■ミドルフェイズ/シーン05(2/8) 「サーチ&リサーチ」
GM:シーンPC:木虎ツグミ
GM:そうした訳で、引き続きリサーチフェイズです。
GM:木虎さんは自動的に登場。残りのお二人は出なくとも構いません。
木虎ツグミ:1d10+46
DoubleCross : (1D10+46) → 9[9]+46 → 55
GM:木虎ちゃんの結果を見てから、シーンインもありとします。
嬬恋七瀬:53+1D10
DoubleCross : (53+1D10) → 53+6[6] → 59
嬬恋七瀬:出ちゃえ~
壬生墨佳:侵蝕率+10(1d10->10) (侵蝕率:56->66)
GM:この辺りは特記が無ければ以降のリサーチにおいても同様となります。
壬生墨佳:気にせず者!
GM:お、全員登場ですね。それではプライズ判定をどうぞー
嬬恋七瀬:うわっ侵蝕1足りない
GM:妖怪いちたりない
嬬恋七瀬:また情報UGNでいきます~
嬬恋七瀬:3DX+3>=9
DoubleCross : (3R10+3[10]>=9) → 10[5,7,10]+10[10]+5[5]+3 → 28 → 成功
嬬恋七瀬:ワオワオ!
GM:おおー、抜いたー
木虎ツグミ:つよい!
嬬恋七瀬:+5使っちゃおうかな
嬬恋七瀬:みんなの結果見てから決めよう
GM:それだと最大値の4までプライズを稼いで、一気に6まで進みますね。
壬生墨佳:お金2払うでもいいのでは
壬生墨佳:こっちは素振りしてみようかな。
壬生墨佳:3dx+4>=9
DoubleCross : (3R10+4[10]>=9) → 7[2,3,7]+4 → 11 → 成功
木虎ツグミ:こっちはタッピング&オンエアとアンテナモジュールで万城目さんのことを羽生さんに報告しつつ、という体でやりたいです
GM:そうですね、2点加算すれば30なので最大達成値になりなすね。
嬬恋七瀬:お金もう1しか残ってなかった…
GM:お、了解です。
GM:<ツグミちゃん
木虎ツグミ:この場合だとイージー2個で+4です?
GM:そうですね、+4としましょう。
木虎ツグミ:はーい、ではコネはあと一個しかないので素振り
木虎ツグミ:1dx+6
DoubleCross : (1R10+6[10]) → 3[3]+6 → 9
木虎ツグミ:ギリ成功のみ
GM:成功はしましたが、最大値はやはり嬬恋さんですね
嬬恋七瀬:使いましょう 身バレ覚悟で…というか調子に乗って口説いちゃう
GM:了解です。では達成値が30を超えましたので、一気にプライズを4点獲得です!
嬬恋七瀬:わ~い
GM:ではロールの前に、まずは得られた情報を流します。なんと一気に4つ!
③万城目要に関して・その1
万城目要、27歳の既婚女性。
歴史のある資産家の一人娘であり、いわゆる上流階級の人間です。
どちらかと言えば慎ましいタイプとして知られていましたが、
ここ最近、両親や夫を差し置いて活動をするようになっており、現在は万城目家のトップとして君臨しています。
④噂に関して・その1
二律背反した噂『良き縁が結ばれる』『許嫁関係が破談となる』に関しては、どちらも事実です。
これまで別所で行われたパーティーにおいて、少なくない数の「『まったく縁も所縁もなかったモノ同士が結ばれる』事例と、『仲睦まじかった許嫁同士が破断した』事例が確認できました。
いずれも非常に唐突に関係が生じており、同席した人間にも理由が分かりかねると、首を傾げられています。
⑤万城目要に関して・その2
万城目要が現在の夫と入籍したのは、2年ほど前の話となります。
夫は父親の元部下であり、いわゆる入り婿となります。
元部下とはいってもそれなりの血筋と資産を有する家柄の人間でした。
また、関連があるかは不明ですが、彼女は昨年妊娠し、堕胎させられたとの噂があります。
詳細は不明ですが、どうやら胎児はなんらかの障害を持っていたため、『名家にあるまじき子』として処理されたとのことです。
彼女が万城目家のトップとして君臨しはじめた時期と、この噂の時期はほぼ一致しています。
GM:※プライズが5となったため、情報の開示ロール後にトリガーイベントが発生します!
