『スイート・メモリー・スクラッチ』(GM:敗者T)


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“テオドーラ(ナイン)”アイシャ・テオドーラ・ローズキャラシート(PC1:ねり)
“ドーベルⅠ”鷹条(たかじょう)アカツキキャラシート(PC2:粘土)
“ターンオーバー”十掬(とつか)キョウキャラシート(PC3:DT)
“ブロードグロウス”眩星(くらぼし)かんなキャラシート(PC4:ひなた)

【Index】

オープニング:アイシャ・T・ローズ
オープニング:鷹条アカツキ
オープニング:十掬キョウ
オープニング:眩星かんな
ミドルフェイズ1
ミドルフェイズ2
ミドルフェイズ3
ミドルフェイズ4
クライマックス
エンディング:合同
エンディング:十掬キョウ
エンディング:鷹条アカツキ
エンディング:アイシャ・T・ローズ
エンディング:眩星かんな

【プリプレイ】

GM:ダブルクロス3rdオーヴァード・ノヴァ『スイート・メモリー・スクラッチ』ただいまより開始いたします。
GM:まずは参加者の方々に自己紹介をお願いしましょう
GM:一番手はハンドアウトAのアイシャさんに!
アイシャ・T・ローズ:はい。
GMキャラシート
アイシャ・T・ローズ:アイシャ・テオドーラ・ローズ。
アイシャ・T・ローズ:メサイア学区の個人商店『ローズランド』で働く清楚でクラシックメイドな店員さんです。
アイシャ・T・ローズ:が。
アイシャ・T・ローズ:その正体はある装甲車のAIを母体とするレネゲイドビーイング。八月革命中に生まれた一歳児です。
GM:ほほーっ 元戦闘メカ
アイシャ・T・ローズ:自分がドンパチするよりは、ドンパチする人たちを運ぶのが仕事でしたね。自衛機能も備えていますが。
アイシャ・T・ローズ:自己認識にAI時代の名残が強く、一人称が『当機』だとか反応もどこか機械的だとかありますが
アイシャ・T・ローズ:基本的には素直でクールで献身的です。ノヴァリスに住まう方々に奉仕するのが役目でしたので。
GM:こんな顔のいいメイドさんが奉仕してくれるとはね
アイシャ・T・ローズ:お褒めにあずかり光栄です。ローズランドのクッキーをおひとつどうぞ。
GM:おいし~~~
アイシャ・T・ローズ:こんな外見ですが、母体となった装甲車を体内に格納しており
アイシャ・T・ローズ:普段は車体を実体化して乗り回したり、戦闘においても車体に秘めた機能を活用するなど
アイシャ・T・ローズ:車の方もまだまだ現役です。
GM:げっ現役戦闘メカ!
アイシャ・T・ローズ:障害は排除します。ノヴァリスに住まう方々に奉仕するのが役目ですので。
アイシャ・T・ローズ:性能は運転。《巨匠の記憶》を使い倒すオールラウンダー。
アイシャ・T・ローズ:戦闘ではオルトロスを活用してカバーリングしたり殴ったりします。
アイシャ・T・ローズ:初稼働ですが頑張って皆をまもるぞ。よろしくお願いします。
アイシャ・T・ローズ:ぴーすぴーす。
GM:無表情ダブルピースしてくれるメイドさんだ
GM:そんなアイシャさんのハンドアウトはこちら。
ハンドアウトA:アイシャ・テオドーラ・ローズ シナリオロイス:チョコレートを渡したい相手

君には、今年のバレンタインデーを機会にチョコレートを渡そうと思っている相手がいる。
恋情、友情、常からの感謝など、感情の種類は何でも構わない。

問題は、今のノヴァリスでは、元から流通量の多くなかったチョコレートが更に空前絶後の品薄であることだ。
よほど暴力か財力の有り余っている人間でもない限り、これからバレンタイン当日までに手に入れるのは至難の業の情勢と言える。

しかし希望はある。
真偽定かならぬ噂ながらも、君は情報を得ているのだ。
例えば、密かに育てられているカカオの花園。隠棲する伝説の金物職人。そしてそれらを託すべき、あるいは教えを乞うべき熟練の菓子匠。
君の目的は、これらを探し出し、大切な相手に贈るのに相応しいチョコレートを得ることだ。
GM:というわけでありますが
GM:一体どなたにチョコを渡したいのかな
アイシャ・T・ローズ:バレンタインとは……かくも過酷な催しなのですね…………と。
アイシャ・T・ローズ:はい。日頃お世話になっております、クリスティナ・エヴァリー・ローズ一世陛下に。
GM:クリス王!
アイシャ・T・ローズ:当国『ローズランド』を切り盛りする店長にして国王陛下でございます。
GM:店長と国王が兼任なことあるんだ
GM:チョコを捧げられるよう頑張ってください。よろしくお願いします!
アイシャ・T・ローズ:死力を尽くします。
GM:お次はハンドアウトB
GMキャラシート
GM:鷹条アカツキさんです。おねがいします
鷹条アカツキ:Bだぜ!大事なことだぜ!よろしくお願いします
GM:アカツキ~♡
鷹条アカツキ:変なもの飛ばすな!
鷹条アカツキ:たかじょうアカツキ、キュナリオン憲兵学校、略してKMPの精鋭部隊「ACスクワッド」の隊長。
鷹条アカツキ:かつては理事会や最高生徒会に権限を与えられて。今ではその後ろ盾が吹き飛んでいるにも関わらず
鷹条アカツキ:無謀にもノヴァリス全域での警察活動をしている学校の大看板。事件を聞きつけるとすぐさまヘリコプターで飛んでいくぞ
GM:アカツキ……頑張ってるな……
鷹条アカツキ:性格は負けず嫌いでぶっきらぼう、しかし面倒見はいいし真面目な女。
鷹条アカツキ:常に自分が前に出る全力投球タイプであり、そのせいで露出過多なチャイナ服での醜態をストリーミング配信されてしまうようなところも
GM:そのせいか?
鷹条アカツキ:シンドロームはエグザイル・ウロボロス。Dロイスは遺産継承者:必中の弓。
鷹条アカツキ:背中に大きな弩を背負った機械仕掛けの猟犬、"弧月のライラプス"を影の中に潜ませている。
鷹条アカツキ:能力で特殊な効果を持った弾頭を生成したり、自身を射出しての強襲を掛けるぞ
鷹条アカツキ:データとしては《原初の黄:先陣の火》で加速し、《ウルトラボンバー》ですべてをなぎ倒します。
GM:前のめりだ
鷹条アカツキ:《異世界の因子》で他人のエフェクトをパクったり、《原初の紫:ミスディレクション》で誤爆対策兼ダメコンも行う。
鷹条アカツキ:前に出たがりなんだよね、そんな感じ!
GM:ありがとうございます。アカツキさんへのハンドアウトはこちら。
ハンドアウトB:鷹条アカツキ シナリオロイス:蓮刈フエカ

君には菓子作りの得意な友人がいる。
彼女、蓮刈フエカは、パティシエの集うショコラショコラン製菓学校においても多くの支持を集める生徒であり、特にチョコレートの匠として名高い。
当然、今の時期は忙しくしているはずだった。

陣中見舞いのような気持ちで訪れた君を迎えたのは、しかし、片腕を包帯で吊った友人だった。
聞けば、巷を騒がせる謎の悪党──“パティシエの腕を狩る怪人”の被害に、彼女もまた遭ったのだという。

友人を傷付け、のみならず生徒たちから美味しいお菓子を味わう機会を奪う犯人を許すことはできない。
君は必ずや怪人を捕らえようと決めた。
GM:友人がよからぬ輩に襲われてしまったようです
鷹条アカツキ:マジで許せんな…
鷹条アカツキ:そういうわけで、バレンタインなどというイベントはオレに関係ない
鷹条アカツキ:悪党をとっ捕まえてきっちり反省させ、パティシエの皆を安心させるために頑張るぜ
GM:頼もしい
鷹条アカツキ:なのでチョコを渡したい相手とかも特にいないぞ
GM:あくまで職務の遂行ですからね
鷹条アカツキ:おう
GM:キュナリオンの正義を示してください。よろしくお願いします!
GM:続いてはハンドアウトC枠。
GMキャラシート
GM:十掬キョウさん!
十掬キョウ:はい!
GM:まばたきしてる!
十掬キョウ:ウインクだよ~
十掬キョウ:“ターンオーバー”十掬とつかキョウ。
十掬キョウ:“プランナー”都筑京香の子飼いの始末屋で、キョウという名前も一字貰ったらしいです。
GM:あのプランナーと関係が……?
十掬キョウ:ただしノヴァリスに送り込まれてから特に仕事は与えられず、
十掬キョウ:鳴り物入りの人材に注意を向けさせるための囮運用だったんだろうな~と思っています。
GM:ほんとかなあ
十掬キョウ:現在の所属はメサイア学園の合コン委員会――合同カタコンベ保全委員会であり、
十掬キョウ:その中でも生徒と合祀できない死者――理事会側の死者を弔うカタコンベの分祀廟を管理しています。
GM:分祀廟……
十掬キョウ:元々は情動少ない鋼の女でしたが、委員長からの悪影響ですっかり女子女子した趣味嗜好になりました。ぶいぶい
GM:かわいい~
十掬キョウ:性能としては統合超人軌道式対神秘鋭兵装Totalized Overed Trajectory Unveiling Keen Arms、通称T.O.T.U.K.Aの使い手です。
十掬キョウ:最大の特徴として、都筑京香のリレーションアイテムである「進化の兆し」を所持しており、
十掬キョウ:肉体を14まで上げて【肉体】参照の効果を3重に乗せてパワーでぶっ叩きます。
十掬キョウ:侵蝕は30上がりますが……ノヴァリスならどうとでもなるはず 多分……
GM:ヤバ
十掬キョウ:そんな感じ!よろしくおねがいしまーす
GM:はい!十掬さんのハンドアウトはこちら。
ハンドアウトC:十掬キョウ シナリオロイス:六条クウリ

君は友人の相談に乗っていた。親切心か、あるいは好奇心もあったかもしれない。
なにしろ彼女は人を遠ざけがちで、その手の話題にも加わることがなかったのだが、今年はチョコを贈りたい相手がいると言うのだ。

ノヴァリスの情勢はいつにもまして混沌としているが、あえて渦中へと飛び込む友人を放ってはおけない。その行く末に興味もある。
君は彼女のチョコレート調達を手伝うことにした。
GM:ちょっと訳あってシナリオロイスの名前が変わっています
十掬キョウ:お友達がチョコ贈りに目覚めてる!
十掬キョウ:そうとはね 数字繋がりだ~
GM:あと合コン委員会者が参加者でなければOPにて明かす予定だったのですが
GM:この子も所属は合コン委員会です。つまり同僚ということ
十掬キョウ:なるほどね 理解を得ました
GM:職場仲間に力を貸してあげてください。よろしくお願いします!
十掬キョウ:よろしくおねがいしまーす
GM:最後にハンドアウトD
GMキャラシート
GM:かんな先生です。いつもお世話になっております
眩星かんな:わいわい!
眩星かんな:毎度、ノヴァリス職員室"星室庁"所属の先生の眩星かんなです。
眩星かんな:生徒から依頼を受け、仕事選ばず学区問わず問題解決に奔走しています。睡眠量が常時足りてない。
GM:寝て
眩星かんな:生徒達が中々寝かせてくれなくてねぇ
GM:問題発言
眩星かんな:実はSNS経由で生徒から依頼を受けがちという設定があったので
眩星かんな:ノヴァリスに広く普及しているメッセージアプリ「UNICONNE」もたぶんヘビーユーザーになります。
眩星かんな:元は孤児院出身のフリーランス。その業務過程で一般人、特に子どもに対して残虐非道な活動を行うFHセルの存在を知り
眩星かんな:大変辟易したのでR能力使って壊滅させ、活動資金を横領する趣味がありました。4回くらいやった。
GM:つよい
眩星かんな:最後に足がついてひーこら逃げるところを偶然ノヴァリスに拾われ今に至ります。外の世界ではFH界隈で指名手配中
眩星かんな:データはTHEハヌオル支援。よろしくお願いします~~
GM:ありがとうございます。先生へのハンドアウトはこちら。
ハンドアウトD:眩星かんな シナリオロイス:出鶴レイ

君はノヴァリスに赴任した先生だ。
生徒のため日々奔走する君の目下の懸案は、この学園都市で俄に脚光を浴びている行事、バレンタインである。

若人の奮闘は微笑ましいものだが、チョコレートを巡る破壊と流血により緊急車両のサイレンが鳴り止まぬ事態にまでなると、ただ見守っているわけにもいかなくなる。
各校風紀委員からの要請もあり、ここ最近は各学区を飛び回って、過熱する奪い合いやそれにかこつけてただ暴れたい生徒たちを窘める毎日だ。

その日も君は戦場と化した市街地に繰り出し、そして、一風変わった生徒と出会った。
群がる余の者を一蹴した彼女は、君を見据えてこう告げる。
色恋にも菓子にも興味はない。ただ最強の証のため、全てのチョコレートを狩り尽くす──と。
GM:そんな感じの子と出会います
眩星かんな:最強とチョコレート狩りの共通点は一体どこにあるんだい?
GM:本人の口から語られる……かも
眩星かんな:とはいえ、努力して栄光を掴もうとする気概は応援したくなるというわけだ。
GM:やさしい
眩星かんな:諦めなければ夢は必ず叶うからね
GM:あまり賢い子ではありませんが……ぜひ良い感じに導いてあげてください
GM:よろしくお願いします!
眩星かんな:よろしゃす!
GM:それではトレーラーを貼って本編に移行します。

トレーラー 愛と甘味の祭典、バレンタインデー。
ノヴァリスに燎原の火の如く広まったこの新たな概念は、当然のように、かつ同時多発的に、新たな波乱の発端ともなった。

暴騰するカカオの市場価格。調理器具の不足。ショコラティエに対する脅迫や拉致の急増。
行き過ぎた流行は治安と経済に深刻な影響を及ぼすに至り、各学区の風紀委員をフル稼働状態に追い込んでいる。

……だが、甘い菓子に乗せて気持ちを伝えるこの催しの本義に、憚るべきところなど本来ないはずだ。
たとえ困難な状況にあろうと、否、困難な状況を乗り越えてこそ、込める想いの真摯さは証される。
食べれば一口の嗜好品にありったけの情熱を注ぎ込むのも、あるいは青春の形だろうか。

特別なチョコレートに特別な想いを。誰もがそう願っている。
特別が遍く行き渡ることなどない。誰もがそう理解している。
これは、それでも尚と立ち上がる者たちの話。

ダブルクロス The 3rd Edition『スイート・メモリー・スクラッチ』
ダブルクロス、それは裏切りを意味する言葉。


【オープニング:アイシャ・T・ローズ】

GM:アイシャさんのオープニングシーンです。登場をお願いします。
アイシャ・T・ローズ:アイシャ・T・ローズの侵蝕率を1d10(→ 8)増加 (46 → 54)


クリスティナ・E・ローズ:ところはメサイア郊外、少し地下が安い区画に店を構える個人商店。自称・ローズランド王国。
クリスティナ・E・ローズ:ほどほどの敷地にオープンテラスのカフェと菓子販売コーナー・キッチン・従業員の宿泊施設を詰め入れた結果
クリスティナ・E・ローズ:いち店舗としてはやや小ぢんまりとした感じになったが、もともと交通の便が良好な訳でもなければ、すごく名の知れた人気店という訳でもない。
クリスティナ・E・ローズ:並べられた座席が埋まり切るほどの盛況を見せるのは、年に数度の祝祭行事の時期くらいのものだ。
クリスティナ・E・ローズ:時はバレンタイン近く。つまり、その数度の内の一つが今なのだが……
クリスティナ・E・ローズ:現在の店内を包む熱狂は、いたって不本意な類のものだった。
クリスティナ・E・ローズ:……同時にその熱は、この学園においては決して珍しいものでもないのだが。
GM:BRATATATATATA!
GM:乱射される銃弾が、かわいらしい字体のメニュー表を蜂の巣にする。
メサイア生徒(AR):「オラオラオラオラァ~!!」
メサイア生徒(AR):「怪我したくなきゃさっさとチョコを出しな!」
メサイア生徒(SMG):「他のスイーツも出せ! お金も出せ!」
クリスティナ・E・ローズ:「ああーっ!ちょっと、その棚のスパイスはアップルシードから仕入れた貴重な……!」
クリスティナ・E・ローズ:縦に立てた机をバリケードにしながら砲撃を防いでいたが、ぐっと身体を伸ばして倒れそうな戸棚を支えに行く。
クリスティナ・E・ローズ:およそ通常の言語では表現し難い姿勢になっている。
アイシャ・T・ローズ:「いけません陛下、お下がりください」
アイシャ・T・ローズ:と言いつつ颯爽と銃火に身を晒すは、クラシックなメイドと言っても過言ではない出で立ちの少女店員
アイシャ・T・ローズ:……が、ボクサーのブロッキングよろしく構えて文字通り盾となっている・・・・・・・
アイシャ・T・ローズ:その両腕は純白の装甲に覆われ、前面に展開された力場が通過しようとする銃弾のことごとくを阻む。
クリスティナ・E・ローズ:一方その傍ら、いかにもな黄金色の王冠を頭上に載せたブロンドヘアの少女。クリスティナ・エヴァリー・ローズ。
メサイア生徒(AR):「!?」
クリスティナ・E・ローズ:常日頃から演劇の教本を読んで身につけた「王族としての演技技術13項」の所作を心がけているのだが、今は見る影もない。
クリスティナ・E・ローズ:「はあっ、はあ……っ」息を切らしながら体勢を整える。「助かりました、アイシャ」
アイシャ・T・ローズ:「はい、いいえ、陛下」
アイシャ・T・ローズ:「お客様の対応はお任せ──」ガン。額に銃弾が直撃する。
メサイア生徒(AR):「あっ当たった」
アイシャ・T・ローズ:「……申し訳ありません、お客様」映像を巻き戻すように。
アイシャ・T・ローズ:ギギギ、と反った体躯が戻っていく。
アイシャ・T・ローズ:「只今、チョコレートを用いたお菓子は品切れしておりまして……」
クリスティナ・E・ローズ:「この〜っ……!不敬ですよ!ここを何処だと心得ているのですか!」ちょっとだけ陰から顔を出し。
メサイア生徒(SMG):「ウワッ動き怖!」
クリスティナ・E・ローズ:「そうですよ!確かにチョコの在庫はありませんけど……」
クリスティナ・E・ローズ:「どうしてもお菓子が欲しい事情があるなら、ちゃんと礼儀さえわきまえれば分けて上げることも考えなくはないんですから……!」
メサイア生徒(RL):「うるせ~! 出せったら出せ!」
メサイア生徒(RL):「こちとら映えるスイーツの写真を早くインストにアップしなきゃクラスでハブられちまうんだよ~ッ」
クリスティナ・E・ローズ:「SNSでの風聞を気にするなら強盗なんてやめなさいよ!?」
アイシャ・T・ローズ:「お言葉ですが、お客様……」
アイシャ・T・ローズ:「先程、『映える』と評判のテラス席も粉々に。重ね重ね申し訳ありません」
アイシャ・T・ローズ:「ですが、お客様」
アイシャ・T・ローズ:力場はそのまま、防御の構えを僅かに解く。
アイシャ・T・ローズ:「当店といたしましても、これ以上の営業妨害はご遠慮いただきたく思います」
メサイア生徒(AR):「じゃあ……くれるってコト!?」
メサイア生徒(RL):「早くチョコケーキとツーショットしたい!」
メサイア生徒(SMG):「お金も出せ!」
アイシャ・T・ローズ:「恐縮ですが──」
アイシャ・T・ローズ:一息。踏み込んで襲撃者お客様の前に。
アイシャ・T・ローズ:「申し上げました通り、チョコは品切れです」
メサイア生徒(AR):「なッ──」
アイシャ・T・ローズ:勢いのままに腕を振り抜く。装甲に覆われた腕で繰り出すパンチは、そりゃ痛い。
メサイア生徒(AR):「肌が……めっちゃキレ」
メサイア生徒(AR):「イギャーーーッ!???!?」
メサイア生徒(AR):射出される砲弾じみて吹き飛び、壁を突き破って退店する。
アイシャ・T・ローズ:「そして」二息。身を捻るように回転する動きを加え、
アイシャ・T・ローズ:「商品をお求めの際はお近くの店員に」
アイシャ・T・ローズ:「お支払いは現金でもカードでも承っております」
アイシャ・T・ローズ:ラリアットの要領でぶちかます。力場の反発力が吹っ飛ばし力を引き上げるぞ。
メサイア生徒(SMG):「ぬわーーーーっ!?」仲間の後を追う。
メサイア生徒(RL):「ぼ」
メサイア生徒(RL):「暴力振るいながら言うことかよ……!」
アイシャ・T・ローズ:「恐縮です。今、お出し出来るのはこのくらいですので……」
アイシャ・T・ローズ:折り目正しく頭を下げる。そして背筋を伸ばし際、
アイシャ・T・ローズ:「こちらをもってお帰り下さい。またの来店をお待ちしております」
アイシャ・T・ローズ:アッパーカット。お辞儀で溜め込んだバネが下方向から一気に解放される。
メサイア生徒(RL):「ゴハッッッ」
メサイア生徒(RL):天井に穴を開けて空の彼方に消える。
アイシャ・T・ローズ:「……陛下。お客様がお帰りになりました」
クリスティナ・E・ローズ:がらっ。崩れた棚の下からよろよろと這い出てくる。
クリスティナ・E・ローズ:「ふーっ……ええ、よくやってくれました。アイシャ」
クリスティナ・E・ローズ:ぱたぱたとスカートの汚れを払って、咳払いをして。
アイシャ・T・ローズ:「申し訳ありません。早急に修繕の手配をします」腕の装甲化を解きながら駆け寄る。
クリスティナ・E・ローズ:「ええ、お願い。皆、無事かしら……と言いたいけど」
クリスティナ・E・ローズ:周囲を見渡して。「何人も飛ばされたみたい。私、転送されてしまった子達を探してくるわ」
アイシャ・T・ローズ:「お気をつけて。店内の清掃はお任せください」
GM:ヒュルルルルル……
GM:ズガッッ!
GM:天井の穴から落ちてきたものが、店の床に突き刺さる。
クリスティナ・E・ローズ:べたべたのクリームに汚れた王冠をキッチンペーパーで拭きつつ、外に出ていこうとして。
アイシャ・T・ローズ:「?」音の方を見る。
クリスティナ・E・ローズ:「……?」
GM:先程の暴徒が持っていたロケットランチャーだ。交戦中に吹き飛ばされたため、当然装填状態であり……
GM:アイシャの一撃の威力によって半ば拉げ、バチバチと火花を散らしている。
アイシャ・T・ローズ:「……陛下!」反射的に両者の間に割って入る。
クリスティナ・E・ローズ:(あっ、これやば──)
GM:ゴトゴトゴトゴトッ
GM:さらに落下してきてその周囲に転がるロケット弾。直後──
GM:閃光と爆炎が君たちを呑み込む。
クリスティナ・E・ローズ:「ぎゃーーーっ!!!」
アイシャ・T・ローズ:「これは動画で見ました。『爆発オチ』という──」
アイシャ・T・ローズ:「ふぎゃっ」
アイシャ・T・ローズ:絹を裂くような悲鳴と、何かに押し潰されたような音を最後に、ようやくあたりは静かになったのでした。
アイシャ・T・ローズ
アイシャ・T・ローズ:「オーヴァード、という身の上であることを今日ほど強く感謝したことはないかも知れません」
アイシャ・T・ローズ:「と言っても、一年程度ですが」
クリスティナ・E・ローズ:「そう……アイシャは年月が浅いし、強い子だものね」
アイシャ・T・ローズ:「頑丈な身体・・・・・にも感謝が必要でしょうか」
アイシャ・T・ローズ:「ともかく、陛下に大事がなく何よりでした」
クリスティナ・E・ローズ:「ふ、なんてことないわ……ここに越してくる前は、王宮が吹き飛んだのも一度や二度ではなかったもの」
クリスティナ・E・ローズ:「ここで暮らすからには茶飯事よ」
クリスティナ・E・ローズ:焼け残った部屋のソファで、ぐったりと大の字に横たわっている。部下の治療、保険関係、被害に関する火急の手配までは終えたものの
クリスティナ・E・ローズ:少なくとも今日に関しては、それ以上何かをしようと思う気力は残っていなかった。
アイシャ・T・ローズ:その横でせっせと散らかった店内──あるいは瓦礫──を片付けている。
アイシャ・T・ローズ:陛下にお茶の一杯も出したいが、ティーセットや茶葉も一通り吹き飛んだ後だ。どうしようもない。
アイシャ・T・ローズ:そんなわけで粛々と清掃を進めていた手がはた、と止まる。
アイシャ・T・ローズ:「……陛下。この頃、よく耳にするのです」
アイシャ・T・ローズ:「チョコレート・・・・・・のことを」
アイシャ・T・ローズ:「買ったばかりのチョコレートを毟り取られた。強盗にチョコレートと調理器具を根こそぎやられた」
クリスティナ・E・ローズ:「……」
アイシャ・T・ローズ:「店のパティシエがそっくり誘拐された……とも。同業の者や仕入先から、よく」
クリスティナ・E・ローズ:「この季節にチョコと言えば、バレンタインでしょうけど……」
クリスティナ・E・ローズ:「私の知ってるバレンタインとはかなり違うわね……」
アイシャ・T・ローズ:「バレンタイン……」ネットワークに接続。データを収集する。
アイシャ・T・ローズ:「3世紀頃の人物聖ウァレンティヌスにちなむ製菓企業のキャンペーンですね」
アイシャ・T・ローズ:「これほどのムーヴメントとは……。バレンタインとは、かくも過酷な催しなのですね……」
クリスティナ・E・ローズ:「そうなの……?」怪訝そうな顔。「大切な人にチョコレート菓子を贈るものだって、雑誌の記事で読んだけど」
アイシャ・T・ローズ:「えっ」
クリスティナ・E・ローズ:「なんだか変なデマの情報も出回っているらしいから、アイシャも気をつけたほうがいいわよ」
アイシャ・T・ローズ:「なんと……」
アイシャ・T・ローズ:「インターネットに騙される所でした。嘘を嘘と見抜くのは難しいですね……」
アイシャ・T・ローズ:「アップデート完了。ありがとうございます、陛下」
クリスティナ・E・ローズ:「あっ、いや……私も実際に体験した訳じゃないし」
クリスティナ・E・ローズ:「どれが本物なのかよくわからないくらい噂が立ってるってこと。あんまり鵜呑みにしないでね」
アイシャ・T・ローズ:「はい、陛下」
アイシャ・T・ローズ:「……陛下に見初められて一年。当機は依然『人間』には程遠いようです」
クリスティナ・E・ローズ:「別に、いいんじゃない?」
クリスティナ・E・ローズ:「私が生まれて一年の時なんて、何を考えていたかもよく思い出せないわ」
クリスティナ・E・ローズ:「それに比べたら、貴方はずっとよくやっているんじゃないかしら」
アイシャ・T・ローズ:黙礼。45度の角度。
アイシャ・T・ローズ:「……ですが。だとしたら」
アイシャ・T・ローズ:「あのお客様には悪いことをしてしまったかも知れませんね」
クリスティナ・E・ローズ:「……どうしてそう思うの?」
アイシャ・T・ローズ:「『ローズランド』のチョコレートをどなたかに贈りたい……」
アイシャ・T・ローズ:「と思い立っての来店か、と思い至りまして」
アイシャ・T・ローズ:「欠品していることは確かですから、当機としてもお返事は変わらないのですが……」
クリスティナ・E・ローズ:「良いのよ、気に病まなくて」
クリスティナ・E・ローズ:「彼らの動機がどうあれ、たくさんの食材を粗末にする方法を選んだのです」
クリスティナ・E・ローズ:「食材や造り手に対する経緯を欠いてるわ。それを反省できるまでは、うちのお客様として扱うことはありません」
アイシャ・T・ローズ:「はい、陛下」
アイシャ・T・ローズ:「ですが、ここしばらくチョコレートをお求めのお客様が多いことも確かです」
アイシャ・T・ローズ:「バレンタイン、という催しのためならば……それは理解しました」
アイシャ・T・ローズ:「しかしながら、やはり問題はチョコレートです、陛下」
アイシャ・T・ローズ:奇跡的に無事だったタブレット端末から店の在庫リストを呼び出す。
アイシャ・T・ローズ:「小麦粉や卵、バター、クリーム、砂糖、パウダー類も軒並み品薄ですが」
アイシャ・T・ローズ:「チョコレートだけはどの仕入れルートを当たっても手に入りません」
クリスティナ・E・ローズ:「どのルートも襲われているんでしょうね、輸送車が」
クリスティナ・E・ローズ:一つ一つはありふれた事件でもある。経験上、こういうのは熱が冷めるまで待つしかない。
アイシャ・T・ローズ:「お客様にお断りをするのは、申し訳なく思います……」
アイシャ・T・ローズ:「それに……」
クリスティナ・E・ローズ:「……」
アイシャ・T・ローズ:「………」
アイシャ・T・ローズ:「陛下」
アイシャ・T・ローズ:「バレンタインが、過酷なキャンペーンなどではなく」
アイシャ・T・ローズ:「大切な人にチョコレート菓子を贈るもの、であるならば」
アイシャ・T・ローズ:「……その」躊躇いがちに言いよどみ。
アイシャ・T・ローズ:「当機も、あの」
アイシャ・T・ローズ:「バレンタインをやることは許されるでしょうか……?」
クリスティナ・E・ローズ:「許すって……」
クリスティナ・E・ローズ:「ねえ、アイシャ」のそり、とソファから身を起こして。
アイシャ・T・ローズ:「は、はい。陛下」
クリスティナ・E・ローズ:「貴方に『人間』として不足があるとしたら、そういうところね」
クリスティナ・E・ローズ:「自分の事はね、自分が決めればいいの」
クリスティナ・E・ローズ:「貴方がいま名乗ってるファミリー・ネームと同じ」
クリスティナ・E・ローズ:「自分がそうしたいから、そうするんでしょう。そこに誰かの許しが……まあ、時には必要なこともあるけれど」
クリスティナ・E・ローズ:「少なくとも……私の国民はね! 好きな人に贈り物をしたいくらい、自由にすればいいの」
クリスティナ・E・ローズ:「そうでないと、こう……ほら」
クリスティナ・E・ローズ:「まるで私が、みんなを支配する悪い王様みたいになっちゃうでしょう」
アイシャ・T・ローズ:「……はい。はい、陛下」
クリスティナ・E・ローズ:「ん、よろしい」
アイシャ・T・ローズ:「やってみることにします。あまり褒められる手段ではないかも知れませんが」
アイシャ・T・ローズ:「ダークウェブを通じてならば、生きた・・・チョコレートの情報も得られるかと」
クリスティナ・E・ローズ:「それは……」大丈夫?と訊ねかけたくはなるが。
クリスティナ・E・ローズ:実際、ここまで焚き付けて彼女がやりたいと言い出した事なら、あまり水を差すのも気が咎めて。
クリスティナ・E・ローズ:「……そう、では。分かりました」こほん、と咳払い。
クリスティナ・E・ローズ:「アイシャ。貴方に、チョコレート資材の調達の任務を与えます」
クリスティナ・E・ローズ:「期限はバレンタイン当日まで。こちらの復興は、私と他の者で何とかしておきますから」
クリスティナ・E・ローズ:「貴方はそちらに専心しなさい。良いですね?」
アイシャ・T・ローズ:「はい、陛下。“テオドーラ”9号機、アイシャ・ローズ」
アイシャ・T・ローズ:「ご期待に背かぬよう、死力を尽くします」
アイシャ・T・ローズ:敬礼で応じるその姿は、正しく王に対する臣のそれである。
アイシャ・T・ローズ:物々しくもある言い口とは裏腹、
アイシャ・T・ローズ:人に尽くせと命じられて生を受け、人ならざる者として再誕した人形ひとがたは、
アイシャ・T・ローズ:その胸の奥が幾らか弾んでいたことを、まだ認識していない。


GM:シーン終了。ロイス取得のみ可能です。
アイシャ・T・ローズ:陛下にはもうロイスを持っております。
アイシャ・T・ローズ:ここはロイホ(ロイスは保留)にて!
GM:はあい


【オープニング:鷹条アカツキ】

GM:鷹条アカツキさんのシーンです。登場をお願いします。
鷹条アカツキ:鷹条アカツキの侵蝕率を1d10(→ 3)増加 (39 → 42)


GM:ショコラショコラン学区においても人通りの多い一等地に、君の友人の菓子職人、蓮刈フエカはアトリエを構えている。
GM:バレンタイン文化の流入により、ただでさえ最近は治安の悪化が著しい。まして名の売れたショコラティエである彼女には、冗談でも何でもなく、身辺に危険が及ぶ可能性が十二分にある。
GM:君がそこを訪れたのも、あるいはそうした懸念が元だったかもしれないが──
GM:小さくも洒落た構えの店の前に来た時点で、どうも様子がおかしいことが分かる。
GM:静かすぎるのだ。平時でさえ生じている客の列がまったく見られず、まるで空き家のように活気がない。
弧月のレラプス:チャッチャッと軽快な金属音を立てながら道を行く、歯車仕掛けの四足獣。
鷹条アカツキ:背中に座って普段より3割増しに鋭い眼光を放つ、鷹条アカツキの契約遺産だ。
鷹条アカツキ:というのも、ここ数日のバレンタイン騒動のせいであちらこちらを飛び回っての今なのだ。
鷹条アカツキ:ろくに眠れておらず、体力消費は最低限にしたいし、その上で…気分ばかりは臨戦態勢だ。
鷹条アカツキ:「おい、フエカー?鷹城だ。留守か?留守なら早めに返事をくれよ」
弧月のレラプス:ガンガン、と手荒に戸を叩く主人を見上げ、即座にぶち破れる構えだ。
GM:「……アカツキ?」
GM:店の中から声。「開いてるよ。どうぞ」
鷹条アカツキ:「なんだ無事か、それならそれで妙な話だが」
鷹条アカツキ:「ここ一番の頑張り時に閉店ってことはないだろうし…邪魔するぞ」
鷹条アカツキ:影の中に相棒を沈み込ませ、ぺちぺちと頬をはたいて気合を入れる。
鷹条アカツキ:二本の足でしゃっきりと立ち、扉を開けて入店。
鷹条アカツキ:そこらじゅうで暴徒がチョコを求めている今日この頃、腑抜けた面を見せては安心できないだろうから。
GM:スイーツの甘い香りが君を出迎え──ない。
GM:煌びやかかつ美味な菓子が並んでいたはずのディスプレイは、店仕舞いの準備を済ませたように空っぽで、
GM:生徒・社会人・先住市民問わず、常から多く雇われているはずのスタッフもいない。
鷹条アカツキ:「いやいやいや…」
鷹条アカツキ:「一体全体、何がどうなってんだ?」
GM:ただ蓮刈フエカ本人だけが、手持ち無沙汰そうにカウンターに座っていて……
蓮刈フエカ:「……。や」
蓮刈フエカ:ぎこちなく挙げた左手の、その逆側の腕が、包帯を巻かれて肩から吊られている。
鷹条アカツキ:「……おう」
鷹条アカツキ:その怪我を見て、納得ひとつ。疑問がふたつ。
蓮刈フエカ:「どうなってるかっていうと、まあ」右腕を見る。「こういうことかな」
鷹条アカツキ:「店が綺麗なままだから、略奪には遭ってないようだと安心して」
鷹条アカツキ:「警告と、警戒網の手配をしに来たつもりだったんだけどな」
鷹条アカツキ:あと、気心の知れた仲だし。ちょっとだけ疲れた身体にエネルギーを入れようかなとか。
鷹条アカツキ:頑張っている家族のお土産ついでに、ちょっと楽しみにしていたのだが。
鷹条アカツキ:「……それ以外は無事か?」
蓮刈フエカ:「えー……うん」
蓮刈フエカ:「チョコを出し始める前にこうなっちゃったから……強盗とかには遭ってない」
蓮刈フエカ:「不幸中の幸いかな」退屈そうにぶらぶらと足を揺らす。
鷹条アカツキ:「ああ、腕一本で済んで良かったな」
鷹条アカツキ:「……なんて言えねえし、思ってもねえだろ」
蓮刈フエカ:「そだね……」
鷹条アカツキ:「酷えことしやがる……傷が治らないってことでいいのか?」
蓮刈フエカ:頷く。
蓮刈フエカ:「卒業前に」
蓮刈フエカ:「良いイベントが来たなって思ってたんだけど」
蓮刈フエカ:蓮刈フエカは最上級生だ。カリキュラム通りなら、今年の春に卒業を迎える生徒たちの一人になる。
鷹条アカツキ:「だよなぁ……」
鷹条アカツキ:お祝い事と来れば、フエカたちが作り出すお菓子の数々は欠かすことのできない素晴らしいもの。
鷹条アカツキ:そしてこのバレンタインというイベントときたら、彼女たちこそが主役なのだ。
鷹条アカツキ:「……正直なところ、そこら中でろくでもない騒ぎばっかり起こるからよ」
鷹条アカツキ:「ろくでもない行事だと思ってたんだよな、オレの場合」
蓮刈フエカ:「否定はしない」ショコラショコラン学区における犯罪の発生件数は月半ばの時点で前月比800%を記録している。
鷹条アカツキ:「うちの学校なんてチョコレートは有害だ、危険な成分が混入してるって噂が広がってよ」
鷹条アカツキ:「碌に休む暇もないし、この通り髪もぼさぼさ」普段と全く変わらない。
蓮刈フエカ:「普段と変わってない」
鷹条アカツキ:「うん、変わらん」
鷹条アカツキ:「オレたちにとっちゃあいつも通りのろくでもない日常の、延長線だと思ってたんだが……」
鷹条アカツキ:「今、オレもかなりがっかりしてる」
鷹条アカツキ:「思ってた以上に期待してたみたいだな、フエカの作っただろう過去最高のチョコレート」
蓮刈フエカ:「て言ってもね。なっちゃったものは仕方ないよ」
蓮刈フエカ:「チョコはごめんだけど、お詫びに何かおいしいもの奢るから」
蓮刈フエカ:淡々としている──少なくともそのように見える。元から感情の起伏を表に出す方ではないが。
鷹条アカツキ:代わりにむすっと顔をしかめる。
鷹条アカツキ:「嫌だね、すっかりチョコの気分なんだ」
鷹条アカツキ:「東へ行っても西へ行っても、どいつもこいつもチョコに狂ってるし」
鷹条アカツキ:「寮に居ても甘ったるい匂いがしてくるし、隊長チョコみたいな色してますね~とかどうでもいい事言われるし、舐められるし」
鷹条アカツキ:「だから……フエカのチョコが間に合わなかったらお詫びなんて要らないよ」
鷹条アカツキ:ぐい、と背筋を伸ばす。
鷹条アカツキ:「こういう不治の傷ってのは、元凶を突き止めれば案外なんとかなったりするもんだ」
鷹条アカツキ:「百戦錬磨のアカツキさんの、経験則上はそう」
鷹条アカツキ:「だから、諦めるにはまだ早いと思うぞ」
蓮刈フエカ:「……それって」
蓮刈フエカ:「アカツキが何とかするっていう意味?」
蓮刈フエカ:「ただでさえ忙しいのに……?」
鷹条アカツキ:「チョコレートの供給が絞られたとあっちゃあ、オレたちはますます忙しくなっちゃうな」
鷹条アカツキ:「そもそも人の腕を切っていくようなろくでなし、とっ捕まえるのは仕事の内だ」
蓮刈フエカ:「……」
鷹条アカツキ:「その上美味しいご褒美も付いてくるとしたら……」
鷹条アカツキ:「うん、動かない道理がない」
蓮刈フエカ:「いや、でもさ……」
鷹条アカツキ:「えぇ、これだけ御託並べてもまだ足りなかった?」
蓮刈フエカ:首を振る。「気持ちは嬉しいけど」
蓮刈フエカ:「キュナリオンの憲兵隊長に動いてもらうようなことじゃ……それにどうせなら、まだ無事な子の警備とかした方がいいんじゃない」
蓮刈フエカ:「私が友達だから、って思ってくれてるんだとしたら……尚更」
鷹条アカツキ:「……はあ」
鷹条アカツキ:「日夜激務に勤しんでるんだ、友達のことぐらい素直に怒らせてほしいね」
鷹条アカツキ:別に、彼女のお菓子ばかりを楽しみにしていたわけではない。
鷹条アカツキ:この年上の友人が、大一番に存分に腕を振るって、それで楽しくやってる様子を見られたなら
鷹条アカツキ:それだけで、自分たちの苦労も少しは報われると思っていたのだ。
鷹条アカツキ:「じゃあいいよ、チョコ欲しいとか言わないから」
鷹条アカツキ:「何にしたって、オレが下手人に腹立ててるのは変わらないんだからな」
鷹条アカツキ:「捜査にご協力いただけますか、フエカ先輩」
鷹条アカツキ:珍しく背丈に似合う、子供じみた拗ねた態度と慇懃な言い方。
蓮刈フエカ:「……そっか」
蓮刈フエカ:「アカツキなら、そうなるか」
蓮刈フエカ:ぽつりと呟いて。
蓮刈フエカ:「ん……分かった。でも」
蓮刈フエカ:「大して手掛かりになることは言えないよ……あの」
蓮刈フエカ:「“パティシエの腕を狩る怪人”のことは」
鷹条アカツキ:「……“パティシエの腕を狩る怪人”」
蓮刈フエカ:「“パティシエの腕を狩る怪人”」頷く。
鷹条アカツキ:恐ろしい忌み名を静かに反復して。
鷹条アカツキ:「……単発じゃないならますます要警戒対象だろうが!」
鷹条アカツキ:「腕、そんな狩られてるの!?」
蓮刈フエカ:「うちの学区じゃその噂で持ち切りだよ。まさか自分がやられるとは思ってなかったけど」
蓮刈フエカ:「全身黒ずくめで、急に襲ってきて腕をザシュッとやって、それで去っていくの」
鷹条アカツキ:「“パティシエの腕を狩る怪人”じゃん……!」
蓮刈フエカ:「だからそう言ってる……」
鷹条アカツキ:「確かにそれだと通報しづらいけど……」
蓮刈フエカ:「手掛かりにもならないでしょ」
鷹条アカツキ:「いやまあ、実際の被害者が出てる以上はそれでも動けるからさ」
鷹条アカツキ:「数でどうこう、は警邏の範疇。捜査はオレ一人で動くか…」
鷹条アカツキ:「あるいは、先生にでも頼るとするかな」
蓮刈フエカ:思案する君の顔をじっと見つめる。
蓮刈フエカ:「……頑張って。応援してる」
蓮刈フエカ:「……っていうのも変か。ええと」
蓮刈フエカ:「よろしく……?」
鷹条アカツキ:「別に変って訳でもないけど…任せとけ」
鷹条アカツキ:「養生しとけよ、すぐに忙しくしてやるからな!」
鷹条アカツキ:勢いよく店を出て、報告と注意喚起を提出。すぐさまその場を駆け出して
鷹条アカツキ:過労で妙な事を言い出したのでは、と疑う隊員とひと悶着起こすのだった。


