「変わるね。情勢が……」
楠本陽子:「お……お待ちなさい!」
芳井春:揺れる黒髪、黒いドレスが闇に消えるのを追う。
キンバリー・リー・エバンス:「なんだ?捕物か」
キンバリー・リー・エバンス:「なら俺の部下を貸してやるぞ」
キンバリー・リー・エバンス:「新製品のデモンストレーションにちょうどいいからな」
GM:周囲に居た黒服が、どこからか銃器を構えてシェリーへと向ける。
シェリー・ミルズ:「ああ、もう……物騒ねぇ」
シェリー・ミルズ:「少し、眠っていて」 全員が全員能力者というわけでもないだろう。
シェリー・ミルズ:《ワーディング》が女を中心に展開される。
GM:黒服たちはバタバタと倒れていく。
日生日出人:「ふあっ……」スマートフォンで各所に連絡を送りつつ、繰り広げられる様子に目を丸くする。
楠本陽子:「っ……」その場で崩折れる。
日生日出人:バッと周囲の様子を確認。
キンバリー・リー・エバンス:「……ほう?」
キンバリー・リー・エバンス:「成る程。オーヴァードだったか」
芳井春:「ヒナセ!あいつらに連絡とれたか!」二人の警備は見えないが、荒事ならば適任は二人の方だ。
シェリー・ミルズ:倒れていく黒服の間を抜け、グレイと外を目指す。
GM:立っているものは驚くほど少ない。護衛の中には無事なものもいるが。
日生日出人:「っ、あ、送った!」大声を返す。
日生日出人:「あとは、だから大丈夫!」
GM:抜けられなくはないだろう。最大の残敵……が、逃してくれれば。
グレイ・バーンズ:駆け出し、UGNの一団の正面に相対する。
グレイ・バーンズ:手を広げて構える。
シェリー・ミルズ:「荒事にはしたくない……どいて頂戴な」
香上進一郎:夜闇。液晶が光ったままの携帯端末を懐に入れて。
香上進一郎:二人と相対する。礼を尽くした先程までの態度とは打って変わり。
香上進一郎:その眼は語っている。
香上進一郎:「上も。意向は同じのようです」
香上進一郎:「ウチまで。ご同行願えませんか」
グレイ・バーンズ:言葉の代わりに、振り上げた腕が伸びる。
香上進一郎:「女性の方を。こっちはオレ」
香上進一郎:傍らの同僚に呟いて。拳を握る。
グレイ・バーンズ:鉤爪のような意匠を描く拳が。その顔を狙って向かう。
倉間美舞:「バカ。支援型のフリさせろや」
香上進一郎:(速え)スウェーバック。紙一重の所で拳を避けて。
香上進一郎:「そんなタマかよ」
倉間美舞:バキバキと体内から異形の剣を取り出しかけている。
グレイ・バーンズ:「ここは抑えます。お先へ」
香上進一郎:一歩前進。カウンター狙いの左フックで制圧を試みる。
グレイ・バーンズ:かわされた魔手が壁を掠めた。ジグジグと溶け出している。
シェリー・ミルズ:(……すぐに踏破できるような相手じゃない、みたいね)
グレイ・バーンズ:もう片手を正面に防御に構えた。しゅうしゅうと剣呑そうな煙を上げている。
シェリー・ミルズ:「……いえ。グレイ」
シェリー・ミルズ:「“跳んで”」
香上進一郎:融解した壁を視界の端で捉えながら。舌打ちして踏みとどまる。
シェリー・ミルズ:男の腕を取る。もう片方の指先が、空中の”何か”を弾いた。
香上進一郎:「あ───?」
シェリー・ミルズ:────ひぅ、ん
シェリー・ミルズ:泣き声のような音一つ残し、グレイの姿が消え失せる。
香上進一郎:(転移────オルクス? バロール……いや)
香上進一郎:逡巡する間すら与えてくれる手合では無い。
香上進一郎:ぎり、と歯噛みしながら残された女性の方へ手を伸ばす。
香上進一郎:「待て───!」
倉間美舞:立ちはだかるように剣を振るうが。「つってもな~……」
シェリー・ミルズ:「……放っておいてくれるかしら」
シェリー・ミルズ:「面倒事に、巻き込まれたくはないでしょう?」
倉間美舞:「ここじゃほっときますよ」
シェリー・ミルズ:指先がもう一度。つい、と振るわれる。
シェリー・ミルズ:「ありがとう」
倉間美舞:「今、この場所ではつーだけなんで」
倉間美舞:「あんまイキんないでくださいね」
倉間美舞:さっきまで居た場所に棘付きの凶器を叩きつけた。
シェリー・ミルズ:また、泣き声のような音が一つ。赤い宝玉の揺らめきを残し、女の姿も掻き消える。
シェリー・ミルズ:その凶器と伸ばした手に、透明な糸のようなものが絡んでいる。
香上進一郎:触れるか触れないか。空を切った手を虚しく見て。
香上進一郎:「っ、クソ」
香上進一郎:悪態をついて。息を吐く。
矢掛翠:「いえ。あれでいい」
矢掛翠:「ここで身柄を押さえたら、引き渡しの要求に応じざるを得ない」
香上進一郎:「支部長」ばっ、と姿勢を正し。
矢掛翠:「あとは……そうね。彼女が外でこれ以上の被害者を出さないかだけど」
矢掛翠:「二人から見て、そこはどう?」
日生日出人:「あの…」「大丈夫じゃないかなあ」後ろからついてきて。
日生日出人:「俺の話、していい?」春くんを見る。
芳井春:「ああ、頼む」小さな着火源を持て余しながら。
日生日出人:「さっき話してたとき、シェリーさんが言ってたことなんだけど」
日生日出人:「詩ちゃんの持ってるコレクションのことは知ってるけど、他の組織に流れたらまずいよねって、あと」
芳井春:「ん」
日生日出人:「他の組織がどんな動きをとってるか、把握したいって…。…最後に残る女王は誰だと思うって聞いたら、『さあ』って」
日生日出人:「なんか、ずっと、受け身な感じでね」
日生日出人:「そういう人が、それでも、寄島さんを殺すために、このパーティに来たんだと、したら」
日生日出人:「逃げないと思ったの」
日生日出人:「なんか…そのまま逮捕されて、おーわりってしそうだなあって」
矢掛翠:「……うん」
日生日出人:「えっと」きょろきょろ他の皆を見る。「だから…ほんとに、巻き込まれて、びっくりした印象。でした」
芳井春:「確かに、目的のないまま来ていた感じだったな」
香上進一郎:先輩二人にも頭を下げながら。
日生日出人:「俺、めちゃぐいぐい言ったけど、キレられなかったし……」
倉間美舞:「つーかあれすよね」
倉間美舞:「オーヴァードならいくらでも殺りようあるんだから」
倉間美舞:「元から逃げんならハナから上手くやりませんかね」
芳井春:「わざわざ二人で来て自分でな」
香上進一郎:「ワーディングまで使って逃走を図っている……し」
倉間美舞:「あんだけちょこまかバッタみたいに逃げられんなら余計に……」
香上進一郎:「つまり……本当に、何もやっていないからこそ」
日生日出人:「あっ、そ、そうだね、そだね」こくこく頷く。
香上進一郎:「危機を脱するために、逃げた?」
日生日出人:「そう思った方が、自然かなって…」
矢掛翠:「彼女を探しましょう」
矢掛翠:「彼女を捕まえるためでなく、真実を明らかにするために、ね」
芳井春:「……鑑識は……ユキ以外だといいな」と、本人に言えば叱られそうなことを呟いて。
芳井春:「残ったものも調べないとだしな」
香上進一郎:「そういえば……居らしてなかったんですよね」
香上進一郎:「梶子さんところの……」
日生日出人:「奈義さん」言葉を引き取って頷く。「ひとりだけ、来てなかったねえ。女王様」
倉間美舞:「来るわけなくないすか……?」
倉間美舞:「全員逮捕しに来てるっしょそれ。来てたら」
倉間美舞:「こんな連中のパーティ……」
倉間美舞:「やばいやつしか居ねーすよ」《ワーディング》の切れた会場を見渡す。
日生日出人:「んは~」苦笑する。「政治家のパーティとは思えなかったねえ~」
芳井春:(…やっぱり、正義を名乗る、じゃねえよなあ)シェリー・ミルズの言葉を思い出す。
GM:徐々にその影響を脱し、立ち上がるものもある。
日生日出人:「とはいえ、もう、来ないわけにはいかない事態になっちゃったし」
日生日出人:「あとは、一旦そちらにお任せ…だねえ。表側のとこは…」
芳井春:この街にはある意味で相応しい、白黒どちらにも傾かない、混沌とした盤面は。
芳井春:正義にでもなく悪でもなく。誰かの糸のもとに、いまはただ。
芳井春:流血の赤に傾いて、廻りはじめた。


GM:シーン終了。ロイス取得が可能です。
シェリー・ミルズ:ヒナ 興味/○猜疑心 で取得します
日生日出人:やっぴっぴ
芳井春:ヒナセと支部長には初期ロイスで取得済み!
芳井春:頼れる後輩に取ろう 香上進一郎 〇信頼/心配
日生日出人:シェリー・ミルズ/信頼:〇/不安/ロイス で取得します
芳井春:Pなのわかるし良い
シェリー・ミルズ:Pとはね……
香上進一郎:あ~ん どっちとろうかな
香上進一郎:グレイ・バーンズ P好奇心/N○恥辱 一旦こうで
芳井春:あら…
日生日出人:まあ…


【ミドルフェイズ2】

GM:全員登場を推奨します 登場をどうぞ
香上進一郎:香上進一郎の侵蝕率を1d10(→ 4)増加 (53 → 57)
芳井春:芳井春の侵蝕率を1d10(→ 9)増加 (50 → 59)
日生日出人:日生日出人の侵蝕率を1D10(→ 2)増加 (51 → 53)
シェリー・ミルズ:シェリー・ミルズの侵蝕率を1D10(→ 3)増加 (51 → 54)


GM:まずはシェリーさんのシーンを描写していきます。
GM:辛くも楸河荘を逃れた君たちは、自らのアジトを目指した。
GM:すぐに突き止められることは想像に難くはないが、それでも、部下を糾合し、今後の対応を練る必要がある。
GM:歓楽街からは離れた、閑静な高級住宅街。この街のほぼ全域の歓楽業を牛耳る、津山イトの影響の手を逃れる数少ない店。
GM:会員制の高級バー『シャンス』。君の表のカヴァーは、そこのオーナーとなっている。
GM:店のオーナーとは名ばかりで、それはその実、“ミルズ・ファミリア”の九株市における拠点であった。
グレイ・バーンズ:扉を開き、中に招き入れる。
シェリー・ミルズ:少しばかり急ぎ足で、店内に。
ミルズ・ファミリア構成員:「シェリー様!」
ミルズ・ファミリア構成員:「よくご無事で……」君の姿を見て、そこに居た部下たちが声を上げる。
シェリー・ミルズ:状況が既にあらかた伝わっているのか、店内に客はいなかった。何らかの都合を付けて閉店したのだろう。
シェリー・ミルズ:「心配を掛けたわ。この通り、アタシは大丈夫よ」
シェリー・ミルズ:見慣れた店内の薄暗さに、ほんの少しだけ安堵する。
ミルズ・ファミリア構成員:「そうですか、ご無事なら……」その部下が言葉を継ぐ前に。
グレイ・バーンズ:「……シェリー!」君の頭が強引に押さえつけられる。
ミルズ・ファミリア構成員:発砲音。
グレイ・バーンズ:「ぐっ……」
シェリー・ミルズ:「……ッ!」
ミルズ・ファミリア構成員:「ご無事なら……まだ私達の手で引き渡せる」
ミルズ・ファミリア構成員:「“表”の議員まで殺っちゃうとか……やりすぎなんですよ、あなたは」
シェリー・ミルズ:「……テイラー、貴方……」
ミルズ・ファミリア構成員:次々と銃を構えた構成員が現れて、君たちを囲んでいる。
ミルズ・ファミリア構成員:「“ファミリア”のやり方にも反する。いくらあなたがボスの娘だからって……」
ミルズ・ファミリア構成員:「もうついていけませんよ」
シェリー・ミルズ:構成員たちを見返す。テイラー、ジャネット、チェン……誰も彼も、そう短い間柄の仲ではない。
シェリー・ミルズ:だが、信頼関係があったかは──別だ。互いに、そう思えていたかどうか、は。
シェリー・ミルズ:「……今から、誤解よ、と言って。信じてもらえるものかしら?」
ミルズ・ファミリア構成員:「たとえ、誤解だとしてもです」
ミルズ・ファミリア構成員:「ファミリアは早晩、他の勢力に潰される」
ミルズ・ファミリア構成員:「だったら、あなただけで済ますほうがマシだ」
ミルズ・ファミリア構成員:「……悪く思わないで下さいよ」
グレイ・バーンズ:君を庇うように倒れ込む。その背に次々と銃弾。
GM:ワーディングも無意味だろう。オーヴァードの構成員もいるし、何よりも。
GM:彼らの所持品だ。今後の情勢を鑑みて手配した、耐ワーディング性の装備。
シェリー・ミルズ:グレイの背に守られながら、歯噛みする。
シェリー・ミルズ:(……まさか、準備がアダとなるなんて)
シェリー・ミルズ:「…………っ、グレイ」
グレイ・バーンズ:「……逃げろ」
シェリー・ミルズ:「先に、貴方を”跳ばす”わ……! アタシも、後から追う」
グレイ・バーンズ:「待て、それは……」
シェリー・ミルズ:「……置いていくなんて、できるわけないでしょう」
シェリー・ミルズ:張り巡らせた蜘蛛の巣。その、可能な限り端へ──この街の外までとは、いかないが。
シェリー・ミルズ:すぐに追い付けないくらいの距離は稼げる。
シェリー・ミルズ:赤い爪先を、空中に踊らせるように、弾く。
シェリー・ミルズ:消える大きな背中。そこに突き刺さる筈だった弾丸が、スカートの裾を大きく抉り取る。
シェリー・ミルズ:「……大義名分を持った以上、他の勢力からの攻撃は避けられない」
シェリー・ミルズ:「アタシは、それに黙って呑まれてやるつもりはない──だから、あなた達も」
シェリー・ミルズ:ソファに身を隠すように動く、その脚が異様にぐらつく。グレイに庇われて倒れ込んだ時に、ヒールは片方折れてしまったらしい。
シェリー・ミルズ:「……きっと、生き延びなさい」 それだけ言い残し、爪先を弾こうと──
ミルズ・ファミリア構成員:その脚に一発の銃弾が突き刺さる。直後、脚に痺れ。対オーヴァード用の特殊硬直弾頭。
GM:その蜘蛛は、今まさに絡め取られようとしていた。


GM:君が目覚めると、そこは車の中だ。
GM:手足は拘束されて、後部座席に座らされている。体は痺れたように重く、動かせない。
ミルズ・ファミリア構成員:「……お目覚めですか」
シェリー・ミルズ:「……っ……」 掠れたうめき声が乾いた唇から漏れる。
シェリー・ミルズ:グレイは──当然いない。当たり前だ、先に逃したのだから。ここにいては、困る。
GM:ドレスも所々が破れ、そこにリザレクト仕切らぬ銃創が覗く。
シェリー・ミルズ:(……かなり、傷を負っていたはずだけど。何処かに逃げられているかしら……)
ミルズ・ファミリア構成員:「このまま警察に引き渡します。ここの警察は専ら……」
ミルズ・ファミリア構成員:「“怪物”用の収容施設を持っているとの噂ですから」
シェリー・ミルズ:麻痺した肢体に、銃痕からはしる鈍痛だけが妙に鮮明だった。
シェリー・ミルズ:「…………そ」 声はかろうじて出せるが、この状態では舌を噛み切って死ぬこともできなさそうだ。
ミルズ・ファミリア構成員:「……正直、あなたは」
ミルズ・ファミリア構成員:「私達にも、腹の中を明かそうとはしませんでした。ただの一度も」
ミルズ・ファミリア構成員:「結局、こんなことして……何がしたかったんですか」
シェリー・ミルズ:「……さあ、ね」
シェリー・ミルズ:雄弁に語る舌は持たないし、語ったところで最早無意味だろう。
シェリー・ミルズ:他の組織ならまだしも──警察が警察たりえてる以上は、温情など期待できない。
シェリー・ミルズ:引き渡されてしまえば、それでおしまいだ。諦念。その言葉が、何よりしっくり来る。
シェリー・ミルズ:(……何がしたかった。何がしたかったのだろう)
シェリー・ミルズ:(……この街を、全て支配下において。それで……アタシが得るものは、何ひとつだってないのに)
シェリー・ミルズ:(最初から──全部捨てて。逃げてしまうべきった……?)
GM:そんな君の思索を中断するものがあった。それは――
ミルズ・ファミリア構成員:急ハンドルを切り、ブレーキを踏む。
ミルズ・ファミリア構成員:「おい!何そんなところに突っ立ってやがる!」
シェリー・ミルズ:「……っ、ぐ」 拘束された状態では受け身もままならず、座席の背に強く身体を打ち付けられ悶える。
芳井春:影は三つ。
芳井春:「…内部に確認した。この車で当たりだ」
日生日出人:「しんちゃん、連れてくから」
日生日出人:「思いっきりぶっ壊しちゃって!」ぐるん、と腹から真黒い穴が広がってめくれ上がる。
日生日出人:隣の少年を掴んで、その姿が一緒に溶け消えて、次の瞬間。
日生日出人:急ブレーキをかけた車の真上に現れる。
香上進一郎:「香上了解」
香上進一郎:バ ギャ !
ミルズ・ファミリア構成員:「な……」
香上進一郎:爆発と紛うほどの轟音。繰り出した拳は車のルーフを容易く貫き、右手はそのまま運転席の女の襟元を掴んで。
香上進一郎:そのまま、捻り上げるようにフロントガラスへ叩きつける。
シェリー・ミルズ:(襲撃……? 一体、誰が……)
日生日出人:ダークネイビーのドレスの裾が翻り、車の屋根に着地、そのまま後部座席の窓ガラスを仕込み刀で叩き割る。
日生日出人:逆さになった状態で後部座席を覗き込む。「いた!」
芳井春:「おし」
シェリー・ミルズ:俯せになった身体では、襲撃者の顔を仰ぎ見ることもできない。(この声は、どこかで……)
芳井春:地を這う『何か』によってタイヤの空気が抜かれている。「生きてるな」
日生日出人:手をつっこみドアのロックを解除、ドアを開け放つ。「しんちゃん!そっちは大丈夫?」
香上進一郎:助手席側に転がるようにして身を投げ、同時、ガラスを叩き割るストレート。座席の男の顎を揺らして。
香上進一郎:「問題ないです。……彼女の方は?」
日生日出人:「大丈夫そ!春くうん、出してあげて~」
芳井春:「間に合った。…大丈夫だとは思うが、死のうなんて考えないでくれよ。シェリー・ミルズ」
芳井春:その拘束を外しながら。
芳井春:「あんたのことが心配で」
芳井春:「敵かもわからない俺たちのところに来た男が、安心して眠れてないんだ」
シェリー・ミルズ:痺れが残る腕と脚から、拘束が剥がれていく。回りきっていない思考が、その言葉に水を掛けられたように冷えていく。
シェリー・ミルズ:「……グレ、イが……?」
シェリー・ミルズ:そうして、やっと。襲撃者の顔を見上げる。
芳井春:「お久しぶり。俺は…いや、ヒナセの方は覚えてるかな」
日生日出人:「うはは、こんなデカい人忘れるわけないじゃん」
日生日出人:けらけら笑いながら、屋根からひょいっと飛び降りてくる。
芳井春:「それもそうか…?」
日生日出人:「ヒナで、春くんです。で、ええと、いまさらだけど、UGNです」
シェリー・ミルズ:商工会役員の息子と、その付添だった女──それと、入り口で相対した青年。どれも、一度は見た顔だったが。この場には、そのカヴァーで来ているわけではあるはずもなく。
日生日出人:「このまま、警察には渡さず、俺達のところに来てもらいます」シェリーさんの顔を覗き込む。
シェリー・ミルズ:しゃがみこんだまま、折れていない方のヒールを掴んで力任せに折り取る。これで、高さは一緒に。
日生日出人:「ふあ」ぱちぱちと瞬き。
シェリー・ミルズ:裾を整えながら、ゆっくりと立ち上がる。
シェリー・ミルズ:「……覚えているわよ。これでも、顔の覚えは良い方なの」
シェリー・ミルズ:「UGN……そう。グレイが、あなた達を頼ったのね」
芳井春:「顔を覚えてるなら、言ったことも覚えててくれてるか」笑う。
シェリー・ミルズ:「……そうね」 溜息のような声が、色のすっかり剥げてしまった唇から零れた。
シェリー・ミルズ:「切れかけの……細い蜘蛛の糸で良ければ」
シェリー・ミルズ:「……話せることも、少しはあると思うわ」
シェリー・ミルズ:むしろ。その糸に縋らなければいけないのは──自分の方だ。


GM:シーン終了。ロイス取得および購入が可能です。
日生日出人:まだロイスなしだよ~
芳井春:迷うけどロイス保留!買い物しよう。
血肉細工:きぐるみ買う~
香上進一郎:かわいいね
日生日出人:6dx+1>=12 ボディマ狙って購入します
DoubleCross : (6DX10+1>=12) → 9[1,3,5,8,8,9]+1 → 10 → 失敗

血肉細工:3dx>=14
DoubleCross : (3DX10>=14) → 5[4,5,5] → 5 → 失敗

香上進一郎:日生日出人 P○信頼/N疎外感 でロイス取っちゃお
日生日出人:おっ うーん 財産払えば買えるけど…まだいいや
日生日出人:きゃ~♡
芳井春:本体がボデマ狙うか
シェリー・ミルズ:ロイスは保留~
香上進一郎:あっまちな!
香上進一郎:バデムがありますよ先輩!
日生日出人:あっ!!
シェリー・ミルズ:すごい!
日生日出人:しんちゃん大好き
芳井春:優秀すぎる
香上進一郎:日生先輩にバデムをシューッ!
日生日出人:うへへへへ +3して購入しちゃいます!
日生日出人:ボディマゲット!装備!
シェリー・ミルズ:手配師使いつつアームドスーツ辺りを狙っていきます
芳井春:あ、そうだヒナセに
芳井春:ウェポンケースあげとくね
日生日出人:春くんも好き~♡
シェリー・ミルズ:(2-1+3)dx+4>=15 手配師込 アームドスーツ
DoubleCross : (4DX10+4>=15) → 9[1,3,4,9]+4 → 13 → 失敗

香上進一郎:あっおしい
シェリー・ミルズ:財産点2点使用。残り13点 ボデマにないないしておきます
日生日出人:かっこいいー!
香上進一郎:か、カネモッティだ
香上進一郎:じゃあ自分もボデマねらいます
香上進一郎:2dx+2>=12
DoubleCross : (2DX10+2>=12) → 5[1,5]+2 → 7 → 失敗

香上進一郎:だめ!おわりです
芳井春:本体でボデマるか
日生日出人:あとやっぱり 香上進一郎/信頼:〇/隔意/ロイス で取得しちゃお~
芳井春:1DX+1+0@10
DoubleCross : (1DX10+1) → 9[9]+1 → 10

香上進一郎:やっぴ~!
芳井春:財産2払って買えるけどだれかいるっけ?
芳井春:とりあえず自分用に買っとくか
香上進一郎:のほうがいいかもですね!
日生日出人:そうねそうね ある分にはいいことだよ
芳井春:財産を7から5。かいまーす
芳井春:以上!


【ミドルフェイズ3】

GM:合流&情報収集回になります 登場どうぞ~
シェリー・ミルズ:シェリー・ミルズの侵蝕率を1D10(→ 9)増加 (54 → 63)
シェリー・ミルズ:DB乗っちゃった
日生日出人:日生日出人の侵蝕率を1D10(→ 3)増加 (53 → 56)
香上進一郎:香上進一郎の侵蝕率を1d10(→ 2)増加 (57 → 59)
芳井春:芳井春の侵蝕率を1d10(→ 4)増加 (59 → 63)


GM:【ニュー九株ビル 3F マッサージエステ『梅大事』】
GM:君たちがそこに帰り着いたのは朝方になっていた。
GM:雑居ビルに偽装した、UGN支部。その中でもそこは、仮眠室および、簡素な治療機能を備えた場所になっている。
GM:そこにはUGNスタッフのみではない。客の姿がある。
グレイ・バーンズ:ベッドから、包帯を巻かれた褐色の男が体を起こす。
グレイ・バーンズ:「……お嬢様、ご無事で……」
シェリー・ミルズ:「グレイ……!」
シェリー・ミルズ:その傍に小走りに駆け寄る。至るところに治りきらない銃創が覗く。赤が包帯に滲んでいるのが痛々しかった。
グレイ・バーンズ:「申し訳ありません。許可も得ず……」
グレイ・バーンズ:「彼らを頼りました」
シェリー・ミルズ:「……そうでなかったら、今頃アタシは籠の中よ」
シェリー・ミルズ:振り返る。”彼ら”に向き直り、まだ僅かに視線の定まりきっていない瞳でどうにか真っ直ぐに見つめて、
シェリー・ミルズ:「……ありがとう。恩に着るわ」
倉間美舞:「どーも。んでこっからどうするんですか?」
倉間美舞:「引き渡すつもりならわざわざ車襲いやしねーっすよね」
日生日出人:「うは~」ふにゃふにゃする。「みまちゃんが情緒なさすぎるよ~」
倉間美舞:「だってうちハブられたし……」
倉間美舞:「そっちがよかったっすわ」
香上進一郎:「いつもそうでしょ」ぼそりと呟いて。
芳井春:「支部長の護衛はデカい仕事だろーが」苦笑。ドレスシャツにベスト姿で、どっかりと脇のベッドに腰かけている。
日生日出人:「そうだよお~」みまちゃんの頭をよしよし撫でる。寒くなってきたので春くんのジャケットを奪って肩にかけている。
芳井春:「単独で任されてんだから拗ねるなって」
倉間美舞:撫でられるがままになっている。「うす」
矢掛翠:「まあ、こちらは何もなかったからね……」
芳井春:「それも結果論だろ。ともあれ、そっちも無事でよかった」
矢掛翠:「改めてようこそ、UGNへ。シェリー・ミルズさん」
シェリー・ミルズ:「……こうして、直接話すのは初めてになるわね」
シェリー・ミルズ:「グレイの依頼に応じてくれたこと……改めて感謝します」
矢掛翠:「支部長の矢掛です。私たちはお察しの通り、あなたの逮捕や殺害を企図していません」
矢掛翠:「というか……そうね。今回の殺害事件には裏があると見てる」
矢掛翠:「あなたに責を負わせて手打ちにする、簡単な結論には飛びつけない」
シェリー・ミルズ:「……アタシは、あの男の殺害には関わってないわ」
シェリー・ミルズ:「この言葉に何一つ信用なんてないだろうけど。それだけは、言っておく」
香上進一郎:「自分は。会場内に居たわけではありませんが」
矢掛翠:「……ええ。そう思ったからこそ、今こうしている」
香上進一郎:「先輩方からのお言葉を伺っただけでも。そんな杜撰な計画を企てるお人では無いと云うのは」
香上進一郎:「こうして見れば、判ります」
日生日出人:「お話ねえ、したときにねえ、こういうことしなさそうだな~って思ったんだよお」
シェリー・ミルズ:「……そう。あまり長話をしたつもりはなかったのだけど」
シェリー・ミルズ:そういう能力者というわけではなく、それが感じた通りの本心なのだろう、と思いながら。
日生日出人:「んへへ…」返答の代わりにふにゃっと笑う。「でもねえ、だから、シェリーさんのお話聞きたいんだよね」
芳井春:「ああ。あんたしか見ていないものがあるだろうし」
芳井春:「真実を知らないまま終わるのは…なんだ」
芳井春:「きっと、俺たちにもあんたたちにも、良い結末じゃないだろう」
シェリー・ミルズ:「そう、ね。……誰とも知らないまま、罠に掛けられて終わり、というのは」
シェリー・ミルズ:「悔しいし、遣る瀬無いわ。……とは言っても」
シェリー・ミルズ:「……今のところ、皆目見当も付いていないのよ」
シェリー・ミルズ:逡巡した後、素直に吐いた。
芳井春:「会場じゃほぼ初対面だったっぽいもんな」
倉間美舞:「まあ容疑者なんて五万といるんじゃないすか?」
芳井春:「寄島もだが、あの会場の大体は」と添える。
倉間美舞:「テキトーな駒でクイーン取れるなら取れるときに取るでしょ」
日生日出人:「他の組織の犯行だったら、そうだよねえ」首を傾げる。
芳井春:「取りたい駒ってのは、誰なんだ?」
香上進一郎:「それは……」
香上進一郎:「シェリーさん、本人では。無いのですか?」
日生日出人:「ぶっちゃけ…」シェリーさんを見る。
日生日出人:「誰かから超恨みを買ってた~、とか、あるんですか?」
芳井春:「ミルズの方にまで遡れば、正直相当…ありそうではあるが…」
シェリー・ミルズ:「恨みを買う先は、考えればキリはないわよ。……性質上、広く浅く──他の領域の隙間を縫って動いていたのが、アタシ達だから」
グレイ・バーンズ:「それは……お前たちも同じだろう」
グレイ・バーンズ:「恨みを買う先を考えれば、枚挙に暇がないと思うが」
芳井春:「……まあな」
倉間美舞:「ぐうの音も出ね~すね」
香上進一郎:“楠本陽子”と。まだ顔は見てないが。“インタリオ”の存在が脳裏に浮かんで。顎を擦る。
日生日出人:「あっ」ぱちぱちと瞬き。「そ、それはそうなんだけど………ち、ちがうよお。そうじゃなくてえ」
日生日出人:「ぶっちゃけ、あの、ミルズの、内部の方で………」
芳井春:「ん」続きを聞く。
芳井春:「ああ…」
日生日出人:「ええと、例えば……権力争い起こってるんです的なやつ……」
シェリー・ミルズ:「ああ……そういうこと」
日生日出人:「ん、んん」シェリーさんの表情を探るように見ている。「みんなの言うとおり、他の組織だったら、どこだって疑えるから…」
芳井春:ブランドン・ミルズは漁色家だと聞く。それをよりによって娘の前で言うつもりもないが。
芳井春:それはつまり、それだけ取り分を巡って争う可能性にもなるだろう。
シェリー・ミルズ:「……少なくとも、“今はまだ”。そういうことにはなっていなかった、と思う」
矢掛翠:「とはいえ、申し開きをしなければならないのは、やはりあの場に居た勢力に対してね」
矢掛翠:「あとは警察か。主にそこになってくると思う」
芳井春:「支部長、奈義さんとはコンタクトは取れたのか?」
矢掛翠:「今事件処理で忙しいでしょうね。表の事件にもなってしまったもの」
矢掛翠:「……正直ね。例えば私達が真犯人を見つけ出したとして」
矢掛翠:「それが受け入れられるかと言われるとNoね」
矢掛翠:「私達がそういうことにしたがっている、としか受け取られかねない」
芳井春:「だよな」
日生日出人:「うそ~」
日生日出人:「味方してくれなさそう?」
倉間美舞:「いくらでも捏造効く組織ですからねウチらは」
香上進一郎:「有力な市議会員の死ともなれば……」
矢掛翠:「そもそも、それが見つかる前にも、引き渡しの要求は激しくなるでしょう」
矢掛翠:「ここで保護していることだってすぐに漏れるわ。その時に庇えなくなる」
矢掛翠:「今のままではね」
芳井春:「それで、対策を考えていない…って訳でもないんだろう」
シェリー・ミルズ:黙ったまま、傍のグレイの様子を見る。……十全に回復するためには、まだ暫く時間がかかるだろう。
矢掛翠:「ええ。だから私たちは、犯人探しと並行して」
矢掛翠:「“味方”を作らなきゃいけない」
香上進一郎:「“味方”というのは、つまり……」
香上進一郎:「“女王”のうちの?」
矢掛翠:「ここの有力勢力が私達を含めて8とするならば……そうね。半数は欲しい」
日生日出人:「ええと……4人?」指を折っている。「ここ含めてなら3人?」
倉間美舞:「そいつらと仲良くご交渉して」
倉間美舞:「こっちの邪魔しね~ように“お願い”して回る?」
香上進一郎:「……タダでとは。いかないでしょう」
香上進一郎:「容易くはない、見返りを要求される」
矢掛翠:「そこはすり合わせね。相手の望むものを提示できるか……」
矢掛翠:「何とも言えないし、どの組織とも仲良くやっていけるとは思ってない」
矢掛翠:「多かれ少なかれ、衝突は起こるように思う」
芳井春:その面々を思い返し。…支部長に口を開きかけ、逡巡。
芳井春:「だが、最小まで減らせる努力はできるか」
芳井春:「……」
日生日出人:「誰のこと気にしてるのお」
日生日出人:春くんの顔をのぞき込む。
芳井春:「いや」少し困ったような顔をしてから。「新見のお嬢さんの方は、あの後どうだったかと」
芳井春:「父親を亡くして最初の催しだろう」
日生日出人:「あ~、あの子は、ほんとに…えっと…素人? なんだよねえ」
倉間美舞:「そのへんの女王周りに探り入れるのが」
倉間美舞:「これからの仕事?」
矢掛翠:「ええ。あなた達の力を頼ります。それから……」
矢掛翠:「今は、私達と協調して事を進めていってほしいと思うけど。ご異論はあります?」
日生日出人:「直接聞いてこいって~」ぺしぺし春くんの腕を叩いている。
シェリー・ミルズ:「……異論はないわ。他に選択肢もないでしょうし」
芳井春:「おい叩くなって」ちょっと笑って、息を吐く。
芳井春:眼前の彼女にせよ、新見詩にせよ。探り合いや利用し合いなど、そうは言いたくはないが。
芳井春:言い訳なしに純粋に他人を心配するには、誰もかれも雁字搦めだ。
シェリー・ミルズ:「……ファミリアの人間には、気を付けて。一番躍起になってアタシを探してるのは、きっと彼らだから」
香上進一郎:「貴女や彼のような腕前のオーヴァードが、他にも居るのであれば」
香上進一郎:「警戒は必須でしょう。ご忠告痛み入ります。けど」
香上進一郎:「今はまだ。あの時の借りは返さずに済みそうで。正直ホッとしてます」
香上進一郎:「お見事でした」
シェリー・ミルズ:「……なんだか、複雑な気分よ」 安堵とも困惑ともつかぬ表情を浮かべながら。
シェリー・ミルズ:「少しの間。……よろしく、お願いするわね」
GM:情報収集に入ります。
GM:本情報収集では、1キャラクターにつき2回の収集が可能です。
芳井春:多い
GM:★が必須。他は任意となります。
■情報項目
★“インタリオ”〈情報:UGN〉9〈情報:ギルド〉8
★楠本陽子〈情報:UGN〉9〈情報:裏社会〉8
★新見詩〈情報:UGN〉9〈情報:噂話〉8
 シェリー・ミルズ〈情報:UGN〉9〈情報:裏社会〉8
★津山イト〈情報:UGN〉9〈情報:裏社会〉8
★キンバリー・リー・エバンス〈情報:UGN〉9〈情報:ウェブ〉8
★奈義時緒〈情報:UGN〉9〈情報:警察〉8

寄島ひろし 〈情報:噂話〉8〈情報:裏社会〉8
ブランドン・ミルズ 〈情報:UGN〉9〈情報:裏社会〉8
ナターリア・グリゴリエヴナ 〈情報:UGN〉9〈情報:裏社会〉8
グレイ・バーンズ 〈情報:UGN〉9〈情報:裏社会〉8
汀 〈情報:噂話〉8〈情報:裏社会〉8
日生日出人:いっぱいある~~
香上進一郎:わ~いっぱいだあ
香上進一郎:肉塊ちゃん(従者)もニ回判定できるのかな
血肉細工:あ、それ聞きたかった
シェリー・ミルズ:いっぱいありゅ
GM:あっできるよ
香上進一郎:よかったねえ
血肉細工:やったー!
日生日出人:ヨッシャッ皆でやりたいやつ言っていこうぜ!
芳井春:えっと 詩ちゃんはまずやりたいです私
日生日出人:ヒナは 津山イト氏と 汀ちゃんいきたいです
香上進一郎:陽子さんと…どうしようかなってかんじです
香上進一郎:ひろし行くか?
香上進一郎:ちょっと主観的すぎるな…
芳井春:“インタリオ”もいいんじゃない?
香上進一郎:いいかも
GM:まず一個行ってみて
芳井春:それかグレイとか…
GM:成否状況で決めるのもアリゼ
日生日出人:あ~たしかに
香上進一郎:そだねえ
芳井春:あーそうね
香上進一郎:グレイはシェリーさんいきたいかな?みたいな わたしもきになるけど
日生日出人:まずやりたいやつの★を確実に開けていきましょか
香上進一郎:うんうん
芳井春:とりま詩ちゃんやります
日生日出人:どぞ~
芳井春:【コネ:噂好きの友人】を使いダイス+2。で
芳井春:新見詩〈情報:噂話〉8
芳井春:4DX
DoubleCross : (4DX10) → 5[1,1,3,5] → 5

芳井春:うげ
日生日出人:あっ
日生日出人:後輩!おいで!後輩!
香上進一郎:後輩INします!!
芳井春:クーーーン
香上進一郎:《バディムーブ》!芳井先輩の達成値を+3!
芳井春:ウオオオ
シェリー・ミルズ:これがUGNの力なのね……
芳井春:絆 成功
香上進一郎:ハァハァ
日生日出人:後輩ありがとう~
芳井春:これがUGNの力 ほんとうにそう
日生日出人:★津山イト、〈情報:裏社会〉で調べます コネ情報屋使用してダイス+2
日生日出人:8dx+1>=8
DoubleCross : (8DX10+1>=8) → 8[3,5,6,6,7,8,8,8]+1 → 9 → 成功

日生日出人:やったぜ
香上進一郎:おみごとだ
芳井春:さすひな
香上進一郎:じゃあ 奈義時緒〈情報:UGN〉9 を情報:UGNで調べます コネ:UGN幹部を使用。
香上進一郎:4dx+3>=9
DoubleCross : (4DX10+3>=9) → 8[2,7,8,8]+3 → 11 → 成功

香上進一郎:成功!
日生日出人:さすが!
芳井春:すごし
シェリー・ミルズ:★楠本陽子〈情報:UGN〉9〈情報:裏社会〉8 これを、情報:裏社会で。コネ:情報屋で情報:裏社会のD+2
シェリー・ミルズ:(2-1+2+1)dx+3>=8
DoubleCross : (4DX10+3>=8) → 9[1,2,6,9]+3 → 12 → 成功

芳井春:すごい
日生日出人:すご~~!
香上進一郎:やるう~
血肉細工:あーじゃあ エバンスかインタリオいこうかな
芳井春:インタリオしていいすか~
日生日出人:いけたらどっちもやっちってくれ~!
香上進一郎:いいよお
シェリー・ミルズ:やっちゃってー
血肉細工:んじゃあエバンス
血肉細工:ダイボのったよなたしか。情報:ウェブ8で
血肉細工:4DX>=8
DoubleCross : (4DX10>=8) → 6[3,5,6,6] → 6 → 失敗

芳井春:アアーー?
香上進一郎:ちにくん~!
日生日出人:ちにく~!
日生日出人:もっかい試せるよ!
シェリー・ミルズ:ワンモア!
香上進一郎:ワンシャン!ワンシャン!
血肉細工:ハァ ハァ
血肉細工:4DX>=8
DoubleCross : (4DX10>=8) → 5[1,4,4,5] → 5 → 失敗

芳井春:ボケーッ
香上進一郎:ちにく~~~~~ん!
GM:血肉……!
日生日出人:ああ~~~!!
シェリー・ミルズ:今日ちょっと調子が悪そう 湿気が多いのかな
芳井春:本体まだ一回あるからやってみるね
香上進一郎:フレフレ
日生日出人:してみてー
芳井春:〈情報:UGN〉9のほうで 【コネ:UGN幹部】を使いダイス+2。
芳井春:4DX+1+0@10>=9 情報:UGN
DoubleCross : (4DX10+1>=9) → 3[1,2,2,3]+1 → 4 → 失敗

芳井春:wwwww
香上進一郎:せんぱ~~~~~~い!!
芳井春:いや財産はあるはあるけども…w
シェリー・ミルズ:あわわ……
GM:そんな……
日生日出人:このシーンでウオオ~って突破目指した方がいいのかな
芳井春:全額になるんだよなこれ どうしよ。任せた方がいいか迷うわね
日生日出人:じゃあ《宵闇の魔花》をあげよう
シェリー・ミルズ:あら素敵
日生日出人:達成値+6する代わり、HPを5点減らしてね
芳井春:ヒ ヒナセーー
日生日出人:日生日出人の侵蝕率を4(→ 4)増加 (56 → 60)
シェリー・ミルズ:妖精の手という手もありますけど、魔花切ります?
芳井春:芳井春のHPを5(→ 5)減少 (28 → 23)
芳井春:妖精のがもったいない気もする
シェリー・ミルズ:ふんふん そしたらこれでいきますか
芳井春:なんかもっと…いい道がある気がする妖精は
日生日出人:香上くんとシェリーさんのどちらかにインタリオ挑戦してほしいかも~
シェリー・ミルズ:情報:ギルドとかいうものすごく限定的なやつ 取り敢えず挑戦してみましょうか
香上進一郎:おっじゃあまずおねがいします!
シェリー・ミルズ:★“インタリオ”〈情報:UGN〉9〈情報:ギルド〉8 どっちもないので<情報:ギルド>の方で。要人への貸し使ってD+3
シェリー・ミルズ:(2-1+3+1)dx>=8
DoubleCross : (5DX10>=8) → 8[5,5,6,8,8] → 8 → 成功

シェリー・ミルズ:な、なんとか
芳井春:さすしぇり
香上進一郎:絶妙!
日生日出人:素敵!
日生日出人:うう…すいません 汀ちゃんいかせてください
香上進一郎:ええですともええですとも
芳井春:いっておいで!
日生日出人:〈情報:裏社会〉でいくわよ コネ情報屋つかってダイス増やし
日生日出人:9dx+1>=8 ダイスボーナスも発生!
DoubleCross : (9DX10+1>=8) → 8[1,1,4,6,7,7,8,8,8]+1 → 9 → 成功

日生日出人:ぎりぎりセーフ
芳井春:あらあら
香上進一郎:やるゥ~
シェリー・ミルズ:わかっちゃったのね
芳井春:楽しんできたんじゃないの…
香上進一郎:どうしよっかな~ シェリーさんやグレイさんいってみたさはあるが
香上進一郎:ひろしここで空けないとタイミング逃すきがするな
日生日出人:あ~たしかに
香上進一郎:他意はありません
芳井春:あ、たしかに
芳井春:他意w
日生日出人:お願いしますぜ
香上進一郎:というわけで寄島ひろし氏 情報:裏社会で狙ってみます
香上進一郎:2dx+2>=8
DoubleCross : (2DX10+2>=8) → 8[2,8]+2 → 10 → 成功

香上進一郎:フッ…
日生日出人:さすが~~~!!
日生日出人:少ないダイスでようやった
芳井春:つええ
シェリー・ミルズ:やはりなにか感じるものがあるのね
香上進一郎:遺志はおれが継ぐ
芳井春:ひろしも喜んでるよ
GM:これで全部かな……?
日生日出人:全部!
香上進一郎:かな?
芳井春:death.
シェリー・ミルズ:全員動きましたね
GM:OK!開示していきます
“インタリオ”
市内のギルド勢力は宿老である“六座頭”こそ失ったものの、その地盤は健在。
現在は“インタリオ”というオーヴァードが彼の後釜として派遣されている。
積極的に市内を支配しようという野望はないように思えるが、
相変わらず九株市をある種実験場所と定めているのだろうと思われる。
楠本陽子
廿雀組若頭である楠本磊の妻。彼の逮捕の後、組織を糾合した。
半ば騙し討ちの形で逮捕劇を作り上げたUGNへの恨みは大きいと思われ、
積極的な協力は難しいだろう。ただ、現状で組織に大きな動きはない。
彼女は非オーヴァードであるはずで、積極的にバックのセルと協調してはいないのだろうか?
新見詩
資産家である新見北斗。彼は老齢だったが、歳離れた若い妻との間に生まれた娘、詩があった。
彼女の母は後妻だが正室であり、他に子供もいないことから彼の資産をほぼ一人で受け継いだ。
その中には多数のレネゲイドアイテムが有り、UGNでもその流れに警戒を強めている。
彼女は継承後、放埒にも見える積極的な資産の放出を進めている。事件の後は屋敷から出てきていないようだ。
津山イト
裏町の長。情報ネットワークと生死の問わない“暗殺”業に長じる。
非オーヴァードだが、レネゲイドの世界を知悉している。
最近までは不随状態になり、歩くのもままならなかったはずだが、
今は普通に活動できるようになっているようだ。
キンバリー・リー・エバンス
レネゲイド系企業“ウジミト”CEO。
勢力問わず武器を卸している。UGN相手でも依頼があれば快く受注するだろう。
超強力なレネゲイド性アイテムというよりは、レネゲイドを利用して作り上げた、
一般人でも行使可能な兵装に落とし込んでいる。そのほうがより厄介とも言えるが。
奈義時緒
警視庁R事案対策本部、九株市分署の長官。
非オーヴァード。自他に厳しく治安を第一義とする。
UGNに対しては協調の必要性を感じているものの、個人的には好意的とは言い難い関係。
今は手を結んでいるが、こちらに瑕疵あらばその身柄を抑えることも厭わないだろう。