⑥噂に関して・その2
『良き縁が結ばれた』『許嫁関係が破談となった』事例に関して、調査の結果もう少し込み入った事情が判明します。
第一に『良き縁が結ばれた』組み合わせに関しては、本人同士の良き縁と言うよりは、互いの家にとっての『良き縁』であることが判明します。
つまりは婚姻関係による血統の強化であったり、単純な合併による権益基盤の確保などです。
第二に『許嫁関係が破談となった』事例に関しては、特にそうした事情は見受けられません。
強いて言うのであれば、許嫁関係にあった二人が、血筋や権益などによらず、良好な関係を築いていたらしいと言うことが伺えます。
GM:
GM:情報は以上となります。
GM:トリガーイベントは、これらの情報の共有ロールの後に発生します。
GM:また、嬬恋さんは特殊能力を使いましたので、ピアノの話題を振られることが確定しました。どんな感じで壬生さんにバレる感じにしましょうか?
嬬恋七瀬:どうしようかな
GM:会場は先程の宴席ホール以外に、ダンスホールや屋内プール、展望バーなどもあったりしますので、そのあたりを使うのもありかと。他に「こんなところで」みたいなものもあれば
嬬恋七瀬:二人でいるとこにいきなり昔コンクールに出てたの一方的に知ってる子に声掛けられる とか…?
嬬恋七瀬:場所はどうしましょうね
壬生墨佳:そりゃあれでしょう
壬生墨佳:ピアノあるとこでしょ
嬬恋七瀬:助けて……
GM:となると展望バーあたり?
木虎ツグミ:ああ~それで弾いて見せてよとか言われる奴
嬬恋七瀬:助けて…………
GM:ではGMから提案なのですが、バーで二人で情報のすり合わせをしてるところに、「あれ、嬬恋さん?」みたいに声をかけられる感じでどうでしょうか?
嬬恋七瀬:私はそれでOK!
GM:それだけ確認したらさくっと立ち去る方向でw<モブ子ちゃん
嬬恋七瀬:しつこく来てくれてもいいですよ
GM:ではそんな感じで行きましょう。あとは臨機応変に──
GM:BNホテル・展望バー
GM:N市の夜景を楽しむことのできるこのバーは、ビルのちょっとした名物であり
GM:今日のパーティーにおいても、雰囲気を楽しむために何組かのカップルが赴いています。
GM:その一角、奥まった人気の無いスペースに、あなた達は落ち着きました。
GM:互いの情報をすり合わせるために、です。
壬生墨佳:「……居心地悪いなここ」ぽつりと。
嬬恋七瀬:「そうか? やっぱ無理あったんじゃないの~?」言いながら、ネクタイを緩める。
嬬恋七瀬:「ボクは全然。何時間でもいけるね」得意げ。
壬生墨佳:「一人でか?じゃあそうしててくれ」
壬生墨佳:「ここ、カップルばかりだしな。情報聞き出すのも一苦労だ」
嬬恋七瀬:「まあ確かに。流石に横から口説くわけにもいかないし……」
嬬恋七瀬:「……で、収穫は?」
壬生墨佳:「……言っておくけど、まだ本調子じゃないだけだからな」前置きして。
壬生墨佳:「噂はマジだ。『良き縁が結ばれる』『許嫁関係が破談となる』は過去、事実として起きてる」
壬生墨佳:「別にこの2個が同時に起きるのは不思議じゃない。元々縁もない縁が結ばれて」
壬生墨佳:「そいつが元々許嫁を持ってたらちょん切れる。それが何件か」
壬生墨佳:「君はお詳しいんだろうけど、こういうパーティってそんなにみんなお盛んにとっかえひっかえするの?」
嬬恋七瀬:「うーん……」少し頭を掻いて、
嬬恋七瀬:「そりゃそういうコミュニティもあるけどさ、だとしても表沙汰にはなんないんじゃない?」
嬬恋七瀬:「特に見栄と体裁ばっか気にしてる連中だろ?」
壬生墨佳:「まあ良き縁とは喧伝しないよな」ラズベリージュースを呷って。
壬生墨佳:「じゃあ恣意だな、誰かの。まあ、これだけじゃそういう事してるやつが居るかもってだけなんだよな」