GM:シーン終了。ロイス取得のみ可能です。
鷹条アカツキ:友人:蓮刈フエカ/P尽力〇:N不安
鷹条アカツキ:腕を奪われた時ぐらい素直に怒ってほしい
蓮刈フエカ:アカツキ……


【オープニング:十掬キョウ】

GM:十掬キョウさんのオープニングです。登場をお願いします。
十掬キョウ:十掬キョウの侵蝕率を1d10(→ 1)増加 (38 → 39)


GM:バレンタインを控えたある日のこと。
GM:委員会としての活動を終えた君──十掬キョウへ、珍しい人物が声を掛けてきた。
六条クウリ:「キョウちゃん、キョウちゃん」
六条クウリ:「この後ちょい時間ある?」
十掬キョウ:「クウリちゃん?」
十掬キョウ:「あるある。どした?」
GM:六条クウリ。君と同じ合コン委員会に所属する生徒であり、主に玄室群とそこに至る通路の警備を担当している。
六条クウリ:「やあ、ちょっと相談事というか……」
六条クウリ:「恥ずかしながら、あんまり頼れる子がいないもんでさ……」頬を掻く。
十掬キョウ:「めずらし。僕でいいの……いや」
十掬キョウ:「僕がいいか」
六条クウリ:「そゆこと」
十掬キョウ
1月末の事件以来、他の委員会の子たちは消沈が激しい。
十掬キョウ:顔を出さなくなってしまった子もいる。
十掬キョウ:「うん。大丈夫だよ?場所変える?」
GM:君が、ノドスに知己を持つ生徒ではないから──というのは、頼った理由としてまず大きいところだろう。
GM:加えて言えば、本人の交友関係もある。態度こそ温和なものの、六条クウリは持ち場を離れることがあまりなく、委員会内でも人付き合いは少ない。
六条クウリ:「ん。いいとこある」
六条クウリ:「キョウちゃんコーヒー派だっけ? お茶?」
十掬キョウ:「どっちもいけるクチだけどブラックはムリめかな~」
十掬キョウ:「クウリちゃんは?」
六条クウリ:「甘いものがある時はコーヒー派」
十掬キョウ:「おお……オトナっぽい」
十掬キョウ:「じゃあ今日は僕もそっち寄りにしよう」
六条クウリ:「おうおう。なろうぜオトナに」
十掬キョウ:「なっちゃおうかな……」


GM:歩くこと暫し、君たちは一軒のカフェに入った。
GM:ごく新しい店なのだろう。白を基調とした内装には染み一つなく、天井は高い。合同カタコンベから出てきた身からすると、実際以上に明るく感じられるかもしれない。
六条クウリ:「……インストで見ていいな~って思ったんだけど」
六条クウリ:「や、実際来るとなんか……あれだな。アタシは場違いだったかも」
十掬キョウ:「え~?そうかな?」
六条クウリ:湯気の立つコーヒーを前に苦笑している。隣にはロールケーキの皿。
六条クウリ:「キョウちゃんには合ってるかもだけどねえ」
十掬キョウ:ベイクドチーズケーキとコーヒーを前にして。「僕?」
十掬キョウ:「別に全然こゆとこ来たこと無いけどなあ」言いながらキョロキョロして。
十掬キョウ:「でも確かに……みんな静かだね。キングダムの子が多いのかな」
六条クウリ:「えっ猶更肩身狭いじゃん……」
十掬キョウ:「別に誰がいるかなんて気にしてないって」
十掬キョウ:「ここの子たちみんなとお友達になるために来たんじゃないんでしょ?」
六条クウリ:「そうだけどぉ」コーヒーをちびりと啜る。
十掬キョウ:言いながらチーズケーキを一口。「ん~~~」
十掬キョウ:「美味しい!」
六条クウリ:「笑顔がまばゆい……」
十掬キョウ:「お菓子会のお菓子もすっごい美味しいけどさ、またなんか違う味わいっていうか……」
六条クウリ:言いながら自分もロールケーキを口にする。
六条クウリ:「ああ~」
十掬キョウ:「ね、ね」
六条クウリ:「マジだわ」
十掬キョウ:「マジだよ~」
十掬キョウ:コーヒーに口をつけて。
十掬キョウ:「やっぱ雰囲気とかもあるのかなこういうのって」スティックシュガーを手に取っている。
十掬キョウ:ザザーッ。
六条クウリ:「言うて材料はアップルシードじゃんね……?」メニュー表の価格を睨む。「外のじゃないっしょさすがにこれで」
六条クウリ:「雰囲気……? 作り方……?」
十掬キョウ:「アップルシードの普通に美味しくないでも……?」
十掬キョウ:「作る人がうまいのかな。ショコランの子とか」
六条クウリ:「かな~」
十掬キョウ:砂糖をたっぷり入れたコーヒーを飲んで。
六条クウリ:「……でもやっぱチョコのは無いんだね今」
十掬キョウ:「あったら人気そうなのにね」メニューを見ながら。
六条クウリ:「逆に人気すぎだからじゃない?」メニュー表には欠品中のラベルが目立つ。
十掬キョウ:「チョコ食べたかった?」
六条クウリ:「あ~……食べたかったってか……」
十掬キョウ:「?」
六条クウリ:やや目を泳がせて。
十掬キョウ:「どったの?」
六条クウリ:「やー……相談事ってのがまさにそれで……」
六条クウリ:「なんだ……今ってさ、無いじゃん。チョコが」
十掬キョウ:「うんうん。すごいよね」
十掬キョウ:「日本式のバレンタインすごい流行ったよね、いつの間にかさ」
六条クウリ:「あっこれ日本式なんだ……?」
十掬キョウ:「あっそうだよ」胸を張る。「うちのうちの」
六条クウリ:「全世界こうではないんだ」
十掬キョウ:「たしかチョコ限定じゃないって聞いたことある」
六条クウリ:「へえ~。じゃあ日本式じゃなかったらお菓子全部ヤバかったのかもな」
六条クウリ:ロールケーキをまた一口食べて。
十掬キョウ:「そうかもね~。あ、で相談は?」
六条クウリ:「そうだわ」
十掬キョウ:「チョコ食べたかったんじゃないけどチョコが無いのが相談?」
十掬キョウ:「お菓子以外に使うの?」
六条クウリ:「お菓子はお菓子なんだけど~……」
六条クウリ:「つまり……」
十掬キョウ:「?」首をこてんと傾げる。
六条クウリ:「……あげたくて……」
六条クウリ:小声。
十掬キョウ:「……ワオ」
十掬キョウ:「えっ誰誰誰?」立ち上がってずいっと。
十掬キョウ:「僕の知ってる子?委員会の人?」
六条クウリ:「ちょお近っ! おちついて」
十掬キョウ:「落ち着いていられるかよお~」
十掬キョウ:「クウリちゃんが一足先にオトナになろうってのにさあ~!」
六条クウリ:「あ、あはは……」頬を染めている。
六条クウリ:「やーだからね、それで」
十掬キョウ:「おお……」
十掬キョウ:「マジのじゃん」
六条クウリ:「それで!」咳払いをする。
十掬キョウ:「はい」座り直す。
六条クウリ:「委員長と仲の良いキョウちゃんなら、こういう状況でもチョコが手に入る穴場とか知らんかなって」
六条クウリ:委員長と仲が良いなら当然流行のものにも詳しいだろうという考え。
十掬キョウ:「仲のいいっていうか……」
十掬キョウ:「面白がられてただけだと思うな僕」
十掬キョウ:「物を知らなすぎたから……」
六条クウリ:「うぇえ?」
六条クウリ:「そのこころは」
十掬キョウ:「いや僕来た時は……」咳払いをする。
十掬キョウ:「でもミチカちゃんはさ~。多分教えてくれないよ。穴場」
六条クウリ:「……?」
六条クウリ:「そう?」
十掬キョウ:「今それどころじゃないと思うし……知ってても一番いいとこはこっそり自分だけのものにしてるんだよ」
十掬キョウ:「そういう一面が最近多いのだ……」腕組みしている。
六条クウリ:「それどころじゃないのはそうだけど……う~ん」
十掬キョウ:「うん。分かるよ」
六条クウリ:「そうなのか……てっきり委員長とキョウちゃんはツーカーなもんだと」
十掬キョウ:「クウリちゃんにとってもそれどころじゃないもんね」
十掬キョウ:「ツーツーなんだよ」
六条クウリ:「てか入学以来の仲なのかな~と……」
十掬キョウ:「なんかバビロンの会長とそうらしいよ」
十掬キョウ:「見えないけどね~」
六条クウリ:「あ~そっちとそうなんだ?」
六条クウリ:「でも逆に分かるかも」
十掬キョウ:「逆に……?そうなんだ」
十掬キョウ:「僕はぜんぜん違うな~って思ったけど……」
六条クウリ:「違うものをほっとかない感あるくない? どっちも」
十掬キョウ:「そういうものなんかな……あ、チョコの話だよね」
十掬キョウ:「ごめんね、コネ全然なくって」
六条クウリ:「まあバビロンの会長なんて話したこともないけど……あ、そうそう」
六条クウリ:「謝られることじゃないよ~」
十掬キョウ:「ママもそういうの知らないだろうし……てか連絡先知らないや」小声。
六条クウリ:「アタシが勝手に絶対詳しい枠に入れてたってだけだし……」
十掬キョウ:「絶対詳しい枠には入れないけどさ」
十掬キョウ:「絶対一生懸命手伝う枠には入ろうか?」
六条クウリ:「えっホントに?」
十掬キョウ:「ホントだよ~。僕だってクウリの恋路は応援したいしさ!」
六条クウリ:「こっ」
六条クウリ:「いやそういうのではないけどもね!?」
十掬キョウ:「え?違うの?」
六条クウリ:「違うから!」
十掬キョウ:「え~?おっかしいな……」
十掬キョウ:「こういうときは絶対そうだって……」
六条クウリ:「違いますう」
六条クウリ:「ただちょっと憧れというか……気になるというか……尊敬というか……感謝というか……そういうものを……」
十掬キョウ:「恋路では……」
六条クウリ:「むぐ……」
六条クウリ:両手でカップを包むようにして口に運ぶ。
十掬キョウ:「別にはばかることじゃないと思うけどなあ」甘ったるいコーヒーを飲みながら。
十掬キョウ:「オトナの証じゃんか」
六条クウリ:「オトナ……オトナかあ」
十掬キョウ:「オトナだよ~」
十掬キョウ:「いいなあ」
六条クウリ:ちら、と上目で君を窺うようにする。
十掬キョウ:「?」
六条クウリ:「……キョウちゃんにはいない? チョコ渡したい相手」
十掬キョウ:「んー。委員会のみんなには渡したいけどさ」
十掬キョウ:「ただのお菓子会だよねこれ」
六条クウリ:「割と普段からしてるね」
十掬キョウ:「そうなんだよね」
十掬キョウ:「でもやっぱさ」
十掬キョウ:「渡してはみたい。やってみたいな~って思う」
六条クウリ:「ほう」
十掬キョウ:「だから……先にそれをやろうとしてるクウリちゃんはね」
十掬キョウ:「応援したいなって思う」
六条クウリ:「えぇ~そう来る!?」
六条クウリ:「なんか恥ずいんだけど……!」
六条クウリ:「『実は私も……』みたいなんないの!?」
十掬キョウ:「あったらよかった」
六条クウリ:「なんも言い返せないやつ……」
六条クウリ:卓に突っ伏すようにする。
十掬キョウ:「ふふ」笑って。「大丈夫だって。その分僕はクウリちゃんに全力投球できるわけだし」
十掬キョウ:「チョコ探しくらいなんとかなるでしょうとも!」
六条クウリ:「んん~……」ずるずると上体を引き起こして。
六条クウリ:「わかった……じゃあアタシは全力で頼らせてもらう」
十掬キョウ:「おう」
六条クウリ:「そんで一足先にオトナになったりするかもだからさ」
十掬キョウ:「おお……」
六条クウリ:「手伝ってもらう分、その見本になるよ。いつかキョウちゃんがなろうってなった時のために」
六条クウリ:「……な、なんて?」誤魔化すみたいにロールケーキをつつく。
十掬キョウ:「クウリちゃん~……!」ばっと立ち上がって。
十掬キョウ:ひしっと抱きつく。
六条クウリ:「おわっ」
十掬キョウ:「絶対絶対僕がんばるから!」
六条クウリ:「う、うん」
六条クウリ:「言うて程々にでいいからね」
十掬キョウ:「え~!?」
十掬キョウ:「チョコのためならすべてを敵に回してもいいとかじゃないんだ」
六条クウリ:「重くない!?」
六条クウリ:「てか……強い! 力が……!」
六条クウリ:抱き締められた状態でぱんぱんと背中を叩く。
十掬キョウ:「あっごめんね!」パッと離して。
六条クウリ:「意気込みは……ありがたいけども……!」
十掬キョウ:「ん~。じゃあ程々にしとくけどさ」
六条クウリ:照れと息切れで赤くなった顔で一息つく。
六条クウリ:「うん」
十掬キョウ:「一つ交換条件。僕からもクウリちゃんに要求があります」
六条クウリ:「おお。何だいキョウさんや」
十掬キョウ:「これが受け入れられぬ場合は引き受けるか怪しくなりますのです」
六条クウリ:「アタシにできることなら力を尽くします」
十掬キョウ:つい、とロールケーキを指さして。
十掬キョウ:身を乗り出して、んあ、と口を開けた。
六条クウリ:「……おお」
六条クウリ:目を丸くし、次いでふふっと笑う。
六条クウリ:フォークで切り分け、一口分をその先端に乗せて。
六条クウリ:「はい」
六条クウリ:「あーん」
十掬キョウ:ぱくりとフォークの上のロールケーキを受け取って。
十掬キョウ:「ん~」心底嬉しいことのように、それをしばらく堪能した。


GM:シーン終了。ロイス取得のみ可能です。
十掬キョウ:-友人/六条クウリ/尽力:○/隔意/ロイス


【オープニング:眩星かんな】

GM:かんな先生のオープニングです。登場をお願いします
眩星かんな:38+1d10
DoubleCross : (38+1D10) → 38+1[1] → 39



GM:某日、某学区。今日もまたチョコレートを巡る争いが発生した。
GM:職員室への応援要請に応え、現地の風紀委員と共に現場に駆け付けた君が目にしたのは、戦場もかくやとばかりに荒廃した市街地と──
GM:根元から折れ、今まさに傾いていく高層ビルの姿。
鷲頭の先住市民:「ワシのビルが~~!!」
その部下の先住市民:「社長~~~~!!!」
GM:身の毛もよだつ轟音と共に、ビルが倒壊。地響きと砂煙が大通りを駆け抜ける。
GM:街路に設置されていたゴミ箱が倒れ、清掃用のカラス型ドローンが群がり、流れ弾を受けて弾け飛ぶ。
GM:その様を他所に、なお銃撃戦は続いている。
メサイア生徒(SG):「クソッ、結局奪い合いか!」
メサイア生徒(SG):「最初に売場を襲ったのはアタシたちなのに……順番も守れない盗っ人どもめ!」
ジェネシス製戦闘ロボット:『ピピピピ……付近にチョコの反応を検知』
ジェネシス製戦闘ロボット:『高低差及び生体反応ノイズにより座標特定困難。障害徹底排除モードへ移行。チョコは瓦礫の下から回収すれば問題は皆無』
暴走したキングダム生徒:「これが火炎瓶ですわ~~~~!!!!」
風紀委員A:「……な、なんてこと……」
風紀委員A:あまりの惨状に膝を突きかける。
眩星かんな:「いやぁ、まるでテーマパークに来たみたいだけど」
眩星かんな:「最近見慣れ過ぎてテンション上がるって訳でもなくなってきてしまったね」
風紀委員B:「す、すみません……まさかこれほどの事態になっているとは……」
眩星かんな:「気にすることはないさ。こういう学区を越えた小競り合いを諫めるのが私達の役目だからね」
眩星かんな:毛先の跳ねた黒髪ショートヘア―にパンツスーツと眼鏡の女がきひひ、とちいさく笑う。
風紀委員A:「先生……」
眩星かんな:とはいえ、目元のクマは平時よりも若干深い。繁忙期であることの証左。
眩星かんな:「じゃ、早速行こうか。不慮の方向からの銃撃だけ庇ってくれると嬉しい」
眩星かんな:などということはおくびにも出さず一歩踏み出します。
風紀委員B:「は、はい! 指揮をお願いします!」
風紀委員A:失いかけていた気力を回復し、陣形を立て直して君と共に進む。
眩星かんな:「おーいっ、そこの生徒諸君~!」
眩星かんな:たすき掛けしたベルト付きメガホンを手に取り、戦場の真っただ中へ呼び掛ける。
メサイア生徒(GL):「ア~ン……?」
メサイア生徒(GL):「なっ、大人……先生……?」
眩星かんな:「お、一発で止まってくれた。偉いねぇ」
眩星かんな:「君達の学校の風紀委員etcから連絡を貰って参上した。一体どうしてこんな大乱闘スマッシュシスターズしているんだい?」
メサイア生徒(GL):「そ、そりゃあ勿論チョコレートのためさ!」
メサイア生徒(SR):「外じゃバレンタインっていうのがあって……その時にチョコがあると……何かスゲエんだろ!?」
メサイア生徒(SG):「チョコレートでビッグになりたい!」
眩星かんな:「おおぅ、漠然とした知識からそこまで力の篭った熱量を見せられるとはね」
メサイア生徒(SR):「えへへ」
眩星かんな:「だが、火器を使用しての銃撃による奪い合いはお勧めできないかな」
眩星かんな:高層ビルの根本辺りに構えていた製菓店の残骸から、瓦礫を押し退けて何かを摘まみ取り。
眩星かんな:「これ、なんだか分かるかい?」鉄火場においてもなお仄かに甘い香りのする、ぼろぼろに崩れかけた紙クズを掲げて。
暴走したキングダム生徒:「!!!! チョコですわ!!!!!!!!」
風紀委員C:「こら、寄るな!」猪めいて突っ込んできた生徒を押し留める。
眩星かんな:「ご名答。これは確かにチョコレート菓子なんだが……この通り」
眩星かんな:びりっと包装紙を破る。全く以て食欲をそそらない、ただのどろっとしたチョコレートの液体が零れ落ちる。
眩星かんな:「熱に弱いんだ。ていうか、菓子全般が銃撃の余波に耐えられる様な代物じゃないってわけで」
メサイア生徒(SG):「そんな……銃撃がダメならどうやって奪い合えばいいんだ……?」
ジェネシス製戦闘ロボット:『ピガガ……』
眩星かんな:「そうだね。お菓子の奪い合いにもっと相応しい、穏当で……折角なら楽しい勝負で決着をつけた方がいい」
メサイア生徒(GL):「楽しい勝負……?」
眩星かんな:そう言って、戦場付近から奇跡的に形を留めていた四角のテーブルを引き摺ってくる。
眩星かんな:たすき掛けのもう片方のバッグに入れていた包みを取り出し、緑色のボードと白地に漢字やマークが描かれた四角くて小さな大量のコマを並べていく。
眩星かんな:「つい先日、メサイアのブラックマーケットで見つけたんだ。まさか、全ての牌と点棒が揃った状態でノヴァリス入りした代物があったとはね」
眩星かんな:「"麻雀"という。聞いたことはあるかい?」
メサイア生徒(SR):「ない」寄ってきて覗き込む。
風紀委員A:(私たちもないな……)
風紀委員B:(ないね)
眩星かんな:「4人のプレイヤーがテーブルを囲み、百枚前後の牌を引いて役を揃えることを数回行い、得点を重ねていくゲームだ」
眩星かんな:「私が居た外の世界では、"組"同士の取り決めを双方が納得いく形で決着させるために用いられていてね」
眩星かんな:「"代打ち"と呼ばれる麻雀の打ち手には、運否天賦に勝利し一夜にして巨額の富を手に入れたなんて話もあるらしい」
暴走したキングダム生徒:「巨額の富を……」ごくりと唾を呑む。
眩星かんな:「まだノヴァリスでは知名度が低いかもしれないが、いずれはこのゲームで勝負する機会も増えていくだろう。痛くないしね」
眩星かんな:「ここにメサイア、ジェネシス、キングダムの三大勢力が揃っている。基本的に4人でやるからそこに私も加わろう」
眩星かんな:「これはチャンスだ。私からルールと必勝法を学び、今のうちに実力を身に付けていけば……」
眩星かんな:「周囲の皆からチョコレート……それだけじゃない、様々な献上品を捧げられるほどにビッグな代打ちになれるかもしれない」
眩星かんな:「どうだい。やってみるかい?」台に付き、挑戦的な視線で皆を挑発する。
ジェネシス製戦闘ロボット:『ふ……面白い』
ジェネシス製戦闘ロボット:『麻雀絶対勝利モードに移行します』ガチガチとマニピュレーターを打ち鳴らす。
メサイア生徒(SG):「ソイツで勝てば自分で集めなくてもチョコの方から集まってくるってわけか……良いな……」
暴走したキングダム生徒:「わ、わたくしは富には興味はありませんけれど……用意された巨額、いえ、勝負の場から逃げては儲けが、いえ、誇りが許しませんわね」
眩星かんな:「良い心がけだ。中国四千年が歴史の粋こそ麻雀に詰まっている」
眩星かんな:「大陸を総べしTHEビッグ・レディへの道も、世界最高峰の演算能力を誇るコンピュータへの道も、絢爛美麗にして高貴な誇りを持つ麻雀姫への道も」
眩星かんな:「ここから始まるってことさ!……えーっと、まずはこの牌を"山"として積むんだけど……」
眩星かんな:といった感じで、初心者向けの簡易ルールでのんびり麻雀教室に興じます。一見複雑そうで複雑なゲームだからね。
眩星かんな:その最中、隙を見計らって風紀委員ちゃんに横目でウインク。『場、収まったよ~』の合図。
風紀委員A:(……すごい。これが大人……)
GM:そうして場が落ち着きかけたかに見えた、その時。
GM:ひゅるりと冷たい風が吹き抜け、君の手から牌を零させる。
眩星かんな:「で、自分の捨て牌でロンされたら衣服を1枚脱いで……っと」
GM:バシュ シュン!
GM:牌を拾い直した君の目の前で突如、暴れていた生徒たちが十字冠転送される。
ジェネシス製戦闘ロボット:『痛っ』僅かに遅れ、がらんと音を立てて地に転がる。
ジェネシス製戦闘ロボット:『わ、私のキャタピラが……』
風紀委員A:「え……」
眩星かんな:「全く。折角スジ引っ掛けで待ってたのに……」そうもいかないらしい。ゆっくりと立ち上がる。
風紀委員B:「あっ……先生、あそこ!」
GM:彼女たちが慌てて銃を向ける先、積み重なった瓦礫の山の上。
GM:一人の女子生徒がそこに立ち、片手に持ったものを吟味している。
GM:君が先ほど生徒たちに示した、溶けたチョコレートだ。
眩星かんな:「……君もチョコレート目当てでココに来たのかい?」
GM:「……出遅れたかと思ったが」
GM:「悠長にやっててくれて助かった」
GM:向き直る。
出鶴レイ:「そうだ──と言っておこう」
出鶴レイ:「崑崙山中等専門学校、出鶴レイ」
出鶴レイ:「最強の証のため、全てのチョコレートは私が手に入れる」
眩星かんな:「──崑崙、か」全員が一騎当千の強者。ひたすら武の研鑽に没頭するオーヴァード武侠の学校。
眩星かんな:「最強を目指すことに関して疑問はないけれど……一つ聞かせて貰えるかな」
出鶴レイ:「何を」
眩星かんな:「それチョコレートと関係あるかい?」
出鶴レイ:「愚問だな。アンタも知ってるだろう、先生」
出鶴レイ:ガ──キン!
出鶴レイ:両手を広げる動きに合わせ、冷たい光条が彼女へと収束する。
出鶴レイ:それは刀だ。おそらくは先程の風を生み、他の生徒たちを退場させ、今また左右に複数差す鞘へと納まった。
出鶴レイ:「今、このノヴァリスでは、誰もがチョコレートを求めている。強い奴も、金のある奴も」
出鶴レイ:「そんな、誰もが求めてやまないものを、誰より多く集めることができれば」
出鶴レイ:「そいつこそが一番強い力を持ってるってことになる。単純な話だ」
眩星かんな:「……なるほど。確かに、レイちゃんの中では筋の通った話だと思う」
眩星かんな:「だが、その"最強"はボードゲームに興じる生徒を不意打ちで凶刃に掛けないと手に入らない代物なのかな」
眩星かんな:「抗う意思があればいざ知れず、無抵抗の生徒を傷つけることも武道の理念に含まれているかい?」
出鶴レイ:「強けりゃ斬られずに済んでいたさ。油断の有無ってやつも含めてな」
出鶴レイ:「アンタこそどうなんだ、先生?」
出鶴レイ:「そうやって話していられるのは、そこで縮こまってアンタを守ってる奴らがいて……かつ、私がまだその気になってないからじゃないのか」
風紀委員A:「……っ」身を固くする。
眩星かんな:「……別に、私もこの子達もチョコレート欲しさに集まったわけじゃないさ」風紀委員ちゃんを庇う様に一歩前へ。
眩星かんな:「抗争による周囲への甚大な被害を鑑みて、鎮圧するために来たんだ」
眩星かんな:「レイちゃんからしたら、闘うに値すらしない存在じゃないかな」
出鶴レイ:「なるほど?」
眩星かんな:「私が単独で非力なことは疑うべくもないけどね」
出鶴レイ:「チョコレート争いからは身を引くから、放っておいてくれと……そういうことでいいのか」
出鶴レイ:「そんなものなのか? 先生っていうのは」
眩星かんな:「そんなものさ。先生なんて……いや、マジで何も攻撃手段がないのは私だけかも」
眩星かんな:「だけどね」
眩星かんな:「間違った手段で"最強"を目指すあまり、周囲に甚大な被害を撒き散らしていそうな君を放っておくことも出来なくてね」
出鶴レイ:「ならどうする」
眩星かんな:「私なりのやり方で、君のことを叱っちゃおうかな」
眩星かんな:「とはいえ、叱るにはちょっとした準備が必要だ。今この場で私を再起不能にすれば、それもできなくなるけど」
出鶴レイ:「ハ──なんだそりゃ。全然分からん」
眩星かんな:「だけど。断言してもいい、準備が整って次に出会った時の私は────」
眩星かんな:「チョコレート集めに勤しんでるうちは、きっと敵わないほど。強いと思うよ」
出鶴レイ:「……」
出鶴レイ:「まあ、良いだろう」
出鶴レイ:「今ここで邪魔してこないアンタを倒す意味もない。今度会った時にそうするって言うのなら」
出鶴レイ:「その時はその時に試せばいいだけだ。口先だけなのか、それとも本当に」
出鶴レイ:「先生って呼べるような人間なのかをな」
眩星かんな:「期待されちゃってるぅ」
出鶴レイ:「フン。精々応えてくれよ」
出鶴レイ:そう言い残して身を翻す。
眩星かんな:「ああ。またねぇ」ひらひらと手を振って見送る。
風紀委員A:「……」姿が見えなくなったところで息を吐く。「どうなるかと思いました」
風紀委員A:「でも、大丈夫なんですか、先生? あんなことを言ってしまって」
風紀委員A:「先生なりのやり方って、一体……」
眩星かんな:「うん?ああ。なる様になるから、心配しなくても大丈夫だよ」
眩星かんな:「私は応援と根回しが上手いからね……ひとまず、この場の後始末は任せても良いかい?」
風紀委員A:「あっ、はい。勿論です」
風紀委員A:「予想外のことはありましたが……おかげでひとまず収まりました。やっぱり先生にお願いして良かった……」
風紀委員B:脚部を破損したロボットを起こしてやっている。
眩星かんな:「こちらこそ。エイちゃん達が私のこと頼ってくれて嬉しかったよ」斬撃によって散らばった牌とボードを回収し、包みにしまい込む。
眩星かんな:「また何かあったらUNICONNEで連絡してね。それじゃ」最後に優しく頭を撫でて、戦場からそそくさと退散していく。
眩星かんな:「(……あの手の崑崙生に対して崑崙生を呼ぶと拗れそうだ。他学区に出向くような特例とかち合わない様、ちょっと配慮して)」
眩星かんな:「(まずは、被害状況の把握からか……KMPかな。何人かイタメッセージしてみよう)」
眩星かんな:などと端末を操作して歩いていると、はみ出た瓦礫に足をぶつけてつんのめりそうになった。
眩星かんな:寝不足のスマホ歩きは危険だからやめようね。先生との約束だよ。


GM:シーン終了。ロイス取得のみ可能です。
眩星かんな:出鶴レイ/○保護/最強を目指すのって結構若気の至り寄りだと思うんだよねぇ
眩星かんな:以上~


【ミドルフェイズ1】

GM:合流シーンです。全員登場をお願いします。
鷹条アカツキ:鷹条アカツキの侵蝕率を1d10(→ 2)増加 (42 → 44)
アイシャ・T・ローズ:アイシャ・T・ローズの侵蝕率を1d10(→ 7)増加 (54 → 61)
十掬キョウ:十掬キョウの侵蝕率を1d10(→ 8)増加 (39 → 47)
アイシャ・T・ローズ:ダイスボーナスです。ぶいぶい
眩星かんな:39+1d10
DoubleCross : (39+1D10) → 39+9[9] → 48

鷹条アカツキ:みんな興奮してるねえ


GM:メサイア学区某所。
GM:廃線となった地下鉄のホームを改装したらしき薄暗い空間には、今、
GM:大勢の人間が興奮を押し殺す、異様な雰囲気が満ちていた。
GM:闇オークション部が不定期に主催する競売。今回の目玉商品は、もはや滅多に手には入れられないチョコレート……その、特別な原料なのだという。
GM:未だ開演前。学区を問わず、中には社会人や先住市民なども混ざって、客同士の会話がそこかしこで囁き交わされている。
アイシャ・T・ローズ:「………」その中にクラシックなメイド姿の生徒が一人、ポツンと佇んでいる。
アイシャ・T・ローズ:(情報は正しかった……ですが)
アイシャ・T・ローズ:(想定以上の客足です。当機の実弾・・でどこまでやれるか……)
六条クウリ:「……」落ち着かない様子で辺りを見回している。
十掬キョウ:「や~思ったより盛況だよねえ」
十掬キョウ:「クウリちゃん手持ちある……?」
六条クウリ:「80……や、ギリギリ100くらい……」
十掬キョウ:「おお」
十掬キョウ:「僕20しかないけど……足しにはなるかな……?」
六条クウリ:「それは逆に生活だいじょぶなん……?」
六条クウリ:「とは言えアタシもさすがにこういうとこの相場は全然」
十掬キョウ:「生活に必要な分は別だもん」
六条クウリ:「ならよかったけど」言いながら再び見回す。
GM:チョコレートを求めるものとして、会場にはパティシエの姿も多い。
GM:また、希少価値の高いチョコレートの出品ということで、騒動を予測している者もいるだろう。どちら側に回る気なのかはともかく。
アイシャ・T・ローズ:同じように見回していたのか。一見メイド生徒と二人の視線が交錯する。
鷹条アカツキ:オーバーサイズパーカーを羽織り、ぶかぶか気味のフードで犬耳を隠しながら常に視線を張り巡らせている。
十掬キョウ:目が合うとにこっと笑って会釈する。
十掬キョウ:「ね、メイドさんもいるよ」
アイシャ・T・ローズ:たおやかに会釈を返す。
六条クウリ:「ほんとだ……どっかのお店の人かな」
眩星かんな:「ふむ。出鶴レイちゃん、“パティシエの腕を狩る怪人”。いずれかが現れてもおかしくないね」
鷹条アカツキ:「今ざっと見た範囲では結構腕の立つ子がひとり、ふたり…」
十掬キョウ:《蝙蝠の耳》。
十掬キョウ:「“パティシエの腕を狩る怪人”……?」
眩星かんな:アカツキちゃんの隣で、いつも通りのパンツスーツで腕を組んで壁に寄りかかっている。
六条クウリ:「へ?」
十掬キョウ:「いや、今そんな言葉が聞こえた気が……」
鷹条アカツキ:「一目で要警戒って程の子はまだ、ってところかな。先生」
十掬キョウ:声の発信元を探してきょろきょろとする。
六条クウリ:「なんだそら……何かの漫画……?」
十掬キョウ:冠のない大人の姿が目に入る。「わ、あれ先生じゃない?」
眩星かんな:「了解。人が多いから、現れたとしても今日は被害を押さえるのが優先かな」
十掬キョウ:「ほら。あそこの壁際の……」
六条クウリ:「えっ」
六条クウリ:「ほ、ほんとだ……」
アイシャ・T・ローズ:漏れ聞こえる声に沿って視線を傾ける。
アイシャ・T・ローズ:(先生……)ネットワークに接続。対象のIDを検索──星室庁、眩星かんな。
鷹条アカツキ:「ああ、こうして人が密集してると…む」視線を感じて少し警戒。
アイシャ・T・ローズ:(初めて見ます。ノヴァリスの外からの来訪者とは、ああいうものなのですね)
鷹条アカツキ:「今は落ち着いてるけど、怪人拳客抜きでもいつ騒ぎになるか分からない」
鷹条アカツキ:「オレから離れないようにな、先生」
十掬キョウ:(ミチカちゃんのご執心の先生とは違うのかな?女の人っぽいし……)
眩星かんな:「ありがとう。有事の際は宜しくねぇ……っと」視線に気づいて笑顔で手を振る。
鷹条アカツキ:多めな交流もあってそれなりに慣れたものだが、先生というものはそれだけで目立つのだ。
十掬キョウ:「仲良さそうな子と一緒だし。そうじゃなくてよかったかも」独り言ち、
六条クウリ:「!」
十掬キョウ:にこっと手を振り返す。
六条クウリ:ぎこちなく微笑んで会釈する。
アイシャ・T・ローズ:あるいは、ぴくりと反応し、改まって頭を下げる。
眩星かんな:「……ふむ、まだまだ先生に対して物珍しさを感じている生徒は多いようだ」小さく苦笑。
眩星かんな:「もっと気軽に話し掛けたり、会話できるのが理想なんだけども」
六条クウリ:(……うう、まさか先生が来てるなんて……)
鷹条アカツキ:「先生がその調子ならすぐに馴染むでしょう」
鷹条アカツキ:「もう少し身体を労わってほしい、というのはオレが言っても説得力ないだろうけど」
十掬キョウ:「でも何しに来たんだろう。闇オークションを中止させに来たのかなあ」
十掬キョウ:「だったらクウリちゃんは困っちゃうよね」
六条クウリ:「そ、それはやだ……!」
十掬キョウ:「だよねえ。よし……」
眩星かんな:「その時はその時さ。私は今だいぶ人生謳歌フィーバータイムだからね、過労で死んでも悔いはない」
十掬キョウ:「聞こっか」
六条クウリ:「うえぇっ」
六条クウリ:「ちょ、キョウちゃん! キョウさん! 待って」
十掬キョウ:「え、どったのさ」
六条クウリ:「いや、あの……何と言いますか……」
十掬キョウ:「?」
GM:その時。
GM:硬質の靴音が、わざとそうしているように、高らかに地下の空間に響き渡る。
十掬キョウ:「……む」
GM:その主は、ステージ──かつての線路側に設けられた客席に対し、プラットフォーム側──に現れた、漆黒のスーツ姿の生徒。
鷹条アカツキ:フードの中でもぞりと耳を動かして視線を向ける。客席の警戒は影の中の相棒に任せた。
闇オークション部員:「皆様。今宵はようこそお越しくださいました」
闇オークション部員:「此度も、我らの総力を挙げ、きっとお眼鏡に適うであろう品々を揃えてございます」
闇オークション部員:「どうぞ最後までお楽しみ下さいますよう……クックック……」
十掬キョウ:「おお。なんだかそれっぽいね」
眩星かんな:「(雰囲気が仰々しくて格式高いね。あの笑い方、どれくらい練習したんだろうなぁ)」
アイシャ・T・ローズ:(『クックック』……該当あり。笑い声の一種。しかし、そこで笑う意味は……?)首を傾げている。
六条クウリ:先生の方を気にしながらも、始まった競売の方に視線を向ける。
GM:そうして、ひとまずは平穏無事に、オークションは幕を開けた。
GM:披露される品々は、いずれも高値で競り落とされてはいたが、君たちにとっては用のないものだ。独特の雰囲気を楽しむか、あるいは退屈に思える時間が過ぎていき……
闇オークション部員:「……本日最後の品はこちらです。このためにいらした方も多いのではないでしょうか?」
十掬キョウ:「うう……あのテロロ様?のフィギュアほしかった……」
鷹条アカツキ:「来たか…」僅かに身構える。運営のもったいぶった言い回しのせいで本日三度目。
十掬キョウ:ちゃんと我慢した。貴重な軍資金なので。
闇オークション部員:「当部の伝手をもってしても、入手には大変苦労しました。しかしその分、質は保証いたします」
闇オークション部員:台座の上、品物を覆い隠していた布をさらりと取り除ける。
闇オークション部員:「今のノヴァリスでは滅多に手に入らなくなったチョコレート」
闇オークション部員:「その最高級の原料……神秘のカカオでございます」
十掬キョウ:「神秘のカカオ……!?」
六条クウリ:「……!」
十掬キョウ:「なんだかすごそう!何が神秘なのかな」
眩星かんな:「げ、原材料からかぁ……」顔が引き攣ってる。
GM:スポットライトの光を浴びて、光沢のある茶色の果実が輝いている。
鷹条アカツキ:「原料…通りで甘い匂いがするのが客席なわけだ」すんすんと鼻をひくつかせる。
アイシャ・T・ローズ:「最高級……情報通り」ステージ上を機械的に見つめたまま、ぽつりと零す。
鷹条アカツキ:「パティシエや、それを雇うようなお嬢様方も足を運んでるらしい」
GM:客席のざわめきは、おそらくここまでで一番大きい。
十掬キョウ:「でもカカオからチョコレート作ったこと無いなあ。出来るのかな……」
眩星かんな:「だね。その一方で、即物的にチョコレートを狙っていた生徒だと活用するのは難しそうだ」
十掬キョウ:「ミルキちゃんあたりに聞けば分かるのかな」
六条クウリ:「……なんにしても、まずは手に入れなきゃだ」膝の上で拳を握る。
闇オークション部員:反応を楽しむような間を置いた後、芝居がかった仕草で切り出す。
闇オークション部員:「こちらの品、まずは最低入札価格10CPから……」
GM:ということで、ここで判定です。
GM:全員〈調達〉で振ってみてください。目標値は10/20/30。より高い数値で成功するほど少しいいことがありますが、失敗しても進行上問題はありません。
GM:現時点でカカオに興味がない人も振って大丈夫。
十掬キョウ:1dx+2
DoubleCross : (1DX10+2) → 6[6]+2 → 8

十掬キョウ:ダメだ~
アイシャ・T・ローズ:(3+3)dx+6
DoubleCross : (6DX10+6) → 10[3,4,6,7,9,10]+8[8]+6 → 24

GM:すご
アイシャ・T・ローズ:む。惜しいですね……
眩星かんな:4dx+4>=30
DoubleCross : (4DX10+4>=30) → 10[1,7,10,10]+9[1,9]+4 → 23 → 失敗

眩星かんな:おしい
鷹条アカツキ:つよ
鷹条アカツキ:1dx+3
DoubleCross : (1DX10+3) → 6[6]+3 → 9

GM:先生もすごい
十掬キョウ:みんなやる気
GM:では……落札できるというか
GM:アイシャさんが最高額を提示したタイミングで何者かが襲撃してきます。
アイシャ・T・ローズ:なに~っ
アイシャ・T・ローズ:了解です。