津山イトの支配下にある中でも最大級のクラブ「バルク」のNo.1。
蠱惑的な魅力の美女であり、男女問わず数多くの人間を虜にしてきたとか。
オーヴァードであると噂され、津山の懐刀なのではないか?と目される。
能力は異常嗅覚。匂いから人となりを見透かすように嗅ぎ分けるという。
寄島ひろし
九株市市会議員。非オーヴァードながらレネゲイドを把握、存分に利用しての栄達を目論んでいた。
新見詩の主催するパーティでシェリー・ミルズによって殺害されたとされる。
死因は毒殺。ことパーティ会場において、またはそれ以前において、いくらでも毒を仕込む手段はあっただろう。
オーヴァードであればその手管はどうとでもなる。手法からの推理は困難だろう。
GM:必須情報がすべて開示されたため、次のシーンからの勢力交渉が行なえます。
GM:これから、八人の女王の勢力から、UGNおよび“ミルズ・ファミリア”を除く6つの組織について
GM:それぞれ交渉……というか、スタンス把握のために探りを入れるシーンが進行していきます。
GM:1シーンに登場可能なPCは2人。また、それぞれバラバラの組み合わせを推奨します。
GM:1人3回登場して、毎回違うペアと会話をしてもらうシーンを兼ねようとの目論見です。
日生日出人:なるほど~
芳井春:最高の目論見
香上進一郎:あたまがいい
GM:味方NPCは望めば登場させられます。
シェリー・ミルズ:PCに加えて付いてきて~ってできるのね
GM:そういうこと!
GM:判定について説明します。
GM:ミドルでは2度の判定を行ってもらいます。
GM:1つ目が、詳細情報判定。
GM:情報項目に設定されていた情報収集を行うことができます。
芳井春:ほほう!
“インタリオ”〈情報:UGN〉9〈情報:ギルド〉8
楠本陽子〈情報:UGN〉9〈情報:裏社会〉8
新見詩〈情報:UGN〉9〈情報:噂話〉8
津山イト〈情報:UGN〉9〈情報:裏社会〉8
キンバリー・リー・エバンス〈情報:UGN〉9〈情報:ウェブ〉8
奈義時緒〈情報:UGN〉9〈情報:警察〉8
GM:具体的にはこうです。
日生日出人:さきほど開示した情報より、更に詳しい情報を得られるんですね
芳井春:好きなタイプとかわかるのかな…
GM:そうですね。それを理解した上で交渉に望めるというわけです。
GM:これらを成功させると、次の判定に進むことができます。
香上進一郎:イト……
芳井春:好きなお菓子わかるともっていける
GM:また、成功した場合、
GM:目標値を上回った点数を記録します。
芳井春:おおっ。
GM:例えば情報UGNで12を出した場合、3点を記録します。
GM:この点数だけ、次の判定に+補正をかけられます。
香上進一郎:ほええ~
GM:ただし、財産ポイントの使用は目標値までです。
GM:+補正には使用できないのでご注意ください。
芳井春:はーい!
シェリー・ミルズ:後出し達成値増強は強いね
GM:次の判定は、情報を抜くまで指定技能は不明ですが
GM:成功すると、クライマックスでの登場エネミーが減少します。
芳井春:おおーーー!
GM:また、勢力によっては、追加で恩恵が得られる場合があります。
日生日出人:ははあ
香上進一郎:はは~ん ちょうだいじだな? この判定
芳井春:大事すぎるん!
シェリー・ミルズ:今後を優位に進められる判定 超大事
GM:2人で判定するため、補正値はそれぞれの管理で
GM:2つ目の判定については1人でも成功すればOKです。
香上進一郎:なるほどお
芳井春:やったあ
日生日出人:1つ目の判定は2人とも成功しなければだめですか?
GM:成功した人だけ次の判定に行けます
GM:失敗したら2つ目は指をくわえてみててね
日生日出人:ひゃ~~ りょうかいでーす
日生日出人:2人で挑戦してどっちかだけでも2回の判定に成功すればオッケーということ!
芳井春:なるのほど
GM:そういうこと!
GM:あっあと忘れていた 2人とも失敗すると2d10ダメージを受けてもらいます
香上進一郎:ギャ!
芳井春:痛すぎる!
シェリー・ミルズ:ぶ、物理ダメージ
シェリー・ミルズ:手痛い攻撃を受けて追い返されちゃうんだ
GM:NPCカードが使用可能です。
芳井春:おお!
芳井春:デデンデンデデン

“エスキース”矢掛翠 詳細情報判定において一つを成功とする。達成値の持ち越しはできない。


“ミクトラン”倉間美舞 失敗時のダメージをなしにする。

GM:それぞれ一回だけ使用可能です。
芳井春:えらすぎる…
香上進一郎:やるやん


GM:【ニュー九株ビル 2F カレーハウス「ハダイヤ」】
GM:カレーハウスであるともに、支部食堂でもあるそのフロアで、
GM:君たちは今後の方針を話し合っていた。
芳井春:「辛さは2がいいかなと思う」メニューを見て言う。
芳井春:「辛いの好きならあれだけど……」とメニューをシェリーさんに手渡す。
シェリー・ミルズ:僅かに眉を顰めて、渡されたメニューを見つめている。
香上進一郎:「口の中とか、切れてたら大事ですし。あまり辛すぎるのは……」
シェリー・ミルズ:「2で……どのくらい? 一般的な辛さで言うところの」
芳井春:「中辛くらいじゃねえ?」ヒナセと香上を見る。
日生日出人:「辛い方の中辛?」
芳井春:「だって」
シェリー・ミルズ:「……じゃあ、1にしておくわ。それと、ラッシーも」
芳井春:自分は一番辛いライスカレー、ロースカツ乗せを頼んでいる。
日生日出人:「最初はねえ、それがいいよお」
日生日出人:「俺はねえ、グリーンカレーで、ウインナートッピングで、えっと、辛さは5!」
香上進一郎:「チキンカレー。3でお願いします」
日生日出人:「よろしくおねがいしまーす」店員さんにオーダーを済ませる。
芳井春:「コンビニも支部内にあるから、少しはそこで買えるんじゃねえかな」
シェリー・ミルズ:「後で、グレイには何か買っていくわ」
芳井春:「あと頼んでくれれば俺らでも買ってくるし、貸せるもんは貸すよ」
倉間美舞:唐揚げ定食を食べている。提供が早い。
芳井春:「あ、持ち帰りのカレーもいいかも。あいつ辛いのいけんの?」
シェリー・ミルズ:「何も持ち出せなかったから、衣服の類があると有難いわね……辛いのは、どうだったかしら」
香上進一郎:隣席で肉に食らいつく女の、邪険にされている野菜たちに慈しみの視線を向けながら。
シェリー・ミルズ:「普段、アタシが食べる分と同じのを、としか言わなかったから」
日生日出人:「グレイさんて、ずっと前からシェリーさんの部下なんですか?」
倉間美舞:キャベツくれーだろ
日生日出人:言いながら、運ばれてきたカレーを次々とみんなに配る。
芳井春:じゃあ、とシェリーさんが頼んだそのままをテイクアウトで注文している。
香上進一郎:「漬物も食べろ……」ありがとうございます、と先輩にお礼を言って。
シェリー・ミルズ:「そうね……もう10年くらいにはなるかしら」
倉間美舞:漬物は食べるが……野菜じゃないから漬物は 漬物だから ジャンルが
芳井春:「へえ。幼馴染みたいなもんか」
日生日出人:んふふ~と笑う。いまだ女態で継続している。
香上進一郎:「納得のコンビネーションですね」
香上進一郎:「一朝一夕で出来る動きではなかったですとも」
矢掛翠:「ごめんねみんな。これからの話をさせてもらってもいいかな?」ラッシーだけ頼んでいる。
矢掛翠:「食べながらでいいんだけど……」
芳井春:「ああ…って食わなくていいのかよ」ラッシーしかない席を見て言う。
日生日出人:「あっ、はあい」支部長の顔をひょいっと見上げる。
シェリー・ミルズ:「グレイ、喜ぶでしょうね」 香上くんにそう言って、ほんの僅かに微笑む。それから、支部長へと視線を。
矢掛翠:「今日また夜会合だから」と返して。
香上進一郎:さっ、と彼女から視線を反らし。支部長の声に居住まいを正す。
矢掛翠:「悪いんだけど、私は色々動けなくって」
日生日出人:「議員がいなくなっちゃった、んだもんねえ」
芳井春:「だろうな。表向きのあれそれも相当なもんだろ」
矢掛翠:「ええ……バタバタしてて。警察の聴取に、商工会の方にも行かないとけない」
芳井春:大きめに切ったカツをカレーごと掬い、ざくざくと食べている。
日生日出人:「犯人捜しの……真犯人探しの方も、まだ、そんなに進んでないんでしょ?」
倉間美舞:「まあ無理っすね」
シェリー・ミルズ:スプーンの上にご飯をしっかり、ルー少なめに盛ったものを口に運ぶ。……少し咳き込んでラッシーを一口、二口。
芳井春:水のコップをそちらの席に回す。
倉間美舞:「フツーの劇毒らしいっすわ。死因」
倉間美舞:「要は誰でもやれる。オーヴァードならどうとでも」
日生日出人:「あ~、じゃあ、わかんないねえ」 辛いグリーンカレーをひょいひょい食べている。
日生日出人:「誰でもやれる状況だった、誰でもやれる理由がある、んだもん」
シェリー・ミルズ:口元を抑えながら受け取って、半分ほどを一気に飲み下す。じんわり涙目で小さく会釈。
倉間美舞:「急にワープして飲ませて逃げたりとか……」唐揚げをかじる。
芳井春:「警察方でも絞れてなさそうだな。それじゃ」シェリーさんの様子に少し目を細め。
矢掛翠:「そう、警察ね、警察……」
香上進一郎:「そちらの方は、まだまだ難航しそうですね……」
日生日出人:「それじゃ俺にもできちゃうし~」みまちゃんに言って笑っている。
芳井春:「ああ、んじゃ奈義さんとこも俺らで行った方がいい?」
矢掛翠:「これからいろいろな組織に当たらなきゃいけないんだけど」
シェリー・ミルズ:「……けほっ……オーヴァードでなくとも、誰かを使えばできてしまうことね」
矢掛翠:「ええ。お願いできる?」
矢掛翠:「まずはあなたへの逮捕を留保してもらわないと」
矢掛翠:「ろくに動けなくなってしまう」
矢掛翠:「どうしても難航しそうなら呼んで。なんとかしてみるから」
芳井春:「だな。…あんたも自分で顔を合わせたい人間もいるんじゃないのか?」シェリーさんに。
シェリー・ミルズ:「あまり派手に動くのは得策ではないでしょうけど……そうね」 幾人か、顔は浮かぶ。
矢掛翠:「まずはここに留まっていてもらえる?」
矢掛翠:「恐らくだけどね。動きたいのはうちだけじゃない」
矢掛翠:「逆に、こっちにコンタクトを取ってくる勢力だってあるはず」
日生日出人:「シェリーさんがここにいるの、まあ、時間の問題でバレるでしょおって感じなんだもんね」
シェリー・ミルズ:頷く。「そちらの意向に従うわ」
芳井春:既に半分くらい減った皿。水をごくごく飲んでいる。
香上進一郎:大ぶりなチキンの入ったルーとライスを、次々と口に運んだ後。ごちそうさまでした、と呟いて。米粒一つ残っていない皿をカウンターに上げる。
芳井春:「ああ、それなら新見の方行っていいか」
芳井春:「どうも当主が引き籠ってると聞いたから…ちょっと気になってる」
日生日出人:「あ、さっきから、言ってるけど」
日生日出人:「ひとりで行っちゃだめだよお」
日生日出人:「誰か連れてってねえ。俺じゃなくていいし」こっちは喋るのに夢中で進みが遅い。
香上進一郎:「基本のツーマンセルですね」
矢掛翠:「……そうね。安全には万全を期しましょう」
芳井春:ばつの悪そうな顔をして。「……ん」
シェリー・ミルズ:「他の組織にとって、UGNが目障りなのは確か。この機に乗じて、という組織が現れないとも限らないのだし」 ほんの少しずつ、カレーを食べ進める。
香上進一郎:「優先順位は? 如何しますか」
日生日出人:「あ、それそれ!聞きたかったの」香上くんに。
矢掛翠:「最優先が警察。あとはそうだな……」
矢掛翠:「味方してくれそうなところからかな」
香上進一郎:「味方ですか……」
矢掛翠:「ウジミト。津山さんのところ。後はあまり巻き込みたくはないけど……新見さんのところ」
矢掛翠:「このあたりでしょうね」
日生日出人:「えっと」瞬き。「今回の件に、興味なさそうなとこ?」
矢掛翠:「うちと積極的な敵対をする気がなさそうなところ」
日生日出人:「なるほどお」津山さんを思い浮かべ、頷く。
芳井春:「"ウジミト”はどこでも武器を卸すって聞くしな」
芳井春:「だからこそ面倒なんだろうが…」
シェリー・ミルズ:「ビジネスライクにやるのがスタンスなら、そうそう事を構えるとはならないでしょうね」
香上進一郎:「挙げられなかった、ギルドと鴻央会については……」
香上進一郎:「向こうからのアクション待ちですか」
シェリー・ミルズ:「……以前、その二つとは諍いがあったのよね」
芳井春:「カチコミじゃねえの、向こうからのアクション」
日生日出人:「トップをねえ、俺らがねえ、逮捕しちゃったねえ」シェリーさんに。
倉間美舞:「まあ来んならボコしゃいいっしょ」
倉間美舞:「バカ正直に全部に渡りつける必要なくないっすか?」
倉間美舞:「こっちが優勢になりゃそれで終わりすよね」
日生日出人:「みまちゃんは威勢がいいよ~~」
香上進一郎:「時間も限られてるしな」
日生日出人:「しんちゃんもだあ~」
日生日出人:「も~、ふたりで勝手に暴れたりしちゃだめだよお」
香上進一郎:「先輩のお手を煩わせるようには……」ややあわあわしている。
芳井春:笑って水を飲んでいる。皿は空。
倉間美舞:「“ウチは”しませーん」
倉間美舞:「したことないでーす」
香上進一郎:「本当スか?」
日生日出人:「みまちゃんはねえ、ちゃんと猫被るときは被ってくれるからねえ」
シェリー・ミルズ:ぱく……ぱく……と亀の歩みで食べ進める。ラッシーは2杯目を頼んだ。
芳井春:「それなら…津山の婆さんとこはヒナセ行くか?」
芳井春:「前言ってたろ」
日生日出人:「あ、俺? んは~、なんか中途半端にみぎわちゃんに手出しちゃったからね~」
芳井春:「へー」
日生日出人:「え~?」
日生日出人:「だから、今度は堂々と行ってこようかなあ。えっと、でも、もうちょっとしてからね」
倉間美舞:「マジっすか」
倉間美舞:「パネえ」
芳井春:「ナンバーワンだぜ」
日生日出人:「ぱなくないよ~」
シェリー・ミルズ:驚いたように少し目を開いて、ヒナの顔を見ている。
香上進一郎:「あ。そういえば」ふと思い出したように。
香上進一郎:「シェリーさんには、日生先輩の“能力”のこと……おや」
芳井春:「ああ。そういやミルズのアジトもバーなら、婆さんとこには縁がないじゃないのか?」
日生日出人:「ふあ」あっと気付き、シェリーさんの顔を覗き込む。「あ、でも、そうそう、できればシェリーさんと行けたらいいな~って」
芳井春:「ここでああいう店やって、あの婆さんを知らないこともないだろうし」
芳井春:「ん。いいんじゃねえの」
シェリー・ミルズ:「関わりがないというよりは、『関わらないでいい』ように避けてたというのが正しいかしら」 ヒナの顔を困惑したように見返している。
日生日出人:「たぶん、女の人と一緒に行くのがよさそうかな~って。ね~」
シェリー・ミルズ:「向こうは、アタシのこと──少しは知っているようだったし。会場でも、少しは話したから知らない仲ではないけれど」
シェリー・ミルズ:「……ねえ、“能力”って、もしかして?」
芳井春:ああ、とそこでやっと合点した。
日生日出人:「あっ」こっちも気付く。「俺、あの、実は、姿が変えられるんです」
日生日出人:「エグザイルの能力で…。えっと、男にも、女にも、なれます~」
日生日出人:「いまは女の子だけど、普段はねえ、男だったりします~」
シェリー・ミルズ:「ああ……それで」 得心がいったという風に頷く。
倉間美舞:「言ってよかったんすか?」
倉間美舞:「ウチならギリギリまで伏せときますけど」
日生日出人:「あ~、ん~、う~」
矢掛翠:「正式に協力関係を結ぶって言ってるんだから」
矢掛翠:「そういう隠し事話にしましょう。それに動いていれば早晩分かることだしね」
芳井春:そういやあの婆さんはなんか分かってたな、とふと思い出す。彼女はオーヴァードではないと聞いたが。
香上進一郎:「それを把握しておいたほうが。動きやすいでしょうし。お互いに」
シェリー・ミルズ:「そう……じゃあ、素顔をまだ見ていないのはアタシだけなのね」 少しだけ興味深そうに。
日生日出人:「なんかねえ、津山さんにばれててねえ、俺の自信も揺らいでてねえ…」ふにゃふにゃ言ってふにゃふにゃしている。
芳井春:「あんま変わんねえよ、男のときの顔も」
日生日出人:「まっまあ、いいんですう、俺の話は~!」
矢掛翠:「それ、その“汀”ちゃんが津山さんに報告したってことでしょう?」
日生日出人:「ふあっ」
矢掛翠:「印象付ける任務としては、成功してたってこと」
日生日出人:「そ…そうなのかなあ」
香上進一郎:「流石先輩です」うんうんと頷いている。
日生日出人:「だったらよかったなあ……、んへへ……」もじもじしています。
矢掛翠:「じゃあ、早速やりましょうか」
矢掛翠:「この間みたいにタイムリミットが設定されているわけじゃないけれど」
矢掛翠:「あまり悠長にもしてられない」
矢掛翠:「みんな、よろしくね?」


GM:シーン終了。ロイスと購入ができます
芳井春:シェリー・ミルズ 〇誠意/隔意で取得!
シェリー・ミルズ:嬉し…… でもこっちはまだロイス保留しちゃいます
日生日出人:ロイスはだいじょうぶ!
芳井春:きぐるみチャレンジをつづけるか。
血肉細工:4DX>=14
DoubleCross : (4DX10>=14) → 8[1,3,6,8] → 8 → 失敗

芳井春:本体もやるか
芳井春:2DX+1+0@10>=14 調達
DoubleCross : (2DX10+1>=14) → 1[1,1]+1 → 0 (ファンブル) → 失敗

芳井春:?
シェリー・ミルズ:oh...
日生日出人:はっはるくん
GM:ファンブってる……
シェリー・ミルズ:きぐるみチャレンジに参戦しよう
芳井春:ニャーン
GM:カレーこぼしたのかな きぐるみに
シェリー・ミルズ:(2-1+1)dx+4>=14
DoubleCross : (2DX10+4>=14) → 8[6,8]+4 → 12 → 失敗

シェリー・ミルズ:おっ
日生日出人:おお!
シェリー・ミルズ:ちらちら……
日生日出人:バッディ…
芳井春:バデ
芳井春:バデバデ
香上進一郎:はい!
香上進一郎:バディムーブかがみうごきます。
香上進一郎:達成値+3!
倉間美舞:はたらけ
芳井春:香上 お前の背中が今は大きく見える
シェリー・ミルズ:UGNじゃないけどバディしてもらえました~ 達成値15で成功です
日生日出人:いえーい
香上進一郎:そんじょそこらのチルドレンにはできない芸当なんだよな
シェリー・ミルズ:ウェポンケースあります?
芳井春:あ、さっきあげたので持ってないッス!
シェリー・ミルズ:じゃあ手持ちのウェポンケース空っぽその2にしまって、渡します
芳井春:あと逆にボデマ欲しい人いたらあげるよん
日生日出人:香上くん 春くんのお下がりもらえるよ!
香上進一郎:あやった~~!
香上進一郎:おさがりのボデマきちゃお
芳井春:おさがりのボデマをあげ、きぐるみをきます
日生日出人:じゃあこちら無難に応急手当
香上進一郎:とりまロイホで わたしも応急手当キットめざそう
日生日出人:7dx+1>=8
DoubleCross : (7DX10+1>=8) → 9[1,1,2,6,8,9,9]+1 → 10 → 成功

日生日出人:バッチリ!
香上進一郎:2dx+2>=8
DoubleCross : (2DX10+2>=8) → 5[4,5]+2 → 7 → 失敗

香上進一郎:あ~財産5か う~ん 1払っておこ
香上進一郎:買っときます
日生日出人:かっとこかっとこ!
日生日出人:全員処理終わりだよ~ん
GM:OK!


【ミドルフェイズ4-1】

GM:ここからは勢力交渉フェイズです。
GM:まずは警察にあたってもらいます。登場する2人は誰かな?
芳井春:でるよー
香上進一郎:おともします
芳井春:芳井春の侵蝕率を1d10(→ 1)増加 (63 → 64)
香上進一郎:香上進一郎の侵蝕率を1d10(→ 6)増加 (59 → 65)
GM:まずは判定やってもらおうかな~
奈義時緒〈情報:UGN〉9〈情報:警察〉8
血肉細工:従者でまずやらせようかな。〈情報:警察〉8で。
血肉細工:4DX>=8
DoubleCross : (4DX10>=8) → 10[4,4,6,10]+8[8] → 18 → 成功

GM:やば
芳井春:どうした急に
香上進一郎:やるやん
GM:じゃあ血肉細工くんは+10補正が付きます
香上進一郎:+10…?
血肉細工:着ぐるみをきてかわいくなったからかも
香上進一郎:マスコットの座を狙っている
香上進一郎:じゃあわれらもふりますか
GM:従者は着てないでしょ!
香上進一郎:コネ:UGN幹部で~
芳井春:本体もやっていいのか そういや
香上進一郎:5dx+3>=9
DoubleCross : (5DX10+3>=9) → 9[2,3,6,8,9]+3 → 12 → 成功

芳井春:【コネ:UGN幹部】を使いダイス+2。
GM:香上くんは補正+3!
芳井春:2DX+1+0@10>=9 情報:UGN
DoubleCross : (2DX10+1>=9) → 5[3,5]+1 → 6 → 失敗

芳井春:ウス
香上進一郎:先輩の敵はちにくんとオレがとる
血肉細工:うむ。
芳井春:あ そうか
香上進一郎:天啓を得たな
香上進一郎:《バディムーブ》するぜ!
芳井春:バデしてもらうほうがいいんかこれ?どうなんだろ いやでも次の判定のがいい?
香上進一郎:試行回数増やしたほうがいい気がする
GM:両判定合わせて1回ね バデは
芳井春:なるほどね!ではもらっとこう 香上 お前の背中が大きすぎる
香上進一郎:おkです
香上進一郎:3人で挑戦するぜ
GM:OK 判定はこれです
〈情報:警察〉10〈交渉〉8
香上進一郎:アレ……
GM:なんか……固定値で成功してる人がいるようですが……
香上進一郎:自動成功じゃん……
GM:ファンブルするかもしれんし……
血肉細工:奈義…
香上進一郎:そうだわ
血肉細工:〈交渉〉8でいこうかな
血肉細工:4DX>=8
DoubleCross : (4DX10>=8) → 10[5,7,9,10]+2[2] → 12 → 成功

香上進一郎:さすが
芳井春:10足し忘れた
GM:圧倒的成功
血肉細工:奈義ちゃんって俺のこと好きなのかな…
香上進一郎:いちおわれらもふるか 交渉
香上進一郎:3dx>=8
DoubleCross : (3DX10>=8) → 9[2,3,9] → 9 → 成功

香上進一郎:クッ ちにくんの背中 遠すぎるぜ
芳井春:2DX+1+0@10>=8 交渉
DoubleCross : (2DX10+1>=8) → 4[4,4]+1 → 5 → 失敗

芳井春:血肉の成功が俺の成功
香上進一郎:そうわよ
GM:OK!では警察との交渉に成功します
奈義時緒
勢力:中立
味方にはならない。
シェリー・ミルズの逮捕自体の留保は了承するものの、
レネゲイド勢力のみで行われた、事件に関わった勢力すべてを懐疑視している。
ただし、真犯人の捜査には渋々ながら協力をするだろう。

成功時効果:以降の情報判定達成値に+2する。
血肉細工:奈義ちゃん…!
香上進一郎:ワオ!
芳井春:感謝
香上進一郎:この成功時効果は我らふたり(さんにん)ではなく
香上進一郎:後続のみんな受けられるってことでしょーか?
GM:後続全員!
香上進一郎:奈義……
GM:やっていくぜ ロールを


GM:【警視庁R事案対策本部 九株市分署】
GM:その署長室。君たちは応接の椅子に掛けている。
奈義時緒:「……それで?君たちは何の用があってここに?」
芳井春:手土産の菓子類は買ってはいくが、彼女本人ではなく署の誰かに渡しておく…ということにしている。それが一番早いと最近学んだ。
芳井春:「用は…まあ、恐らくお察しの通りの用なんですが。支部長でなくて申し訳ありません」
香上進一郎:手を後ろ手に組んだまま、姿勢を正し律している。
奈義時緒:「別に誰を寄越そうが私に損得はない」
芳井春:「有難いです」
芳井春:「寄島議員の事件について」
奈義時緒:「犯人の引き渡しがオーヴァードであるため不可能」
奈義時緒:「それを言いに?」
奈義時緒:「いつものことだろう。記録は作っておく。ホシの名前は」
芳井春:「……それもご存じでは」
奈義時緒:「……匿名の通報があった」
芳井春:怜悧な印象の顔を、視線こそ下だが見上げるように見ている。
奈義時緒:「犯人であるシェリー・ミルズを捕らえたと。内部の告発が」
奈義時緒:「であれば、その身柄を……貴様らUGNが押さえているのはどういうことだ」
香上進一郎:「我々の見解では」
香上進一郎:「寄島ひろし氏を殺害した“真犯人”は」
香上進一郎:「本人からの聴取を経て。シェリー・ミルズ氏では無いと考えております」
奈義時緒:「……」
芳井春:「それもきっと、あなたは視野に入れて動いているとは思います」
奈義時緒:「異なことを言ったように聞こえるが」
奈義時緒:「貴様らの組織は、犯罪行為の容疑者を捕らえて」
奈義時緒:「聴取をする組織だったのか?」言葉の端々に苛立ちの色を隠していない。
芳井春:「いえ。より多くの安全のために、平常を維持する」
芳井春:「その点は警察そちらと近い組織だと考えているし。今回もそのために来ています」
奈義時緒:「……真犯人の目星は」
香上進一郎:「……目下、調査中です」
芳井春:「そのためにシェリー・ミルズを確保した次第で。こちらの方がいくらか、裏にも動きやすい」
芳井春:「少なくとも、あなたに他の女王の探りを入れる手間を省かせることはできると思っています」
奈義時緒:「貴様らの意図は理解した。そのシェリーという女を聴取したのが我々ではない・・・・・・が」
奈義時緒:「貴様らがそれをするというのであれば……」
奈義時緒:「貴様らの望み通り、私たちは何もしない・・・・・
芳井春:苛立ち、歯痒さ、そしてその上での理性を声色に感じる。
奈義時緒:「現役市会議員の堂々の殺害は、決して裏の世界で留まるような話ではない」
奈義時緒:「これが横行し、その捜査を法的根拠のない組織が担当するようなことが続けば」
奈義時緒:「我々としてもそれを看過できるものではない」怒りを抑えるように話している。
芳井春:それこそが信頼できると思う。そんなことを言葉にする訳にもいかないが、おそらくは香上もそうではないかと、期待じみたことを考える。
奈義時緒:「粕屋も梶子も、お前たちを“買って”いるようだが」
奈義時緒:「“仲間意識”は程々にしてもらいたいものだな」
香上進一郎:(今すぐに手は下さないが、貸すつもりも無いという事か。当然だ。彼女の立場から鑑みれば)
香上進一郎:聞き慣れた人物の名前にぴくりと眉が動く。
芳井春:「ありがとうございます。そう、忠告してもらえることも」
芳井春:「得難いことだと思っています」
奈義時緒:舌打ちして。「……隣の部屋に」
奈義時緒:「事件の捜査資料がある。勿論部外秘だが」
奈義時緒:「貴様らがあらゆる手段を用いれば」
奈義時緒:「我々に感知することなく、その中身を知悉するんだろうな」
香上進一郎:目を丸くする。
香上進一郎:よろしいのですか、という言葉を既で飲み込んで。
奈義時緒:「……話は終わりか?」
芳井春:「はい。お時間を頂いて…」申し訳ない、すみません、でもなく。
芳井春:「ありがとうございます。“買って”もらえた二人の期待には、敵う結果を届けます」
香上進一郎:「……お二人にも、よろしくお伝え頂ければ」との言葉のあと。考えあぐねるようにして。
香上進一郎:「支部長へ」
香上進一郎:「言伝などがあれば。伺いますが」
香上進一郎:ぽつりと呟く。
奈義時緒:「……食事を三食摂れ」
奈義時緒:それきり話すことはもうないと言うように、手元の資料に視線を落とした。
芳井春:苦笑して、頭を下げる。
香上進一郎:ふ、と表情を崩し。一礼しドアを開く。
芳井春:パタンと閉じられたドアから、しばらくして。
芳井春:「ハ~~……」
香上進一郎:「いや……」
香上進一郎:やや湿った額を袖で擦り。
香上進一郎:「結構……キてましたね」
香上進一郎:当然スけど……と呟く。
芳井春:「そりゃそうだよなあ」苦笑して。「すげえ緊張する、あの人は」
香上進一郎:「面と向かって話したのは、自分は初めてですが」
香上進一郎:「確かに、おっかない所もありますが……やっぱり、どこか」
香上進一郎:「似てる部分があるなと」
芳井春:「……あー」
芳井春:「ああいう人に、あんまり誤魔化しとか、したくねえよな」
香上進一郎:「速攻バレそうですもんね」
香上進一郎:「実際、チクりがあったとはいえ」
香上進一郎:「シェリーさんをウチが保護している事も、確信持ってたみたいですし」
芳井春:「な」
芳井春:「それに、なんか…なんだろうな。誠実っぽくいたくならねえ?」
香上進一郎:「や、分かりますよ」
香上進一郎:「自分も。支部長に、そういう……」
香上進一郎:「誤魔化しとか、嘘とかは。避けるようにしてますし」
芳井春:「偉いじゃんよ」笑って。
芳井春:「……だから、わりと好きなんだろうな」
芳井春:肩を軽く回して。「そういや差し入れのおかき、支部用に買ったから先食っとこうぜ」
香上進一郎:「おっ。いいんですか」されるがままに。
芳井春:「絶対置いといたらなくなるからな」
香上進一郎:「ちょうど小腹が……オレもわりと好きになりそうですよ。先輩のこと」
芳井春:「いや…お前が食うならどうせなくなるじゃねえか」
香上進一郎:「好き以上に尊敬してますけど」
芳井春:「あ~?」と言いながらぐりぐりと…体幹ブレないなこいつ、とひとりごちる。
香上進一郎:「倉間バカと二人でニ倍減るよりはマシでしょう」
芳井春:「減りすぎて僅差だよ」
芳井春:安心させるつもりが自分がしている、と可笑しくなって、笑う。
香上進一郎:「……やっぱり、ああいう交渉事には。自分は向いていないと思います」
香上進一郎:「先輩方のようには、まだまだいかない」
香上進一郎:「けど、努力してみせますよ」
香上進一郎:「ああいう人たちの、期待を裏切りたくは。無いですから」
芳井春:少し驚いて。「ヒナセとかならわかるけど、俺もか」
芳井春:「……ん。でも、きっと。少なくとも」
芳井春:「そう思うことに意味がある、とか、俺も思ってたいわ」
香上進一郎:ふう、と息を吐いて。
香上進一郎:「あんまりこういう事を、面と向かって言葉にするのは失礼だと思いますけど」
香上進一郎:「先輩は。先輩が思ってる以上に、凄い人ですよ」
香上進一郎:「オレ一人じゃ、奈義さんが差し出してくれた義理すら。ちゃんと受け取ることも出来ませんから」
芳井春:何か返しかけ、…………思いつかず。
芳井春:ポケットの中のライターに少しだけ触れて、結局、いつも通りに背中を小突いた。


GM:シーン終了。ロイスと購入ができます
香上進一郎:芳井先輩は固定でもっているぜ
芳井春:取得済み! 香上進一郎 〇信頼/心配です。このままで。
芳井春:何買おうかな。すごい服チャレる?
芳井春:すごいおかき
香上進一郎:応急持ってるしな~ そうしましょうか
香上進一郎:すごい服ねらい
香上進一郎:3dx+2>=10
DoubleCross : (3DX10+2>=10) → 8[5,7,8]+2 → 10 → 成功

芳井春:2DX+1+0@10>=10 調達
DoubleCross : (2DX10+1>=10) → 7[4,7]+1 → 8 → 失敗

血肉細工:仕方のねえ本体
香上進一郎:買えたぜ
血肉細工:4DX>=10
DoubleCross : (4DX10>=10) → 10[1,2,9,10]+10[10]+7[7] → 27 → 成功

香上進一郎:????
芳井春:フン
GM:こいつヤバいって!
芳井春:あ????
芳井春:お前なんなんだよ!
香上進一郎:真犯人?
香上進一郎:これかったすごい服は
香上進一郎:後続のシェリヒナのどっちかに渡せるのかな
香上進一郎:次シーンからかな?
香上進一郎:あってか春先輩いる?
GM:あっ大丈夫よ
香上進一郎:おっなるほど
香上進一郎:じゃあとりあえずシェリさんに渡そうか 防具ないし
香上進一郎:あっアムドあるんだっけ
香上進一郎:あったわ
香上進一郎:じゃあ日生先輩にあげちゃいます 警察署でパチってきたすごい服を
芳井春:じゃあシェリーさんに破けたドレスの代わりにあげよう。
芳井春:二人が買えたらそっちをもらおー。
芳井春:以上で
香上進一郎:おなじくいじょ




【ミドルフェイズ4-2】

GM:勢力交渉フェイズ、2勢力目になります。
GM:ギルドが君たちを訪ねてくるよ。
GM:応対者の二人は登場してね
日生日出人:日生日出人の侵蝕率を1D10(→ 10)増加 (60 → 70)
日生日出人:ああっ
香上進一郎:香上進一郎の侵蝕率を1d10(→ 4)増加 (65 → 69)
香上進一郎:せんぱ!


GM:【ニュー九株ビル4F 英会話教室「アウトグラッジュ」】
GM:支部に居残っていた、あるいは、他勢力との交渉から帰った後か。
GM:君たちに訪問者があり、この英会話教室をカヴァーとする会議室に、それを迎えていた。
“インタリオ”:「会話の窓口を開いて頂き、感謝しておりますよ」
“インタリオ”:椅子に座る、金色の短髪に眼鏡の女。
GM:そうして、その傍らにはもうひとり。
“マルティン・マルキ”:「ハアイ」銀髪褐色の女。ギルドのバックのFHエージェント“マルティン・マルキ”。
日生日出人:「わあ~」《擬態の仮面》により、女の姿。派手で整った顔立ちに、甘い顔立ち。
日生日出人:(堂々と来てるんだけどお~)隣の香上くんにひそひそ声で囁く。
香上進一郎:頭を軽く下げ、背筋を張り。険しい顔で入れ墨の目立つ、銀髪の女を視界の端で捕らえながら。
香上進一郎:(何と言いますか)
香上進一郎:(あまりに堂々としているので。こちらも抜かれそうですね。毒気が)
日生日出人:(ほんとだねえ。…あんま気を張らずに、喋ってみちゃおっか)視線を前方の二人に戻す。
日生日出人:(せっかくだし、聞けそうなこと、聞き出しちゃお)
“インタリオ”:「“インタリオ”と申します。現在は宝石商を営んでおりまして……」
“インタリオ”:「そうですね、長坂の後任とお考えいただければと」
日生日出人:「それは…わざわざご挨拶に来てくださって、ありがとうございます」
日生日出人:「えっと、うちの代表はいま忙しくて…代わりに、俺らが、お話を聞ければ…」
“インタリオ”:「はい!勿論、ご挨拶に伺っただけではありません」
“インタリオ”:「無駄ですし。我々の用件は……」
GM:判定に入ってもらいます。
日生日出人:やってやるぜ
“インタリオ”〈情報:UGN〉9〈情報:ギルド〉8
GM:1個目はこれ!オーバーした分だけ次の判定にプールできます
GM:また、警察の判定成功ボーナスもあります 情報に+2補正
日生日出人:春くんしんちゃんありがとう~~
日生日出人:〈情報:UGN〉でコネを使用して判定しまーす
香上進一郎:ワハハ
日生日出人:(7+2)dx+1+2>=9
DoubleCross : (9DX10+3>=9) → 9[1,2,3,3,4,7,7,9,9]+3 → 12 → 成功

香上進一郎:おおっ!
日生日出人:やったッ
GM:OK!+3を得ました
日生日出人:わーい
香上進一郎:流石ですぜ~! 自分も続きます
日生日出人:がんばがんば~
香上進一郎:情報:UGNをコネ:UGN幹部使用して判定します~
香上進一郎:5dx+3>=9
DoubleCross : (5DX10+3>=9) → 10[1,3,9,10,10]+9[3,9]+3 → 22 → 成功

香上進一郎:?
GM:マジ?
日生日出人:し…しんちゃん!
GM:+13補正ですね……
日生日出人:いつのまにこんなに大きく育って……
香上進一郎:成長期かも
GM:次の判定はこちらです
〈知識:レネゲイド〉11〈交渉〉9
GM:……
GM:判定お願いします……
日生日出人:固定値で成功してる人おるな
香上進一郎:そうですね…
日生日出人:じゃあ先にこっちが〈交渉〉で判定してみるね…
日生日出人:7dx+3>=9
DoubleCross : (7DX10+3>=9) → 10[2,2,4,4,5,5,10]+5[5]+3 → 18 → 成功

香上進一郎:おねがいします!
香上進一郎:すご!
日生日出人:あれっ!やった~
GM:すごい
香上進一郎:やっぱり日生先輩なんだよなあ
日生日出人:しんちゃんもやってみてよお~~
香上進一郎:じゃあ<知識:レネゲイド>の方で判定してみます
日生日出人:フレフレしんちゃ~ん
香上進一郎:4dx+13>=11
DoubleCross : (4DX10+13>=11) → 10[3,6,7,10]+8[8]+13 → 31 → 成功

日生日出人:ふわ~~~
香上進一郎:なんか…すごいことになってるな
GM:やばすぎ
日生日出人:アイス食べれるよしんちゃん!
香上進一郎:マジですか!? やった~!
GM:ではスタンスを開示します。
“インタリオ”
勢力:友好
彼女らには彼女らの思惑があるようで、協力を持ちかけてくる。
応じれば積極的な協力体制を築く事が可能。
レネゲイドアイテム『ブルーオーシャン』の提供を受けることが出来る。

成功時効果:任意の判定をやり直してよい。効果を使用するたびに侵蝕率を+3。
日生日出人:質問していいですか?
日生日出人:任意の判定ってシーン登場時の侵蝕判定もアリ?
GM:あっあれは判定じゃないかな……?
GM:まあ登場振り直すのに+3そもそもしたくないだろうけど……
日生日出人:あっなるほど オッケーで~す
日生日出人:ダメですよって言われるために聞いたところある
香上進一郎:制限とかはとくになしです?
GM:dxで振るやつです 判定は
GM:ないよ!侵蝕は使うたびに上がるけど
香上進一郎:ほほ~! ありがとうございます


“インタリオ”:「――あなたがたに、ぜひご協力をさせていただきたく」
日生日出人:「ふえっ」
香上進一郎:「ご協力。というのは……」
日生日出人:「なにに…?」目を白黒させている。
“インタリオ”:「シェリー・ミルズ様を潰そうとする勢力と対立するご予定では?」
日生日出人:「あっ、本当は組織を解体したいと思ってるとか…?」
日生日出人:「違った…」高く結った髪がしゅんとする。「それは…そうなんですけど」
“インタリオ”:「我々としては、姦計によって組織を貶める手管を使う勢力の跋扈を望んでいません」
“インタリオ”:「叩けば埃の出る組織ですので」
香上進一郎:(“女王”というのは、誰も彼も……)やや眉根を寄せて。
日生日出人:「えっと…じゃあ、今回の件は、"ギルド"は何も関与してないと」
日生日出人:「…あなた達が、それで、俺らに味方する方が得だとして」
日生日出人:「協力って、具体的に、何か手助けをしてくれるってことですよね」
“インタリオ”:「はい。我々と畑も重なっていませんし。仕掛けるなら廿雀かUGNにやります」
日生日出人:(しないで…)
“インタリオ”:くすりと笑って。「冗談です」
日生日出人:「あっ、あは…あはは……」
香上進一郎:(笑えねえ……)
“インタリオ”:「はい。我々に出来ることは限られますが……手助けは勿論考えておりまして」
“マルティン・マルキ”:歩み寄り、アタッシュケースを机に置く。
“マルティン・マルキ”:それを跳ね開ける。
日生日出人:「ふわっ」ビビり、しんちゃんに寄る。
“インタリオ”:白い手袋を嵌め、その中にある物を取り出す。
香上進一郎:やや身じろぎする。
“インタリオ”:ラピスラズリのような、球形の青い宝石のペンダント。
“インタリオ”:「“ブルーオーシャン”と名付けています。こちらをお送りいたします」
日生日出人:それが綺麗な色で輝くほど、珍しく顔をしかめる。「……効果は…?」
“インタリオ”:「“未来視”」
“インタリオ”:「というとさも万能でしょうか。営業がこのようなことを並べても説得力はないですね」
日生日出人:「代償に命取られるとか言わないでくださいよう」
“インタリオ”:「正確には、“選択肢の幻視”です。自らが行おうと思考した事項についての、結果を垣間見せると」
“インタリオ”:「そんな代償を取るほどの効果ではありませんよ。精々、それを受けて行動を変えることが出来る程度です」
香上進一郎:“ギルド”の持ち出す“宝石”だ。否が応にも想起してしまう。
“インタリオ”:「見えるのも極短期ですしね」
香上進一郎:あのエメラルドの輝きを。
日生日出人:「曲がり角を曲がった方がいいのか、まっすぐ進んだ方がいいのか、わかる程度ってことですよね」
“インタリオ”:「ええ。それも目の前の通りまでです」
日生日出人:「どこがゴールなのか探すのは、俺らの仕事…」
“インタリオ”:「それから。“行わなかった行動”についても」
日生日出人:宝石から視線をあげ、”インタリオ"を見る。
“インタリオ”:「体は行ったと認識します。有り体に言えば、レネゲイド的な負荷は生じますから」
“インタリオ”:「無制限に総てを見れば、ジャーム化は免れません」
日生日出人:「迷路、右手ついて歩けばいずれゴールにたどり着けるけど」
日生日出人:「そんなことしてたらすっごい疲れちゃうもんね」
香上進一郎:なるほど、と呟いて。まじまじと宝石を見定める。
日生日出人:「……しんちゃんは、どう思う?」
GM:宝石はまるでこちらを見返す瞳のように青く、爛々としている。
日生日出人:その横顔をふいに覗き込む。「へんに隠さないで、いまの気持ち、正直に言っちゃっていいよお」
香上進一郎:「……そうですね」
香上進一郎:暫し瞑目した後、ゆっくりと瞼を上げて。
香上進一郎:「UGNとしては。願ってもない、味方の“駒”が手に入り」
日生日出人:「うん」
香上進一郎:「“ギルド”としては。“ブルーオーシャン”の被検体テスターのデータも、得られますよね」
香上進一郎:「何より……」
香上進一郎:“マルティン・マルキ”に視線を移し。「我々の溝を埋める、いい機会になるのではと」
“マルティン・マルキ”:ウインクする。
香上進一郎:顔を顰めて日生先輩へ顔を向ける。
日生日出人:視線を受け止める。「そうだねえ。全員にとって、損がないねえ」
香上進一郎:「これが。率直な今の自分の意見ですが……」
香上進一郎:「先輩としては、如何でしょうか」
日生日出人:苦笑して。「俺はねえ」
日生日出人:「そもそも…、そもそもだよ。こないだ長坂さんが逮捕されたこと」
日生日出人:「あれって、そもそも、あなた達が"エバーグリーン"を、罪のない女の子に渡したから、始まったことでしょう」
日生日出人:「そういうの、忘れてないし、俺自身はずっと許せないなって……、……思うけど」
日生日出人:「思うけど」
“インタリオ”:「あなた達が?“彼が”、では?」けろりと。
香上進一郎:反射的に打ちそうになる舌の音をぐっと堪えて。先輩の言葉の続きを伺う。
日生日出人:「…いえ」"インタリオ"に向ける言葉を考える。「…うん」
日生日出人:「…今は、今の話をしているのも、分かってます」
日生日出人:「今は、今の俺達は、味方が欲しい」
日生日出人:しんちゃんに頷く。「受け取ろっか、この、ブルーオーシャン」
香上進一郎:じ、とその眼を見つめて、こくりと頷いてみせる。
日生日出人:「協力してもらお、ね」ふにゃっと笑う。
日生日出人:「えっと…よろしくお願いします、でいいのかな。支部長には、伝えておくんで」
“インタリオ”:「はい。では交渉成立ですね」
“インタリオ”:「今後ともよろしくお願いいたします」
日生日出人:「んは~」苦笑する。
香上進一郎:「よろしくお願いいたします……」
日生日出人:「お世話になりますう」
香上進一郎:ややあってから。「あの。正式に協力関係を結んで頂いた、ついでという訳では。ないのですが」
香上進一郎:「一つだけ。伺いたいことが」
“インタリオ”:「なんでしょう?」
香上進一郎:「先日。皆様も出席しておられました、パーティの主催、新見北斗氏の娘に当たる新見詩氏」
香上進一郎:「彼女が父から受け継いだ、“曰く付き”の品の数々については、既にご存知かと存じ上げますが」
香上進一郎:「“インタリオ”氏は。実際に拝見したことは?」
“インタリオ”:「私はこの街に赴任したばかりですので」
“インタリオ”:「知らぬことばかりですよ。むしろ教えていただきたいくらいです」
日生日出人:「俺も見たことない~」ふにゃふにゃ笑いながら言う。
香上進一郎:その表情からも、言葉通りの以上のものを感じることなどは出来ない。
香上進一郎:「そうですか」頭を下げて。「失礼しました」
“マルティン・マルキ”:「アハッ。バアイ」
GM:そうして、彼女らはその場を発つ。
日生日出人:「ばあ~い」両手をひらひら振り、見送る。
香上進一郎:じ、と去る背を見送ってから。先輩に向けてまた頭を下げる。
香上進一郎:「横槍入れて申し訳なかったです」
日生日出人:「え~~っ」
日生日出人:「なんにも横槍じゃなかったよ~。むしろねえ、探ってくれて、がんばったねえ」
日生日出人:「えらいえらい」
香上進一郎:「は……」くすぐったそうに身を竦めて。
日生日出人:ふにゃふにゃ笑いながら言ってから、じっと香上くんを見つめる。
香上進一郎:「……どうかしました?」
日生日出人:「しんちゃあん~」
日生日出人:ガバッと抱き着く。
日生日出人:逃がしません。抱き着きます。
香上進一郎:「うおっ」驚いて椅子を倒しながら後退する。しかしにげられなかった。
香上進一郎:「ど、ど、いや、え?」
日生日出人:「俺こそねえ、あっちに喧嘩売っちゃってごめんねえ」
日生日出人:普段より香水がはっきりと香っている。髪が揺れる。
日生日出人:「俺、なんか冷静じゃなかった感ある…落ち込む…」
香上進一郎:「とんでもないですよ」
香上進一郎:3.14159……と心の中で呟きながら努めて冷静に。
香上進一郎:上げた両腕が行き場を失った魚のように宙を泳いでいる。
香上進一郎:「身に余る光栄なんですが」
香上進一郎:「あの。そろそろ……」
日生日出人:「ん~~」
日生日出人:「落ち込んでたの内緒にしてねえ」
日生日出人:「内緒にするって言ってくれたら離れる」
香上進一郎:「メッチャします」
日生日出人:「ん」
日生日出人:最後に頭をぐりぐりする。
日生日出人:し、満足したので身体を起こします。離れる。
香上進一郎:能力など一切行使していない筈なのに。爆発しそうな心音を聞かれていないかどうかで、冷や汗が垂れる。
香上進一郎:ふう、と一息ついて。
香上進一郎:「先輩は、落ち込んでたと」
香上進一郎:「おっしゃいましたけど」
日生日出人:「うん」
香上進一郎:「……正直、先輩が」
香上進一郎:「“エバーグリーン”の話を。彼女らに、持ち出した時」
香上進一郎:「……オレも」
香上進一郎:「忘れていたわけでは、ないんです」
香上進一郎:どこか言い訳するように。
香上進一郎:「でも、オレは。心の何処かで」
香上進一郎:「それは。もう、“過去”のことだって」
香上進一郎:「“もう過ぎてしまったことなんだから、仕方の無いことなんだ”って」
日生日出人:「ん~ん~~」手をのばし、頭をよしよし撫でる。
日生日出人:「それ以上ねえ、言わなくていいよお」
香上進一郎:「すいません」目線を下に向けて。
日生日出人:「ううん」微笑む。「根に持ってばっかじゃ、仲直り、できないからね」
日生日出人:「えっと……、そういう気持ちを、今度は、シェリーさんとグレイさんに、向けてあげてください」
香上進一郎:「……先輩命令ですか?」
日生日出人:「そうです~」ふにゃっと笑う。「しんちゃんが、マフィアとどう仲良くするのか、見てるからねえ」
香上進一郎:ふう、と深く息を吐いて。「押忍」
香上進一郎:「これ以上、日生先輩にも、芳井先輩にも、支部長にも」
香上進一郎:「情けねえ所は、見せられませんから」
香上進一郎:「なんで、あの」
日生日出人:「ん~?」
香上進一郎:「オレの方も。内緒にしていただけると」
日生日出人:「え~?」
香上進一郎:「先輩相手に泣き言めいた事を……何スかその反応は」
日生日出人:「ぎゅっとしたことの方かと思って…」
日生日出人:「ちがくて良かった~」ふにゃふにゃしている。「いいよお、内緒にする~」
日生日出人:「ギルドのこと、みんなに報告しなくっちゃ。その時にねえ、ちゃんと、言う事は言ったって言おうね…」言いながら、ブルーオーシャンを回収しに戻って行く。
香上進一郎:(気がつけば。勢い余って抱擁されたことは、内緒にしていただけない事になっていないだろうか)
香上進一郎:敵わねえな、と呟きながら。ドアを開けて。弾むように揺れる、一房の桃色の髪に眼を細めた。


GM:シーン終了。ロイス取得と購入ができます
香上進一郎:日生先輩のロイスのP○信頼/N疎外感を P○信頼/Nつつしみ にします
日生日出人:香上くんに取得してる 信頼:〇/隔意を 信頼:〇/疎外感にしようかな
日生日出人:購入は~高速振動ブレードでもねらってみるか
日生日出人:7dx+1>=20
DoubleCross : (7DX10+1>=20) → 9[1,1,2,6,8,9,9]+1 → 10 → 失敗

日生日出人:だめだったぜ
香上進一郎:あっそうですね バデム込みでもきつそうだ
日生日出人:大丈夫よ!香上くんも好きなの買ってね
香上進一郎:あってか もう遅いんですけど すごい服あったんだよな
日生日出人:あっそうじゃん!
香上進一郎:春先輩とのバデ中に買ったんですが 日生先輩にいちお貢ぎますとの宣言をもういちどしておきますね
日生日出人:ワ~イ じゃあ貰います!そして着ます
香上進一郎:で購入はブルゲにしときます~
香上進一郎:3dx+2>=20
DoubleCross : (3DX10+2>=20) → 10[5,6,10]+4[4]+2 → 16 → 失敗

香上進一郎:限りなくおしい
香上進一郎:だが財産は貴重なのでやめておくぜ
香上進一郎:アッ待てよ
香上進一郎:わたしミドルでの出番あと1か
日生日出人:そのよう!
GM:ミドル自体はまだあるよ!
香上進一郎:あっなるほどね!?
香上進一郎:ではねんのためとっておくぜ
香上進一郎:手番以上です!
日生日出人:おわりです!