嬬恋七瀬:「良縁ってのも、誰にとっての良縁なんだって話だけどな」
壬生墨佳:「ご当人にとって以外ってことか?」
嬬恋七瀬:「そう。なんかヤな感じするぜ、このパーティー」
壬生墨佳:「おいおい」呆れたように。「ヤな感じって……無根拠な」
壬生墨佳:「君は官能評価の為に寄越されたわけじゃないんだぜ」
嬬恋七瀬:「ちげーって。マジな話……」
嬬恋七瀬:「『良き縁が結ばれた』って話、あれはみんな当人の関係上、というより、お互いの家にとっての、って話らしいんだよね」
壬生墨佳:「より良いとこを目指して、そうでない関係をぶった切ってるやつが居るって?」
壬生墨佳:「新手の経営コンサルか?それを企図してるやつは」
嬬恋七瀬:「そう。それだけなら単なる良家のお見合いパーティーとも取れるけど……」
嬬恋七瀬:「気になるのは『許嫁関係が破談となった』って話のほう」
嬬恋七瀬:「こっちは元々家柄や血筋に関係なく仲良くしてた二人が、このパーティーに来ていきなり険悪になった……的な話らしくてさ」
嬬恋七瀬:「なんつーか……都合がいい、よな。そいつらの家にとっては」
壬生墨佳:「……逆なのか?てっきり、新しい縁が結ばれたから自然と切れたと思ってたが」
壬生墨佳:「先ずそっちを切り離すほうが先に来てるのか、それ……?」
嬬恋七瀬:「あるいは同時か? その辺は分かんないけどさ……」
嬬恋七瀬:「言ったろ。ヤな感じだって」
壬生墨佳:「……君さ」
嬬恋七瀬:壁に背を付き、凭れかかる。
嬬恋七瀬:「ん」
壬生墨佳:「真面目にやってるんだな意外と」
壬生墨佳:「遊び呆けてるとばかり……」
嬬恋七瀬:「……はぁ~~!?」
嬬恋七瀬:「お前……ボクのことどう見てるわけ!?」
壬生墨佳:「それじゃあ今度、食事でも……」芝居がかったように。
壬生墨佳:「こういうやつ」
嬬恋七瀬:「やめろそれ! この……!」苛立ち任せに買い言葉を吐こうとして、
嬬恋七瀬:「…………」不意に黙り込む。
壬生墨佳:「……なんだよ」
壬生墨佳:「いつもはもっとキャンキャンうるさいだろ。お眠か?」
壬生墨佳:「まあ子供は寝る時間かもな……子守唄要る?」
嬬恋七瀬:「お前この……!」「…………」少し背の高い壬生さんを見上げて、
嬬恋七瀬:「……そんなに頼りないのかよ、ボクは」
壬生墨佳:「はあ?」
嬬恋七瀬:不貞腐れたように呟く。
嬬恋七瀬:「……お前が言ったんだぞ。相棒だって」
壬生墨佳:「……いや、今褒めたろ。真面目にやってるって……」
嬬恋七瀬:「意外と、が付いただろ!」
壬生墨佳:「……それはつい」指先で髪をいじって。
嬬恋七瀬:「……相棒なら……」
嬬恋七瀬:息を吸って、吐く。
嬬恋七瀬:「……ボクのこと、もっと頼れよ」
壬生墨佳:「……ああ、うん。分かったよ」
壬生墨佳:もう空になったグラスに口をつけて。
壬生墨佳:「……。悪かったな」
嬬恋七瀬:「……ん」
嬬恋七瀬:顔を逸らして、
嬬恋七瀬:「……分かったならいいんだよ」
壬生墨佳:「……普段からそうしてりゃあいいのにな」
嬬恋七瀬:「……何だよ……それ言うならお前だろ」
壬生墨佳:「いや君だろ。何こっちのせいにしようとしてるんだ」
嬬恋七瀬:「なにぃ……!? いつも散々ひとのことバカにしてくるくせに……!」
壬生墨佳:「素直な感想を述べているだけだけど……?」
壬生墨佳:「もしもそう感じるならそれはきっと君が……」
GM:と、ちょっと騒がしくなったところを注目されたのか──
嬬恋七瀬:「お前! そういういっつもスカしたところがなぁ……!!」
女性客:「あれ……ひょっとして嬬恋さん?」
GM:一人の女性客が、あなた方の席へと近づいてきます。
壬生墨佳:「むっ」