オークション客:「20!」「40!」
十掬キョウ:「あっもう上回った!」
六条クウリ:「ご、50!」
十掬キョウ:「やってみたかったのに……」
鷹条アカツキ:「じゅ、じゅう…」一瞬で勝負の場に上がれないことを察知し、すごすごと引き下がる。
オークション客:「60!」「90!」
六条クウリ:「100……」
十掬キョウ:引き下がった少女を見て話しかけに行く。「流れ早いよね……?」
十掬キョウ:「やってみたかったよねえ」
オークション客:「150!」「170!」
六条クウリ:「のああ……」
十掬キョウ:「あっもう100超えちゃった……」
眩星かんな:「……大した熱量だ。今までの品よりも一等早く値段がつり上がっていく」
鷹条アカツキ:「ああ、ついていけないよな…?」
十掬キョウ:「みんなそれだけ欲しいんだなあ」
鷹条アカツキ:「神秘だかなんだかは分からないけど、チョコレートバブルは本当とんでもないな」
十掬キョウ:「落札する人ちょっと分けてくれないかなあ」
アイシャ・T・ローズ:「………」ネットワークに接続。入札者全員のIDを検索。
アイシャ・T・ローズ:IDに紐づいた財務データから想定される資金力を算出し、その上限を見定める。
アイシャ・T・ローズ:そして、静かに札を上げる。
アイシャ・T・ローズ:「240」
オークション客:「!!」
十掬キョウ:「240……!?」
眩星かんな:「お~~。豪気だねぇ」こっそりと拍手。
鷹条アカツキ:「これは…場の空気が変わった。決着だな」
十掬キョウ:「あっさっきのメイドさん……?」
闇オークション部員:「……」
十掬キョウ:「お金持ちの人のお付きなのかな」
六条クウリ:「くは~……」
闇オークション部員:「……いらっしゃいませんか」
闇オークション部員:「それでは──」
GM:そうして、司会が落札を宣言しかかった時。
アイシャ・T・ローズ:(上限は330。際どい所でしたが、これでどうにか──)
出鶴レイ:「……こんな所に」
出鶴レイ:「まだ狩り残しがあったとはな」
出鶴レイ:ステージ上。
出鶴レイ:そこへ唐突に風が渦を巻いたかと思うと、その中に白髪の生徒が出現する。
アイシャ・T・ローズ:「!」
十掬キョウ:「なんだろう。イベントかな」
闇オークション部員:「何奴──ぐはっ!」
十掬キョウ:「イベントじゃなさそう」
出鶴レイ:向かってきた司会者を客席側に蹴落とす。悲鳴が上がる。
鷹条アカツキ:「あのなり、もしや先生が言っていた?」
眩星かんな:「ああ、彼女が出鶴レイだ」
出鶴レイ:「こいつは私がいただいていく。悪く思うな」
アイシャ・T・ローズ:「……いけない!」素早く駆け寄ってオークショナーを抱きとめる。
アイシャ・T・ローズ:そして、ステージ上に向かって声を張り上げる。
アイシャ・T・ローズ:「お待ちください! それは当機が落札した品です」
十掬キョウ:「そうだよ、きみ!横取りは良くないよ」
鷹条アカツキ:なんとか人ごみをかき分けて司会の生徒を助けに行こうとしたが、檀上の動きを見て足を止める。
出鶴レイ:「今は私の手の中にある」カカオを手に取り、弄ぶようにして。
アイシャ・T・ローズ:「ならば、取り返すまで」オークショナーを横たえて一跳び。ステージに上がる。
出鶴レイ:「そうしてみろ。できるものなら」
アイシャ・T・ローズ:「当機にも事情がございますので」
アイシャ・T・ローズ:背を低く沈め。
アイシャ・T・ローズ:「加減はいたしかねます」踏み込み、腕を振りかぶる。
アイシャ・T・ローズ:その袖口からざあ、と砂がこぼれ落ち、
アイシャ・T・ローズ:瞬間、腕から生えるように形成された機械腕・・・・・・・・・・・・・・・・・が闖入者に襲い掛かる。
出鶴レイ:「フン」殴打に備え、逆にその手首を斬り落とすべく刀に手を掛けて。「……何?」
出鶴レイ:「チッ……!」
出鶴レイ:意表を突いた攻撃に対し、それでも優れた反応を見せた。
出鶴レイ:左手に持ったカカオを突き出し、機械腕に握らせ、右手で抜いた刀でそれを両断。
出鶴レイ:下半分の果実を持ったまま、後方へと飛び退る。
アイシャ・T・ローズ:「なっ……!」
出鶴レイ:「……成程。今回は私が甘く見たか」
十掬キョウ:(わ、上手い……)
出鶴レイ:掌中、奪い切れなかったカカオを一瞥して。
出鶴レイ:「お前、名は」
アイシャ・T・ローズ:「………」
アイシャ・T・ローズ:視線を機械腕の切断面から闖入者に移す。
アイシャ・T・ローズ:「“テオドーラ”9号──いえ」
アイシャ・T・ローズ:「『ローズランド』のアイシャ・テオドーラ・ローズと申します」律儀に礼をする。
アイシャ・T・ローズ:「お名前を伺っても?」
出鶴レイ:「崑崙山中等専門学校、出鶴レイ」
出鶴レイ:「今はそいつはお前に預けておく。今だけだ」
アイシャ・T・ローズ:「……その言葉。そっくりそのまま、お返しします」
アイシャ・T・ローズ:「こちら側・・・・を使っても、その剣筋を上回る演算結果を得られませんようで」
アイシャ・T・ローズ:もう片方の手を胸の高さに持ち上げると、同じように機械腕が現れる。
出鶴レイ:「ハ。……また会おう」
出鶴レイ:「そっちにも」客席の側を見る。「私に用がある奴がまだいるみたいだしな」
眩星かんな:いつの間にやら舞台傍まで駆けつけて立っている。笑顔で手振り。
鷹条アカツキ:鋭い警戒の眼差しを向けながら、オークション部員と先生の傍に控えている。
出鶴レイ:小さく笑声を零し、再び風を巻いて消え去る。
GM:……会場に静寂が戻る。いつの間にやら、来客もほとんど既に逃げ果せている。
GM:残っているのは君たちとオークション部員だけだ。
鷹条アカツキ:「抜き身の刃みてーな奴…これだから崑崙山は厄介なんだ」
眩星かんな:「やぁやぁ。厄介なのに目を付けられてしまったねぇ。ええっと、アイシャちゃんだったかい?」
眩星かんな:よいしょっと壇上に登りながら。
アイシャ・T・ローズ:「はい。そちらは星室庁の眩星かんな先生でいらっしゃいますね」
十掬キョウ:「……行っちゃった」突き落とされた部員を抱え起こしている。
眩星かんな:「おや、私の事をご存じかい?私も有名人になったものだね」
六条クウリ:「はぁ~。カカオ……」溜息をついている。
アイシャ・T・ローズ:「不躾ながら、先程調べた次第です」と礼する。
眩星かんな:「なるほど。確かに得意そうだ」
眩星かんな:「彼女……出鶴レイちゃんはちょっと崑崙を拗らせちゃったみたいでね」
アイシャ・T・ローズ:「崑崙を拗らせる……」
眩星かんな:「チョコを求める生徒全員からチョコを奪えば最強だと信じてるらしい」
十掬キョウ:「それは……」
十掬キョウ:「辻斬りって言うんじゃないの?」
眩星かんな:「そうだね」
鷹条アカツキ:「だから追ってたところでね」
眩星かんな:「本人的には、辻斬りに対抗できないのは弱い証らしいけど……」
十掬キョウ:「あ、なるほど」ぽんと手を打つ。「それが星室庁のお仕事なんだね」
アイシャ・T・ローズ:「崑崙をこじ……あ、はい。そちらはKMPの方ですね」
眩星かんな:「で、アイシャちゃんは彼女からカカオ半分を守り切った強者認定されてるだろうから」
鷹条アカツキ:「おう、正解。本当に頭の回転早いんだな」
眩星かんな:「近い内にまた現れるだろうね。カカオを奪いに」
鷹条アカツキ:「さっきは惜しかったね、鷹城アカツキだ」フードを外すと犬耳がぱたぱたと動く。
十掬キョウ:「じゃあ……あれが“パティシエの腕を狩る怪人”なの?」
アイシャ・T・ローズ:「恐れ入ります」と、先程したように自己紹介を返す。
十掬キョウ:「さっき先生がそういう話してたの聞こえちゃったんだ」
眩星かんな:「耳が良いね。でも、"今の所"は同一人物ではなさそうかな」
眩星かんな:「チョコは奪っても腕を奪ってるわけじゃないからね」
アイシャ・T・ローズ:「怪人……バレンタインには怪人も出没するのですか?」
鷹条アカツキ:「…パティシエはわざわざ力比べするような人種じゃないからな」
六条クウリ:「拗らせた崑崙生と怪人が別個にいるわけ……? ですか?」うげーという顔。
十掬キョウ:「ふんふん」
アイシャ・T・ローズ:「ハロウィンとはいささか趣が異なるようですが」
十掬キョウ:「バレンタインには出没しなくてもノヴァリスにはするもんね」
鷹条アカツキ:「ショコラショコランの友達が実際にやられてな、それ以来腕が治らないんだ」
十掬キョウ:「時期じゃなくて場所の問題だよきっと」
鷹条アカツキ:「そっちも含めて追っかけてたら、この騒動ってわけ」
十掬キョウ:「わ、それは大変!」
アイシャ・T・ローズ:「ショコラショコランの……そうでしたか」と頷く。ローズランドにとっても他人事ではない。
六条クウリ:「大変ですなあ」他人事。「先生もKMPも」
アイシャ・T・ローズ:「ところで……」
アイシャ・T・ローズ:「そちらのお二人は……? 入札されていた方ですよね?」
十掬キョウ:「あっうん。そのね」クウリをちらっと見て。
十掬キョウ:「僕がチョコ作りたくって。友達に手伝って貰ってなんとか手に入らないかな~って思ったんだけど」
十掬キョウ:「全然ダメだったね」
六条クウリ:(キョウちゃん……)
鷹条アカツキ:「そのためにわざわざ闇オークションまで?」
鷹条アカツキ:「本当フットワーク軽いのね君」
十掬キョウ:「だって全然手に入らなくってさ~」
六条クウリ:「普通に探してもマジでないんだよ」頷く。
鷹条アカツキ:「あ~…それは本当にな…」
眩星かんな:「ふむ……どうしよっかな」少しばかり思索して。
アイシャ・T・ローズ:「当機も概ね同じ理由です。しかし……」
アイシャ・T・ローズ:手に残った神秘のカカオの片割れを見つめる。測定終了。
鷹条アカツキ:「アイシャもそれっきりでチョコ作りって訳にもいかんよな」
アイシャ・T・ローズ:「はい。この分量から十分な原材料カカオマスを得ることは難しいと判断します」
鷹条アカツキ:「最悪調理中にあいつが襲って来ちゃうし」
眩星かんな:「そうなんだ。じゃあ、私達と来るかい?」
十掬キョウ:「先生たちと?」
六条クウリ:「えっ?」
アイシャ・T・ローズ:「?」
眩星かんな:「アカツキちゃんの言う通り、このまま出鶴レイを放っておいたらまた襲い掛かってくるかもしれないし」
眩星かんな:「壇上での立ち回りを見ていた。君の剛腕で、是非とも出鶴レイの更生に協力してくれないかなって」
眩星かんな:「片付いた時点でカカオが無事だったら持ち帰って貰って構わない。どうだい?」
六条クウリ:「あ、あ~……あの子が沢山溜め込んでるだろうからってことか」
鷹条アカツキ:「狩り残しがどうこう…だったか。ちょっと気になるよな」
十掬キョウ:「つまり……」
十掬キョウ:「先生たちを手伝えば、僕たちもチョコが手に入るかもってこと?」
六条クウリ:「えっ??」
眩星かんな:「うん?ああ、そうか。なるほどね」
鷹条アカツキ:その辺は売り主に聞くとして、と闇オークション部員を見下ろしながら首肯。
眩星かんな:「“パティシエの腕を狩る怪人”の方も、既製品のチョコ流通に大きくデバフ掛けてそうだし」
眩星かんな:「崑崙を相手にするならもう少し協力者が欲しい。君達二人が付いてきてくれると嬉しいなぁ」
眩星かんな:「盗品のチョコをそのまま渡す……というのは難しいかもしれないけれど」
眩星かんな:「協力してくれた分は、先生のコネを使ってチョコを融通できる様努めよう」
十掬キョウ:「本当!?」
十掬キョウ:「じゃあ協力する!」
六条クウリ:「ええっ!?」
十掬キョウ:「えっダメ?」
六条クウリ:「いやダメっていうか、ちょっとあの、その」たじろぐ。
眩星かんな:「勿論、無理にとは言わないよ。多分、荒事ちっくになるからね……」
六条クウリ:「チョコは欲しいし先生を手伝うのもイヤでは全然ないんだけど、えっと」
アイシャ・T・ローズ:「何か懸念でも?」
十掬キョウ:「……じゃあクウリちゃんはこのまま戻る?」
十掬キョウ:「僕だけ協力って形でも大丈夫だよ」
六条クウリ:「そ、それもなんかヤダ! けど」
六条クウリ:「……本末転倒というか……」小声。
六条クウリ:「そ、それに、それにさ」
鷹条アカツキ:(? 闇オークションまで来てる時点で友達付き合いとしては十分だろうけど…)
六条クウリ:「手伝うったって具体的にどうするの。いつ襲ってくるか分からないあの子を待ち構えて、アイシャちゃんにずっとくっついてガードすんの?」
六条クウリ:「せめてあの子が狙いそうな場所でもわかってるならともかく……」
十掬キョウ:「確かに……」
アイシャ・T・ローズ:「あの……」静かに手を挙げる。
十掬キョウ:「うん?」
眩星かんな:「何かな」
鷹条アカツキ:「鍵かは分からんが糸口くらいなら掴めてると思うけどな」アイシャを見つめる。
鷹条アカツキ:より詳しく言えば、その手のカカオを。
アイシャ・T・ローズ:「はい。まず、当機は先生の提案に賛成します」
アイシャ・T・ローズ:「出鶴レイを止めなければ、いくらチョコレートに手が届いても同じことの繰り返しになるからです」
十掬キョウ:「うんうん」
アイシャ・T・ローズ:「それと、彼女が出没しそうな先が、当機以外に一つ」
六条クウリ:「ほえ」
十掬キョウ:(当機……?)「それって?」
アイシャ・T・ローズ:「──キングダム」
アイシャ・T・ローズ:「そのある場所で、特殊なカカオが手に入るのだそうです」
鷹条アカツキ:「手のそいつの原産地だったり?」
アイシャ・T・ローズ:「そこまでは……」首を振る。
アイシャ・T・ローズ:「ですが、この場所を探り当てたのなら」
アイシャ・T・ローズ:「彼女も同じ情報に辿り着く可能性は高いと考えます」
闇オークション部員:「クックック……」
十掬キョウ:「あっ起きて大丈夫……?」
闇オークション部員:「そう、それはキングダム魔法局が秘密裏に品種改良を進めるルーン・カカオ……その希少な実りのうちの一つ」
闇オークション部員:「……むにゃむにゃ」
闇オークション部員:寝返りを打つ。
十掬キョウ:「よかった。起きてないから大丈夫そうだね」
鷹条アカツキ:「やばそうな情報はちゃんと客に出せよこいつ」
十掬キョウ:上着を脱いで枕にして寝かせてあげる。
鷹条アカツキ:「今は二の次と思ってたけど、ちょっと追及入れさせた方が良いかな…」
眩星かんな:「なるほど。ありがとう、次の出没先が分かっていれば対策も取りやすいだろう」
闇オークション部員:「いいにおい……」満足げに上着を抱く。
眩星かんな:「したらばどこかで作戦会議といこうか。壇上で延々立ち話するのもアレだし」
十掬キョウ:「うんうん……あ、そうだ!」
鷹条アカツキ:「おや、何か名案がおありかな地元民」
アイシャ・T・ローズ:「どうされました?」
十掬キョウ:「名案じゃなくて……自己紹介がまだだったかもって!」
十掬キョウ:「僕は合コン委員会の十掬キョウ!」
十掬キョウ:「こっちが同じくの六条クウリちゃん!」
六条クウリ:「同じくです。よろしく……」
六条クウリ:「よろしく……マジでよろしくお願いするのかあ……」のろのろと頭を下げる。
鷹条アカツキ:「十掬に六条な、よろしくよろしく」
十掬キョウ:「よろしくう~」そう言いながらぎゅっとアカツキちゃんに抱きつく。
アイシャ・T・ローズ:「よろしくお願いしま……スキンシップですね」
鷹条アカツキ:「うわっ力つよ」貧相な体がむぎゅっと吸い込まれる。
眩星かんな:「よろしくねぇ。私は皆ご存じ職員室"星室庁"の先生、眩星かんなだ」
六条クウリ:「ウチら流なのあれが」
十掬キョウ:「よく言われる~」パッと離れて。
十掬キョウ:アイシャちゃんにもぎゅーっと。
アイシャ・T・ローズ:「合コン流なのですね」ぎゅーっとされる。ちょっとみしみし言っているが、涼しい顔だ。
眩星かんな:「(私の知っている合コン委員会の子はだいぶ剛腕なハンマー使いだったけど)」
眩星かんな:「(最近は腕力を鍛えるのが流行ってるのかな?)」
鷹条アカツキ:「パティシエかと思った」良い匂いがしたので
十掬キョウ:「かんな先生もよろしく!」抱きつきに行こうとする。
眩星かんな:「おっと、私にあんまり都合よく接するのはお勧めしないよ」
十掬キョウ:「?」
眩星かんな:「今の諫言が理解できるようになったらまたおいでね」きひひと笑って。
六条クウリ:「オトナだ」
十掬キョウ:「あれがオトナ……」
アイシャ・T・ローズ:「? 接触に何か問題が?」
鷹条アカツキ:「……?」疑問符を浮かべている。先生は大喜びすると思っていた。
鷹条アカツキ:「さっきは気軽に話しかけられたいって言ってた癖に…」
眩星かんな:「うん?」
眩星かんな:「ああ、勿論本気で来るものは拒まないよ。だけど残念なことに私も大人だからねぇ」
十掬キョウ:「オトナって難しいんだな~」
鷹条アカツキ:「なんかズルくない…?」
鷹条アカツキ:「…ま、いいや。幸い目的地ははっきりしてるんだ」
十掬キョウ:「うんうん、ともかく任せてよ!」
十掬キョウ:「これでも腕にはちょっぴり以上に自信があるのです」えへん、と胸を張る。
眩星かんな:「大人の建前ってのは色々と面倒だもんで。……頼もしい、よろしくねキョウちゃん」
アイシャ・T・ローズ:「当機は……お世話になります、と言うべきでしょうか。ともかく、出来得る限り協力いたします」
アイシャ・T・ローズ:「皆様、何卒よろしくお願いします」整った所作で本日何度目かの礼をする。
アイシャ・T・ローズ:……先生に付いて闇オークション会場を後にする間際。
アイシャ・T・ローズ:(スムーズに事が運ぶかと思ったのですが。バレンタインとはやはり一筋縄では行かないキャンペーンなのですね)
アイシャ・T・ローズ:(今日は思いの他、新たな出会いと知見に恵まれました。そのことを喜びましょう)
アイシャ・T・ローズ:『人間』を知りたい。『人間』に近付きたい。原初の欲求とも言うべきレネゲイドビーイングのさがが、この身には刻み込まれている。
アイシャ・T・ローズ:「スキンシップ……いずれ当機も試してみたく思います」
アイシャ・T・ローズ:そう呟く脳裏に、陛下をぎゅーっみしみしとする姿を思い浮かべた。


GM:シーン内での判定の成功により、イベントアイテム【ルーン・カカオ】×2を獲得しました。
GM:シーン終了。ロイス取得のみ可能です。
鷹条アカツキ:先生:眩星かんな/P信頼〇:N不審
十掬キョウ:ロイスは保留しようかな~ この後いくらでもなんとかなるでしょ たぶん
アイシャ・T・ローズ:出鶴レイに 好奇心/●脅威 にて。
眩星かんな:鷹条アカツキ/○信頼/先日の配信で着てた露出過多チャイナ服ってやっぱ趣味なんかなぁ
鷹条アカツキ:こういうところが不審に感じずにはいられない
鷹条アカツキ:任務です
GM:任務なら着てくれるんだなあ
鷹条アカツキ:いやまあ、はい…


【ミドルフェイズ2】

GM:本格的にチョコレート探しが始まります。全員登場を推奨します
鷹条アカツキ:鷹条アカツキの侵蝕率を1d10(→ 6)増加 (44 → 50)
十掬キョウ:十掬キョウの侵蝕率を1d10(→ 8)増加 (47 → 55)
眩星かんな:48+1d10
DoubleCross : (48+1D10) → 48+2[2] → 50

アイシャ・T・ローズ:アイシャ・T・ローズの侵蝕率を1d10(→ 1)増加 (61 → 62)


GM:今回のセッションはミッション制となっております。
GM:シーンごとに一つ遂行するミッションを選び、それをクリアしていくことで、チョコの入手に近付くことができるでしょう。
GM:また、ミッション内で判定を成功させていくことで、イベントアイテムの【ルーン・カカオ】が入手可能です。これは毎シーン終了時に様々なアイテムと交換することができます。
GM:現在のミッション解放状況はこちら。
【ミッション一覧】
★進行中
“パティシエの腕を狩る怪人”の手がかりを集める(0/3)

☆選択可能
巨竜狂乱:ルーン・カカオの農園を救え(0/1)
邪教討滅:神体と生贄のパティシエたちを奪還せよ(0/1)

選択不可
???(0/1)

達成済み
なし
十掬キョウ:邪教なにごと?
GM:君の目で確かめてくれ
鷹条アカツキ:バレンタイン…?
アイシャ・T・ローズ:バレンタインとは……かくも過酷な催しなのですね……
GM:このシーンではルーン・カカオの農園かパティシエたちの救出かどちらかのミッションを選んで遂行することができるわけですね
十掬キョウ:なるほどね
眩星かんな:大体ルールは分かったぜ
GM:というわけで、今回はどちらを選びますか? 話の流れ的にはルーン・カカオの方かな
十掬キョウ:邪教、しるすべなさそう
アイシャ・T・ローズ:カカオ、行っときますか
鷹条アカツキ:ですね
眩星かんな:やっちゃいましょう
GM:承知しました。


GM:アイシャの知る情報を元に、君たちはキングダム定時制の学区内へと赴いた。
GM:魔法局の庭園は、太陽ではなく月の光によって育つ草花で飾られる。学区外の生徒で見た者は少ないが、密かに語られる噂では、歴史を感じさせる装飾彫刻と神秘の植生とが調和した、幻想的な場所であるという。
GM:──しかし今、君たちが実際に目にしたそこは、山火事の後もかくやの荒れ果てた灰と煙の荒野の有様であった。
GM:白亜の石畳は黒焦げて砕け、木々は無残に焼けて倒れ、噴水には泥が溜まって淀んでいる……。
アイシャ・T・ローズ:「これは……まるで火炎放射器で焼き払ったような……」燃え残った樹木を分析しながら。
眩星かんな:「うーん……一歩遅かったかもしれないね」
鷹条アカツキ:「魔法局の連中、また事故起こしたのかね」慣れた様子で裂け目を飛び越える。
十掬キョウ:「ええ~!?何があったの?」
六条クウリ:「戦争か何か……?」
十掬キョウ:「逃げ遅れた人とか居ないかな……大丈夫なのかな」
GM:不意に鳥が羽ばたく音がする。
大嶽ニレ:『お前たち、何者か』
十掬キョウ:「鳥さんが喋った!」
眩星かんな:「おや、ニレちゃんじゃないか」
アイシャ・T・ローズ:「お知り合いですか?」
大嶽ニレ:現れたのは、子供ほどの体高と極彩色の羽を持った怪鳥。
十掬キョウ:「先生って鳥さんと知り合いなの?」
大嶽ニレ:『何用があったにせよ、今この地は……眩星先生?』
眩星かんな:「先日の仕事で縁があってね。とある動物保護の際に大変お世話になった」
十掬キョウ:「保護……ニレちゃんを……?」
十掬キョウ:「放し飼いじゃない……?」
大嶽ニレ:『乃公は獣ではない』憤慨した様子で翼を広げる。
鷹条アカツキ:「使い魔ってやつだな」
十掬キョウ:「使い魔!」
十掬キョウ:「魔法っぽい~」
眩星かんな:「そう、彼女は魔法局の生徒でね。本人は定時制学区内のどこか別の所にいるはずだ」
大嶽ニレ:『然り』
鷹条アカツキ:「ここに居ないのは広域を見張ってるのと、そもそもここが危険だからってとこかな」
十掬キョウ:「へえ~」ぺたぺたと撫でている。
眩星かんな:「だけど、既に焼野原になってしまっているね……一体何があったんだい?」
六条クウリ:「……」それを見てちょっとうずうずとしている。
大嶽ニレ:『……先生にであれば明かしてもいいか』撫でられながら。『実は──』
十掬キョウ:「ふかふかだ~」
大嶽ニレ:『! いかん、全員伏せろ!』
眩星かんな:「えっ」
十掬キョウ:「えっ」ぴゅっと手早く伏せる。
鷹条アカツキ:がばっと先生に飛びついて抱き伏せる。
六条クウリ:「!」頭を押さえて屈む。
眩星かんな:「ぎゃふっ」そのまま顔を地面に叩きつける。
アイシャ・T・ローズ:すっと全員の前に出て片膝をつき、力場を展開する。
GM:直後、君たちの頭上ギリギリを掠め、大きな影が飛び過ぎる。
十掬キョウ:「……今の……?」
GM:一瞬遅れ、突風。
十掬キョウ:「おわっ」
アイシャ・T・ローズ:「当機の後ろにどうぞ」
GM:焦げた木々の破片が舞い上がり、土煙が上がる……のみならず。
マンドラゴラ:「ヒィイイイ!」「キャアアアア!!」
マンドラゴラ:もこもこと辺りの土が盛り上がり、人型の植物が恐慌を来して逃げ惑う。だが──
大嶽ニレ:『よせ……!』
GM:「──グオオオオオオッッ!!」
GM:けたたましい咆哮。次いで上空から炎の柱が落ち、魔法植物たちを瞬時に呑み込む。
GM:離れた君たちにも焦げるような熱風が届く。直に浴びた彼らは跡形もない。
十掬キョウ:「何あれ……?」
アイシャ・T・ローズ:「こちらに退避を!」手をかざし、壁となるように『テオドーラ』の車体を出現させる。
十掬キョウ:「わわっ」
鷹条アカツキ:「うわっ次から次に!」
GM:灰の更地と化したそこへ、四本の脚で地響きを立てて着地したそれは。
“フランソワーズ”:前進を緑色の鱗で覆われた、体高数mの三つ首のドラゴン──否。
“フランソワーズ”:そのような形に刈り込まれた、翠緑の葉を茂らせる灌木だ。
眩星かんな:「……流石、定時制学区ならではのファンタジー魔界生物がお出ましというワケか」
アイシャ・T・ローズ:「巨大怪生物……怪生物……?」
十掬キョウ:「おお~……!オロチじゃん!」
十掬キョウ:「すごいすごい!」
鷹条アカツキ:「あれ、植物か…植物が火を噴いたの!?」
眩星かんな:砂まみれになった眼鏡を拭いながら見上げる。でかすぎんだろ……
大嶽ニレ:『そうだ。フランソワーズという名だ』
十掬キョウ:「発火性の植物はあるからそういうのじゃないかな?ユーカリとか!」
大嶽ニレ:『訳あって機嫌が悪く、このような有様になっている』君たちを物陰に誘導しながら。
鷹条アカツキ:「十掬は博学だねぇ…本来はそのお名前ぐらいお上品な生態だったりするのか」
眩星かんな:「そっか。てっきりまたチョコレート抗争に巻き込まれたのかと思って心配していたよ」
十掬キョウ:「どうしてご機嫌斜めなのかな」
大嶽ニレ:『元々傲慢な性格で、気に入らない花が庭園に植えられれば即座に焼き尽くし、自身の剪定も気に入った庭師にしか決してさせないような奴ではあったのだが』
鷹条アカツキ:「元々じゃん」
十掬キョウ:「ワガママお姫様だねえ」
アイシャ・T・ローズ:「………」
大嶽ニレ:『最近になって、元は一つだった頭を、何者かが三つある形に刈り直したのだ』
十掬キョウ:「それは……」
アイシャ・T・ローズ:「なんと惨い……お察しします」
十掬キョウ:「それは怒るよね……」
眩星かんな:「三頭を持った方がカッコいいからかい?」
鷹条アカツキ:「どういう理屈ですか」
大嶽ニレ:『下手人の意図は知らぬ。確かなのは』
大嶽ニレ:『三つの頭が非常に仲が悪く、延々と繰り広げられる喧嘩の余波で我が魔法局の庭園が荒れ果ててしまったことだけだ』
眩星かんな:「八岐大蛇を始めとして、先人たちは何故か頭を複数持つ怪物が好きだからね……」
十掬キョウ:「切り分けると首同士で喧嘩しちゃうんだ……」
眩星かんな:「さておき、そいつは中々困った事態だね」
アイシャ・T・ローズ:「困りましたね。元々アポイントメントがないとはいえ、これでは奥に進めません」
大嶽ニレ:『困った事態なのだ』頷く。
大嶽ニレ:『故、今は客人を迎える余裕もない』
アイシャ・T・ローズ:「当機の車内に入ったとしても、この高温では蒸し焼きにされてしまいます」
大嶽ニレ:『悪いことは言わぬ。また後日出直せ』
十掬キョウ:「後日じゃダメ!」
大嶽ニレ:『何?』
十掬キョウ:「間に合わせないといけないんだ」
十掬キョウ:「時期がずれたらバレンタインじゃなくなっちゃうよ~!」
眩星かんな:「……経緯としては、私達はルーン・カカオと呼ばれる特殊なチョコの原材料があると聞いてココに来たんだ」
眩星かんな:「崑崙を拗らせてチョコを狙う生徒が襲い掛かってきそうだから待ち伏せするために、あるいはそもそも論でこの子達がチョコレートを確保するためにね」
アイシャ・T・ローズ:「はい。他に当てもなく……どうしても、こちらのカカオが必要なのです」
十掬キョウ:「そういうこと。出直せ~ってニレちゃんが言うのは、フランソワーズちゃんが喧嘩してるからだよね?」
十掬キョウ:「じゃあ喧嘩が収まったら、出直さなくっても良くなる?」
鷹条アカツキ:「学校での問題解決は職員室の仕事でもある、利害が噛み合ってるわけだな」
大嶽ニレ:『ふむ』
大嶽ニレ:『道理ではある。手を貸すと?』
十掬キョウ:「うん!みんなも大丈夫?」
アイシャ・T・ローズ:「当機に異存はありません」
六条クウリ:「キョウちゃん……」ぐっと拳を握る。「そりゃ。アタシも当然」
鷹条アカツキ:「姉妹でいがみ合いってのも見てられないしな」
眩星かんな:「皆が乗り気なら応援しよう。こう見えて、私も怪物退治の応援は実績があるしね」アップルシード校『最強』の小麦粉、超麦凶竜デュラム・セモリナ。
アイシャ・T・ローズ:「そうなると、三つ首の仲裁に入ることになりますね」
鷹条アカツキ:「苦労するんだよな、頭が分かれると…」
アイシャ・T・ローズ:「あるいは……刈り直す、でしょうか。対処の方針は?」
十掬キョウ:「大丈夫!この子には首いっぱいの大蛇退治の実績あるよ!」
六条クウリ:(首わかれた経験あるの……?)物理的な想像をしている。
十掬キョウ:「首同士が喧嘩するなら……3匹に刈り直しちゃえばいいんじゃないかな?」
眩星かんな:「穏便に済ませようと見せかけて、中々に豪気な提案するね」
十掬キョウ:「だって首みんながそれぞれ意思あるなら斬っちゃうわけにも行かないじゃない」
十掬キョウ:「分かれたものを一個に戻すのもムリじゃない……?」
鷹条アカツキ:「なるほど、剪定した形に沿うように変質するってのは見ての通りだもんな」
大嶽ニレ:『いや、それをすると自由な体を得た三頭が諍いを継続しかねない』
十掬キョウ:「たしかに……」
大嶽ニレ:『我々としては、頭を元通り一本に刈り直す方針で対策を考えている』
十掬キョウ:「できるの?」
大嶽ニレ:頷く。『先生たちの力が借りられるのならば願ってもない。すぐにも作戦を実行に移せるだろう』
十掬キョウ:頭に浮かんでいた命名案を振り払う。フランちゃんとソワーちゃんとズちゃんにしようと思っていた。
大嶽ニレ:『お前たちに頼みたいことは四つ』
十掬キョウ:「首より多い」
鷹条アカツキ:「頭数よりは少ないか」
大嶽ニレ:『まずは奴への抑えとなる機械人形、剪定の処女たちの修復。フランソワーズに対する囮。並行して、この機に奴に阿ろうとしている邪魔な植物たちの排除』
鷹条アカツキ:「植物の社会性高いなおい」
十掬キョウ:「ふんふん。もう一つは?」指折り数えて。
大嶽ニレ:『最後は、奴を担当していた庭師の説得だ』
大嶽ニレ:『あの姿になって以来寄せ付けてもらえず、すっかり自信を失くしているのだが……そうだとしても、彼女以外に適任はいない』
大嶽ニレ:『発破をかけてやってほしい。元通りの形に整えるように』
十掬キョウ:「ふんふんふん。あい分かったよ~」
アイシャ・T・ローズ:「確かに……見ず知らずの者に二度も刈られては、収まるものも収まりませんね」
アイシャ・T・ローズ:「説得はともかく……幸い、当機が得意とする分野もあります」
十掬キョウ:「フランソワーズちゃん慰撫慰撫作戦、がんばろうね!」
アイシャ・T・ローズ:「はい、やりましょう」と両手をぎゅっと握る。
GM:判定を提示します。
【巨竜狂乱:ルーン・カカオの農園を救え】
・剪定の処女の修復 〈知識:機械工学〉または〈芸術:彫刻〉 目標値10/20/30
・従属する植物の排除 任意の攻撃 目標値20/30/40
・庭師の説得 〈交渉〉 目標値10/20/30
・フランソワーズの攻撃を凌ぐ 〈回避〉 目標値10/20/30
 またはガード値+装甲値+ダメージ軽減値の合計が40/50/60
GM:目標値がそれぞれ三段階ありますが、最低のものに届けばクリア扱いにはなります。全項目をクリアすることでミッションクリアです。
十掬キョウ:ふんふん
GM:また、より高い達成値でクリアすることで、ルーン・カカオの獲得数が増えます。
アイシャ・T・ローズ:エフェクトの使用は可能でしょうか?
GM:具体的には判定項目ひとつにつき、最低ラインでのクリアで1個。一つ上の目標値に届かせることで2個。最も高い目標値以上にすることで3個です。
GM:エフェクトは使用可!
アイシャ・T・ローズ:ウォォーッ
GM:加えて、NPC効果が使用可能です。
・NPC効果
【六条クウリ】(★☆☆)
★☆☆:任意の対象が判定を行う直前に使用を宣言する。その判定のダイスを+5個する。ラウンド1回。
★★☆:六条クウリ(強化用)1個取得で解放
★★★:六条クウリ(強化用)2個取得で解放
十掬キョウ:やった~
GM:インフォメーションは以上!方針が定まったら判定を行ってください。
GM:ご質問等あれば随時受け付けます
十掬キョウ:先生の可能コマンドとしての説得を用いた場合
十掬キョウ:・庭師の説得を攻略することは可能ですか?
GM:あ~
GM:できてよさそうですが……そうですね
GM:先生が行う場合、任意のメジャーアクションで説得が可能ですが、エフェクトと組み合わせても自動成功にはならないものとします。
十掬キョウ:なるほど
鷹条アカツキ:2個目の判定、任意の攻撃ってあるのは攻撃系技能ということですか?
鷹条アカツキ:それとも判定が攻撃扱いになるので必中の弓の効果とかが載ったりするってことでしょうか?
GM:命中達成値を参照するものとします。必中の弓の効果も有効です。
鷹条アカツキ:ありがとう~
鷹条アカツキ:相談タイムは終わりでよさげだね
十掬キョウ:がんばるぞ~
十掬キョウ:上から順にやるかんじがいいのかな
GM:その辺りはおまかせ
十掬キョウ:じゃあやっちゃお!
十掬キョウ:・剪定の処女の修復 〈知識:機械工学〉または〈芸術:彫刻〉 目標値10/20/30
鷹条アカツキ:ファイト~
アイシャ・T・ローズ:がんばれがんばれ!
十掬キョウ:僕がこれに挑戦するね!
眩星かんな:がんばえ~
十掬キョウ:〈芸術:彫刻〉を選択。《コンセントレイト:ハヌマーン》《電光石火》を使用し……
十掬キョウ:クウリちゃんのNPC効果を貰いたいです!
六条クウリ:オッケー!
六条クウリ:援護効果のある……風……的なものを起こすよ。ダイスを+5個してね
十掬キョウ:やった~ ハヌマーンみたいになります
十掬キョウ:さらにユニークアイテム『進化の兆し』の通常効果の使用を宣言します。
十掬キョウ:シナリオ中の【肉体】を+3。判定は感覚だけど……
十掬キョウ:侵蝕率がちょっと上がるみたいです。上げます
GM:ダイスボーナス目当てというわけね
十掬キョウ:十掬キョウの侵蝕率を30(→ 30)増加 (55 → 85)
十掬キョウ:ちょっと上がりました
GM:めっちゃ上がってる
十掬キョウ:ダイスボーナス2個!判定するよ~
十掬キョウ:9dx7>=10
DoubleCross : (9DX7>=10) → 10[3,5,5,7,7,9,9,9,9]+10[2,2,4,5,6,9]+10[9]+10[10]+6[6] → 46 → 成功

十掬キョウ:やった~!
GM:最高ランク突破!おみごと
十掬キョウ:十掬キョウの侵蝕率を5(→ 5)増加 (85 → 90)
アイシャ・T・ローズ:大成功だ!
十掬キョウ:十掬キョウのHPを1d10(→ 5)減少 (45 → 40)
眩星かんな:やりおる
鷹条アカツキ:HPたかっ
GM:演出は一括でやろうと思うので他の判定もどうぞ
鷹条アカツキ:では行きます二の矢、続くぜハイスコア
鷹条アカツキ:従属する植物の排除 任意の攻撃 目標値20/30/40
鷹条アカツキ:《コンセントレイト:エグザイル》《オールレンジ》必中の弓で射撃攻撃
鷹条アカツキ:8dx7+14
DoubleCross : (8DX7+14) → 10[1,2,3,5,5,6,7,8]+10[6,7]+10[9]+1[1]+14 → 45

鷹条アカツキ:40オーバー!やったね
十掬キョウ:ひゅう!
鷹条アカツキ:鷹条アカツキの侵蝕率を4(→ 4)増加 (50 → 54)
アイシャ・T・ローズ:お見事!
GM:必中ヤバ
眩星かんな:流石~
GM:故郷の畑を守るために張り切っているのか
弧月のレラプス:(元気に野を駆けまわっている)
アイシャ・T・ローズ:お次はかんな先生の説得かしら
十掬キョウ:任意技能で行けるというわけ
眩星かんな:おっと、したらばやってしまおう
眩星かんな:>・庭師の説得 〈交渉〉 目標値10/20/30
眩星かんな:任意技能でよいとのことなので、<情報:ノヴァリス>にコネつけて
眩星かんな:6dx+6>=30
DoubleCross : (6DX10+6>=30) → 10[1,1,6,8,10,10]+9[2,9]+6 → 25 → 失敗

十掬キョウ:志が高い
眩星かんな:財産点入れて良いですか?
鷹条アカツキ:大人のカード!
十掬キョウ:オトナのカードだ!
アイシャ・T・ローズ:これが大人のカードなのですね
GM:ありにしましょう
眩星かんな:やったぜ。したらば5点追加して30にします~
十掬キョウ:やった~
アイシャ・T・ローズ:つよい!
眩星かんな:残16になって以上
GM:財力がすごい
アイシャ・T・ローズ:では
アイシャ・T・ローズ:・フランソワーズの攻撃を凌ぐ を
アイシャ・T・ローズ:>ガード値+装甲値+ダメージ軽減値の合計が40/50/60
アイシャ・T・ローズ:にてチャレンジしましょう。
GM:やってみよ!
アイシャ・T・ローズ:コーリングシステムでヴィークルに乗って装甲値30に。
アイシャ・T・ローズ:そしてSS『重力制御システム作動』《グラビティガード》でガード。
アイシャ・T・ローズ:アイシャ・T・ローズの侵蝕率を3(→ 3)増加 (62 → 65)
アイシャ・T・ローズ:3d10+30>=40
DoubleCross : (3D10+30>=40) → 20[5,10,5]+30 → 50 → 成功

アイシャ・T・ローズ:やりました。
鷹条アカツキ:カチカチ!
十掬キョウ:すごい!
GM:いい出目出しおる
十掬キョウ:全員最大成功だ~!
アイシャ・T・ローズ:素晴らしいチームだすばらしい
GM:アイシャさんのは二段階目成功かな……?
アイシャ・T・ローズ:そのようです。ぴーすぴーす
十掬キョウ:あっそうか 最大60
眩星かんな:気持ちよく最大値にしとく?
十掬キョウ:でもめちゃくちゃいい成績!
十掬キョウ:軽減値だから妖精はできなさそう
アイシャ・T・ローズ:クリティカルのある判定じゃないから妖精はきかないですね~
眩星かんな:そっか 理解
GM:とは言えGMの予想以上の結果
GM:3+3+3+2=11個のルーン・カカオを獲得しました。
十掬キョウ:いっぱいだ~
鷹条アカツキ:ものすごくプラスになるやつだ!
GM:OPで入手した分と合わせて現在所持数は13個になります。