【ミドルフェイズ4-3】

GM:次は交渉フェイズの3つ目だよ~
GM:出る人おいで
シェリー・ミルズ:シェリー・ミルズの侵蝕率を1D10(→ 7)増加 (63 → 70)
シェリー・ミルズ:たかめ
香上進一郎:香上進一郎の侵蝕率を1d10(→ 9)増加 (69 → 78)
シェリー・ミルズ:興奮してる?
香上進一郎:ハァハァ
香上進一郎:いえ全く…


GM:では判定から行くよ~
シェリー・ミルズ:どんどこい判定
楠本陽子〈情報:UGN〉9〈情報:裏社会〉8
香上進一郎:でましたわね
香上進一郎:あっ
香上進一郎:登場希望NPCって
香上進一郎:ここのタイミングで相談するかんじですか
GM:あっ判定してからでもいいよ
シェリー・ミルズ:じゃあ判定してしまいましょうか
香上進一郎:はい!
香上進一郎:情報:UGNからコネ:UGN幹部使っていってみますねえ
香上進一郎:5dx+3>=9
DoubleCross : (5DX10+3>=9) → 10[2,2,5,7,10]+5[5]+3 → 18 → 成功

香上進一郎:かがみぜっこうちょう
シェリー・ミルズ:強くない……?
GM:すご
GM:+9!
シェリー・ミルズ:情報:裏社会で。コネ:情報屋併用して、D+2
シェリー・ミルズ:(2-1+1+2)dx+3>=8
DoubleCross : (4DX10+3>=8) → 8[3,6,7,8]+3 → 11 → 成功

香上進一郎:お見事!
シェリー・ミルズ:どうにか成功ね
GM:+3!
〈白兵〉15〈交渉〉11
GM:これです 次は
香上進一郎:なるほど
シェリー・ミルズ:白兵も固定値はあるけど……折角服もあるし、ここは交渉で判定してみましょうか
香上進一郎:おねがいします!
シェリー・ミルズ:(2-1+1)dx+2+3+1>=11
DoubleCross : (2DX10+6>=11) → 10[6,10]+2[2]+6 → 18 → 成功

シェリー・ミルズ:ふぅ。なんとかなったわね
香上進一郎:流石だぜ
GM:ボッコボコじゃない
GM:交渉だった
香上進一郎:いちおうふりますか えーと白兵の固定値が26だから+9で35か
シェリー・ミルズ:なんて?
香上進一郎:3dx+35>=15
DoubleCross : (3DX10+35>=15) → 9[1,6,9]+35 → 44 → 成功

香上進一郎:よし。
GM:やっぱりボッコボコじゃん
GM:開示します!
楠本陽子
勢力:中立
UGNとは激しく敵対している……はずだが、
先日の抗争で大きく戦力を失い、バックのFHの戦力贈与も拒否しているため、
敵対できるだけの戦力がなく、事実上中立とみなしてよい。

成功時効果:情報収集を行える。
香上進一郎:ほほ~
香上進一郎:この情報収集は今判定を行うかんじ?ですか?
GM:あっシーン終わったときとかがいいかな……?
香上進一郎:承知しました!
シェリー・ミルズ:ここが中立なのね……なるほど
香上進一郎:で、登場NPCとかの相談というかあれなんですけど 心がふたつあって
香上進一郎:シェリグレで出るならかがみまで出たいかな~ってかんじと シェリさんとふたりでおはなししたい気持ちともあるんですが
香上進一郎:そもそもグレイくんはまだ治療中か…?
シェリー・ミルズ:そんな気がしますね
GM:あっ直して大丈夫よ 話したければ
香上進一郎:すごい!
シェリー・ミルズ:強制治癒ッ まあ動くくらいならできるのではないでしょうか アタシのボディガードは軟弱ではないし
香上進一郎:ありがとうございます~ではかがみまシェリグレでお願いできればなみたいなかんじです ウス
シェリー・ミルズ:受けて立ちましょう……
GM:OK!


GM:【ニュー九株ビル3F マッサージエステ「梅大事」】
GM:そこで治療を受けていた人物が回復したとの報を受けて、部屋に入ると。
GM:その大男は先客と睨み合っていた。
倉間美舞:「……」見上げるようにガンを飛ばしている。
グレイ・バーンズ:それを無言で見下ろしている。
シェリー・ミルズ:「………………」 それを無言で見つめている。
香上進一郎:「失礼しま─────」
香上進一郎:控えめなノックの音と共に。少々遅れての入室の手筈だったが。
香上進一郎:「……何やってんだ?」
倉間美舞:「……あ」
倉間美舞:「こいつがガンくれてきやがって」
香上進一郎:今にも火蓋が切って落とされそうな雰囲気に黙りこくった後、同僚の女に事情を伺ってみる。
香上進一郎:「おう」
グレイ・バーンズ:「……もういいのか」
倉間美舞:「あ?」
香上進一郎:はあ、と溜息を吐き。ちらり、とシェリーさんへと視線を向ける。
シェリー・ミルズ:「入った時にはもうこの様子だったのよ」 青年に、ため息交じりに。
シェリー・ミルズ:「……元気そうね。安心したわ」
香上進一郎:「………お怪我はもう?」
グレイ・バーンズ:「……問題ありません」
倉間美舞:「チッ」と舌打ちして下がる。
香上進一郎:(ガキめ)冷ややかな視線を送っておく。
シェリー・ミルズ:「クラマ、だったかしら。グレイか、或いはアタシに用事があった?」
倉間美舞:「あるっつーか」
倉間美舞:「野放しにしとくわけなくないっすか」
シェリー・ミルズ:「それもそうね。至極当然の反応だわ」
シェリー・ミルズ:むしろ、この手の反応を示すのが彼女くらいだという方が異常とも言える。
香上進一郎:「……既に伺ってはいると思いますが」
グレイ・バーンズ:す、とシェリーを庇える位置へ立っている。
香上進一郎:「奈義さん……警察には暫しの猶予を頂いております」
シェリー・ミルズ:「話を付けてきてくれたのよね。感謝するわ」
香上進一郎:こくりと頷いて。「“警察”と“ギルド”」
シェリー・ミルズ:「さっき、上の階にいたのが”インタリオ”ね」
香上進一郎:「はい。“ギルド”の今のトップですね」
香上進一郎:「条件付きで。手を貸して頂くことに」
シェリー・ミルズ:《地獄耳》──己の領地、とまではいかないが。その知覚範囲は、常人のものを遥かに超える。
シェリー・ミルズ:「……変わったものを預かったようね」
香上進一郎:人伝で伺う時間などは無かった筈だよな、と心中で零しつつ。
シェリー・ミルズ:「UGNと他の組織の協力体制に何か言うつもりはないし、むしろ増えれば増えるほどアタシは楽に動けるのだけど」
シェリー・ミルズ:「次の交渉先は、もう目星を付けてあるの?」
グレイ・バーンズ:「目星にかかわらず」
グレイ・バーンズ:「次は決まっているだろうな」
倉間美舞:「あ……?」
香上進一郎:やけに決まりきった言い方だな、と訝しむように彼を見る。
グレイ・バーンズ:「……お嬢様はいかがされますか?」
シェリー・ミルズ:「……向こうの目的はどちらかしらね」
シェリー・ミルズ:「アタシを直接奪いに来たか。UGNと交渉しに来たか」
倉間美舞:「何勝手にテメーらで得心してんだ」
シェリー・ミルズ:「そろそろ、連絡が来る頃合いじゃないかしら」
シェリー・ミルズ:「お客様のご来店です──って」
GM:それと同時、UGNのスタッフが駆けつけて来る。
GM:「の、乗り込んできました……!」
GM:「廿雀組の連中です!」
シェリー・ミルズ:「……そうよね、ギルドとの交渉が済んでいるなら──そんな風に動いてくるのは、そこしかいない」
香上進一郎:そういうことか、と呟いて。
倉間美舞:「え~……」
倉間美舞:「フケていい?」
香上進一郎:「逃げたきゃ勝手に逃げてろ」
香上進一郎:「ただ……シェリーさんか、グレイさんか。どちらかとは一緒に居て貰うけど。その場合」
グレイ・バーンズ:「どちらかという選択肢はない」
香上進一郎:「……すぐに対応します」乗り込んできたスタッフに声を掛けて。
シェリー・ミルズ:「グレイ。手負いの獣みたいに殺気を振り撒くのはやめなさいな」
グレイ・バーンズ:「……そういうわけではありません。ただ……」
倉間美舞:「チッ」舌打ちして。「ウゼ~。ベッタリなんだろそのオジョーサマに」
倉間美舞:「わーったよ。行くからお前らも来い」
倉間美舞:「陽子さん直接来てねえだろうな……」
香上進一郎:「どうかな。寧ろ先頭張ってるタイプじゃないか」零しつつ、二人へと視線を向けて。
香上進一郎:「……オレも。お二人のことは、まだ“信頼”は出来ませんが」
香上進一郎:「その腕前に、一定の“信用”は置いているつもりです」
香上進一郎:「ご一緒願えますか」
シェリー・ミルズ:「勿論よ。向こうも──そのつもりで来ているでしょうし」
シェリー・ミルズ:「自ら出向いてくれていると嬉しいわね。アタシも、気になってはいたから」
シェリー・ミルズ:信頼ではなく、信用。UGNらしい言葉選びだ、と思った。


GM:君たちが1Fへと赴けば、ヤクザが鉄パイプを持ち殴りかかってくる。
グレイ・バーンズ:振り下ろされたそれを手早く止めると、その身を蹴りつけて吹き飛ばす。
グレイ・バーンズ:そのまま隣の別の男に躍りかかろうとして。
楠本陽子:「――およしなさい」
楠本陽子:ぴしゃりと言い放つ。
倉間美舞:(普通に居んじゃねえかよ……)
シェリー・ミルズ:「十分よ」 言葉で制する。
グレイ・バーンズ:首を絞めあげていた手をさっと下ろす。
楠本陽子:「お話に来ただけだというのに」
楠本陽子:「どうして連れてくるといつもそうなるんですか」
香上進一郎:「………」その様子を見つめてから。女性に向けて頭を下げる。
香上進一郎:「楠本陽子さんですね」
香上進一郎:「先日はどうも」
廿雀組組員:「だって姐さん……」
楠本陽子:「だっても何もないでしょう。……あら?」
楠本陽子:「どうしてこんなところに」
楠本陽子:ぺこりと礼をする。
香上進一郎:「ご挨拶が遅れましたが。香上進一郎と申します」
香上進一郎:「自分も。UGNに在籍している身です」
楠本陽子:「……!」
楠本陽子:「そうだったのですね。私は楠本陽子と申します」
楠本陽子:「先日は夫がお世話になりました・・・・・・・・・・・
シェリー・ミルズ:(……これで。交渉に来たつもりなのかしら)
楠本陽子:怖じる様子なく、踏み出して。
香上進一郎:「……本日はどのようなご用向ですか」
シェリー・ミルズ:隠し切れない負の感情が、能面を貼り付けたような顔の端から漏れ出ているようだ。
楠本陽子:周囲を見渡す。「しぇりー様に、その付き人の方。それから……」
楠本陽子:「倉間美舞さん」
倉間美舞:「うえ」逃げようとしていたが立ち止まる。
倉間美舞:「お久しぶりです……」
楠本陽子:「用向きを一つ、先に済まさせて頂きますね」
楠本陽子:「すぐ終わります」
楠本陽子:つかつかと倉間美舞へと歩み寄る。
香上進一郎:そこに、遮るように彼女の前へ一歩踏み出す。
楠本陽子:「あら」
香上進一郎:「何をするおつもりか。一応、お伺いしても?」
楠本陽子:「言ったら逃げられてしまいます」
香上進一郎:「その際は責任持ってオレが捕まえますので、ご安心を」
楠本陽子:「私の夫である磊は、ゆうじいえぬ様の卑劣極まる姦計によって、その身柄を拘束されました」
楠本陽子:「無論、その恨みは並ならぬものです」
楠本陽子:「そうさせた者へ、報いをとの思いは、決して消え失せるようなものではございません」
楠本陽子:「然し」
楠本陽子:「それはそうさせた者への思いです」
香上進一郎:一見平静を装っているように見えるが。間近で見れば分かる。
香上進一郎:彼女もまた。彼と同じ様に。並々ならぬものを煮え滾らせている。
楠本陽子:「美舞さんや、他の徒弟の方を、残らず咎め立てようとは考えておりません」
楠本陽子:「ですので……」
楠本陽子:「そう伝え、必要以上に気に病まれぬようと、頭を撫でようと参りました」
楠本陽子:「拙いでしょうか」
香上進一郎:「………いいえ」
香上進一郎:「あなたの立場を鑑みれば。報いをと願うあなたの思いは」
香上進一郎:「持つべき当然の想いであり。どころか温情にも程がある」
香上進一郎:「……楠本さん」
香上進一郎:「楠本磊と直に拳を交えて」
香上進一郎:「彼の拘束するに至った一因を築いたのも。また自分です」
香上進一郎:「あいつは」顎で背後の女を指して
香上進一郎:「甘やかされンのが、苦手みたいだし」
香上進一郎:「今ここで付けるケジメなら。オレが受けますよ」
楠本陽子:つい、と背伸びしてその頭を撫でる。
楠本陽子:「そんなに気を回さなくても大丈夫よ」
シェリー・ミルズ:(本当に撫でてる……)
楠本陽子:「あの人が悪いことをしてたせいなのは知ってるんだから」
香上進一郎:眉根を寄せて。怪訝な表情で首を傾げながら。
香上進一郎:「………(あれ?)」
香上進一郎:ブン殴られるか、より酷い一撃を貰うだろうと覚悟を決めていたが。
香上進一郎:「……では」
香上進一郎:「ご要件というのは、本当に?」
香上進一郎:それだけ、とまでは口に出せないが。
楠本陽子:「ええ」まだ撫でている。
楠本陽子:「それから、しぇりー様」
シェリー・ミルズ:「何かしら」 思ってもみない物を見た驚きで口元を隠しながら応じる。
楠本陽子:「信じるに足る情報を、出せるわけではないのだけど」
楠本陽子:「うちの組は今回のヤマには関わっておりません」
楠本陽子:「それはこの楠本陽子が保証いたします」
シェリー・ミルズ:「……そうみたいね」
シェリー・ミルズ:「正直なところ──」 未だに撫でられている青年を視界に入れながら。「貴女がアタシに最初に声を掛けた時。はっきりと疑いを持ったのは事実よ」
シェリー・ミルズ:「だから、直接話して探りを入れようと思った。結果的に、無意味な時間を避けられて良かったわ」
香上進一郎:彼女からの視線にはっ、と気づき、一歩後退しごほんと咳払い。
シェリー・ミルズ:(……本当なら、手練の一人でも連れてくるべきところを組員の数人だけ)
シェリー・ミルズ:(後援組織からの人員を断っているのかしらね)
シェリー・ミルズ:「一つ、聞かせて頂戴」
楠本陽子:「はい?」
シェリー・ミルズ:「信じるに足る情報でなくてもいい──貴女の”勘”、で」
シェリー・ミルズ:「この件。どこが火蓋を切ったのだと思ってる?」
楠本陽子:「この手の予想はお恥ずかしながら、拙い限りなのですが」
楠本陽子:「やはりかの方を衆目で殺めて、利のある者ではないでしょうか」
シェリー・ミルズ:「……ありがとう。参考になったわ」
楠本陽子:女は一礼し、部下を引き連れてその場を後にする。
GM:彼女が去ると。
倉間美舞:「ブッ」こらえきれず吹き出す。
シェリー・ミルズ:「まさかああなるとはね」
香上進一郎:その場にしゃがみ込み項垂れる。
倉間美舞:「撫で……フフ……撫でられてよかったね~」
香上進一郎:「殺すぞ………」
香上進一郎:「組のトップが……」
香上進一郎:「あれだけするためにUGNの支部までカチコミかけると思うか?普通……」
シェリー・ミルズ:「毒気を抜かれた……というのが正直なところね」
倉間美舞:「だから言ったろ怖えって」
香上進一郎:「鼓膜が飛ぶか、鼻折られるぐらいは覚悟してたが」
香上進一郎:「まあ、そうだな……怖い。また違った意味で」
シェリー・ミルズ:「……とはいえ。収穫はあったわね」
グレイ・バーンズ:「……どこに恐怖を感じる要素が……」小声で疑問に思っている。
シェリー・ミルズ:グレイを撫でたらどんな反応をするのだろう、とぼんやり思いながら。
香上進一郎:「ですね」す、と立ち上がり。
シェリー・ミルズ:「廿雀組は、少なくともUGNに対して敵対的な立場を取るつもりはないようだし──あの様子では、そういう行動を起こせる状態にないのでしょう」
倉間美舞:「ま~勝手に勢力拡大とかはしねーだろ陽子さんは」
香上進一郎:「この期に及んでも。先日の抗争の際に用いていたような……FHの兵なども見受けられませんでした」
倉間美舞:「そっちのが上手くやれたら面目つぶすからな」
香上進一郎:「本当に昔気質な人だな……」カタカナ語をやや苦手そうに口にしていた様子を思い浮かべながら。
シェリー・ミルズ:自分を守るように立っていた男の、まだ巻かれたままの包帯を指先で突く。
シェリー・ミルズ:「また傷が開いているわよ。もう少し、休んでいなさい」
グレイ・バーンズ:反射的に手を振り上げそうになり止める。「……しかし……」
シェリー・ミルズ:「しかしもでも、もないの。今は回復に専念して」
グレイ・バーンズ:「……は」
シェリー・ミルズ:半ば強引に背を小突いて、仮眠室に追いやる。
シェリー・ミルズ:(……今は、まだ。UGNかれらの庇護下にあれる──無理に動くべき時じゃない)
シェリー・ミルズ:グレイと、それに噛み付くように少女が追い掛けていった姿を見送って。
香上進一郎:「支部長に報告纏めねえと……」然しどうやって、とぶつぶつ呟いた後で。
シェリー・ミルズ:「そのまま、あった通りでいいんじゃないかしら」
香上進一郎:「それは、まあ……」
シェリー・ミルズ:ほんの僅かに愉悦の篭った声音。「むしろ、書いていなかったら書き足されていそうね」
香上進一郎:そうなんですけど、とやや口を引き締めながら。
香上進一郎:「……シェリーさんは」
香上進一郎:「楠本陽子さんの“勘”」
香上進一郎:「どう思われますか」
シェリー・ミルズ:「言葉以上の意味は無いでしょうね」
シェリー・ミルズ:「彼女には、余裕がないように見えたわ。眼の前のこと以外に意識を向ける余地がないような」
香上進一郎:「彼女は、そうでしょう」
香上進一郎:「でも……貴女は」
香上進一郎:「………いや」
香上進一郎:「不躾でした」頭を下げて。
シェリー・ミルズ:「アタシの目は、そこまで万能じゃないわ」
香上進一郎:宝石のように輝く、黄金色の瞳を見る。
シェリー・ミルズ:「誰かの策謀が動いているなんて、知らなかった。自分が嵌められるなんて、露にも思っていなかった」
シェリー・ミルズ:「……こうして、あなた達の庇護下にいなければ。今頃どうなっていたでしょうね」
シェリー・ミルズ:蜘蛛は、決して自分の巣に足を取られないわけではない。脚を踏み外せば、そこに絡め取られるのは自分自身だ。
香上進一郎:「どうかな」
香上進一郎:ぼそりと呟いて。
シェリー・ミルズ:「感謝しているのよ。“信用”もしてる」
シェリー・ミルズ:「そうするのが、得策だと思っている。……だから、そうね」
シェリー・ミルズ:「後で、グレイを叱っておくわ。誰も彼も威嚇しないように、って」
香上進一郎:はは、と笑う。
香上進一郎:「嬉しいお言葉ですけど」
香上進一郎:「それも、グレイさんっぽい、つーか……」
シェリー・ミルズ:「……あれでいつもはもう少し、穏やかなのよ?」
シェリー・ミルズ:困ったように、ほんの少し笑う。
香上進一郎:「へぇ。意外だな……」接敵した時の様子を思い浮かべながら。
香上進一郎:「………オレは」
香上進一郎:「あの日、お二人を“取り逃がした”こと」
香上進一郎:「上は。結果的には、あれでいいと。お咎め無しだったものの」
香上進一郎:「心ん中では、結構。悔やんでる部分もあって」
香上進一郎:「“本当に逃してはいけない場面だったら?”みたいなこと。気づけば。考えたりしてます」
香上進一郎:「だから、あれはオレの負けなんです」
シェリー・ミルズ:「そう。真面目なのね」
香上進一郎:「頭に“クソ”を付けてよく言われますが……」
香上進一郎:「そういうわけで。やられっぱなしは、シャクって気持ちもあります」
香上進一郎:改めて、彼女に手を差し出して。
香上進一郎:「あなたは、どうですか」
シェリー・ミルズ:「あの時。アタシは、こうも思ったわ。……もし背後から追手がいないとして──この二人を倒して進めるか」
シェリー・ミルズ:「アタシは思った。『きっと進める』」
シェリー・ミルズ:す、と右手の手袋を外す。
シェリー・ミルズ:「だけど。今、その考えは間違いだったんじゃないかって──そう考えているところ」
香上進一郎:「間違い?」妖艶な仕草に、僅か心臓が跳ねたのをひた隠すように聞く。
シェリー・ミルズ:あの少女と、この青年は。見た目には歪に見えるけれど、その分強固に噛み合っている。
シェリー・ミルズ:まるでそのように作られたかのように、ジグザグの線でぴったりと。
シェリー・ミルズ:「思っていたより、あなた達はずっと強そうだ、ってことよ」
シェリー・ミルズ:深い赤に彩られた指先が、より鮮明な色彩を見せる。差し出された手を取る。
香上進一郎:傷だらけで歪の手。壊れ物を扱うかのように、しかし、力強く握り返して。
香上進一郎:「ははっ」
香上進一郎:年相応の少年のように、屈託のない笑みで返してみせた。
シェリー・ミルズ:己の蜘蛛の巣に雁字搦めになった女に、差し伸べられた一本の細い糸。
シェリー・ミルズ:それを離さぬよう、しがみ付くように。もう一度、その手をきゅう、と。握り返した。


GM:追加の情報収集が可能です。
■情報項目
シェリー・ミルズ〈情報:UGN〉9〈情報:裏社会〉8
ブランドン・ミルズ 〈情報:UGN〉9〈情報:裏社会〉8
ナターリア・グリゴリエヴナ 〈情報:UGN〉9〈情報:裏社会〉8
グレイ・バーンズ 〈情報:UGN〉9〈情報:裏社会〉8
GM:やれる項目はこれだよ~
香上進一郎:どれかひとつ選ぶ感じですかね!
シェリー・ミルズ:自分で自分のことも調べられちゃう
GM:2個できるよ 2人いるから
香上進一郎:すごびと
シェリー・ミルズ:調べるならあの男か傍にいた女のことかしらね……
シェリー・ミルズ:じゃあ、ナターリア・グリゴリエヴナについて
シェリー・ミルズ:情報:裏社会で。コネ:情報屋を使用してD+2
シェリー・ミルズ:(2-1+1+2)dx+3>=8
DoubleCross : (4DX10+3>=8) → 10[1,3,8,10]+10[10]+8[8]+3 → 31 → 成功

香上進一郎:すっげ…
シェリー・ミルズ:すべて わかった にゃ また奈義さんの補正忘れました(半ギレ
GM:もしかして付き合ってる?
香上進一郎:やめろ!
シェリー・ミルズ:カガミは奈義さんのこと忘れないで……
香上進一郎:承知!
香上進一郎:では自分はグレイ・バーンズさんについて情報:UGNでコネ:UGN幹部 使います~
香上進一郎:5dx+3+2>=9
DoubleCross : (5DX10+5>=9) → 9[2,4,6,7,9]+5 → 14 → 成功

香上進一郎:やったにゃ!
シェリー・ミルズ:ぐ、グレイの秘密が……
GM:OK 2人の情報を開けるね~
香上進一郎:つまびらかにさせていただきますよ
グレイ・バーンズ
シェリー・ミルズのボディーガードとして、つねに幽鬼のごとく付き従う男。
“指(ディキトゥス)”と呼ばれる、“ミルズ・ファミリア”の特記戦力の一つ。その“薬指メディシナリス”。
シンドロームはキュマイラ・ウロボロス・ソラリス。「魔女の指」にも例えられる毒草の獣化因子を持つ。
瞬間的な獣化展開による強烈な打撃を扱うながら、その能力強度は安定しているという。
ナターリア・グリゴリエヴナ
“ミルズ・ファミリア”の首魁、ブランドン・ミルズの愛妾。
敵対するロシア系のマフィア組織の幹部の娘であったと言うが、急速に重用されている。
“指(ディキトゥス)”と呼ばれる、“ミルズ・ファミリア”の特記戦力の一つ。その“人差指インデクス”。
現状の座には満足しておらず、さらなる栄達の野心を持つ。


GM:シーン終了です。ロイスと購入ができます
シェリー・ミルズ:カガミ ○”信用”/敵愾心 で取得。
香上進一郎:シェリー・ミルズ P○信用N隔意 で取得します
シェリー・ミルズ:購入はどうしようか……
香上進一郎:ブルゲかな~
香上進一郎:3dx+2>=20
DoubleCross : (3DX10+2>=20) → 5[3,4,5]+2 → 7 → 失敗

香上進一郎:無
シェリー・ミルズ:ブルゲチャレンジしよ
シェリー・ミルズ:(2-1+1)dx+4>=20
DoubleCross : (2DX10+4>=20) → 5[1,5]+4 → 9 → 失敗

シェリー・ミルズ:すんっ 無です
香上進一郎:おかきたべましょう
シェリー・ミルズ:ぱりぽり……


【ミドルフェイズ4-4】

GM:今度はウジミトに行くよ~
GM:出る人は出てね
芳井春:芳井春の侵蝕率を1d10(→ 5)増加 (64 → 69)
日生日出人:日生日出人の侵蝕率を1D10(→ 5)増加 (70 → 75)


GM:してもらうぜ 判定を
日生日出人:やったるぜ~!
芳井春:キンバリー・リー・エバンス〈情報:UGN〉9〈情報:ウェブ〉8 か。
血肉細工:自分は〈情報:ウェブ〉8でいこうかな。奈義ちゃんの支援ものせてっと
キンバリー・リー・エバンス〈情報:UGN〉9〈情報:ウェブ〉8
血肉細工:4DX+2>=8
DoubleCross : (4DX10+2>=8) → 8[2,2,7,8]+2 → 10 → 成功

GM:成功 +2がつきます
芳井春:おしおし。本体は〈情報:UGN〉9で。
日生日出人:奈義ちゃん効果!
芳井春:【コネ:UGN幹部】を使いダイス+2。
芳井春:4DX+1+2@10>=9 情報:UGN
DoubleCross : (4DX10+3>=9) → 10[1,6,7,10]+5[5]+3 → 18 → 成功

日生日出人:すごい!
GM:+9!
芳井春:や やったーーーーーー!!!
芳井春:今回初めて成功した気がする
日生日出人:えらいよ~
芳井春:エヘ
日生日出人:じゃあこっちも〈情報:UGN〉、コネを使用して判定するよ~
芳井春:ヨシヨシしてもらおう…
日生日出人:(7+2)dx+1+2>=9
DoubleCross : (9DX10+3>=9) → 10[1,2,3,4,5,7,7,7,10]+7[7]+3 → 20 → 成功

日生日出人:おお!
日生日出人:幸先お裾分けしてもらった感がある!
芳井春:さすが♡
芳井春:照れる
GM:やば
GM:+11になるぜ
日生日出人:わ~~い!
〈調達〉15〈交渉〉11
GM:これです 次の判定は
血肉細工:〈交渉〉11で
GM:高いはずなんだが……
日生日出人:エヘン エヘン
血肉細工:4DX>=11
DoubleCross : (4DX10>=11) → 10[2,4,9,10]+2[2] → 12 → 成功

芳井春:交渉うまいなこの肉塊
GM:補正抜きで行っとる……
日生日出人:+2もあったしばっちりだね
血肉細工:でした!忘れてた
日生日出人:こっちも〈交渉〉でいこ~
芳井春:こちらも〈交渉〉11で。補正は9
日生日出人:7dx+2+11>=11 すごい服をきています
DoubleCross : (7DX10+13>=11) → 10[1,3,5,6,8,10,10]+10[5,10]+5[5]+13 → 38 → 成功

芳井春:2DX+1+9@10 情報:UGN
DoubleCross : (2DX10+10) → 10[5,10]+5[5]+10 → 25

日生日出人:えっ
芳井春:?
日生日出人:なんじゃこりゃ~~
GM:やば
芳井春:エバンス…?
GM:すごい服、すごいのかもしれん
芳井春:かわいくなりすぎたというのかよ
芳井春:これ以上
日生日出人:どやっ
キンバリー・リー・エバンス
勢力:中立
積極的にUGNへと協力――武器の供出をしてくれるだろう。
ただし、それはどの勢力に対しても同じだ。決して独占には応じない。
不穏な空気は望むところではあるだろうが、とはいえ、その手段としての議員殺害は迂遠に思える。
戦争がしたいならもっと直接的なやりようはいくらでもあるだろう。

成功時効果:調達達成値に+5。攻撃以外のミドルの判定では財産点を使用可能になる。
芳井春:金で解決できるようになった!
日生日出人:すごいぜ
GM:武器も手に入れやすくなったよ~
日生日出人:うれし~!
芳井春:最高だぜ


GM:【“ウジミト” 九株市営業所】
GM:表向きは、金属加工技術の研究工場であるとされている、新興企業“ウジミト”の拠点。
GM:CEOのキンバリー・リー・エバンスに対して、そこの営業所での面会を取り付けている。
キンバリー・リー・エバンス:「ようこそ、“ウジミト”へ」
GM:応接室と呼ぶには簡素目な部屋。所狭しと“サンプル品”が並ぶ。
キンバリー・リー・エバンス:「お前たちの訪問を歓迎しよう。今日は何が必要だ?」
キンバリー・リー・エバンス:「いや、まずは我が社の広報映像を見るか?まだ見せたことはあるまい」
芳井春:「こりゃまた……すげえ武器庫だ」と視線が“サンプル品”に向き。
芳井春:「広報映像……」
日生日出人:「んは~、ノリノリだあ~」《擬態の仮面》、青年の姿。甘い雰囲気が際立つ。
GM:答えを待たずに流している。
日生日出人:「ええと、申し訳ないんですけど、おたくの商品を買うじゃないんですよう、今日は」
GM:《この地球の未来を担う、金属加工技術の研究開発――》
キンバリー・リー・エバンス:「ほう?では何を買う」
日生日出人:「エバンスさんの協力です」
芳井春:液晶に映る映像を見て苦笑。
GM:《“ウジミト”は、お客様一人ひとりのニーズに合わせた、様々な価値の提供を――》
キンバリー・リー・エバンス:「協力?」
日生日出人:「はい」頷く。「俺達、寄島ひろし議員を殺したの、シェリー・ミルズさんじゃないと思って、動いてます」
キンバリー・リー・エバンス:「我が社の商品を買えば、それがお前たちへの何よりもの協力になるが?」
日生日出人:「それ、どこの人にも言ってるくせに~」
キンバリー・リー・エバンス:「そうだ。門前払いを食らわすことはない」
芳井春:「だれだって、あなたの客になれる」
キンバリー・リー・エバンス:「だが、お前たち向けのより良い選択肢を提示することは出来るぞ」
芳井春:「……それは?」
キンバリー・リー・エバンス:「そうだな……お前たちのところの標準的な防具装備」
キンバリー・リー・エバンス:「同等品質のものをうちなら60%の価格で売ってやる」
日生日出人:「え~、すご~」
芳井春:「はは。こういうときじゃなけりゃもっとノって聞けたのに…と思ったが」
芳井春:「こういう時こそがあなたたちの戦場か」
芳井春:“ウジミト”の名前を聞くようになったのはここ数年だ。
芳井春:街に競り合いが絶えなくなり、より良い武器を求めるものが多くなってから。
日生日出人:「今の九株市、どうですかあ」ちょっと話を変える。
日生日出人:「商売しやすい?」
キンバリー・リー・エバンス:「……何とも言い難いな」
キンバリー・リー・エバンス:「し易い面もあれば、し辛い面もあるといったところか」
日生日出人:「そうなんだ」ほへ~と頷いている。「廿雀組がねえ、あんまり積極的に動いてないからねえ」
芳井春:「し辛い面ってのはそういうことですか?」
キンバリー・リー・エバンス:「うちに頼らずとも武器を供出できる組織も多いからな」
キンバリー・リー・エバンス:「こちらも付加価値を付けてやらねばならない」
芳井春:「ははあ…」
日生日出人:「こういう風に、安くしてくれたりとかね~」
芳井春:「ギルドなんかは、もっとワンオフの…使いこなし辛くて独自性が高いものを売りたがりますよね」
芳井春:「あっちは主に実験目的でしょうが」
芳井春:“インタリオ”の訪問の件は聞いている。提供されたという品のことも、あちらの現在のスタンスも。
キンバリー・リー・エバンス:「俺に言わせれば欠陥もいいところだがな」
キンバリー・リー・エバンス:「この世で最も優れた銃はどういうものだと思う?」
日生日出人:「え~~」考える。
芳井春:「……絶対に外れない銃、とか?」
日生日出人:「あっ、俺ねえ、説明書読まなくても使えるやつがいい~」
芳井春:「ああ…簡単に使えるってこと」
日生日出人:「うん~、あとね~、引き金が軽くて撃ちやすいやつ。手がねえ、痛くなっちゃってねえ」
キンバリー・リー・エバンス:「それは個別の調整要項として記憶しておこう」
日生日出人:「うははは、当てられなかった~」
芳井春:「製品アンケートにも協力しちゃいましたね」
芳井春:「では、“ウジミト”にとっての最高の銃は?」
キンバリー・リー・エバンス:「AK-47」
日生日出人:「あ~~」
日生日出人:「超量産品」
キンバリー・リー・エバンス:「最も使われる銃こそが、最も優れている」
芳井春:少し間を置いて思い出す。
芳井春:「使いやすいし、作りやすい」
芳井春:「…その点で言えば、うちは商売がしやすい街でしょうね」
芳井春:「使う連中がオーヴァードでもそうでなくてもわんさかいる」
キンバリー・リー・エバンス:「バカ正直に売っても儲けが出るものか」
キンバリー・リー・エバンス:「そういう俺のプロダクトを作るという意味だ」
日生日出人:「んっへっへっへ」
芳井春:「失礼」笑う。
日生日出人:「エバンスさんだって、そんなこと、俺達の前で言っちゃうんだから~」
キンバリー・リー・エバンス:「お前たちにとっても悪い話ではないだろう?」
キンバリー・リー・エバンス:「この街にのみ巣食う連中なら、ただ強い武器があればいいが……」
キンバリー・リー・エバンス:「世界にあまねく展開するお前たちにこそ向いた志向性ではないか?」
芳井春:「……ええ」
芳井春:「個人的にも、まあ」
日生日出人:ちろりと春くんを見やる。
芳井春:「誰にでも等しく適性を持って使えるっていうのは…魅力的には思います」
芳井春:「好きな理屈だ」
日生日出人:「……でも、あくまで、オーヴァードじゃない人に、オーヴァードの力が渡らない限りは、ですよう」
日生日出人:「俺達が使うって限りは、ちょ~嬉しいです。ね」春くんに。
日生日出人:「60%オフ、ちょ~嬉しいよね」
芳井春:「ふ」
芳井春:「うちも資金繰りは永遠の問題ですから」
芳井春:「お会いできてよかった。きっとこれからも」
芳井春:生憎。「お世話になることが多そうだ」
キンバリー・リー・エバンス:「それは何よりだ」
キンバリー・リー・エバンス:「俺として大口の顧客は歓迎でね」
キンバリー・リー・エバンス:「顧客であるうちは、お互い利用しあっていきたいものだ」
GM:UZIMITO、のロゴが出て、広報映像が終わる。
日生日出人:「俺達が利用できるような会社でいてくださいよ~」
日生日出人:ふにゃふにゃ笑いながらそう言って、退室します。
芳井春:一礼し、退室。
日生日出人:そのまま駐車場へ。支部から借りた車へ向かって行く。
日生日出人:「ここは本当にシロって感じだったねえ」運転席に座りつつ。
芳井春:はー、と息を吐く。
日生日出人:「ん~?」シートベルトを締めながら春くんを見る。ニヤニヤしている。
芳井春:「ん…まあ、現状が変わりゃむしろ損だろうしな…」
芳井春:「なんだよ」
日生日出人:「超緊張した~って顔してるう」
日生日出人:「んは~、ウケる~」
芳井春:「…」ゲシゲシとする。
芳井春:「するだろそりゃ~」
日生日出人:「うははは」ウケながらゲシゲシされる。
芳井春:「セールスされて帰ってきた感あるけどな」
日生日出人:「されちゃったねえ」苦笑する。「俺はねえ、強い武器欲しいな~、あとでカタログ貰っちゃおっかな」
日生日出人:「んふふ。そんな話する余裕あるくらい、今回の件には関わってないってことだよねえ」
芳井春:「ま、実際ありがたくはあるが……防具だのいくらあってもいいしな」
芳井春:「うん」
日生日出人:「ね~、春くん」
芳井春:「どした?」
日生日出人:車をゆるゆると発進させる。九株市の街中を走りだす。
日生日出人:「今回の事件って、誰が犯人だってあり得るっていう……、誰だって、同じくらい怪しいって話でしょ」
芳井春:オフィス街から歓楽街。人々の営みの光や闇が流れていく。
芳井春:「ああ」
日生日出人:「春くんは、誰なら犯人じゃないと思える?」
芳井春:思案する。「俺はさ」
芳井春:「たぶん、会って話してしまうと、きっと少し、冷静じゃなくなる」
日生日出人:「んはは」笑う。「春くんはそんな感じだね~」
芳井春:「悪くなけりゃいいなって期待をするんだよな」
芳井春:「だから…今回で言うと、新見のお嬢さんとか、シェリーとかは…理屈じゃないところで疑えなくなってる気がする」
芳井春:「あと奈義さんも、今後いろいろあったとしても無理だろうな」
日生日出人:「良い人だった?」
芳井春:「真面目な人だった」
日生日出人:「そっかあ」くすくす笑っている。
芳井春:「おまえはどう思う」
日生日出人:「俺?」
日生日出人:「えっとね~」大きな通りに差し掛かり、交通量が多くなる。車の流れに乗る。
日生日出人:「誰が犯人だってあり得る事件なら、誰が犯人でもいいってことでしょ」
芳井春:「ああ」
日生日出人:「事件を起こすか起こさないか、考えるとしたら、動機を探っていくしかないけど……、だから」
日生日出人:「そんなの、こっちには想像できないから」
日生日出人:「誰が何をしてても、しょうがないなって思ってるよ」
芳井春:「……うん」
日生日出人:「新見詩ちゃんの、こともさあ」
日生日出人:「ほんとに、詩ちゃん、誰かに遺産を盗まれたんだよねえ?」
芳井春:「分からない」
芳井春:「あいつのことも…その父親のことも、どれだけ裏を理解しているのかも」
日生日出人:「んふ~」くすくす笑う。交差点に突き進む。
芳井春:「だから会って話さねえと、とは思う」
日生日出人:「話したら、良い人だといいなって期待しちゃうのに」
芳井春:「そうなんだよなあ」笑う。
日生日出人:「ままならないね~」こっちも笑う。
芳井春:「でも、そういう勝手な期待が、たまに叶うと」
芳井春:「それが凄く嬉しいんだよ」
芳井春:「どうしようもなく」
日生日出人:「うん」
日生日出人:「叶うといいね」
日生日出人:赤信号で待ち、青信号。まっすぐ進む。
日生日出人:「春くんがね、詩ちゃん信頼するって言うなら、俺も乗るし」
芳井春:「責任重大だ」
芳井春:「おまえも苦労するな~」
日生日出人:「だめだったら一緒に泣こうねえ、んはは」
芳井春:「ん。そっちが賭けるときは俺も呼んで」
芳井春:「なんつーか……」
日生日出人:「なんつーか?」
芳井春:「たまには俺も巻き込んでくれよ」
芳井春:「おまえ愚痴んないからさ」
芳井春:「思っただけ」
日生日出人:「ふえ~~~」間の抜けた声を上げる。
日生日出人:「かっこいい~~~~」
芳井春:「…な、なんだよ」
芳井春:「俺はけっこうマジで心配してんだからな…津山の婆さんとこの店行ってたし」
日生日出人:「ううん~、んふふ。ありがとねえ」ふにゃふにゃしている。「イトさんねえ、どうなるかなあ~」
芳井春:「心配ついでに思い出したけど、香上に女の身体で触りに行くのも…」
芳井春:「いや香上は気にしねえかな…するか?」
日生日出人:「え~、大丈夫だよお」
日生日出人:特に根拠があるわけではない。
芳井春:「漠然と自信見せてきたな」
日生日出人:「あ、コンビニ寄る~?」支部に向けて、車を走らせて行く。
芳井春:大丈夫なのか?と奴の顔を思い浮かべつつ、頷く。
芳井春:緊張していたこともすっかり忘れそうな、いつもの夜の感覚で。