GM:後ろには、連れと思われる男性客。
嬬恋七瀬:「お前こそ黙ってれば―― ……え?」
GM:嬬恋さんには特に覚えがない顔です。が──
壬生墨佳:(マジの知り合いか……?こいつ、吹かしじゃなく顔広いんだな)
女性客:「覚えてない? ほら、なんどかコンクールで一緒に──」
嬬恋七瀬:「ええと……」口説いた相手は数知れないが、それなら顔も名前も憶えているはずだ。
嬬恋七瀬:「……!」
GM:その一言で、思い出してしまいました。
壬生墨佳:「……コンクール?」
男性客:「ん、知り合いか?」
女性客:「ほら、前に話した。私、ピアノするでしょ」
女性客:「で、同世代で『天才』って言われてた子がいたの。けど、ある時期を境に急にコンクールとかに出てこなくなっちゃって」
女性客:「あの嬬恋さんでしょ、ねえ?」
嬬恋七瀬:硬直したまま、動けずにいる。冷たい嫌な汗が首筋を流れる。
GM:事情を知らない女性は、懐かしさもあいまって嬬恋さんの様子に気づかず問いかけてきます。
嬬恋七瀬:鼓動が早鐘のように鳴る。呼吸は浅く、早く。
嬬恋七瀬:「……いえ……」なんとか、掠れた声で。「……人違いじゃ、ないですか」
女性客:「ええー、でも……」
GM:と、女性は対面に座している壬生さんへと視線を向けます。
壬生墨佳:「“吾妻くん”、大丈夫?」
嬬恋七瀬:「…………!」
壬生墨佳:「やっぱり、今日調子よくないんじゃない……?医務室行く?」
嬬恋七瀬:「……う……ん……」
女性客:「……あづ……ま?」
男性客:「……なんだよ、人違いかよ」
嬬恋七瀬:「……大丈夫……なんか……」
嬬恋七瀬:「人違い、みたいで……」
女性客:「えぇー、でも……」
男性客:「悪かったな、お二人さん。こいつ、ちょっとそそっかしいところがあるんだ」
男性客:「大丈夫か? やばそうなら、誰か呼んでくるぜ?」
嬬恋七瀬:「…………いえ」かぶりを振る。「お気遣いなく」
壬生墨佳:「いえ、大丈夫です!」
壬生墨佳:「私、こう見えてもバスケやってますから。吾妻くんに習って」
男性客:「そうか……いや、ほんと悪かったな。邪魔しちまって。──ほら、行くぞ」
女性客:「えぇ~」
嬬恋七瀬:「……」力ない笑みを浮かべる。軽口を返す余裕もない。
GM:そして男性は女性の分も頭を下げて、連れを引っ張るようにしてその場を立ち去りました──
GM:あとに残るのは、あなた達と、静寂のみです。
壬生墨佳:無言で席を離れて、水を貰って戻ってくる。
嬬恋七瀬:深海からようやく息継ぎでもしたかのように、大きく息を吐く。
嬬恋七瀬:「……」ほんの数分で憔悴しきったように、椅子に座り込み、項垂れている。
壬生墨佳:「なあ相棒。任務の継続はできそう?」
壬生墨佳:「無理なら無理ってちゃんと言え。僕を信頼しろ」
壬生墨佳:「別にこの程度の任務なら、僕とツグミで余裕だ」
嬬恋七瀬:「…………」
嬬恋七瀬:水を受け取って、一気に飲み干す。
嬬恋七瀬:「……当たり前だろ」口元を拭って。
嬬恋七瀬:「別に……何の問題もない」
壬生墨佳:「……別に要らなかったって言ってるんじゃない。ここに入るって目的を達成した時点で十分に……」
壬生墨佳:「問題がないんだな?じゃあ僕は聞くぞ」
嬬恋七瀬:「……変に気ぃ遣うなよな、らしくもない」小さく笑って。「大丈夫だよ」
壬生墨佳:「大丈夫に見えたら聞かない。さっきの不調の理由を答えろ」
壬生墨佳:「無理にとは言わないぜ。嫌なら答えなくていいから」
壬生墨佳:「その時はそのまま離脱してくれ」
壬生墨佳:「身内に爆弾抱えたままこの任務は継続できない。当然の権利だろ?」
嬬恋七瀬:「…………マジかよ……」
壬生墨佳:「なんだ。僕が変なことを言ってるのか?」