GM:魔法局の生徒と方針を摺り合わせ、君たちは再度フランソワーズの元へと向かった。
GM:竜は現在地上に降り、不機嫌そうに地を踏み鳴らしながら三つの首で噛みつきあっている。だが同じ胴体から生えている関係上、うまく互いを傷付けられず、それが余計に苛立ちの原因となっているようだ。
アイシャ・T・ローズ:「おいたわしい……フランソワーズ様……」
十掬キョウ:「なんとかしてあげたいね」
アイシャ・T・ローズ:「はい……。ですが、お恥ずかしながら当機に出来ることは限られておりますので」
アイシャ・T・ローズ:「皆様、後のことはお願いします」ぺこりと頭を下げる。
アイシャ・T・ローズ:頭を上げながら跳躍。出しっぱなしにしていた『テオドーラ』の車上に着地して。
アイシャ・T・ローズ:「『テオドーラ』、エンゲージ。走破モードを不整地に再設定」
アイシャ・T・ローズ:「重力制御グラビコンシステム作動。……行きます!」
アイシャ・T・ローズ:ドルンとエンジンが回り始め、ヘッドライトが竜の姿を照らし出すと同時、
アイシャ・T・ローズ:アクセル。急加速でフランソワーズに向かって距離を詰める。
“フランソワーズ”:「グル……?」怪訝そうに頭を擡げ、自身に向かってくるものを視界に認める。
“フランソワーズ”:「──グオオオオッ!!」咆哮。外敵を前に対立を一時やめ、三つの頭から高熱の炎を吐きかける。
アイシャ・T・ローズ:あわや、突っ込んで丸焼きか。
アイシャ・T・ローズ:──そうはならなかった。
アイシャ・T・ローズ:車体を覆った力場……重力場・・・が炎を遮る。熱そのものも、短時間であれば装甲が遮断する。
十掬キョウ:「アイシャちゃん……!」
アイシャ・T・ローズ:烈火を凌ぎ、フランソワーズの傍らを通り過ぎてターン。
アイシャ・T・ローズ:「当機はこちらです。今少し、お付き合いを」
アイシャ・T・ローズ:ヘッドライトの明滅で合図を送る。
六条クウリ:「うおお、かっこよ……!」
鷹条アカツキ:「当機に"テオドーラ"…どういう子かなんとなく分かってきたな」
鷹条アカツキ:すちゃ、と犬耳用防音イヤーマフを填めて奮闘を眺める。
眩星かんな:「凄いね。ハチロクもビックリも戦車ドラテクだ」口笛を吹いて。
GM:だがその車体に、低い位置から忍び寄る影がある。
GM:地を這う蔦……魔導地雷の原料としても扱われる、強靭にして残忍なルーン・ヴァインだ。絡み付かれれば戦車とて動きを封じられるであろう。
鷹条アカツキ:今まさに忍び寄る、という瞬間。伸びた蔦が弾け飛ぶ。
鷹条アカツキ:「生憎見慣れてるんだ、お前ら魔法局の性悪トラップはな」
十掬キョウ:「わわ……!今の……」振り向く。
十掬キョウ:「アカツキちゃん!」
アイシャ・T・ローズクラクションパッパー。感謝のサイン。
大嶽ニレ:『性悪……』
鷹条アカツキ:視線の先には背中に機械弩を背負った歯車仕掛けの猟犬と、その後背部にまたがる射手。
鷹条アカツキ:否、歯車内に常に生まれる影に身体を沈み込ませた、人機一体の騎兵が見える。
鷹条アカツキ:「そこら中に埋めまくった魔法地雷に、オレらKMPがどれだけ苦渋を味あわされたと思ってんだ!」
十掬キョウ:「おお~かっこよ……ってそんな事してたの?」
鷹条アカツキ:「戦場を選ばないオレたちだからね、経験は豊富なの」
眩星かんな:「経験に基づいたプロの手並み。流石はキュナリオン最速の部隊長といったところだね」
鷹条アカツキ:「何かしてくる奴はこうして吹っ飛ばすし、機動力もあるからな」
鷹条アカツキ:「余計な事してこないよう威圧してくる、本命は任せたから!」
弧月のレラプス:お前たちが恐れるべきは竜ばかりではないぞと言わんばかりに、足音響かせて駆けまわる。
GM:一方、前線からやや距離を置いた後方。
定時制園芸部員:「よし。いいかな、十掬さん」
十掬キョウ:「うん!何をすればいい?」
定時制園芸部員:横たわった鋼鉄の人形たちを指差す。乙女を模した造形だが、妙に大きな釣鐘型の胴部と、大鋏に置換された両腕が物々しい。
十掬キョウ:「これが“剪定の処女”……?」
定時制園芸部員:「うん。この子たちが庭園の警備と保守を担当しててね」
定時制園芸部員:「フランソワーズには敵わなかったんだけど……アイシャさんが抑えてくれてる今なら、直せば押さえ込む役には立つと思う」
定時制園芸部員:「で、腹部の殺……収納スペースの方は修理が終わってるから」
定時制園芸部員:「あと残ってるのは、顔」
十掬キョウ:「今物騒な単語を引っ込めたのは聞かなかったことにするよ僕」
定時制園芸部員:「やっぱり乙女だから見た目が気になるみたいなんだよね」
十掬キョウ:「うんうん。それはそうだね。それで?」
定時制園芸部員:爪痕や焦げ跡の痛々しい頭部を示して。「ここを綺麗に直してくれたら、またやる気になってくれると思うんだけど……できるかな?」
十掬キョウ:「つまり……お化粧させればいいってことだね!」
定時制園芸部員:「そういうこと!」
十掬キョウ:「任せて!僕がどれだけ実験台になってると思うんだ」
定時制園芸部員:「実験台……?」
十掬キョウ:「何でもないない。ちょっと待っててね」
十掬キョウ:す、と自らの胸に手を当てて。息を吸って。
十掬キョウ:「……うん、これは君の番じゃないね、トツカ。まだおやすみ」
十掬キョウ:「此世の罪を取り除く神の仔𦍌よAgnus Dei, qui tollis peccata mundi: 彼等に安息を御与え下さいdona eis requiem.
十掬キョウ:「此世の罪を取り除く神の仔𦍌よAgnus Dei, qui tollis peccata mundi: 彼等に安息を御与え下さいdona eis requiem.
十掬キョウ:「此世の罪を取り除く神の仔𦍌よAgnus Dei, qui tollis peccata mundi: 彼等に永久の安息を御与え下さいdona eis requiem sempiternam.
十掬キョウ:「ふうう……!」口から蒸気がもうもうと立ち上り、赤い瞳がより爛々と輝く。
十掬キョウ:「冴えてきた!行くよ!」
十掬キョウ:「クウリも手伝って!」
定時制園芸部員:「うおお、なんか凄そう!」
六条クウリ:「うっす!」
十掬キョウ:手際の良い応急処置のように、ぱぱぱっと修復を始める。
十掬キョウ:痛々しい傷跡は叩いて磨いてトントントン。
十掬キョウ:ひび割れも色あせも白くムラなくぬりぬりぬり。
十掬キョウ:最後にぎゅーっと抱きついて。「うん、君はバッチリ美人さんだ!」
十掬キョウ:「僕が保証する!行っておいで!」
六条クウリ:がらん、がらん、と大鐘を鳴らす。長柄の先に据えられたそれは、カタコンベへの侵入者を叩き潰す武器にして、賦活の音色を奏でる楽器だ。
GM:化粧で命を吹き込まれ、鐘の音に目覚め、鋼鉄の人形たちが立ち上がる。ギリギリと音を立て、基部の車輪が回転を始め──
GM:転瞬、一斉に竜へと突撃する。焼けた大地に轍を刻み、勇ましく鋏を打ち鳴らしながら。
十掬キョウ:「うんうん、女の子は元気いっぱいのがいい!」
“フランソワーズ”:「グウウウウ……!」
十掬キョウ:遠く説得に向かったかんな先生にピースを突き出す。こっちは大丈夫!
“フランソワーズ”:アイシャに気を取られる隙に背後から纏わりつかれ、苛立たし気に尾を振るう。一撃を受けた個体は跳ね飛ばされるものの、次々に飛びついて動きを封じ込める。
眩星かんな:「大した女子力だ。私なんかじゃ天地がひっくり返っても真似できないねありゃ」親指を立てて返事。
眩星かんな:「……さて、三人とも自分に出来る仕事を最大限こなせている。私も頑張らないとね」
疋田メル:「あ、あの……」
疋田メル:小柄な生徒が君に声を掛けてくる。
眩星かんな:「おや?君は……」
疋田メル:「あなたが先生ですか……? 呼ばれてるって言われたんですけど……大嶽さんから」
疋田メル:「あ、わたし、メルです。疋田メル……」
疋田メル:「フランソワーズちゃんの剪定をやって……ました」
眩星かんな:「そっか、わざわざ来てくれたんだね。ありがとう」
疋田メル:気まずげな様子を見せる。柔らかそうな犬耳も、ぺたりと半ばから畳まれている。
眩星かんな:「私は職員室"星室庁"の先生、眩星かんなだ。早速だけど頼みたい事があってね」
疋田メル:「……」
眩星かんな:「フランソワーズ……ちゃんかい?彼女……いや、彼?彼ら?が三頭を持たされて大変困っている様だ」
眩星かんな:「君にその気があれば、元の状態に修復してあげてほしいんだけれども……」
疋田メル:「で、でも、近寄ると火を吐かれるし、噛まれそうになるし……」
疋田メル:「きっともう、わたしより、あの人の方が自分を手入れするのに相応しいって思ってるんです」
眩星かんな:「ふむ」
疋田メル:「元々、わたしなんかがお世話させてもらってたのだって、変って言うか……きっと気まぐれで……」
眩星かんな:「そっか、そっか。うーん、だいぶ思い詰めてしまっているねぇ」唇に指を当てて、思索する様に。
眩星かんな:「仮に"あの人"の方が剪定に向いているとすれば、どうしてフランソワーズちゃんはあんなに暴走してしまっているんだい?」
疋田メル:「そ、それは」
眩星かんな:「今の状況が気に入らないから。だと、私は思ってる」
眩星かんな:「現状、ウチの生徒が3人がかりで足止めしているけれど。応急処置にしかなっていない、時間が立てば突破されるだろう」
眩星かんな:「それに、実際に彼女の口から"君に剪定されたくない"と拒絶されたわけじゃないはずだ」
疋田メル:「……そう、ですけど」
眩星かんな:「私は兄弟がいなかったからあんまり気持ちは分からないけど、兄弟喧嘩ってのは一度火が着いたら手が付けられないらしいよ」
眩星かんな:「三頭それぞれ、相当気が立っている。だけど、自身達だけではどうしようもないからああやって暴れてストレスに抗ってる」
眩星かんな:「なかなか可愛げがあるじゃないか」
眩星かんな:「……君は、フランソワーズちゃんのことをどう思ってる?」
疋田メル:「だ、大事です」顔を上げる。「強いし、かっこいいし……刈り込みを担当させてもらって、誇らしかったです」
眩星かんな:「そっか。それなら、また君の手でカッコよく剪定してあげてもいいんじゃないかな」
眩星かんな:「フランソワーズちゃんからしっかりと拒絶されたなら、それまでかもしれない」
眩星かんな:「だけど、試さずに引くという選択だけはきっと後悔する」
疋田メル:「……」
眩星かんな:「傍から見て、そして君の言葉を聞く限りでは。決して失敗するような道ではないと思うけどね。個人の感想」
疋田メル:「お、応援してくれますか? 先生」
疋田メル:「わたしに……できるって、思わせてほしい……んですけど……」
眩星かんな:「……確かに応援は得意だが、君の意志を変えるほどのことはできないし。したくもない」
眩星かんな:「やりたくないことはやらなくていい」
眩星かんな:「だけど、君が志す道がどの様なものであれ。私に出来る限りの応援を約束しよう」そっと、彼女の両手を包むように握って。
眩星かんな:「"お願い"だ。フランソワーズちゃんと、もう一度だけ向き合ってあげてはくれないか」
疋田メル:「……!」ぴん、と耳と尻尾が立つ。「わたしが……先生の、お願いを……」
疋田メル:「わ、わかりました。行ってきます!」
眩星かんな:「良い返事だ。行っておいで」にかっ、と明るい笑顔で。
疋田メル:強張りながらも笑い返し、駆け出す。
疋田メル:身の丈ほどもある大きな鋏を、懐からずらりと引き抜き、不変の月光に煌かせて。
疋田メル:「……てやぁ~~~っ!!」
疋田メル:跳躍。荒ぶる竜の首元へ飛び込み、銀光はVの字の軌跡を刻んだ。
GM:一瞬の静寂。椿の花のようにぽとりと、呆気なく右と左の首が落ちて──
“フランソワーズ”:「──グルルルルル!」
“フランソワーズ”:それらが土に着くよりも早く、残った中央の頭が食らい付いて呑み込む。
“フランソワーズ”:「グオオオオオオオオ!!」
定時制園芸部員:「け」
十掬キョウ:「そういう仕組みなの……!?」
定時制園芸部員:「決着だーっ!」
十掬キョウ:「切っちゃってよかったんだ……」
眩星かんな:「えっ。あ、そういう感じなんだ……」
大嶽ニレ:『ふう……一時はどうなることかと思った』
大嶽ニレ:『先生たちのおかげだ。感謝する』
眩星かんな:「……ともあれ、快刀乱麻には違いない。かっくいーぜぇ」きひひ、と軽快に笑みをこぼして。
十掬キョウ:「決着したなら良しだね!」
アイシャ・T・ローズ:「皆様、お疲れ様です」ブロロロ……とエンジン音が近付いてくる。
六条クウリ:「まあ……当人たちが納得してるなら……?」
眩星かんな:「ああ、皆もお疲れ様。よく頑張ってくれたね」
鷹条アカツキ:「まあ木の考える事はわかんねぇわな…」ガションガションと寄ってくる。
疋田メル:「先生……! ありがとうございました」目に涙を浮かべて戻ってくる。
アイシャ・T・ローズ:「これにて一件落着……つまり」
アイシャ・T・ローズ:「『元の鞘に収まった』というものですね」
眩星かんな:「君の凄まじき大鋏捌き、拝見させてもらった。無事に上手く治してあげられたようだね。ありがとう」
疋田メル:「あの人……出鶴さんにも負けない技が振るえたと思います」
十掬キョウ:「出鶴さん……どこかで……?」
アイシャ・T・ローズ:「……今、なんと?」
鷹条アカツキ:「えっ」
眩星かんな:「……おっと。下手人は彼女だったか」
疋田メル:「えっ、はい。ご存知なんですか……?」
疋田メル:「ある日、あ、日って言ってもここでは夜なんですけど」
眩星かんな:「あの風を手繰る剣技ならさもありなんだが……ああ。私達はその子を追っていてね」
疋田メル:「ふらっと現れて、自分の方がうまくやれるから見てろ、って言われて」
疋田メル:「……実際、すごかったです。フランソワーズちゃんが反応するより早く三つ首に……」
鷹条アカツキ:「ほんとなりふり構わない奴なんだな、最強になることに」
眩星かんな:「……当初、私が想定していたよりもずっと子供っぽいね。出鶴ちゃん」
六条クウリ:「え、えっと」
六条クウリ:「カカオの供給源を断ちたかったとか……?」
アイシャ・T・ローズ:「この有様はフランソワーズ様がお暴れになった結果ですから……狙っての所業となれば末恐ろしいことです」
十掬キョウ:「フランソワーズちゃんが強いと思ったのかも」
眩星かんな:「少なくとも、チョコそのものには興味がないんじゃないかな。"最強"を冠するための道具と見做している」
眩星かんな:「フランソワーズちゃんへの暴挙もその一環だろう。満足したかどうかは、彼女のみぞ知る事だが」
鷹条アカツキ:「…自分でも納得いってないんだろ」
鷹条アカツキ:「あちこちであれこれ続けてるのがその証だ」
大嶽ニレ:『話が見えんが、仮にカカオに被害を出したい輩が居たのだとすれば、その狙いはある程度成功しているぞ』
大嶽ニレ:ばさばさと羽ばたいてやって来る。嘴に袋を吊り下げて。
十掬キョウ:「ニレちゃん?」
大嶽ニレ:『約束の報酬だ。残ったものの大部分だ』
大嶽ニレ:『フランソワーズが暴れたおかげでな。植わっていた場所が近かったのだ』
アイシャ・T・ローズ:「こんなに頂いてしまってよろしいのですか?」
十掬キョウ:「わ~!」
眩星かんな:「わぁお。これだけあれば、当分チョコレートには困らなさそうだ」
大嶽ニレ:『念のため言っておくが、他所に植えるなよ。それと』
大嶽ニレ:『乃公が自分で試したわけではないが、調理は非常に難しいそうだ』首を傾げる。『それどころか、生半可な刃物では皮も剥けぬと』
十掬キョウ:「え~!ただでさえカカオの調理なんてわかんないのに……」
大嶽ニレ:『その辺りの当てはあるのか? お前たち』
十掬キョウ:「流石にミルキちゃんでも難しそうだなそうなると……」
アイシャ・T・ローズ:「………」
眩星かんな:「……そもそも、普通のカカオからチョコレートを生成するのが至難だね。私なんか手順すら知らないし」
六条クウリ:「むむ……」
眩星かんな:「一般的な製造工程でよければ専門家に頼ってもいいかもね。ショコラショコラン生とか」
鷹条アカツキ:「どうしてそんなの作っちゃったんだよ…」
アイシャ・T・ローズ:「はい、加工に当たっては菓子匠マイスターを頼るべきでしょう。当機の製菓スキルでは困難です」
アイシャ・T・ローズ:「ですが、そのための道具は普通の物ではいけない、と……」
十掬キョウ:「この子も剥くのには向いてないしなあ」得物の入ったケースを見て。
鷹条アカツキ:「じゃあ調理器具から調達か…」
鷹条アカツキ:「過剰な性能が要るならジェネシスにでも行ってみる?メサイア出発してキングダムと来て丁度いい」
大嶽ニレ:『……ショコラショコランの連中も、今はだいぶおかしな目に遭っているようだが』呟く。
眩星かんな:「……そうだね。"怪人"の方はまだ手付かずになっていたか」
十掬キョウ:「おかしな目って?」
大嶽ニレ:『怪人とやらの件もそうだが……』
大嶽ニレ:『いや……自分で調べてみてくれ』
アイシャ・T・ローズ:「?」
大嶽ニレ:『あまりに馬鹿げた噂なので、正直なところ乃公も信じていないのだ』
十掬キョウ:「先生知ってる?」
眩星かんな:「いや、私は"怪人"と拗らせ最強ちゃんしか把握できてないね」
鷹条アカツキ:「え、何々?まだ頭痛くなりそうな情報隠れてるの?」
眩星かんな:「ただ、ショコランは複数の学校から有志を募って立ち上げた学校だからね。規模に反して結構な頻度で事件や諍いが起こるんだ」
眩星かんな:「言うなれば、菓子作りに特化したノヴァリスの小世界。ついこの前も、ケーキドラゴンだか寿司ドラゴンなる存在が暴れたりしたと聞いたよ」
十掬キョウ:「お菓子じゃないものの話聞こえたけど……」
六条クウリ:「植木ドラゴンとどっちが変なのかな……」
眩星かんな:「……閑話休題。そうだね、ニレちゃんの話もあるし、カカオの加工のこともあるしで」
眩星かんな:「一度ショコランの方に向かってみようか。"怪人"の手掛かりを掴むための情報収集も兼ねてね」
十掬キョウ:「賛成!色々聞いておきたいしね」
鷹条アカツキ:「ん…了解」
アイシャ・T・ローズ:「……はい。頂いたカカオは当機が保管いたします」車内には製菓設備が整っている。保存にも融通がきく。
十掬キョウ:「お~すご!」
十掬キョウ:「カタコンベにも一台欲しいな~これ」
六条クウリ:「ね」
六条クウリ:「活動にもオフにも便利そう」
眩星かんな:「(……ふぅむ。一家に一台便利と聞いて、猫型ロボットを想起してしまった私を許してくれたもえ)」
アイシャ・T・ローズ:「こういったものは使われてこそです。姉妹たちが聞いたら喜んだでしょう」
鷹条アカツキ:「そっか、じゃあたっぷりお世話してもらおうか」すこし穏やかに微笑んで。
十掬キョウ:(姉妹が作ったのかな……?)首を傾げて。
十掬キョウ:「うん、引き続き頑張ろー!」
アイシャ・T・ローズ:「はい。では皆様、当機のシートにお座りください」
アイシャ・T・ローズ:「ショコラショコランまで安全な旅をお約束します」
アイシャ・T・ローズ:頭を下げると、傍らの装甲車のドアがガシャリと開いた。


GM:シーン終了。ロイスと購入……の前に
GM:イベントアイテムの使い道についてお話しておきましょう
鷹条アカツキ:この……ルーン・カカオの正体が!?
十掬キョウ:チョコにするんじゃないんだ
GM:先ほどちらっと触れましたが、ルーン・カカオは毎シーン終了時、特別なアイテムと交換することができます。
眩星かんな:ショップ交換だ
アイシャ・T・ローズ:イベント交換ショップということですね
GM:交換対象はこちら。(あとでメモにも貼ります)
【秘境探索セット】必要カカオ×4
ミッション解放用アイテム。ロープとカラビナ、食料と飲料水、寝袋などの一式。

【六条クウリ(強化用)】必要カカオ×5
六条クウリのNPC効果を強化する。二回まで交換可能。

【焼きマンドラゴラ】必要カカオ×3
こんがり焼けた薬用魔法植物。
いつでも使用できる。使用者の侵蝕率を-[1D3+3]する。ただし、この効果で減少した侵蝕率と同じだけのHPを失う。使い捨て。

【ガイドドローン】必要カカオ×2
ジェネシス製の小型アシスタントロボット。
何らかの判定を行った直後に使用する。その判定の達成値に+2する。一度の判定に3個まで使用可能。使い捨て。

【青き疾風の呪印】必要カカオ×2
硬貨ほどの大きさのタトゥーシール。
このアイテムの所持者となったキャラクターは侵蝕率を+5する。このアイテムは他者への受け渡しはできない。
所持者はセットアッププロセスに宣言することで、そのラウンドの間【行動値】を+5する。この効果は他のアイテムの使用、もしくはエフェクトの行使と同時に発動できる。使い捨て。
GM:以上です。
鷹条アカツキ:マンドラゴラ劇物じゃん
GM:秘境探索セットと六条クウリ以外は、交換可能回数に上限はありません。
眩星かんな:けっこう品揃えが豊富だ
十掬キョウ:全然交換しきれないよ~
十掬キョウ:個人的にはクウリちゃんをMAXにしてみちゃいたい気持ちもありますね
アイシャ・T・ローズ:とりあえず、今交換するならクウリちゃんがいいと思います
鷹条アカツキ:同意のど!
眩星かんな:配布キャラの成長素材は鉄板
十掬キョウ:残り3は一旦保留してもいいかも……?
眩星かんな:ミッション用に残しときますか
アイシャ・T・ローズ:そうですね。使い切らないほうがよい
十掬キョウ:じゃあクウリちゃんを最高の女の子にしちゃおう!
十掬キョウ:最強になって~
六条クウリ:なっちゃお!
GM:では六条クウリ(強化用)が二個交換され、ルーン・カカオ所持数が13→3になります。
GM:NPC効果が強化されました。
【六条クウリ】(★★★)
★☆☆:
任意の対象が判定を行う直前に使用を宣言する。その判定のダイスを+5個する。ラウンド1回。
★★☆:
戦闘中、セットアッププロセスに使用可能。エンゲージひとつを指定し、そこに存在するPC全員を対象とする。
そのラウンドの間、対象全員の攻撃の攻撃力を+15する。ただし、対象はバッドステータスの暴走を受ける。対象はこの効果を拒否可能。
★★★:
任意の対象がエフェクトを使用する直前に宣言する。
そのタイミングで使用されるエフェクト全てのレベルを+1して効果を算出する。この時、レベルの上限を超えてもよい。ただし、エフェクトの使用回数は増加しない。ラウンド1回。
十掬キョウ:つよ~
鷹条アカツキ:すご!
アイシャ・T・ローズ:きょうりょくハヌマーンセットだ……!
GM:通常のロイス取得と調達もどうぞ!
十掬キョウ:ロイスはまだ溜めとこうかな~
眩星かんな:ロイスは保留にしとこ
十掬キョウ:購入はアームドスーツあたり狙おうかな
鷹条アカツキ:ロイホ~
十掬キョウ:3dx+2>=15
DoubleCross : (3DX10+2>=15) → 10[6,8,10]+2[2]+2 → 14 → 失敗

十掬キョウ:財産1点使っちゃおっと
十掬キョウ:十掬キョウの財産点を1(→ 1)減少 (2 → 1)
十掬キョウ:買えました 装備します~
鷹条アカツキ:そんなに欲しいものもないしクリスタルシールドで
鷹条アカツキ:1dx+3>=25
DoubleCross : (1DX10+3>=25) → 6[6]+3 → 9 → 失敗

鷹条アカツキ:以上~
アイシャ・T・ローズ:う~ん……ロイスは……ホ(保留)。お買い物はクリシー。
アイシャ・T・ローズ:PS『ネットワーク接続』《オリジン:サイバー》
アイシャ・T・ローズ:アイシャ・T・ローズの侵蝕率を2(→ 2)増加 (65 → 67)
アイシャ・T・ローズ:達成値+2して、ついでに手配師も生贄に捧げてレッツ判定。
アイシャ・T・ローズ:(3+3+3)dx+6+2>=25
DoubleCross : (9DX10+8>=25) → 9[2,3,3,3,5,5,5,7,9]+8 → 17 → 失敗

アイシャ・T・ローズ:むむむ……ちょっと厳しいですね。今回は失敗しておこう
眩星かんな:じゃあ私もクリシーにしよ
眩星かんな:4dx+4>=25
DoubleCross : (4DX10+4>=25) → 9[4,5,8,9]+4 → 13 → 失敗

眩星かんな:ぐぬぬ、失敗にします。以上


【ミドルフェイズ3】

GM:引き続きミッションを進めるシーンです。全員登場を推奨します。
アイシャ・T・ローズ:アイシャ・T・ローズの侵蝕率を1d10(→ 8)増加 (67 → 75)
眩星かんな:50+1d10
DoubleCross : (50+1D10) → 50+10[10] → 60

鷹条アカツキ:鷹条アカツキの侵蝕率を1d10(→ 10)増加 (54 → 64)
十掬キョウ:十掬キョウの侵蝕率を1d10(→ 1)増加 (90 → 91)


【ミッション一覧】
★進行中
“パティシエの腕を狩る怪人”の手がかりを集める(1/3)

☆選択可能
邪教討滅:神体と生贄のパティシエたちを奪還せよ(0/1)

選択不可
???(0/1)

達成済み
巨竜狂乱:ルーン・カカオの農園を救え(1/1)
GM:【邪教討滅:神体と生贄のパティシエたちを奪還せよ】が自動的に選択されました。


GM:アイシャの装甲車でショコラショコラン学区へと赴いた君たちだが、果たして、そこはゴーストタウンじみて活気がなかった。
GM:パティシエたちの姿がなく、多くの店が臨時休業状態なのだ。蓮刈フエカも店にいない。代わりに、
GM:彼女らの失踪について情報が提供できるという生徒と出会った君たちは、一路、彼女の所属校であるジェネシスへと向かうこととなる。
GM:──ジェネシスインダストリアルアカデミー、会議室。
マルレーネ:「ジェネシスへようこそ。そして初めまして」
マルレーネ:「秘書室のマルレーネ・マルトリッツと申します」紫髪の小柄な少女が頭を下げる。
鷹条アカツキ:「おう、世話になる」
アイシャ・T・ローズ:「ご丁寧にありがとうございます」会釈。
眩星かんな:「こちらこそよろしく。職員室"星室庁"の眩星かんなだ」
マルレーネ:「早速本題に入らせていただきますが……」
マルレーネ:「現在、ノヴァリスのパティシエ──主にショコラショコラン生を標的とした拉致が横行しているのです」
鷹条アカツキ:「──なんだと!?」
アイシャ・T・ローズ:「拉致……ですか? 腕を狩るのではなく?」
十掬キョウ:ふらふらとどこかぼんやりしている様子だったが。「はえ」
十掬キョウ:「大変じゃない」
眩星かんな:「部位だけなら許されるってわけじゃないけどねぇ」
眩星かんな:「再接着も難しいだろうし。いや、頑張ればできるのか……?」自分の腕を眺めながら。
鷹条アカツキ:「そりゃどうして…って、やっぱりチョコ目当てか?」
六条クウリ:「お菓子を作る側の人間を確保しようって?」
マルレーネ:「いえ、それが……そうと言えばそうなのですが……」
十掬キョウ:少し汗ばみ、華のような惹香を漂わせている。「カカオ自体が足りないもんねえ」
十掬キョウ:「ショコラティエだけ確保してもどうにもじゃない?」
マルレーネ:「……。実際に見ていただく方がいいと思います」
マルレーネ:壁側にスクリーンが降りてくる。「潜入させたドローンによる映像があります。ご覧ください」
GM:動画が再生され始める。
GM:まず映ったのは、地下空洞か何かと思しき薄暗い空間。そして赤々と焚かれる大きな篝火と、それを囲んで踊る生徒たち。
十掬キョウ:「カタコンベじゃなさそうだけど……」
GM:彼女らは一様に簡素な衣服を纏い、露出の多い肌には複雑なボディペイントを施して、歌か呪文のようなものを唱えている。
眩星かんな:「随分とエキゾ呪術ちっくな風景だね」
族長めいた生徒:『ドンル・ルエピー・メエル・ルエピー・ベリプフジホエヴァシオルナベン』
部族めいた生徒:『ドンル・ルエピー・メエル・ルエピー・ベリプフジホエヴァシオルナベン……』
鷹条アカツキ:「得体の知れない空気だが、少なくともお菓子を作ろうって風じゃねえな」
GM:異様なのはそれだけではない。
十掬キョウ:「わわ……すごい服……」
GM:輪になって踊る彼女らの横では、金網の足場の上に繋がれ、得体の知れないバーを回させられている生徒たちがいる……大部分がショコラショコラン生の制服を着ている。
GM:バーの回転により、金網の下で煮えたぎるチョコが攪拌され、そこから立ち昇る蒸気が彼女たちを苛んでいる様子だ。
十掬キョウ:「作ってるね。チョコ……」
ショコラショコラン生:『熱いよ~……』『重い……』『甘ったるい…………』
十掬キョウ:「思ったのと違うけど……」
鷹条アカツキ:「作ってるのかよ」
マルレーネ:「このような状況なのです」
十掬キョウ:「この作業させるならショコラン生じゃなくてよくない?」
鷹条アカツキ:「確かにこれは見るのが早いわな」常軌を逸した光景。
眩星かんな:「ガチャの触媒の様なものだろう。気分が大事というか」
十掬キョウ:「あっ……てかそうだよ!ここはどこで彼女たちは何者なの?」
十掬キョウ:「助けなきゃだよ!」
アイシャ・T・ローズ:「人力の大がかりなチョコレート工場というわけではないのですね」
マルレーネ:「分かっていることは……理解できるかどうかはともかく、事実として判明していることは」
マルレーネ:「踊っている彼女らはメサイアの未開部族部員たちで」
マルレーネ:「一方的にチョコレートを消費し虐げる存在であるパティシエを生贄に捧げることで、偉大なるチョコ神の降臨が果たされる、との主張を述べていることです」
眩星かんな:「はえぇ……」
アイシャ・T・ローズ:「未開部族部員……」
十掬キョウ:「うちの学校って未開部族部あるの……?」
アイシャ・T・ローズ:「申し訳ありません。近隣の者ですが、存じません」ぺこり。
マルレーネ:「インストに活動の様子がアップされていますよ」
十掬キョウ:「未開じゃないじゃん」
六条クウリ:「知らないままでいたかった」
眩星かんな:「13世紀初頭の南米では神からの贈り物として、通貨や妙薬に使われたチョコも大出世ってワケだね」
マルレーネ:「あくまで部活ですからね。そういうロールプレイなんでしょう」
鷹条アカツキ:「人を付き合わせるようなもんじゃねーな。さっさと解放しに行くぞ」
マルレーネ:「お待ちください」
十掬キョウ:「うん、お互いの合意がないとこういうのは……うん?」
十掬キョウ:「どったのマルレーネちゃん」
マルレーネ:「我々があなた方を招いたのには訳があります。情報を提供する代わり、力を貸していただきたく」
十掬キョウ:「情報?力?なんだだろう」
GM:スクリーンの映像の、撮影の視点が引いていく。
鷹条アカツキ:「この場所に何かあんのか…?」
GM:篝火の向こう。今まで壁と見えていたものが、実は巨大な立像であったことが分かる。
アイシャ・T・ローズ:「神を祀っているのでしょうか。もしやこれがチョコ神……?」
鷹条アカツキ:「いや、未開部族部なんて妙な連中が作り上げる規模かこれ?」
GM:巨大な……大木ほどにも高い、チョコレートでできたペンギンの像。
GM:可愛らしい造形のはずだが、虚ろな眼差しがどこか不穏なものを感じさせる。
眩星かんな:「目がちょっとばかし不気味なペンギンだね」
鷹条アカツキ:「これは…」
マルレーネ:「どちらもご名答です。彼女らがチョコ神と呼ぶものではありますが、彼女らが作ったものではありません」
マルレーネ:「あれは我がジェネシスの開発部が制作した……権利者に許可を取る前に制作し、あまつさえ盗み出されてしまった……
マルレーネ:「1/1スケール・チョコ暴帝ペンギンです」
十掬キョウ:「1/1スケール・チョコ暴帝ペンギン……?」
眩星かんな:「……ってことは、モデルが存在するのかい?」
マルレーネ:「暴帝ペンギンは、ムセイオンの“マスターカラーズ”の手になる芸術巨人の一体です」
十掬キョウ:「あと権利者に許可を取る前に制作するのは普通に良くないと思うな僕!」
アイシャ・T・ローズ:「流石はジェネシスインダストリアルアカデミー。素晴らしい造形です」
アイシャ・T・ローズ:誇らしげに頷く。こう見えてジェネシス製である。
十掬キョウ:「かわいいけど問題はそこじゃないよ~」
鷹条アカツキ:「許可取る前に作って、外部に流出してしまったと」
眩星かんな:「なるほどね。グレーな雰囲気が見て取れるが、今回はスルーしとこう」
マルレーネ:「先方との手続きが済まない内に制作が開始から完了まで行ってしまって……」
マルレーネ:「権利的に非常に問題があり、かつジェネシスの秘密技術がふんだんに盛り込まれているので現状極めて拙い事態なのです」
眩星かんな:「創作者はそういったことにシビアな感情を持つケースがあるから、次は事前に許可を取ろうね」
鷹条アカツキ:「恥を忍んで痛い腹を曝け出して、困ってる者同士助け合おうってわけね」
アイシャ・T・ローズ:「ご要望は1/1スケール・チョコ暴帝ペンギンの奪還……でよろしいのでしょうか」
マルレーネ:頷く。「私が現地までガイドを努めるので、攫われた者の救出と合わせ、チョコ帝ペンギンを奪還していただきたく」
十掬キョウ:「壊したほうがいいんじゃないの……?」
十掬キョウ:「怒られる前にさ……」
マルレーネ:「解体するとしても当校の管理下でないと……あの」
マルレーネ:「爆発するので。おそらくですが非常に高い確率で」
アイシャ・T・ローズ:「?」
アイシャ・T・ローズ:「チョコレートなのですよね?」
十掬キョウ:「ジェネシスの秘密技術っていつもそうだよね」
眩星かんな:「それも芸術巨人のリスペクトなのかい?」
マルレーネ:「ノーコメントでお願いします」
眩星かんな:「OK。大体ルールは分かった」
眩星かんな:「いいんじゃないかな。ショコラン生の救出に努めれば、おのずとペンギン像も確保できるだろう」
十掬キョウ:「うんうん、実際ガイドはありがたいし……みんなは助けなきゃいけないもんね」
鷹条アカツキ:「助けられた分は助けにならなきゃな、著作権だのなんだのは当人同士の問題だ」
六条クウリ:「利害の一致ってことだねえ」
アイシャ・T・ローズ:「承知しました。では、現地に向かいましょう」
アイシャ・T・ローズ:「………」
アイシャ・T・ローズ:(もしや……)
アイシャ・T・ローズ:(当機も爆発を……?)
アイシャ・T・ローズ:発汗量が増大する。こう見えてジェネシス製である。


GM:判定を提示します。
【邪教討滅:神体と生贄のパティシエたちを奪還せよ】
・未開部族部の注意を引く 任意の〈芸術〉または〈交渉〉 目標値10/20/30
・生贄の檻を破壊する 任意の攻撃 ダメージ50/60/70
・チョコ帝ペンギンの鎮圧 任意の攻撃 目標値20/30/40
・チョコ帝ペンギンの確保 〈運転:彫刻〉または〈回避〉 目標値10/20/30
GM:NPC効果は六条クウリのものが前回同様使用可能です。星3でつよくなっているぞ
十掬キョウ:やった~
眩星かんな:>・未開部族部の注意を引く 任意の〈芸術〉または〈交渉〉 目標値10/20/30
眩星かんな:<交渉>判定に際し、クウリちゃんの☆1の効果を使用します。
GM:1の方かな?ダイス増加ですよねおそらく
眩星かんな:ですね。判定
六条クウリ:はーい ではダイス+5をどうぞ!
眩星かんな:(5+4)dx+1>=10
DoubleCross : (9DX10+1>=10) → 10[1,1,1,3,4,5,8,8,10]+8[8]+1 → 19 → 成功

十掬キョウ:やった~
アイシャ・T・ローズ:おおっ
眩星かんな:一旦10のままでいいかしらね まだ判定控えてそうだし
鷹条アカツキ:みんなも稼いでくるから大丈夫だぜ
眩星かんな:わいわい
十掬キョウ:そうだねえ
アイシャ・T・ローズ:続いては檻の破壊かな
十掬キョウ:じゃあ僕!
十掬キョウ:・生贄の檻を破壊する 任意の攻撃 ダメージ50/60/70
十掬キョウ:クウリちゃんの☆2効果をもらおうかな!
六条クウリ:はいはい!
六条クウリ:鐘をがらんがらん鳴らして攻撃力を+15します。
十掬キョウ:やった~ 演奏効果を得ます
十掬キョウ:《コンセントレイト:ハヌマーン》《鉄風乱舞》。
十掬キョウ:ウェポンケースからトツカを取り出して、命中判定直前にトツカの効果を使用します。攻撃力が+【肉体】。
十掬キョウ:十掬キョウの侵蝕率を2(→ 2)増加 (91 → 93)
十掬キョウ:13DX7-1
DoubleCross : (13DX7-1) → 10[1,3,4,6,6,8,8,8,8,10,10,10,10]+10[2,2,3,4,6,9,10,10]+10[1,7,10]+10[7,8]+6[5,6]-1 → 45

十掬キョウ:ダメージ出します
十掬キョウ:5d10+38+15
DoubleCross : (5D10+38+15) → 39[9,8,10,6,6]+38+15 → 92

十掬キョウ:ダメージダイスたか
GM:つよすぎ
アイシャ・T・ローズ:つよ~い
眩星かんな:流石~
十掬キョウ:十掬キョウの侵蝕率を5(→ 5)増加 (93 → 98)
鷹条アカツキ:わがままボディの破壊力
鷹条アカツキ:じゃあオレは・チョコ帝ペンギンの鎮圧 任意の攻撃 をこなすぜ
鷹条アカツキ:ユウリの効果は使わないぜ…オレだけ一人
十掬キョウ:ワンワン!
弧月のレラプス:ポンと肩に前足を乗せる
鷹条アカツキ:そうか必中の弓の効果の達成値+10…オレは常に二匹だぜ
鷹条アカツキ:《コンセントレイト:エグザイル》《オールレンジ》必中の弓で射撃判定
鷹条アカツキ:9dx7+14
DoubleCross : (9DX7+14) → 10[1,2,3,4,5,6,9,9,9]+10[4,8,9]+10[2,9]+4[4]+14 → 48

鷹条アカツキ:40オーバー!最高難易度達成!
鷹条アカツキ:鷹条アカツキの侵蝕率を4(→ 4)増加 (64 → 68)
GM:SSR遺産が代
アイシャ・T・ローズ:鎮圧はお手の物
十掬キョウ:やった~
眩星かんな:やりおる!
アイシャ・T・ローズ:では、・チョコ帝ペンギンの確保 を
アイシャ・T・ローズ:>〈運転:彫刻〉 目標値10/20/30 にて。
アイシャ・T・ローズ:六条様の☆3効果をお願いします。
六条クウリ:ぶおんぶおん
六条クウリ:このタイミングで使うエフェクトのレベルを+1!
アイシャ・T・ローズ:エンジンが温まります。《コンセントレイト:モルフェウス》Lv2→3、《巨匠の記憶》Lv3→4
アイシャ・T・ローズ:それでは、いざ。
アイシャ・T・ローズ:NS『状況に対処します』《コンセントレイト》《巨匠の記憶》
アイシャ・T・ローズ:(2+3+4)dx7>=10
DoubleCross : (9DX7>=10) → 10[2,3,5,5,7,8,9,10,10]+10[2,3,8,9,9]+10[1,4,9]+10[7]+4[4] → 44 → 成功

アイシャ・T・ローズ:最大達成のようですね。
十掬キョウ:ひゅう!
アイシャ・T・ローズ:アイシャ・T・ローズの侵蝕率を4(→ 4)増加 (75 → 79)
GM:カカオが稼がれまくってる
GM:1+3+3+3で10個のルーン・カカオを獲得しました 10個!?
十掬キョウ:やったやった
GM:現在所持数は再び13です
鷹条アカツキ:大漁大漁
眩星かんな:神イベだ
十掬キョウ:イベント期間おわらないで
十掬キョウ:3月になってもバレンタインやってて欲しい
鷹条アカツキ:バレンタインなんてなんぼあっても良いですからね
アイシャ・T・ローズ:うまい!うまい!
鷹条アカツキ:綺麗にバレンタインの日程でやっている美しさもあり、難しいところ
GM:そうだぜ