GM:【支部裏手 駐車場】
GM:地下駐車場はカヴァーであり、今は訓練室になっている。
GM:そのため、裏手のスペースがそのまま駐車エリアとなっている。
GM:そこに車を留めると、先客の姿がある。
GM:自販機の横の植え込みに腰を下ろしている大男の姿。
日生日出人:「あれえ」それを見咎める。手にはコンビニで買ってもらったフローズンドリンク。
芳井春:「珍しいな。一人か」
グレイ・バーンズ:じろり、と2人を見る。
日生日出人:「グレイさん」にこにこしながら手を振る。「こんにちは~」
グレイ・バーンズ:傍らには缶コーヒーがあるが、飲み終えており。
グレイ・バーンズ:「……どうも」軽く会釈。その手には煙草。
芳井春:「吸うのか」
芳井春:少し驚く。シェリーさんの傍にいたときに見た覚えがない。
グレイ・バーンズ:「ここも禁止か?」
芳井春:「ああ、いや。大丈夫」
グレイ・バーンズ:吸い殻を空き缶に入れている。
芳井春:「普通に吸うんだと思って」とレジ袋の中を見遣り。「なんか飲む?」
芳井春:「食べ物もあるけど。支部のコンビニより米は旨い気がする」
芳井春:甘いジュース、お茶、様々なものを買っている。
グレイ・バーンズ:「……お嬢様にもそれを?」差し入れるつもりなのか、と聞いている。
日生日出人:「んは~、これはねえ、ほんとに買い過ぎちゃっただけだよねえ」
芳井春:支部で差し入れにもするのでバラバラに買うことにしている。あと買いすぎてもいる。
芳井春:「会ったら同じこと訊こうとは思ってた」
日生日出人:「気に入ってくれるかな~」
芳井春:「コンビニとか行くのか知らねえけど…護衛的にはダメ?」
グレイ・バーンズ:「別に止める権限はないが」
芳井春:「文句はありそう」
芳井春:ちょっと愉快そうに。
日生日出人:持ってるドリンクのアイス部分をしゃりしゃり食べている。
グレイ・バーンズ:「コーヒーは勧めるな」
グレイ・バーンズ:「他はお嬢様が決めることだ」
芳井春:「ん、なんで」と言いかけて。「あーー…ラテならいいやつ?」
芳井春:カレーを食べていた時の様子を思い出す。
グレイ・バーンズ:「……」
グレイ・バーンズ:「……酔われる」
芳井春:「…?」
芳井春:「ああ、そういう」
日生日出人:「わ~」にこにこしている。「蜘蛛っぽい~」
日生日出人:「あ、俺ねえ、グレイさんに聞きたいことあったの」
グレイ・バーンズ:「……なんだ?」
日生日出人:「ミルズのこと」首をかしげ、グレイさんの顔を覗き込む。
日生日出人:「シェリーさんはねえ、恨まれる理由とか想像つかないって言ってたけど」
グレイ・バーンズ:「……」
日生日出人:「グレイさんなら、もしかしたら、分かるかもなあって…ぶっちゃけた感じ」
グレイ・バーンズ:「分からないな。いくらでも想像がつく」
日生日出人:「たとえば?」
グレイ・バーンズ:「……あれは敵を作りやすい人だ」
グレイ・バーンズ:「……」
グレイ・バーンズ:「彼女の父親が」
グレイ・バーンズ:「そうしたとて、不思議には思わない」
日生日出人:「ふあ」思わず春くんを見る。
芳井春:「……」
日生日出人:「やばだよ!」
芳井春:「裏社会の…そっちのルールならないでもないんだろうが……」と苦々しい顔をして。
芳井春:「それで」
芳井春:「あんたは、ミルズの雇われだろう」
芳井春:「五本の指に入る実力者だと聞く」
芳井春:「……その上で、あんたは彼女の方へ付いてきた」
芳井春:「そう選択したとして俺たちは扱っていいんだな?」
グレイ・バーンズ:「……」
グレイ・バーンズ:答えない。
芳井春:レジ袋の中から、炭酸のオレンジジュースを投げ渡して。
芳井春:「まあ、俺は今、そう思って話してる」
芳井春:「…そして、そうであればいいとも思ってる」
芳井春:「だからあの時、UGNうちに来てくれたんだともな」
グレイ・バーンズ:受け取る。「……」
グレイ・バーンズ:「……お嬢様を、助けて貰ったことには」
グレイ・バーンズ:「礼を言う」
日生日出人:「助けてほしいって、頼まれたからね」ふにゃふにゃ笑う。
芳井春:「あの人は」
芳井春:「誰からとは言わなかったが、助けてほしいと頼まれたと話したら。急に生きる気力を出したみたいだった」
芳井春:「助かってほしいとあんたが思ったからだっていうのは、楽観的かもしれねえけど……」
芳井春:「そういう話をしたかった」
グレイ・バーンズ:「……俺から言わせれば」
グレイ・バーンズ:「女王などという器ではない」
グレイ・バーンズ:「あれは。もっと……」
グレイ・バーンズ:「……」
グレイ・バーンズ:「……いや。護衛の身で言うべきことでもないか」
芳井春:「なんだよ」笑う。
芳井春:「いまはあんたと話してる」
日生日出人:「俺も話してる~」
グレイ・バーンズ:「……」
芳井春:ん、と頷く。
グレイ・バーンズ:「年相応にしている方がいいだろう」
グレイ・バーンズ:「コンビニの商品でも渡してやれ」
日生日出人:「ふふふふ、護衛の許可が下りたねえ」
芳井春:「…はは。ヒナセが味違いで買ってたやつ片方譲ってやれよ」
芳井春:「あれ美味いんだろ?」
グレイ・バーンズ:「辛いものは避けろ」
日生日出人:「スイーツだからねえ、大丈夫~。チョコ味と、抹茶味…」
芳井春:「抹茶食える?」
日生日出人:「相談する~」
芳井春:「ん。あんたも、それ」自分が渡したジュースを見て。
芳井春:「甘いの嫌いなら変えるけど」
グレイ・バーンズ:「別にそういうことはない」
芳井春:「そう。シェリーが何が好きか分からないって言ってたから」
芳井春:「嫌いじゃないなら良かった」
日生日出人:「それじゃ……あ」立ち去ろうとして、ふいにくるっと振り向く。
日生日出人:「グレイさん、ねえ、あのね」
日生日出人:「女王の器にふさわしい人、誰か、思い浮かんでるの?」
グレイ・バーンズ:「……」
グレイ・バーンズ:「女王などという枠組みが」
グレイ・バーンズ:「下らないとは思っている」
日生日出人:「そっかあ。そうだねえ」
芳井春:「本当にな」しょうがないという顔で、ちょっと笑う。
日生日出人:「ずっとこのままなワケ、ないだろうしね…」苦笑し。
日生日出人:「話せてよかったねえ、またね~」
日生日出人:手を振り、ドリンクを口の中で溶かしながら戻って行く。


GM:シーン終了です。ロイスと購入ができます。
GM:購入はこのシーンから+5補正が入るよ~
日生日出人:ロイスはこのままでいいや~
日生日出人:わ~~い!
芳井春:ロイス保留!おかいものをしよう
日生日出人:高速振動ブレード狙います
芳井春:クリシーねらおっかなー
日生日出人:7dx+1+5>=20
DoubleCross : (7DX10+6>=20) → 8[2,3,6,6,7,7,8]+6 → 14 → 失敗

日生日出人:どんまい!
血肉細工:じゃあこいつが高速振動ブレードやってみるか
血肉細工:4DX+5>=20
DoubleCross : (4DX10+5>=20) → 10[4,4,6,10]+1[1]+5 → 16 → 失敗

日生日出人:惜しいね~!
芳井春:惜しい
芳井春:本体も折角だしブレにしよう
芳井春:2DX+0+5@10>=20
DoubleCross : (2DX10+5>=20) → 9[8,9]+5 → 14 → 失敗

日生日出人:お揃い達成値
芳井春:ほんとだ~!
芳井春:ならよし
日生日出人:イエーイ
芳井春:以上でっ
日生日出人:です!


【ミドルフェイズ4-5】

GM:津山イトに対する交渉フェイズです。登場する方はどうぞ。
シェリー・ミルズ:シェリー・ミルズの侵蝕率を1D10(→ 4)増加 (70 → 74)
日生日出人:日生日出人の侵蝕率を1D10(→ 5)増加 (75 → 80)


津山イト〈情報:UGN〉9〈情報:裏社会〉8
GM:判定はこちらになります
日生日出人:シェリーさんとだからせっかくだしあえての〈情報:UGN〉でいこうかな~
日生日出人:〈情報:UGN〉でコネ使用して調べます 奈義さん効果も忘れずに!
シェリー・ミルズ:効果忘れ続けてるので今回は忘れない……!
日生日出人:(6+2+2)dx+1+2>=9
DoubleCross : (10DX10+3>=9) → 10[1,3,5,7,8,9,9,9,9,10]+9[9]+3 → 22 → 成功

シェリー・ミルズ:つっよ
日生日出人:?!
日生日出人:やったあ~~
GM:ずっとおかしい
シェリー・ミルズ:こちらは情報:裏社会で。コネ:情報屋を使用してD+2
シェリー・ミルズ:(2-1+1+2)dx+3+2>=8
DoubleCross : (4DX10+5>=8) → 10[1,1,3,10]+4[4]+5 → 19 → 成功

日生日出人:すご~~!!
シェリー・ミルズ:ふふ
GM:えーと +13と+11……?
日生日出人:そうみたい…
〈意志〉18〈交渉〉16
GM:こんなに高いんですが……
日生日出人:あっでも結構高い!
日生日出人:すごい服を装備しているので…〈交渉〉はさらに+2!〈交渉〉でいきます!
日生日出人:8dx+13+2>=16
DoubleCross : (8DX10+13>=16) → 8[2,2,3,4,5,6,7,8]+15 → 23 → 成功

GM:もう15あるやんッ
日生日出人:そうでした エヘ
シェリー・ミルズ:こっちもすごい服効果使って判定~
シェリー・ミルズ:(2-1+1)dx+2+11>=16
DoubleCross : (2DX10+13>=16) → 9[2,9]+13 → 22 → 成功

シェリー・ミルズ:できました えへ
日生日出人:すご~い!
GM:やば 開示します
津山イト
勢力:なし


GM:クラブ「バルク」
GM:津山イトの取り仕切る、裏町有数の人気店。
GM:その裏手の事務所に、一人の老人の姿がある。
津山イト:「フェフェフェ……こりゃ珍しい取り合わせだね」
津山イト:「UGNのに、ファミリアのお嬢さんとは……」
シェリー・ミルズ:「どうも。……色々あってね」
日生日出人:「一緒に捜査してるんですよお」青年姿。いつもよりしっかり香水をつけている。
シェリー・ミルズ:(……男の姿、見慣れないわね。でも、こっちが本来の姿……なのかしら)
日生日出人:「あっ、そういえば、みぎわちゃんていますか?」きょろきょろします。
津山イト:「あいつは休みさ」
日生日出人:「ふあ、残念~。お話したかったのに」
日生日出人:ふにゃふにゃしています。表情や声色は、女性の形を取っている時とそう変わらない。
シェリー・ミルズ:「知り合い?」
日生日出人:「うん、このお店で働いてる子でねえ、俺、仲良くなりたくてねえ」
日生日出人:「んふふ…だから、初めてこういうお店にも入っちゃった」くすくす笑う。
シェリー・ミルズ:少し意外そうに、そう、と相槌を打つ。バルクのNo.1だ、当然知らないわけではないが……仲良くしに、というのもUGNの動向の一貫だったのだろうか。
津山イト:「で?何を捜査してるってんだい」
津山イト:「それを名目にタダでよろしくしようってんじゃないだろうね」
日生日出人:「わあ、違いますよお」あわてて両手をぱたぱた振る。「えっと、シェリーさんのことです」
津山イト:「ふん……?」
津山イト:「うちに来る決心を固めたってハラでもなさそうさね」
シェリー・ミルズ:頷く。「貴女は顔が広い。この街のことも、良く知っているから」
シェリー・ミルズ:「何か知っているんじゃないかと思って」
シェリー・ミルズ:金色の瞳孔が、探るように老女の眼鏡の奥を見つめる。
津山イト:「ふん……で?」
津山イト:「もしそいつを知ってたとしてだよ」
津山イト:「あんたらは何を出すんだい」
日生日出人:「えっと…お金が必要なら、用意します」
日生日出人:「そうじゃなくて、例えば、誰か悪い人がいるから捕まえてほしい、とかなら、できます」
津山イト:「ふん。人手があるってなら店に欲しいところだよ」
津山イト:「いいやつは居ないのかい」
シェリー・ミルズ:「どこも、人手不足だと思うわ」
日生日出人:「んは~」ふにゃふにゃする。「どういう人、探してるんですか?」
津山イト:「そりゃあ稼げるヤツを……」
津山イト:「あんたらが働くっていうのもナシじゃあないよ」
津山イト:「未知数なとこだが……」
シェリー・ミルズ:「アタシについては、向かないって貴女自身が評していたでしょう」
シェリー・ミルズ:(……ヒナは、正直。向いていそうだけど)
津山イト:「ふん……要はやる気次第さ」
津山イト:「面は十分すぎるほどだからね」
日生日出人:きょとんと二人を交互に見た後、困ったように首を傾げる。
シェリー・ミルズ:「……そうね。確かに」 僅かに眉を顰めて。「通用していた顔に、そっくりだから」
津山イト:「……うん?」
GM:……違和感のある反応だ。
GM:彼女は、長らくこの色街を治めているはずだ。であれば。
日生日出人:(さっきから、シェリーさんに対して)
GM:"女王"とまで呼ばれた高級ホステスである、彼女の母に対して。
GM:心当たりが無いはずがない。
日生日出人:(なんか…、初めて会ったみたいな……、変な感じ……?)ぱちぱちと瞬き。
日生日出人:「あのう、イトさん」口を挟む。
津山イト:「……うん?」
日生日出人:「最近まで、体調悪かったって聞いたんですけど」
日生日出人:「もうすっかり、元気な感じ?大丈夫ですか?」
津山イト:「ふん。バカにしなさんな」
シェリー・ミルズ:(……半身不随からの復活。それは結構なことだけど──いいえ、やはり)
シェリー・ミルズ:(アタシの母を知らないはずは、ない)
日生日出人:「だったら良かった~」ふにゃふにゃ笑う。「えっと、パーティでもお話したんですよねえ。おふたり」
日生日出人:「なんの話したの? 俺、聞いていい話?」
シェリー・ミルズ:「挨拶と、それから……」 手を口元にやる。「グレイの引き抜きの話」
日生日出人:「え~? うそ~」
日生日出人:シェリーさんを目を合わせる。笑う。「やばい話してるね~」
津山イト:「うちには合わんって言ったんだよ」
シェリー・ミルズ:視線を老女からついと上げる。ヒナと目が合う。
日生日出人:コクンと頷く。
GM:……彼女は津山イトではない。
津山イト⇒汀
勢力:敵対
津山イトという人物は既にこの世を離れている。
表に出ているのは偽者であり、エンジェルハィロゥの欺瞞能力。
組織の実権は汀という女性が一手に引き受けており、
彼女が“事前に”寄島ひろしに接触し、遅効の毒を含ませた実行犯と思われる。

成功時効果:クライマックスでの達成値-10デバフが消滅する。
日生日出人:「あ、それに比べたら俺なんかはねえ、みぎわちゃんにねえ、お店向いてるかもって言われたよお」
日生日出人:ふにゃふにゃと笑ったまま言う。「煙草吸わないし、香水くさいとこが良いねえって言われた」
津山イト:「……」
津山イト:「……」しばらく顎に手を当てて考え込んでいる。
日生日出人:「覚えてない?」
津山イト:「そういうわけじゃあないが」
津山イト:「どうしてそう聞くのかを考えてただけだよ」
GM:顎に手を当てる仕草も、君は見たことがあるだろう。
GM:よくそうしていた女が居た。
日生日出人:「そりゃあ、だって…」やおら立ち上がり、イトさん…の姿をした、彼女の肩に手を添える。
日生日出人:そのまま首筋に顔を寄せる。
シェリー・ミルズ:驚いたように目を開く。
日生日出人:「やっぱ俺、わかんないし」鼻を動かしてみる。「見た目違っても、同じ匂いがするとか、なんて」
日生日出人:「仲良くしたいのも、一応、俺なりに、ほんとだし……」
津山イト:するりとその手をすり抜けるように逃れた。
津山イト:老人ではありえない動きだ。
日生日出人:逃れられた、そのまま言う。「……みぎわちゃん、だよね」
津山イト(?):「ウッソォ~?」
津山イト(?):「マジ?」
シェリー・ミルズ:彼女が津山イトでないことには、推察が至っていた。だが、正体までは。
シェリー・ミルズ:「……成り代わっていたのね」
日生日出人:「まじだよ~~」頬をふくらます(たいして怖くない)
津山イト(?):「……」
津山イト(?):その肉体がズルズルと変異していく。
“汀”:「自信あったんだけどな~」
“汀”:輪郭がぶれるように一瞬かき消え、若い女の姿へと変貌した。
日生日出人:(幻覚……、俺と同じ能力じゃないな)瞬きする。
シェリー・ミルズ:「見事なものね」 素直に感嘆の声。
シェリー・ミルズ:「……ねえ。率直に訊くわ」
“汀”:「うん?」
シェリー・ミルズ:「寄島ひろしを殺したのは、貴女?」
“汀”:「あは。分かる?」
“汀”:「そ」
日生日出人:「…そっかあ」瞬きする。
シェリー・ミルズ:ここまで、彼女と新見詩を除く全ての組織との接触が済んでいる。殆ど、消去法のようなものだ。
シェリー・ミルズ:理由付いた推理ではない。だからこそ、疑問が残る。
シェリー・ミルズ:「何故?」
“汀”:「なんでって」
“汀”:「やれるから」
日生日出人:「…誰かに、頼まれた?」
“汀”:「……ふふ」
“汀”:「答えたら何をくれるの?」
日生日出人:「………」
日生日出人:「ん~」
日生日出人:シェリーさんを見る。
日生日出人:「これは、もしなんですけど」
日生日出人:「みぎわちゃんが、ただの実行犯で、別に、このことを仕組んだ犯人がいるなら」
日生日出人:「えっと、真犯人って、その人ですよね」
日生日出人:「だから俺達は、その人を捕まえたくて……、みぎわちゃんのことは、このまま、見逃す」
シェリー・ミルズ:後手に、鈎のように指を折り曲げる。「……そうね。悪くない取引だと思うわ」
“汀”:「却下」
“汀”:ふわ、とその体が後方に流れる。
“汀”:「そーゆー組織じゃないでしょ」
グレイ・バーンズ:戸を突き破り、その逃げようとする体をつかみ上げようとする手が伸びた。
日生日出人:「んはは…」苦笑する。
シェリー・ミルズ:轟音と同時、隠した左手がぎち、と虚空を掴む。
“汀”:「うわ」すんでのところでかわす。「あぶなっ」
シェリー・ミルズ:急拵えの巣網が女の脚を捉えようと奔った。が、偶然にも狙った部位がほぼ同一であったためか、回避される。
“汀”:その姿が2人になる。3人。4人。
日生日出人:「えっと…えっと…、答えてくれたら悪いようにはしない…? う~ん」
日生日出人:「あっ」増えた人を見て瞬く。
“汀”:「これで“仕事”してる」
“汀”:だけじゃないけど、と付け加えて。
“汀”:今度は一斉に消えた。
グレイ・バーンズ:「……追います」
日生日出人:「シェリーさん守ります!」反射的に言い返す。
シェリー・ミルズ:「お願い。だけど、深追いはしないで」
グレイ・バーンズ:答える代わりにうなずくと、駆け出し去っていく。
日生日出人:残されて、途方に暮れたような顔でシェリーさんを見ます。
シェリー・ミルズ:「最低限。自分の身は自分で守れるつもりなのだけど」
日生日出人:「それでも、ひとりよりはね~」ふにゃっと笑う。「ふたりでいた、ってことが大事~」
シェリー・ミルズ:「……嫌というわけではないわよ」 毒気を抜かれたように、ふぅ、と嘆息する。
日生日出人:「……、あの。シェリーさん」
日生日出人:「みぎわちゃんに暗殺を依頼した人、ほんとに、心当たりないですか」
シェリー・ミルズ:彼女に依頼をしたのは何処の誰なのか。寄島ひろしを殺し、利を得るのは……などと思考を巡らせていたのを、止めて。
シェリー・ミルズ:「……他の女王たちでは、なさそうだったわね」
日生日出人:「俺、シェリーさんに、ずっと、聞きたくて…その」
日生日出人:「この事件が解決したあと、どうするつもりなのかなって」
シェリー・ミルズ:「…………」
シェリー・ミルズ:暫し沈黙し、それから。
シェリー・ミルズ:「まずは目先の件が解決できるかどうかも分からないけれど……そうね」
シェリー・ミルズ:視線を明後日の方向に投げる。「ここには、もう居場所がないから」
シェリー・ミルズ:「何処かに、行くしかない。そう思ってるわ」
日生日出人:「行くしかない?」
日生日出人:「行けてよかった、じゃなくて?」
シェリー・ミルズ:遠くに向けていた視線が引き戻される。血管が透けるほどに薄い水色の虹彩を見つめて、
シェリー・ミルズ:「……グレイが、何か言ったのね?」
日生日出人:「……シェリーさんは、女王なんかじゃなくて、年相応にしてる方がいいって」 シェリーさんから視線を外さず、微笑む。
日生日出人:「俺も、そうかもって。なんとなく」
シェリー・ミルズ:「そう。グレイが……」 少し、目を伏せる。 「……ヒナも?」
日生日出人:「だってシェリーさん、話しやすいし」
日生日出人:「んへへ、マフィアなのにって、思っちゃったから」
シェリー・ミルズ:「……マフィアらしさなんて、真っ平御免だから」
シェリー・ミルズ:「だから……らしくない、というなら。それは、嫌な評価じゃないわ」
日生日出人:「んへへ」嬉しそうに笑う。
シェリー・ミルズ:「……そっか、グレイが」 リフレイン。ぽつり、と零す。
日生日出人:「グレイさんも、なんか、マフィアの護衛らしくないこと、考えてるのかも」
日生日出人:そう言って、振り向く。「聞いてみれば、いいことあるかも~」
シェリー・ミルズ:「話してくれるかしらね、アタシに」 言って。
シェリー・ミルズ:「さっきの話。……心当たりは、なくはないわよ」
日生日出人:「えっ」
シェリー・ミルズ:「アタシ達は、今まで盤面の女王たちにしか目を向けていなかったけれど」
シェリー・ミルズ:「ルールに則って駒を落とす必要は、別にないのだから」
シェリー・ミルズ:銀色の髪が思考の端にちらつく。まだ、確信を持てているわけではないが。
シェリー・ミルズ:「……可能性として、ね」
日生日出人:「充分、です」頷いて。頷いてから。
日生日出人:わざわざ禁煙してからこのお店に来たことを今更思い返し、しょうがないけどね、と内心ひとりごつ。


GM:シーン終了。ロイスと購入ができます。
日生日出人:“汀”/好奇心/不信感:〇/ロイス を “汀”/好奇心/悔悟:〇/ロイス に変更します~
シェリー・ミルズ:ヒナ 興味/○猜疑心 → ○”信用”/脅威 に感情変更。
日生日出人:わ~~い
シェリー・ミルズ:ブルゲ狙おうかな
シェリー・ミルズ:(2-1+1)dx+4>=20
DoubleCross : (2DX10+4>=20) → 4[1,4]+4 → 8 → 失敗

日生日出人:ああ~
シェリー・ミルズ:失敗で以上~
日生日出人:手配師つかい高速振動ブレード!
日生日出人:(6+2+3)dx+1+5>=20
DoubleCross : (11DX10+6>=20) → 10[1,2,2,4,5,5,7,7,8,9,10]+7[7]+6 → 23 → 成功

日生日出人:やっ やった~~~!!!買えました ウェポンケースに収納
GM:+5がデカい
シェリー・ミルズ:すご~
日生日出人:防具をすごい服からボディアマに変更します
シェリー・ミルズ:あっそうだ+5あったんだ
日生日出人:以上です!
シェリー・ミルズ:でも失敗してるし変わらない!以上!


【ミドルフェイズ4-6】

GM:最後の勢力交渉シーンだよ~
GM:出る人は出てね
芳井春:芳井春の侵蝕率を1d10(→ 3)増加 (69 → 72)
シェリー・ミルズ:シェリー・ミルズの侵蝕率を1D10(→ 1)増加 (74 → 75)
シェリー・ミルズ:落ち着いてきた えらい
血肉細工:奈義支援を足す(リマインド)


新見詩 〈情報:UGN〉9〈情報:噂話〉8
血肉細工:じゃあ噂話の方で
血肉細工:4DX+2>=8
DoubleCross : (4DX10+2>=8) → 10[6,7,7,10]+4[4]+2 → 16 → 成功

芳井春:自分も噂話でいこう。【コネ:噂好きの友人】を使いダイス+2。
GM:+8もぎとっとる
シェリー・ミルズ:もぎもぎ
芳井春:4DX+2@10>=8
DoubleCross : (4DX10+2>=8) → 9[1,2,8,9]+2 → 11 → 成功

芳井春:おし。
GM:+3!
シェリー・ミルズ:情報:噂話で。要人への貸しは使ったし……情報収集チーム使って達成値+2
シェリー・ミルズ:(2-1+1)dx+1+2>=8
DoubleCross : (2DX10+3>=8) → 9[1,9]+3 → 12 → 成功

シェリー・ミルズ:どうにか。
シェリー・ミルズ:あっリマインド忘れてた +2で14です
GM:つまり+6ってわけ
〈RC〉20〈交渉〉不可  NPCカード使用不可
GM:2段めはこれです
芳井春:う、うわ
血肉細工:とりあえず…こいつは素でいきましょうか。〈RC〉20
シェリー・ミルズ:う、うわっ
血肉細工:4DX+8>=20
DoubleCross : (4DX10+8>=20) → 10[4,5,5,10]+8[8]+8 → 26 → 成功

芳井春:?
GM:するな あっさり成功を
血肉細工:俺が本物の芳井春です…
シェリー・ミルズ:つよ……
血肉細工:今まで黙っててごめん
芳井春:俺もやるし
芳井春:…いやできんな
シェリー・ミルズ:あっ 精神の値……
芳井春:従者のみの判定になるかRCなら。シェリーさんもふって~
シェリー・ミルズ:(1-1+1)dx+6>=20 RC
DoubleCross : (1DX10+6>=20) → 6[6]+6 → 12 → 失敗

シェリー・ミルズ:流石にダイス一つでは厳しい……!
芳井春:おし まあともあれ成功かな
血肉細工:フフン
新見詩
勢力:敵対
彼女は暗示――決断に関する能力を曲げられ、自然と自資産の提供をおこなっている。
これを除かない限り、彼女は敵対組織の協力な資金・武装提供源となるだろう。
芳井春:う、うわーーー
芳井春:アアーン
シェリー・ミルズ:あわわ……
GM:ですが、判定に成功したのでこれが変わります
芳井春:おお!
シェリー・ミルズ:えっ
新見詩
勢力:敵対⇒友好
暗示は解消された。
君たちに協力しない理由はもはやない。その資金力で、再び“会合”の場を整えることが出来る。

成功時効果:クライマックスでのトループが弱体化
芳井春:やったーーーーーー
シェリー・ミルズ:ちにくん~♡
芳井春:うおおお!!!!
血肉細工:シャッ
GM:全勢力の判定が終了したので、この街の勢力図が判明します。
芳井春:おおー
芳井春:そうだそうだ
シェリー・ミルズ:見えたわね 全貌が
【友好】
UGN/“エスキース”矢掛翠、シェリー・ミルズ
ギルド/“インタリオ”
-/新見詩

【敵対】
色街/“汀”
“ミルズ・ファミリア”/???

【中立】
廿雀組/楠本陽子
"ウジミト”/キンバリー・リー・エバンス
警視庁/奈義時緒
芳井春:うおおシェリーさん がんばろうね
シェリー・ミルズ:ハアッハアッ がんばります


GM:【九株市郊外 新見邸】
GM:その館の主は、君たちを快く迎え入れた。
新見詩:「またお越し頂き、嬉しく思います」
芳井春:今度は一人ではない。連れがいる。
シェリー・ミルズ:大きな背の後ろからす、と足を動かしその横に並んで、
シェリー・ミルズ:「良かったのかしら。アタシを迎え入れてしまって」
芳井春:その女が誰であるか、理解して…どう反応するか、それも分からない。だからこそ彼女が来たともいえる。
新見詩:「何か邪な事をされようとしているのですか……?」
芳井春:「や。パーティで会ったろ」
シェリー・ミルズ:「そのつもりはないけれど」 相変わらず素直な娘だ、と思う。
芳井春:「…あれ以降引き籠ってると聞いたから、どうしてるかと思って」
新見詩:「その節はご迷惑をおかけしました」深々と礼をする。
新見詩:「倒れてしまったらしく……主宰の身ながらお恥ずかしい限りです」
芳井春:一般人の少女が、いきなり人が殺される場に居合わせたのだ。それも自分の主催で。
GM:だが、それは人が殺されたことに対する反応には見えない。
芳井春:倒れることは不思議ではないし……むしろ、こうしていることのほうが不自然だ。
GM:見ていないことになっているかのような。
シェリー・ミルズ:「パーティのことだけど……その」
シェリー・ミルズ:「貴女が倒れる前。誰がいたか、ざっとでいい。挙げてもらえるかしら」
新見詩:「どなたと言いましても……」
新見詩:「芳井様に、シェリー様もいらっしゃいました」
新見詩:「矢掛様、寄島様、津山様、榎本様……」
新見詩:「エバンス様にインタリオ様に……」うんうんと指折り数えている。
シェリー・ミルズ:(……パーティが開催された記憶自体は、残っている。寄島ひろしの名前も、違和感なく挙げた)
芳井春:「寄島議員とは話せたか?」
芳井春:「父親の友人なんだろう」
新見詩:「ええ、はい。とはいえ昔は父の後ろについていたばかりでしたし」
新見詩:「その……あまり……」言いづらそうにする。
芳井春:シェリーさんの方を軽く見る。もう一つ、彼女しか持たないものがあった。あるいはそれが必要かもしれないと見込んで呼んだ。
新見詩:「その……」
芳井春:「うん」
新見詩:「その……なんと言いますか」
新見詩:「シェ、シェリー様」
芳井春:「俺に言いづらい?耳ふさいどくか」笑う。
シェリー・ミルズ:「何かしら」
新見詩:耳元でヒソヒソと話す。「その……」
新見詩:「女性としての容姿を、過度にご強調されるといいますか」
新見詩:「そういう物言いが多く、その……」
新見詩:「どこか恥ずかしかったのです」
シェリー・ミルズ:「…………大いに同意するところでは、あるわね」
シェリー・ミルズ:(だけど、この物言い。ただの資産家の娘が──眼の前で亡くなった人について、語る仕草じゃない)
芳井春:聞かない素振りをする。その時点で察せる要素が多いが、だからこそ。
芳井春:そしてその、以前と変わらない…変わらなさすぎる話しぶりを見ている。
シェリー・ミルズ:(……リスクは、あるけれど) 新見詩の手を取る。
新見詩:「シェリー様?」
シェリー・ミルズ:《異能の指先》──神経を介し、記憶を読み取る異能。僅かな接触では難しいだろうが、試みる。
シェリー・ミルズ:「いえ、こんな風に手を無理やり取られたわね、と思って……」
新見詩:それが弾かれる。
新見詩:相手に抵抗の意思があれば、失敗することもある。だが。
新見詩:眼の前の少女は、君に気を許しているようにみえる。演技ということでもないだろう。
芳井春:シェリーさんを見遣る。
新見詩:であれば、高い可能性が一つある。
新見詩:“先客”だ。
芳井春:(当たりだ、恐らく)
新見詩:「はい、はい、詩もです」
新見詩:「シェリー様もだったのですね」
シェリー・ミルズ:「ええ。なんというか、エネルギーが有り余っているような人だったわね」 抵抗を察し、手をす、と放す。
芳井春:「そうだったのか」何にと言わず。シェリーさんの僅かな手の動き。
芳井春:「そういや、前にここに来たときは…結局ほとんど、あんた自身の話は聞けなかったな」
芳井春:室内を眺める。遺品に埋もれた部屋。
GM:それらはまた減っているようにも思える。
芳井春:誰かの記憶。記録。堆積したもの。‥‥それらは少しずつ奪われているのだ。
芳井春:彼女自身すら知らない形で。
芳井春:「あんた自身の思い出を、故人の話を」
芳井春:「ちゃんと聞こうと思ってた」
シェリー・ミルズ:「そうね。中途半端な形で……お開きになってしまったから」
芳井春:「たぶん俺も‥シェリー、あんたも……親の話を聞くのは得意じゃないかもしれないが」苦笑する。
新見詩:「そうなのですか」
芳井春:「ちょっとだけ目閉じてて」
新見詩:「そう言われるとお二人の話も気になっていまいますが……」
新見詩:「?はい」素直に目を閉じる。
芳井春:「それもしよう」
芳井春:そしてライターを手に取る。
芳井春:小さな火。それを自分の親指に近づける。
芳井春:火。炙れて、僅かに己の血肉が熱を持ち、崩れる。
芳井春:それだけで、自他の境界はひとつ千切れる。出来損ないの身体にも満たない、自傷でいい。
芳井春:その傷ついた指で少女の額に触れる。
芳井春:「あんたが忘れていることを」
芳井春:「忘れさせられたことを、奪われたことを」
芳井春:「…思い出すことがいいかはわからねえけど、でも」
芳井春:「これ以上盗まれつづけるよりマシだと思わないか?」
芳井春:血と肉を介して、レネゲイドを送り込む。
新見詩:「んっ」体が小さく跳ねる。
芳井春:本来分身を生み出せる力が、少女の中に張られた巣に触れた。
芳井春:「…どうかな」
芳井春:「シェリー、もう一回この子の手、握れる」
シェリー・ミルズ:レースの手袋を外す。焼けた血肉よりもずっと鮮やかな色濃い赤が晒される。
シェリー・ミルズ:傷一つない陶器のような──否。本人も知らない内に付いてしまったくらいの、細かな切傷。
シェリー・ミルズ:己の指先に、自らの別の爪先を食い込ませる。赤が、滲む。
シェリー・ミルズ:赤と赤を、融け合わせるように──触れる。
シェリー・ミルズ:「…………見え、る」
シェリー・ミルズ:痛覚を介して、少女と繋がる。
シェリー・ミルズ:少女の記憶、白く囲われた巣の一点が焼けている──その穴を介して、視た。
新見詩:見覚えのある女の姿だ。
新見詩:“汀”。彼女が遺産を受け取る姿。
新見詩:君の視点――新見詩の視点では、それには疑いないように見える。
新見詩:信頼できるものに譲ったと。ただそうしているかのように。
芳井春:焼跡が広がる。広がっていく。
新見詩:女が頬を撫でた。いい子ね、と告げる。
新見詩:それにいささかに、心が跳ねたようにも感じた。
芳井春:脈打つ感覚は痛覚に。
芳井春:そして、白は黒に、あるいは赤に。ひっくり返る。
新見詩:それは巣ではなかった。
新見詩:鳥籠だ。彼女を囚えて離さないもの。
新見詩:それが添えられた指で、外から開かれて。
新見詩:羽ばたけるようになる。
新見詩:「……ううっ……!?」
芳井春:「……話せそう?」屈むように覗き込む。
新見詩:「な……なにか、今……?」
シェリー・ミルズ:「……怖がらないで」
シェリー・ミルズ:自分の声が、二重に聴こえる。
新見詩:「どうして、私、忘れて……」
新見詩:「……!?」
新見詩:「あ、あ、あ……」
新見詩:「寄島様……!?」
新見詩:「シェ、シェリー様……!?」
シェリー・ミルズ:ぎち、と一度。強く爪先が傷口に食い込ませる。強い痛覚が、より鮮烈に──その鳥籠を抉じ開ける。
新見詩:「ああ”あ”っ」
芳井春:「少しだけ我慢してくれ。大丈夫」
シェリー・ミルズ:一時的な痛覚共有。頭痛にも似た不快感が意識を苛む。だが、それを無視して。
シェリー・ミルズ:「……思い出すべきよ、貴女は」
シェリー・ミルズ:「これ以上。奪われてばかりは、嫌でしょう」
芳井春:「まだ手遅れじゃないよ」
芳井春:はじめて来た時と同じことを、彼女に聞く。
芳井春:「ここにある、遺されたものたちは」
芳井春:「本当に譲っていいものだったのか?」
新見詩:「……否、否、否です」
新見詩:「どれも、どれも大事なものです!」
新見詩:「どうして、どうして詩は……!」
シェリー・ミルズ:もう片方の手を伸ばし、包み込むように新見詩の手を握る。
芳井春:「うん」
シェリー・ミルズ:「大事なものだと、ようやく。言えたわね」
芳井春:「そう聞けてよかった」笑う。
新見詩:「……」
新見詩:俯いている。「詩は……」
新見詩:「取り返しのつかない事を……」
芳井春:「どうかな。取り返しがつかないとは、まだ決まってないんじゃねえの」
シェリー・ミルズ:ハルに目配せする。視線が向くのを待つ。
芳井春:「少なくともそのために、俺たちは…俺たちでいいか」シェリーさんを見て、少し目を細め。
芳井春:「来たんだ」
シェリー・ミルズ:音を立てることなく──『み』『ぎ』『わ』、と。僅かに唇を動かして。
新見詩:おずおずと顔をあげる。「春様……」
芳井春:ヒナセが接触した女だ。どういう理由か、詳細はまだ分からない。分からないが、十分だ。今は。
芳井春:「俺たちに協力してほしい」
新見詩:「協力、ですか」
芳井春:「この街には八人、女王がいるらしくて。あんたはその一人なんだってよ」
芳井春:「あんたにしか出来ないことを頼みに来た」
新見詩:「……」
新見詩:「……はい」
新見詩:「春様の、お頼みとあらば」
シェリー・ミルズ:「良かったわね。初めて迎え入れた殿方が、正義の味方で」
芳井春:「恥ずかしいこと言うなよ。照れるだろ」
新見詩:「はい。どうやら詩は幸甚であったようです」
シェリー・ミルズ:婉然と微笑みながら、手を放す。その手に染み一つ残さぬよう、指先で傷口を拭って。
シェリー・ミルズ:「……盤面は。きっと大きく変わった」
シェリー・ミルズ:八人の女王は、もう決して揃うことはないが。決して引っ繰り返せないわけでない──そういう、具合に。
シェリー・ミルズ:これも、望まずして得られた幸運だろうか、とふと思う。
シェリー・ミルズ:……いいや、と小さく首を振る。
シェリー・ミルズ:(これは、アタシが掴んだ幸運だと。そう信じたい)


芳井春:屋敷を出る。整えられた庭木の花が香る。
芳井春:「ありがとう。一緒に来てもらえて本当に良かった」
芳井春:追われてる身の外出だったろう、と付け加える。
シェリー・ミルズ:「ずっと、そう言って待っているわけにもいかないから」
芳井春:「ん。そうだな……」
芳井春:「……なあ」
シェリー・ミルズ:新見詩の立場が明確になったからか、出立時より心なし表情は柔らかに見える。
シェリー・ミルズ:「なにかしら」
芳井春:「あんたがこれから得るものは…取り戻したいものは」
芳井春:「ファミリアでの居場所じゃないんだろう」
芳井春:「そんな気がする」
シェリー・ミルズ:「……さっき、ヒナにも似たようなことを言われた気がするわ」
芳井春:「マジか」と、一気にちょっと困った顔をして、表情を緩める。
シェリー・ミルズ:「取り戻したくないわけじゃないわ。居心地は別に……悪くはなかったし」
シェリー・ミルズ:「だけど、取り戻したところで──以前の通りには戻らない」
芳井春:「ああ」
シェリー・ミルズ:金色の瞳が、物憂げに濁る。
シェリー・ミルズ:「……これでも、上手くやっていると思っていたのよ」
芳井春:「少なくとも今回までは、ミルズがなにかにしくったなんて話は聞いてなかったぜ」
シェリー・ミルズ:「元々持っていた事業は、他の勢力と諍いにならない範囲で続けられていたし」
シェリー・ミルズ:「そうすることが、最善だと思っていた。この均衡を保つことが、一番いい方法だと」
芳井春:「手放したくないものがあったのか?」
シェリー・ミルズ:「…………」 数秒。沈黙して。
シェリー・ミルズ:「……この街は、母が愛した街だから」
シェリー・ミルズ:「ここからは、手を引きたくはなかった」
芳井春:女の耳に揺らめく、血に似た赤を見る。
芳井春:「愛するような街かよって言いたいけど」
シェリー・ミルズ:「アタシも、そう思うわ」
芳井春:「……ふ、ここで働いてるUGNが言えた義理じゃねえよ」
シェリー・ミルズ:「意外ね。UGNって……もっと、正義感に溢れてるのかと思っていたけれど」
芳井春:「どうかな…続けられてるから続いてて」
芳井春:「そしたら愛着みたいな、手放せなくなって…」
芳井春:「俺もだし……まあ支部長もそうだろ、どうせ」
シェリー・ミルズ:「…………」 抱えている感情を表す言葉が上手く見つからなくて言い澱んでいたものが、自分ではない口から出たようだった。
芳井春:「いい街じゃねえんだけどな~……」
シェリー・ミルズ:「カレーは辛すぎるし」
芳井春:「あれはハダイヤだけ」
芳井春:「もっと気に入ってもらえる店もある」
シェリー・ミルズ:薄く笑う。「そうなの? なら……大手を振って表を歩けるようになったら、教えてもらうことにするわ」
芳井春:「…なんでか街のフォローしてんな。でも、きっとマフィアの令嬢じゃ行きづらいところも」
芳井春:「きっとそこそこ楽しくて、気に入ったりするさ」
芳井春:(取り戻せるかはわからない)新見詩も、彼女も。
芳井春:だが、手放してほしくない。誰も。
芳井春:「ああ。教えられることを、楽しみにしてる」


GM:シーン終了。ロイスと購入ができます。
芳井春:新見詩 興味/〇庇護→ 〇誠意/庇護に。
芳井春:シェリー・ミルズ 〇誠意/隔意 → 〇期待/同情。
シェリー・ミルズ:ハル ○”信用”/不安 で取得。
芳井春:うれC--
芳井春:購入はクリC
芳井春:Cじゃない シー
血肉細工:4DX+5>=25
DoubleCross : (4DX10+5>=25) → 5[3,4,5,5]+5 → 10 → 失敗

芳井春:本体も
芳井春:2DX+1+5@10>=25 調達
DoubleCross : (2DX10+6>=25) → 8[4,8]+6 → 14 → 失敗

シェリー・ミルズ:手配師残ってるし使ってクリシー狙ってみましょう
シェリー・ミルズ:(2-1+1+3)dx+4+5>=25
DoubleCross : (5DX10+9>=25) → 10[3,4,5,9,10]+8[8]+9 → 27 → 成功

芳井春:すげえ
シェリー・ミルズ:やったぜ サンキューウジミト
芳井春:エバンスサンキュー
芳井春:シェリーサンキュー
シェリー・ミルズ:ハルにパス!
芳井春:いぇーい
芳井春:持ちました!
芳井春:いじょ


【ミドルフェイズ5】

GM:全員集合お願いします。
芳井春:芳井春の侵蝕率を1d10(→ 9)増加 (72 → 81)
シェリー・ミルズ:シェリー・ミルズの侵蝕率を1D10(→ 2)増加 (75 → 77)
日生日出人:日生日出人の侵蝕率を1D10(→ 10)増加 (80 → 90)
日生日出人:はにゃ~ん
芳井春:ヒナッ
香上進一郎:香上進一郎の侵蝕率を1d10(→ 8)増加 (78 → 86)
GM:高まってきたな
香上進一郎:同じこと言おうとした 真似しないでください