嬬恋七瀬:「……ちょっとでも優しいと思ったボクがバカだった……」はぁ、と溜息。
壬生墨佳:「言っておくけど、今、変なのはどう考えても君の方だからな」
壬生墨佳:「僕はいつも通りだ。全くもってそうだ」
嬬恋七瀬:「あー、そうだな。その通り」
嬬恋七瀬:「お前はいつも通りだよ」
嬬恋七瀬:「……一応もう一回聞くけど……言わずに任務継続、は……ダメなわけ」
壬生墨佳:「さっきのが絶対に起きないならそれでもいいけど。保証できるの?」
壬生墨佳:「せめて回避策を教えてくれ」
嬬恋七瀬:「…………」どんよりと深い溜息を吐き、
嬬恋七瀬:「……壬生にだけは聞かれたくなかったのに」
嬬恋七瀬:「言っとくけど……クソつまんない話だぞ」
壬生墨佳:「いいよ。君、別にいつも面白い話してくれないし」
嬬恋七瀬:「一言余計なんだよ! いつもいつも!」
嬬恋七瀬:バーの一角に設置されたピアノに忌々し気な視線を向けて、口を開く。
嬬恋七瀬:「……前にさあ、お前……ボクのこと嫌いだったって言ったろ」
壬生墨佳:視線を追って「言ったな。言っとくけど撤回しないからな」
壬生墨佳:「マジだったんだから、僕」
嬬恋七瀬:「いいよ。撤回しないで」
嬬恋七瀬:「ボクもだからさ」
壬生墨佳:「はあ?お前、この期に及んでまだ僕に……」
壬生墨佳:「……」
壬生墨佳:「……君自身のこと?」
嬬恋七瀬:「……いや…… ……ある意味では、そうかも」
嬬恋七瀬:「……姉さんに似てるんだ、お前」
嬬恋七瀬:「顔とか、性格とか……そういうのは全然違うんだけど」
嬬恋七瀬:「……でも……なんとなくさ。気付いたのはつい最近だったけど」
壬生墨佳:「お姉さん居たんだ」
嬬恋七瀬:「似てるんだよ。ボクの姉さんに」
嬬恋七瀬:「……小さい頃から、ずっと憧れだったんだ」
嬬恋七瀬:「優しくて、物知りで……みんなに好かれてた。両親にもいつも褒められて」
嬬恋七瀬:「ボクも、大好きだった。姉さんみたいになりたいって思ってさ」
嬬恋七瀬:「何か一つでも近付けたら……なんて、思ったわけじゃないけどさ」
嬬恋七瀬:「姉さんがやってた、ピアノを始めたんだ」
嬬恋七瀬:「……自分で言うのもなんだけど、才能はあったんだと思う」
壬生墨佳:「別に疑わないっての。コンクールの常連だって感じだったもんな、さっきの反応」
嬬恋七瀬:「……うん。これでもかなり大きめのとこで優勝したりしたんだぜ、マジで」
嬬恋七瀬:「ピアノを弾くとみんなが褒めてくれてさ。嬉しかったよ」
壬生墨佳:「だから疑ってないって」苦笑して。
嬬恋七瀬:「いい子だったからさ、ボク。姉さんにちょっとだけ近付けた気がしてさ」
嬬恋七瀬:「……いつかは自分も立派な人間に、姉さんみたいにみんなから慕われる人になれるって思ってた」
嬬恋七瀬:「でも……全部ダメになっちゃってさ」
嬬恋七瀬:「ちょっとした事故でさ。ほんとに些細なやつ」
嬬恋七瀬:「指を怪我したんだよ」
嬬恋七瀬:「日常生活には何の支障もないけど――」
壬生墨佳:「……ピアノじゃあ、な」
嬬恋七瀬:広げた掌に視線を落とす。
嬬恋七瀬:「……そういうこと」
嬬恋七瀬:「それから人が引いてくのは早かったよ。寓話かよ、ってくらい」自嘲気味に笑う。
嬬恋七瀬:「評価してくれた人、褒めてくれた人がみんないなくなって」
嬬恋七瀬:「そうしたら、何も信じられなくなった。このままいい子でいる意味なんてどこにあるんだろうと思ってさ」
嬬恋七瀬:「……で、家を出た」
嬬恋七瀬:「それで……今、コレだ」掌を自分の胸に置く。
嬬恋七瀬:「そんだけの話だよ」
壬生墨佳:「……」
嬬恋七瀬:「……言ったろ。つまんない話だよ。よくあるし、オチもない」
壬生墨佳:「……ああ。やっぱ君の話って、面白くはないよな」
嬬恋七瀬:「…………」