GM:マルレーネが操るドローンの案内により、君たちは某所地下、映像で見た儀式の会場へと辿り着いた。
GM:動画では分からなかったが、チョコの蒸気の影響で洞窟内は蒸し暑く、空気が甘ったるくて粘ついている。この状況下での肉体労働で、パティシエたちは疲弊している様子だ。
GM:未開部族部員たちは元気に踊っている。
鷹条アカツキ:「うぇ…口ン中まで甘ったるい…」
鷹条アカツキ:舌をべろんと出して裾をぱたぱたと煽っている。
ショコラショコラン生:「帰りたいよう……」「私たちが何をしたっていうの……?」
眩星かんな:「あの溌剌とした部員達の踊り。いやぁ、宗教の力は凄いね」
十掬キョウ:「あつい~」パタパタとシャツを仰いでいる。
アイシャ・T・ローズ:「高温多湿。これではテンパリングも上手くいかないのではないでしょうか……」
未開部族部員:「チョコレ~チョコレ~チョコチョコレ~~~」
十掬キョウ:揮発した自分の香りか、溶かされるチョコの香りか。入り混ざってわかったものではない。
アイシャ・T・ローズ:「可能ならば、彼らにチョコ神というものについてインタビューしたかったのですが……」
アイシャ・T・ローズ:「その時間はなさそうです。一刻も早く、救出に移りましょう」
眩星かんな:「物事に熱中する姿は確かに見ていて気持ちが良いけれど、今回は人を巻き込んでいるからね」
GM:未開部族部員も生贄側も君たちに気付いていない様子だ。初手は好きに動けるだろう。
眩星かんな:「そうだね。……とりあえず手筈通り、私が彼女達の注意を引こう」
眩星かんな:「その隙に、ショコラン生の救出やペンギン像の運び出しをお願いするよ」
十掬キョウ:「うん、任されたよ!」
アイシャ・T・ローズ:「承知しました。先生もお気をつけて」
六条クウリ:「うす」
眩星かんな:「いい返事だ」小さく頷いて、物陰からどうどうと部族達の前へ歩いていく。
眩星かんな:「……やぁ、君達。本日も精が出るね」世間話のノリで話し掛ける。
未開部族部員:「チョコレ~……?」
未開部族部員:「あ、先生だ」
眩星かんな:「あっ、日本語は通じるんだ。散歩してたら偶々見掛けたんだが、こんな所で一体何をやってるんだい?」
未開部族部員:「部活だよ! チョコ神を降臨させようとしてるの」
未開部族部長:「先生も共に踊られますかな? 衣装はややきついやもしれませぬが」
眩星かんな:「おっと、私はこう見えて100m走22秒の運動オンチでね。あんまり身体を動かすのは得意じゃないんだ」
眩星かんな:「それよりチョコ神というワードが気になるね。最近、チョコ不足でノヴァリスは大変だろう?」
眩星かんな:「解決のために、様々な方策を検討しているんだが……神頼みというのも悪くないかもしれない」
眩星かんな:「色々聞かせて貰えるかい?」屈託のない笑顔で、部族達の輪に入っていく。
未開部族部長:「ほほう。さすが先生は分かっていらっしゃる」
未開部族部長:「これ、ボディペイントの用意を……」
GM:未開部族部たちは先生を囲んで気を取られている。
十掬キョウ:その隙に、闇を抜けるように歩む人影がある。
十掬キョウ:大きなトランクケースから、八つ折りにされた大掛かりな巨大剣を取り出している。
十掬キョウ:「……トツカ、出番だよ~起きて~」声を潜めて。
十掬キョウ:「……トツカ~?」
十掬キョウ:「……」
十掬キョウ:「トツカ~!また寝てるの!? いつもいつも起こす僕の身にもなってよ!」
十掬キョウ:……しばらくの後。
 Administrator おはようございます
十掬キョウ:虚空に無機質な声。
 Totalized Overed Trajectory Unveiling Keen Arms システムへの接続を確認
十掬キョウ:「おっはよ、トツカ! 今日も元気にやってくよ!」
 Launch 起動シーケンスに移行します 周辺状況を確認中......
 Undefined ......不明な状況が確認されました
十掬キョウ:「ねぼすけ~! 見れば分かるでしょ! 今日はこの子たちを助けるために働くの!」
 Error システムに深刻な障害が発生しています 直ちに使用を停止してください
十掬キョウ:「こら!サボるな~!」
十掬キョウ:屈んで刀身に口づける。「も~……!」
 Rog 強制信号を受信 充填率85%......89% セーフモードで起動します
十掬キョウ:刀身にT.O.T.U.K.Aの文字が浮かび上がる。
十掬キョウ:「世話が焼けるなあ~……OK。3,2,1……」
十掬キョウ:「Go!」
十掬キョウ:叫ぶと同時、刀身が翻り、瞬く間に大仰な檻を両断する。
ショコラショコラン生:「……えっ?」捕らえられていた生徒たちが目を瞬かせる。
十掬キョウ:「ふふん。サヨリちゃんほどじゃないけど、僕も結構な出力自慢なのさ!」
十掬キョウ:「みんな~!無事~!?」
ショコラショコラン生:「は、はい。えっと……?」
ショコラショコラン生:「も、もしかして、助けが来た……!?」
十掬キョウ:「そうだよ!」
ショコラショコラン生:「やった! ありがとうございます!」「ようやくこんなバカな場所から抜け出して帰れるのね!」
十掬キョウ:「あっでも気をつけてね!まだ1/1スケール・チョコ暴……」
十掬キョウ:「えふん」守秘義務を思い出した。「チョコ神様に見つからないようにね!」
ショコラショコラン生:「は、はい……? わかりました」君に頭を下げ、次々に檻を抜け出していく。
GM:だがその時、不意に、洞窟が震動した。
十掬キョウ:「おおっと」
チョコ帝ペンギン:「ペェェェェェ……」
チョコ帝ペンギン:天井から砂礫が零れ落ちる中、立像の目がぎろりと動く。
未開部族部長:「ぬっ! ま、まずい!」
未開部族部長:「いつの間にか生贄の苦痛の声が途絶えたことで……チョコ神さまがお怒りじゃ……!」
眩星かんな:「で、中指を下に曲げて薬指を上に反らせるとシングルアクセルソニックへ……おや?」
眩星かんな:あの後、ボディペイントの話から筆を使用したペン回しの講習会に切り替わっていた。
チョコ帝ペンギン:「……ェェェェェェ!」
チョコ帝ペンギン:まさしく怪鳥音。狂った鉱夫が振るうツルハシの如く頭を振り下ろし、人間どもをその嘴にかけんと暴れ出す。
眩星かんな:「わお、動くって話は聞いてなかったんだが……下手に止めようとして爆発されたらことだね」
鷹条アカツキ:「設定邪神じゃねえか…」
未開部族部員:「ワー!」「キャー!」「ヒー!」
アイシャ・T・ローズ:「像がジェネシス製ということであれば、当機の方で制御系を掌握出来るかと」
十掬キョウ:「僕この子たちを避難させてくる!そっちはお願い!」
鷹条アカツキ:「こっからだとフエカは見えんが…ここに居るとも限らないしな」
アイシャ・T・ローズ:「ただ、このままでは接近出来ません」
未開部族部長:「7人のパティシエをチョコ釜に落として捧げねば……世界は滅ぶ……!」ない設定を付加している。
鷹条アカツキ:「先生と十掬が上手くお膳立てしてくれたからな、オレも繋ぐとも」
アイシャ・T・ローズ:「お願いします」ぺこり。
鷹条アカツキ:湿った尻尾をぺしりと振るって、相棒の背に指を添える。
鷹条アカツキ:「デカブツの動きを止めるのは簡単じゃない、爆発物と考えれば猶更な」
鷹条アカツキ:「だが、相手をチョコレートと見るなら話は変わってくる」
鷹条アカツキ:青色のトカゲがデザインされた砲弾を巨大なチョコ像へと向けて射出。
鷹条アカツキ:続けて赤色、それぞれサラマンダーのレネゲイドを自らの力で閉じ込めた特製品。
鷹条アカツキ:着弾すれすれで氷と炎の華を開き、暴帝ペンギン脚部へと大量の水蒸気と化して降りかかる。
鷹条アカツキ:するとたちまち表面がぼろぼろと固まって動きが止まる。カカオバターの油脂と水分が反発し、粘り気を得てしまったのだ。
鷹条アカツキ:「チョコレートの調理中は湿気厳禁、基本だぜ」
チョコ帝ペンギン:「ペ!ペ!ペ!」
チョコ帝ペンギン:短い翼を振り回して足を地面から引き剥がそうとする。
アイシャ・T・ローズ:「お待ちいただきます」と告げる声は足下、もうもうと立ち上る水蒸気の中から。
アイシャ・T・ローズ:間髪入れず、ガンと鈍い金属音。
アイシャ・T・ローズ:……クラシックなメイドが、露出した像の脚部に手を突き立てている。
アイシャ・T・ローズ:「ファイアーウォールを検知。……クリア」
アイシャ・T・ローズ:「侵入成功。制御系を解析し、当機と同期します」
アイシャ・T・ローズ:機械的な瞳を幾筋かの走査線が横切る。
アイシャ・T・ローズ:「自爆装置を検出。解除コードの探査をタスクに追加し、制御系の掌握を進めます」
チョコ帝ペンギン:「ペペペペペペペ」痙攣!
アイシャ・T・ローズ:「あわわわわわ」一緒になって痙攣する。
アイシャ・T・ローズ:「……チョコ神とはどのような神性なのか。製菓に携わる者として興味深く思いましたが」
アイシャ・T・ローズ:「世界を滅ぼす邪神となれば、怪人や崑崙拗らせが跋扈するこのバレンタインに、新たに降ろすわけにはまいりません」
アイシャ・T・ローズ:脳裏にはカカオポリフェノールとテオブロミンを司る神の姿ペンギンがお絵描きAIを通じて描画されている。
アイシャ・T・ローズ:「眠っていただきます。──掌握完了」
アイシャ・T・ローズ:そっと像の脚部から手を離す。
チョコ帝ペンギン:体表に細かな紫電を名残として散らし、沈黙する。
アイシャ・T・ローズ:「ミッションクリア。皆様、お疲れ様でした」
ショコラショコラン生:「あ、あの……」
ショコラショコラン生:騒動を収めた君たちの元へ、囚われていた生徒たちがやってくる。
十掬キョウ:「ん、どしたの?」引き連れて戻ってきながら。
ショコラショコラン生:「助けていただいてありがとうございました……」
十掬キョウ:「うん、ケガとか大丈夫?」
ショコラショコラン生:「怪我は……もうないです」そう言うものの、表情には未だ陰りがある。
眩星かんな:「やぁ、災難だったね。無事に檻から脱出できたようで良かったけれど」
眩星かんな:右手でハーフウィンドミルのコンボトリックを繰り返しながら合流。
十掬キョウ:乱れた髪をくしくし整えてあげている。「先生はそれ何してるの?」
眩星かんな:「ペン回し」筆だが。
十掬キョウ:「なんで……?」
眩星かんな:「学生にとって筆記用具は身近なものだからね。注目を集めるのに便利かなと思って練習したんだ」
ショコラショコラン生:「せっかく助けてもらったのに、お菓子作りにはまだ戻れないなあって」整えられながら。
アイシャ・T・ローズ:「それは材料の問題ですか? それとも」
アイシャ・T・ローズ:「怪人のことですか?」
ショコラショコラン生:頷く。「ダメなんです。あいつに襲われて以来、前みたいにうまく料理ができなくって……」
鷹条アカツキ:「パティシエの腕を狩る怪人……か?」
眩星かんな:「トラウマの一種かな。可哀そうに」
未開部族部員:儀式に使った篝火を消火して会場を掃き掃除している。
ショコラショコラン生:「トラウマとはまた違うかもしれないです。なんでか腕がちゃんと動かなくって」
ショコラショコラン生:「怪我はちゃんと治ってるはずなんですけどね」
十掬キョウ:「腕?」にぎにぎしてみる。「感触はある?」
眩星かんな:「……ふむ」最後に中空へ筆を飛ばしてツイストさせながらキャッチ。
ショコラショコラン生:「はい。感触もあるし、お菓子作り以外ではふつうに使えます」
十掬キョウ:「う~ん……?」
鷹条アカツキ:きょろきょろと彼女たちの顔を見回して、行方不明パティシエのリストと照合している。
眩星かんな:「何かまだ憂いがあるかい?」
鷹条アカツキ:「いや、ここに連れてこられてると思ったんだが……誰か蓮刈フエカを知らないか?」
アイシャ・T・ローズ:「鷹条様のご友人と同じ症状と思われます。……そういえば、こちらにいらっしゃるのでしょうか?」
ショコラショコラン生:「蓮刈フエカって……」仲間たちと顔を見合わせる。「あの?」
十掬キョウ:「料理でだけ使う筋肉があるわけでもないだろうし……」にぎにぎしたまま。「知ってるの?」
ショコラショコラン生たち:「え、いるの?」「顔知ってるけど、見てないよ」「いたら気付くでしょ……さすがに」
鷹条アカツキ:「あれ、あいつそんな有名人なの?」
ショコラショコラン生:「それはもう」引き取って。
ショコラショコラン生:「クープ・デュ・トロワ……三大校杯のチョコレート部門で優勝したこともある人ですよ。わたしたちの学区ではすごく有名です」
眩星かんな:「そりゃ凄い。事実上のノヴァリストップパティシエールじゃないか」
ショコラショコラン生:「なので、ここにはいないはずです」
十掬キョウ:「ほえ~」
十掬キョウ:「アカツキちゃんすごい子とお友達なんだ」
GM:実際、君たちが見回してみてもそれらしい姿は見つからない。
アイシャ・T・ローズ:「なので……ですか」首を傾げる。
鷹条アカツキ:「イメージと全然違うからピンと来ないな、そういうオーラ全然ないし」
ショコラショコラン生:「いたら見逃しませんもの!」怪訝そうなアイシャに対して。
鷹条アカツキ:「……ま、あいつの店に行って寂しく感じたのは今回が初めてだったけど」
十掬キョウ:「でも、ショコラン生全員がここに捕まってたわけでもないんだよね?」
十掬キョウ:「だったら他のところにいるのかも」
六条クウリ:「あの子らみたいなのが別口でいるってのは考えたくないけどねえ……」
アイシャ・T・ローズ:「他にもチョコ神の祭壇が……だとしたら恐ろしいことです」
未開部族部員:綺麗になった会場で集合写真を撮っている。
鷹条アカツキ:「切り替え早っ!」
眩星かんな:「了解した。そもそもとして、私達は件の怪人を捕まえるために行方を追っていてね」
眩星かんな:「他のショコラン生達も並行して探しておこう。代わりにと言っちゃなんだけど」
眩星かんな:「その怪人について色々聞かせて欲しいなって」
ショコラショコラン生:「勿論いいですけど、ほとんど何も分かりませんよ」
鷹条アカツキ:「よく分かんない故の怪人呼称だもんな」
ショコラショコラン生たち:「全身影みたいに真っ黒でー」「家の中にいたら急に襲ってきて腕を爪? で切られたの」「私は外にいる時だった!」「それで一瞬で逃げていくの」
十掬キョウ:未開部族部員からスマホを取り上げている。撮っている子が入れないので。
十掬キョウ:「はいチーズ~」
未開部族部員:「「「ウェーイ!!!」」」
鷹条アカツキ:「あいつ本当順応性高いな」
眩星かんな:「なるほど。中々難儀なことになってきたね」
鷹条アカツキ:「これだけ被害者が集まっても行動原理も正体も謎に包まれたままか……」
十掬キョウ:「このあとどうしようね~?」大声で会話に参加している。
十掬キョウ:「もっと未開探さないのとなのかな~」
アイシャ・T・ローズ:「怪人と同列に置いてよいものか判断しかねますが……」
アイシャ・T・ローズ:「出鶴レイの襲撃に備えること、そしてルーン・カカオを加工する道具を手に入れることも必要です」
鷹条アカツキ:「ったく、フエカの奴はどこ行ったんだか」
鷹条アカツキ:「何か動く気になったんなら、ぼんやり意気消沈してるよりはマシだけどさ」
鷹条アカツキ:「しかし、未開部族部員が動いてるからってもっと未開の地にばっかり何かあるわけでもないだろ」
鷹条アカツキ:「てかこいつらは別に未開じゃないけど……」
未開部族部長:「ふぉっふぉっふぉ。みんなでイオンのフードコート行こ」
未開部族部員:「「「行くー」」」
十掬キョウ:「演劇部だよねこれ」
鷹条アカツキ:「ロールプレイが雑!」
アイシャ・T・ローズ:「メリハリがあるのですね」
眩星かんな:「ああ見えて、外の世界の学生に一番近しい存在かもしれないね」
十掬キョウ:「外の学生ってこんな格好するんだ……」
鷹条アカツキ:「何で集団誘拐と生贄の儀式にだけあんな力入れちゃったんだよ」
鷹条アカツキ:「巨大チョコ像見つけて気合出しちゃった?」
眩星かんな:「何でもいいのさ。有り余る若者の熱量を、仲間と共に一つの目標へぶつけて喜びを分かち合う」
眩星かんな:「例え達成できなくても、培えた友情と経験が将来役に立つ……」
十掬キョウ:「確かに、僕たちもなんか仲良くなれた気がするもんね!」
眩星かんな:「勿論人を困らせるような目標だけは止めた方がいいけどね」
十掬キョウ:「せっかくだし僕たちも写真撮る?」
ショコラショコラン生:(あんなやつらの将来のために経験値になりたくない……)
鷹条アカツキ:「今でいいの?汗とチョコ蒸気でべとべとだけど」
アイシャ・T・ローズ:「せっかくですから、1/1スケール・チョコ暴帝ペンギンをバックに撮るのはいかがでしょう?」
十掬キョウ:「うっそれは確かに……」
十掬キョウ:「あとあれ映しちゃうと色々マズい気がするよ僕」
眩星かんな:「ジェネシスとしては秘匿したい代物なんじゃないかなアレ」
十掬キョウ:「証拠性が出るというか……」
アイシャ・T・ローズ:「……残念です」心なしか肩を落とす。
鷹条アカツキ:(気に入ったのかなあれ……)
六条クウリ:「ま、まあ、無事権利関係がうまくいったら商品化もされるんじゃない?」
六条クウリ:「そしたらなんかお揃いのものとか持とうよ」
十掬キョウ:「お~いいね!」
アイシャ・T・ローズ:「はい。『楽しみ』がひとつ増えました」にこりともしないが、声はどこか嬉しそうだ。
アイシャ・T・ローズ:「それでは……あ」
アイシャ・T・ローズ:「せっかく専門家スペシャリストが大勢いらっしゃるのですから、聞いてみましょう」
アイシャ・T・ローズ:エプロンの下からルーン・カカオの実をひとつ取り出す。
アイシャ・T・ローズ:「これでチョコレートを作りたいのですが、この中に加工できる方はいらっしゃいませんか?」
ショコラショコラン生:「カカオを? まあそれくらいだったらできるかもしれないけど……」
ショコラショコラン生:実を受け取り、懐から果物ナイフを取り出す。「ちょっと試してみるね」
アイシャ・T・ローズ:「お願いします」
十掬キョウ:ドキドキしながら見ている。
ショコラショコラン生:「えいっ」こん。「……? あれ」こん。こん。「硬いな……」がん。「このこの!」がんがん!!
ショコラショコラン生:バキッ!
ショコラショコラン生:「お、折れた……」
ショコラショコラン生:「尋常じゃなく硬いんだけどこのカカオ!?」
鷹条アカツキ:「ええ……」
鷹条アカツキ:「やっぱり料理人とかそういう問題じゃなくない?」
アイシャ・T・ローズ:「生半可な刃物では皮も剥けない、との触れ込みでしたが。ここまでとは……」
十掬キョウ:「わっやっぱダメなんだ」折れた刃先を拾っている。
アイシャ・T・ローズ:「対抗意識を抱いてしまいます」ノヴァリスの巨大怪生物に踏まれても大丈夫、とは『テオドーラ』の触れ込みである。
眩星かんな:「ホントかい?だが、レイちゃんは事も無げに……」
鷹条アカツキ:「こっちは変なスイッチ入ってるし」
アイシャ・T・ローズ:「……はい。彼女は剣でこの実を斬りました・・・・・・・・・・・
ショコラショコラン生:「これはちゃんとした包丁があっても切れるかどうか……剣?」
十掬キョウ:「コツがあるのかな……」
アイシャ・T・ローズ:「こちらです」上半分だけになったルーン・カカオを手渡す。
ショコラショコラン生:「真っ二つだ……」
眩星かんな:「崑崙の出を加味すれば、武術に長けているというのはそう不自然ではないが」
アイシャ・T・ローズ:「あの時は当機の腕ごと・・・でした。刃物自体が極度に強靭でなければ、説明がつかないかと」
ショコラショコラン生たち:「そこまで頑丈? ちょっと貸してよ」ばきっ。「何やってんの。見てて」ばきっ。「情けない。私の出番のようね」ばきっ。
ショコラショコラン生:「……。食材の相手だったら、わたしたちだって負けない自信はあるよ」
十掬キョウ:折れた刃物を拾い集めている。「あ~勿体ない……」
眩星かんな:「後ろの方でみんな負けてないかい?」
鷹条アカツキ:「じゃあこれ……何なの」カカオを指さして
ショコラショコラン生:「だから物が特別なんじゃないかって話! ……です!」
十掬キョウ:「腕なら負けないはずだから、得物がすごいってことだね」
ショコラショコラン生:「そういうこと!」
眩星かんな:「良かった、ルーン・カカオが食材ですらないと啖呵を切られてしまうのかと思ったよ」
六条クウリ:「レイちゃんは崑崙山だったっけ……?」
鷹条アカツキ:「オレはまあまあそこを疑ってるけどね」こんな異常なもの食べていいんだろうか。
十掬キョウ:「どうだろう?色々放浪してるみたいだけど……」
眩星かんな:「そっか。そしたら得物の方から探してみるのも一つの手かもしれないね」
眩星かんな:「崑崙の生徒は皆が一騎当千の武侠だが、その熾烈な酷使に足り得る武具を外注しているという話は聞かない」
十掬キョウ:「自炊してるってこと……?」
眩星かんな:「うーん、刀鍛冶くらいはいるんじゃないかな……」
六条クウリ:「武器って自炊て言うの」
十掬キョウ:「DIY……?」
鷹条アカツキ:「武闘家のみならず刀剣職人の類も深山に隠棲してるってわけか」
アイシャ・T・ローズ:「……そういえば。カカオの情報を探る過程で、噂を目にしました」
十掬キョウ:「なんだいアイシャちゃん!」
アイシャ・T・ローズ:「崑崙山学区には伝説の鍛冶師マイスターなる方が住んでいるそうです」
アイシャ・T・ローズ:「その方は、調理器具を作っている・・・・・・・・・・のだと」
アイシャ・T・ローズ:「カカオの入手を優先し、それ以降の調査は進んでいないのですが……」
鷹条アカツキ:「もしそいつが鍛造した刃物が手に入れば、このけったいな果実を有効利用できるかもしれないわけだ」
十掬キョウ:「おお~!見えてきたね、調理の道が!」
アイシャ・T・ローズ:「はい。優れた鍛冶師マイスターが剣作りから包丁作りに転身したというエピソードもあるそうですから」
アイシャ・T・ローズ:「この符合……崑崙には当機らの求めるものがあるのでは、と推察します」
十掬キョウ:「じゃあ会いに行こうよ!」
十掬キョウ:「レイちゃんの手掛かりもあるかもなんでしょ?」
眩星かんな:「(ルーン・カカオの製作者がこの強度の殻を設計した意図も気になるところだが)」
眩星かんな:「そうだね。行ってみようか」
眩星かんな:「ただ、崑崙山学区も未開に近い……いや、学区の時点で未開ではないが」
眩星かんな:「遭難しない様にしっかりと準備していこうね」


GM:シーン終了。ロイス取得と購入、及びイベントアイテムの交換が可能です。
鷹条アカツキ:同行車:アイシャ・T・ローズ/P親近感○:N危なっかしい これで取得
アイシャ・T・ローズ:パッパー(クラクション)
眩星かんな:まだロイスは保留西都甲
鷹条アカツキ:にしとこう
十掬キョウ:ロイホしよ~
鷹条アカツキ:2dx+3>=25 クリスタルシールド
DoubleCross : (2DX10+3>=25) → 2[1,2]+3 → 5 → 失敗

鷹条アカツキ:ダメダメ。以上~
アイシャ・T・ローズ:鷹条様に ●感服/脅威(射撃) にて。お買い物は引き続きクリシー。
アイシャ・T・ローズ:PS『ネットワーク接続』《オリジン:サイバー》に手配師2号機も添えます。
アイシャ・T・ローズ:アイシャ・T・ローズの侵蝕率を2(→ 2)増加 (79 → 81)
アイシャ・T・ローズ:(4+3+3)dx+6>=25
DoubleCross : (10DX10+6>=25) → 10[1,3,4,6,7,8,8,9,10,10]+7[4,7]+6 → 23 → 失敗

十掬キョウ:すご
アイシャ・T・ローズ:これは!当機のおこづかいで購入し、即座に装備します。シャキーン
GM:ルーンカカオも危機感を覚える硬さだ
鷹条アカツキ:フルアーマーローズ
アイシャ・T・ローズ:これが通信販売の力……
十掬キョウ:応急でも狙っておこ
十掬キョウ:3dx+1>=8
DoubleCross : (3DX10+1>=8) → 10[2,2,10]+7[7]+1 → 18 → 成功

十掬キョウ:かえた 使います~
十掬キョウ:十掬キョウのHPを2d10(→ 13)増加 (40 → 45)
十掬キョウ:MAXになりました
アイシャ・T・ローズ:すごい体力だ
十掬キョウ:ショップアイテムどうしようね?秘境探索セットは確定として
眩星かんな:あんまり欲しいものないかな ブルゲでも買うか
十掬キョウ:あと9点残るわけか
鷹条アカツキ:次も判定あるだろうしガイドドローンかな
眩星かんな:5dx+4>=20
DoubleCross : (5DX10+4>=20) → 8[5,5,6,7,8]+4 → 12 → 失敗

鷹条アカツキ:いくつあっても腐らなさそう
アイシャ・T・ローズ:そうですね。青き疾風パッチかガイドドローンがいいかなと思っていました
十掬キョウ:判定に使うの1段階目さえ失敗するでもなければ勿体なくない?とは思います
十掬キョウ:2個使って1個ゲットするわけだし……
眩星かんな:失敗で。ガイドドローン辺りでいいと思います
十掬キョウ:僕タトゥーしたいかも 100超えると次侵蝕下げられるから
十掬キョウ:行動値上げても先生は超えないのもおいしい
鷹条アカツキ:良いと思います。キョウちゃんがタトゥー貼ってるとこ見たいし
アイシャ・T・ローズ:ではそのままで集合写真を……
鷹条アカツキ:とりあえずタトゥー1個、ドローン2個ぐらいでいいかな?
鷹条アカツキ:どうせまたガッポガッポ稼ぐし
十掬キョウ:じゃあ一個もらっちゃうね~
十掬キョウ:よさそう
眩星かんな:良いと思います
アイシャ・T・ローズ:そうしましょ~
鷹条アカツキ:秘境探索セット含めてカカオ10個消費
鷹条アカツキ:残り3個だね
GM:承知しました
十掬キョウ:ぺたぺた 侵蝕をあげます~
十掬キョウ:十掬キョウの侵蝕率を5(→ 5)増加 (98 → 103)
GM:はーい そののち十字冠による軽減も有効です
十掬キョウ:減らしまーす 1d10+10というわけ
十掬キョウ:十掬キョウの侵蝕率を10(→ 10)減少 (103 → 93)
十掬キョウ:十掬キョウの侵蝕率を1d10(→ 2)減少 (93 → 91)
十掬キョウ:もりもり
GM:増える前より減ってる
十掬キョウ:いじょ!


【ミドルフェイズ4】

GM:全員登場を推奨します。
鷹条アカツキ:鷹条アカツキの侵蝕率を1d10(→ 7)増加 (68 → 75)
眩星かんな:60+1d10
DoubleCross : (60+1D10) → 60+6[6] → 66

アイシャ・T・ローズ:アイシャ・T・ローズの侵蝕率を1d10(→ 1)増加 (81 → 82)
十掬キョウ:十掬キョウの侵蝕率を1d10(→ 10)増加 (91 → 101)
十掬キョウ:また超えちゃった!
GM:はしゃいでる
【ミッション一覧】
★進行中
“パティシエの腕を狩る怪人”の手がかりを集める(2/3)

☆選択可能
用具調達:崑崙山の奥地に伝説の鍛冶師を訪ねて(0/1)

達成済み
巨竜狂乱:ルーン・カカオの農園を救え(1/1)
邪教討滅:神体と生贄のパティシエたちを奪還せよ(1/1)
GM:【用具調達:崑崙山の奥地に伝説の鍛冶師を訪ねて】が選択されます。


GM:崑崙山中等専門学校の学区は、ノヴァリスにおいて数少ない、手つかずの自然が各所に残る土地でもある。
GM:三大校ではあまり見られない様式の板張りの床。大きく開かれた縁側の窓を通して、霧のかかる大河の流れを眺めることができる。
GM:君たちが訪れたのは、付近の土地に詳しいという生徒の住まいであり──
GM:かつそこは、未だ一人では獣に抗し得ない年少の子供たちを教え導く道場でもあった。
幼年部監督生:「ふむ……腕の立つ鍛冶師を求めてこちらにいらしたと」
幼年部監督生:幼い子供たちが、しかし規律正しく並んで正座する中で、取りまとめ役の生徒が口を開く。
幼年部監督生:「心当たりはあります」
眩星かんな:「ええ。武道を教える方であれば、刀剣類を始めとする鍛冶製品の調達に何かしらの知見があるのではと」
幼年部監督生:「私の朋友をご紹介しましょう」
幼年部監督生:「代わりにと言っては何ですが。せっかく先生にお越しいただけたことですし、ひとつ彼女らを指導してはくれませんか」
幼年部監督生:居並ぶ子供たちを視線で撫でて。
眩星かんな:「ふむ。指導することは構わないけれど、あいにく武道の嗜みはほとんど無くてね」
眩星かんな:「丁度ココに手ごろな長さの筆があるから、ペン回しの簡単なトリックでも……」
鷹条アカツキ:「ゴリ押しするほど得意なんだそれ」背筋を綺麗に伸ばして正座している。
幼年部監督生:「いえ。無論強さは重要ですが、それは私でも教えられます」
十掬キョウ:「みんなは何を学びたいの~?」しゃがんで目線を合わせて声をかけている。
幼年部監督生:「お願いしたいのは、いわゆる座学……科目はお任せしますが、外の学区、外の世界でも身のためになる知識なのです」
眩星かんな:「覚えたのはこっちに来てからだから、歴は浅いよ……ふむ、外の世界の話か」
幼年部生徒たち:「功夫!」「毒と薬!」「獣の捌き方!」
鷹条アカツキ:「う~ん崑崙山」
アイシャ・T・ローズ:「実践的なご要望ですね」アカツキさんに倣ってぴしっと正座している。
アイシャ・T・ローズ:「当機にも何か伝えられることがあればよいのですが……」
眩星かんな:「これが崑崙山の英才教育ってやつか……確かに将来有望には違いない」
鷹条アカツキ:「先生の授業ならオレも聞きたいな。自分の仕事はきちんとした上でだけど」
幼年部監督生:「ああ、無論、皆さんにもこの子らのお相手をしていただければありがたくはあるのですが」と、先生以外の4人に向けて。
幼年部監督生:「皆様方の役目は、むしろこの道場を出た後、目的地を目指す途上にありましょう」
幼年部監督生:「こう言っては何ですが……安全とは到底言えぬ道のりですから」
十掬キョウ:「まあ薄々分かってたよ正直」
十掬キョウ:「ここまでもけっこう大変だったもの」
眩星かんな:「だが、学区の外に関する興味を持ってみるのは良いことだね。目的地への案内もしてくれるなら願ったり叶ったり」
GM:ではこの辺りで判定を提示しましょう。
【用具調達:崑崙山の奥地に伝説の鍛冶師を訪ねて】
・幼年部生徒たちを教導する 任意の〈知識〉または〈情報〉 目標値10/20/30
・遭遇した敵の撃退(1) 任意の攻撃 目標値30/40/50
・遭遇した敵の撃退(2) 任意の攻撃 目標値30/40/50
・遭遇した敵の撃退(3) 任意の攻撃 目標値30/40/50
鷹条アカツキ:面白すぎる
十掬キョウ:マジ?
十掬キョウ:ぶっ潰すしかねえってわけ
GM:頑張ってください。ちなみにこのシーンが最後のミドルフェイズの予定です
アイシャ・T・ローズ:ちぎっては投げ、ちぎっては投げ……ということですね
鷹条アカツキ:最低目標値30が3つ、これまでで一番の難関だ
十掬キョウ:ともかくやるしかなさそうだねえ
眩星かんな:割り振りがほぼ一択になるね。教導をやります
鷹条アカツキ:なら私は遭遇した敵を撃退するか
眩星かんな:<情報:ノヴァリス>をコネ付きで判定
十掬キョウ:クウリちゃんは全部アイシャちゃんにつぎこむ?
アイシャ・T・ローズ:クウリちゃんの★3はもらえたら嬉しいなあと思いますが
鷹条アカツキ:私はそれでOK
アイシャ・T・ローズ:★1はどうしましょうね?
十掬キョウ:僕ダイスいっぱいある
十掬キョウ:アカツキちゃんは必中だし
鷹条アカツキ:私弓アルネ
アイシャ・T・ローズ:わあ!
アイシャ・T・ローズ:では当機に送風をお願いしましょう。
十掬キョウ:じゃあ撃退やっていこ~
六条クウリ:アイシャちゃんにダイス+5とエフェクトレベル+1を献上します ぶううん
眩星かんな:7dx+6>=30
DoubleCross : (7DX10+6>=30) → 10[1,4,5,7,8,9,10]+1[1]+6 → 17 → 失敗

十掬キョウ:《コンセントレイト:ハヌマーン》《電光石火》。
鷹条アカツキ:《コンセントレイト:エグザイル》《オールレンジ》必中の弓で射撃判定
十掬キョウ:14DX7+4>=30
DoubleCross : (14DX7+4>=30) → 10[1,1,3,4,5,5,6,8,8,8,9,9,10,10]+10[1,2,5,5,6,8,10]+10[7,8]+3[2,3]+4 → 37 → 成功

眩星かんな:財産点3点使って20にします。
十掬キョウ:うーむ まあこんなもんか……
鷹条アカツキ:9dx7+14
DoubleCross : (9DX7+14) → 10[1,2,3,4,5,6,7,7,8]+10[3,3,7]+10[8]+3[3]+14 → 47

鷹条アカツキ:ちょっと惜しいけど第二段階制覇
アイシャ・T・ローズ:クウリちゃんとのすごい一体感を感じつつ
十掬キョウ:十掬キョウの侵蝕率を5(→ 5)増加 (101 → 106)
アイシャ・T・ローズ:NS『状況に対処します』《コンセントレイト》《巨匠の記憶》
鷹条アカツキ:鷹条アカツキの侵蝕率を4(→ 4)増加 (75 → 79)
十掬キョウ:十掬キョウのHPを1d10(→ 7)減少 (45 → 38)
アイシャ・T・ローズ:(3+3+4)dx7+5-1>=30
DoubleCross : (10DX7+4>=30) → 10[1,1,3,4,4,5,5,6,7,8]+6[3,6]+4 → 20 → 失敗

アイシャ・T・ローズ:ウワーッ
アイシャ・T・ローズ:あ、ダイス数が増えてない!
十掬キョウ:5個振り足しかな
GM:それでどうぞ
アイシャ・T・ローズ:5dx7
DoubleCross : (5DX7) → 10[2,5,6,6,8]+6[6] → 16

アイシャ・T・ローズ:ぎゃふん
十掬キョウ:まあ要求高いからね しょうがない
鷹条アカツキ:助けて先生~
眩星かんな:《妖精の手》侵蝕70
アイシャ・T・ローズ:先生……
アイシャ・T・ローズ:1dx7+24
DoubleCross : (1DX7+24) → 5[5]+24 → 29

アイシャ・T・ローズ:クゥーン……
十掬キョウ:ドローンおねがい~
アイシャ・T・ローズ:ジェネシスの絆~
アイシャ・T・ローズ:でドローンを1回使わせていただいて。31でフィニッシュでしょうか。
GM:くっ……無垢なアンドロイドをカンフー漬けにして鍛えるチャンスが
鷹条アカツキ:なんだただの辻師匠か
鷹条アカツキ:獲得ルーン・カカオは7個か
GM:6じゃないかな?
鷹条アカツキ:先生が財産で達成値20まで上げてる
アイシャ・T・ローズ:2・1・2・1ですかね
GM:二段階達成が二人、一段階達成が一人なので
鷹条アカツキ:あ、キョウちゃんが1個か
十掬キョウ:そうだよ~
GM:のはず
鷹条アカツキ:失礼、現在所持数は9個になりますね
アイシャ・T・ローズ:アイシャ・カンフー・ローズ……別の世界線の当機……
GM:ウス!演出に移ってまいりましょう


眩星かんな:「そうだな……この道場に黒板みたいなものはあるかい?」幼年部監督生に。
幼年部監督生:「あ、はい」
幼年部監督生:文字通りの黒い石の板をどすんと壁に立てかける。「これでよいでしょうか」
十掬キョウ:「ロゼッタストーン……?」
眩星かんな:「お、おう……丁度筆と塗料は持っているから、これにちょっと図を描かせてもらおっかな」
眩星かんな:未開部族部員達からペン回し講義の御礼に貰っていたものだ。さささっと筆を黒い岩に奔らせていく。
眩星かんな:描かれたのは、上から下に続く形で二股に分かれる道の様なもの。
十掬キョウ:「?なんだろう」体育座りして一緒になって聞いている。
鷹条アカツキ:「あれは……図形?文字?」
幼年部生徒たち:「……?」
眩星かんな:「場面を想像しながら聞いてみてくれ。ここは左右が断崖絶壁の狭い小路になっており、山から下っていく形になる」
アイシャ・T・ローズ:幼年部の生徒たちと一緒になってぽわんぽわんと思い浮かべる。
眩星かんな:「続く道は二手に分かれている。そのうち、片方の道には……」
眩星かんな:棒人間を一つ、二つと書いていく。「職員室の先生が5人、のんびりと山を登っている」
眩星かんな:「だが、前日の天気は雨だったみたいでね。突如、山の上からが落石が発生してしまう」
眩星かんな:山の上の道に大きな岩を書き込む。
幼年部生徒たち:「ええっ」
眩星かんな:「君達ほどの実力があれば岩石の一つや二つくらい容易く避けられるかもしれないが」
眩星かんな:「あいにく、私を始めとして先生はみんな非力でね。逃げ道のない谷の小道で前方から岩石が転がってきたらぺしゃんこになってしまうだろう」
幼年部生徒たち:ざわざわしている。
アイシャ・T・ローズ:はらはらしている。
十掬キョウ:「そんな……助けられないの?」
眩星かんな:「だが、安心してほしい。君達は偶然にも分かれ道の真っただ中に立っている」
眩星かんな:「この岩石は真正面から跳ね返すことが叶わないほどの巨大さだが」
眩星かんな:「こうして、斜めに皆で弾くことで先生の居る小道とは別の道へ、岩の進行方向を変えることができるだろう」
眩星かんな:生徒達を追記し、岩石が進む先の矢印をもう一つの小道へと書き伸ばす。
幼年部生徒たち:「正面からは無理……」
十掬キョウ:「おお、すごいすごい!さすがは崑崙山だね」
十掬キョウ:「正面からは無理なことにすごい不服そうだけど……」
鷹条アカツキ:「なるほど、この図は分岐路ってわけか」
眩星かんな:「……しかし、ここでもう一つ問題が発生してしまうんだ」
眩星かんな:もう片方の小道に、眼鏡を掛けた棒人間を追記する。
眩星かんな:「寝坊で職員室での現地集合に遅れてしまってね。他の先生と合流するために、私が急いでもう一つの小道から走って登っていたんだ」
十掬キョウ:「これかんな先生なんだ」
幼年部生徒たち:「ええええっ」「だめだよ! 寝坊したら」
鷹条アカツキ:「だからもっと休んでって言ってるのに」
十掬キョウ:「仮定の話で先生が怒られてる……」
眩星かんな:「すまないね。だが、君達の目前には既に岩石が転がってきているんだ」
眩星かんな:「岩石を弾かないと、5人の先生をぺしゃんこにしてしまう」
眩星かんな:「かといって、岩石を弾けば私の方に進んで行くからやっぱりぺしゃんこだ」
アイシャ・T・ローズ:「そんな……」
幼年部監督生:「なんということだ……我が身に真っ向岩を砕く力がないばかりに……!」わなわなと震えている。
眩星かんな:「さて問題だ。君達なら岩を弾くかい?それとも弾かないかい」
眩星かんな:「あ。いずれかを選択したとしても、距離の関係で先生達がそれを知ることはないから安心してね」
鷹条アカツキ:「5人が犠牲になるのを黙認するか、自らの手で1人を切り捨てるか……」
鷹条アカツキ:「いやらしい設問だな」
眩星かんな:「……そうだね。折角だから、参考意見としてお姉ちゃんたちにも聞いていこうか」
眩星かんな:「アイシャちゃんならどうする?」
アイシャ・T・ローズ:「はい、先生」
アイシャ・T・ローズ:「ここは当機の防御性能を遺憾なく発揮すべきと考えますが──」
アイシャ・T・ローズ:自慢の装甲に、重力場を展開するシールドシステム。さらに、
アイシャ・T・ローズ:『テオドーラ』を体内に格納すれば、その車重がダイレクトに加わることで、体重がちょっと人間らしからぬ数値に跳ね上がるのだ。
アイシャ・T・ローズ:「前提として正面から跳ね返すことが叶わない、ということであれば」
アイシャ・T・ローズ:「自爆します」
眩星かんな:「自爆」
十掬キョウ:「なんで?」
アイシャ・T・ローズ:「シールドと併用し、爆圧を岩に集中すれば、先生方を巻き込まずに岩を止められる可能性があるからです」
幼年部生徒たち:「そっか、自爆……!」
六条クウリ:「明らかに教育上よろしくない方向にみんなの思考が惹き付けられてる」
アイシャ・T・ローズ:(そう、ジェネシスの英知自爆装置はこの時のために……)じんわり。
鷹条アカツキ:「みんなの選択肢に自爆あるかなあ」なおオレはある。
眩星かんな:「なるほど。自らを犠牲にしてまでも、先生を救える可能性に挑むということだね」
眩星かんな:「その心意気と覚悟はとても素晴らしいものだ。けれど、その答えには一つ大きな欠点があるね」
アイシャ・T・ローズ:「欠点ですか?」
眩星かんな:「ああ、とても致命的だ。この道の先に控えているのは先生なのだからね」
眩星かんな:「アイシャちゃんが自分達を守るために身を挺して爆発したと知ったら、彼らはどう思うかな?」
アイシャ・T・ローズ:はっと口元を手で押さえる。
アイシャ・T・ローズ:「それは……」
アイシャ・T・ローズ:もし、陛下だったら。「ねえ、アイシャ」と呼ぶ声が聞こえる気がする。演算結果は明白である。
アイシャ・T・ローズ:「その結果は、当機の本意ではありません……」
眩星かんな:「……そうだね。ノヴァリスにはきっと、君のことを失いたくないと思っている人が幾人も居るはずだ」
眩星かんな:「だけど。今のやり取りで、アイシャちゃんが残された人達の気持ちを慮ることができたのは」
眩星かんな:「とても嬉しく思う。君も、心優しき立派なノヴァリスの生徒だと分かったからね」
アイシャ・T・ローズ:「………」頭上の、歯車と車輪を掛け合わせたような図形──十字冠が明滅する。
眩星かんな:「答えてくれてありがとう。さて、次は……アカツキちゃんならどうする?」
鷹条アカツキ:「オレの答えはまあ……さっきの問題の捉え方に現れてるよな」
鷹条アカツキ:思い返してみれば、先生はそうだね、としか返さなかった。
鷹条アカツキ:「5人を取るか1人を取るかの、数の理で判断したわけだ。だから……かんな先生の方に進路を変更するだろう」
鷹条アカツキ:「5人が無傷で済めば、その後で先生を助けるための人手も多くなるし……うん」
鷹条アカツキ:「誰にも見られていなくても、自分で責任を負える方が良い。何もせずに成り行き任せよりかな」
眩星かんな:「……なるほど。最大多数を優先し、後始末を含めた責任を自身が負うということだね」
鷹条アカツキ:「アイシャと違って面白くない発想で悪いね」
眩星かんな:「いやいや。私がぺしゃんこになってしまうのは悲しいが、選択の上で私の事を救出することまで考慮してくれたからね」
眩星かんな:「KMPの一部隊長であり、学区内外問わず様々な事件で選択を迫られる君の判断力と責任感には圧巻だ」
十掬キョウ:「アカツキちゃんって隊長なんだ!すごい!」
眩星かんな:「たとえ私が押し花になってしまおうとも、最大限の敬意を評するだろう」
鷹条アカツキ:気恥ずかしくなって赤く染まった顔を逸らす。
鷹条アカツキ:「それで褒められたくないよ……」
眩星かんな:「ふふ。忙しかっただろうに、私がイタメッセージした時もきっちりと応答してくれたしね」
鷹条アカツキ:「やめろやプライベートの話」
六条クウリ:「そんなことしてたの」
アイシャ・T・ローズ:「親密なのですね」
鷹条アカツキ:「距離が近いだけ、職場とかが」
眩星かんな:「頼りにしてるってことさ。答えてくれてありがとうね」
眩星かんな:「さて、この手の問答は後の方ほど答えにくくなるのが世の常だが」
眩星かんな:「この状況下、キョウちゃんならどうするかい?」
十掬キョウ:「僕は決まってるよ」
十掬キョウ:「何もしない。何もしないっていうか……」
十掬キョウ:「かんな先生を優先する!」
眩星かんな:「……おっと?」
六条クウリ:「ほっ」変な声を出す。
十掬キョウ:「見ず知らずの先生たちより、好きなかんな先生を助けたいって思うじゃない?」
十掬キョウ:「委員会うちはみんなそういう答えだと思うな」
六条クウリ:「す、す」
十掬キョウ:「クウリちゃんだってそうでしょ?」
六条クウリ:「え゛っ」
眩星かんな:「へぇ。アカツキちゃんとは真逆の考え方で、自分がより大切にしたいと思う側を優先するということか」
眩星かんな:「クウリちゃんもそうなのかい?」
六条クウリ:真っ赤な顔に汗を伝わせる。「い、いや~……まあ答えとしてはそうなんですけども……」
六条クウリ:「でも違うから! 好きとかではないから」
眩星かんな:「……そうかい?面と向かって言われると悲しいなぁ」
六条クウリ:「見ず知らずの人と縁がある人だったら後者を優先したいっていうだけの話で……」
十掬キョウ:「?そう言ったじゃない」
六条クウリ:「あっでも嫌いってわけでもなくて!!」
六条クウリ:「キョウちゃんは好きって言葉を簡単に使い過ぎなんだよ~!」
十掬キョウ:「ええ~?」
鷹条アカツキ:(先生、面白がってるな……)
眩星かんな:「ふふ、ありがとうね。好意的な意味で受け取っておこう」
アイシャ・T・ローズ:「六条様は、先生に関心をお持ちなのですね」
六条クウリ:「そういうんじゃないから……!」
鷹条アカツキ:(こっちはアクセル踏み込んでるし)
六条クウリ:「終わり! 終わりでいいでしょもう」
眩星かんな:「私のことが好きか嫌いかはさておき、この考え方も筋が通っており非常に好感が持てるね」
十掬キョウ:「それで先生、正解は?」
眩星かんな:「うん?ああ、この問いは一応この子達のものだから、答え合わせはその後にしようか」
十掬キョウ:「あっそっか、そうだね!」
十掬キョウ:「みんなはどう思うの~?」
幼年部生徒たち:「え~、分かんないよ~……」「先生もわたしたちみたいに死ななければいいのに……」「岩を砕けるぐらい強くなりたい」
幼年部監督生:最後の意見に頷いている。
眩星かんな:「はは。私は100m走22秒だからね、今から鍛えても岩を弾くほど強くはなれないかな」
眩星かんな:「さて皆、意地の悪い質問をして済まなかったね」
眩星かんな:「この状況下で岩を弾くのか弾かないのか、一体どうするのが正しいのか」
眩星かんな:「その答えは──」勿体ぶって少し間を置いて。
眩星かんな:「──全部、正解だ」
十掬キョウ:「え?」
アイシャ・T・ローズ:「そうなのですか……?」
鷹条アカツキ:「ふうむ……」
幼年部生徒たち:「そうなの……?」
眩星かんな:「自身が最大限努力し、身を挺してでも先生全員を守り抜く。正解だ」
眩星かんな:「より多くの先生の危機を退け、自身の責任を以て残り一人も助けようとする。それも正解」
眩星かんな:「名無しの先生には目もくれず、自身の身内か知己である人間を優先する。正解」
眩星かんな:「私が岩に轢かれても死なないことを願う。巨大な岩を砕けないことを悔やむ。はたまた」
眩星かんな:「正解が分からない。これもまた立派な正解だ」
十掬キョウ:「いいの?そんなので」
眩星かんな:「ああ。その答えが、精一杯考えて出した自分の結論ならね」
鷹条アカツキ:「ま、そんなことだと思ったよ。生徒が出した答えに×付ける先生じゃないもんな」
アイシャ・T・ローズ:「そうとは……。不思議と、装甲に染み入るようです」
アイシャ・T・ローズ:「これが先生の授業というものなのですね」
眩星かんな:「そもそも、この問いは『トロッコ問題』と言ってね。外の世界では」
眩星かんな:「功利主義と義務論の対立を扱った倫理学上のもの……つまり、意見が分かれることを想定して作った意地悪なんだよ」
十掬キョウ:「いじわる……?」
眩星かんな:「そうさ。表面上の選択だけでは必ずどちらかが犠牲になり、どちらを選んでも自身の心情に負を齎す」
鷹条アカツキ:「やっぱオレが一番つまらない答えだったわけね」言葉と違い納得げで嬉しそうな顔。
眩星かんな:「その状況下で問を出した私に文句ひとつ言わず、真摯に回答を出してくれたことが」
眩星かんな:「有意義な結果になった、と私は思うかな」
十掬キョウ:「ちゃんと自分で悩んで考えようってこと……」
アイシャ・T・ローズ:「はい。『腑に落ちる』という感覚です」
アイシャ・T・ローズ:「お二人の答えが、間違っているとは思えませんから」
十掬キョウ:「確かに!僕のだけが正しい!って感じはしないもんね」
眩星かんな:「……そうそう、崑崙の子達向けに、もう一つ付け加えておこう」
幼年部生徒たち:「そう……なんだ……」理解と不可解で半分ずつといった顔が多い。
幼年部生徒たち:「もうひとつ?」
眩星かんな:「ああ。君達は今、崑崙学区の中で強くなろうと日々道場で特訓をしているのだろう」
眩星かんな:「きっと私なんかより心も技も体も逞しくなる」
眩星かんな:「だから、成長した自身の武術を一体どう取り扱うのか。強くなって一体何がしたいのか」
眩星かんな:「その使い道の一つに、『岩を弾いたり砕いたりして先生を救う』があること」
眩星かんな:「これだけ気に留めておいてくれれば、今日の講義は花丸満点だ」
眩星かんな:最後にきひひと小さく笑って、笑顔で講義を締めくくった。
幼年部監督生:「崑崙山においては、武に目的はいらず、武はただ武である……という考え方が主流です」
幼年部監督生:「しかし、いざ振るう段になってから道に悩むようではいけない。また、外の世界がそう単純な作りになってはいないことも学べたでしょう」
幼年部監督生:「先生に来ていただけてよかった。約束通り、あなたたちが探す人物の居場所をお教えします」
眩星かんな:「ありがとう。此方こそ、先生らしいことが出来てとても楽しかったよ」筆で黒い岩を黒く塗り直しながら。
幼年部監督生:唐紙に水墨画めいた地図を描きつけて渡す。
幼年部監督生:「繰り返しになりますが、道中くれぐれもお気を付けて」
眩星かんな:「ああ。熊が出てきても驚かない様にしておこう」地図を受け取る。