GM:【ニュー九株ビル5F 輸入家具『ジャス・キューセミ』】
GM:支部長室。あなた達は集められている。君たちだけではない。
新見詩:ぺこり、と一礼する。
芳井春:「おお。まさか支部で会うとは。こんな雑ビルに……」
GM:八人の女王である一人の、新見詩。それから。
粕屋千夏子:「あっどうもどうも~」パタパタ手を振る。「おひさしぶりです!」
日生日出人:「ちかこちゃん~」にこにこと両手を振り返す。「おひさしぶり~」
香上進一郎:「粕屋さん」一礼。「ご無沙汰しております」
芳井春:「元気そうでよかった」
シェリー・ミルズ:UGN側と既知の人物であることを察し、小さく会釈。
GM:粕屋千夏子。九株市駐在のオーヴァード婦警。
粕屋千夏子:「わ~この人がシェリーさんですか?」
粕屋千夏子:「すっごい美人だ~」
日生日出人:「シェリー・ミルズさんだよ~」にこにこしている。
芳井春:「だろ。警察の方は…不干渉だと聞いたが、どういう感じなんだ?」
シェリー・ミルズ:朗らかなその声に、むず痒そうに僅かに微笑みながら。「どうも。……ああ、なるほど警察から」
日生日出人:「柏谷千夏子ちゃんです~。前の事件でも協力してもらってたの」シェリーさんに。
粕屋千夏子:「えーっと、不干渉なのはそうなんですけど」
粕屋千夏子:「実際になにか、大きく事を動かすような行動に出る場合」
粕屋千夏子:「市民の安全を守る義務があるので、えーっと」
粕屋千夏子:「監視……見守りです!」
芳井春:「監視員さん」とちょっと笑う。「はいはい」
香上進一郎:デスクに向かう奈義時緒の表情を脳裏に浮かべながら。「成程」
日生日出人:「わ~、悪い人が出たら、たまたま逮捕してもらえるかもだしねえ」
矢掛翠:「流石に“インタリオ”にこちらに来てもらうわけには行かないけれど」
矢掛翠:「アドレスなら開いてもらってるから。問い合わせや共有事項があれば送れる」
日生日出人:「マジの協力体制なんだねえ」
シェリー・ミルズ:「それは……心強いわね」
芳井春:「ウジミトも武器の販売は融通が利いた。廿雀組は動けない…」
香上進一郎:「新見詩氏のお力も。借り受けることが出来たと」
シェリー・ミルズ:「彼女からは、とても参考になる情報も得られたしね」 記憶の中に見えた、”汀”のことだ。
芳井春:残りは、とヒナセとシェリーさんに視線を投げる。
新見詩:「詩の力と申しましても……」
新見詩:「皆様のようなお力は持ち合わせておりません」
日生日出人:「それがねえ、そんなことないよ~」
シェリー・ミルズ:「その自覚があっても、なくても。女王に数えられるだけの”評価”をされていることに違いはないわ」
新見詩:「評価……」
芳井春:「女王が言うんだから、まあ間違いないな」と、少し冗談めかして。
シェリー・ミルズ:「貴女の動向は、この街の盤面を大きく動かすだけの力を持つ」
シェリー・ミルズ:「恐らくは、アタシよりもずっと、ね」
香上進一郎:「オレたちに出来ることは、オレたちが行います」
矢掛翠:「ええ。うちが抱える女王は4人」
香上進一郎:「あなたには、あなたにしか出来ない役割が。きっとありますから」
日生日出人:「危ないことはさせませんから~」にこにこしながら口真似して言う。
矢掛翠:「シェリー・ミルズさん、新見詩さん、“インタリオ”、それから私」
日生日出人:「目標の半数、ゲットしたねえ」
新見詩:「はい」こくこくとうなずいている。
芳井春:「勢力としちゃ対立のが少ない…で、いいんだよな?」
矢掛翠:「自分で言うのもむず痒いけど……」と付け加えて。
矢掛翠:「それから、中立が3人」
矢掛翠:「警察の時緒ちゃん、ウジミトのエバンス社長、そして廿雀の楠本陽子さん」
日生日出人:「んふふ、監視員してくれる警察と」両手で頬杖をついている。「他の二つは、さっき春くん言ってたとおりだねえ」
シェリー・ミルズ:「……残りは、1人ね」
矢掛翠:「対立が一人。津山イト……改め、『クラブ・バルク』の“汀”」
日生日出人:「こないだ逃げられたっきり、捕まえられなかったんだよねえ」
日生日出人:「逃がしちゃった~、ごめんなさい~」頬杖をついたまましゅんとする。
シェリー・ミルズ:「あの場で抑えられていれば楽だったのでしょうけど……仕方ないわ」
グレイ・バーンズ:「……」
矢掛翠:「……勢力に優位を取ったから終わり、じゃない」
シェリー・ミルズ:「グレイの追跡も振り切ったことからも、相当な遣手だと思うわ」
矢掛翠:「この状況を覆さないといけない。シェリーさんの嫌疑は留保してもらってる状態だからね」
日生日出人:「はあい」手を挙げる。
矢掛翠:「うん?」
日生日出人:「ええと、寄島ひろし議員を殺害したのは間違いなくみぎわちゃんっぽいんだけど」
日生日出人:「真犯人…えーと、みぎわちゃんに殺すように依頼したのは別の人、ぽいんだよね」
シェリー・ミルズ:頷く。「彼女はあくまでも実行犯のようだったわ」
芳井春:「…ああ。もともと津山の婆さんは、依頼に応じて人を寄越す…斡旋業者だったか」
矢掛翠:「彼女と知り合いじゃないわよね?」シェリーさんに。
シェリー・ミルズ:「津山イトならまだしも、彼女とは初対面だったわ」
シェリー・ミルズ:「”汀”という名前くらいは、知っていたけれど」
日生日出人:「すごいね~、ナンバーワンホステス~」
香上進一郎:顎に手を当てる。
香上進一郎:「既存の他“女王”勢力に……“汀”に殺害を唆した真犯人が?」
矢掛翠:「うん。であれば、あなたを嵌める理由のある人間がいる」
矢掛翠:「これだけ勢力の後ろ盾があれば、あなたが犯人でないことを宣言できる」
矢掛翠:「少なくとも、裏社会の間にね」
シェリー・ミルズ:「…………!」
矢掛翠:「そうすれば、自ずと」
倉間美舞:「んなことさせねえってノコノコ出てくる?」
矢掛翠:「そういうこと」
日生日出人:「みまちゃんが悪い人の心理に詳しい~」
倉間美舞:「だったら支部長もになりまーす」
香上進一郎:(悪ガキだからな)
芳井春:苦笑いしている。
日生日出人:「ふえ~~」あたふたする。
矢掛翠:「そうかもしれないわね」と笑って。
日生日出人:「はあ~」
矢掛翠:「とにかく、追い続けても隠れるばかりでしょう」
矢掛翠:「向こうから出てくれないといけない」
シェリー・ミルズ:「どうやって誘えば乗ってくれるか、ということね」
矢掛翠:「そうだな……みんなならどうする?」
倉間美舞:「敵候補んとこ連れ歩いて挨拶して回る」
倉間美舞:「頭下げないところはぶっ潰す」
芳井春:「ヤクザか?」
倉間美舞:「その後もウチらがやりやすくて良くないっすか?」
香上進一郎:「分かり易いが……」
香上進一郎:「用心深い手合ですから……」
日生日出人:「どうせ半数は味方してくれる状況なのに~」
芳井春:(こういう時は香上は反論しねえんだよな…)
倉間美舞:「じゃあ何がいいんすか」
芳井春:「…誤報を流すとか?」
香上進一郎:「誘いに乗ってくるような……価値の在るものを用意して待つとか?」
倉間美舞:「具体的には?」
日生日出人:「えっと、この場合の、犯人が出てくるような誤報……ニュースが、『シェリーさんは犯人じゃない』ってニュースだよね」
日生日出人:「だから、価値あるものって、えっと、シェリーさんだよね」
シェリー・ミルズ:「それも、誘い文句の一つとしては良いと思うわ」
倉間美舞:「じゃあエロい感じにふん縛ってどっか置いときます?」
シェリー・ミルズ:眉を顰める。
日生日出人:「うわああ」
倉間美舞:「うわすげー睨んでくる……」
香上進一郎:「失礼だろうが……」
日生日出人:「だめだよ~、女の子がそういうこと言っちゃだめだよお~」
シェリー・ミルズ:「……それで釣れれば僥倖でしょうけど。あまり見たくない絵面になりそうね」
シェリー・ミルズ:「それに──もう一つ、あるでしょう」
シェリー・ミルズ:「彼女が欲して、でも今は手に入らなくなったもの」
芳井春:「ん…?」
シェリー・ミルズ:視線を、まだ落ち着かないのか時折そわそわしている女に向ける。
グレイ・バーンズ:「新見詩」
シェリー・ミルズ:「彼女の持つ遺産よ」
新見詩:「詩ですか……?」
日生日出人:「ふあ~」
シェリー・ミルズ:「可能な限り、より多くを手にしたい。そう思っていても不思議じゃない」
シェリー・ミルズ:「だから、彼女と接触する機会も逃すには惜しいはずよ」
芳井春:「…それに、同じような場を詩が用意するなら」
芳井春:「疑うんじゃないか」
芳井春:「仕掛けた暗示が解けた、解除された可能性を」
矢掛翠:「そうね。詩さんを呼んだのがまさにそこで」
矢掛翠:「あなたにね、もう一度パーティを開いてもらいたくって」
新見詩:「皆様に、招待を……?」
日生日出人:「えっと、他の女王を全員、呼び集めて…」
シェリー・ミルズ:「アタシが、犯人じゃないって。改めて宣言する」
倉間美舞:「場所は」
日生日出人:「こないだと同じとこ…は無理だよねえ」
香上進一郎:「既に表でも、事件になってますからね」
新見詩:「建設中のホテルがございましたかと」
新見詩:「すでに祝宴会場は完成していたかと存じます」
香上進一郎:「いいですね。“建設中”って部分が、特に」
香上進一郎:「少々暴れても。工期が延びるだけで済みそうだ」
シェリー・ミルズ:「何もないのが一番だけど。悪くないわね」
芳井春:「おい、壊すこと前提にするなよ」と小突く。とはいえ軽い。
日生日出人:「うんと…、あ、パーティの名目はどうしよっか。シェリーさんが言ってたみたいに、遺産で釣る?」
香上進一郎:ぐりぐりされている。
矢掛翠:「なくてもいいんじゃないかしら」
矢掛翠:「名目もなく呼ぶことが、すべてを示すことになると思う」
日生日出人:「ないからあるんだ」
日生日出人:「ちぐはぐだ」くすくす笑う。
芳井春:「ウラハラじゃなくて?」
日生日出人:「同じ意味だもん~」
矢掛翠:「うん、決まりかな?じゃあ……」
矢掛翠:「準備をお願いね、みんな」
粕屋千夏子:地図アプリで「ホテル」「建設中」で調べている。出て来ない。
倉間美舞:「準備って武器の?」
矢掛翠:「服の」
芳井春:「…ああ、そっか」
芳井春:「シェリー、どうすんの?」
シェリー・ミルズ:「取りに戻るわけにはいかないし……」
日生日出人:「??」きょとんとしてる。
日生日出人:「俺たち、どっか隠れて待機してるんじゃないの?」
矢掛翠:「前ほど招待客を集められないんだから」
矢掛翠:「ちゃんとお客として中に居てもらわないと」
香上進一郎:大変だな~という眼で皆を見ている。
芳井春:「お前もだと思うよ香上…」
シェリー・ミルズ:「多分、貴方もよ」 同時に。
日生日出人:「じゃあ、みまちゃんもじゃん!」
倉間美舞:「え~」
倉間美舞:「ダル」
日生日出人:「そんなこと言わないの~!あ、俺、髪やってあげる!」
香上進一郎:「はっ……」
倉間美舞:「いやマジでいらねーっすから……」
香上進一郎:「悔しいが一理あるというか……」
香上進一郎:「外部の警備は……」
香上進一郎:「今回は必要ない、ということでしょうか」
日生日出人:「みまちゃんならねえ、巻くのもかわいいよねえ、あとねえせっかくなら…」聞いてない。
シェリー・ミルズ:「仮に何かあったとしても、すぐに彼女を守れる位置の方が良いと思うわ」 新見詩のことだ
グレイ・バーンズ:「来るとわかっているのであれば」
グレイ・バーンズ:「確実に打ち倒すだけだろう」
香上進一郎:「………!」返す言葉もない。
グレイ・バーンズ:ギリギリと指を鳴らす。
日生日出人:「殺気がすごい~」
シェリー・ミルズ:グレイのそんな姿をほんの少し口元を緩めながら見つつ、衣装のことを考えている。
矢掛翠:「……“アクセサリ”であればご用命くださいですって」苦笑して。
矢掛翠:「宝石商だものね」
日生日出人:「ちゃっかりしてるねえ」ちらりと春くんを見る。
芳井春:複雑そうな顔をしながら、特に何も言わない。
芳井春:きっと代わりに、どこかの誰かが言わってくれたことを分かっている。
シェリー・ミルズ:「……ねえ。そういう場に合いそうな衣装って……ここに当てはあるかしら」
シェリー・ミルズ:考えたが、今から新調するのも、借りに行くもの。不都合がありそうだった。
矢掛翠:「そうね。私のを仕立て直しましょうか?」
日生日出人:「ふあ~、前のお店のやつ?」
矢掛翠:「まあ色々ね」
日生日出人:「ふあ」瞬きする。「でもねえ、それがいいよお。俺が持ってるのだとねえ、サイズ合わなそうだし…」
シェリー・ミルズ:「……いいの? そうして貰えるなら、助かるけれど」
日生日出人:「良かったねえ~」にこにこしている。
矢掛翠:「じゃあ、決まりね」
矢掛翠:「目標は、汀および、その指示者と思われる首謀者の確保」
矢掛翠:「みんなよろしくね」


日生日出人:打ち合わせが終わり、それぞれ解散した後。
日生日出人:廊下。前を行くシェリーさんに声をかける。
日生日出人:「緊張してない?」
シェリー・ミルズ:立ち止まる。かつ、とヒール──支部の技術員に直してもらったものだ──の音が鳴り、止まる。振り返る。
シェリー・ミルズ:「してないわ」「……と言うべきなのでしょうけど」
シェリー・ミルズ:「緊張……よりは不安、かしら。先が見通せていないことの」
日生日出人:「あ~」こくこくと頷く。
芳井春:「そりゃ不安だよなあ」
シェリー・ミルズ:「結局、誰がアタシを狙ったのかは分からないままだもの」
シェリー・ミルズ:「それを明かすための場とはいえ、どう転ぶか分からないというのは」 手袋をきゅ、と嵌め直す
シェリー・ミルズ:「落ち着かないわね」
芳井春:「最善は尽くした」
芳井春:「と、思いたい」
香上進一郎:学生服じゃダメだよな……とぶつぶつ呟いていた口を結び。
香上進一郎:「ただ、今の自分でも、分かることは」
香上進一郎:「シェリーさんを不当に貶めようとした“犯人”が、誰にせよ」
香上進一郎:「オレたちは全力を以って、確保に当たります」
日生日出人:「あっ、うん!もちろんです」きゅっと顔を真面目にして、こくこく頷く。
芳井春:「ん。それは間違いない」
シェリー・ミルズ:「……ありがとう。心強いわ」
日生日出人:「あの……」
芳井春:「おお、どしたヒナセ」
日生日出人:「シェリーさんが、今回のことが終わったら、どこか…ここじゃない場所に行けるように」
日生日出人:「なれたらいいなって、俺、思って…。あ、そういう話をね、したから」
シェリー・ミルズ:「…………」 視線を、遠くに。「どうかしらね」
芳井春:「…いいな。俺は逆に、街のいい店を紹介しようかと思ってた」笑う。
香上進一郎:初耳だが、腑に落ちないわけじゃない。古巣での、彼女の立場を鑑みれば。
シェリー・ミルズ:「だけど、これでミルズ向こうが解放してくれるなら」
シェリー・ミルズ:「それはそれで。好都合かも」
芳井春:「おう。旅行でもしに行けばいいよ」
芳井春:「グレイに荷物持ちでもさせて」
シェリー・ミルズ:叶うとは、今も思っていない。そう願えば願うほどに、遠のいていくものだから。
シェリー・ミルズ:何かが回り回って、きっとここに帰ってくるのだろうと──そう思っている。
香上進一郎:「勝手な言い分ですけど」
シェリー・ミルズ:「……そうね。多少重くなっても、大丈夫そう」
香上進一郎:「オレは……貴女は。何処でだって、何をしたって、やっていけると思います」
香上進一郎:「グレイあの人が居るなら」
香上進一郎:「形振り構わず、大切な人のために……何かを、投げ打つ事ができるのは」
香上進一郎:「強さだと思いますし」
香上進一郎:「それだけ、慕われているのまた……そうである……みたいな」
日生日出人:「だんだんふわふわしてきたねえ」
香上進一郎:「こういう言語化はニガテで……」
シェリー・ミルズ:「…………ふふっ」 小さく、笑った。
シェリー・ミルズ:年頃の女のように、表情を綻ばせて。
シェリー・ミルズ:すぐにそれは、困ったような表情へと変わったが。
芳井春:それを見て、少し驚いて。つられるように笑う。
シェリー・ミルズ:「ええ。グレイと出会えたのは、本当に──僥倖だった。まだ、アタシに付いてきてくれていることも」
芳井春:「付いてくるなって言ったら拗ねるんじゃねえの、むしろ」
シェリー・ミルズ:「そうかも」 想像して、また少し笑う。
シェリー・ミルズ:「貴方達に助けられたことも、存外の幸運だった。グレイが、貴方達を頼った判断は──確かだったわ」
日生日出人:「んへへ」嬉しそうに笑う。「じゃあ、最後まで助けられるように、がんばらなくちゃだねえ」
芳井春:「人を助けられるのも」
芳井春:「得難くて、幸運なことだ。そしてその相手の笑顔を拝めることもな」
芳井春:「だから、こっちだってきっと、──僥倖ってやつだよ」
芳井春:「運で終わるんじゃ惜しい」
シェリー・ミルズ:「…………そうね」
シェリー・ミルズ:女の耳に揺れる宝玉は、幸運ピアン・シャンスの名を冠する。自身の道標であり、枷でもあるそれに──囚われている。今も、きっと。
シェリー・ミルズ:それを苦しいと思ったことは、なかった。だが、それが全てであることの虚しさもまた、ともにあった。
シェリー・ミルズ:ようやく、自分で何かを選べるのかもしれないと。潰えるかもしれない希望を、夢見ている。
シェリー・ミルズ:夢を見られることは、幸せだ。
シェリー・ミルズ:それが、叶えば。尚更。
シェリー・ミルズ:「力を、尽くすわ。そのために」
シェリー・ミルズ:「運だけじゃない──自分の力の、できる限りを」
日生日出人:「うんっ」頷く。「みんなでがんばろ~、だね」
香上進一郎:ふ、と笑って。「はい。死力を尽くします」
芳井春:「もちろん戻ってこれるくらいにな」
芳井春:「打ち上げの店どこにするかも、頑張って考えとくからさ」


GM:シーン終了。ロイス取得と、最後の購入機会です。
香上進一郎:フルロイス~なのでそのままブルゲ購入をねらってみます
芳井春:ロイスは…そうだな、このままで。
香上進一郎:4dx+2+5>=20
DoubleCross : (4DX10+7>=20) → 7[2,5,6,7]+7 → 14 → 失敗

香上進一郎:だめだな~いじょです
日生日出人:ロイス保留でブルゲ購入ねらいます~
芳井春:じゃあやってみよー
日生日出人:8dx+1+5>=20
DoubleCross : (8DX10+6>=20) → 9[1,2,4,4,5,6,6,9]+6 → 15 → 失敗

日生日出人:がんばった
香上進一郎:おっバデムと財産入れればいけそうですね
香上進一郎:あっでも
シェリー・ミルズ:流石バデム
香上進一郎:芳井先輩クリシほしいんだっけ
芳井春:あ、だいじょうぶ
芳井春:貰った!
香上進一郎:あっ買ってた!
シェリー・ミルズ:クリシはもう買いました どやや
香上進一郎:さすがだあ
芳井春:令嬢ってすごい。
香上進一郎:じゃあ突っ込みます?ブルゲに
日生日出人:じゃあください~
香上進一郎:アゲマス!バディムーブで+3を
芳井春:一応もう一個狙ってみようかな?それか強化素材あたりか
日生日出人:わ~い!そこに財産つっこみ 買います!
日生日出人:所持しておきま~す
香上進一郎:やったぜ~。
芳井春:3DX+1+5@10>=15 調達 強化素材
DoubleCross : (3DX10+6>=15) → 9[1,8,9]+6 → 15 → 成功

日生日出人:おお~!
シェリー・ミルズ:他欲しいものあるかしら
香上進一郎:すごい
芳井春:じゃあこれヒナセにあげるー
香上進一郎:じぶんはだいじょうぶかな~?
日生日出人:わ~い 両手剣に使います
GM:弊社の商品を多数お買い上げ頂きありがとうございます
血肉細工:私もなんか買おうかな
芳井春:ww
血肉細工:安いうちに買っとけ買っとけ
シェリー・ミルズ:ブルゲもう一つ追加で買っておこうかしらね
日生日出人:ブルーゲイル追加が丸そうですね
シェリー・ミルズ:(2-1+1)dx+4+5>=20
DoubleCross : (2DX10+9>=20) → 10[3,10]+2[2]+9 → 21 → 成功

香上進一郎:すご!
芳井春:すげえ。
日生日出人:かっこいい
シェリー・ミルズ:成功。誰か必要な人は?
血肉細工:んじゃ強化素材もう一個かうか シェリーさんにもいけそうだし
血肉細工:4DX+5>=15
DoubleCross : (4DX10+5>=15) → 9[2,2,7,9]+5 → 14 → 失敗

香上進一郎:単体マンだからな~ 日生先輩2持ちもあり?
芳井春:こいつ金使えないんだったな
日生日出人:春くん持っててもいいかも
芳井春:おお、ああ ラウンド2とかまで行ったら
香上進一郎:あ~アージあるもんね
芳井春:従者作りより助力でなんかしたいかもだしね
芳井春:貰っとこうかな
香上進一郎:あっなるほど~
シェリー・ミルズ:じゃあ渡しておきます
芳井春:もらいまーす
日生日出人:強化素材で両手剣の攻撃力+1しました~
日生日出人:以上です!
シェリー・ミルズ:こちらもロイス変更ないし以上~
香上進一郎:同上~
芳井春:おなじく


【クライマックス】

GM:全員登場をお願いします。
芳井春:芳井春の侵蝕率を1d10(→ 5)増加 (81 → 86)
香上進一郎:香上進一郎の侵蝕率を1d10(→ 3)増加 (86 → 89)
日生日出人:日生日出人の侵蝕率を1D10(→ 4)増加 (90 → 94)
シェリー・ミルズ:シェリー・ミルズの侵蝕率を1D10(→ 6)増加 (77 → 83)


GM:【瑞事ホテル 九株】
GM:建設が完了し、現在内装準備中の高級ホテル。
GM:その催場はすでに完成しており、そこが新見詩の招待の先であった。
GM:“八人の女王”へ向けて送られたとされる、題名のない手紙。
GM:その招きに応じて、いくつかの勢力は姿を見せている。
日生日出人:「お客さんになってって言っても…」壁際でそわそわしている。
日生日出人:青年の姿。白いフリルブラウスに、黒いパンツスーツ。すらりとしたシルエットが細身の体格を際立たせている。
日生日出人:いつもより華美に整えた姿は人形のようで、中性的な、そしてどこか甘い雰囲気のまま。
日生日出人:「やっぱりねえ、そわそわしちゃうねえ」
香上進一郎:「………はい」やや上ずった声。
香上進一郎:平時の学生服ではなく、白のハイネック(先輩のお下がり)に黒のダブルスーツ(買った)。
香上進一郎:緊張した面持ちがラウンド型のサングラスでギリギリ隠れているものの、その下、視線は泳いでいる。
日生日出人:「ところでねえ、しんちゃん」その姿を見ながら言う。
香上進一郎:「………はっ」
香上進一郎:「何でしょう、日生先輩」
日生日出人:「んふふふ…、今日の格好、かっこいいねえ」くすくす笑いながら、サングラスの向こうの目と視線を合わせようとしてくる。
日生日出人:「ねえねえ、そのハイネックの値段、知ってる~?すごいんだよお」
香上進一郎:「そうでしょうか。どうにも、居座りが……え!」
香上進一郎:飲みかけのグレープジュースのグラスを手にしたまま硬直し、そーっとテーブルの上に置く。
芳井春:「おらヒナセ~、あんま揶揄ってやんなよ~」
芳井春:大柄な男。前回のパーティより落ち着いた印象の礼装。
芳井春:ダブルボタンの黒いスーツに白いシャツ、ボルドーのタイ。シンプルな形がむしろ体格の良さを目立たせる。
芳井春:前髪は下ろす形でセットして、垂れた目尻にかかる辺りで流している。
香上進一郎:「“もう着ねえから香上要るか?”ぐらいの軽い会話だったからてっきりオレは……」
芳井春:「いや、そういうつもりだったけど…」
香上進一郎:「お二人とも……お似合いです」流石、と感嘆の息を漏らす。
芳井春:「ヤクザっぽいなそのサングラス」
香上進一郎:「いや……何か掛けてないと落ち着かなくて」
芳井春:「視線がバレにくいのはいいか」
芳井春:物騒なことになるだろうし。
日生日出人:「んふふ」にこにこしている。「春くん、かっこいいねえ」
芳井春:「なら良かった」と褒め返そうとしたが、いまいちいい言葉が出なかった。
日生日出人:「しんちゃんもねえ、だんだん緊張ほぐれてきてよかったねえ」
香上進一郎:「しっ放しでも、この後困りますから……何とか」
日生日出人:「よしよし…」香上くんの背中を撫でつつ。
芳井春:「女性陣はどんな感じ?」
日生日出人:「えっと…もうそろそろ来るんじゃないかな?」
香上進一郎:はああ、という息だか声だかわからないものが口から漏れ出ながら。壁がけの時計を見やる。
倉間美舞:「……」たおやかな表情の少女が、おずおずと歩み寄る。
倉間美舞:黒いゴシックなドレス。髪は結い上げられ、左右でお団子にされている。
日生日出人:「あっ」にこにことその少女に視線を向ける。「こっちこっち~」
倉間美舞:「いやこれ……」
倉間美舞:「これはちょっと……」
芳井春:「おー」その姿を見て。「かわいいじゃん」
芳井春:「髪もなんか凝ってるし」
香上進一郎:誰…?と一瞬首を傾げて。口を開いたのを見て、安堵したように胸を撫で下ろす。
倉間美舞:「容赦なくないですか 髪に……」
日生日出人:「んへへ、超かわいいっしょ~!超編み込んじゃったもん」
香上進一郎:「ああ……倉間か……」
芳井春:(こいつ…一瞬気づいてなかったのか…?)
倉間美舞:「普通に恥ずい……」
日生日出人:「恥ずかしがってるのかわい~」
芳井春:「珍しい」
日生日出人:「ね~しんちゃん、それだけなのお?かわいいじゃん~」
日生日出人:明らかにはしゃいでおり、にこにこしています。
香上進一郎:「………えぇ」ややたじろいで。
倉間美舞:「……」
香上進一郎:「ヒラヒラすぎて、いつもの動きが出来るかどうか、不安な所はありますけど……」
香上進一郎:「……まあ、いいんじゃないですか」
香上進一郎:「色合いとか……」
倉間美舞:「そのダセー眼鏡で何の色合いが分かるんだ」
倉間美舞:「全部黒だろ」
芳井春:笑いを堪えて見守っている。
日生日出人:ふあ~~ってあたふたしています。
香上進一郎:「………!!」
香上進一郎:そんなにか……と崩れ落ちそうになる。
日生日出人:「あ~、しんちゃん、も~」あたふたしたまま。
芳井春:「おら、いい感じだよ二人とも。自信持て~」
倉間美舞:「自信持てっつわれても」
倉間美舞:「あれぶつけられてるんすけど、こっちは」
倉間美舞:来た方を向く。
日生日出人:「?」香上くんを支えたまま。
シェリー・ミルズ:こつ、こつ。ヒールの音とともに、悠然と女が近付いてくる。
シェリー・ミルズ:「待たせたわね」
シェリー・ミルズ:身に纏っていたのは、先程までの肌を覆い隠すようなトップスではなく──背と胸元が大きく開いた、夜会服のようなドレスだった。
シェリー・ミルズ:刺繍の施された光沢のあるサテン生地が肌のラインにぴったりと沿い、流麗な曲線を描く。
シェリー・ミルズ:胸元には、"インタリオ"から提供されたゴールドチェーンのネックレス。大ぶりの宝石もあしらわれているものだ。
シェリー・ミルズ:艶めいた黒髪は高い位置でまとめられ、細かく分かれた束となってふわりと揺れている。
シェリー・ミルズ:手に嵌めたレースグローブと耳に揺れるピアスだけが、いつも通りだった。
日生日出人:「ふわあ~~~」頬をぱっと染める。
日生日出人:「すっごい綺麗だねえ~!ふわ~、色っぽい~」
倉間美舞:ひゅー、と口笛を吹く。
シェリー・ミルズ:「……どう、かしら。サイズはしっかりと合わせてもらったのだけど」
芳井春:「流石だな」
香上進一郎:「何を言っても、形容し難いというか……」じろじろと見るのも不躾なので視線を逸らす。
倉間美舞:「視線が邪」
倉間美舞:「隠すためにそのダセーのつけてんの?」
香上進一郎:青筋を立てながらガンを飛ばす。
芳井春:「ドレスが着慣れてるって感じ」
日生日出人:「え~、うちの支部長、こんなセクシーなドレス持ってたの~? かわい~」
芳井春:そういやドレスはそういうことだなと思ったが、微妙に気まずいので考えていない。
芳井春:「似合ってるよ。急ごしらえって風には全然見えない」
シェリー・ミルズ:「他にも色々と見せてもらったのだけど、割と強引に……押し付けられたというか」 少し恥ずかしそうに。
シェリー・ミルズ:「……そう。似合っているなら、良かったわ」
日生日出人:「んふふ。だって、着こなせてるもん~」嬉しそうににこにこしている。
香上進一郎:「はい。とても……」と同調するように呟いて。
日生日出人:「今日の主役って感じ、です!」ぐっと拳を握る。「がんばりましょ~」
芳井春:「そ。今日はあんたを見せつけないと意味がねえからな」
シェリー・ミルズ:半ば強引にこの衣装を選んだのも、彼女なりの応援だったのかもしれない、と思いながら。
芳井春:「最も、目に入るより先に鼻で気づくかもしれないが」
芳井春:会場に視線を巡らせる。
日生日出人:「んはは……」隣で苦笑してる。
シェリー・ミルズ:「さて……何人揃うかしらね」
新見詩:「……揃いませんよ」
新見詩:「八人の女王に、送らせていただいたと」
新見詩:「文面では書きましたが、事実、中立の勢力には送っておりません」
芳井春:「つうことは、来るのは」
GM:パーティの中心。ひときわ目立つ女の姿がある。
“汀”:「……」君たちを見て、にこりと蠱惑的に微笑む。
日生日出人:「ふあ~」春くんの腕をはしっと掴む。
香上進一郎:「……あれが?」警戒するように眼を細める。
日生日出人:「うん、みぎわちゃん……」
芳井春:掴まれたまま。
シェリー・ミルズ:「……来たわね。やはり」
芳井春:「この人が、あの婆さんにな……」
日生日出人:「……、俺たちのこと、せめて、警戒してくれてるといいんだけど」
日生日出人:困ったように言う。「俺、なんの興味も持たれてなかったらはずいな~」
新見詩:「……では、行って参ります」
新見詩:「シェリー様。よろしいですか?」
香上進一郎:(日生先輩と話して、それ持たない人、居んのかな……)心中でだけ呟いて。
芳井春:「でも、少なくとも今日で、忘れられなくなるんじゃねえの」
シェリー・ミルズ:「誰だってヒナには興味を持つわよ。多分ね」
シェリー・ミルズ:言って。一つ、深く息を吸う。
芳井春:「誇ってこいよ、色男」
シェリー・ミルズ:「ええ。いつでも、構わないわ」
日生日出人:「ん~」春くんを見上げ、シェリーさんも見る。照れたようにはにかむ。「んへへ」
日生日出人:「がんばって」
香上進一郎:「お気をつけて」
芳井春:「ご武運を」冗談めかす。
グレイ・バーンズ:彼らの元から離れると、自然と横合いから男が現れ出る。
シェリー・ミルズ:声掛けに、唇が小さく三日月を描く。ルージュがシャンデリアの光を反射して煌めく。
シェリー・ミルズ:「グレイ、どうかしら」
グレイ・バーンズ:「いくつか不穏な気配がある」
シェリー・ミルズ:「似合ってる?」 冗談めかして、問う。
グレイ・バーンズ:「すでに張っているというのが……うん?」
グレイ・バーンズ:「……今夜は冷え込むぞ」
グレイ・バーンズ:「上着は持ってきているのか」
シェリー・ミルズ:普段なら訊かないようなこと。それで珍しく、会話のテンポが乱れた。
シェリー・ミルズ:「……そこまで考えていなかったわね」
シェリー・ミルズ:「じゃあ、無事にここを出られた暁には」
シェリー・ミルズ:「貸して頂戴ね。グレイの」
グレイ・バーンズ:「……被弾するわけにいかなくなったな」
新見詩:壇上に立ち、シェリーを招く。
シェリー・ミルズ:視線を上げ、堂々たる仕草で招かれた場所へ。
新見詩:「本日は突然のお呼び立てにお集まり頂き、ありがとうございます」
新見詩:「この機会を設けさせていただきましたのは、先日の寄島ひろし氏の一件に対し」
新見詩:「皆様に誤解があるとの認識があり、それを解消する機会を設けさせていただこうかと」
新見詩:「そのご当人からお話をいただきたく。シェリー様、よろしいですか?」
シェリー・ミルズ:「……ええ」 集まった人々を、壇上から見渡す。
シェリー・ミルズ:自身に注がれている視線は、様々だ。好奇、疑念、嫌悪──どれも決して良い感情の篭ったものではないが。
シェリー・ミルズ:集団の一角。UGNやギルド。特にUGNの者たちから届く視線は、とても穏やかだった。
シェリー・ミルズ:「──先日の一件。お騒がせして、申し訳なかったと思っているわ」
シェリー・ミルズ:「でも、今日……アタシは、その誤解を解きに来たの」
シェリー・ミルズ:凛とした声。視線を一心に受けて。
シェリー・ミルズ:「アタシは、あの件について一切────」
GM:君に注がれている視線の中に、ひときわ剣呑なものが複数入り交じる。
グレイ・バーンズ:男が君の肩を引く。
GM:その視線は、火線となった。複数の人間が銃を構えて、君の居たところを狙い撃った。
シェリー・ミルズ:引かれるがままに、身体が傾く。背後の壁を弾が穿った音。「ありがとう」
GM:その男たちの合間を縫って、コツコツと硬質な靴の音。
GM:それらをかき分けて、軍服姿の女の姿がある。
ナターリア・グリゴリエヴナ:「御高説はもう結構よ~、シェリー・ミルズ」
シェリー・ミルズ:「……そう。やはり──貴女が」
ナターリア・グリゴリエヴナ:「ノコノコ出てきちゃって~……アンタはねえ、ここで死ぬの」
シェリー・ミルズ:目を細める。「随分と、自信ありげね」
ナターリア・グリゴリエヴナ:「自信ありげなのはアンタでしょう?」
ナターリア・グリゴリエヴナ:「昔の女の娘ってだけで、おこぼれで幹部ヅラしちゃってさ~」
シェリー・ミルズ:「それだけで、あの男が」
シェリー・ミルズ:薄く、心底嫌そうに笑う。
シェリー・ミルズ:「アタシに任せたのだと──本当にそう思ってるのなら」
シェリー・ミルズ:「……何も見えていないわよ。貴女」
ナターリア・グリゴリエヴナ:「アア!?」
シェリー・ミルズ:「わざわざ顔を見せに来てくれてありがとう、ナターリア・グリゴリエヴナ」
シェリー・ミルズ:「お陰で。探す手間が省けたわ」
芳井春:《ワーディング》。熱に似た気配が広がる。
ナターリア・グリゴリエヴナ:彼女の部下たちは倒れない。
新見詩:「あっ」くたりと倒れそうになるが、
矢掛翠:横合いから現れて、その体を支える。
芳井春:「いい防具でも買ったか?」シェリーさんたちを追うように飛び出す。
ナターリア・グリゴリエヴナ:「UGNね」
日生日出人:「そうです」春くんの隣に、一歩進み出る。
ナターリア・グリゴリエヴナ:「ま~、アンタらとは組み甲斐がない」
ナターリア・グリゴリエヴナ:「ちょうど良かったわ、纏めて潰せてね」
ナターリア・グリゴリエヴナ:「シェリー・ミルズ、UGN、警察……」
ナターリア・グリゴリエヴナ:「全部潰して、この街の女王になっちゃおうかな」
香上進一郎:す、と彼らと隣に並び立ち。
香上進一郎:「このまちの“女王”は」
香上進一郎:「一人でいい。そう思っていましたけど」「今は違う」
香上進一郎:ごぎり、と指を鳴らす。「だが、そう“何人もは、必要じゃない”」
香上進一郎:「貴女にその器があるとは、到底」
香上進一郎:「思えないな」
倉間美舞:「つーか何でその3なんだよ」背後を取るように配置している。
倉間美舞:「テメー以外全員じゃねえのか」
“汀”:「だってねえ?そこ3つには共通点があるもの」ナターリアの傍らにするりと寄っている。
“汀”:「女がトップになれない組織」
“汀”:「そんなのはいらない」
日生日出人:「トップになれないわけじゃないよ」眉を寄せ、彼女を見つめて言う。
“汀”:「この街で幅を利かせてるトップが女でもね」
“汀”:「結局は、更に上の男のドレイでしょ?」
日生日出人:「そんな風に思うのは…」
日生日出人:「男の人に好きって言って、キスとかすれば、自分を好きになってくれるって、思ってるから」
日生日出人:「そう、うまくはいかないのに」
“汀”:「ううん。それは上手くは行かない時」
“汀”:「うまくいくときはね。キスも言葉もいらない」
“汀”:「匂いでわかるの。こいつは私をどう思うかって」
日生日出人:「……ふふ」目を細める。「俺はどうだった?」
“汀”:「好奇心の裏に、強い不信感」
日生日出人:「うん」認める。「だって……、なに考えてるか、わかんなかったから」
日生日出人:「でも、仲良くしたいって言ったのは、だから、ほんとだったし」
日生日出人:「それに、みぎわちゃんが『わかる』って言ってくれたのだって、ほんとだと思ったし」
日生日出人:「……聞けばよかったなって思ったんだよね」
日生日出人:「男の俺と女の俺、どっちが好きって」
“汀”:「あは。今答えてあげる」
“汀”:「今はね」
“汀”:「どっちもキライよ」
日生日出人:「今はね」ふっと笑う。
日生日出人:「もっと話しておけばよかったなあ」
日生日出人:「しょうがないや」
日生日出人:呟くように言ってから。「……じゃあ、かかってきてよ」
ナターリア・グリゴリエヴナ:「御託は終わり~?」
日生日出人:視線を銀髪の女に向ける。
ナターリア・グリゴリエヴナ:「じゃ、今度こそ死んでもらうわ。あんたら、まとめてさァ!」
シェリー・ミルズ:「『そうはならない』」
シェリー・ミルズ:断言するように。呟いて、指先をつい、と動かす。
シェリー・ミルズ:「できるものなら、やって見せて頂戴」
ナターリア・グリゴリエヴナ:「この小娘……!」
ナターリア・グリゴリエヴナ:「お望み通り、ブチ殺してやるッ!」
GM:クライマックス戦闘を開始します。
GM:衝動判定です。難易度は9。
シェリー・ミルズ:(1-1+2)dx+2>=9 衝動判定
DoubleCross : (2DX10+2>=9) → 2[1,2]+2 → 4 → 失敗

芳井春:『使い物にならない』/Dロイス【組織の助力】を使用。従者の方に判定させます
シェリー・ミルズ:ふふっ 意志弱々
芳井春:能力値10、技能LV5として判定。あと2回
日生日出人:4dx>=9
DoubleCross : (4DX10>=9) → 9[1,7,8,9] → 9 → 成功

香上進一郎:5dx+3>=9 思い出ブランケット
DoubleCross : (5DX10+3>=9) → 7[2,3,6,6,7]+3 → 10 → 成功

芳井春:従者にさせてよかったっけ
シェリー・ミルズ:83+2d10
DoubleCross : (83+2D10) → 83+9[6,3] → 92

香上進一郎:香上進一郎の侵蝕率を2d10(→ 11)増加 (89 → 100)
日生日出人:日生日出人の侵蝕率を2d10(→ 17)増加 (94 → 111)
日生日出人:17あがったの?
シェリー・ミルズ:わァ……!
香上進一郎:すご…
GM:やば
血肉細工:12DX+5>=9
DoubleCross : (12DX10+5>=9) → 9[1,2,2,3,3,3,3,4,4,4,6,9]+5 → 14 → 成功

GM:従者はしないよ
芳井春:本体の代わりにこいつが判定はむりだったっけ
香上進一郎:かわいい
GM:むり
芳井春:うす!
芳井春:じゃあ修正!
芳井春:9DX+5>=9
DoubleCross : (9DX10+5>=9) → 10[1,1,2,3,4,6,8,8,10]+8[8]+5 → 23 → 成功

芳井春:芳井春の侵蝕率を2d10(→ 7)増加 (86 → 93)
香上進一郎:さす助力
シェリー・ミルズ:つよつよじゃんッッッ
日生日出人:交換してくれ その侵蝕率上がり幅
GM:本体のほうが強い
芳井春:たまにはネッ
GM:NPCカードが使用可能です。

"エスキース"矢掛翠  タイミング:バックトラック
 バックトラックのダイスを振る前に、2d10侵蝕率を減らしてもよい。

"ミクトラン"倉間美舞  タイミング:メジャー
 ラウンド1回。その判定のダイスを+5個するか、攻撃力を+10する。
 対象へのロイスを取得している場合、効果が倍になる。

"メディシナリス"グレイ・バーンズ  タイミング:メジャー
 ラウンド1回。その判定のダイスを+5個するか、攻撃力を+10する。
 対象へのロイスを取得している場合、効果が倍になる。

香上進一郎:arigate~
芳井春:グレイもいる!
芳井春:嬉しいね
シェリー・ミルズ:グレイ~♡
日生日出人:ロイスを取得してる場合とはね…!
芳井[5]従者[8]日生[9]
 香上[7]シェリー[3]

    5m

汀[10]ナターリア[8]
ドレス姿の女性たち[8]
GM:初期配置はこう 勝利条件は 汀およびナターリアの撃破です。
芳井春:ウス!
日生日出人:了解です!
香上進一郎:あっファミリア構成員たてぃは?
GM:セットアップ。
ナターリア・グリゴリエヴナ:《戦力増員》《狂騒の戦律》《波紋の城塞》
芳井春:呼ぶってことかよ‥‥!
香上進一郎:呼んでるじゃねえか!
シェリー・ミルズ:増えるぅ!
ナターリア・グリゴリエヴナ:同エンゲージにファミリア構成員(重装)とファミリア構成員(遺産)が出現。
日生日出人:きちゃった!
日生日出人:セットアップなし!
芳井春:あ、ないです
香上進一郎:なしです。
シェリー・ミルズ:同じくなし。
ナターリア・グリゴリエヴナ:さらに周囲の攻撃力を上げて暴走、装甲値を上昇。
日生日出人:ぎええ~
芳井春:優秀だなこいつ…
“汀”:狂騒の戦律の効果を拒否します。
ナターリア・グリゴリエヴナ:本人は憎悪の変異暴走になります。
ナターリア・グリゴリエヴナ:通常の暴走の効果に加え、攻撃されたものへ対しての憎悪が付与されます。
“汀”:PCのエンゲージ全員に《甘い芳香》。
“汀”:行動値を-8。
香上進一郎:ゲ!
芳井春:ニャーン
日生日出人:なにっ
シェリー・ミルズ:しおしお
芳井春:のそのそ
芳井[0]従者[0]日生[1]
 香上[0]シェリー[0]

    5m

汀[10]ナターリア[8]
ドレス姿の女性たち[8]
ファミリア重装[7]ファミリア遺産[7]
GM:こうなりました
芳井春:ヤバーイ
日生日出人:たいへんなことですよ!
香上進一郎:サングラスが濡れて力が出ないぜ
GM:じゃあ行動値10の汀からボコボコにしちゃおうかな
芳井春:なにをする~
“汀”:マイナー《陽炎の衣》。隠密状態に。
芳井春:ズルい!
シェリー・ミルズ:この~~~
香上進一郎:卑怯者!
“汀”:メジャー《テンプテーション》《恐怖の一言》《抗いがたき言葉》《タブレット》《ポイズンフォッグ》
“汀”:PCのエンゲージ5人に範囲攻撃。命中するとシーン持続であらゆる判定ダイスが-4個。
香上進一郎:やべえって!
日生日出人:そんな~~!
芳井春:ヒン
“汀”:11dx+19
DoubleCross : (11DX10+19) → 10[1,3,4,5,7,7,8,8,9,10,10]+8[3,8]+19 → 37

芳井春:固定値たかいしよ!
香上進一郎:なんだその固定値は
GM:テンプテーションのちから
シェリー・ミルズ:Power...
日生日出人:起これ!奇跡!うおおドッジします
日生日出人:4dx+1>=37
DoubleCross : (4DX10+1>=37) → 8[4,5,7,8]+1 → 9 → 失敗

シェリー・ミルズ:暴走リア不!
香上進一郎:同じくドッジします
日生日出人:奇跡起こりませんでした
香上進一郎:5dx+1>=37
DoubleCross : (5DX10+1>=37) → 9[4,5,7,8,9]+1 → 10 → 失敗

香上進一郎:同じく…
芳井春:ガードします
血肉細工:こいつもガード。
血肉細工:ええと、メジャー放棄でヒナセをカバー。宣言ここでいいかな
日生日出人:ありがと~!大丈夫だよ~
血肉細工:そしてコンボ『いなくなれ、と■は言う』/《自動触手》《蒼き悪魔》のみで。
血肉細工:汀さんに30のHPダメージを付与します。
“汀”:痛すぎる 体力少ないのに……
芳井春:芳井春の侵蝕率を5(→ 5)増加 (93 → 98)
“汀”:4d10+6 装甲無視
DoubleCross : (4D10+6) → 31[8,6,10,7]+6 → 37

GM:めっちゃ高いなダメージダイス……
血肉細工:こいつは死んで消滅します。
シェリー・ミルズ:行動値ゼロになってるところに、行動値下がる防具って装備できないんですっけ……?
GM:できないぜ
シェリー・ミルズ:ひーん! 最初から着ておくべきだった
GM:装甲無視よ~
芳井春:ギャーン
日生日出人:みんな~~!
シェリー・ミルズ:ぎゃん!どっちにしても一緒だった 37点もらってリザレクトします
シェリー・ミルズ:シェリー・ミルズの侵蝕率を1D10(→ 7)増加 (92 → 99)
芳井春:戦闘用着ぐるみガード値12
日生日出人:器用なリザレクト
香上進一郎:37!
芳井春:死ぬ!リザレクト
芳井春:芳井春のHPを1d10(→ 9)に変更 (23 → 9)
芳井春:芳井春の侵蝕率を9(→ 9)増加 (98 → 107)
香上進一郎:死にます!
香上進一郎:で、死亡時に《ラストアクション》。メインプロセスを開始させていただくぜ
GM:なにっ
GM:いいでしょう 来な……!
香上進一郎:マイナーでエネミーたちにエンゲージ……
香上進一郎:行動値が!足りねえ!
シェリー・ミルズ:の前に!
シェリー・ミルズ:"盤上は赤か黒かルージュ・ヌワール" 《間隙の魔術師》 侵蝕[+5]
シェリー・ミルズ:対象の戦闘移動・全力移動直前に宣言 対象は任意の位置に移動可能 その後の白兵攻撃力[+20]
香上進一郎:やった~~!
シェリー・ミルズ:シェリー・ミルズの侵蝕率を5(→ 5)増加 (99 → 104)
香上進一郎:ありがとうございます!では任意の位置……もちろんエネミーたちだぜ
芳井[0]日生[1]シェリー[0]

    5m

汀[10]ナターリア[8]香上[0]
ドレス姿の女性たち[8]
ファミリア重装[7]ファミリア遺産[7]
香上進一郎:メジャーでナターリアさんにコンボ:Gambit! 《インスタントボム》+《ブラストフォーカス》+《ストライクモード》
GM:やめろ!装甲無視を
香上進一郎:ダイスデバフ加味してふりま~す
香上進一郎:1dx+26
DoubleCross : (1DX10+26) → 5[5]+26 → 31

GM:-4個だぜ くるしめ
香上進一郎:なんとかなれ~!
GM:そんな……
GM:じゃあ……
GM:ファミリア構成員【遺産】が《支配の領域》。
香上進一郎:あん!?
GM:5を1にします。ファンブルしてね。
芳井春:なんだァ!?
日生日出人:何ィ!
香上進一郎:なんてコンボなのだ…!
芳井春:それに打ち勝てる力…
芳井春:そんなもの…!
香上進一郎:これファンブル扱いになると
香上進一郎:出目修正とかいただいても失敗扱いかなあ?
シェリー・ミルズ:当たらないはず なので
GM:そうよ
シェリー・ミルズ:"幸運ピアン・シャンス"  《妖精の手》 侵蝕[+4]
芳井春:ウオオオ
GM:そんな……
香上進一郎:ヒィ~~!
シェリー・ミルズ:シェリー・ミルズの侵蝕率を4(→ 4)増加 (104 → 108)
香上進一郎:申し訳ねえ~!
シェリー・ミルズ:再回転……させな!
香上進一郎:ありがとう!
芳井春:力には力
香上進一郎:1dx+36
DoubleCross : (1DX10+36) → 3[3]+36 → 39

日生日出人:さらに!
芳井春:ウオオ
日生日出人:《宵闇の魔花》を使用します。達成値+6して、代わりに5点HP失ってね
香上進一郎:ウオオ~~!これが九株市UGN・ファミリア連合軍の力だ!
芳井春:ウオオー
日生日出人:日生日出人の侵蝕率を4(→ 4)増加 (111 → 115)
香上進一郎:これラスアク中の動きなんですけど
GM:失い放題です
香上進一郎:一回ロイス切って復活!して5点減らす…という動きに……
香上進一郎:ならねえ!ウッヒョ~!!
香上進一郎:バグ技みたいになってる
香上進一郎:では達成値45ですね!
ナターリア・グリゴリエヴナ:暴走でリアクション不可。
GM:カバーもない みんな暴走してるから…… ダメージどうぞ
香上進一郎:NPCカードの使用を宣言します。

"ミクトラン"倉間美舞  タイミング:メジャー
 ラウンド1回。その判定のダイスを+5個するか、攻撃力を+10する。
 対象へのロイスを取得している場合、効果が倍になる。

香上進一郎:なんか……
香上進一郎:対象へのロイス?を持っている?っぽいので
香上進一郎:攻撃力が+20されるらしいですね。
GM:へ~ どういう感情なんですか?
香上進一郎:染み入るほどの恥辱
香上進一郎:ダメージを回してやる
GM:じゃあ恥辱ダメージロールどうぞ
香上進一郎:5d10+28+4d10+20+20
DoubleCross : (5D10+28+4D10+20+20) → 18[2,6,3,3,4]+28+18[3,2,4,9]+20+20 → 104

香上進一郎:これがオレの負った傷だ
ナターリア・グリゴリエヴナ:死ぬって!
芳井春:ヤバ
日生日出人:3桁いっとる!
ナターリア・グリゴリエヴナ:秘密兵器 リビングコートの効果を使用。
香上進一郎:あっ装甲無視です
ナターリア・グリゴリエヴナ:104-4d10
DoubleCross : (104-4D10) → 104-20[3,4,7,6] → 84

香上進一郎:やるな!
ナターリア・グリゴリエヴナ:使い捨てでダメージを軽減して……
ナターリア・グリゴリエヴナ:アブね~ ギリギリ生きてます
日生日出人:なにぃ~
香上進一郎:ニャン……素手破壊して手番以上です。
香上進一郎:香上進一郎の侵蝕率を13(→ 13)増加 (100 → 113)
香上進一郎:香上進一郎の侵蝕率を5(→ 5)増加 (113 → 118)
香上進一郎:ロイスを切って復活します。
香上進一郎:え~と シェリーさんのロイスをタイタス昇華します。
ナターリア・グリゴリエヴナ:あとなんか……分かりませんけど
ナターリア・グリゴリエヴナ:反撃手段があった気がしますが ラスアク中だから意味ないみたいですね
香上進一郎:ワハハ
ナターリア・グリゴリエヴナ:とりあえず殴ってきたので憎悪します
香上進一郎:ニコッ
GM:演出に入りましょう。汀の攻撃から!