壬生墨佳:「でも。まあ、聞けてよかった」
嬬恋七瀬:「……そうか?」
嬬恋七瀬:「ボクは話したくなかったけどな」
壬生墨佳:「これで同じ状況でもフォローは出来るからな。出来の悪い相棒を助けるのも、貴種の努めだ」
壬生墨佳:「だから、聞いて悪かっただなんて僕は言わないからな」
嬬恋七瀬:「……は、そうかよ」笑って。
嬬恋七瀬:「それじゃあ、任務再開だな」
壬生墨佳:「……ああ。これで何が来ても冷静にやれそうだ」
木虎ツグミ:そこにパタパタと駆けてくる足音。
嬬恋七瀬:「お、来た来た」
木虎ツグミ:「せん、んん!吾妻さん!三澄さん!」
壬生墨佳:「あっ偉いな……ちゃんと覚えてたんだな」
木虎ツグミ:「羽生さんから情報聞いてきました!」 手に持ったメモ帳を振って見せる。
嬬恋七瀬:「うん、偉い偉い」頭を撫でる。
木虎ツグミ:「えへへ、ありがとうございます!」
木虎ツグミ:「あ、えっとそれで!万城目さんについて調べてもらいました!」
嬬恋七瀬:「マジ? やるなあ……」
嬬恋七瀬:「なんか分かった?」
木虎ツグミ:「えと、歴史のある資産家の一人娘で今年27歳!」 手元のメモ帳をそのまま読み上げていく。
壬生墨佳:「ツグミ、声下げようか」
嬬恋七瀬:「声! 声大きい!」
壬生墨佳:「というかそれ僕らに渡してくれればいいよ」
嬬恋七瀬:「いや……」
嬬恋七瀬:「読みたいんだよな?」
壬生墨佳:「は?読もうが読むまいが一緒だろ。どう共有しようがいいだろ?」
嬬恋七瀬:「お前! そういうところがなあ!」
壬生墨佳:「声下げようか~?」
嬬恋七瀬:「ツグミが頑張ったんだから!」壬生さんの耳元で小声で叫ぶ。
壬生墨佳:「ひゃっ!」
壬生墨佳:「お前……急にやめろそういうの!」
木虎ツグミ:「ごめんなさい……頑張って小さくします」 しょんぼりして少しだけ声量を下げる。
嬬恋七瀬:「読んでいいぞーツグミ。こっちの怖いお姉さんは気にしなくていいからな」
嬬恋七瀬:「あ、でも小声でな……?」
木虎ツグミ:「は、はい。えっと、元は大人しい人だったのに最近急に活動的になって」
木虎ツグミ:「今は家の実権を握ってるとか」
壬生墨佳:「怖くないだろ……!勝手にそうやって印象を……!」
壬生墨佳:「怖いなそれ」
嬬恋七瀬:「怪しさ満点だな……」
木虎ツグミ:「あと旦那さんは元々部下の人で、婿入りで、でも元々良い家の人だそうです」
木虎ツグミ:「それと……あ、そうだ」
木虎ツグミ:「去年妊娠したけどその子が障害があったからだたいしたみたい、って言われて」
木虎ツグミ:「漢字が分からなかったんです。だたいって何ですか?」
嬬恋七瀬:「…………」顔をひきつらせて壬生さんを見る。
壬生墨佳:「お前なんでこっちに振るんだよ」
嬬恋七瀬:「だって……」
壬生墨佳:「……“処理”だよ」
木虎ツグミ:「え」 不思議そうな顔が少し固まる。
壬生墨佳:「胸糞悪い話だけどな。とにかく、事実はそうだったんだろうよ」
嬬恋七瀬:「……うえぇ……気分悪くなってきた」
木虎ツグミ:「……じゃあ、万城目さんがそれから活動的になったっていうのは」
壬生墨佳:「忘れようとしてるのか、復讐か……まあこのへんは邪推でしかないがな」
壬生墨佳:「今回の事件にどこまで噛んでるかも分かんないしな。まあ、でも。お手柄だ」
木虎ツグミ:「……はい」 褒められて嬉しいはずなのに。眉が下がり、視線も下がる。
嬬恋七瀬:「帰りたくなってきたな……」
壬生墨佳:「なんだ、帰るのか。それじゃあ、さっきの聞き損だったなあ」
嬬恋七瀬:「帰るわけねーだろ! それじゃ話し損だ!」
GM:と、その時――
GM:会場内にイやな気配が充満し、あなたたちの背筋に冷たいモノが走ります。