GM:無事に情報を手に入れ、道場を後にした君たちであったが──
GM:たとえwifi無き地であろうと、矢文、狼煙、鷹、風のざわめき等で来訪者出現の報はすぐに広まる。
GM:谷間を進む君たちの前に人影が現れたのは、出発から数十分も経たぬ内のことだった。
崑崙山生徒A:「待てい」
崑崙山生徒B:「待たれよ」
崑崙山生徒A:「先生方とお見受けした。ぜひ手合わせをお願いする」
鷹条アカツキ:「すごく崑崙山っぽいイベントが来たな」
十掬キョウ:「先生のことどう伝わってるんだろ」
眩星かんな:「他の四人はともかく、私を倒しても武勲にはならない気がするけども」
アイシャ・T・ローズ:「『辻斬り』ですね。以前動画で見ました」
GM:さらに闘争の匂いを嗅ぎつけ、野生の獣までが姿を見せる。
:「グルルル……」
:「ゴフッ。ゴフ」
鷹条アカツキ:「飾りっけなしのシンプルな猛獣まで来たな」
十掬キョウ:「虎さんと熊さんだ!?」
眩星かんな:「おっと、熊だけではなく虎までお出ましとはね」
アイシャ・T・ローズ:「先生は動物にも好かれているのですね」
鷹条アカツキ:「魔法とか改造とか関係なしにめちゃくちゃ好戦的」
六条クウリ:「なんか……殺気がすごい」
六条クウリ:「動物園とか動画で見るのより……」
GM:彼らを撃退しなければ、この先には進めそうもない。
眩星かんな:「どうしたものかな。生徒だけなら説得次第だと思ったんだが……」
鷹条アカツキ:「正座じゃないけど郷に入ってはなんとやら、だな」
鷹条アカツキ:「先生が狩られる前にオレたちでなんとかしよう」
アイシャ・T・ローズ:「はい。立ち塞がるならば、追い払うよりないかと」
十掬キョウ:「そうだね、これくらい、正面から止められない岩でもなし!」
眩星かんな:「申し訳ないが甘えさせてもらおう。流石に熊や虎の言葉は喋れなくてね……」後ろへ下がる。1mのエンゲージ移動。
十掬キョウ:「止めるのだってたった1人ででもない!僕たちなら大丈夫!」
鷹条アカツキ:「というわけで聞いての通りだ、掛かって来な!」
崑崙山生徒A:「良い返事だ! いざ!」
:「ゴオオオオッ!」
GM:武侠と猛獣とが、四方から襲い掛かってくる!
アイシャ・T・ローズ:機械腕を実体化し、ブロッキングの構えで前に出る。
アイシャ・T・ローズ:「人は当機が抑えます。鷹条様、横合いの猛獣はお願いします」
鷹条アカツキ:「妥当な配分だ、任せた!」
アイシャ・T・ローズ:「シールド! ここは抜かせません……!」
GM:岩をも断たんばかりのチョップ、大気の破裂を伴う蹴りがアイシャに迫る。
アイシャ・T・ローズ:防壁を破り装甲を打つ、鈍い金属音。地響きが山道を揺らし、あまりの衝撃に足が地面にめり込む。
アイシャ・T・ローズ:「これは……!」
アイシャ・T・ローズ:(重い! 当機の方が・・・・・釘付けにされる……!)
GM:同時、虎の牙と熊の豪腕がアカツキへ向かう。野生の獣とは思えぬ、粗野ながらも洗練された動き。
GM:戦いの絶えぬ風土で鍛えられているのは人間ばかりではない。異種の獣が明確に連携して獲物を狩りに来ているのだ。
鷹条アカツキ:猛獣担当が妥当だと言ったのは、別に鷹条アカツキが崑崙山の武闘家に不利とかいう話ではない。
鷹条アカツキ:「確かに巧いが、五星君を何人か知ってるんでな」
鷹条アカツキ:スタングレネードを2つ取り出し、素早く熊と虎の眼前へと投げる。
鷹条アカツキ:人間を超越した剛力と瞬発力を持つ猛獣に対し、間合いの外から鋭敏な感覚器官を攻め得る武装がこちらの有利な点。
弧月のレラプス:そして伍する点が、彼ら(あるいは彼女ら)猛獣と同等の性質を持つバディであること!
鷹条アカツキ:一切の隙を与えず、はじけ飛ぶように同時に突貫。勢いを殺された獣たちの頭部に痛打を叩き込む。
:「ガア……!?」
GM:崑崙山生徒を相手にしたことは幾度もあるが、人間の文明、その威力を目の当たりにすることは、彼らにとって初めての経験だった。
十掬キョウ:「2人ともさっすが!これなら……」
:「ゴフ……」
GM:骨まで届く手応えの通り、獣たちが一呼吸早く沈む。
アイシャ・T・ローズ:(鮮やかな手際、流石ですね)
アイシャ・T・ローズ:一方、人の側は裂帛の打撃と鋼鉄の防御がぶつかり合い、どちらも釘付け・・・・・・・になっている。
十掬キョウ:「クウリちゃん、左からお願い!」巨大な剣を展開しながら右側に回り込んで。
六条クウリ:「あいあい……!」大槌を引いて構えつつ軽快に走り込む。
十掬キョウ:「メサイア学園合同カタコンベ保全委員会……“ターンオーバー”十掬キョウ!」
六条クウリ:「“シャクシューカ”、六条クウリ」
十掬キョウ:「一緒に行くよ、トツカ! 3,2,1……」
 Ignition
十掬キョウ:踏み込みと同時、赤い斬線が空間に刻まれる。
十掬キョウ:黒髪の少女がすれ違うように駆け抜ける。巨大な直剣を、軽々と振り抜いた後。
十掬キョウ:狙いはアイシャと交錯したままの少女。巨大武器で狙うべき位置には本来なかった。
十掬キョウ:膂力だけではない。閉鎖区間での長物の取り扱いに長けるのであれば、
十掬キョウ:彼女らに求められ、そして備わるのは空間把握力と、繊細な操作性だ。
十掬キョウ:それらを両立した一撃が、崑崙山の釘を一刀の下に地へと叩き伏した。
崑崙山生徒A:「グハッ……!」
GM:その、ほぼ同時に等しい直後。
六条クウリ:ゴォン!
六条クウリ:人体に叩き付けられた大槌の打撃部、黒鉄の鐘が、荒々しい音色を鳴らす。
崑崙山生徒B:「み、見事……」
崑崙山生徒A:「だが……我らは単に先駆けに過ぎぬ」
崑崙山生徒B:「お前たちが真に強き者であるか、それはこれから試されるだろう……」
GM:生徒たちは十字冠転送され、猛獣は体を引き摺って木々の合間に消える。
アイシャ・T・ローズ:「勝負あり、ですね」機械腕を引っ込める。
十掬キョウ:「行っちゃった」
鷹条アカツキ:「小気味いい程度には上手くいったな。大丈夫かアイシャ?」
眩星かんな:「……その様だね。皆お見事、私が応援する暇もなかった」
十掬キョウ:「お友達になりそこねちゃった」
アイシャ・T・ローズ:「はい。十掬様と六条様のおかげで、装甲がへこむ前に終わりました」
アイシャ・T・ローズ:「当機が標的を固定すれば、お二人が動かれると思いましたので。上手くはまりましたね」
十掬キョウ:「いいコンビネーションだったね~!」
アイシャ・T・ローズ:「はい、チームワークの勝利です」
十掬キョウ:「アカツキちゃんも後ろ押さえててくれて助かったよ~!」
鷹条アカツキ:「おう、ありがとうよ」
鷹条アカツキ:「……ふふ、問題に出す答えはバラバラな同士なのに、こうしてぴったりと息が合うのは」
鷹条アカツキ:「なかなか面白いもんだよな」
六条クウリ:「うまいこと言うねえ」
アイシャ・T・ローズ:「大変、興味深く思います」
眩星かんな:「(……回答はバラバラでも、他者を助けたいという根底はみな一緒なのさ)」
十掬キョウ:「やっぱり、色んな人とたくさん交流すると学びがあるよね!」
眩星かんな:「(そもそもトロッコ問題は他者が轢かれても響かない人間に対しては前提から覆るからね)」
十掬キョウ:「僕もなんだか今、すっごい動きやすくて。多分これのおかげだと思うんだよね」
十掬キョウ:シャツをまくってお腹を出す。
六条クウリ:「えっなになに」
十掬キョウ:そこには何か青い呪印のようなものが記されている。
十掬キョウ:「未開部族部の子に描いてもらったの!疾風の加護を受けられるんだって」
鷹条アカツキ:「へえ、あんなだったのに中々やるなあいつら……」
鷹条アカツキ:「……いや、そんなお腹出して、虫に刺されても知らねえぞ」まじまじと見つめてから、ちょっと恥ずかしいことをしている気がしてきた。
アイシャ・T・ローズ:「山の上は空気も冷たいですからね。開けた場所に出たら、休憩がてらお茶にしましょう」
十掬キョウ:「描き方教えてもらったからみんなにも描いてあげようと思ったのに」
眩星かんな:「……そうだね。あの子達も散り際に含みのある台詞を残していったし」
十掬キョウ:「休憩はでも賛成かも僕も!」
眩星かんな:「道中また襲ってくる子がいるかもしれない。適宜休息は取った方がいいね」
鷹条アカツキ:「良かったな十掬、まだまだ沢山の出会いが待ってるぞ」
鷹条アカツキ:「たぶん全部肉体言語で」
十掬キョウ:「他のコミュニケーションもあってもいいと思うんだけどな~僕」
十掬キョウ:「あ、そうだ先生、ちょっといい?」
十掬キョウ:「僕さ。先生に補習を受けたくって」
眩星かんな:「補習?」
十掬キョウ:「うん。さっきの講義の質問」
眩星かんな:「いいよ。何か聞きたいことがあれば何でも」
十掬キョウ:「じゃあ遠慮なく。質問の答え、全部正解だって言ったじゃない」
十掬キョウ:「かんな先生個人の出す答えは?」
十掬キョウ:「聞いてなかったな~って思って」
眩星かんな:「……確かに。そういえば自分の答えは言ってなかったね」
眩星かんな:少しだけ思索するような仕草を取って。
眩星かんな:「そもそも、あんな意地悪な問題さえなければどちらかを選ぶ必要もないからね」
眩星かんな:「黒板の岩石を塗り潰して、無かったことにすれば万事解決だ」
十掬キョウ:「え~!ありなの!?」
十掬キョウ:「あっでも全部正解ならそれでもいい……?」
十掬キョウ:「なんかでも……ズルじゃない……?」
眩星かんな:「まさか。これもまた、全ての登場人物が気持ちよく事を解決できる立派な手立ての一つさ」
十掬キョウ:「確かに……気持ちはいいかも……」
鷹条アカツキ:「こういう賢さがかんな先生に勝てる気しないんだよな」
アイシャ・T・ローズ:「なるほど……」
六条クウリ:「これもオトナの発想……?」
鷹条アカツキ:「上手く丸め込まれるっていうか……」
アイシャ・T・ローズ:「これが大人、ということなのですね」
眩星かんな:「あはは、そんなに褒められたら困ってしまうね」
鷹条アカツキ:「褒めてもいるけど困ってはないだろ」すごく楽しそう。
眩星かんな:「そうだね。だが、額面上の選択肢に囚われることなく、盤面ごと引っ繰り返すような手段は」
眩星かんな:「観測者によっては"美しくない"と認められぬケースもあるかもしれない」
十掬キョウ:「それを含めても、選ぶのはその人の自由?」
眩星かんな:「ああ。問題に直面した時、批判を受けるリスクを背負う覚悟があればね」
眩星かんな:「ただそれでも、私はそうする。これで回答になっているかな?」
十掬キョウ:「うん、補習ありがとうね、先生」
十掬キョウ:「先生のこと、もっとわかった気がしてくる!」
眩星かんな:「先生冥利に尽きるね」小さく笑って。
アイシャ・T・ローズ:(自由……覚悟……選択……)
アイシャ・T・ローズ:「『人間』……」思わず口をついて出た言葉は。
アイシャ・T・ローズ:現象か。理解か。願望か。機械だった心は、まだ知らない。


GM:その後も度重なる襲撃と道なき道の険しさに悩まされながら、君たちは鍛冶師の住処へと歩みを進めた。
GM:急流を渡り、崖を越え、雲海に突き出た岩山の頂を飛び石めいて渡って辿り着いた先は……
GM:──塗り込めたような暗闇が、噴き上がる溶岩の柱に一時薄らいだ。
GM:崑崙山の奥地、某火山洞窟。
GM:焦げ付かんばかりの熱気が立ち込め、煮え滾るマグマが絶えずくぐもった音を立てる、およそ生物がいるとは思えない場所に、しかし耳を澄ませば鎚音が響いている。
GM:溶けた岩が流れるそのすぐ傍に、粗末な庵が立っており、その傍で鍛冶仕事に勤しむ生徒がいるのだ。
十掬キョウ:「なんでこんなところでやるのさ~……」
鷹条アカツキ:「今更ちょっと心配になってきたな」ぐっしょりと濡れた袖で額の汗を拭う。
鷹条アカツキ:「わざわざこんな所に住んでる子と話がスムーズに通じるかどうか」
眩星かんな:「製鉄に炉が必須だからね……言うだろう、火と鉄は鍛冶屋の命だと……」
十掬キョウ:上着を脱いでシャツも裾から出している。じっとりと汗ばんでびしゃびしゃ。
眩星かんな:岩壁に手をついて項垂れながら、30mくらい後ろから小声で喋っている。
十掬キョウ:「先生大丈夫……?」
鷹条アカツキ:「ごめんマグマの噴き上がる音でよく聞こえなかった」
アイシャ・T・ローズ:「耐用温度が……」表情こそ涼しいが、玉の汗を浮かべている。
鷹条アカツキ:「先生じゃなくて場所が悪いと思う」
十掬キョウ:「早く終わらせたいね……ごめんくださーい!」
十掬キョウ:「誰か居ませんか~?」
眩星かんな:「だめかもしれない……もう少し100m走のタイムを詰めておくべきだったかな……」
鷹条アカツキ:「100mは持久力の問題じゃないと思うな…!」
GM:「…………」
GM:鎚音が止まる。
GM:「急に騒がしくなってきたもんだ」
布能鰐ニア:作務衣姿の女が振り返る。
布能鰐ニア:「誰だ、あんたたち」
鷹条アカツキ:「あ、どーも。邪魔するよ」汗をだらだらと流しながら。
アイシャ・T・ローズ:「こちらで刃物を作っていらっしゃると伺ってきました」ちりちり。ちょっと湯気が上がっている。
十掬キョウ:「うん、僕たち、包丁を作って欲しいんだ!」
十掬キョウ:「果物ナイフなのかな……?とにかくそういう感じ!」
布能鰐ニア:「ヘェ」薄く笑う。「確かに作ってはいるが」
布能鰐ニア:首を巡らす。見れば、彼女の周囲には包丁を含む刃物や、それ以外の金属製品がいくつも無造作に転がっている。
十掬キョウ:「お~」キョロキョロとする。
布能鰐ニア:「にしても、わざわざ包丁のためにこんなところまで来るとは、ちと酔狂が過ぎないかい」
アイシャ・T・ローズ:「これを加工できる調理器具を探しているのです。市販の刃物ではまるで刃が立たず……」
鷹条アカツキ:「山の下でも酔狂たちが大暴れでね、いつも通りっちゃあいつも通りだけど」
アイシャ・T・ローズ:ルーン・カカオを一個だけ取り出す。
鷹条アカツキ:「キングダム製の特殊な食材なんだ」
布能鰐ニア:ぴくりと眉を動かす。
布能鰐ニア:「……なるほど」
布能鰐ニア:「知ってるよ。面白い」
布能鰐ニア:「それならまァ、ここに来たのが的外れってわけでもない。あたしの包丁はそいつを切った実績がある」
十掬キョウ:「それが……出鶴レイちゃんの得物?」
布能鰐ニア:「違う。あたしは武器を作るのはやめたんだ」
鷹条アカツキ:「武器じゃなくてあくまで調理器具だと」
布能鰐ニア:頷く。「このノヴァリスで刀なんざ打ってると、客が来すぎて仕事どころじゃないんでね」
布能鰐ニア:「あんたたちも、武器が欲しいとか言ったなら、即座に叩き出してやったとこだが……」
十掬キョウ:「そっちは大丈夫だよ~」朗らかに。
眩星かんな:「それは良かった。そしたら、カカオが切れる包丁を融通してくれるってことかな」ようやく追いついた。
布能鰐ニア:「あくまで調理道具目当てだってんなら、足代がわりに譲ってやってもいい」
鷹条アカツキ:(一見凄い自信ではあるが、本当にそれだけの実力があるんだろうなあ)
アイシャ・T・ローズ:「足代……交通費の俗称。登山に代えて、ということでしょうか」
鷹条アカツキ:(山に入ってからはほとんど問答無用で襲い掛かってくる子ばかりだったから、めちゃくちゃ話の分かる奴に見えてくる)
十掬キョウ:「やった~!」
布能鰐ニア:「代わりにって言ったろ」
布能鰐ニア:「やるものはやるから歩いて帰れ。ただし……」
布能鰐ニア:「下手な使い手に当たっちゃあ、せっかく打った我が子が哀れってもんだ」
十掬キョウ:「つまり……?」
布能鰐ニア:「相応しい力があるかどうか、試させてもらう」
布能鰐ニア:「戦いで」
十掬キョウ:「武器じゃなくてあくまで調理器具なのに……?」
鷹条アカツキ:「あ、立派に崑崙山生徒だった」ちょっと安心。
眩星かんな:「卓越した刃物使いであれば、イコール料理も上手いという証明になるだろうが」
眩星かんな:「特に刃物に頼らず普通に闘うのでも問題ないのかい?」
十掬キョウ:「ショコランの子たちのも折れちゃったし代わりのあげたいなって思ってたんだけどな僕」
布能鰐ニア:「何でもいいよ」
眩星かんな:「あっはい」
アイシャ・T・ローズ:「……それが必要と仰るならば、当機は受けて立ちます」
アイシャ・T・ローズ:「目下、優先事項はバレンタイン……そしてチョコレートですので」
アイシャ・T・ローズ:「皆様、ギアをドライブに。今一度、前進する時です」
十掬キョウ:「ここまでずっとこれだったんだけどな~」ぼやきながら。
十掬キョウ:「うん、まあでも、君がそれをしたら認めてくれるって言うなら」
十掬キョウ:「君に認めてもらおうって頑張るのはやぶさかじゃない」
鷹条アカツキ:「最後にもう一回だけ、と考えれば嫌なのは気温ぐらいしかないわな」
鷹条アカツキ:「やろうか、どういう条件で行く?」
六条クウリ:(せめてもうちょっと涼しいところでだったらなあ)みんなの登山道具を隅にまとめておく。
布能鰐ニア:「普通にやりゃあいいだろう」
十掬キョウ:「そっちは一人でいいの?」
布能鰐ニア:「そっちが全員いなくなる前に、あたしに参ったと言わせればいい。……一人でも」
十掬キョウ:「分かった。君の流儀に従うよ」
十掬キョウ:「みんな大丈夫?」
アイシャ・T・ローズ:「はい。シンプルでよろしいかと」両腕から機械腕を実体化。ゴン、と拳を打ち合わせる。
鷹条アカツキ:「いつでもOKさ」しゅる、とネクタイを緩める。
布能鰐ニア:手をかざすと、散らばっていた金物群がふわりと宙に浮き、剣呑な気配を纏う。「手数には自信があるんでね」
六条クウリ:「だいじょーぶ」
眩星かんな:「大した自信だねニアちゃん。隠遁の鍛冶屋とはいえ、立派に崑崙の生徒であるということか」
眩星かんな:「万事了解した。目的地でのバトルは道中より厳しい闘いになること受け合いだが」
眩星かんな:「その分私も精一杯応援しよう。行ってこい!」


GM:簡易戦闘を行います。
GM:ラウンド制で進行し、合計で200ダメージ以上を与えればPCたちの勝利です。ただし
GM:ダメージ合計がそれぞれ50点・100点・150点に届いた時と、ラウンドの終了ごとに、PCは全員10d10点のダメージを受けます。ガードと装甲は有効です。
アイシャ・T・ローズ:カバーリングは出来ますか?
GM:カバーリングエフェクトの使用か行動放棄をすれば可能です。
鷹条アカツキ:ミスディレクションによってダメージ対象を減らすことは可能ですか?
GM:それも可能としましょう
GM:また、このダメージは一度の攻撃では一度しか発生しません。なので
十掬キョウ:一撃で200点当てれば一発で済むってわけ
鷹条アカツキ:スコアアタックだ
GM:例えば与ダメージ合計が49点の状態のところに51点のダメージを与えても、PCへのダメージの発生は一回のみです。
鷹条アカツキ:範囲攻撃のウルトラボンバーを使った場合、他のPCを巻き込んでしまうでしょうか
GM:巻き込まずに撃てるものとします。
鷹条アカツキ:ありがとうございます
GM:他に質問なければセットアップからどうぞ!
十掬キョウ:なしです~
鷹条アカツキ:なしです!
眩星かんな:なし~
アイシャ・T・ローズ:コーリングシステムでヴィークルに乗ります。行動値13→8
鷹条アカツキ:セットアップではクウリちゃん第2の効果欲しいな~
十掬キョウ:ほし~
六条クウリ:は~い
六条クウリ:狂い騒ぎそうな旋律的なものを響かせてみんなの攻撃力を+15します。受けた人は暴走しちゃうけど……
弧月のレラプス:ガウガウ!(闘争の暴走)
アイシャ・T・ローズ:当機は効果を受けないでおきます。甘い……暴走対策が……!
鷹条アカツキ:貰って暴走
眩星かんな:殴れないのでとりあえず受けないでおきませう
十掬キョウ:もらう~
GM:では行動値12のかんな先生から!
眩星かんな:はぁい。マイナーなし
眩星かんな:メジャー《エンジェルヴォイス》《風の渡し手》
眩星かんな:対象は自分以外の生徒3人。次攻撃がC値-1とダイス+1個
十掬キョウ:わーい!ありがと先生!
アイシャ・T・ローズ:ありがとうございます。
眩星かんな:侵蝕77で以上~
GM:演出はまとめてで行きましょう
GM:次は行動値8のアイシャさんかアカツキさんです。
アイシャ・T・ローズ:当機から行動します。
鷹条アカツキ:レッツゴー!
十掬キョウ:イエイイエイ
アイシャ・T・ローズ:マイナーなし、メジャーでNS『状況に対処します』《コンセントレイト》《巨匠の記憶》
アイシャ・T・ローズ:布能鰐ニアへの轢殺アタックを敢行します。
アイシャ・T・ローズ:命中判定。先生の支援も乗せて。
アイシャ・T・ローズ:(3+3+3+1)dx7+5-1
DoubleCross : (10DX7+4) → 10[2,3,3,3,4,5,6,6,9,9]+10[4,8]+6[6]+4 → 30

十掬キョウ:いい数字
鷹条アカツキ:ちょうど良し
アイシャ・T・ローズ:ダメージを算出します。
アイシャ・T・ローズ:4d10+20 装甲ガード有効
DoubleCross : (4D10+20) → 18[9,2,1,6]+20 → 38

鷹条アカツキ:削り上手すぎ
GM:ほどよい……
アイシャ・T・ローズ:これにてバトンタッチです。
鷹条アカツキ:やってたでしょタイムアタック
鷹条アカツキ:ではオレの手番
鷹条アカツキ:《ウルトラボンバー》《コンセントレイト:エグザイル》《オールレンジ》必中の弓による射撃攻撃
鷹条アカツキ:クウリちゃん第3の効果を貰おうか。虹だ!虹を出してくれ!
六条クウリ:エフェクトレベルが上がる虹を出すよ~
鷹条アカツキ:うおお目指せハイスコア!
鷹条アカツキ:11dx6+14
DoubleCross : (11DX6+14) → 10[2,3,3,3,4,4,6,7,10,10,10]+10[3,6,7,8,9]+10[1,3,8,10]+10[4,9]+10[7]+10[6]+10[7]+10[9]+5[5]+14 → 99

十掬キョウ:調整は???
鷹条アカツキ:?
GM:やる気満々
鷹条アカツキ:ガイドドローン使う?
十掬キョウ:もったいなくない?
鷹条アカツキ:そうかも
鷹条アカツキ:じゃあダメージ出します
鷹条アカツキ:46+15+10d10
DoubleCross : (46+15+10D10) → 46+15+60[6,5,8,7,1,5,3,6,9,10] → 121

鷹条アカツキ:通算159ダメージだね
十掬キョウ:上手すぎない?
アイシャ・T・ローズ:ナイスダメージです。
鷹条アカツキ:ウルトラボンバーで吹っ飛び、リザレクト
鷹条アカツキ:鷹条アカツキの侵蝕率を1d10(→ 7)増加 (79 → 86)
GM:絶妙すぎ
鷹条アカツキ:鷹条アカツキの侵蝕率を8(→ 8)増加 (86 → 94)
眩星かんな:調整が上手すぎる
GM:反撃が発生するのでダメージを出します。これ一発だけになりそうだけど……
GM:10d10
DoubleCross : (10D10) → 53[3,8,6,4,1,6,7,7,1,10] → 53

GM:全員に53点!
十掬キョウ:まもって~
鷹条アカツキ:キョウちゃんを守ってあげて…
アイシャ・T・ローズ:はい。ちょっと計算中……
アイシャ・T・ローズ:SS『重力制御システム作動』《グラビティガード》でガードしつつ
アイシャ・T・ローズ:EX『横から失礼します』《砂の結界》で十掬様をカバーします。
アイシャ・T・ローズ:アイシャ・T・ローズの侵蝕率を3(→ 3)増加 (82 → 85)
アイシャ・T・ローズ:アイシャ・T・ローズの侵蝕率を2(→ 2)増加 (85 → 87)
アイシャ・T・ローズ:実ダメージを算出します。
鷹条アカツキ:そのまま倒れるよりお得っぽいのでリザレクト
鷹条アカツキ:鷹条アカツキの侵蝕率を1d10(→ 1)増加 (94 → 95)
鷹条アカツキ:うーん
アイシャ・T・ローズ:53-30-12-3d10
DoubleCross : (53-30-12-3D10) → 53-30-12-20[9,8,3] → -9

アイシャ・T・ローズ:-9の二倍。ノーダメージです。
GM:かたい
十掬キョウ:すご~
眩星かんな:さすが
眩星かんな:私も喰らってリザレクトしとこ
眩星かんな:77+1d10
DoubleCross : (77+1D10) → 77+1[1] → 78

眩星かんな:HP1
十掬キョウ:みんなリザうま
GM:優秀……
GM:では最後に行動値5の十掬さんだ
十掬キョウ:はーい
十掬キョウ:本気出さなくてよさそうだなこれ あと41点なら……
十掬キョウ:素殴りでいいんだなこれ……トツカの効果だけ使います
十掬キョウ:あとクウリちゃんの☆1効果ももらう!
六条クウリ:がらんがらん(ダイス+5の音)
十掬キョウ:十掬キョウの侵蝕率を2(→ 2)増加 (106 → 108)
十掬キョウ:19dx9-1
DoubleCross : (19DX9-1) → 10[1,1,1,1,3,3,3,3,6,6,7,8,8,8,8,9,9,9,9]+8[4,6,7,8]-1 → 17

十掬キョウ:2d10+16+11+15
DoubleCross : (2D10+16+11+15) → 10[4,6]+16+11+15 → 52

鷹条アカツキ:GG
アイシャ・T・ローズ:GGです。
十掬キョウ:ごっつん
眩星かんな:ナイスだぜ
GM:200点突破!PCたちの勝利です
アイシャ・T・ローズ:あ、メジャーの侵蝕上げてなかったので上げます。
アイシャ・T・ローズ:アイシャ・T・ローズの侵蝕率を4(→ 4)増加 (87 → 91)
GM:思った以上にスムーズだったな……
GM:演出に移っていきましょう


眩星かんな:「──とはいえ、攻撃に過剰な威力を乗せる必要もない。この戦いの焦点は"意志"にあるからだ」
眩星かんな:「君達がなぜカカオを加工せんとし、チョコレートを欲しているか。ありったけの熱量を──"見せつけてやれ"」
眩星かんな:首元の茨のような痣が灼光を伴う。眩星かんなの能力は、言霊を媒介とした事実の誇大化。
眩星かんな:当人が望む事柄に限って、本来眠る最奥から真髄を引き摺り出し、最良の結果を導く。
アイシャ・T・ローズ:「承知しました──」
十掬キョウ:「うん、任せてよ!」
鷹条アカツキ:「ああ、やってみる!」
アイシャ・T・ローズ:「では。行きます!」
アイシャ・T・ローズ:火山の内部という環境の温度とは違う、内側に灯るような熱。
アイシャ・T・ローズ:機体を制御するロジックとは到底言い難い、その感触に背を押されるような感覚。
アイシャ・T・ローズ:ただそれに従い、汗を振り払って踏み出す。機械腕を構える。
アイシャ・T・ローズ:「当機には、正確に表現できるか分かりません」
アイシャ・T・ローズ:「ただ……」
アイシャ・T・ローズ:距離を詰め、踏み止まるようにして溜めたバネを機械腕に乗せて解き放つ。
アイシャ・T・ローズ:「届けたい。そう思ったから、当機はここにいます」
布能鰐ニア:「……!!」
布能鰐ニア:鉄のひしゃげる音。
布能鰐ニア:拳が布能鰐ニアに届く寸前、飛来した鉄鍋が滑り込み、自ら犠牲となって作り手を守った。
アイシャ・T・ローズ:「あっ、ボウルが……」
布能鰐ニア:「成程。なかなかだ」
布能鰐ニア:その一撃に呼応するように、レネゲイドがざわめく。浮遊する種々の包丁やナイフの類が、敵意を帯びたように切っ先を君たちへ向ける。
布能鰐ニア:「もっとやってみな」
鷹条アカツキ:「ああ、思いっきり見せてやるさ!」
鷹条アカツキ:今まさに攻撃態勢を取った刃たち、その至近へと既に距離を詰めている。
鷹条アカツキ:(布能鰐の出力効果はおそらく、無数の作品を自在に操作する器物使いRCというところ)
鷹条アカツキ:近頃目にした中では、KMPの収容所から脱獄した錆取ムルティの広域制圧能力と近い。扱う技量も正しく達人!
鷹条アカツキ:「一手与えれば数の利もひっくり返されかねない、ならオレの仕事は出掛かりを潰すことだ」
鷹条アカツキ:汗でべったりと張り付いた制服が、内側からむくりと膨れ上がる。
鷹条アカツキ:ウロボロス能力で吸収したレネゲイドを、エグザイルの異形化によって炸薬・弾頭として形成。
鷹条アカツキ:いわば己の肉体を爆弾に変化させる力を、炸裂させんとしたところで
鷹条アカツキ:『なぜカカオを加工せんとし、チョコレートを欲しているか』
鷹条アカツキ:先生から言いつけられた力ある言葉が、不意に頭の中で大きくなって
鷹条アカツキ:「~~っ!」抱えた"熱量"と結びついて、思わぬ化学反応。
鷹条アカツキ:刃を散らし攻撃を阻害せんとぶちまけた爆発は、これまでに出せた経験がないほどの破壊力を生み出した。
十掬キョウ:「アカツキちゃん!?」
布能鰐ニア:「!!」
布能鰐ニア:攻撃用の陣形が、守備のために崩れた。そうしなければ即座に全滅すると理解したためだ。
布能鰐ニア:射出の時を待っていた刃物の大部分が吹き飛び、大幅にその数を減じる。
布能鰐ニア:「──ッチ!」その減った弾が、それでもなお容易く人を貫通する威力を持ち、君たちに向けて襲い掛かる。
十掬キョウ:「わっ……!」乗じて駆け出そうとしていた。避けられない。
アイシャ・T・ローズ:「そのままで」バックステップで爆発から逃れるまま、十掬キョウを捉えた鉄の射線に身を躍らせる。
アイシャ・T・ローズ:「シールド解放。フルゲイン!」
アイシャ・T・ローズ:ブロッキングの構えから前面に放たれた重力場が、迫る凶器の雨を押しとどめ、吹き飛ばす。
鷹条アカツキ:「ゲホッゲホ…頼んだぞ十掬!」爆炎の向こうから五体満足の姿で顔を出す。
鷹条アカツキ:服があちこち破けているし、刃も幾つか突き刺さっており、ついでに何故か顔が真っ赤だ。
十掬キョウ:「アイシャちゃん!アカツキちゃん!」
アイシャ・T・ローズ:「もう一声。お願いします、十掬様」
十掬キョウ:「うん、任せて!」
十掬キョウ:「トツカ、君は……!」
十掬キョウ:「今はおやすみ!」トランクケースをドスンと置く。
十掬キョウ:駆け出す。そうして、転がっていた金物を拾い上げながら。
十掬キョウ:「やっぱりさ、これで示したほうがはっきりするよね!」
十掬キョウ:その手にはお玉。「僕としてもこっちを絶賛練習中なんだ!」
十掬キョウ:迎撃の刃物を掬い上げるようにして受け流しながら肉薄。振りかぶって頭にコツン、と当てる。
十掬キョウ:「どう?結構サマになってるでしょ」
布能鰐ニア:「……む……」
布能鰐ニア:「……」
十掬キョウ:「まだやる?もう示せたんじゃないかな?」
布能鰐ニア:「お玉は人を殴るもんじゃねえだろ」
十掬キョウ:「包丁だってお鍋だって飛ばしてぶつけるものじゃないじゃない」
布能鰐ニア:「カッ。冗談だよ」
布能鰐ニア:がしがしと頭を掻く。「参った。確かに器は見せてもらった」
眩星かんな:「ああ。皆、私が想定してるよりずっと凄まじい熱量だった。ミッション達成だね」仰向けのまま、脳天に刺さった包丁を抜く。
十掬キョウ:「ほんと?じゃあ合格?やった~!」
十掬キョウ:「やった~!」そのままニアちゃんに抱きつく。
布能鰐ニア:「おわっ何だ一体」受け止める。
アイシャ・T・ローズ:「伝わって何よりです……ああ、合コン流ですね」
十掬キョウ:「なんかこうしたい気持ちになったの!」
鷹条アカツキ:「……」十掬の決着の付け方に、なんか一人で空回りしたような居心地の悪さを感じつつ
六条クウリ:「先生それ平気……?」
アイシャ・T・ローズ:先生の脳天に絆創膏を貼りながら合コン流の様子を見守っている。
鷹条アカツキ:「真似できないな」自分とは違う仲間に、信じて任せた甲斐があったとも感じている。
六条クウリ:「……」取り出しかけていた包帯をそっとしまう。
眩星かんな:「ありがとうアイシャちゃん……大丈夫さ。二重冠はなくとも必要最低限の頑丈さはある」
眩星かんな:「……ふむ?」クウリちゃんの所作を見て、小さく首を傾げる。
六条クウリ:「ど、どうかしましたか」顔を背ける。
六条クウリ:「そ、それよりさ、もらえるんだよね? 包丁」
眩星かんな:「いや。ククリちゃんもナイスアシストだったよ」煤が付いた砂埃を払いながら立つ。
十掬キョウ:「あっそうだよ!」ばっと離れて。
十掬キョウ:「くれるんだよね?」
六条クウリ:そっぽを向いたまま頬を染める。
布能鰐ニア:「ああ」頷き、庵から一本の包丁を出してくる。
布能鰐ニア:「今まで打った中での最高傑作、名は“双龍”」
布能鰐ニア:「その片割れだ」
十掬キョウ:「片割れ……?」
アイシャ・T・ローズ:「ダブル・ドラゴン……」
十掬キョウ:「じゃあ、もう一振りあるってことなのかな」
鷹条アカツキ:(なんで英語で言った?)
布能鰐ニア:「つい数日前に来た奴がいたんだよ。そいつに渡した」
眩星かんな:「へぇ。その子もカカオを切りに来たってことかな」
布能鰐ニア:「そう言ってたな」
布能鰐ニア:「何やら妙に、チョコの甘い香りが染み付いた奴だったよ」
十掬キョウ:「強かったんだ、その子?」
十掬キョウ:「チョコ……?」
十掬キョウ:「レイちゃんじゃないのかな……?」
アイシャ・T・ローズ:「出鶴レイならば、刃物を求めてここに来るとは考えにくいかと」
アイシャ・T・ローズ:「彼女はもう、斬れますからね」
鷹条アカツキ:「チョコの甘い香りが染み付いた奴……」
鷹条アカツキ:「まさか在野にまだいるのか、めちゃくちゃ腕の立つカカオ狙いが」
眩星かんな:「崑崙の僻地に単独で乗り込めるチョコフリーク、か」
十掬キョウ:「狙いっていうか……」
十掬キョウ:「染み付いてるほどだったら、普段から扱う子なんじゃない……?」
六条クウリ:「普段から……?」
アイシャ・T・ローズ:「はい。そちらの方が筋が通るでしょう」
鷹条アカツキ:「……ってーと」ガサゴソと耐火鞄からプリントを取り出す。
鷹条アカツキ:メサイア学園でも参照していた、行方不明パティシエの一覧だ。照合しやすいように顔写真も添付してある。
鷹条アカツキ:「もしかしたら……この中に、っていうかこいつだったりしない?」
鷹条アカツキ:そう言って示すのは未だ消息が掴めず、そしてチョコづくりに関しては最高峰の達人でもある蓮刈フエカの顔。
布能鰐ニア:「ああ、こいつだ、こいつ」
布能鰐ニア:「なんだ、知り合いだったのかよ」
鷹条アカツキ:「おう……」
鷹条アカツキ:それだけ返して暫く黙る。
十掬キョウ:「そんなに腕が立つ子なの?」
鷹条アカツキ:「うーん……ここまで来れたならそうなんだろうけど」
眩星かんな:「ノヴァリストップパティシエールながら、崑崙の僻地に単独で乗り込めるチョコフリーク……」
鷹条アカツキ:「戦闘の腕前もパティシエの実力も今日初めて知ったから。あいつの事全然分かってなかったんだな……って」
眩星かんな:「すごいね。ショコラショコラン校にはこんな実力者が忍んでいたのか」
鷹条アカツキ:「一人で寂しくしてないで、動く気になったのはちょっと安心したけどさ」
眩星かんな:「……ともかく、無事だったのは朗報だね」
アイシャ・T・ローズ:「………」
眩星かんな:「だが、ルーン・カカオを加工するために包丁を調達したのならば懸念もある」
十掬キョウ:「懸念?」
眩星かんな:「レイちゃんとかち合ったりしてないかなって」
アイシャ・T・ローズ:「考えられることですね」
十掬キョウ:「そうかも!2人のことなんとか見つけたいね」
鷹条アカツキ:「そうだ、ただでさえ今のあいつは片腕が使えないのに……」
鷹条アカツキ:「……片腕使えないのにここまで来てたの?ちょっと凄すぎないか」
眩星かんな:「一周回ってレイちゃんといい勝負するかもしれないね」
十掬キョウ:「チョコを作る以外なら出来るんじゃないかな?」
十掬キョウ:「ほら、この間助けたショコラン生の子みたいに……」
鷹条アカツキ:「ああ、それもそうか……負傷とそこから治るタイミングが上手く掴めてないんだよな」
鷹条アカツキ:「なにしろ怪人の正体と情報が不明瞭なままだから」
アイシャ・T・ローズ:「当機らがパティシエでないからか、まるで出会いもしませんし……」
十掬キョウ:「頑張ってパティシエになるしかないのかなあ」
十掬キョウ:「まだ委員会のみんなと比べたら全然なんだよね僕」
アイシャ・T・ローズ:「当機の製菓スキルも、『ローズランド』の中では……」珍しく断言せず、首を横に振る。
十掬キョウ:「でもとにかく……今はあれかな。あれかも」
十掬キョウ:「涼しいところに行きたいよ」
鷹条アカツキ:「それは……賛成」
アイシャ・T・ローズ:「同感です。高温による負荷が深刻です」
鷹条アカツキ:「欲を言えばあんまり人が襲ってこないところが良いな」
眩星かんな:「そうだね。私もこれ以上ここに居たら100m走がもっと遅くなりそうだ……」