“汀”:ふわり、と周囲に甘い香りが舞う。香水だろうか?
“汀”:それが君たちの体を重く縛り付けるときには、彼女の姿は消えている。
“汀”:だが、君たちの意識は、消えたはずの汀に縛られ続けている。
芳井春:「……!」
“汀”:そういう魅惑の呪いだ。あるはずのない彼女の姿を探し、脳が過負荷に軋む。
芳井春:手がライターへ伸びない。揺れる脳の中。
“汀”:「さあて。どーこだ」
芳井春:女を探せない。だが。そこに混じる僅かな…しかし確かな。
血肉細工:焦げた薫り。血の臭い。
日生日出人:「こういうの得意だね、みぎわちゃん…」鼻のあたりを手の甲で抑えながら顔をしかめる。
芳井春:そうした悪臭が、わずかに妨げるようにヒナセの周囲を巡る。一瞬の炎、そして消える。
日生日出人:甘い香水よりも強い、血なまぐさい生の匂い。ちらついて消える。呼吸をするのには充分程度の。
日生日出人:「……シェリーさんっ」振り向く。「ここは、ひとりだけの空間じゃないって」
日生日出人:「教えてあげちゃお」
芳井春:(届いた)それで十分だった。
シェリー・ミルズ:思考の一部が常に拐かされているような感覚。頭痛を、大きく息を吐いて振り払いながら、
シェリー・ミルズ:「……ええ。ここに"誘い込んだ"のはアタシ達の方」
シェリー・ミルズ:この空間は、既にシェリー・ミルズの巣の中だ。
シェリー・ミルズ:「カガミ」 既に構えを取っている青年に、声を。
シェリー・ミルズ:了解を得るより、先に 「"跳んで"」
香上進一郎:例えようの無い陶酔感。がくりと膝を付きそうになるも。
香上進一郎:打ち合わせをしていた訳では無い。然し。己は既に何度も“視て”いる。
シェリー・ミルズ:──ひぅ、ん。 既に二度、聴いた音。
シェリー・ミルズ:足先を地の表層から掬い上げられるような感覚、その刹那の後には、
シェリー・ミルズ:青年の身体はまるで己の意志で"跳んだ"ように、獲物の傍に現れている。
香上進一郎:極限までに研ぎ澄まされた絶技。その指使いを。
香上進一郎:信じている。
シェリー・ミルズ:──巣の"女王"が命ずる。掛かった獲物を、確かに排せと。
香上進一郎:白髪の女性の懐。地を這うような低い体勢で、ぎらりと上目で彼女を睨みつけ。
ナターリア・グリゴリエヴナ:「なっ……」
香上進一郎:構えた拳を握りしめたまま屈伸。腿から背中、三頭筋にかけてを爆破。
香上進一郎:ぎゃり、と革靴がフロアを擦り削る音と共に。
日生日出人:後方でさらにもう一人…領域に身を溶かす。腹から己をめくりあげれば、生まれる虚無の漆黒。
日生日出人:この空間を自らの"体内"と識別、少年もろとも"捻じ曲げる"。
日生日出人:彼が立つ場所が、その一歩を押し上げるような心地を…幻覚を与え。
日生日出人:その弾丸を発射させる。
香上進一郎:その姿が歪み、拳の軌道も予測不能に。
香上進一郎:────“ウラハラ”にねじ曲がる。
香上進一郎:落雷のような轟音。腹部に深々と右拳が突き刺さる。
ナターリア・グリゴリエヴナ:「ゴブッ……」だが浅い……否。
ナターリア・グリゴリエヴナ:着弾の瞬間に、小爆発のような感触。
GM:恐らくは服の下に、爆発性の装甲を着込み衝撃を軽減していた……が。
倉間美舞:もう一人、君に呼応するように飛んでいる。
倉間美舞:能力ではない、純粋な身体能力による跳躍。
倉間美舞:飛び上がった彼女の膝が、よろめく女の横面を叩きつけるようにして吹き飛ばした。
日生日出人:「ナイスっ」後ろで声をあげる。
シェリー・ミルズ:「……ふふっ。良い連携ね」
芳井春:「ナイスコンビ」笑う。
倉間美舞:くるりと振り向く。「トドメ譲りご苦労」
香上進一郎:ち、と舌打って。「倒してから言え」
倉間美舞:「あ?」
ナターリア・グリゴリエヴナ:「ゴハッ……ゴホッ……!」
ナターリア・グリゴリエヴナ:吹き飛ばされた女が、ゆるゆると起き上がる。
香上進一郎:「女王の座を狙うだけはありますね」
倉間美舞:「うっわ。しぶと」
ナターリア・グリゴリエヴナ:「この私にこうも楯突くなんて……!」
香上進一郎:ト、ト、とステップを踏み、構えを新たにする。
香上進一郎:(これでいい)
香上進一郎:オレたちの開戦の狼煙に相応しい、攻撃的な序盤形オープニングだ。
香上進一郎:他の駒を活かすために。ポーンオレたちで、その後のイニシアチブを取り続ける。
香上進一郎:(クイーンズ・ギャンビット)
ナターリア・グリゴリエヴナ:「чертов ребенокクソガキどもが……」
倉間美舞:「来いよтётяオバサン」煽りながら香上の後ろに立つ。
ナターリア・グリゴリエヴナ:「сука――!」


GM:行動値8。ナターリアの手番をやります
芳井春:ナニヲスルー
ナターリア・グリゴリエヴナ:マイナーなし メジャーは《コンセントレイト:ノイマン》《コントロールソート》《疾風の弾丸》《神機妙算》《マルチウェポン》
ナターリア・グリゴリエヴナ:いや……
ナターリア・グリゴリエヴナ:《コンセントレイト:ノイマン》《コントロールソート》《マルチウェポン》  こうです 同エンゲージ単体攻撃しないといけないので
香上進一郎:誰かな~?
ナターリア・グリゴリエヴナ:香上ボコす!
芳井春:モテモテじゃん。
香上進一郎:ギャア~~!!後ろの女にしてくれ!
ナターリア・グリゴリエヴナ:使用武器はフォールンピストル*2。その効果を使用し、リアクションのC値を+2。
ナターリア・グリゴリエヴナ:9dx7+6
DoubleCross : (9DX7+6) → 10[1,1,2,2,2,6,6,9,10]+10[5,10]+10[7]+3[3]+6 → 39

香上進一郎:無理禁なのでおとなしくガードします!
ナターリア・グリゴリエヴナ:4d10+36 もろもろ有効
DoubleCross : (4D10+36) → 24[2,7,10,5]+36 → 60

香上進一郎:すげえよ この銃弾 最後まで憎悪たっぷりだもん
香上進一郎:後ろでオレのことを盾にしている女こと倉間美舞のロイスをタイタス昇華して復活します。HP12
倉間美舞:あ?いいのか?
香上進一郎:axtu
倉間美舞:2ラウンド目は効果倍にしたくないのか?
香上進一郎:タイタスしたらそっか
香上進一郎:じゃあグレイくんのロイスにしよう。まだお前は使える女
倉間美舞:フ……
香上進一郎:これが俺たちのコンビプレイだ


ナターリア・グリゴリエヴナ:「くたばりなさいッ!」
ナターリア・グリゴリエヴナ:怒れる女が二丁の銃を抜く。その怒声が聞こえるより前に、
ナターリア・グリゴリエヴナ:その弾丸は香上の体にニ発。
香上進一郎:凝視した引き金から読んだ軌道。一発は初撃でイカれた右拳の甲で弾くも。
香上進一郎:「ぐっ……!」続く弾丸、的確に主要な臓器を穿たれて。口から溢れたものが胸元を赤く染め上げる。
GM:その弾丸は高速で回転し、体をその口径以上にひねるように巻き込み抉った。
倉間美舞:「げっ……!」
倉間美舞:「あいつ普通に銃の腕はアホほどあんな……」
倉間美舞:「年季入ってるだけあるのか」
香上進一郎:(あー……芳井先輩)すみません、と呟いて後退し。
香上進一郎:「シャレで着てるわけじゃ、無さそうだ」
香上進一郎:軍服を睨みながら軽口で答える。


GM:次はトループたちの手番。
GM:まずはドレス女性たちです
GM:choice[芳井,日生,シェリー]
DoubleCross : (choice[芳井,日生,シェリー]) → 日生

GM:マイナーなし、メジャー《コンセントレイト:ブラムストーカー》《紅の刃》
日生日出人:ぎゃ~っ
GM:7dx8+1
DoubleCross : (7DX8+1) → 10[1,1,3,8,8,9,10]+7[4,6,6,7]+1 → 18

日生日出人:これはワンチャンあるか
日生日出人:ドッジします!
日生日出人:4dx+1>=18
DoubleCross : (4DX10+1>=18) → 7[2,7,7,7]+1 → 8 → 失敗

日生日出人:だめだこりゃ!《領域の盾》でカバーリングしてもらいます
日生日出人:春くんお願いしていいですか~
芳井春:任せな~!
日生日出人:よろしく!
芳井春:カバーします。
日生日出人:日生日出人の侵蝕率を4(→ 4)増加 (115 → 119)
GM:2d10+20 もろもろ有効
DoubleCross : (2D10+20) → 2[1,1]+20 → 22

GM:おい!サボるな
日生日出人:やっぱ顔か?
香上進一郎:ファン…?
香上進一郎:ダメダイスか…
GM:顔かも……
芳井春:えっと、これ私は装甲が載って良いんだっけ
GM:ガードも装甲も大丈夫よ
芳井春:クリスタルシールドと戦闘用着ぐるみで装甲12、ガード値12あって
芳井春:えっと…だから…無傷で合ってる?
日生日出人:ひえっ
GM:顔に負けてんじゃね~~~!
芳井春:ありがとうございます
日生日出人:春くんかっこい~~~!
芳井春:顔が良くて良かったです
シェリー・ミルズ:傷付けられないほどに顔がいい~
香上進一郎:先輩はさすがだなあ
GM:許せねえ 続けてファミリア攻撃行きます
GM:重装がマイナーで暴走解除 メジャー《アタックプログラム》《形なき剣》《要の陣形》
GM:芳井日生シェリーかなこれは。3人を攻撃します
日生日出人:うおお こいっ
シェリー・ミルズ:ひーん
芳井春:こーい
GM:5dx+12
DoubleCross : (5DX10+12) → 5[1,3,4,5,5]+12 → 17

GM:ドッジダイスは-4個です
芳井春:ガード!
GM:抗えない人はそれも忘れずにね
日生日出人:振れなくなる!ガードになります
シェリー・ミルズ:ダイスが……振れない! というか暴走リア不でした
日生日出人:もっかい《領域の盾》します 春くんお願い~
芳井春:ワーイ
芳井春:守りまーす!
日生日出人:日生日出人の侵蝕率を4(→ 4)増加 (119 → 123)
日生日出人:たのみまーす!
GM:2d10+5+18 もろもろ有効
DoubleCross : (2D10+5+18) → 13[10,3]+5+18 → 36

芳井春:さすがに死ぬ!
シェリー・ミルズ:耐えられない~ 九株市のロイス切って蘇生 HP15点です
日生日出人:みんなぁ~~
芳井春:ので、 汀 誠意/〇隔意で取得しタイタス化、昇華して復活します。
芳井春:HP13
GM:続けて遺産ファミリアの手番に行くよ~
GM:やって大丈夫かな
芳井春:おいでやす~
日生日出人:どうぞ~
香上進一郎:いさんかえして~
シェリー・ミルズ:そうだそうだ~
芳井春:マジでそう
日生日出人:あっすいません!お待ちください!
日生日出人:ここでナターリアさんにロイスを 誠意/脅威:〇 で取得しロイス昇華
日生日出人:不利な効果を消して行動値を元に戻します!
GM:チッ……
GM:では行動値9の日生さんの手番になります
日生日出人:し…舌打ちした
日生日出人:はい!行動します
日生日出人:マイナーで5mの戦闘移動、敵のエンゲージに行きまして
日生日出人:メジャーでコンボ『いるから以内』:《流刑者の大鎌》《オールレンジ》《ディストーション》《コンセントレイト:エグザイル》。
芳井[0]シェリー[0]

    5m

汀[10]ナターリア[8]香上[0]日生[9]
ドレス姿の女性たち[8]
ファミリア重装[7]ファミリア遺産[7]
GM:やめろ~~~
日生日出人:対象は汀・ナターリア・ファミリア構成員(遺産)の3体!
日生日出人:うおおお
日生日出人:(11+3)dx7+5 とうりゃーっ
DoubleCross : (14DX7+5) → 10[2,3,4,6,6,8,8,9,9,9,10,10,10,10]+10[1,1,2,3,4,6,8,9,9]+10[2,10,10]+4[2,4]+5 → 39

芳井春:これは!
芳井春:バ
シェリー・ミルズ:デ
香上進一郎:ィムーブ!
香上進一郎:します!達成値+3どうぞ!
日生日出人:うおおお42!
芳井春:できた後輩がよ
GM:《支配の領域》しがいがなさすぎる……
シェリー・ミルズ:完璧なサポート誇らしくないの?
香上進一郎:へへっ…
GM:遺産ファミリアは暴走リア不
ナターリア・グリゴリエヴナ:ナターリアも暴走リア不
“汀”:《命の盾》でドッジ
“汀”:11dx+11
DoubleCross : (11DX10+11) → 10[1,2,3,3,5,5,6,7,8,9,10]+9[9]+11 → 30

GM:チッ……
芳井春:がんばるんじゃねえ!
香上進一郎:こわ!
日生日出人:ひえ~~~
GM:暴走が解けたので 重装ファミリアが《マグネットフォース》
GM:ナターリアをカバーリングします
芳井春:あっ!こいつー!
香上進一郎:これは!
香上進一郎:デ
芳井春:ビ
シェリー・ミルズ:ルストリングの出番!
シェリー・ミルズ:"不運マル・シャンス"  《デビルストリング》 侵蝕[+6] 制限なしオートを打ち消す
シェリー・ミルズ:そのマグネットフォースを打ち消す!
GM:ゆ……ゆるせない!
GM:ワルの敵のやつ!
シェリー・ミルズ:シェリー・ミルズの侵蝕率を6(→ 6)増加 (108 → 114)
芳井春:悪役令嬢
シェリー・ミルズ:ホーッホッホッホ
香上進一郎:婚姻破棄!
GM:じゃあもう受けるしかないです ダメージどうぞ!
日生日出人:うおおお
日生日出人:Dロイス破壊者の効果でダメージダイス+1d10!
日生日出人:5d10+11+3d10 装甲有効
DoubleCross : (5D10+11+3D10) → 25[6,6,5,1,7]+11+13[4,4,5] → 49

GM:オボボボボ
芳井春:《餓鬼魂の使い》を二回使用します。対象はそれぞれ汀、ナターリア。
GM:まちな
芳井春:おっ
“汀”:嫌悪のアージエフェクト《拒絶の後光》。
“汀”:ダメージを0にし暴走します。
日生日出人:何~ッ
香上進一郎:ゲッ!ってことは
“汀”:嫌悪の変異暴走で、通常の暴走の代わりに、誰かがエンゲージにいると達成値-10。
香上進一郎:餓鬼魂が!
芳井春:チェーッ!では対象はナターリアのみに。
GM:そうだぜ
芳井春:邪毒レベル3を付与します。
芳井春:芳井春の侵蝕率を3(→ 3)増加 (107 → 110)
ナターリア・グリゴリエヴナ:ギャア~
シェリー・ミルズ:アーッハッハッハ 苦しむがいいわぁ
日生日出人:ぬっ……おいおいGM!聞いてもいいかい!
GM:遺産ファミリアは死にます 手番がまだなのに……
GM:ムッなんだね
日生日出人:達成値-10デバフだってェ~~!?
日生日出人:そいつはなんだか……そういうのが消滅する効果を…俺たちは手に入れてる気がするぞッ
GM:あっ違う!これは
GM:汀が被るデメリットだぜ
日生日出人:なるほどね
シェリー・ミルズ:暴走してる時周りに人がいると全てが嫌になっちゃうのよ 汀ちゃんは
香上進一郎:は~なるほどね
日生日出人:日生日出人の侵蝕率を14(→ 14)増加 (123 → 137)
芳井春:難儀ね
日生日出人:よっこいしょ じゃあ大丈夫!
ナターリア・グリゴリエヴナ:ナターリアもHP0になりますが……
GM:あっその前に 遺産ファミリアにEロイスがありました
GM:Eロイス『死は甘きもの』。
GM:ダメージを受けるたび、ダメージを与えた相手の侵蝕率+3。
芳井春:な、なんだそれ!
香上進一郎:うひ~
GM:最後っ屁です 上げておいてね
シェリー・ミルズ:ジャーム化してるんじゃね~~~~~ッ
日生日出人:やん…
日生日出人:日生日出人の侵蝕率を3(→ 3)増加 (137 → 140)
ナターリア・グリゴリエヴナ:んでこいつは 《ラストアクション》
香上進一郎:おい!パクるな
芳井春:ww
ナターリア・グリゴリエヴナ:メジャーで《サイレンの魔女》。
香上進一郎:マジ!?
芳井春:ああ!?
日生日出人:ぎゃ ギャ~ッ
芳井春:何だおまえ!
シェリー・ミルズ:な、なにをする~~~
ナターリア・グリゴリエヴナ:9dx
DoubleCross : (9DX10) → 10[2,2,5,7,7,7,8,9,10]+2[2] → 12

GM:がんばった
香上進一郎:バディきっちまったぜ
GM:対象は全員だぜ
日生日出人:うおおお 避けてくれ~~~~っ
香上進一郎:魂のドッジ!
日生日出人:5dx+1>=12
DoubleCross : (5DX10+1>=12) → 10[1,3,5,7,10]+10[10]+6[6]+1 → 27 → 成功

香上進一郎:1dx+1>=12
DoubleCross : (1DX10+1>=12) → 9[9]+1 → 10 → 失敗

GM:やば
日生日出人:や や や やった~~~~~~!!!!!
香上進一郎:あっあと2
シェリー・ミルズ:うー暴走してるからだめだ リア不
芳井春:ハーッ ハーッ 装甲無視か じゃあドッジか…
シェリー・ミルズ:カガミ、妖精いっとく?
香上進一郎:ほしかも…
シェリー・ミルズ:"幸運ピアン・シャンス"  《妖精の手》 侵蝕[+4] カガミのドッジを再回転!
香上進一郎:うお~~~多大なる感謝
芳井春:『使い物にならない』/Dロイス【組織の助力】を使用。
シェリー・ミルズ:シェリー・ミルズの侵蝕率を4(→ 4)増加 (114 → 118)
香上進一郎:1dx+11>=12
DoubleCross : (1DX10+11>=12) → 9[9]+11 → 20 → 成功

香上進一郎:よけられました!
芳井春:能力値10、技能LV5として判定。あと1回
芳井春:従者ない場合ってデバフはどうなるんでしたっけ…
GM:侵蝕ボーナスがそのまま入るだけだぜ
芳井春:おし。ではダイボ+ 3
芳井春:13DX+5>=12
DoubleCross : (13DX10+5>=12) → 10[1,1,1,3,4,4,5,6,7,7,7,9,10]+3[3]+5 → 18 → 成功

芳井春:オッシャ!
香上進一郎:ナイスゥ~
日生日出人:よかった~~!
芳井春:組織って最高
GM:クソ~~~
GM:1人じゃん!サイレンなのに
シェリー・ミルズ:うおおお ダメージ来い
ナターリア・グリゴリエヴナ:2d10+30 装甲無視
DoubleCross : (2D10+30) → 11[9,2]+30 → 41

シェリー・ミルズ:殺意の塊がよ…… カガミくんのロイス切ります HP15点で復活
香上進一郎:やったるで
ナターリア・グリゴリエヴナ:《蘇生復活》します。
GM:じゃあここまでの演出をしていきましょう


GM:ドレス姿の女たちが指を構える。その指先から、鮮血のような刃が発生し、殺到する。
GM:バルクの――汀の抱える暗殺者らであろう。
日生日出人:「全員相手してらんないっ…」
日生日出人:「春くん!3秒守って!」
芳井春:大柄な体で、ひとつその鮮血の道を塞ぐ。
芳井春:「3秒でいいのかよ」
芳井春:「話したいこと、あるんじゃないのか。あいつらに」
芳井春:「そういう顔してる」
日生日出人:「うん、だから」1秒。仕込み刀を構える。
日生日出人:「話に」2秒。抜刀。
日生日出人:「行ってくる!」3秒。姿が消失。
芳井春:「行ってこい!」
GM:それに追随して、ファミリアの構成員が、次々と銃やそうでない異様な兵器を構えたが。
GM:見失う。
日生日出人:……己を幻覚物質に変換し、『体内』と称する領域に同化させる。
日生日出人:『体内』において、日生日出人は何でもできて、どこにでもいる。どこにでもいるから、どこにもいない。
日生日出人:ちぐはぐで、ウラハラに。
日生日出人:幻覚能力を解放。男女入り乱れた姿が空間に何人も出現し────次々と構成員たちを切り伏せる。
日生日出人:「みぎわちゃんっ」 ……その中で、本体と言える日生日出人が、彼女の真上に出現。
“汀”:「うわ。ビビった」
日生日出人:「ふ」さかさまになったまま、間合いを図る。「聞きたいことあんだよね」
日生日出人:「男の人悦ばすの、嫌いなの?」
“汀”:「……」
“汀”:「分かんなくなった」
日生日出人:「そっか」
日生日出人:「俺はね、まだ、好きだよ。男の人でも、女の人でも」
日生日出人:「言葉をかけてね、キスとかして……、そしたらその人が、俺の事、好きになってくれるの」
“汀”:「そうやって媚びても、どうせ……」
“汀”:「私たちは下に見られてるよ」
“汀”:「あくまで、男のトロフィーでしかない」
日生日出人:「……見た目ね、綺麗にしてるから」
日生日出人:「そこにいてね、にこにこしてるだけでいいのかなとか……」
日生日出人:「……、中身見て、好きになってくれたらいいなって、思うんだけどね」
“汀”:「……こっちにつく?」
“汀”:「私たちは、そういう世界を変えてやるつもり」
日生日出人:「うん」
“汀”:「そうやって、私達を女として欲しがる男たちをね」
“汀”:「ぜんぶ首からすげ替えたら。少しは良くなると思わない?」
日生日出人:「…だめだよ」
日生日出人:「だからって、人を殺すみたいなやり方するのは、絶対だめだよ」
日生日出人:「説教、したいわけじゃなくて…ただ、俺は」
“汀”:「心は変わらないよ?」
“汀”:「心を入れ替えるって言ってても、それは口だけ」
“汀”:「匂いは変わらない。分かるの」
日生日出人:「……うん」何か言いかけた口を閉じる。「そうだよね」
日生日出人:「こんな説得したって、たぶんみぎわちゃんは、投降とかしてくれないし」
日生日出人:みぎわちゃんに対するロイス感情を変更します。
日生日出人:好奇心/悔悟:〇/ → 敵愾心:〇/好意
“汀”:スン、と鼻を鳴らす。その顔に困惑の色が浮かぶ。
日生日出人:「……俺が、みぎわちゃんのこと倒さなくちゃって思うためのやりとりだよ、こんなの」
日生日出人:「普段は、あんまこういうこと言わないけど……」刀を向ける。「…倒れてもらう」
日生日出人:掌握した空間を捻じ曲げ、一気に間合いに踏み込む。
日生日出人:その身を狙い、一息に切り払う──
“汀”:たしかにその太刀筋は、過たず捉えているはずだった。
GM:「ぐうっ……!」そこから漏れた悲鳴は、汀のものではなかった。
日生日出人:「っ」
“汀”:「……はずれ」
日生日出人:「ずる」笑って言う。
GM:周囲の景色がビリビリと震え、そこに倒れ伏すドレスの女があった。
“汀”:「だってできちゃうから。ずる」
日生日出人:「そーやって、独りよがりみたいな気分にさせるんだ」
日生日出人:倒れた女を見下ろす。「……いいよ、慣れてる」
日生日出人:「何回でも付き合ってもらうだけだし」
日生日出人:空間とともに踏み込む。ちぐはぐな感情のまま、女を再び狙う。
ナターリア・グリゴリエヴナ:「私を――」銃を構えた女が叫ぶ。「無視するなァ~!」
ナターリア・グリゴリエヴナ:そうして、次撃に移る相手を狙おうとした。
芳井春:舞う斬撃が途切れる最中。
芳井春:ヒナセと汀が視界の端に映る。彼女たちが何を話しているかなんて、聞こえない。
芳井春:きっとそうされたいんじゃないかと思った。当たっているかはわからない。
芳井春:少なくとも、自分に任されたことは。自分のすることは。
芳井春:「どっかで見たような遺産の隊だな」
芳井春:「ちゃんと見てるよ」
芳井春:その斬撃に潜り込ませる、火か血か知れぬ赤。
ナターリア・グリゴリエヴナ:「……!」
ナターリア・グリゴリエヴナ:「甘いッ」手で指示を出し、そこに部下を向かわせてかばわせようとする。
シェリー・ミルズ:部下の行動は迅速だった。その赤の斜線上に身体が──
シェリー・ミルズ:────入ることは、ない。
シェリー・ミルズ:「……あら。運のない人」 赤に彩られた指先をつい、と上げて嫣然と笑む。その瞳の先。
シェリー・ミルズ:地に張り巡らされた何か、、偶然、、足を取られ、無様に転んだナターリアの部下の姿があった。
シェリー・ミルズ:倒れ伏したその頭上を、赤い軌跡が過ぎていく。
芳井春:そして届くは、血のように赤い火。
ナターリア・グリゴリエヴナ:「……あ?」
芳井春:今はまだなんの痛みも与えない。
芳井春:あと数刻して爆ぜる運命。
芳井春:「あんたの目的や、動機は俺には分からないが」
芳井春:「奪われたものは」
芳井春:「返してもらう。大事なものらしいんだ」
芳井春:内側から蝕むような火が、点る。
ナターリア・グリゴリエヴナ:「何を……グブッ」
芳井春:内側から焼き尽くす毒の炎が、女を内から焦がし行く。
ナターリア・グリゴリエヴナ:「あああああっ……!」
ナターリア・グリゴリエヴナ:「なんで、なんで私を守らない……」
ナターリア・グリゴリエヴナ:ふと、自分の部下を見る。その先。
ナターリア・グリゴリエヴナ:憎々しげに微笑む女の姿が見えた。
ナターリア・グリゴリエヴナ:「シェリー・ミルズゥ~~~……!」
ナターリア・グリゴリエヴナ:銃を取り落とし、髪を振り乱して叫ぶ。
シェリー・ミルズ:「ふ、ふっ」 至極面白い劇でも見たかのように、目を細めて。誘うように笑ってみせる。
ナターリア・グリゴリエヴナ:「お前がッ!お前があ~!」
ナターリア・グリゴリエヴナ:「блядь淫売がッ……!」
ナターリア・グリゴリエヴナ:全身からピシピシとひび割れ、その隙間から。
ナターリア・グリゴリエヴナ:風の刃が無数に飛び出て、周囲を無差別に破壊していく。
シェリー・ミルズ:怒りに任せた、狙いなど付けていない攻撃だ。
芳井春:回避する。神経の伝達が迅速に行われる――優秀な補助器具の補佐あってこそだが。
香上進一郎:「クソッ……!」不規則で出鱈目な軌道。故に予測が難しい。
香上進一郎:悪態を吐いて、後ろに構えている女を片手で突き飛ばす。
日生日出人:「ばい菌ッ……」また本命ではない敵を斬り伏せながら、押し寄せる風刃に気付き、小さく呟く。即時に空間を操作。
芳井春:「ウジミトに挨拶回りに行ってよかったな!」
シェリー・ミルズ:弾丸の雨に勝るとも劣らない破壊は、無差別が故に回避は困難。背後には、二人。
倉間美舞:「あっテメッ……」
香上進一郎:「寝てろ」吐き捨てるように口にして、目の前に立ちはだかり。衝撃に身を備えるために両腕を前に突き出して。
日生日出人:『体内』で消化。自分の体に当たる寸前、風刃が消滅していく。
シェリー・ミルズ:指先をついと振り上げる。赤い軌跡に導かれるように、不可視の網が持ち上がる。
シェリー・ミルズ:エグザイルの能力発現の一つの形──己の身体の延長上に、この糸は。網は、ある。
芳井春:「敵わねえよ、どの女王様にも。俺らは、あんたたちには…」独り言ちる。
シェリー・ミルズ:蜘蛛の糸は、軍事転用される程度には異常な強度を誇るのだ。まして、それを自在に手繰るのならば。
シェリー・ミルズ:背後の二人に突き刺さる筈だった刃は、全てが空間の一部に引っかかるように静止した。
シェリー・ミルズ:己の肉体の一部を転じた即席の盾。痛みは、返る。だが、それでも──
シェリー・ミルズ:「……慣れないことは、するものじゃないわね」 笑みを一つ、二人に送ることくらいは叶う。
倉間美舞:「……ダッセエ」吐き捨てるように言う。
香上進一郎:「……? これは」来る筈の衝撃。その全てが眼前で止まり。彼女のその笑みで。ようやく気づく。
香上進一郎:「口の減らねえ女だな……」見習えよ、シェリーさんを……と呟いて。
香上進一郎:「助かりました。ありがとうございます」
倉間美舞:「ウチらがだよ」ぱん、と払って立ち上がる。
倉間美舞:「何施されてんだ」
香上進一郎:目線を“ナターリア”に向けたまま、礼を述べる。
香上進一郎:「されっ放しのつもりなんか、最初から無ぇ」
香上進一郎:「行くぞ」
倉間美舞:「おう」
シェリー・ミルズ:「そうでなくちゃ、ね」


芳井[0]シェリー[0]

    5m

香上[0]日生[9]
汀[10]ナターリア[8]
ドレス姿の女性たち[8]
ファミリア重装[7]
GM:現在の状況はこうです
GM:行動値0組の皆さんは好きな順で行動してね
香上進一郎:そうだった 0組じゃん
芳井春:そういやそうなのか
シェリー・ミルズ:わらわら
香上進一郎:まあでもカバーファミリアが残っているのでお先にえいっ!してやりたいきもちありけりかも
日生日出人:みんながんばって~
芳井春:かしこい
芳井春:えいっしてもらうかねえ
シェリー・ミルズ:なるほどね ではお任せします
香上進一郎:かしこまったぜ
香上進一郎:では手番いただくよ~
香上進一郎:マイナー無し
香上進一郎:メジャーでコンボ・Gambit! 《インスタントボム》+《ブラストフォーカス》+《ストライクモード》
香上進一郎:対象は重装ファミリアだ!
GM:いいでしょう きな!
香上進一郎:1dx+26
DoubleCross : (1DX10+26) → 4[4]+26 → 30

香上進一郎:やったぜ。
GM:5dx>=30 ドッジ
DoubleCross : (5DX10>=30) → 10[2,3,3,6,10]+3[3] → 13 → 失敗

GM:ダメです ダメージどうぞ~
香上進一郎:4d10+28+4d10
DoubleCross : (4D10+28+4D10) → 32[10,6,10,6]+28+32[10,10,5,7] → 92

香上進一郎:うおっ…
GM:???
日生日出人:ヤバすぎる
香上進一郎:装甲無視です
シェリー・ミルズ:殺意殺意~!
GM:マジ?全然耐えられないです
香上進一郎:やっぴ~!
GM:HP0になり倒れますが
GM:Eロイス『死は甘きもの』
GM:これはあります。侵蝕+3しな!
香上進一郎:があ!
香上進一郎:香上進一郎の侵蝕率を13(→ 13)増加 (118 → 131)
香上進一郎:香上進一郎の侵蝕率を3(→ 3)増加 (131 → 134)
GM:演出どうぞ!


香上進一郎:吸った息をフーッ、と深く、静かに吐いていく。
香上進一郎:───ハッキリ言って。ヤクザだの、マフィアだのは。今でも、反吐が出るほど嫌いだ。
香上進一郎:必要悪という言葉で自らを偽り、保身に走って。謂れのない弱者を搾取する。
香上進一郎:そこに例外はない。
香上進一郎:今肩を並べ、共に闘う彼女ですら。己では想像だに及ばない、後ろ暗い事も行ってきただろう。
香上進一郎:然し。それは我々も同じだ。
香上進一郎:この街の平和を守るため、組織の理念の為と称し。法に反する行いも、幾度と無く繰り広げてきたから。
香上進一郎:眼前の敵を見据える。脱力した状態から、徐々に拳を握り、僅か姿勢を屈める。
香上進一郎:オレたちと彼女らで、何が違うのだろう。
香上進一郎:迷いは拳を鈍らせる。いっそ、ただの兵として。機械のように任務を遂行さえ出来れば、と考えたこともある。
香上進一郎:しかし。それでは駄目だ。思考放棄した果てに掴むものなどに、価値はないことも。教わってきたのだ。
香上進一郎:窮地へと追い詰められ。それでも尚、手を伸ばし続けるシェリー・ミルズの気高さも。
香上進一郎:立場こそ違えど、この街に住む市民を守るという共通した意志のもと、便宜を図ってくれた奈義時緒の厚意も。
香上進一郎:愛する者と引き離された怨恨を心の奥底に抱えたまま、継いだものを守らんと振る舞う楠本陽子の心遣いも。
香上進一郎:どれも、尊重すべきものだ。
香上進一郎:世界の均衡を守るために必要なのは。
香上進一郎:白だ黒だと決めつけて、物事の一面だけを見て、切って捨てることでは、決してない。
香上進一郎:(だから、この眼で見定める)
香上進一郎:彼女らと手を取り合えるのか。彼女らがこの先に続く未来で、何を成して生きて行くのか?
香上進一郎:そして。
香上進一郎:轟音。一足でフロアを砕き。数多の“遺産”で身を包んだ者のすぐ傍。
香上進一郎:僅か視線を下げれば、半身で拳を構えた少年の姿。
香上進一郎:(その“一線”を越えたものには)
香上進一郎:身を捻るように打ち出した左拳。弾けるように砕けた鎧の隙間に。
香上進一郎:抉るように繰り出した、止めの右ストレートで意志を断つ。
香上進一郎:「決して、容赦しないこと」
GM:ファミリアの構成員は一撃で吹き飛び、それきり動かなかった。
倉間美舞:「はん」それを見やり鼻を鳴らす。
倉間美舞:「追撃いらねえなありゃ」


GM:次の手番!
芳井春:シェリーさんに動いてもらおかな?
シェリー・ミルズ:じゃあ行きましょうか
芳井春:おねがいします!
シェリー・ミルズ:"斯くて狂ったように廻るエ・ティル・ルトゥルヌ・フォルマン" 《縮地》→《C:エグザイル》《オールレンジ》 侵蝕[+6]
シェリー・ミルズ:マイナーで戦闘移動(シーン内の任意の場所に移動可能)、メジャーで蜘蛛糸(ワイヤーウィップ)を用いた白兵単体攻撃(射程:10m)
シェリー・ミルズ:3m前進してナターリア……と見せかけて汀ちゃん殴ります
ナターリア・グリゴリエヴナ:どうやら私に歯向かうようね
ナターリア・グリゴリエヴナ:なんだと……
シェリー・ミルズ:(5-1+3+3)dx7+2
DoubleCross : (10DX7+2) → 10[1,2,3,3,3,4,6,8,10,10]+10[1,7,7]+4[3,4]+2 → 26

シェリー・ミルズ:あっ違う ダイスデバフ
シェリー・ミルズ:多すぎたので振り直して宜しいでしょうか……
GM:振りなおしな~
シェリー・ミルズ:(5-1+3+3-4)dx7+2
DoubleCross : (6DX7+2) → 6[1,2,3,3,5,6]+2 → 8

シェリー・ミルズ:そんなことある?
日生日出人:そんな~~~!?
香上進一郎:いかん…!
シェリー・ミルズ:"幸運ピアン・シャンス"  《妖精の手》 侵蝕[+4]
シェリー・ミルズ:ラス1!
シェリー・ミルズ:シェリー・ミルズの侵蝕率を4(→ 4)増加 (118 → 122)
日生日出人:持っててよかった!
シェリー・ミルズ:1dx7+12
DoubleCross : (1DX7+12) → 5[5]+12 → 17

シェリー・ミルズ:ひーん回らない
日生日出人:うおおお《宵闇の魔花》!
シェリー・ミルズ:やったーーー!!!
日生日出人:達成値+6する代わり、HP5点失ってね
日生日出人:こっちもこれがラス1!
シェリー・ミルズ:HP5点なんて誤差です誤差 達成値23になります!!!
日生日出人:あっ嘘待って
GM:すごいことなってるな
シェリー・ミルズ:シェリー・ミルズのHPを5(→ 5)減少 (15 → 10)
日生日出人:すいません このラウンド中に一回香上くんに使ったから使えないや
日生日出人:いまのなしで………
香上進一郎:あっ!
GM:あっそう 宵闇はラウンド1回制限もあるよ
シェリー・ミルズ:しゅん
日生日出人:ごめんね!達成値17でいてください
シェリー・ミルズ:じゃあ達成値17でお祈りします!!!
日生日出人:ブルーのオーシャンちゃん使う?
シェリー・ミルズ:それだ
シェリー・ミルズ:えっとじゃあやり直しなので、最初の判定振り直しですかね
GM:『ブルーオーシャン』:任意の判定をやり直してよい。効果を使用するたびに侵蝕率を+3。
シェリー・ミルズ:シェリー・ミルズの侵蝕率を3(→ 3)増加 (122 → 125)
シェリー・ミルズ:(5-1+3+3-4)dx7+2
DoubleCross : (6DX7+2) → 10[1,2,2,4,5,10]+6[6]+2 → 18

シェリー・ミルズ:……さっきよりマシ!!!
日生日出人:この1が命運を分けるかもしれん
芳井春:そうよ
シェリー・ミルズ:では達成値18でお祈りします 対戦よろしくお願いします
“汀”:対戦よろしくお願いします
“汀”:《束縛の領域》。
シェリー・ミルズ:げぇーーーっ!!!!!
日生日出人:あ~~~~ッッ
芳井春:こ、こいつ
香上進一郎:やりやがった
“汀”:11dx+11-10>=18
DoubleCross : (11DX10+1>=18) → 9[1,2,2,2,4,5,6,7,7,8,9]+1 → 10 → 失敗

芳井春:ヒーッ
シェリー・ミルズ:あっ嫌悪!!!!!
GM:変異暴走の-10がきつすぎるよ~~~
芳井春:嫌悪してくれてよかった
香上進一郎:嫌悪最高~!
“汀”:でもドッジはしちゃうもんね
“汀”:《命の盾》
日生日出人:生き汚~~ッ
“汀”:11dx+11-10>=18
DoubleCross : (11DX10+1>=18) → 10[1,2,2,4,5,7,7,7,8,9,10]+1[1]+1 → 12 → 失敗

芳井春:ヒーッ
シェリー・ミルズ:嫌悪サイコ~~~!!!
GM:-10さえなければさ~~~!
日生日出人:こわ~~~~ッ
香上進一郎:ハアッハアッ
芳井春:頑張りやさんめ
“汀”:もう品切れです ダメージどうぞ!
シェリー・ミルズ:ハアッハアッ なんとか当たった……ならばこの勝機逃すわけもなし
シェリー・ミルズ:"メディシナリス"グレイ・バーンズ のNPCカード使用! ダメージに+10……ですがグレイのロイスを持っているので効果は倍!
グレイ・バーンズ:+20だぜ
芳井春:愛ってすげえ
シェリー・ミルズ:2D10+26+20 装甲・ガード値有効
DoubleCross : (2D10+26+20) → 8[6,2]+26+20 → 54