GM:見れば他の参加者は、これまで通り歓談にふけっています。
GM:あなたたちだけが感じた気配、すなわち――
GM:
GM:Eロイス『歪んだ囁き』が2回、使用されました。
嬬恋七瀬:「こうなったら意地でも解決してやるからな…… ……うっ……!?」
GM:これは対象のロイスの感情を任意に書き換え、ネガポジも指定されるといったEロイスです。
GM:対象は『壬生墨佳』と『嬬恋七瀬』のお二人。
GM:
GM:まず壬生さん。
GM:あなたの心に相棒であるはずの嬬恋さんに対して、止めようのない感情が沸き立ちます。
GM:それは常日頃から意識していたものなのかもしれませんし、あるいはなんら因果関係などない感情なのかもしれません。
GM:『嬬恋七瀬』に対するロイスを:従属/〇恐怖 に変更ください。
GM:
GM:そして嬬恋さん。
GM:あなたの心に相棒であるはずの壬生さんに対して、止めようのない感情が沸き立ちます。
GM:それは常日頃から意識していたものなのかもしれませんし、あるいはなんら因果関係などない感情なのかもしれません。
GM:『壬生墨佳』に対するロイスを:支配/○加虐 に変更ください。
GM:
GM:記憶の操作などが行われた訳ではありませんが、ロイス感情が変わったことにより、お互いに対する感情に少なくない影響を与えるとご理解ください。
GM:該当ロイスに関しましては、『基本的』にはEロイス使用者を処理するまで、感情内容、ネガポジの変更は不可となります。
GM:
嬬恋七瀬:ウギャ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
GM:とりあえず、イベントは以上となります。ツグミちゃんは異様な気配だけは感じ取って良いですよ。
GM:ざわざわ、ざわざわ──
GM:心の中で、なにかが沸き立つ
GM:理由はわからない。けど、それは確実に心の奥底へと侵食して──
GM:感情を、上書きしてきます。
壬生墨佳:「《ワーディング》って感じでもなかったな。何だ、今の……」
嬬恋七瀬:「――」得体の知れない感覚に動揺し、彷徨う視線は、最後に壬生さんに向かう。
壬生墨佳:「なあおい、何か分か――」視線を感じて。
木虎ツグミ:「変な感じしましたよね!?誰か何かしたんでしょうか!」 慌てて周囲を見渡す。
壬生墨佳:射竦められたように、二の句を継がずに押し黙る。
嬬恋七瀬:「分かんない、けど、何か……」壬生さんを見ていると、得体の知れない感情が沸き立ってくる。「……気持ち悪い……」
木虎ツグミ:「だ、大丈夫ですか!医務室行きますか!?」
壬生墨佳:「……何だよそれ。調子でも悪いのか?」口調はいつものようには弾まず。
嬬恋七瀬:「悪いわけないだろ……」心なしか、常より刺々しい口調で。「任務中だぞ。分かってるだろ」
嬬恋七瀬:「無駄口叩いてる暇無いだろ……黙ってろよ」
壬生墨佳:「……ごめん」
木虎ツグミ:「……?」 首をかしげる。なんだかおかしいような。
嬬恋七瀬:「謝ってほしいわけじゃ――」
壬生墨佳:「……べ、別にそんなに言わなくてもいいだろ……」
木虎ツグミ:嬬恋先輩はいつもこんなに冷たく怒らないし、壬生先輩はこんなに弱々しくない。
木虎ツグミ:「先輩?」
嬬恋七瀬:「…………」何か違和感を覚え、一度は言葉を止めるが。
嬬恋七瀬:「らしくもない。いつもみたいにスカした態度で突っかかって来ないのかよ」
壬生墨佳:「何だよ。なんで今日、そんなに僕に当たりが強いんだ?僕なんかしたか?」
壬生墨佳:「したなら謝るからそうやって言ってくるの止めろよな、本当に……」
嬬恋七瀬:「……おかしいのはお前だろ」
嬬恋七瀬:「バカにしてるのか? ボクのこと」
壬生墨佳:「オラついてくるなよ……僕そういうの好きじゃない」