GM:シーン終了。ロイス取得と購入、アイテム交換が可能です。
鷹条アカツキ:友達:十掬キョウ/P尊敬〇:N嫉妬
鷹条アカツキ:これで7枠埋まりだ
アイシャ・T・ローズ:鷹条様のロイスを ●信頼/脅威(射撃) に変更。
アイシャ・T・ローズ:十掬様に ●好奇心/脅威(腕力) 、先生に ●感服/脅威(大人) にて新規に取得。これで7枠です。
鷹条アカツキ:()
十掬キョウ:-先生/眩星かんな/親愛:○/体力不安/ロイス
十掬キョウ:-お友達/アイシャ・T・ローズ/親愛:○/ちょっと昔の僕っぽくて恥ずかしい/ロイス
眩星かんな:十掬キョウ/○信頼/合コン委員会には共通パーソナリティみたいなものがあるのかい?
鷹条アカツキ:えっかわいい~
アイシャ・T・ローズ:そうとは……興味深いです
鷹条アカツキ:アイテム交換で呪印を刻みたいです
十掬キョウ:-お友達/鷹条アカツキ/親愛:○/なんかたまにソワソワしてる?/ロイス
鷹条アカツキ:は?しらん……
眩星かんな:アイシャ・T・ローズ/○信頼/しっかりと馴染めているようで何よりだ
鷹条アカツキ:先生、私たちみんなのことを信頼してくれてる
十掬キョウ:購入は応急手当狙います
アイシャ・T・ローズ:恐縮です。
鷹条アカツキ:3dx+3>=9 購入は高性能医療キットで
DoubleCross : (3DX10+3>=9) → 10[1,2,10]+2[2]+3 → 15 → 成功

十掬キョウ:3dx+2>=8
DoubleCross : (3DX10+2>=8) → 9[4,7,9]+2 → 11 → 成功

十掬キョウ:あと僕覚えてるよ!
鷹条アカツキ:成功、アイシャ使っていいよ~
十掬キョウ:クウリちゃんが使える 購入に
六条クウリ:つかえるよ~
アイシャ・T・ローズ:ありがとうございます……が、当機、無傷です
十掬キョウ:自分を回復させときます~
鷹条アカツキ:偉い!
十掬キョウ:十掬キョウのHPを2d10(→ 8)増加 (38 → 45)
眩星かんな:かてぇ~
十掬キョウ:MAX回復しました
鷹条アカツキ:すご
アイシャ・T・ローズ:今ほど自慢の装甲が憎いと思ったことはありません……
鷹条アカツキ:オレはなんなら勝手に死ぬけど、まあ使って損することもないか
鷹条アカツキ:1+3d10
DoubleCross : (1+3D10) → 1+8[5,1,2] → 9

鷹条アカツキ:やっぱ病院ない学区は駄目だわ
十掬キョウ:残りはマンドラゴラ2にしとく?
十掬キョウ:僕はこの後もガッツリ侵蝕上がるしあるとありがたい
眩星かんな:私も高級手当買っとくか
鷹条アカツキ:良いと思います
アイシャ・T・ローズ:いいと思います~
眩星かんな:よさそう
十掬キョウ:じゃあそうしよう!
眩星かんな:5dx+4>=9
DoubleCross : (5DX10+4>=9) → 10[3,4,5,7,10]+9[9]+4 → 23 → 成功

十掬キョウ:これで自分は終わったので十字冠の侵蝕低減処理を入れます
十掬キョウ:十掬キョウの侵蝕率を10(→ 10)減少 (108 → 98)
鷹条アカツキ:呪印で2,マンドラゴラで6使って残カカオ1でフィニッシュだね
十掬キョウ:十掬キョウの侵蝕率を1d10(→ 2)減少 (98 → 96)
十掬キョウ:チョットさがる
眩星かんな:1+3d10 自分宛て
DoubleCross : (1+3D10) → 1+19[5,5,9] → 20

アイシャ・T・ローズ:特に買う物もない……ので崑崙産リアクティブアーマーを狙ってみます。
鷹条アカツキ:呪印を所持して侵蝕率100%
眩星かんな:以上
アイシャ・T・ローズ:(4+3)dx+6>=24
DoubleCross : (7DX10+6>=24) → 9[1,3,4,5,5,8,9]+6 → 15 → 失敗

鷹条アカツキ:鷹条アカツキの侵蝕率を5(→ 5)増加 (95 → 100)
十掬キョウ:クウリちゃん使ってあげな
アイシャ・T・ローズ:あっ
鷹条アカツキ:十字冠効果で下がります
鷹条アカツキ:100-1d10-10
DoubleCross : (100-1D10-10) → 100-9[9]-10 → 81

十掬キョウ:ぬりぬり
鷹条アカツキ:やんやん
アイシャ・T・ローズ:すごく効いてる
アイシャ・T・ローズ:もう振っちゃったしこちらの買い物は失敗としましょう。
六条クウリ:5個で振ってもいいよ!
アイシャ・T・ローズ:六条様……やさしさの塊……
アイシャ・T・ローズ:5dx+6
DoubleCross : (5DX10+6) → 10[3,5,5,8,10]+2[2]+6 → 18

アイシャ・T・ローズ:の、伸びた
アイシャ・T・ローズ:お小遣いを6点投入して成功に。装備しておきます。
GM:よかったよかった
十掬キョウ:やった~


【クライマックス】

GM:全員登場をお願いします。
眩星かんな:78+1d10
DoubleCross : (78+1D10) → 78+10[10] → 88

十掬キョウ:十掬キョウの侵蝕率を1d10(→ 4)増加 (96 → 100)
鷹条アカツキ:鷹条アカツキの侵蝕率を1d10(→ 6)増加 (81 → 87)
アイシャ・T・ローズ:アイシャ・T・ローズの侵蝕率を1d10(→ 8)増加 (91 → 99)
GM:キョウちゃんがまた100にいってる


GM:山を下り、間もなく崑崙山学区を出ようかという境界の森の中。
GM:ゆらりと君たちの前に歩み出た人物がいる。
出鶴レイ:「……まさかニアと会うことまでできたとはな」
出鶴レイ:「だが、それでこそ最後の獲物として相応しい」
十掬キョウ:「あっ出たね!」
アイシャ・T・ローズ:「出鶴、レイ……」
眩星かんな:「やぁ、久し振り。そろそろチョコも食べ過ぎで飽きてきたんじゃないかな?」
鷹条アカツキ:「色々ありすぎて久しぶりな気も、あちこちで名前が挙がったからずっと一緒に居たような気もするな」
出鶴レイ:「食べちゃいない。どのみち全てのチョコが私の所有となったと知らしめた後は、全部譲ってやる心算だった」
六条クウリ:「譲るって……」
鷹条アカツキ:「チョコ自体には本当に興味が無いって訳」
鷹条アカツキ:「迷惑加減と我が儘っぷりはむしろ増して感じられるが……」
鷹条アカツキ:「……じゃあ、パティシエの腕を狩る怪人は、やっぱ別口か?」
十掬キョウ:「別人でもなくっても、レイちゃんは止めなきゃだよ!」
眩星かんな:「そうだね。最終的に返すとはいっても、全てが元通りになるってわけじゃないから」
出鶴レイ:「返す? いいや」
出鶴レイ:「譲るのは、あいつにさ」君たちの後方に視線を向ける。
十掬キョウ:「はえ」
アイシャ・T・ローズ:「?」ちら、とそちらに目を向ける。
鷹条アカツキ:「……お前は」
???:ずし、と土を踏む音がする。
???:闇を塗り込めたような漆黒の姿。全体としては人間の体でありながら、不釣り合いに大きな鉤爪を備えた異形。
鷹条アカツキ:「……腕はいいのかよ、フエカ」
???:「……」
???:「ばれてたか」
???:影が解ける。
十掬キョウ:「えっ?」
蓮刈フエカ:現れたのは、鷹条アカツキのよく知るショコラティエの姿。
蓮刈フエカ:右腕を包帯で吊っていて──
蓮刈フエカ:──だが、それを事も無げに解き、ぷらぷらと軽く振って見せる。
蓮刈フエカ:「だから言ったのに……」
蓮刈フエカ:「私が友達だから、って思ってくれてるから動くんだとしたら、やめた方がいいって」
アイシャ・T・ローズ:「怪人に襲われ、負傷されたと伺いましたが……」
十掬キョウ:「えっこれどういうこと……?」
アイシャ・T・ローズ:「違った。そういうことなのでしょうか」
鷹条アカツキ:「オレの仕事でもあるって言ったろ。余計な事するのも、友達を疑うのもその中に入る」
出鶴レイ:「なかなか面白い誘いだったぞ」
鷹条アカツキ:「ノヴァリス一の達人とまで言われる女が、たかが腕一本で諦めムードになるとは思えなかったもんでな」
眩星かんな:「気になるね。説明してくれるかい?」
出鶴レイ:「“今年のバレンタインのチョコレートは、私が作ったものだけを皆が食べればいい”」
十掬キョウ:「え~!?」
出鶴レイ:「そのために私と組み、原料に至るまでチョコレートを独占する一方で、自分は他の菓子職人から力を奪った……」
出鶴レイ:「とんだ酔狂者がいると思ったよ」
十掬キョウ:「崑崙みたいなショコラン生もいるんだなあ」
鷹条アカツキ:「いやしかし、だいぶしっくり来たな」納得げ。
鷹条アカツキ:欲望を育むFH式の教育で最も力を伸ばした友達が、簡単に泣き寝入りするというよりは。
アイシャ・T・ローズ:「………」
眩星かんな:「そうかい?……私は結構びっくりしたけれど」
六条クウリ:「そりゃあするでしょ……こんなでたらめな真似」
鷹条アカツキ:「今回のバレンタインで色々困らされたからよ、外の情報もちょっとは仕入れてな」
鷹条アカツキ:「チョコレートを配る習わしは、日本のチョコレート業界が始めたっていうじゃないか」
十掬キョウ:「困ったから仕入れた……ホントかなあ」
鷹条アカツキ:「うるせーやい!本当にうちの学校大変だったんだからな!」
鷹条アカツキ:「ノヴァリスで一番のチョコレートを作ろうって奴が、これは自分の為のイベントだって張り切るのも分かる話じゃねえか」
鷹条アカツキ:「最先端のその先を行くのがノヴァリスの一流だ」
蓮刈フエカ:「そうだよ」
蓮刈フエカ:「ましてや……最後なんだもの。皆は知っている?」
蓮刈フエカ:「一度ノヴァリスを卒業した者は、二度とこの都市に足を踏み入れることはできない」
蓮刈フエカ:「帰ってこられない以上、去る者がやがて忘れられるのは避けられない。それは嫌」
蓮刈フエカ:「だから、絶対に忘れられないようなチョコレートを食べさせる」
蓮刈フエカ:「この都市に生きるもの全てに──」懐に手を差し入れる。
蓮刈フエカ:取り出すのは、禍々しい気配を放つ首輪。
蓮刈フエカ:「──甘い記憶の爪痕を」
十掬キョウ:「あれは……?」
十掬キョウ:「なんか……ムズムズする!」
鷹条アカツキ:「おま、それは止めろ!」
鷹条アカツキ:「本気でキレるぞ!馬鹿なことをするんじゃない!」
アイシャ・T・ローズ:「高濃度のレネゲイド侵蝕反応があります……」
眩星かんな:「……それは、やめた方がいい」終始貫いていた笑顔が消え、表情が一等険しくなる。
蓮刈フエカ:首輪を着ける。
蓮刈フエカ:黒い風が波動となって吹き抜ける。木々がざわめき、鳥が一斉に飛び去る。
蓮刈フエカ:「あなたたちの持っているカカオが最後」
十掬キョウ:「……!」
蓮刈フエカ:「ごめんね。もらうよ」
眩星かんな:「何が君をそこまで駆り立てた?育った地で存在を忘れられることがそこまで苦痛だったのか?」
眩星かんな:「クープ・デュ・トロワの優勝経歴もあるほどのパティシエだ。チョコを作れなくなることの意味は、君が一番よく分かってるんじゃないか?」
眩星かんな:「申し訳ないが、その目論見を看過することはできないな。レイちゃんともどもお灸コースだ」
蓮刈フエカ:「できるものなら」
蓮刈フエカ:その身を再び影が包む。のみならず、広がって分裂し、独立した形を持って動き出す。
蓮刈フエカ:仄かな甘い香りが届く──それはチョコレートなのだ。極めて精巧に作られた、東方の神を模した二体の従者。
出鶴レイ:合わせるように、刀の柄に手を掛けて身を沈める。
蓮刈フエカ:「チョコを扱えば誰にも負けない。文字通りだって証明してあげる」
アイシャ・T・ローズ:「……これまでに得たルーン・カカオは当機のストッカーに保管しております」
アイシャ・T・ローズ:手をかざすと、クラシックなメイドの姿から分化するように、獣道に装甲車が躍り出る。
アイシャ・T・ローズ:「即ち。当機を下せば、あなたの目的は叶うでしょう」
アイシャ・T・ローズ:「ですが……」かざした手を握る。装甲車が光の粒子に分解され、肉体に溶け込むようにして消えていく。
アイシャ・T・ローズ:「渡せません。それは当機の──」
アイシャ・T・ローズ:目を閉じる。この短い旅の始まりから記憶していることが次々と再生される。
アイシャ・T・ローズ:始まりは製菓用チョコレートの異常な高騰。すぐに仕入れ自体が出来なくなった。
アイシャ・T・ローズ:それから『ローズランド』に変化が起きた。来店されては落胆して帰っていくお客様の姿。
アイシャ・T・ローズ:果ては銃撃戦になって、店舗王宮が爆破されて、騒動の発端バレンタインの教示を陛下から受けて。
アイシャ・T・ローズ:オークション会場で、目的を同じくする方々と出会って。
アイシャ・T・ローズ:キングダムに、ジェネシスに、ショコラショコランに、ここ崑崙山に赴いて。
アイシャ・T・ローズ:このかたちを得て僅か一年。人の真似事を始めてたった一年。
アイシャ・T・ローズ:見たものは何もかも新鮮で、衝撃的で、だから、
アイシャ・T・ローズキョウ・・・と、クウリ・・・と、アカツキ・・・・と、かんな先生・・・・・と行く旅の終わりは、
アイシャ・T・ローズ:「当機らの目的に反します」最後までそのままで。絶対に曇らせたくない、と思う。
アイシャ・T・ローズ:くるり。出鶴レイに向き直る。
アイシャ・T・ローズ:「あなたにもようやく会えました。オークション会場での言葉、覚えていらっしゃいますね」
アイシャ・T・ローズ:「預けておりました下半分、回収させていただきます」
アイシャ・T・ローズ:言い放つと同時、両腕から実体化した機械腕が威容を示す。
GM:出鶴レイと蓮刈フエカ、そして忌むべき堕剣の楔片から、大気が震えるほどの敵意が放たれる。
GM:それは君たちのレネゲイドの、原初の本能を呼び覚ます。
GM:衝動判定です。難易度は9。
十掬キョウ:6dx>=9
DoubleCross : (6DX10>=9) → 10[1,4,6,6,8,10]+6[6] → 16 → 成功

眩星かんな:4dx>=9
DoubleCross : (4DX10>=9) → 9[2,4,9,9] → 9 → 成功

十掬キョウ:十掬キョウの侵蝕率を2d10(→ 12)増加 (100 → 112)
アイシャ・T・ローズ:(4+1)dx+2+1>=9
DoubleCross : (5DX10+3>=9) → 10[1,3,7,8,10]+4[4]+3 → 17 → 成功

アイシャ・T・ローズ:アイシャ・T・ローズの侵蝕率を2d10(→ 7)増加 (99 → 106)
鷹条アカツキ:4dx>=9
DoubleCross : (4DX10>=9) → 9[1,5,6,9] → 9 → 成功

鷹条アカツキ:鷹条アカツキの侵蝕率を2d10(→ 10)増加 (87 → 97)
GM:そしてまた、それに抗せよと告げるように。彼方、セイクリッドピラーの光が輝く。
GM:神聖二重冠の効果が使用可能になりました。

▼ 効果を見る(クリックで展開)

GM:クライマックス戦闘を開始します。初期配置は以下。
蓮刈フエカ[3]、風神[15]、雷神[5]
       |
      (5m)
       |
     出鶴レイ[7]
       |
      (5m)
       |
       PC
GM:また、引き続きNPC効果が使用可能です。
【六条クウリ】
★☆☆:
任意の対象が判定を行う直前に使用を宣言する。その判定のダイスを+5個する。ラウンド1回。
★★☆:
戦闘中、セットアッププロセスに使用可能。エンゲージひとつを指定し、そこに存在するPC全員を対象とする。
そのラウンドの間、対象全員の攻撃の攻撃力を+15する。ただし、対象はバッドステータスの暴走を受ける。対象はこの効果を拒否可能。
★★★:
任意の対象がエフェクトを使用する直前に宣言する。
そのタイミングで使用されるエフェクト全てのレベルを+1して効果を算出する。この時、レベルの上限を超えてもよい。ただし、エフェクトの使用回数は増加しない。ラウンド1回。
GM:質問等なければセットアップから!
十掬キョウ:勝利条件はどうなりますか?
GM:敵の全滅です。
十掬キョウ:チョコも倒さなきゃ 了解です~
鷹条アカツキ:勿体ない……
アイシャ・T・ローズ:回収して加工しなおしましょう。
アイシャ・T・ローズ:コーリングシステムでヴィークルに乗ります。行動値11→6
十掬キョウ:『進化の兆し』の強化効果を使用します!
六条クウリ:NPC効果で攻撃力+15(暴走付き)を撒くよ~
GM:何っ
GM:一体それは……
十掬キョウ:【肉体】を+3するよ~ 14になりました
鷹条アカツキ:むっちむち
十掬キョウ:十掬キョウの侵蝕率を10(→ 10)増加 (112 → 122)
眩星かんな:闘いの頭で成長してる
GM:頭にでっけえ十字冠のっけてんのかい
十掬キョウ:あと呪印の効果も使用しよう ラウンドの行動値を+5。
鷹条アカツキ:クウリの効果を受けつつ暴走し、行動値は据え置きで
眩星かんな:《限界突破》で《力の法則》をラウンド2回に。侵蝕が
眩星かんな:2d10してなかった。今します
十掬キョウ:十掬キョウのイニシアチブを5(→ 5)増加 (5 → 10)
十掬キョウ:クウリちゃんの効果ももらう!
眩星かんな:88+2d10
DoubleCross : (88+2D10) → 88+14[8,6] → 102

眩星かんな:105になって以上
蓮刈フエカ:なし
出鶴レイ:なし
アイシャ・T・ローズ:クウリ……様の効果は受けずにおきます。
風神:なし
雷神:《雷神の降臨》《波紋の城塞》。自身の攻撃力を+20、装甲を+12。
雷神:行動値を0に。
鷹条アカツキ:雷神が降臨してる!
アイシャ・T・ローズ:雷神に雷神が降臨してる……
眩星かんな:すごいことになってるなぁ
眩星かんな:やはり殴れないのでクウリちゃんの効果は受けないでおこう
GM:ではイニシアチブ
GM:何もなければ行動値15の風神から。
鷹条アカツキ:なし
風神:動いちゃお
風神:マイナー無し。メジャーで《サイレンの魔女》《さらなる波》。PC全員に攻撃します。
十掬キョウ:風やめて~
鷹条アカツキ:こらこら
アイシャ・T・ローズ:ひぃぃ。当機の装甲が~
風神:4dx+13
DoubleCross : (4DX10+13) → 9[6,8,8,9]+13 → 22

鷹条アカツキ:暴走リア不。リザレクトで受ける構え
風神:リアクションせよ!
十掬キョウ:暴走中だよ~
眩星かんな:4dx>=22
DoubleCross : (4DX10>=22) → 10[3,5,6,10]+10[10]+8[8] → 28 → 成功

眩星かんな:やったぜ
GM:!?
十掬キョウ:すご
アイシャ・T・ローズ:おおっ
アイシャ・T・ローズ:ワンチャンに懸けてSS『重力制御システム作動』《グラビティガード》でガードしつつ
アイシャ・T・ローズ:EX『横から失礼します』《砂の結界》
アイシャ・T・ローズ:キョウ……様をカバー。
アイシャ・T・ローズ:アイシャ・T・ローズの侵蝕率を3(→ 3)増加 (106 → 109)
アイシャ・T・ローズ:アイシャ・T・ローズの侵蝕率を2(→ 2)増加 (109 → 111)
鷹条アカツキ:あらあら
風神:ダメージ。
十掬キョウ:アイシャちゃん……!
風神:3d10+30
DoubleCross : (3D10+30) → 27[8,9,10]+30 → 57

風神:出目がよい 装甲無視です
アイシャ・T・ローズ:たか!これはリアクティブアーマーを砕いてもだめぽい……
鷹条アカツキ:リザレクト!
鷹条アカツキ:鷹条アカツキの侵蝕率を1d10(→ 2)増加 (97 → 99)
アイシャ・T・ローズ:57-12-4d10
DoubleCross : (57-12-4D10) → 57-12-17[6,4,4,3] → 28

アイシャ・T・ローズ:二倍して56点。落ちるのでキョウ…………様のロイスをタイタス昇華して復活します。HP11。


風神:吹き始めた風が止まない。むしろますます強くなり、空が急速に黒雲に覆われていく。
風神:宙に浮き、ぐるりぐるりと帯を回す従者の一体。それが見栄を切るような姿勢を取ると、轟、と唸りを上げた風が、防ぎ得ぬ刃となって君たちへ吹き付ける!
十掬キョウ:「うわっ……!?」
アイシャ・T・ローズ:「当機にお任せを。止めま──」
アイシャ・T・ローズ:吹き付ける風。受け止めた機械腕の表面が裂開する。
アイシャ・T・ローズ:「! こ、これは……!?」思わぬ損傷に声を上げながらも、破損箇所を再構築する。
鷹条アカツキ:「が、あッ……!」小さな身体が軽々と煽られ、切り刻まれたあちこちから血煙を噴き上げる。
六条クウリ:「くうっ……」
眩星かんな:「……やはり、生み出す威力は大したものだね。その首輪」二重冠の制約を越え、ジャームに相当する高侵蝕率状態化。
鷹条アカツキ:「ふざけやがって……こんなん全然響かねえぞ!」しかし傷は最小限、風に身を委ねて被弾を抑えている。
十掬キョウ:「アイシャちゃん……!この~っ!」
眩星かんな:「みんな」
眩星かんな:「戦闘中に私のことを気にする必要はないが」
眩星かんな:「私の声だけは聞いといてね。別に従わなくてもいいけど」
十掬キョウ:「声?」
眩星かんな:「ああ。私は100m走を22秒でしか走れない代わりに"応援"が凄く上手い」
眩星かんな:「今、フエカちゃんに掛かっているバフは突拍子もないほど膨大なものだからね。それを"応援"で相殺する」
鷹条アカツキ:「気にするし聞いとくよ、岩の話をされなかったとしても」
鷹条アカツキ:「先生のことは尊敬してるし、よく見てくれてるのも分かってるからな!」
アイシャ・T・ローズ:「……ぺしゃんこになられては困ります」
アイシャ・T・ローズ:「当機にはまだ、教えていただくべきことが多いように思いますので」
アイシャ・T・ローズ:「守ります。当機の及ぶ限り……!」
十掬キョウ:「うん、先生、僕たちに応援をお願いね!」
眩星かんな:「──いい答えだ」首元に刻まれた痣の灼光が、先ほどよりも一層強まっていく。


GM:行動値12、かんな先生の手番です。
眩星かんな:はーい
眩星かんな:マイナーなし
眩星かんな:メジャー《エンジェルヴォイス》《風の渡し手》
眩星かんな:自身以外の生徒(PC)3人と、フレーバー的にクウリちゃんへ次メジャーC値-1と判定ダイス+2個。
眩星かんな:侵蝕112で以上。演出パス。
十掬キョウ:わあい
六条クウリ:嬉しい~
アイシャ・T・ローズ:ぐおおおん(バフを受ける音)
GM:では行動値10になった十掬さん!
十掬キョウ:はい!
十掬キョウ:マイナーでレイちゃんのエンゲージに行きます
十掬キョウ:メジャー《コンセントレイト:ハヌマーン》《鉄風乱舞》《原初の黒:命の剣》。レイちゃんを攻撃するよ~
出鶴レイ:こい~っ
十掬キョウ:命中判定前にウェポンケースからトツカを取り出して効果を使用。
十掬キョウ:十掬キョウの侵蝕率を2(→ 2)増加 (122 → 124)
十掬キョウ:19DX6-1
DoubleCross : (19DX6-1) → 10[1,1,3,3,3,3,4,5,5,6,6,6,8,8,8,8,8,9,10]+10[2,2,2,2,3,3,4,6,8,10]+10[6,6,10]+10[8,8,10]+10[7,10,10]+10[3,7,10]+3[2,3]-1 → 62

十掬キョウ:いい感じ!
出鶴レイ:高……ガードします。
眩星かんな:《力の法則》1回目
十掬キョウ:わーい!
眩星かんな:ダメ+6D10どうぞ。侵蝕116
十掬キョウ:やった~!いっくよ~
十掬キョウ:7d10+58+3+15+6d10 諸々有効
DoubleCross : (7D10+58+3+15+6D10) → 35[8,3,8,2,4,6,4]+58+3+15+38[8,9,8,2,10,1] → 149

GM:?
鷹条アカツキ:ほぼカントー地方じゃん
GM:どういう比喩?
十掬キョウ:あと君と僕とで揃うってわけだね!
十掬キョウ:十掬キョウの侵蝕率を10(→ 10)増加 (124 → 134)
出鶴レイ:生きてはいますがだいぶ死にそうです
十掬キョウ:しぶとい!
GM:演出どうぞ!


眩星かんな:「十掬キョウちゃん。それに、六条クウリちゃん」
十掬キョウ:「うん、先生!」
六条クウリ:「っ……はい?」
眩星かんな:「岩石の話で、私を優先して助けてくれると答えてくれて嬉しかった」
眩星かんな:「君達の様な素敵な女生徒からチョコレートを貰える人は」
眩星かんな:「きっと、とても幸せ者なんだろうね」
六条クウリ:「えっ。え、えっ」
眩星かんな:「──この戦いも、vsニアちゃんの時と一緒だ」
眩星かんな:「互いにチョコを求める者同士、どちらがより強い意志を持つかの勝負だ」
眩星かんな:「私が後ろについてる。だから、君達の素敵な想いを精一杯──"魅せつけてやれ"!」
十掬キョウ:「うん!僕は大事な人のために頑張るよ!」
十掬キョウ:「その思いを、ちゃんと乗せて伝える!」
六条クウリ:「あ、あーと、その……」
六条クウリ:「に、二言はないですね!?」顔が赤い。
眩星かんな:「……うん?ああ、私は嘘が苦手だからね」
六条クウリ:「うう……勝負に出る時かぁ……!?」
六条クウリ:「キョウちゃん!」大槌を振る。力強いその動きに合わせ、強化の音色が響き渡る。
十掬キョウ:「クウリちゃん!」それに合わせて、中天に大剣を掲げる。
十掬キョウ:強化を得る。それだけではない。まるで十字の曙光を負うように、刀身が更に光輝に閃く。
十掬キョウ:「此世の罪を取り除く神の仔𦍌よAgnus Dei, qui tollis peccata mundi: 僕らを憐れみ給えmiserere nobis.
十掬キョウ:「此世の罪を取り除く神の仔𦍌よAgnus Dei, qui tollis peccata mundi: 僕らを憐れみ給えmiserere nobis.
十掬キョウ:「此世の罪を取り除く神の仔𦍌よAgnus Dei, qui tollis peccata mundi: 僕らに平安を御与え下さいdona nobis pacem.
十掬キョウ:光輝を湛えた大剣をかき抱くように構え直して。
十掬キョウ:「ね、トツカ」刀身に囁くように告げる。「一緒にやってくれるよね?」
十掬キョウ:「君は僕のものなんだから」
 As you wish 十掬キョウ、最大出力で駆動します
十掬キョウ:瞬間。
十掬キョウ:その姿はそこにはない。
十掬キョウ:ハヌマーンシンドロームの高速駆動。通常予測されるそれをも遥かに超える速度での斬撃。
十掬キョウ:彼女の身体を、はるか遠くへと運び終えた。
十掬キョウ:その進路上にあるものに、破壊の口づけを残して。
十掬キョウ:「――転廻Turn
 Over
出鶴レイ:「グッ……!?」構えは取っていた。間合いに踏み込むもの在らば、即座に切り捨てる……他のどのような相手でも、そうできたはずの。「お前……」
出鶴レイ:「何だ……!?」
十掬キョウ:「十掬京!」
十掬キョウ:「“トツカ一族”の姓と、“都筑京香”よりの名を持つ者!」
十掬キョウ:「それから、合コン委員会!失われたものを悼み守る者!」
十掬キョウ:「それで……」振り返る。
十掬キョウ:「みんなのお友達!あるいは、君とだって!」
十掬キョウ:全身が五感に警戒を惹起するような光輝に、あるいは幽音に。
十掬キョウ:ひりつくような悪寒に、甘美なる芳香に、あるいは食欲を昂ぶらせるような獲物のように。
十掬キョウ:“その存在を無視できなくなる”ことこそが、彼女のたどり着いた進化の先。
出鶴レイ:「チッ……舐めるな!」
六条クウリ:(……。マジで、キョウちゃんがそれだったんだ)
六条クウリ:「昔に会ってなくて良かったな……」彼女に目を奪われたまま、無意識に呟く。
GM:再びイニシアチブ、行動値8のアカツキさん。
鷹条アカツキ:ここは先手を譲りましょう
鷹条アカツキ:目に物を見せてやりなさい、アイシャちゃん
十掬キョウ:先手……いったいどうやって
アイシャ・T・ローズ:はい。崑崙産リアクティブエプロンをおずおずと脱ぎます。
GM:なにっっ
アイシャ・T・ローズ:パサリ……と足元に落として行動値8に。
鷹条アカツキ:音
GM:なにっっっっっ
アイシャ・T・ローズ:行動を開始します。
アイシャ・T・ローズ:マイナーで戦闘移動。出鶴レイのエンゲージに進入します。
GM:そんなに走ったら残った衣服まで脱げてしまうのでは!?
鷹条アカツキ:走れメローズじゃん
アイシャ・T・ローズ:約束のために駆け抜けた者の物語ですね
アイシャ・T・ローズ:であれば……当機と彼女もまさに!
アイシャ・T・ローズ:メジャーでNS『状況に対処します』《コンセントレイト》《巨匠の記憶》
アイシャ・T・ローズ:出鶴レイに運転攻撃。
アイシャ・T・ローズ:命中判定。
アイシャ・T・ローズ:(4+3+4)dx7+5-1
DoubleCross : (11DX7+4) → 10[1,1,3,3,4,5,5,6,8,9,10]+6[1,1,6]+4 → 20

アイシャ・T・ローズ:むむむ。ちょっと低い
出鶴レイ:ガード!
眩星かんな:《妖精の手》2回目。侵蝕120
出鶴レイ:やめろーっ
アイシャ・T・ローズ:あっあったかい……からのあっ助かる……
アイシャ・T・ローズ:振り足します。
十掬キョウ:フレ~
アイシャ・T・ローズ:1dx7+24
DoubleCross : (1DX7+24) → 10[7]+5[5]+24 → 39

鷹条アカツキ:ガイドドローン使っとく?
十掬キョウ:入れちゃお
アイシャ・T・ローズ:残ってましたっけね。よろしければ。
出鶴レイ:邪悪な文明!!
アイシャ・T・ローズ:ジェネシスの英知でございます
アイシャ・T・ローズ:達成値41でフィックス。
アイシャ・T・ローズ:ダメージロール。
アイシャ・T・ローズ:5d10+20 装甲ガード有効
DoubleCross : (5D10+20) → 21[4,2,8,6,1]+20 → 41

アイシャ・T・ローズ:アイシャ・T・ローズの侵蝕率を4(→ 4)増加 (111 → 115)
出鶴レイ:比較すると優しく見えるが……それで倒れる……!
出鶴レイ:《ラストアクション》します。
アイシャ・T・ローズ:なんと。
十掬キョウ:なんだと~
出鶴レイ:《コンセントレイト:オルクス》《ダンシングシミター》《要の陣形》《大地の加護》
出鶴レイ:対象は3体なので除外する一人を選びます。
出鶴レイ:choice[アイシャ,アカツキ,キョウ,かんな]
DoubleCross : (choice[アイシャ,アカツキ,キョウ,かんな]) → かんな

GM:先生以外の3人!
鷹条アカツキ:来い!
出鶴レイ:15dx7+7
DoubleCross : (15DX7+7) → 10[1,1,2,3,3,3,6,7,8,9,9,9,10,10,10]+10[1,1,3,5,6,8,9,9]+10[2,4,8]+1[1]+7 → 38

アイシャ・T・ローズ:まわすなぁ~
十掬キョウ:暴走!
アイシャ・T・ローズ:SS『重力制御システム作動』《グラビティガード》でガードしつつ
アイシャ・T・ローズ:EX『横から失礼します』《砂の結界》でキョウ………………様をカバー。
アイシャ・T・ローズ:アイシャ・T・ローズの侵蝕率を3(→ 3)増加 (115 → 118)
アイシャ・T・ローズ:アイシャ・T・ローズの侵蝕率を2(→ 2)増加 (118 → 120)
十掬キョウ:アイシャちゃん……!
出鶴レイ:ダメージを出します。
出鶴レイ:4d10+24
DoubleCross : (4D10+24) → 31[7,7,8,9]+24 → 55

出鶴レイ:諸々有効!
鷹条アカツキ:リザレクト!
鷹条アカツキ:鷹条アカツキの侵蝕率を1d10(→ 1)増加 (99 → 100)
鷹条アカツキ:なんやねんこいつ
十掬キョウ:ずっと低い
GM:リザうますぎドッグおる
アイシャ・T・ローズ:すごく刻む
アイシャ・T・ローズ:実ダメージを算出します。
アイシャ・T・ローズ:55-30-12-4d10
DoubleCross : (55-30-12-4D10) → 55-30-12-22[3,5,9,5] → -9

アイシャ・T・ローズ:無傷です。
十掬キョウ:すご~
GM:脱がせたりなかったというのか……
GM:演出どうぞ!
眩星かんな:「アイシャちゃん」
アイシャ・T・ローズ:「はい」顔を向ける。
眩星かんな:「岩石の話で、君の答えと私の答えには共通点があったね」
アイシャ・T・ローズ:「………」
アイシャ・T・ローズ:「あ。はい、思い当たります」
アイシャ・T・ローズ:それは、与えられた選択肢に従った回答を出さなかった・・・・・・こと。
眩星かんな:「ああ。いずれも観測者によっては受け入れられないかもしれない、グレーゾーンに踏み入った回答だが」
眩星かんな:「全ての人を守り切るための決断だ。君の回答はそれプラス、私の回答にはない自己犠牲の意も含んだ"オリジナル"だったね」
眩星かんな:「……職員室の先生ってのは、顔と名前が分かれば全ての生徒のパーソナリティが出てくる」
眩星かんな:「と思ってたんだけど、そんなヤツ私だけだったらしい。悲しいね」初稼働でそういうモノだと思っていた。
眩星かんな:「だから――"生まれたて"の君が、何を考えチョコを求めていたのかずっと気になっていたんだ」
アイシャ・T・ローズ:「それは……」この期に及んで、適切な表現が出来ない。
アイシャ・T・ローズ:ローズランドのため。そうだ。今、並んでいる者たちのため。そうだ。
アイシャ・T・ローズ:……あとひとつ。あとひとつ、言葉に変換しかねるなにかがあるのだが。
眩星かんな:「……今は無理せず、言葉にしようとしなくても大丈夫」
眩星かんな:「だが、この旅の道中で、岩石の話の答えを聞いて、確実に分かったのは」
眩星かんな:「間違いなく。君は一介の生徒として、君の意志に根ざして行動していることだ」
眩星かんな:「私が保証しよう。君の選択に自信を持って、"行っておいで"」
アイシャ・T・ローズ:あの日。このかたちを得た最初の日。
アイシャ・T・ローズ:進めば、あの時に見た姿かたちに近付くだろうか。
アイシャ・T・ローズ:分からない。明確な解は未だに得られていない。が。
アイシャ・T・ローズ:「──はい、先生」
アイシャ・T・ローズ:自由と、覚悟と、選択とが『人間』を……『意志』を構成するのなら。
アイシャ・T・ローズ:「当機は進みます」そうすればなにかに近付くはずだ。遠回りの道であっても。
アイシャ・T・ローズ:構えからトン、トン、と軽快にフロントステップ。
アイシャ・T・ローズ:十掬キョウが通り抜けた痕をなぞるように、無造作に出鶴レイの間合いに飛び込んでいく。
アイシャ・T・ローズ:剣のリーチはオークションの時に見ている。
アイシャ・T・ローズ間合いに入れば・・・・・・・即座に切り捨てられることだろう・・・・・・・・・・・・・・・
出鶴レイ:「……!」果たして。
出鶴レイ:体が半分抉れるほどの傷を負っていようとなお有効な技を持っているのが崑崙山の生徒だ。
出鶴レイ:銀光一閃。ほとんど片足と片手だけで繰り出された斬撃が、目にも留まらぬ速度で肩口に迫る。
アイシャ・T・ローズ:その軌道を遮るように機械腕が持ち上がり。
アイシャ・T・ローズ:  ザ  キュ ッ
アイシャ・T・ローズ:金属の擦れ合う音を残して刎ね飛ばされる。
アイシャ・T・ローズ:「振りましたね」
アイシャ・T・ローズ:「死に体、と言うのだとか。戻すまでに一秒か、二秒か」
アイシャ・T・ローズ:「いずれにしても十分です」
アイシャ・T・ローズ:残ったもう片方の機械腕が、銀閃の及ばぬ反対側で唸る。
アイシャ・T・ローズ:遠心力を加えた鋼のフックが、ついに届く。
出鶴レイ:芯で捕らえた手応えが返る。握られていた刀が手を離れ──
出鶴レイ:それが、なおも踊った。
出鶴レイ:倒れ行く主の執念を宿したかのように。対手の全てを切り刻まんと荒れ狂う。
アイシャ・T・ローズ:「──!」残った機械腕を引き、囮にした方の手からも装甲板・・・を実体化して盾にする。
鷹条アカツキ:技巧の冴えというよりも本能に、己の力を示さんとする衝動に突き動かされるような挙動を見て。
鷹条アカツキ:「いいな、それ」自ら飛び込む。歯をむき出しにして笑いながら。
鷹条アカツキ:「強い奴の戦い方だぜ、出鶴レイ!」自分が知っている最強からは遠くとも、心からの賛辞を送り刃をその身で受け止める。
アイシャ・T・ローズ:(及ぶ限り……は!)
アイシャ・T・ローズ:装甲が断たれる傍から実体化し、最後には再構築した機械腕も盾にして。
アイシャ・T・ローズ:受ければ一撃で刈り取られるであろう閃きの全てを阻む。
アイシャ・T・ローズ:「キョウ……様。ご無事ですか?」
十掬キョウ:「うん。うん」背中から肩を置いて支える。
十掬キョウ:「大丈夫。また守られちゃったね」
アイシャ・T・ローズ:「お気になさらず。これこそが当機の本分です」
アイシャ・T・ローズ:「あなたのような力は、当機にはありません。それを送り届けることが、当機に課された使命なのです」
十掬キョウ:「あとでちゃんとお色直ししゅうりしてあげるから。そこは期待しててよ」
十掬キョウ:「当機にはそういう力あるからさ!」
アイシャ・T・ローズ:はい、と頷いて前を見る。まだその時ではないから。
GM:行動値8、アカツキさんの出番です。
鷹条アカツキ:マイナーで戦闘移動、フエカと神々のエンゲージに突入。
鷹条アカツキ:メジャーで《ウルトラボンバー》《コンセントレイト:エグザイル》《オールレンジ》自身以外の同エンゲージに必中の弓によるリアクション不可の射撃攻撃。
GM:出たわね
鷹条アカツキ:15dx6+14
DoubleCross : (15DX6+14) → 10[1,2,2,2,2,4,5,5,7,7,7,7,9,10,10]+10[1,3,5,5,6,7,9]+10[8,9,10]+10[1,2,6]+3[3]+14 → 57