芳井春:やべえ
香上進一郎:ウッヒョ~!
芳井春:あ、あと一応オートで
芳井春:《餓鬼魂の使い》。邪毒レベル3を付与
芳井春:芳井春の侵蝕率を3(→ 3)増加 (110 → 113)
シェリー・ミルズ:シェリー・ミルズの侵蝕率を6(→ 6)増加 (125 → 131)
“汀”:ナタからもらった装甲12で軽減して42
“汀”:HPMAXならこれで耐えるんですが
“汀”:反撃ダメージ貰ってるから無理なんだよな。HP0。
“汀”:《蘇生復活》し……
“汀”:邪毒をもらいます
芳井春:やったぜ
日生日出人:ふあ~
シェリー・ミルズ:予告された死じゃん
香上進一郎:勝ったな。
シェリー・ミルズ:それはフラグ……
GM:では次!春 あなたの手番よ
芳井春:はあい!では マイナーで5m移動。みんなのエンゲージに行きます
芳井春:みんな?エネミーのエンゲージですね
芳井春:で、メジャーアクション。
芳井春:『使い物にならない』/Dロイス【組織の助力】を使用。
芳井春:能力値10、技能LV5として判定。ラスト!
芳井春:そしてクリスタルシールドを使って白兵攻撃を汀さんに行います
“汀”:なんだと……
芳井春:16DX+4@10 白兵
DoubleCross : (16DX10+4) → 10[1,1,2,2,3,4,4,4,5,5,7,8,9,9,9,10]+7[7]+4 → 21

芳井春:お、普通にいいんじゃないか
シェリー・ミルズ:アタシより高い……
“汀”:《命の盾》!
“汀”:11dx+11-10>=21
DoubleCross : (11DX10+1>=21) → 10[1,1,1,3,4,4,5,6,7,10,10]+8[1,8]+1 → 19 → 失敗

香上進一郎:こわ!
日生日出人:あっぶな!
芳井春:やば
“汀”:嫌悪!!!
芳井春:こえーよ!
シェリー・ミルズ:こわ……
芳井春:だ、ダメージです。まあこれでしくっても邪毒があるが…!
芳井春:3d10
DoubleCross : (3D10) → 18[8,6,4] → 18

芳井春:普通にがんばってるなこいつ
日生日出人:つよ!
GM:エッまじ
シェリー・ミルズ:やったか?!
“汀”:ナタからもらった装甲12で軽減して6点
“汀”:HPは蘇生復活したので1点。
芳井春:!
“汀”:倒れます。もう復活はなし。
香上進一郎:先輩パンチは装甲砕く!
芳井春:ヤ、ヤッターー
日生日出人:かっこいいぞ~!
シェリー・ミルズ:ひゅーっ!
芳井春:えへ
  シェリー[0]

    3m

芳井[0]日生[9]香上[0]
 ナターリア[8]
ドレス姿の女性たち[8]
芳井春:ドレス姿の女性たちにはオートで投げキッスだけしときます
GM:トクン……
香上進一郎:行動値下がりそう
GM:クリンナップ。
芳井春:デデンデンデデン…
GM:クリンナップにする処理をしていきます
ナターリア・グリゴリエヴナ:邪毒ダメージ9点が発生。
ナターリア・グリゴリエヴナ:残HPは1。倒れます。
日生日出人:な ナタっち
芳井春:すまねえナターリア
シェリー・ミルズ:グッバイ
ナターリア・グリゴリエヴナ:復活もありません。
香上進一郎:さよなら…
GM:勝利条件である汀およびナターリアの撃破を達成。
芳井春:うおおお
GM:クライマックス戦闘決着です。あなた達の勝利です。
芳井春:うおお!
香上進一郎:やったぞ~!
日生日出人:勝った~!
シェリー・ミルズ:勝った!!!
GM:演出をやっていきましょう。


ナターリア・グリゴリエヴナ:「ハアッ、ハアッ……!」
ナターリア・グリゴリエヴナ:ほどけた髪を振り乱した女が、大きく息を吸って吐く。
ナターリア・グリゴリエヴナ:「ねえ……グレイ・バーンズ」まだふらつきながら、声をかける。
ナターリア・グリゴリエヴナ:「今からでもこちらにつく気はない?」
ナターリア・グリゴリエヴナ:「アンタのご主人様はどうせ、“ファミリア”のトップにはなれない」
ナターリア・グリゴリエヴナ:「その意思がない。自分のパパを蹴落とそうとする意思がね」
ナターリア・グリゴリエヴナ:「私に付いてきたら……“ファミリア”のNo2にしてあげる」
シェリー・ミルズ:「…………」 目を細めて、その言葉を聞いて。グレイに視線を遣る。
シェリー・ミルズ:「別に……止めはしないわよ」
シェリー・ミルズ:「貴方は、あの人が命じたからアタシに付いてる」
シェリー・ミルズ:「今、アタシはファミリアから追われる身。貴方がアタシの元を去ったとしても、仕方のないこと」
シェリー・ミルズ:かつ、かつ。ヒールが鳴る。少しずつ、ナターリアに向けて歩みを進める。
シェリー・ミルズ:「……ねえ。グレイ」「丁度いい機会だわ。今、選んでくれるかしら」
ナターリア・グリゴリエヴナ:「よ~く分かってるじゃない。だったら……」
シェリー・ミルズ:「この女に付いていくか」
シェリー・ミルズ:かつ。足音が止まる。手を伸べる。
シェリー・ミルズ:「……アタシの。先の見えない道を、その手で拓くか」 耳慣れた者だけが、分かる。ほんの僅かに、その声音は上擦っている。
グレイ・バーンズ:「……」
グレイ・バーンズ:歩み寄り、屈む。
グレイ・バーンズ:その差し出された手を取り、口付ける。
グレイ・バーンズ:「魔女の指抜きジギタリスは魔女の指に嵌まるものだ」
グレイ・バーンズ:「それがお前以外であるものか」
グレイ・バーンズ:「……そもそもだ。前提を違えている」
グレイ・バーンズ:「あれがシェリー・ミルズの父親の意を代弁する者か」
グレイ・バーンズ:「お前が手放したいものは、それほど脆くはない」
グレイ・バーンズ:「不運だがな」
シェリー・ミルズ:「…………ふ、ふっ」 心より満足そうに、笑む。
シェリー・ミルズ:「そう、ね。そんな簡単に壊れてしまうような場所なら、きっと──」 何の執着もなくしがらみもなく、離れてしまえただろうに。
シェリー・ミルズ:表情に、最早迷いはない。
ナターリア・グリゴリエヴナ:「……は?」
シェリー・ミルズ:「ナターリア・グリゴリエヴナ」
シェリー・ミルズ:「貴女。残念だけど、"ファミリア"のボス、っていう器じゃないわよ」
ナターリア・グリゴリエヴナ:「Нереальноあり得ないНереальноあり得ないНереальноあり得ない……!」
シェリー・ミルズ:「……だって、ねぇ? この街の"女王"にも数えられていないのだもの」
シェリー・ミルズ:もう2歩、3歩。呪詛を吐き続ける女に歩み寄って、
シェリー・ミルズ:「並び立つには。早すぎるわ」
シェリー・ミルズ:眼前に立ち。その言葉を残して、"跳んだ"。
ナターリア・グリゴリエヴナ:「だったら、今アンタを消せば……」
ナターリア・グリゴリエヴナ:「私、が……」
ナターリア・グリゴリエヴナ:「……は……?」
日生日出人:空間を縦横無尽に飛び交うような剣戟が続いていた。
日生日出人:斬り、妨害され、時には避けて、違う女が巻き込まれて、室内の装飾品が吹っ飛ぶ。
シェリー・ミルズ:ハルが放った赤が、じきに効いてくる頃だろう。倒れ伏す音も、この剣戟の音に紛れて聞こえまい。
シェリー・ミルズ:既に勘案すべき対象からは、外れている。
シェリー・ミルズ:己の領域を渡り、剣戟の空白地点へと跳躍する。
日生日出人:だ、だ、だ、と何もない空間をステップ。現れては消える女を探し────、そして、領域に張り巡らされた蜘蛛の糸を察知する。
シェリー・ミルズ:ヒナの攻撃が幾度も命中しているものの、急所を射止めるまでには至っていない。
シェリー・ミルズ:勘が鋭いというだけでは言い表せない程の力量。研ぎ澄まされたプロの手腕。
シェリー・ミルズ:……だが、女は存在認識を視覚ではなく、感覚に大きく依存していた。
シェリー・ミルズ:蜘蛛糸に触れる僅かな振動。幾重にも繰り返される、ヒナとの息もつかせぬ攻防。積み重なっていく知覚──その果てに。
シェリー・ミルズ:──ふ、と。
シェリー・ミルズ:別の映像が、重なって見えた。それは、まるで数瞬先の──
シェリー・ミルズ
シェリー・ミルズ:「グレイ」
シェリー・ミルズ:「振り切りなさい」
グレイ・バーンズ:答えはない。必要なかった。
シェリー・ミルズ:声と同時、男を跳ばす。その出現の刹那前。
シェリー・ミルズ:現れた"汀"を、不可視の蜘蛛糸が力強く絡め取った。
日生日出人:(あ)
“汀”:「おっと」それも一瞬のはずだった。
グレイ・バーンズ:男が女の眼前に躍り出た。指をまっすぐに揃えて構え。
グレイ・バーンズ:その腹を抉るように突き抜いた。
“汀”:「うぐっ……!」
日生日出人:何か言おうとして、別の手勢が放った射線が遮る。後退する。
シェリー・ミルズ:「……悪いわね、ヒナ」
シェリー・ミルズ:「"共同戦線"のつもりだから。貴方にこれ以上、手傷を負わせたくない」
シェリー・ミルズ:(……未来なんて、見えたって)
シェリー・ミルズ:呆けたような表情を見て、僅かに表情を歪める。……まるで、大切なものが目の前で壊れてしまったかのような、そんな。
グレイ・バーンズ:引き抜いた貫手からは、ボタボタと溶解液のようなものが滴り落ちている。
シェリー・ミルズ:回避と回避の隙間、無防備になった腹に差し込まれた一撃だ。耐えられるものではない。
ナターリア・グリゴリエヴナ:「ふざけるなッ、シェリー・ミルズ……!」
シェリー・ミルズ:糸を撚っていた指が解けた。その手を、口元を覆い隠すように添える。……そこに触れた感触を、思い出すかのように。
ナターリア・グリゴリエヴナ:……それではまるで。共同戦線を張った、汀と自分との間に。
ナターリア・グリゴリエヴナ:決して超えられぬ線があるようではないか。
ナターリア・グリゴリエヴナ:この女との間にも――
シェリー・ミルズ:視線はその間も。決してナターリア・グリゴリエヴナに向くことはなかった。
芳井春:……そして線を縫うように差し込まれた毒もまた、グレイ・バーンズのそれだけではない。
芳井春:既に二人の女の傷口、滴る血に潜むものがある。
日生日出人:「……」とん、と床に着地。倒れた彼女を視認し、ただ瞬きする。
芳井春:恐らくはそれで終わる。終わるのだろう。
“汀”:よろめき、その場を離れようともがくが、起き上がれさえしない。
芳井春:「…寄島議員を殺せば、別の議員が赴任してくる」
芳井春:「津山の婆さんが抜けた位置に、あんたが入ったように」
芳井春:「……」
芳井春:「殺しても、殺しても、キリがないことは…分かっていたんじゃないのか」
芳井春:絞り出すように。
芳井春:(こんなことを言うよりも、もっと何か)
“汀”:「……それが男でなくなるまで」
“汀”:「やるつもりだっただけ……」
芳井春:なにかないのか、と思う。
芳井春:「女を利用してでも」
芳井春:奪われたものを取り戻すことを、託してくれた少女がいた。
芳井春:取り戻す戦いに自分たちを巻き込んでくれた女がいた。
芳井春:その役目を自分に託してくれた、その期待に。信用に。応えたくて、
芳井春:その果てに彼女に何もできないとしたら……それは違うだろうと思う。
芳井春:だから。
芳井春:「三秒でよくないだろ」
芳井春:期待と信用を託す。途方に暮れたような、中性的ないつもの姿を見て。伝えられるであろう言葉をそこに見出して。
日生日出人:「うえ」ぽかんとする。
芳井春:「任せていいって、言って」
芳井春:「俺に期待させてくれ」
日生日出人:「あ、いや、え」 ちぐはぐな思考がぐるぐると回る。
芳井春:「きっと寄り添ってやれるとしたらお前だから」
日生日出人:倒れた彼女、いま優先すべきこと、他の敵、仲間、いま言われていること。
日生日出人:「あっ」
日生日出人:「うえっと、うん」こくこく頷く。「えっと、あの、じゃあ」
日生日出人:「他の事、ぜんぶ、やっておいて!」
日生日出人:「春くんに、えっと、任せたから!」そう言って、みぎわちゃんに向かって走っていく。
芳井春:「任せろ!」
芳井春:……俺は俺が思うより凄いらしいし。
芳井春:できるかもしれないとらしくもないことを思って、それだけ。
芳井春:自分が点けたいくつもの火が灯るのを待つだけで、あとはよかった。
ナターリア・グリゴリエヴナ:「アンタたちは、まとめて、私が……」
ナターリア・グリゴリエヴナ:二の句を継ぐこともなく、その場に崩れている。
ナターリア・グリゴリエヴナ:誰にも無視されたのではない。
ナターリア・グリゴリエヴナ:その必要がなかった。
ナターリア・グリゴリエヴナ:そうして、その駒は盤面から除かれた。
GM:その一方で。
“汀”:……同様に、逃れ得ぬであろう終わりから。
“汀”:逃れるように、体を引きずり、壁にもたれる女の姿がある。
日生日出人:「…みぎわちゃん」
日生日出人:その正面にしゃがみ、膝をつく。彼女の顔を覗き込んだ。
“汀”:「……ケフッ」
“汀”:「……こういうとこは見ないのが礼儀でしょ」
日生日出人:「んはは」小さく笑う。「俺、女の子と話すの、もっとうまくやれると思ってたんだけど」
日生日出人:「みぎわちゃんとだと、あんまりうまくいかないなあ」
“汀”:「そりゃあ、そうでしょう」
“汀”:「そういうのは、お互いにその気がないと」
日生日出人:「あってくれても、よかったのに」
日生日出人:「俺、けっこうがんばったのに…」
“汀”:「ヒナくんが悪いんじゃないよ」
“汀”:「私が、そういう女ってだけ」
日生日出人:「………」顔を覗き込む。血が滲んでいても、やっぱり、綺麗な顔だなと思う。
日生日出人:「どっかに、好きな人、いる?」
“汀”:「これから行くところにはいた」
日生日出人:「…そっか」
日生日出人:「誰か、好きになったことがあるんなら、いいや」
日生日出人:「よかった」小さく言う。
日生日出人:「あのね」
“汀”:「……うん?」
日生日出人:「ここ、なんか、悪いやつらがいっぱいいて、変な街じゃん」
“汀”:「……ええ」
日生日出人:「俺たちだって悪いことするし、いまだって、マフィアと一緒にやってるし……」
日生日出人:「……いけるかもって」
日生日出人:「みぎわちゃん見逃して、真犯人だけ教えてもらうって取引」
日生日出人:「案外、やれちゃうんじゃないかなって、けっこうマジで思ったんだけど」
日生日出人:「俺、UGNだったからね、だめだった」しょうがなさそうに笑う。
日生日出人:「それにね、暗殺者が依頼人のこと簡単に教えちゃだめだねえ」
“汀”:「それにね。あくまで対等な同盟だったよ?」
日生日出人:「んはは」
“汀”:「真の犯人は、どちらも……ああ。そうだ」
“汀”:「UGNってなら、頼まれてくれないかな」
日生日出人:「じゃあ、余計にだめだったねえ……、うん、なあに?」
“汀”:「私に付いてきた、あの子達は」
“汀”:「見逃してとは言わないけれど……」
“汀”:「真犯人よりは、いっとう軽くしてあげて」
日生日出人:「んふふ」目を細める。
日生日出人:「うん………、じゃあ、がんばるから、みぎわちゃんから、ご褒美ちょうだい」
“汀”:「私が渡せるもの?」
日生日出人:「うん、みぎわちゃんにしか渡せないもの」
日生日出人:「うそでいいからね」
日生日出人:「俺の事、好きになってくれたら、嬉しいなって……」
“汀”:「……ふ」
“汀”:「うそでいいんだ」
日生日出人:ねだるように見上げる。
日生日出人:「うん」
日生日出人:「だって、ほんとの気持ちなんか、わかんないもん…」
“汀”:「……分かるよ」
“汀”:「そのうち分かる。だから……」
“汀”:「私のこれも、本当かどうか」
“汀”:「しばらく考えてもらうね」
“汀”:「好きだよ。ヒナくん」
日生日出人:瞬きする。
日生日出人:「………うん」
“汀”:目を閉じている。傷口を押さえていた手も、だらりと弛緩している。
日生日出人:それを確かめるように、ゆっくりと顔を寄せる。
日生日出人:かさついた唇の感触。
日生日出人:噎せ返るような匂いがする。生々しい、血の匂い。
日生日出人:いやだとも言ってくれなかった。
芳井春
芳井春:火は消えて、残ったのは血の臭いと、不自由な盤面。
芳井春:ライターは今度は使わずに済んだ。だから、自分のうちに残るのは。
芳井春:安堵と、寂寥と、達成感と、至らない気持ちと。
芳井春:……ほんの少し。誰にともつかない、漠然とした。
芳井春:小さな子供がするみたいな嫉妬をして、それっきり。
芳井春:廻り続けた盤は止まった。


GM:バックトラック。
GM:Eロイスはファミリア構成員の『死は甘きもの』が2つですが

"エスキース"矢掛翠  タイミング:バックトラック
 バックトラックのダイスを振る前に、2d10侵蝕率を減らしてもよい。

日生日出人:うおおおおおお減らします!!!!!!
香上進一郎:するする!
GM:これもあります 下げな!
香上進一郎:134-2d10
DoubleCross : (134-2D10) → 134-12[7,5] → 122

日生日出人:140-2d10
DoubleCross : (140-2D10) → 140-14[8,6] → 126

芳井春:母の力
香上進一郎:おかあさん いつも ありがとう
芳井春:芳井春の侵蝕率を2d10(→ 11)減少 (113 → 102)
日生日出人:おかあさん ありがとう
芳井春:母さんは偉いよ
シェリー・ミルズ:母……LOVE
シェリー・ミルズ:131-2d10
DoubleCross : (131-2D10) → 131-10[8,2] → 121

日生日出人:ハァハァハァハァ Eロイス分も減らします
日生日出人:126-2d10
DoubleCross : (126-2D10) → 126-4[3,1] → 122

日生日出人:あ~~~~っっっ
シェリー・ミルズ:121-2d10 Eロイス
DoubleCross : (121-2D10) → 121-7[6,1] → 114

芳井春:Eロふらずに素振りで行きます
香上進一郎:先輩!!!!
シェリー・ミルズ:ヒナ……!
芳井春:ヒ、ヒナセ
日生日出人:残りロイス5個 倍振りします
芳井春:許せねえよ汀
日生日出人:122-10d10
DoubleCross : (122-10D10) → 122-51[2,8,5,8,5,7,2,1,9,4] → 71

芳井春:はーよかった
香上進一郎:ホッ…
日生日出人:うおおおおおお5点帰還です!
シェリー・ミルズ:倍振りだから3点だよ!
芳井春:リマインドソウルもあるけど使わないで行きます
日生日出人:ちがう 倍振り3点でした
シェリー・ミルズ:嬉しかったのね 帰ってきたのが
日生日出人:うん!
芳井春:芳井春の侵蝕率を5d10(→ 29)減少 (102 → 73)
シェリー・ミルズ:残り4枚。バックトラックの期待値は3なので倍振りします(鋼の意思)
香上進一郎:ヨッシャ!
シェリー・ミルズ:114-8d10
DoubleCross : (114-8D10) → 114-35[3,1,1,6,5,3,10,6] → 79

シェリー・ミルズ:3点!
香上進一郎:Eロ分を先に振らせていただきます
香上進一郎:122-2d10
DoubleCross : (122-2D10) → 122-9[2,7] → 113

香上進一郎:等倍でいってみよう
香上進一郎:113-4d10
DoubleCross : (113-4D10) → 113-26[10,6,6,4] → 87

香上進一郎:ウッス 5点ス
芳井春:5点だぜ
日生日出人:シェリヒナは3点だよ~!
GM:Dロイスはナターリアの秘密兵器で1点 Eロイスが2点分
GM:みんなはセッションに最後まで参加した?いる?
芳井春:いるよ
芳井春:ずっと見てるよ
GM:やった~
香上進一郎:腕を組んでるよ
日生日出人:いる~!
シェリー・ミルズ:見てる!
GM:じゃあみんな1点あげるね
日生日出人:わ~い
GM:・シナリオの目的を達成した
GM:ばっちりしました 8点あげます
芳井春:エイトだけに
日生日出人:エイト・クイーンだ~!
シェリー・ミルズ:エイト!
香上進一郎:エイトじゃん!
GM:そうかも
GM:・場所の手配、提供、連絡や参加者のスケジュール調整などを行った
GM:たくさんしてくれたぜ
GM:ディスコなりMAPなり……
芳井春:わいわいいぇいいぇ
日生日出人:みんなで作り上げたぜ
芳井春:GMも日程調整サンクス!
香上進一郎:ありがとお…
シェリー・ミルズ:ねー ありがとうございました!
GM:1点持っていきな
日生日出人:ひゃ~!ありがてえ~!
香上進一郎:うめ うめ
芳井春:ワーイ
シェリー・ミルズ:もっきゅもっきゅ
GM:・よいロールをした
・他のプレイヤーを助けような発言や行動を行った

GM:みんなしていたがこれは……
GM:また後でガッツリやろう
芳井春:やったー!
日生日出人:やった~~!ほめほめ大会だ~!
芳井春:がっつりしよう。
シェリー・ミルズ:いぇいいぇい
GM:とりま2点をもっておいき
芳井春:あざす
日生日出人:がつがつ いただきます!
香上進一郎:ワ~イ!
シェリー・ミルズ:おいちい
GM:・セッションの進行を助けた
GM:これもたくさん助かった!
芳井春:やったー!
日生日出人:わ~~い!!
GM:こうしたいっていっぱい提案してくれたりね
日生日出人:提案きいてくれてありがと~~!!
芳井春:ヤッター
シェリー・ミルズ:顔の良い立ち絵の提供はセッションの進行に大きく寄与してると思うんですよね
芳井春:すいません イケメンすぎて
GM:いやでも……
GM:滞ってるよむしろ 顔が良くて
香上進一郎:間隙がうまいPCもそうじゃないすか それは
シェリー・ミルズ:いよっ 顔が良すぎてダメージダイスピンゾロに変える男っ
GM:ヤバ~!ってなる時間が必要になるから
シェリー・ミルズ:た、確かに……
シェリー・ミルズ:でも必要経費だったと思います すみません顔と間隙がすごくて
GM:堪能してしまったようね
日生日出人:魔術師に翻弄されました
GM:計16点のはずでここに
GM:侵蝕分を加えたのが獲得点のようですね
日生日出人:うおおおお19点になりました!!!!!!
香上進一郎:21点いただきますぜ
シェリー・ミルズ:19点でーす!
芳井春:21点!
GM:もっておいき
GM:C((19+19+21+21)/3)
DoubleCross : c((19+19+21+21)/3) → 26

芳井春:GMもおたべ
芳井春:野菜も食べてね
日生日出人:3食食べるのよ
GM:たべてる!
日生日出人:えらい!
シェリー・ミルズ:美味しいものをお食べ
香上進一郎:見てるか時緒ちゃん

【エンディング:合同】

GM:【居酒屋 沖角太産】
GM:君たちは八人の女王を回る諍いに勝利し、シェリー・ミルズの手配は公式に取り下げられた。
GM:それを祝して、君たちは打ち上げに来ていた。とはいえ、市内の混乱と、
GM:事後処理の煩雑さを鑑みて、自ずとその場所は限られていた。
倉間美舞:「オゴリならもっと高けー店がよかったっす」
日生日出人:「だって~~」予約した隣の人を見て、ふにゃふにゃ笑う。青年姿。
芳井春:「予約取れなかったんだよ…急だったし」
シェリー・ミルズ:「この時期だもの。どこも人で溢れてるし、仕方ないわ」
芳井春:「さすがにいきなりマフィアのお嬢様を居酒屋にとは思ったけど」とグレイをちらりと見ます。
香上進一郎:「オレは好きですよ、太産……ネタ、新鮮だし」
倉間美舞:「つかいいんすか居酒屋って」ウーロン茶が置かれている。
倉間美舞:ノンアルコールを示すマドラーが刺さっている。「バリバリ未成年すけど」
芳井春:「大人が連れてってるからこのへんだと言われねえよ。ランチもやってるし、ここ」
日生日出人:「そ~、ここはねえ、年齢確認ゆるいから、だいじょぶだよ~」
倉間美舞:「いーのか現代で……」
香上進一郎:やや困ったように眉を顰めている。
倉間美舞:「つか……」
倉間美舞:「似合わね~」2人を見る。
グレイ・バーンズ:「……」特に何も言わない。
グレイ・バーンズ:ここでもスーツのままだ。
シェリー・ミルズ:「そうかしら……確かに来たことはなかったけれど」
シェリー・ミルズ:普段のレースドレス姿だ。浮いているようだが、視線を集めるのはいつものことなのであまり気になっていない。
芳井春:「味はちゃんと旨いよ。生魚いける?」
芳井春:「無理でもいろいろあるから」とメニューを渡す。
日生日出人:「あ、こっちですう~」と、運ばれてきた大皿を次々テーブルに並べていく。
日生日出人:海鮮サラダ、刺身の盛り合わせ、フライドポテト、大皿に大量に盛られた唐揚げの山。
シェリー・ミルズ:じぃ、と興味深そうに視線がメニューを滑る。
倉間美舞:「しゃあ肉~」
香上進一郎:先輩が並べた皿から取り分けを手伝っていく。「……あ、オレもお願いします」
香上進一郎:クソでかい唐揚げをさりげなく確保している。
日生日出人:「はあい~」サラダをいそいそ取り分けている。
シェリー・ミルズ:あまり生魚は食さないが、色々な種類のメニューがあるので目移りしている。
シェリー・ミルズ:「ありがとう」 サラダの皿を受け取りながら、
シェリー・ミルズ:「貴方も。今日くらいは、アタシと違うものを食べなさいな」 スーツ姿の男に。
芳井春:「とりあえず適当に好きなだけ頼んどくと、誰かが食うから」補完。
グレイ・バーンズ:「……ああ」
倉間美舞:「でも肉少ないっすね~ここ」
倉間美舞:「魚メインっぽいすね」
日生日出人:「お魚もお肉じゃないの?」
香上進一郎:「動物の肉って点では同じですけど……」
倉間美舞:「全然違うくないすか」
日生日出人:「ふえ~」
日生日出人:「ふたりが同じ表情で見てくる~」
グレイ・バーンズ:「……今日は飲むのか?」
シェリー・ミルズ:「ん……そうね。少しは頂こうかしら」
シェリー・ミルズ:「折角だし。悪くない気分だから」
芳井春:「俺ハイボールで」タブレット型の注文機器を操作。
日生日出人:「ジントニック!」横から言う。
芳井春:入力する。
倉間美舞:「チャーハン欲しいっす」
シェリー・ミルズ:「じゃあ、これを」 モヒートを指差す。
芳井春:「あ、俺も食う。米欲しいよな…ん、モヒート」
日生日出人:「グレイさんは~?」
グレイ・バーンズ:「……緑茶を」
芳井春:端っこにある緑茶を押す。
芳井春:注文ボタンをタップ。「あんま好きじゃない?」
香上進一郎:空いた端末で烏龍茶をピッチャーで頼みつつ。
グレイ・バーンズ:「……車だ」
芳井春:「ああ、成程」
シェリー・ミルズ:「作るのも上手いのよ」
香上進一郎:「作る? カクテルみたいな?」
芳井春:「そういやミルズのこっちの本拠地がバーだっけ…」
シェリー・ミルズ:「そう。本当にたまにだけど、スタッフの数が揃わない時なんかにね」
グレイ・バーンズ:「手慰み程度だ」
シェリー・ミルズ:「謙遜しちゃって」
日生日出人:「すごいねえ、かっこいいねえ」にこにこする。
シェリー・ミルズ:サーモンのマリネサラダを器用にフォークで巻き取って口に運ぶ。「……ん。美味しい」
日生日出人:「わ~」
日生日出人:「シェリーさんが食べてると、なんかここも高級レストランみたいだねえ」
芳井春:「良かった」けっこうマジで安心している。口に合ってよかった。
倉間美舞:「つーか網あんならなんかとりあえず焼きましょうよ」
香上進一郎:「ここで焼き物、焼いたこと無ぇな」
香上進一郎:「何から行きます? 貝?」
倉間美舞:「適当に海鮮系とか……あっウインナーあんじゃん」
日生日出人:「えっ」喜ぶ。
倉間美舞:「タコさんウインナー頼んどいてください」
シェリー・ミルズ:「ふふっ」 やり取りに思わず笑む。
芳井春:「お、そうじゃん。何個?」ヒナセに聞く。
グレイ・バーンズ:「タコ……?」
シェリー・ミルズ:「これよ、ほら」 メニューを手に取り、タコさんウィンナーを指差して見せる
日生日出人:「あっ、まとめてくるみたいだから、一個頼んじゃえばだいじょぶ…」わたわた言う。
グレイ・バーンズ:「……形状だけか」
グレイ・バーンズ:「どういうものかと思えば……」
日生日出人:「えっとね、あとね、貝…。えっと……」
日生日出人:「全部いく?」
香上進一郎:「兎形のりんごみたいなモンですね……」こくりと頷いて。
香上進一郎:「行きましょう」
倉間美舞:「全部ブッコみましょ」
芳井春:「……まあ。こいつらいるからいけんじゃねえかな…」
シェリー・ミルズ:「でも、可愛らしいじゃない。こういうところならではね」
日生日出人:にこにこしながら、次々注文していく。
芳井春:酒類も届く。乾杯は後で来る人にしてもらうとして、好きに飲んでいいシステムとしている。勝手に。
芳井春:「…そんで、二人はこれからどうするとか決めてるのか?」
グレイ・バーンズ:「お嬢様に従う」即答。
シェリー・ミルズ:「そうね……」 モヒートを一口飲んで、ほうと息を吐いて。
芳井春:ちょっと笑う。
倉間美舞:最後の一個の唐揚げを何の躊躇もなく浚う。
日生日出人:気付いたら唐揚げがなくなってて静かにびっくりしている。
シェリー・ミルズ:「言うまでもなく、ナターリアのことは伝わってるでしょうし。まだ向こうから動きがないのが不気味なくらいだけど」
シェリー・ミルズ:「……数日中に、一度話そうとは思ってるわ。父と」
香上進一郎:僅か一手遅れて空振りした箸を苦々しく見つめた後に。
香上進一郎:「大丈夫なのですか?その……」
芳井春:唐揚げがないことに最後に気づいた。そっと刺身をキープしつつ聞いている。
シェリー・ミルズ:「向こうがその気なら、それまで。話すつもりがあるにしても……今後のアタシの立場は、明確にしておく必要がある」
倉間美舞:「それウチらも参考に聴きたいすけどね」
倉間美舞:「これが終わったらまた喧嘩ぶっ込む感じなのか」
芳井春:「まあ、正直…ミルズの動きがどうなるかは気にはなる」と苦々しく。
シェリー・ミルズ:「元々、アタシ自身は拡大路線には反対だった」
シェリー・ミルズ:「昔気質のやり方で勢力を保持してきた組織よ。そう簡単に変わらないし……特にここは、オーヴァード絡みの組織が多かったから」
倉間美舞:チャーハンをかきこみながら聞いている。
シェリー・ミルズ:「……多分、ナターリアのことを薄々でも察してたんでしょう。或いはあの人の方針だったのかは分からないけど」
芳井春:チャーハンはさすがに取り分けたものを守った。聞きながらゆっくり食べている。一口がでかい。
シェリー・ミルズ:「アタシを焚き付けて、この街での勢力を拡大するよう指示したのよ。その直後に、これ」
日生日出人:ジントニック二杯目。ちまちまポテトを食べている。
香上進一郎:「……最初からご存知だったって事ですか?」
シェリー・ミルズ:「そうかもしれない」 ゆるゆると首を振る。「正直なところ、直接訊くしか。本当のところは分からないけれど」
日生日出人:「大丈夫?」心配そうに顔を覗き込む。
倉間美舞:「ナシつけた後次第ってわけ」
日生日出人:「こないだより、緊張した顔してる…」
シェリー・ミルズ:「そうかしら」 努めて、笑む。
シェリー・ミルズ:「どうせ、いつかはこうなっていたと思うわ」
芳井春:刺身を食べる分とったのでヒナセに回して(あとはシェリーさんのほうにも回るであろう)。
シェリー・ミルズ:「器じゃない、って。自分でもそう思うもの」
芳井春:「……その話は、ブランドンの娘としてか?それとも、部下として?」
日生日出人:回されたので、わっわっと慌ててから、いそいそ自分の分を確保している。
シェリー・ミルズ:「女王、とか。ミルズを継ぐ者として、かしら」
芳井春:「ん」
芳井春:「幸運を祈るしかできないが…応援してるよ」
シェリー・ミルズ:「ありがとう」
シェリー・ミルズ:「……どう転ぶにしても、アタシは──この街を出ていこうと思ってる」
日生日出人:「えっ」お箸を片手に、目を丸くする。
日生日出人:「ほんと? ミルズを離れるってこと?」
シェリー・ミルズ:「そう。できたらいいな、って」
芳井春:彼女が話してくれた、母の話を思い出しながら。「そうか」
日生日出人:こくこく頷く。「俺も、そうなってほしいなって、ずっと思ってる」
香上進一郎:烏龍茶のグラスに向けて伸ばしかけた手を止めて。
香上進一郎:「オレは、シェリーさんに。その器が無いとは思えないですけど」
香上進一郎:「器があるからといって、それにならなければいけないなんてルールは。無いですから」
香上進一郎:「やりたいように、なさるのが。一番だと思います」
日生日出人:「んふふ」にこにこします。「やりたいこととか、あるの?」
芳井春:「ああ、それ聞きたいな」
シェリー・ミルズ:「んー……」 手元の空になったグラスを傾ける。氷の澄んだ音。まだ仄かに残る、ミントの匂い。
シェリー・ミルズ:「……大学」
日生日出人:「大学?」
シェリー・ミルズ:ほんの少し、恥ずかしそうに。「学生らしいこと。あまり、できなかったから」
シェリー・ミルズ:「今更だけど、出来たら良いかもって……思っているわ」
倉間美舞:「九株市は大学ないですしね」
芳井春:「……ヒナセも見習ったほうがいいんじゃねえの?」
日生日出人:「ふあっ」
日生日出人:「わああ」
日生日出人:わかりやすく慌てる。大学生だが、全然ちゃんと通ってない。
香上進一郎:「日生先輩。授業は、その」
香上進一郎:「出たほうが……」
日生日出人:「でっ……出てないわけじゃ……ない………もん…………」
シェリー・ミルズ:「正義の味方も大変ね」
芳井春:「いいと思うよ、学校も…街も、いろんなとこ行って」
矢掛翠:「それでたまに遊びに来てもらえると嬉しい」言葉を継ぐように。
矢掛翠:「みんなお疲れ様」
芳井春:言いかけたことがそのまま聞こえてビクッとする。
日生日出人:「あっ」ぱっと顔を上げる。
倉間美舞:「おつかれ様~っす」
香上進一郎:「お疲れ様です。支部長」
日生日出人:「おつかれさまです~、来れたんだねえ、よかったあ」にこにこしながら席を空ける。
芳井春:「……あー。お疲れ」
矢掛翠:「珍しいところでちょっと迷っちゃった」
シェリー・ミルズ:「来れないことも多いって聞いていたから、良かったわ」
シェリー・ミルズ:「……歓迎されるほど、良いことはして来てないわよ。偶然こうして──」 グレイが助けを求めたのが、彼らで。
グレイ・バーンズ:会釈する。
シェリー・ミルズ:「同じ組織を相手にすることになったから。同じ場所にいるだけ」
矢掛翠:「いっときでも同じ向きを向けることは」
矢掛翠:「幸せなことよ?」
シェリー・ミルズ:「貴女が言うと、説得力があるわね」
矢掛翠:「年季くらいはついてきてくれたからね」笑って。
矢掛翠:「勿論、それが長く続けば続くほどいい。そういうものでしょう?」
シェリー・ミルズ:「……そうね」
芳井春:「そうだな」と、グレイのと一緒に来た緑茶を支部長に手渡す。
日生日出人:「それって」ひょいと会話に混ざる。
日生日出人:「俺たちと、シェリーさんとグレイさんが、仲良しってことだよね」にこにこする。
グレイ・バーンズ:「君たちには感謝している」
日生日出人:「えー、へへへ」嬉しそうになる。
日生日出人:「しんちゃんねえ、これじゃ、グレイさんと決着つけられないねえ」
シェリー・ミルズ:驚いたように、少し目を瞠って。「アタシもよ。感謝、しているわ」
芳井春:「最後に支部で打ちあってもらえばよかったな」
倉間美舞:「決着付けたらどーせ凹むんだからなくてよかったんじゃないすかあ」
倉間美舞:ジュウジュウと海鮮を適当に焼いている。
香上進一郎:「……悩ましいところですね」注文しただけ、誰も手つかずの海藻のサラダをもしゃもしゃ食べながら。
芳井春:来たアルコール類を二人に回す。
日生日出人:ありがと~、とにこにこします。
香上進一郎:「決着をつけたい気持ちはありますけど」
香上進一郎:「それ以上に、多分」
香上進一郎:「あの時みたいな心持ちで、拳は向けられない気もします」
日生日出人:「仲良しだあ」
芳井春:ハイボールのジョッキの淡い金が揺れる。「そうかもな」
倉間美舞:「つーか仲良しこよしする前に」トングをカチカチする。
倉間美舞:「やることがあんでしょーが」
シェリー・ミルズ:受け取ったグラスを揺らす。「そうね」
香上進一郎:はっ、とした顔でグラスを掴む。
倉間美舞:「うちの女王陛下が御出なすったんからね」
香上進一郎:「到着したばかりですみません、支部長」
日生日出人:「ふあ、みまちゃん、しっかりしてるねえ」
矢掛翠:「もういいわよその枠組は~……」
日生日出人:「んふふ…」笑いながら、ちらりと春くんを一瞥。
芳井春:周囲を見て、安堵したように息を吐いている。
芳井春:「…ん、じゃあ頼んでも?」
矢掛翠:「……幹事さんに頼まれました。なるべく手短にするね」
日生日出人:(むずがゆいやりとり~)思っている。
矢掛翠:「今回もみんな、よく頑張ってくれた」
矢掛翠:「寄島ひろし氏殺害の真犯人の発見と、その無力化」
矢掛翠:確保、とは言わなかった。「この街の安全は、あなた達のおかげで守られた」
矢掛翠:「改めて、UGNのみんな。そして、多大なる協力をしてくれたシェリー・ミルズさん、グレイ・バーンズさん」
矢掛翠:「ありがとう。そして」
矢掛翠:「ここから、少しでも長く」
矢掛翠:「これが続きますように」グラスを掲げた。「乾杯」

【エンディング:香上進一郎】

GM:【鴻央会系廿雀組 事務所】
GM:周囲を白塗りの塀に囲まれた日本家屋。
GM:その中の客間に、君はある。
GM:その主人の姿はまだない。君たちはそれの到来を待っていた。
倉間美舞:「……やっぱ帰る」
香上進一郎:姿勢よく座りながら、高そうな湯呑に淹れられた茶を啜っている。
香上進一郎:「諦めろ」
倉間美舞:「マジでやだ~……」
香上進一郎:「……まあ、底知れない怖さみたいなのがあるのは、分かるけど」楠本陽子のこと。
香上進一郎:「お前がそこまで駄々こねんのも珍しいな」
倉間美舞:「だってよ……」
GM:す、と襖が開き、和服の女性が歩み出てくる。
楠本陽子:「ようこそ、美舞さん。それから……」
楠本陽子:「進一郎さん、ですね?」
香上進一郎:ゆっくりと立ち上がり頭を下げる。「どうも。本日はお時間頂き……」
香上進一郎:己の肩で隣の少女の肩を小突く。
倉間美舞:「ご……ご無沙汰しております~」一礼しながら揉み手する。
倉間美舞:「陽子さんもご健勝でなによりです~」
楠本陽子:「ええ。相変わらずね、美舞さんは」
楠本陽子:「もっと楽にしていいんだよ?」
香上進一郎:なんだか懐かしい気分に浸りつつ。
香上進一郎:「改めて。先日の寄島ひろし氏の件について、終着いたしましたので。そのご報告をと」
香上進一郎:既に明らかになっている情報もあるが。可能な限りでの事態の進行、およびその対策、結果などを。途中幾らか言葉に詰まりながらも説明していく。
楠本陽子:「なるほど。よくよく分かりました」
楠本陽子:「でも、どうしてそれをわざわざうちに?」
楠本陽子:「私達のことなど放っておいてもよかったんじゃなありませんか?」
香上進一郎:その言葉に暫し黙したあと。
香上進一郎:「……これは、上の意向では無いですけれど」
香上進一郎:「楠本磊───旦那さんの件について」
香上進一郎:「あの人は。確かに、我々としても看過できない悪事を働いてきた人で」
香上進一郎:「言ってしまえば、貴女の仰る通り。卑劣極まる姦計……で。あの人を拘束したのはUGNウチです」
香上進一郎:「でも、そんな我々の意向など。貴女には関係ない」
香上進一郎:「怒りと、恨みに任せて」
香上進一郎:「我々全員に対し、復讐を果たしてみせると宣言し、それを実行しても。オレはおかしくないと思ってました」
香上進一郎:「でも、貴女は。出されても文句など言えない、その矛を収めてくれた」
香上進一郎:「本当に。生意気な言い分ですが」
香上進一郎:「貴女の“器”は。まさに、女王に相応しいものだと。感銘を受けたから……」
香上進一郎:「オレに行かせてくださいと、上に頭下げて。本日は参りました所存です」
香上進一郎:「こっちの言い方で言うなら」
香上進一郎:「これが、貴女にも、あの人にも。恥じない、仁義の果たし方だと。そう思ったからです」
楠本陽子:「そもそも、女王なんて言われても困るのよね」
楠本陽子:「私はただ、あの人の居ない家を守っているだけなのに……」
楠本陽子:「そうね。多分ね」
香上進一郎:室内をゆるりと見回す。幾分か、広く感じるのは。彼が放つ圧が存在しないというだけなのだろうか。
楠本陽子:「磊が戻ってきたら、あなた達を許さないと思う」
楠本陽子:「一人も残らず、どうにでもしてしまおうって言うんじゃないかな」
倉間美舞:(こえ~……)
楠本陽子:「でも私は磊ではないもの」
楠本陽子:「そうできるなら、そもそも、私が廿雀を動かしていたと思う」
香上進一郎:燃えるような瞳から視線を離さないままに。
香上進一郎:「FHの関与を拒んでいたのも、そのためですか?」
楠本陽子:「そもそもあの人もね、したくてしていたわけじゃない」
楠本陽子:「そうしないと飲み込まれてしまう、と分かっていたから」
楠本陽子:「だから渋々頼った」
楠本陽子:「……私は、あなた達に直接の恨みを抱くつもりはない」
楠本陽子:「だけどね。これは覚えておいてね」
楠本陽子:「私が廿雀を抑え続けてはおけない」
楠本陽子:「磊の妻だから、みんな慕ってくれてるだけ」
倉間美舞:「女王って言われても困るってのは」
倉間美舞:「だからですか?」
楠本陽子:うん、と頷いて。
楠本陽子:「できれば、あなた達が大人になるまでは」
楠本陽子:「平和であってほしいと思いますけど」
楠本陽子:立ち上がって、歩み寄る。
楠本陽子:頭を撫でる。
香上進一郎:座したまま、上目でその表情を見る。
楠本陽子:「まだ子供ですから。あなた達は」
楠本陽子:「あなた達が、大人になって」
楠本陽子:「責任を取れる歳になったら。改めて、伺います」
楠本陽子:「廿雀組若頭の妻として」
香上進一郎:「肝に命じておきます」
香上進一郎:席を立つ。
倉間美舞:「うす……」
香上進一郎:(何時までも。子供のままではいられない)
香上進一郎:心中でだけ呟きながら。戸を引いて。
香上進一郎:「……面会は」
香上進一郎:「きっと、許可が下りないですけど」
香上進一郎:「手紙くらいは。打診してみます」
楠本陽子:「だったら、逆がいいな」
楠本陽子:「向こうからの手紙が欲しい」
倉間美舞:「まあそれは分かる」
倉間美舞:「そっちのがいいっすよね」
香上進一郎:「……そういうモンか?」
倉間美舞:「だからおめーはダメなんだアホ」
倉間美舞:「……あ」
楠本陽子:「まあ……」
楠本陽子:「美舞さんって普段はそんな感じなんだ」
香上進一郎:おそるおそる陽子さんを見る。
香上進一郎:ふーっ、と息を吐いて。
楠本陽子:「意外なものね」
香上進一郎:「もうやめれば?」
香上進一郎:「お前以上に疲れるんだけど。オレが」
香上進一郎:慌てた様子の少女に気怠げに文句を飛ばす。
倉間美舞:「……」
倉間美舞:「し、失礼します~」逃げ出すように空いた戸から出ていく。
香上進一郎:ち、と舌打って。「では、楠本さん」
香上進一郎:「……一応、その件も」
香上進一郎:「上に。相談してみます」