嬬恋七瀬:「そうやっていつも上から目線で……!」
壬生墨佳:「バカになんてしてないだろ!そうやっていつも突っかかってくるの止めて……止めろよ!」
嬬恋七瀬:「ああ、そうだ……! お前のそういうところがムカつくんだよ……いつもいつも!」
壬生墨佳:「……っ」言葉を継ごうとして言いよどむ。
壬生墨佳:目を見据えられなくて、横に逸らして。
壬生墨佳:傍らのツグミを見て。
壬生墨佳:「……」
壬生墨佳:「ねえ、ツグミ。これ、今」
壬生墨佳:「僕……いや。僕ら、変だよな?」
木虎ツグミ:「絶対変です!いつもの先輩たちじゃないです!」
嬬恋七瀬:「……ああ? 何を……」言いかけて、はたと止まる。
木虎ツグミ:即答。どこか不安げな顔で、二人を見ていた。
木虎ツグミ:「休憩しましょう!できれば二人別々で!」
木虎ツグミ:「医務室にだってどこにだって案内します!」
嬬恋七瀬:「あ、う……ん……」ちらりと壬生さんに目を向ける。
壬生墨佳:「……それでもいい?」許可を乞うように。
嬬恋七瀬:「……別に……」
嬬恋七瀬:「……いいけど」
嬬恋七瀬:そっぽを向く。
壬生墨佳:「……じゃあ、そうする」溜息を漏らしたのは。呆れからだったろうか。
壬生墨佳:安堵からだったのだろうか。
木虎ツグミ:「決まりですね!行きましょう!」
嬬恋七瀬:「……あ……」
嬬恋七瀬:せめて一言、謝ろうとして――
嬬恋七瀬:「…………」
嬬恋七瀬:どうしても言い出せない。去っていく二人の背を、ただ見送る。
GM:ではシーンエンド
GM:ロイス処理、購入判定が可能です。お二人のお二人に対するロイスは変更できないことにご留意を。
木虎ツグミ:謎のオーヴァードに対するロイスを〇使命感/怒りに変更します
嬬恋七瀬:万城目要へのロイスを○不審/怨恨に。
木虎ツグミ:多分謎の?オーヴァードのせいで二人がこうなったのだと察して
GM:はい、了解です。野生のカンですね!(`・ω・´)
木虎ツグミ:絶対二人を元に戻してやる
壬生墨佳:うーん
木虎ツグミ:二人のロイスも尊敬/〇心配に変更で
壬生墨佳:-自分/壬生墨佳/執着/憤懣:○/ロイス
壬生墨佳:こうだな。
GM:おお、なるほど。自分に。
嬬恋七瀬:なるほどね……
嬬恋七瀬:応急キット!
嬬恋七瀬:1DX+1>=8
DoubleCross : (1R10+1[10]>=8) → 7[7]+1 → 8 → 成功
嬬恋七瀬:確保。以上!
木虎ツグミ:またまたメイド服チャレンジ!
壬生墨佳:メイド服狙いを。
木虎ツグミ:1dx+3=>20
DoubleCross : (1R10+3[10]>=20) → 2[2]+3 → 5 → 失敗
木虎ツグミ:知ってた。以上!
壬生墨佳:3dx>=20
DoubleCross : (3R10[10]>=20) → 8[4,8,8] → 8 → 失敗
壬生墨佳:ダメ!以上で!
GM:以上でオッケーですかね。
GM:
GM:では次のシーンもプライズ判定なのですが、つぐみちゃんが二人を引き離したロールがあった、壬生さんのシーンがないと言うことでGMからご提案が。
GM:医務室で休む壬生さんと羽生さんがちょこっと話して
GM:シーンインしてくるようであれば、その後に嬬恋さん、ツグミちゃんも医務室に入ってくる。みたいな感じでどうでしょうか?
木虎ツグミ:あ、それなら
木虎ツグミ:ちょっと嬬恋さんとさしで話してみたい欲があります
嬬恋七瀬:オッケーです
壬生墨佳:はーい!
GM:あ、はい。それでは全員登場。最初に壬生さんと羽生さん、そのあとに暗転して廊下で嬬恋さんとツグミさん。でどうでしょう?
GM:<嬬恋さんと話したい
嬬恋七瀬:それで!
木虎ツグミ:こちらもOKです
GM:では──