GM:外へと出て。
倉間美舞:「お前さ~~~~~」
倉間美舞:「余計なこと言うなや」
香上進一郎:「鏡に向かって話してる?」
香上進一郎:「なんで出してんだよ」
香上進一郎:素、と呟いて。ぐ、ぐ、と両腕を交差して身体を解す。
倉間美舞:「香上に向かって話してるだろアホ」
香上進一郎:「つまんねえ。5点」
倉間美舞:「お前生まれてこの方面白いで点取ったことあんの?」
倉間美舞:「採点者の資質が問われるだろ」
香上進一郎:「倉間美舞よりは取れる自信があります」
倉間美舞:「鏡見ろや」
香上進一郎:「香上だろうがボケ」
倉間美舞:「テメーはどっちだろうが一緒だろ」
倉間美舞:「ま~でもなんか……」
倉間美舞:「あんなビビる必要なかったな」
倉間美舞:「陽子さん相手に……」
倉間美舞:「フツーだったわ」
香上進一郎:ふ、と溜息吐いて。
香上進一郎:「多分」
香上進一郎:「知れたからだろうな」
香上進一郎:「人となり、っつーか」
倉間美舞:「まああれがいねえ状態であった事はなかったからな」
香上進一郎:「あれ……ああ、磊さんか」
香上進一郎:「……正直、意外っつーか」
香上進一郎:「あの二人。どうやって結婚するまでに至ったんだろうな」
香上進一郎:「全然違くねえ?タイプ」
倉間美舞:「たしか婿入りしたんじゃないっけな」
倉間美舞:「んなこと昔言ってたよ-な……」
香上進一郎:「意外だ……」
香上進一郎:「逆なら分からなくもねーけど……へぇ」
香上進一郎:「ま、育ちは良さそうだもんな。陽子さん」
香上進一郎:「見習って欲しいわ」
倉間美舞:「まあバリバリ悪いけどな」
倉間美舞:「ヤクザの家系なら……」
倉間美舞:「つーかウチはいいからな言っとくけど」
香上進一郎:「シノギの話はまあそうだろうが……」
香上進一郎:「そうだっけか」
香上進一郎:あまり立ち入りすぎた話は聞かないようにしている。
香上進一郎:「聞いてもいいやつ?」
香上進一郎:今までは。
倉間美舞:「あー?別にいいけど」
倉間美舞:「ねえぞ面白さは……」
香上進一郎:「そこに面白さは求めてねえよ……」
香上進一郎:「とりあえず帰るか……」
倉間美舞:「聞く気ねーなこいつ」
香上進一郎:「こんな道端で聞きたくねえだけ」
倉間美舞:「支部戻んの?」
倉間美舞:「向こうで話すと人数多くてダリーんだけど」
香上進一郎:「あ~」
香上進一郎:おそらく補充されているであろう芳井先輩の冷蔵庫ソーセージを逃すのは惜しいが。
香上進一郎:「どっか適当に寄るか」
倉間美舞:「どこだよ」
倉間美舞:「沖角とか言ったら0点だぞ」
倉間美舞:「あれは芳井春だから許されてるんだからな」
倉間美舞:「お前がやったら終わりだぞ」
香上進一郎:「芳井先輩だと許されるんだ……」
倉間美舞:「なんかなるだろ 愛嬌に……」
倉間美舞:「オゴリだし……」
香上進一郎:んー、と熟考して。
香上進一郎:「面倒くなってきたな……」
香上進一郎:「適当にメシ買って」
香上進一郎:「来るか?」
倉間美舞:「どこに」
香上進一郎:「いや、オレん家」
倉間美舞:「おう」
倉間美舞:「……」
倉間美舞:「……あ?」
香上進一郎:「何……?」
倉間美舞:「いやお前……」
香上進一郎:「お前ん家でもいいけど」
倉間美舞:「いいわけねーだろアホ」
倉間美舞:「なんで妥協案でウチのウチが挙がるんだ」
香上進一郎:「だろうが」
香上進一郎:「いいよ別に。昨日掃除したばっかだし」
香上進一郎:「聞かれたくねー話なら丁度いいし」
香上進一郎:「マジで無理なら別にいいけど」
倉間美舞:「こいつ……どっちだ……」
倉間美舞:「マジのアホなのか……めちゃくちゃ慣れてるのか……」
倉間美舞:「……この二択ならマジのアホ説だな……」
香上進一郎:「………」
香上進一郎:「いや……」
香上進一郎:「冷静に考えて……オレの城に……」
香上進一郎:「初めて女子迎え入れんのがお前か……」
倉間美舞:「あ?」
倉間美舞:「なんかお前今めちゃくちゃ失礼な……」
倉間美舞:「てか……」
倉間美舞:「城……」
倉間美舞:「城て……」
香上進一郎:「一国一城の主だろうが」
倉間美舞:「志ちっさ」
倉間美舞:「せめて家だろそれは」
香上進一郎:「どっちでもいいよ」
香上進一郎:「まあ……」
香上進一郎:「前の、任務ん時の……あのカッコは」
香上進一郎:「悪くなかったし」
倉間美舞:「……5点」
香上進一郎:「あれに免じて。特別にやってあげてもいい。入城の権利を」
倉間美舞:「そん時に言えアホ」
香上進一郎:「………」
香上進一郎:がしがし、と頭を触って。
倉間美舞:「……行く」
香上進一郎:「ん」
倉間美舞:「手え出したら両方潰すかんな」
香上進一郎:「潰すのは慣れてる」
香上進一郎:「……いや」
香上進一郎:「変な意味でなく」
倉間美舞:「じゃあ帰る」
倉間美舞:「テキトーに肉買っといて」
香上進一郎:「は?何でわざわざ……はぁ。美味ぇ惣菜屋あったかな、この辺」
香上進一郎:肩を並べて、暮れゆく夕日を背に通りを行く。
香上進一郎:───特別に大人になりたいと思う訳では無いが。
香上進一郎:美味そうに酒を呷る人たちを見ていると、羨ましいと思う気持ちもある。
香上進一郎:けれど、もう少しだけ。このままでいいと。
香上進一郎:日に照らされ輝く、揺れる二房の髪を見据えて。何となく、そう思った。

【エンディング:日生日出人】

GM:【ニュー九株ビル 5F 輸入家具「ジャス・キューセミ」】
矢掛翠:「ふう」書類整理を追えて息を吐く。
矢掛翠:自分の肩をとんとんと叩く。「ようやく一息つけそう」
日生日出人:「ほんとっ?」別の書類を眺めていた顔を上げ、嬉しそうに言う。
日生日出人:染めたピンクベージュの髪、甘い雰囲気の青年姿。
矢掛翠:「ようやく落ち着いてきたからね……」
日生日出人:「じゃあー、じゃあー、ちょっと休憩しよ。休憩~」
矢掛翠:「そうねえ……」
日生日出人:「だめ~?」
日生日出人:翠さんのそばまで来て、そわそわしています。顔を覗き込む。
矢掛翠:「うん。休憩にしようかな」
日生日出人:「んへへ」嬉しそうに微笑む。
日生日出人:そのまま、翠さんの手をついととって、ソファまで連れて行きます。
矢掛翠:導かれるように座って。
矢掛翠:「今日はどうしたの?」
日生日出人:「ん~~……」隣にぽふっと座る。
日生日出人:「あのねえ、優しくされたい日」
日生日出人:「ほら、ご褒美、前に話したでしょ」
日生日出人:「翠さんに……あのね、ただの翠さんからね、がんばったご褒美、もらう日、ほしいなって……」
日生日出人:「だめかなあ」心配そうに、翠さんの表情を探るように見る。
矢掛翠:「うん。そうだなあ」
矢掛翠:「あなたはよくやってるよ」
矢掛翠:「最良の結果って、言ってしまっていいと思ってる」
日生日出人:「………」
日生日出人:「そうかなあ」
日生日出人:不安そうにしている。
矢掛翠:「こういう言い方をしたら薄情なのかもしれないけど」
矢掛翠:「ああしてしか生きられない子を捕まえても、ああし続けないと生きられないよ」
日生日出人:「……うん」
日生日出人:「考えてたの」
矢掛翠:「うん?」
日生日出人:「汀ちゃんが、言ってたこと…。女の人がトップに立てる組織をね、つくるんだって」
日生日出人:「そんなの、ほんとに、うまくいったのかなあって」
矢掛翠:「行かない」
矢掛翠:「女がトップに立つ組織じゃあ無理だよ」
矢掛翠:「女でもトップに立てる組織、じゃないと健全じゃない」
日生日出人:「……そだね」
矢掛翠:「それで、それ自体はね。できてた大きな組織も知ってる」
矢掛翠:「あるいは今もなのかな……」
日生日出人:「?」きょとんと首を傾げる。
矢掛翠:「旧FH日本支部。現ゼノス」
日生日出人:「ふあ」
日生日出人:「できてたね、できてた」こくこく頷く。
矢掛翠:「女王ってああいうのこそなんだろうな」
矢掛翠:「この街には……ちょっとそういうの似合わないかなって思う」
日生日出人:「うん」瞬きする。
矢掛翠:「すっかり統制が取れて、決まりきった場所に置かれてしまうよりは」
矢掛翠:「お互い影響しあい続けるような立ち位置のほうが、らしいんだろうね」
日生日出人:「これからも、いろんな人が現れて……、いろんな人がいろんなこと考えてて、何が起こるかわかんないってことだ」
矢掛翠:「そう。勿論いい方向に行ってほしいけどね」
矢掛翠:そればかりは祈るしかないなあ、とぼやく。
日生日出人:「8人の女王っていうのも、さっそく崩れちゃったしねえ」しかたなさそうに笑う。
日生日出人:「あのね、わがまま聞いてくれて、ありがと」
矢掛翠:「ううん。私も話したかった」
矢掛翠:「あんまりこういう、カオスを許容しようみたいなの」
矢掛翠:「真面目な子達には聞かせにくいもの」
日生日出人:「んふふ」嬉しそうに笑う。
日生日出人:「俺、真面目じゃない」
矢掛翠:「そう扱われる方が嬉しいでしょう」
日生日出人:「うん」
日生日出人:「悪い子だって、思っててほしい」
日生日出人:「思ってて、それで、そう扱ってほしいし……」
日生日出人:「こういうね、内緒話、聞かせてほしいの」
矢掛翠:「そんなご褒美でいいの?」
日生日出人:「……」ちょっと言葉に迷って、翠さんを見返す。
日生日出人:ねだろうと思いついたことなんて、本当は、いくらでもある。
日生日出人:(うそでもいいから)
日生日出人:(嫌いにならないで、とか)
日生日出人:(触ってほしいとか………)
日生日出人:言ったら、してくれるんだろうな、と思った。
日生日出人:「うん」
日生日出人:本音とは裏腹に、頷く。「いいの」
矢掛翠:「……そう」それ以上は何も言わずに、そのまま座っていた。
日生日出人:髪に。
日生日出人:触れようかと思って、彼女の姿がまだなんとなくちらついて、やめる。
日生日出人:彼女に頼まれたことは、ちゃんとその通り、果たせていた。


GM:その彼女が居た店の近く。
GM:彼女が残したものが、しっかりと根づいているかの、確認はたしかに済んだ。
GM:その帰り。
GM:チラチラと視線を感じる。
日生日出人:華やかな姿、光るネオン、去り行く男性、見送る女性。交わされる浮ついた言葉。
日生日出人:そういうものを見つめたあと、なんとなく寄る辺ない気持ちになって、途方に暮れたように(帰ろ)と思って。
日生日出人:「ふあ」視線を感じてそちらを見る。
キャピキャピした女性たち:「わ、こっち見た!」「行く?行かない?」
日生日出人:ぱちぱち、と瞬き。数人の女の子たち。
キャピキャピした女性たち:「行こ行こ!行っちゃお!」「あの~……すいませ~ん」
日生日出人:俺かなあ?と思い、にこっと笑って、手を振ってみる。
日生日出人:「なあに~?」
キャピキャピした女性たち:「キャー!」
日生日出人:「んへへ~」なんかかわいいな~、と能天気に思っている。
キャピキャピした女性たち:「あの~、今おにーさんお一人ですか~?」
日生日出人:「うん~、ひとりだよお」
キャピキャピした女性たち:「えーほんとぉ?」
日生日出人:「え~~?」ふにゃふにゃ笑う。「ひとりだもん~」
キャピキャピした女性たち:「じゃあ~、一緒にちょっと遊んでよ~」
キャピキャピした女性たち:「うわ言った」「言ってる~」「がんばった」
日生日出人:「俺と~…?」 ひょろりと長い背をかがめるようにして、言ってきてくれた子の顔を覗き込む。
キャピキャピした女性たち:「ひゃっ」
日生日出人:頬がほんのり赤い。そのまま、その子の首筋に顔を近づける。
キャピキャピした女性たち:「はわわわわ」
キャピキャピした女性たち:「うわやば~」「マジ?」
日生日出人:アルコールの匂いがする気がする。それ以上に外気の埃臭い匂いを感じて、よくわからない。
芳井春:「……おい」呆れたような声が、さらに上から降ってくる。
日生日出人:「ふあ?」
日生日出人:顔をひょいと上げる。
芳井春:「バルクに行くって聞いたから来てみたんだけど」
日生日出人:「春くん~」 ふにゃふにゃ笑う。
芳井春:と、双方の様子を見る。
日生日出人:「あのねえ、俺、いま、このお姉さんたちと一緒に、遊び行こっかなって」
キャピキャピした女性たち:「わ~私こっちのがタイプかも……」
芳井春:なんだかんだ自分から声を掛ける風でもないから、……まあ、そういう感じかな、と考える。
キャピキャピした女性たち:「おにーさんお友達~?一緒に遊びませんか~?」
日生日出人:「ふえ~」それに寂しそうにする。「俺は~~?」
芳井春:「いや、俺これから仕事だから。それでこいつも要り用なの、悪いけど」
芳井春:「あと」
キャピキャピした女性たち:「え~」
キャピキャピした女性たち:「ちょっとくらいいいじゃーん」
日生日出人:「いいじゃあん~」
芳井春:「他はあんまり声掛けない方がいいよ。この辺は」
芳井春:「ヤクザだのなんだのがぞろぞろいるんだから」
キャピキャピした女性たち:「えーまじ?」「デマじゃないんだ」
芳井春:「気を付けて、『ちゃんと』遊べよ」
キャピキャピした女性たち:「でもなんか殺人事件あったじゃん」「マ?」
キャピキャピした女性たち:「はあ~い」
キャピキャピした女性たち:名残惜しそうに女性たちは離れていく。
芳井春:と、ヒナセの腕を引くように連れていく。「マジだから」
芳井春:「……んで」
日生日出人:「あ~~……」寂しそうに、去って行った女性グループを見つめている。
日生日出人:「ばいば~い……」
芳井春:「……」それを見て、少しばつが悪そうにする。
キャピキャピした女性たち:「ばいばーい」
日生日出人:「春くんがかっこいいところ持っていった……」
芳井春:「……いや」
日生日出人:「もうあのお姉さんたち、俺のこと覚えてないよお」
芳井春:「おまえ前に、ナンパがめんどくさいから、とか、言ってたから…」
芳井春:「嫌かと思って」ぼそぼそと言う。
芳井春:「違ってたら…悪かった」
日生日出人:「……」
日生日出人:「あっ」きょとんと春くんを見上げ、わっと焦る。「ご、ごめんね」
芳井春:「や。でも、おまえの様子見に来たのは本当」
日生日出人:「怒ってないよお、大丈夫だよお、よしよし…」
芳井春:「だから、用事がないわけじゃない…し」
日生日出人:腕をさすりながら。「んん」
芳井春:「要らん要らん」とよしよしから逃れる。
日生日出人:「ん~~……」逃げられる。
日生日出人:「じゃあ、俺、今日、ナンパ待ちする」
芳井春:「は?」
日生日出人:「待ってれば、もう一回くらい、される気がする」
日生日出人:「たぶん……」
芳井春:「……おまえの様子見に来たって言った」
芳井春:「おまえと話したいから来てんですけど」
日生日出人:「…じゃあ、今度、する………」
芳井春:「なんでそんなこだわんだよ」ちょっと笑う。
日生日出人:「だって」困ったように言う。
日生日出人:「それで、やだなってなったら、みぎわちゃんの気持ち、ちょっとでもわかるかなって」
芳井春:「……」
日生日出人:「俺、なんかあんま、やだなってなんないし……」
芳井春:「……嫌になんて」
芳井春:「ならない方がいいだろ」
芳井春:もう一度腕を取って、そのままずんずんと歩いていく。
日生日出人:「わ」
日生日出人:そのままついていく。
芳井春:キャバクラ、ハプニングバー、ホストクラブ、ラブホテル、接待や交歓のかたちが無数に流れていく。
日生日出人:「別にね」
日生日出人:こちらを向かない広い背中に言う。
日生日出人:「大丈夫だよ」
芳井春:「なにが」
日生日出人:「俺、あの、変になってないから」
日生日出人:「えっと、だから、いつも通りでね、いられるから」
芳井春:「そうじゃなくて……」
芳井春:「いられるとかじゃなくて」
芳井春:どうも落ち込んでいる気がしたから顔を見に来た。
芳井春:それで、もっときちんと、もっと優しいようなことを言うつもりでいた。
芳井春:全然優しい気持ちなんかじゃない癖にだ。
芳井春:「いなくていいよ。なんか、頑張って、そうやって、そういう…」
芳井春:「なんで俺に聞かせてくれねえの」
日生日出人:「春くん」困った声。
日生日出人:「怒ってる?」
芳井春:ぱ、と手を離した。人工的な光が届かない細い路地。
日生日出人:途方に暮れた顔で、春くんを見ている。
芳井春:「怒ってるとしたら、自分に」
日生日出人:「何に、なんで…」
芳井春:「……頼られたかったんだよ」
芳井春:小さい声で、呻くように言う。
芳井春:「こないだ、志帆の件のとき、おまえが聞いてくれたみたいに」
日生日出人:「………」
芳井春:「俺が頼ってたみたいにしたかったの、…そうやって勝手に…自分が痛くなればわかるみてえな…」
日生日出人:「は」
日生日出人:「春くんの中の、俺は…」 言葉に迷いながら、こっちも言う。
日生日出人:「どんなこと、春くんに言うの」
芳井春:「……わからない」
芳井春:「わからないから、聞きたかった」
日生日出人:「……」
日生日出人:瞬きする。「…別に」
日生日出人:「別に……、言わないでだって、良いことだもん」
芳井春:「うん。無理に言わせるようなことでもない」「…いや。これ変か」
芳井春:はは、と空気を震わせるように笑う。気持ちの悪い声だな、と思った。
芳井春:「……変だな。こういう話をしたくて、来たんじゃねえんだけど」
日生日出人:「うん」ちょっと笑う。
芳井春:「言わなくてよくても俺は聞きてえの」
芳井春:「それがおまえの欲しいものかはわかんないけど」
芳井春:「何かしたかった」
芳井春:「させてくれよ」
芳井春:与えてくれと言うように、そう言う。
日生日出人:「何かって」ちょっと笑ったまま言う。
日生日出人:「そんなのほんとは、春くんがかっこつけたいだけじゃん」
芳井春:「……なんでそう思う」
日生日出人:「そういう風に、俺、してたから」
日生日出人:「なんか、すごいやな過去とかあって、それで、だからこんな事件を起こしたんだとか泣かれてさ」
日生日出人:「そういう言葉が聞けたんなら、俺だって、なんか、それっぽいこと言えたのにねとか」
芳井春:「…うん」
日生日出人:「好きな人は死んじゃったんだって」
芳井春:「そうか」
芳井春:誰のことかはわかる。ここにない甘い匂いが届くようだった。
日生日出人:「それでね、そういう女だから、たぶん、もう誰かの言葉を聞く気はなくって」
日生日出人:「でもね、そうしてやろうとしてた事も、多分、うまくいかない事なんだって」
芳井春:「…うん」
日生日出人:「………んはは」
日生日出人:困ったように笑う。「だから俺もさ、あんま引きずってたら、なんか…だめじゃん」
芳井春:「べつに…だめでもないだろ」
日生日出人:「あっちにその気ないのに」
日生日出人:「勝手に好きになってたら、だめだよ」
芳井春:「……」
芳井春:「そうかな」
芳井春:「…俺は、そうは思えない」
芳井春:「それでも勝手に思ってたことも、勝手に足掻いてたことも、それに意味がなくても」
芳井春:「そういうことの全部を、俺は勝手に好きで、大事で」
日生日出人:「ちがうよ」遮るように言う。
芳井春:「…違う?」
日生日出人:「ちがくて…、えっと」
日生日出人:「だめっていうのは、えっと…」
芳井春:「…ん」息を吐く。
日生日出人:「春くんみたいに、良かったなあってできればいいんだけどね」
日生日出人:「俺はねえ、なんか、だめだなあってなっちゃった」
芳井春:「…そっか」
日生日出人:ふにゃふにゃ笑う。「自信がねえ」
芳井春:「俺は、お前に任せてよかったと思ってるよ。…良かったなあ、だ」
日生日出人:「ん~?」
芳井春:「おまえみたいに寄り添ってやることも、視点に立つことも、できなかったし」
日生日出人:「できてないよお~」
芳井春:「そのできない分を、おまえだから頼みたいと思った。そして、それでよかったと思った」
芳井春:「それでも、俺には大事なの」
芳井春:「勝手に。なんでか」笑う。
日生日出人:「んん~~」
日生日出人:困って、変な返事になる。
芳井春:「納得いかねえ顔してる」
日生日出人:「春くんみたいにねえ、アツい男だったら良かったなあ、俺」
日生日出人:「そしたらもっと、こう、ちゃんと泣きつけたのになあ」
芳井春:手を伸ばす。前髪を崩すみたいに撫でる。「ハズいな」
日生日出人:「わっ」
芳井春:「……ハハ。俺もなんで、今日こんな必死なんだろ」
日生日出人:大きな手に崩される。「ん~……」
芳井春:「いいよ。おまえはそうで。俺はいつも、それに助けられてるんだから」
日生日出人:「俺もねえ」ふにゃふにゃ笑う。
日生日出人:「春くんに泣きつかれたら、俺、春くん助けてるうって思えて、嬉しいよお」
芳井春:「泣きついてねえし」
日生日出人:「え~、無理しないでいいのにい」
日生日出人:「詩ちゃんとお話できるう?ひとりで行ける?」
芳井春:「なんだおまえ急に」前髪に触れていた指が額を軽く叩く。
日生日出人:「うあ」
日生日出人:「だって」おでこを抑える。「………俺的にはねえ」
日生日出人:「そっちのが気楽だもん」
芳井春:「……ん」
日生日出人:「…………」
日生日出人:「えいっ」
日生日出人:小走りにジャンプし、春くんの背中にのしっと乗っかる。
芳井春:「うげ」
芳井春:「重」
日生日出人:「うははは」
日生日出人:「帰ろっか」
芳井春:「…ナンパの件は美舞や香上にも言っとくからな」
日生日出人:「うえ~~~っ」
芳井春:「そう思うならするな」
日生日出人:「え~~~……」
芳井春:「俺は、もうそこは、勝手に心配することにしたから」
芳井春:「それが俺の気楽」
日生日出人:「うまくいかないねえ」背中からくすくす笑う声がする。
日生日出人:「ちぐはぐだなあ」
芳井春:「ウラハラでな」
芳井春:今日もまた、上手くいかなかった『自分』の塊を思い出しながら。
日生日出人:「同じ意味だし~」 いつも通りの調子で言いながら、広い背中に思いきり体重を預ける。
日生日出人:首筋から、男っぽい、気取った香水の匂いがした。かっこつけてるなあと思う。
日生日出人:未だ、彼女が最期に発した言葉の真意は分からない。
日生日出人:男とか女とか、本音とか嘘とか、好きとか嫌いとか、弱音とか見栄とか、そういうの全部、自分のことだって分からないまま。
日生日出人:(……誰かに分かってもらえなくたって)
日生日出人:やっていける、自分ばっかり、分かりたいくせに。
日生日出人:そういうところだけは、おそらく決定的に、自分と彼女は似ていた。
日生日出人:そういうことばっかり、分かった。

【エンディング:芳井春】

GM:【九株市郊外 新見邸】
GM:その遺産まみれの大きな屋敷は、しかし。
GM:調度品の数を大きく減じていた。
新見詩:「……思い入れの深くもありますが」
新見詩:「やはり、詩には斯様な物品は手に余ります」
新見詩:「先日のようなことがあった折にも、詩では如何ともし難いので……」
新見詩:「粗方引き払いさせて頂こうかと」
芳井春:「…そうか」
芳井春:まだ残っている、いくつかの骨董の中。
芳井春:「納得がいって手放せたなら、よかった」
新見詩:「……はい」
芳井春:「持ってるだけで揉めるものも、まあ、あるしなあ」
新見詩:「いちばん大事なものは、手放してはおりませんから」
芳井春:「お。何」
新見詩:「この屋敷です」
芳井春:……見渡す。
芳井春:「ずっとここで育ったのか」
GM:古く、大きな屋敷だ。それでなお、彼女一人の手には余るだろう。
新見詩:「はい」
芳井春:「あんたは…両親のことは好きだったか?」
新見詩:「はい」
芳井春:その真っ直ぐな視線を見返す。
新見詩:「そう仰るという事は」
新見詩:「春様は、あまりお好きではないのでしょうか」
芳井春:うっ、と少し詰まる。
新見詩:「翠様にもお世話になっておりますから、詩としましては……」
新見詩:「お二人が仲が良いほうがよく思います」
芳井春:「……嫌いじゃない。尊敬してる」
芳井春:「あの人がいなかったら支部は終わりだ」
芳井春:「だけど…」
芳井春:「俺がいなけりゃもっと、とも思うかな」
新見詩:「……?」
芳井春:「子供がいなけりゃもっと自由にやれたし、もっと色々できたと」
芳井春:「…なんとなく思ったりする」
新見詩:「そういうものなのでしょうか」
芳井春:「あと部下としても、もうちょっと信頼されたいんだけどな」と冗談めかす。
新見詩:「されていらっしゃらないのですか」
新見詩:「されていらっしゃらないということは……」
芳井春:「ということは?」
新見詩:「詩のところへ来て頂くお仕事も……」
新見詩:「あまり関心がないということなのでしょうか……」落ち込んでいる。
芳井春:「……」
芳井春:「ふ」
芳井春:「ハハ、そっか、そうなるか!」
芳井春:「いや、悪い」
芳井春:「大事な仕事だよ。嘘じゃないしお世辞でもない」
新見詩:ぱあと華やぐ。
芳井春:それを見てさらに笑う。
芳井春:「うん。…俺としても」
芳井春:「俺としても。…なんだろうな。あんたが『助かって』…『無事で』…」
芳井春:「今回の事件で。あんたにちゃんと何かができて、嬉しかったよ」
新見詩:「はい。はい……!」
新見詩:「あの……」
芳井春:「うん」
新見詩:「もし、春様がお嫌ならそうと言って頂きたいのですが」
芳井春:「うん?」
新見詩:「詩にはこの屋敷は、少し広すぎまして、そのですね」
新見詩:「偶に。偶にでいいのです」
新見詩:「これより後も、詩を訪ねては頂けませんか」
芳井春:「……ああ。なんだ」
芳井春:「それくらいなら全然。むしろ今後ちゃんとやってけるのか」
芳井春:「地味に気になってたんだよな」
新見詩:「……!」
芳井春:「いや」
芳井春:「やってける、の方が大きいか。スピーチもしゃんとしてて」
芳井春:「たぶんあんたは、もう立派に当主なんだろう」
芳井春:「だけど、だから」
新見詩:「……はい」
芳井春:「だからこそ、たぶんこれからも」
芳井春:「この屋敷がそのまま在るのを見るたびに」
芳井春:「俺は自分にできたことを、ひとつは思い出すことができる」
新見詩:「では、今後もがんばって維持しなければなりませんね」
芳井春:「そうだよ。いつ俺が来るかわかんねえんだから」笑う。
新見詩:「はい。いついらしてもいいように致します」
芳井春:「うん。楽しみにしてる」
芳井春:「俺は本当は、パーティーとかより」
芳井春:「人の暮らしてる家のが、ずっと好きなんだ」
新見詩:「……詩もそうなのかもしれません」
芳井春:「ん。大事にしてやって。好きなもの」
芳井春:くるくると変わり、曇り、華やぐ表情。動かないが古びて、人の手を入れられたいくつもの遺産たち。
芳井春:静かで、それでも命の気配がある。
芳井春:それが自分にとって、どれほどの報酬たりえるか。
芳井春:それを伝える言葉はないし、きっと、誰にも分かられなくてよかった。

【エンディング:シェリー・ミルズ】

GM:【市外 邸宅】
GM:九株市からそれなりに離れた街。その屋敷の中の執務室兼寝室。
GM:そこの主は椅子に深く腰掛けたまま、来訪者の姿を見て、読んでいる本を降ろした。
ブランドン・ミルズ:「……何をしに来た?」
シェリー・ミルズ:黒いレースドレスに身を包んだ女だ。男にとっては、とっくに見慣れて厭になったらしい顔の。
ブランドン・ミルズ:「達成の報告ではないだろう?そういう話は受けていない」
シェリー・ミルズ:「そうね。貴方がアタシを焚き付けたこと──その成否については、聞いていないということが事実よ」
シェリー・ミルズ:「今日は、その話をしに来たんじゃないの」
ブランドン・ミルズ:「その言い訳をわざわざしに来たわけではないと。では何だ?」
シェリー・ミルズ:「挨拶に」
ブランドン・ミルズ:「何?」
シェリー・ミルズ:視線を、ようやく真っ直ぐ向ける。レンズ越しの瞳が、僅かに見開かれたのが分かった。
シェリー・ミルズ:「アタシ、九株市を出るわ」
ブランドン・ミルズ:「……何?」
ブランドン・ミルズ:「達成できないどころか、棄てて逃げ帰ると?」
シェリー・ミルズ:「……どうとでも。好きに言えばいいわ」
ブランドン・ミルズ:「そこまで腑抜けた女とは思わなかったがな」
シェリー・ミルズ:「その野心を抱いた女が、どんな末路を辿ったかくらいは知ってるでしょうに」
シェリー・ミルズ:「……ナターリア。あの女も焚き付けたの?」
ブランドン・ミルズ:「あれは見込み違いだったな」
ブランドン・ミルズ:「勝てぬ相手も見極められんとは」
シェリー・ミルズ:男の言葉には、残念だという感情も篭っていないように聞こえる。最初から、期待などしていなかったのだろう。
シェリー・ミルズ:或いは、その上で──盤面を荒らすためだけに、そうしたのか。
シェリー・ミルズ:固く引き結ばれた唇と、色付きレンズの奥に据わる瞳は、こちらに何も悟らせない。
シェリー・ミルズ:「……アタシも、貴方も。この街を勘違いしていたのだと思うわ」
ブランドン・ミルズ:「弁えていればよかったがな。お前はその勘違いしていた街から逃げ出して何を望む」
シェリー・ミルズ:「ただの、シェリーになること」
シェリー・ミルズ:「……女王とか、そういう肩書じゃなくて」
シェリー・ミルズ:「アタシは、アタシの望むままに生きたい」
シェリー・ミルズ:女王は似合わないと。もっと別の生き方があると。……今まで、手を伸ばそうとすらしていなかったものに、手を伸べる切っ掛けをくれた言葉。
ブランドン・ミルズ:「……」
シェリー・ミルズ:「ブランドン・ミルズの娘でいるのは──もう。沢山なの」 語気と。表情を強める。
ブランドン・ミルズ:「……グレイ・バーンズ」
ブランドン・ミルズ:「それを取り押さえろ」
シェリー・ミルズ:彫像のように控えていた男を見た。
グレイ・バーンズ:「……目を離すなの命を」
グレイ・バーンズ:「まだ完遂してはおりませんので」
ブランドン・ミルズ:「……」
シェリー・ミルズ:ふ、と表情が僅かに緩む。
シェリー・ミルズ:「……因みにだけど。ちゃんと、用意はしてきたから」
ブランドン・ミルズ:「用意だと?」
シェリー・ミルズ:「九株市での事業継続──アタシが担ってた部門は、全部。引き継いである」
シェリー・ミルズ:「そうできるように、育てた。アタシがいなくなってすぐ壊れたりなんてしないから、安心して」
シェリー・ミルズ:金融や不動産を始めとした事業。その他、主に外国籍の人間を引き入れ登用する窓口。武力部隊の練度向上。
シェリー・ミルズ:どれも今後のファミリアに必要なもので、全てシェリーが統括してきたものだ。
シェリー・ミルズ:……それを、切り離す。すっかり完成した綺麗な巣を残して。
ブランドン・ミルズ:「……お前の血は変わらない」
ブランドン・ミルズ:「ブランドン・ミルズの娘であることからは逃れられん」
シェリー・ミルズ:「……そうね。だから」
シェリー・ミルズ:「せめて。貴方を知らない人が多い場所に、行くことにするわ」
シェリー・ミルズ:「"女王"の顔も、皆知らない場所」
ブランドン・ミルズ:「お前の真の望みは叶わん」
シェリー・ミルズ:「………………」 応えない。
ブランドン・ミルズ:「“それ”を持ってすら見えなかったのだろう」
ブランドン・ミルズ:閉じていた本の背をちらりと見せる。それはカタログだ。
ブランドン・ミルズ:“宝石”の。
シェリー・ミルズ:普段の姿と、一つだけ異なる。襟元に隠れてはっきり色合いを目視することは難しいが。
シェリー・ミルズ:蒼い宝石の嵌った首飾りが、冷たい感触を伝えてくる。
シェリー・ミルズ:「見えなかったわけじゃない」
シェリー・ミルズ:「見ようとしていないの」
シェリー・ミルズ:「それが、"幸運"なことだとは思わないから」
シェリー・ミルズ:望みは叶わないかもしれない。それでもいい。
シェリー・ミルズ:本当の望みを代償に得られた"幸運"が、彼ら彼女らとの出逢いだったのなら──それで。十分だ。
シェリー・ミルズ:……そして。彼との出逢いも、歩んできた道程も──そうであるなら、アタシは。
シェリー・ミルズ:「グレイ」
シェリー・ミルズ:「今ここで、選んで」
シェリー・ミルズ:首飾りを外す。懐に仕舞い込む。
シェリー・ミルズ:「この人の命に従い続けるか」
シェリー・ミルズ:「……アタシからの。新しい命令を、聞いてくれるか」
グレイ・バーンズ:「新しいご命令は?」
シェリー・ミルズ:あー……と、そこで僅かに言い澱む。
シェリー・ミルズ:命令というか……ううん、と声になるかならないか、呟いて。
シェリー・ミルズ:「……アタシから。目を離さないで」
グレイ・バーンズ:「……そんなものは」
グレイ・バーンズ:「命じられてしたいものでもないな」
グレイ・バーンズ:「勝手にやるさ」
シェリー・ミルズ:「…………そう。じゃあ、勝手に……そうして」
グレイ・バーンズ:ちらりと雇い主を見やり。
グレイ・バーンズ:「……では。失礼」
シェリー・ミルズ:もごもごとそんなことを言いながら、扉に一歩、二歩。
シェリー・ミルズ:……思い出したように、振り返る。
シェリー・ミルズ:「……ああ。言い忘れてたわ」
シェリー・ミルズ:「すべての女王が並び立つには、この盤面まちは狭すぎるけれど」
シェリー・ミルズ:「この盤面まちは、決して一枚でできていない」
シェリー・ミルズ:「ただ一人の"女王"は、きっと成り立たないということを。アタシ達は理解できていなかった」
シェリー・ミルズ:「……きっとそれが、全て」
シェリー・ミルズ:「じゃあね、"お父さん"」
シェリー・ミルズ:黒のレースと、赤い耳飾りが揺れて、揺らめいて。男を一人残し──扉が、閉まる。
ブランドン・ミルズ:「……」
ブランドン・ミルズ:彼女らが去った後。自分の指を見る。
ブランドン・ミルズ:人差指を折る。薬指を折る。
ブランドン・ミルズ:そうして。一番小さく、役に立たないと思っていた指を。
ブランドン・ミルズ:小指を静かに折りたたんだ。


シェリー・ミルズ:陽は既に落ち始め、現れた人影を冷たい風が吹き曝した。
シェリー・ミルズ:「…………っ」 思わず身震いする。
グレイ・バーンズ:スーツを脱ぎ、肩に掛ける。
シェリー・ミルズ:「……ありがとう」
グレイ・バーンズ:「よくも大見得を切ったものだ」
グレイ・バーンズ:「無言で消える手もあっただろうに」
シェリー・ミルズ:人肌の温度が染み付いたジャケット。肩に、上腕に。風を除けようときゅ、と引いた手に、温もりが伝わってくる。
シェリー・ミルズ:「そうしようと、昨日までは思ってた」
シェリー・ミルズ:「……だけど、何一つ言い返せないままっていうのも癪だし」
シェリー・ミルズ:「あとは、そうね」
シェリー・ミルズ:「貴方を試していたのかも」
グレイ・バーンズ:「俺を?」
シェリー・ミルズ:「そう。あの人の前で、言わせたかった」
グレイ・バーンズ:「俺が誰のそばに居続けたと思っている」
シェリー・ミルズ:「……分かってる。分かってるつもりよ」
シェリー・ミルズ:ふるり、と首を振る。
シェリー・ミルズ:「だけど、それでも……アタシは。自分の"幸運"が信じられなくなる」
グレイ・バーンズ:「いいや。お前は分かっていないよ」
シェリー・ミルズ:「…………」
グレイ・バーンズ:「お前の真の望みは、あの血から逃れることだろう」
グレイ・バーンズ:「お前は、もとより叶わぬ望みを抱いている」
グレイ・バーンズ:「であれば、お前が決して叶えられないのは」
グレイ・バーンズ:「その願いだけだ。他のどんな願いも制約されん」
グレイ・バーンズ:「好きなだけ望め。俺が叶えられることは叶えよう」
シェリー・ミルズ:「…………そんなこと。言われた、って」
シェリー・ミルズ:呼吸は、僅かに荒い。囚われていた籠の扉が急に開いて、戸惑っているような。
シェリー・ミルズ:開けた景色を前に怖気付いた小鳥のような瞳で、男を見上げていた。
グレイ・バーンズ:「らしくもないな」
グレイ・バーンズ:「大学に行くと言っていたお前は、もっと決断的だったが?」
シェリー・ミルズ:「それは、その……前からずっと、考えていたことだったから」
シェリー・ミルズ:「……言わなかったこと。怒っているの?」
グレイ・バーンズ:「怒っては居ないが」
グレイ・バーンズ:「……そうだな。強いて言えば」
グレイ・バーンズ:「お前が学び舎にあるその間は、お前から離れざるを得ないなと思ってはいる」
シェリー・ミルズ:ほんの僅かに破顔して。
シェリー・ミルズ:「そうでないと、"ただの"シェリーにはなれないから」
シェリー・ミルズ:「嫌?」
グレイ・バーンズ:「嫌ではあるな」
グレイ・バーンズ:「だから止めろとは言わんが」
シェリー・ミルズ:「じゃあ、迎えに来て」
シェリー・ミルズ:「もう少し……目立たない車で。それなら、どうかしら」
グレイ・バーンズ:「目立たない車だろうが、お前は目立つぞ」
シェリー・ミルズ:「……それはもう、諦める」 ふぅ、と息を吐く。
シェリー・ミルズ:肩に掛けていたジャケットに袖を通してみる。袖の先から、ようやく赤が覗くほどに長い。
シェリー・ミルズ:「きっと、"普通"にはなれないんだろうって、分かってはいるのよ」
シェリー・ミルズ:「だとしても……もし、手が届くなら、って。伸ばした手が届いて」
シェリー・ミルズ:「いま、少し。戸惑ってる」
グレイ・バーンズ:「……」
シェリー・ミルズ:「……貴方が、付いてきてくれたことも」
シェリー・ミルズ:「まだ、夢みたいだって。思ってる」
シェリー・ミルズ:「…………ありがとう。グレイ」
シェリー・ミルズ:「叶わない夢を、夢見て良かった」
シェリー・ミルズ:「貴方と出会う"幸運"を、失わずに済んだ」
グレイ・バーンズ:「シェリー」
シェリー・ミルズ:固く引き結ばれている唇が、その形に動くのが。アタシは、好きだった。
グレイ・バーンズ:「お前はなにか、勘違いをしていると思うが」
シェリー・ミルズ:「勘違い?」
グレイ・バーンズ:「俺のことを、どうにも殊勝で忠実な部下だとでも思ってはいないか」
シェリー・ミルズ:「……そういう風に接するしか、なかったでしょう」 少し不貞腐れたように。
グレイ・バーンズ:「……」
グレイ・バーンズ:「……勘違いをしていたのは」
グレイ・バーンズ:「俺か……?」
シェリー・ミルズ:「……ちゃ、ちゃんと言って」
シェリー・ミルズ:「互いに、どう……勘違いしてるのか。わからないでしょう」
グレイ・バーンズ:「それは俺が叶えられる望みだな」
シェリー・ミルズ:「……そう。望み。だから」
グレイ・バーンズ:「お前のことを一人の女として見ているよ」
グレイ・バーンズ:「殊勝で忠実な部下というわけでもない」
グレイ・バーンズ:「そういうものだよ。俺は」
シェリー・ミルズ:「…………ぇ、あ…………」
グレイ・バーンズ:「不足か?具体的にどこに魅力を感じているか挙げていっても構わないが」
グレイ・バーンズ:「それではお前が凍えてしまうと思うが……」
シェリー・ミルズ:小刻みに震える唇から、ようやっとその悲鳴のような譫言のような音だけが漏れる。
シェリー・ミルズ:「…………そ、そんなに……?」
グレイ・バーンズ:「分かっていて言わせたのではないのか……?」
シェリー・ミルズ:「し、知らないわよ……!」
シェリー・ミルズ:ジャケットを引き上げて顔を隠すように被る。
シェリー・ミルズ:「………………その」
シェリー・ミルズ:「……ある、なら。少しずつ、聞かせて」
シェリー・ミルズ:「……今じゃなくて、後で」
グレイ・バーンズ:「……ああ。だが」
グレイ・バーンズ:「お互いに、だったな。勘違いをしているとは」
シェリー・ミルズ:こくり、と。ジャケットの下で小さく頷く。
グレイ・バーンズ:「そちらを聞きたいものだ。シェリー」
シェリー・ミルズ:「…………えっ、あ」
シェリー・ミルズ:「……ず、ずるい」
グレイ・バーンズ:「ずるい手管など見飽きるほど見てきた」
グレイ・バーンズ:「真横でな」
シェリー・ミルズ:「~~~~~~っ」
シェリー・ミルズ:「………………てた」
シェリー・ミルズ:ぼそぼそと、呻くような声がジャケットの隙間から漏れ出る。
シェリー・ミルズ:ちら、と目だけが探るように隙間から覗く。
グレイ・バーンズ:その目を覗き込むように見る。
シェリー・ミルズ:「……まえ、から。そう、見てた、って」
シェリー・ミルズ:「言ったの」
シェリー・ミルズ:「……そう、思うほど。叶わなくなりそうで、厭だったから」
シェリー・ミルズ:「言わなかったし、そう思ってるって知られたく……なかった」
シェリー・ミルズ:諦めたように、ジャケットを着直す。
シェリー・ミルズ:「……勘違い。これで、解けたかしら」
グレイ・バーンズ:「……」
グレイ・バーンズ:「……何をしてきたんだろうな、俺たちは」
シェリー・ミルズ:「……そう、ね」
シェリー・ミルズ:すっかり持ち主の体温を失ったジャケットを脱ぐ。
シェリー・ミルズ:押し付けるようにそれを返す。
グレイ・バーンズ:「……いいのか」
シェリー・ミルズ:「……ううん。寒い」
グレイ・バーンズ:「寒くなくなりたいか?」
シェリー・ミルズ:こくり、と。頷きに合わせて揺れる赤、その先もまた、淡く色づいている。
グレイ・バーンズ:その赤を。その肌色を。その黒を。
グレイ・バーンズ:包み込むように抱きしめる。「それも叶えてやれる望みだな」
シェリー・ミルズ:「…………あったかい」
シェリー・ミルズ:目を閉じる。
グレイ・バーンズ:「……そうか」
シェリー・ミルズ:服越しに伝わる体温と、男の匂い。少しだけ、煙たいものも混じっている。
グレイ・バーンズ:「……俺もだ」
シェリー・ミルズ:それを邪魔する鉄錆の臭いも、今はない。
シェリー・ミルズ:「……初めて」
シェリー・ミルズ:「……守ること以外で、触れてくれた」
シェリー・ミルズ:その歓びを噛み締めるかのように、そっと、男の腰に手を添える。
シェリー・ミルズ:緩やかに、抱擁を返す。
シェリー・ミルズ:いまは、もう。ただ、守られるだけの存在ではないのだから。
シェリー・ミルズ:「……グレイ」
シェリー・ミルズ:「好きよ」
グレイ・バーンズ:「シェリー」
グレイ・バーンズ:「お前を見続けるよ」
シェリー・ミルズ:シャツに、赤い痕が残るほどの距離。
シェリー・ミルズ:寒さなど、とうに忘れたように。
シェリー・ミルズ:互いの体温を互いに与え合いながら、二人は。──ようやく、同じ方向を向いた。
GM:――エイト・クイーンは難題パズルだ。
GM:本来ありえぬ、8の女王を置くことが出来るかどうか、試しにかかるための。
GM:それらは並ぶことを許されない。同じ色であっても。
GM:だが。そうでないのであれば。
GM:同じ色の駒同士は、並んで、同じ向きを向くことだろう。

『エイト・クイーンは並ばない』 終


本作は、「F.E.A.R.」及び「株式会社KADOKAWA」が権利を有する『ダブルクロス The 3rd Edition』の二次創作物です。
(C) FarEast Amusement Research Co.Ltd.


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