雷神:《マグネットフォース》でフエカをカバー。
眩星かんな:《力の法則》2回目。ダメ+6Dどうぞ 侵食124
風神:こちらはなすすべなく食らいます。
鷹条アカツキ:先生ありがと~
鷹条アカツキ:46+15+6d10+6d10
DoubleCross : (46+15+6D10+6D10) → 46+15+40[3,10,10,5,4,8]+27[5,4,10,1,6,1] → 128

十掬キョウ:あっ
十掬キョウ:クウリちゃんは?
鷹条アカツキ:ふふふ……実は忘れてないぜ
十掬キョウ:使ったというわけ!
鷹条アカツキ:いいや、これから使うのさ!
鷹条アカツキ:風神と雷神は倒れるかな?
雷神:カバーで倍になってなくても倒れます 装甲上げてたのに……
鷹条アカツキ:鷹条アカツキの侵蝕率を8(→ 8)増加 (100 → 108)
風神:こちらも消滅。
鷹条アカツキ:《ウルトラボンバー》の効果でHPが0になる,
十掬キョウ:つよ~
鷹条アカツキ:このタイミングで友人:蓮刈フエカ/P尽力〇:N不安をP尽力〇:N嚇怒に変更し、Sロイス指定を申請します
アイシャ・T・ローズ:これが自爆の力……
GM:何をする気だ~ いいでしょう
鷹条アカツキ:フエカのSロイスをタイタス化して昇華、《ウルトラボンバー》の使用回数を回復。
鷹条アカツキ:《異世界の因子》で出鶴レイが使った《ラストアクション》をコピー!使用!
十掬キョウ:めちゃくちゃしてる!
眩星かんな:わぁお
GM:邪悪
アイシャ・T・ローズ:つよい(確信)
鷹条アカツキ:鷹条アカツキの侵蝕率を10(→ 10)増加 (108 → 118)
鷹条アカツキ:メジャーで《ウルトラボンバー》《コンセントレイト:エグザイル》《オールレンジ》フエカに必中の弓によるリアクション不可の射撃攻撃。
鷹条アカツキ:支援が切れるこの攻撃に、クウリちゃん第三の効果を貰う!
六条クウリ:ゴーゴー!
鷹条アカツキ:13dx7+14
DoubleCross : (13DX7+14) → 10[2,2,3,3,5,6,6,7,7,9,9,10,10]+6[1,2,3,4,6,6]+14 → 30

鷹条アカツキ:51+4d10
DoubleCross : (51+4D10) → 51+27[8,7,8,4] → 78

鷹条アカツキ:これで……どうだ!
鷹条アカツキ:鷹条アカツキの侵蝕率を8(→ 8)増加 (118 → 126)
鷹条アカツキ:なおラストアクション中はHP0のままなので、ウルトラボンバーによるHPロスは発生しない
GM:邪悪
鷹条アカツキ:かんな先生のロイスをタイタス昇華して復活だ
蓮刈フエカ:でもまだ生きてるもんね
鷹条アカツキ:こいつめ~
GM:演出どうぞ!
眩星かんな:「アカツキちゃん」
鷹条アカツキ:「先生……」自分とは違って色白のうなじを見つめる。
鷹条アカツキ:細い首を取り巻く、茨の痣にはほんの少しの親近感を覚えている。
眩星かんな:「……今日は随分と勢いがあるね」
眩星かんな:「いつも通り問題児にお灸を据えるため、これまで何度もKMP部隊長たる君に協力を要請し」
眩星かんな:「鍛え抜かれた視野と戦闘力、そして責任感に助けられてきたが。今までの中でも最高峰の熱量を感じたよ」
鷹条アカツキ:ちょっと耳が垂れる。勢いが良いというのは……火山での戦闘における暴発の事だろうかと思って。
鷹条アカツキ:個人的には失態である。
眩星かんな:「ノヴァリスの平和を守る以上に、大切な"何か"があったんだろう」
眩星かんな:「決して悪いことじゃない。言いたくなければ私にも伝える必要はない。けれど」
眩星かんな:「例え何であろうとも、私はそれを応援しよう」
眩星かんな:「君の実直な正義感と、直向きで純真な気持ちが合わされば。フエカちゃんの心だって容易く動かせるはずだ」
眩星かんな:「皆で勝って、チョコを持って帰ろう。ソレを────全力で"叩きつけてこい"!」
鷹条アカツキ:「……はい!」
鷹条アカツキ:「オレはオレが負うべき責任を果たして」がり、と爪で首を抉る。ぐるりと取り巻く傷跡を。
鷹条アカツキ:「その上で、オレが言いたいだけの事も、ぶつけてやる!」
弧月のレラプス:影の中からゆらりと現れるままに、射出機構へと主人を装填。
鷹条アカツキ:ばつんと空を打つ音と共に、豪風雷雨を正面から突っ切って。
鷹条アカツキ:「フエカァァ!」右腕周辺に大量の弾頭を生成、そのままの勢いで殴りつける!
GM:空を走って割り込んだ電光が、凶相の神の形を結ぶ。
GM:出力、反応速度共に、単体で戦闘型オーヴァードに伍する域だ。ジャームの出力によって形作られたが故なのだろうが……
鷹条アカツキ:着弾、同時に爆裂!
鷹条アカツキ:自身の腕諸共に、チョコ神像を一撃で粉砕する。
蓮刈フエカ:「……!」
鷹条アカツキ:爆煙とまき散らされるチョコの中、赤い双眼と牙を剥く狼の神聖十字冠が輝き
鷹条アカツキ:次いでフエカの首元に、腕が伸びて引き寄せる。
鷹条アカツキ:「甘ったるくて、ムカムカするな……」
鷹条アカツキ:「せっかくのバレンタインで、お前のチョコを浴びてるのにだ」
蓮刈フエカ:「アカ、ツキ──!」
鷹条アカツキ:今回の戦いは、フエカとの交流をきっかけにして始まった。
鷹条アカツキ:あれこれと並べた理屈も本気であるし、あのひと時が無くとも先生に呼ばれて参加していたかもしれない。
鷹条アカツキ:それでも今オレがここに居るのは、蓮刈フエカという友人の為なのだ。
鷹条アカツキ:「不味くて、腹が立って仕方ねえよ」
鷹条アカツキ:「そんな混ぜ物しやがって……!」
鷹条アカツキ:「最高のチョコを作るんだろ!」
鷹条アカツキ:「そんなものにも、独占にも頼るな!」
鷹条アカツキ:フエカの首元に絡みついた、赤黒く輝く忌むべき首輪目掛けて再生半ばの腕を叩きつける。
鷹条アカツキ:「オレの友達は……凄いんだから!」
鷹条アカツキ:再び、炸裂。小さな身体が吹き飛んで転がる。
蓮刈フエカ:「ガフッ……ウウ……!」
蓮刈フエカ:反対側に弾き飛ばされ、地に跳ねる。罅の入った首輪から赤黒い煙が漏れ出す。
蓮刈フエカ:「……足りないよ。それじゃ全然、足りない……!」
十掬キョウ:「効いてない?いや……」
十掬キョウ:「響いてる!行けるよ、アカツキちゃん!」
鷹条アカツキ:「ガハッゲホ……おう!」
蓮刈フエカ:唸り、睨む。アカツキが知る彼女らしからぬ、飢えた獣のような様は、首輪が齎す衝動によるものか。
鷹条アカツキ:「収まりがつくまで、やってやる!オレとみんなでな!」
アイシャ・T・ローズ:「………」蓮刈フエカを、そして首輪を、じっと注視する。
GM:行動値3、蓮刈フエカの手番。
蓮刈フエカ:マイナーで《完全獣化》《究極獣化》。装甲+10、攻撃のダメージ+6d。
蓮刈フエカ:メジャーで《コンセントレイト:キュマイラ》《飛礫》。判定前に自身に《砂の加護》《砂塵霊》。
蓮刈フエカ:対象は……一応ランダムにしておこう
蓮刈フエカ:choice[アイシャ,アカツキ,キョウ,かんな]
DoubleCross : (choice[アイシャ,アカツキ,キョウ,かんな]) → アイシャ

アイシャ・T・ローズ:いらっしゃいませ(ぺこり)
十掬キョウ:メカ対決だ
蓮刈フエカ:ウオオオ判定!
蓮刈フエカ:30dx7
DoubleCross : (30DX7) → 10[2,2,2,2,3,3,3,3,3,4,4,4,4,4,4,5,5,5,7,7,8,8,8,8,9,9,9,9,9,10]+10[1,1,2,2,5,5,6,6,7,8,10,10]+10[2,2,6,10]+6[6] → 36

十掬キョウ:ダイス数やば
アイシャ・T・ローズ:SS『重力制御システム作動』《グラビティガード》でガード。
アイシャ・T・ローズ:アイシャ・T・ローズの侵蝕率を3(→ 3)増加 (120 → 123)
蓮刈フエカ:ダメージ!
蓮刈フエカ:4d10+20+6d10
DoubleCross : (4D10+20+6D10) → 19[1,7,1,10]+20+36[5,5,4,8,6,8] → 75

蓮刈フエカ:諸々有効です
アイシャ・T・ローズ:実ダメージを算出します。
アイシャ・T・ローズ:75-30-12-4d10
DoubleCross : (75-30-12-4D10) → 75-30-12-23[9,2,2,10] → 10

アイシャ・T・ローズ:当機の防御を貫くとは……
アイシャ・T・ローズ:10点受けてHP残り1。生存します。
十掬キョウ:やばすぎ
蓮刈フエカ:生きてるじゃん!
鷹条アカツキ:つよすぎ
アイシャ・T・ローズ:(胸を張る)
眩星かんな:ひょええ
蓮刈フエカ:再び漆黒の外装を纏う。より硬く、より暴力的な輪郭の装甲。
蓮刈フエカ:それも、そして今その手に生じさせた塊も、チョコレートには違いないが──
蓮刈フエカ:首輪によって引き上げられた出力に、パティシエたちから奪った力を掛け合わせたそれは、最早レネゲイドの爆弾と言っていい。
蓮刈フエカ:「……アアアアアッ!」
蓮刈フエカ:叫び、不穏な紫電を散らすそれを、砲弾さながらにアカツキに向けて投げ放つ。
鷹条アカツキ:神聖十字冠と出鶴レイ、自らのものでない力を限界まで注ぎ込んだ自爆の後。
鷹条アカツキ:「フエ、カ……!」たとえそれがどんなに認めがたいものであっても、躱す事は出来ない。
アイシャ・T・ローズ:「お任せください」
アイシャ・T・ローズ:上空より地面に向かって投げつけられた装甲車のドア・・・・・・が、言葉と共にアカツキとチョコ塊の間の突き立って。
アイシャ・T・ローズ:そこからクラシックなメイドの姿が染み出すように現れ、飛来するチョコ塊を受け止める。
アイシャ・T・ローズ:瞬間、炸裂。
アイシャ・T・ローズ:爆音と、閃光と、衝撃波とが一帯を揺さぶる。
アイシャ・T・ローズ:そして、もうもうとしたチョコレートの煙。その中から、
アイシャ・T・ローズ:白いキャップとエプロンと頬をチョコレート色に染めて、ゆっくりと身を起こす。
アイシャ・T・ローズ:「……ご無事ですか?」
鷹条アカツキ:ふらふらと立ち上がって、頬っぺたのチョコを拭い、舐める。
鷹条アカツキ:「御蔭様で」
十掬キョウ:「美味しい?」
鷹条アカツキ:「本当はもっと美味しいさ」
十掬キョウ:「じゃあその本当を、早く経験できるよう努力しないとだ!」
アイシャ・T・ローズ:はい、と頷く。頬の感触にそっと手を添えて。
眩星かんな:「…………」
眩星かんな:「そうだね。このまま、控えめに圧勝しようか」
六条クウリ:(えっ今……さらっとすごいことやってなかった……?)
GM:クリンナップを挟んで第二ラウンドへ。
GM:再びセットアップから!
蓮刈フエカ:こちらはなし。
鷹条アカツキ:セットアップなし
アイシャ・T・ローズ:ありません。
十掬キョウ:もうなくなっちゃった
六条クウリ:攻撃力アップはだれにあげようか
十掬キョウ:行動値が0になりました
十掬キョウ:ほしい!
眩星かんな:念のため《限界突破》で《力の法則》ラウンド2回化。侵蝕127
六条クウリ:じゃあキョウちゃんとアイシャちゃんのエンゲージに!
十掬キョウ:あっそうか エンゲージ分かれてたんだ
十掬キョウ:思わず欲しいって言っちゃった どうしようね
GM:どうするんだい
十掬キョウ:アカツキちゃんのほうが早いからそっちのがいいのかな
鷹条アカツキ:ならこっちで貰っちゃおうかな
アイシャ・T・ローズ:当機はマイナーも空きませんしね。それでよろしいかと
十掬キョウ:そっちで~
六条クウリ:ではアカツキちゃんにだ
鷹条アカツキ:ガウガウ!
GM:イニシアチブへ。行動値12のかんな先生からです
眩星かんな:はーい
眩星かんな:マイナーなしのメジャー《エンジェルヴォイス》。アイシャちゃんに次メジャーC値-1と判定ダイス+2個。
眩星かんな:侵蝕130で以上。演出パス
アイシャ・T・ローズ:ぐおおおん(バフを受ける音)
GM:では行動値8組のアイシャさんとアカツキさん!
アイシャ・T・ローズ:では、頬のくすぐったい当機から。
アイシャ・T・ローズ:マイナーで戦闘移動。フエカ-アカツキエンゲージにお邪魔します。
アイシャ・T・ローズ:メジャーでNS『状況に対処します』《コンセントレイト》《巨匠の記憶》
アイシャ・T・ローズ:蓮刈フエカ様に運転攻撃。
アイシャ・T・ローズ:命中判定。
アイシャ・T・ローズ:(4+3+4+2)dx6+5-1
DoubleCross : (13DX6+4) → 10[1,2,2,3,3,5,6,7,8,9,9,10,10]+10[1,2,4,6,6,7,8]+10[2,7,8,8]+10[3,5,8]+1[1]+4 → 45

アイシャ・T・ローズ:回りましたね。
蓮刈フエカ:《砂の盾》ガード!
アイシャ・T・ローズ:ダメージロール。
眩星かんな:《力の法則》1回目。ダメ+6Dどうぞ。侵蝕134
アイシャ・T・ローズ:ぐーんと増えます。
アイシャ・T・ローズ:5d10+20+6d10 装甲ガード有効
DoubleCross : (5D10+20+6D10) → 19[4,5,5,4,1]+20+27[3,1,10,7,4,2] → 66

アイシャ・T・ローズ:ちょっと低めの66点全部有効です。
アイシャ・T・ローズ:アイシャ・T・ローズの侵蝕率を4(→ 4)増加 (123 → 127)
蓮刈フエカ:ヌアア
蓮刈フエカ:あと10点低ければ耐えていたが……倒れました。
蓮刈フエカ:復活は無し。戦闘終了です。
眩星かんな:やった~
GM:演出をどうぞ
アイシャ・T・ローズ:「さて。蓮刈フエカ様」
蓮刈フエカ:「あなた、は」
アイシャ・T・ローズ:「先にもご挨拶しました通り、あなたの目標ターゲットです」
アイシャ・T・ローズ:「ローズランド王国より、チョコレートの材料を求めて参りました」
アイシャ・T・ローズ:チョコレートの煙を裂くようにして前進し、蓮刈フエカを射程内に捉える。
アイシャ・T・ローズ:そして、両方の機械腕で肩をがっちりと掴み、彼女の肉体をホールドする。
アイシャ・T・ローズ:念には念を。両脚に実体化した姿勢安定用ピックを地面に打ち込み、全身を固定。逃がさない。
アイシャ・T・ローズ:「お伝えしたいことがございます。戦う前にそうすればよかったのですが……」
アイシャ・T・ローズ:「当機が至らず。申し訳ありません」
蓮刈フエカ:「何を……!」藻掻き、逃れようとする。
アイシャ・T・ローズ:まったく動かない。『テオドーラ』がそのバンパー内に備える機械腕アームが生み出す膂力は、オーヴァードにも対抗しうる。
アイシャ・T・ローズ:「当機は人に仕えるモノであり、人の欲望を否定する機能は有しておりません」
アイシャ・T・ローズ:「あなたの欲望が当国ローズランドに深刻な影響を与えたことは大変遺憾に思いますが、」
アイシャ・T・ローズ:「ここでそれを問おうとは思いません・・・・・・・・・・・・・・・・
アイシャ・T・ローズ:「その代わりと言ってはなんですが、提案がございます」
アイシャ・T・ローズ:「あなたが当機らに勝利した時は、ルーン・カカオを全て得る」
アイシャ・T・ローズ:「ならば、その逆。当機らが勝利した暁には、当機らのお願いを聞いていただきたく思います」
アイシャ・T・ローズ:「勝利に関する条項がそちらにだけある、というのはアンフェアですから」
アイシャ・T・ローズ:ぎちり。
アイシャ・T・ローズ頭上の十字冠歯車と車輪が開きかけ……止まる。
アイシャ・T・ローズ:己を人と認識しない人形ひとがたの真剣なる願いに応えたか。それは定かではないし、今は重要でもない。
アイシャ・T・ローズ:「……そうでなくては、この戦いに得るものは何もなくなってしまう」
アイシャ・T・ローズ:「あなたも。当機も。もしかすると、ここにいる誰にも」
アイシャ・T・ローズ:「お返事をいただけますか?」
蓮刈フエカ:「そんなの……今更だよ」
蓮刈フエカ:「勝ったものが望みを叶える。そういうものでしょ。力づくでそうさせたらいい。勝てたなら!」
アイシャ・T・ローズ:「……承知しました。では合意に沿って」
アイシャ・T・ローズ:「当機も行動を開始します」
アイシャ・T・ローズ:機械腕はそのままに、人としての腕・・・・・・を構え、
アイシャ・T・ローズ:蓮刈フエカの首筋に黒々と光る首輪を無造作に掴む。
アイシャ・T・ローズ:そして、引き千切らんと全力で引っ張る。
アイシャ・T・ローズ:「これが……」
アイシャ・T・ローズ:「これが菓子匠マイスターとしてのあなたに必要な物なのですか」
アイシャ・T・ローズ:「こんなものがなければ、あなたは菓子匠マイスター足れないと言うのですか!」
アイシャ・T・ローズ:「アカツキ・・・・の語るあなたの姿は、そんな……」
アイシャ・T・ローズ:「そんなことは……絶対に……!」
アイシャ・T・ローズ:引っ張る。ただ引っ張る。
アイシャ・T・ローズ:機械腕ではない、人の腕だ。生み出すパワーは高が知れている。
アイシャ・T・ローズ:それでも、人の腕を使う。人の腕で引く。人の腕で取り除くために。
蓮刈フエカ:「は、な……して……」
蓮刈フエカ:首輪の罅が広がる。影めいた装甲が煮え立つように揺らぐ。
蓮刈フエカ:「く……あああああっ……!」
蓮刈フエカ:ぱきり。
蓮刈フエカ:やがて呆気ない音と共に首輪が切れ、アイシャの手の中で砂と化す。
蓮刈フエカ:伴い、装甲が砕け、気を失ってその場に崩れ落ちる。
アイシャ・T・ローズ:機械腕の力を緩め、そっと抱き留めるように支えて。
アイシャ・T・ローズ:「決着です。これで認めてくださいますね」
アイシャ・T・ローズ:チョコレートの香りに包まれながら、小さく零した。
GM
GM:バックトラックです。
GM:Eロイスは蓮刈フエカの《飢えの淵》がひとつ。(堕剣の楔片:怠惰の首輪により取得)
十掬キョウ:ハラペコだったとはね
アイシャ・T・ローズ:ハラペコチョコチュウ……
鷹条アカツキ:パクパク
GM:振りたければ振ってください あとマンドラゴラなどもむしゃむしゃする最後のチャンスです
鷹条アカツキ:・この戦闘のバックトラックでは、あなたが昇華したタイタスを1個、ロイスとして再取得できる。ただし、この効果は昇華前にSロイスに指定したロイスしか対象にできない。
鷹条アカツキ:神聖十字冠の効果で蓮刈フエカのSロイスを回復させておくぜ
GM:OK!
鷹条アカツキ:削れてるロイスも1個だし、マンドラゴラは食べなくて良いや
アイシャ・T・ローズ:ハラペコ振ります。
アイシャ・T・ローズ:127-1d10
DoubleCross : (127-1D10) → 127-5[5] → 122

鷹条アカツキ:126-1d10
DoubleCross : (126-1D10) → 126-3[3] → 123

眩星かんな:134-1d10
DoubleCross : (134-1D10) → 134-7[7] → 127

鷹条アカツキ:123-10d10 怖いので2倍
DoubleCross : (123-10D10) → 123-71[10,3,10,9,8,7,5,5,8,6] → 52

眩星かんな:メモリー2個消費で-20。107にして等倍
鷹条アカツキ:一気に下がるね、3点
眩星かんな:107-6d10
DoubleCross : (107-6D10) → 107-26[1,6,4,8,5,2] → 81

アイシャ・T・ローズ:焼きマンドラゴラで減らすHPがないので、このままロイス分振ってしまいましょう。
十掬キョウ:あまってるならマンドラパクパクしちゃおっと
眩星かんな:5点~
十掬キョウ:2個も食べちゃいます
鷹条アカツキ:二個も!?
アイシャ・T・ローズ:食べ、ちゃい、ます!?
十掬キョウ:十掬キョウの侵蝕率を2d3(→ 3)減少 (134 → 131)
十掬キョウ:十掬キョウの侵蝕率を6(→ 6)減少 (131 → 125)
十掬キョウ:お味は微妙……
十掬キョウ:十掬キョウの侵蝕率を1d10(→ 8)減少 (125 → 117)
GM:プリンのようにとはいかなかった
アイシャ・T・ローズ:最終侵蝕122、残りロイス5本、倍振りですね。
アイシャ・T・ローズ:122-10d10
DoubleCross : (122-10D10) → 122-49[5,2,4,6,7,4,10,6,3,2] → 73

アイシャ・T・ローズ:帰還。3点です。
十掬キョウ:等倍行けそうになったなでも 等倍
十掬キョウ:十掬キョウの侵蝕率を6d10(→ 19)減少 (117 → 98)
十掬キョウ:あぶな
十掬キョウ:5点帰還です~
アイシャ・T・ローズ:オカエリナサト(動画で見ました)
GM:よかったよかった
GM:経験点はいつもの15点+Eロイス分1点+各自侵蝕分。
鷹条アカツキ:19点!
十掬キョウ:21だよ~
アイシャ・T・ローズ:19点分のおもてなしを。
眩星かんな:21点
鷹条アカツキ:24点だ、Sロイスあるから
GM:チョコも経験点も食べた後はちゃんと歯を磨こうね
鷹条アカツキ:は~い
眩星かんな:もぐもぐ
十掬キョウ:ゴシゴシ
アイシャ・T・ローズ:ミント味がします。


【エンディング:合同】

GM:出鶴レイ、蓮刈フエカ両名が溜め込んでいたチョコレートとその原料は市場に放出され、空前の品不足は幾らか改善した。
GM:堕剣の楔片により奪われていたパティシエたちの技術も元の持ち主に戻り、ノヴァリスの製菓業界はひとまず健全な騒がしさを取り戻したと言える。
GM:そして、ショコラショコラン学区にある蓮刈フエカのアトリエでは──
蓮刈フエカ:「……こういうのってさ」
蓮刈フエカ:「処分を受けて、奉仕活動とか何かして、その期間が終わった後にやるものじゃないの」
GM:相変わらず無表情な、しかしどこか怪訝そうな彼女と、君たちが顔を揃えている。
GM:アイシャとの約束を果たすため、というのがその目的だ。
鷹条アカツキ:「そんなことしてたらバレンタインが過ぎちゃうだろ?」
鷹条アカツキ:「そんな時期にノヴァリス一のパティシエをボクジョウ送りにしてたらキュナリオンが襲われちゃうし」
鷹条アカツキ:「作り方教えて貰う甲斐もなくなるからな。そういうのは後だ後」
鷹条アカツキ:新品の真っ白なエプロンを付けて、ぼさぼさに乱れた髪を三角巾にしまい込んでいる。
蓮刈フエカ:「職権濫用じゃない?」
アイシャ・T・ローズ:「お互いの事情と要求を擦り合わせた結果ですので、よろしいのでは?」
十掬キョウ:「僕たちまだまだ素人なんだからたっぷりスパルタして貰わないとだしね」
アイシャ・T・ローズ:「はい。それに、当機は元々、材料を入手したら人に教えを乞うつもりでいたのですが……」
アイシャ・T・ローズ:実は『ローズランド』にも腕利きのパティシエがいる。
アイシャ・T・ローズ:「バレンタインの襲撃あおりもあり……頼れる状況になかったのです」
アイシャ・T・ローズ:「それが、こうして高名なショコラティエに教わることが出来るとは。僥倖というものです」
眩星かんな:「私も監督しているし、気にする必要はないさ。これも奉仕活動の一環だと捉えて貰ってもいい」
十掬キョウ:「時間は有限ってわけさ!」真っ白のフリル付きのエプロン。長い黒髪は邪魔にならないように結って上げている。
アイシャ・T・ローズ:チョコレートまみれのエプロンは流石に替えた。クラシックなメイドスタイルは変わらず。
眩星かんな:アトリエ角の席に座って高みの見物してる。右手は巧みなフォーク回し中。
鷹条アカツキ:「恋せよ乙女ってか」
鷹条アカツキ:「かんな先生は作んないの?」
十掬キョウ:「そうだよ~!やろうよ!」
眩星かんな:「私かい?私はスイーツ食べ専でね、あんまり作ってどうこうに興味はないかな~」
アイシャ・T・ローズ:「先生は受け取り専門でしたか。星室庁のどなたかに贈られては?」
眩星かんな:「……?」不思議そうに首を傾げる。
アイシャ・T・ローズ:「……?」
六条クウリ:道具を準備するふりをしてこっそり聞き耳を立てている。
眩星かんな:「いや、いいかな。大丈夫」
十掬キョウ:「もしや……気になる先生とかいるの?」
眩星かんな:「それよりも、君達が和気藹々とチョコレート作りに励むところを生暖かく見るのを楽しみにしてたんだ」
十掬キョウ:「生はいらなくない?」
眩星かんな:「諸説ある」
六条クウリ:「ほっ……」
アイシャ・T・ローズ:「測定終了。クウリ……様の心拍数が急上昇しておりましたが」
アイシャ・T・ローズ:「何か緊張してらっしゃいますか?」
眩星かんな:「おや、大丈夫かい?体調不良でなければいいが」
六条クウリ:「そんなん測れんの!?」
十掬キョウ:「え~すごい、人間ドック人間なんだ」
アイシャ・T・ローズ:「フリーウェアの測定アプリを使用しました。インターネットは便利ですね」
鷹条アカツキ:「距離の方は今更測らなくて良いと思うけどな。ここに居るのはみんな呼び捨てて良いと思うぞ」
アイシャ・T・ローズ:「………」
六条クウリ:「それはそれでなぜ今……」
十掬キョウ:「たしかに!様ってちょっと仰々しいかも」
六条クウリ:「ん、まあね」
十掬キョウ:「ご主人さま扱いっぽい」
アイシャ・T・ローズ:「あっ、いえ……あの」すぐさま、申し訳ありませんと頭を下げる。
アイシャ・T・ローズ:「その。共に火竜を宥め、チョコ神像に立ち向かい、山河を駆けるうち、皆様のタグ付けが……」
十掬キョウ:「並べられるとすごい冒険だったね」
眩星かんな:「はは。初々しいね」
鷹条アカツキ:「まとめると何やってんだかって感じな」
アイシャ・T・ローズ:「当機は『ローズランド』の仲間のことは下の名で呼ぶので……」陛下以外は。
眩星かんな:「慣れなければ今のままでもいいと思う。ただ、一回試しに気さくな呼び方してみるのもいいんじゃないか」
眩星かんな:「その烈火怒涛なカテゴリ内容は要するに"仲間"とか、"友達"って感じではないかな?」
アイシャ・T・ローズ:「は……はい、いえ、その、ええと、当機がそんな恐れ多く……」わたわた。
アイシャ・T・ローズ:「ううう。ええと……」
六条クウリ:「心拍数上がってる?」
十掬キョウ:「上がってそう~」
アイシャ・T・ローズ:「ぐ。か、回転数は上がっていますが……」
アイシャ・T・ローズ:チョコ爆弾よりもダメージを受けていそうだ。
アイシャ・T・ローズ:「では、あの……キョウ」
アイシャ・T・ローズ:「クウリ」
アイシャ・T・ローズ:「アカツキに……」
アイシャ・T・ローズ:「かんな先生」
鷹条アカツキ:「おう、アイシャ」
十掬キョウ:「アイシャちゃん~!」ひしっと抱きつく。
眩星かんな:「いいねいいね。THE学生だ」
十掬キョウ:「がんばったね、僕すっごい嬉しいや!」
六条クウリ:「うむうむ。えらいぞ~アイシャちゃん」
アイシャ・T・ローズ:「あうう……」みしみし言っている。
鷹条アカツキ:「今は緊張しても、自然に出た呼び方ならその内慣れるさ」
鷹条アカツキ:「……てか嫌な音してるけど大丈夫?」
十掬キョウ:「え?だってハグの時は思いっきりぎゅーっとやんなさいって、ミチカちゃんが!」
十掬キョウ:「確かに“ある”ことをアピールしなさいって……意味はよくわかんないけどそうなんだって」
眩星かんな:「合コン委員会ってそういう戦術も受け継いでいるのかい?興味深いね」
鷹条アカツキ:「合コン委員会はどう見てもある奴ばっかだろ……」
アイシャ・T・ローズ:「当機では及ぶべくもない……素晴らしいです、キョウ」みしみし。めき。
六条クウリ:「ごめんねえウチの委員長が」
眩星かんな:「私もついうっかり篭絡されてしまわない様、気を付けないといけないな」
十掬キョウ:「気をつけなくてよくない~?」パッと離して。
十掬キョウ:「先生が僕らとたくさん仲良くなってくれたらもっと嬉しいよ?」
六条クウリ:「んんッ」
眩星かんな:「篭絡されたら、イコールその子一筋ってことになってしまうだろう?」
十掬キョウ:「それはよくないの?」
眩星かんな:「先生で居たいうちはね。先生で居たくなくなった時はその限りではないが」
眩星かんな:「現状、私はまだまだ先生で居続けられそうだと思っているよ」
十掬キョウ:「ふうん。じゃあ可能性自体はあるんだ」
眩星かんな:「ああ。もしかしたら、どこかに私の先生欲求を振り切らせるほどの相手がいるかもしれない、かな」
十掬キョウ:「おお~……」
十掬キョウ:「なんかドキドキする話だね」
鷹条アカツキ:「今が正にその頑張り時ってことだな」
鷹条アカツキ:「それともこういう時期だと埋もれたり……身構え出来てたりもするか……?」ぶつぶつ
アイシャ・T・ローズ:「埋もれるのですか、バレンタインには?」脳裏にチョコに埋もれたアカツキを描画している。
十掬キョウ:「アカツキちゃん」たっと詰め寄る。
十掬キョウ:「その感じは……居るね!?」
六条クウリ:「えっ」
十掬キョウ:「居るんだね!?」
六条クウリ:「マジ?」
アイシャ・T・ローズ:「?」
蓮刈フエカ:(盛り上がってるなあ)ぼんやりと会話を眺めている。
十掬キョウ:「ね、ね、ね、どんな子、どんな子~?」
十掬キョウ:「教えて~!」
鷹条アカツキ:「いや、あの……」
鷹条アカツキ:「そういうのじゃねーし!」顔を真っ赤にする。
アイシャ・T・ローズ:「アカツキの体温が上昇しています。36……37……」
十掬キョウ:「ほら!」
十掬キョウ:「図星なんだよ図星~!」
眩星かんな:「……あの子達の様子を、よく見ておくといい」こっそりとフエカちゃんの傍に。
六条クウリ:「キュナリオンのアカツキちゃんがね~」
十掬キョウ:「ね~いいでしょ~!教えてよ~!」
十掬キョウ:「誰にも言わないから!」
蓮刈フエカ:「ん……」
鷹条アカツキ:「めちゃくちゃ広まりそうだからやだ!」
眩星かんな:「君が作るチョコの絶品さは、この子達が作ろうとするチョコでは全く及ばないかもしれないが」
鷹条アカツキ:「……じゃなくて居ないんだって!特別な人とか!」
十掬キョウ:「じゃあ……これから特別になりたいってこと……?」
眩星かんな:「まだ作り始めたばっかりなのに、チョコを渡す相手のことで随分楽しそうだろう?」
十掬キョウ:「増々気になってきた……」
十掬キョウ:「同じ学区の子?同い年?年上?年下?」
鷹条アカツキ:「いや、その……オレのことは良いって……」
鷹条アカツキ:「そういうキョウは誰に作るんだよ」
十掬キョウ:「僕?僕はミチカちゃんでしょ、サヨリちゃんでしょ、ミルキちゃんでしょ、クウリちゃんでしょ……」同じ委員会の面々を挙げている。
十掬キョウ:「あとみんなにも作るよ!」
眩星かんな:「そういった魔法がバレンタインデー……"手作り"のチョコにあると知るのも、君にとって有意義なんじゃないかな」
十掬キョウ:「せっかく今回こうやって仲良くなれたんだもん!」
アイシャ・T・ローズ:「検索……不特定多数に渡すチョコレート。義理……」言いかけて。
アイシャ・T・ローズ:「訂正。同性間の友人に渡すチョコレート、友チョコですね」
蓮刈フエカ:「…………」彼女たちの様子をじっと見たまま。
蓮刈フエカ:「覚えておく」
鷹条アカツキ:「キュナリオンの連中に渡すやつはもっとちゃんとした……既製品にしたいな」
眩星かんな:「素直でいい子だ」きひひ、と小さく笑う。
十掬キョウ:「あっフエカちゃん~!ここからどうすればいいの?」
十掬キョウ:「ちょっと来てよ~!」
蓮刈フエカ:「任せて」
蓮刈フエカ:「初心者へのチョコレート教室……これもなかなか大きいシノギになるかも」歩きながら一人頷く。
眩星かんな:「(商魂逞しい方向になっちゃうんだ)」
眩星かんな:「(まぁ……それもまた由緒正しくバレンタインデーだね)」
六条クウリ:「いや~しかし……」
六条クウリ:少しくたびれたチェック柄のエプロンにボウルを抱えて。「せっかくプロに教えてもらえるんだったら、慌てて材料確保する必要もなかったな……」
アイシャ・T・ローズ:「ですがクウリ、ルーン・カカオはここにある分だけです」
アイシャ・T・ローズ:「特別な材料で、特別に教えを受け、特別の努力で作り上げるのですから」
アイシャ・T・ローズ:「いろいろありましたが、当機はこれで良かったと思っています」
六条クウリ:「ま、そりゃあねえ」
六条クウリ:横目で委員会仲間の様子を確かめ、すすすとアイシャに距離を詰める。「……ね、ところで」
アイシャ・T・ローズ:「はい」
六条クウリ:「アイシャちゃんは誰にあげるの?」
アイシャ・T・ローズ:「それは……」
アイシャ・T・ローズ:バレンタインの定義は、大切な人にチョコレート菓子を贈るもの。
アイシャ・T・ローズ:……『大切』の定義が曖昧だ。具体性を高めた再定義を要する。ただ。
アイシャ・T・ローズ:「申し訳ありません。禁則事項です」
アイシャ・T・ローズ:贈りたい。
アイシャ・T・ローズ:そう芽生えた気持ちの先にいる人は、最高の優先度プライオリティを有する。
アイシャ・T・ローズ:だから、唇の前でそっと人差し指を立てた。


【エンディング:十掬キョウ】

GM:バレンタインを巡る騒動は一段落付いたものの、当然ながらノヴァリスに渦巻く波乱はそれ単体ではない。
GM
今回の会合は、中でもいま最も重要な事柄に関するものだった──明らかになったノドスの真実の一端。それを受けての、合コン委員会の今後の活動方針についての委員長直々の宣言。
GM:そんな出来事があった日の夜。
GM:君と六条クウリは連れ立って、高台にある公園にやって来ていた。
十掬キョウ:「ん~」大きく伸びをする。
十掬キョウ:「僕ちょっと食べすぎちゃったかも……」
六条クウリ:「元気があっていいことじゃんか」柵に凭れかかる。「なんにも喉を通らないってよりは全然」
十掬キョウ:「それはそうなんだけどねえ」
十掬キョウ:「久しぶりにみんなに会えて良かった」
六条クウリ:「うん」
六条クウリ:「……や、実は。誰が常連で誰が久々なのか、アタシはよく分かんなかったんだけど」
十掬キョウ:「クウリちゃんは籠りがちだもんね」
六条クウリ:「恥ずかしながら……」
十掬キョウ:「まあ僕も常連ってほどでもないけどね。管轄からして……」
十掬キョウ:「お菓子会はいっぱい出てるけど」
六条クウリ:「あれ出ないと委員長からめっちゃスタンプ爆撃来るんだよな」
十掬キョウ:「やりそ~」
十掬キョウ:「でも……うん。みんな元気になってよかった。なんていうかさ……」
十掬キョウ:「バレンタインの力なのかな~って思った」
六条クウリ:「……」ちら、と手元に目線を落とす。持参した紙袋が夜風に揺れている。
六条クウリ:「外だと、女の子から男の子にチョコをあげるイベントなんだよね」
六条クウリ:「いずれそういう風にできるといいなって思うよ」
十掬キョウ:「うん。みんなそうしたいな~って気持ちなんだもんね」
十掬キョウ:「やっぱりそうやってさ。誰かを想えるっていいなって思うし」
十掬キョウ:「バレンタインって、そういうのをはっきり自覚させてくれる機会なんだな~ってなった」
十掬キョウ:「みんないいなあ。なんて言っちゃダメなのかもだけど……」
六条クウリ:「え~?」
六条クウリ:「心配しないでも、すぐキョウちゃんも仲間入りできますって」
十掬キョウ:「ほんと?」
十掬キョウ:「僕もね、早くそういう相手が欲しい!」
六条クウリ:「今の言い方で確信したわ」
六条クウリ:「分析が深いっていうか。バレンタインがどういうものか、すごく真剣に考えて学んでるわけでしょ」
六条クウリ:「その調子で吸収してけばすぐだよ。てか今の時点でもアタシみたいなのより全然キラキラしてるし……」
十掬キョウ:「本当~!?」
十掬キョウ:「うれし……」言いかけてハッとしてムッとする。
十掬キョウ:「アタシみたいなの、はダメだよ~!」
十掬キョウ:「これからクウリちゃんは渡すんでしょ、チョコ」
十掬キョウ:「だったら最強のクウリちゃんじゃないとダメだ!」
六条クウリ:「渡す……いやまあ、そうだけども」目を泳がせる。
十掬キョウ:「最強のチョコレートがある!最強のシチュエーションもある!」辺りを見渡して。
十掬キョウ:「これでクウリちゃんも最強なら最強の三乗なんだから!」
十掬キョウ:「背筋伸ばして~」前髪を整えてやって。「笑顔!ほら、笑って!」
六条クウリ:「んむう……」照れの入った苦笑。
十掬キョウ:「お~」
十掬キョウ:「それもかわいいけど……」
六条クウリ:「ほ、褒められるのも恥ずい……」
十掬キョウ:「大丈夫、大丈夫!」
十掬キョウ:「君はとっても強くてかっこよくて可愛い女の子だもの!」
六条クウリ:「キョ、キョウちゃん……! いいからそういうのは……!」
六条クウリ:「お日様みたいな笑顔は君に任せるからさ~……」
六条クウリ:「アタシは似合わないことせず……自然体で……」
十掬キョウ:「うん、普段のクウリちゃんで大丈夫!」
十掬キョウ:「緊張は……しちゃうと思うけどさ」
十掬キョウ:「緊張してるってことは、楽しみでドキドキしてるってことなんだから」
十掬キョウ:「それはきっと、とっても素敵なことだよ!」
六条クウリ:「心延えが眩しい……!」
十掬キョウ:「ほらほら、もう来るんでしょ」シャツを整えてあげようとして。
六条クウリ:「この子の前でチョコ渡すと思ったらなおさら緊張が……わわっ」
十掬キョウ:「あっ閉じない方がいい?むしろ開ける?」
六条クウリ:「えっあっ」
六条クウリ:「あ、開けとく」反射。
十掬キョウ:「お~……」
六条クウリ:「お~って何!?」
十掬キョウ:「オトナだなって……」
六条クウリ:「なんかヤダ! 閉める!」
十掬キョウ:「え~!」
眩星かんな:「……あ、居た居た。久しぶりだね二人とも」小走りで駆けてくる。
十掬キョウ:「かんな先生?」
六条クウリ:「はわ゛ッッ」
十掬キョウ:「こんばんは~!どうしたの?」
眩星かんな:「うん?」
六条クウリ:整えてもらった髪をまたすごい勢いで整え直す。そのせいでむしろちょっと乱れる。
眩星かんな:「クウリちゃんに呼ばれたんで、てっきりバレンタイン事件の余波か"件"の話で何かあったのかなと思ってね」
十掬キョウ:「えっ」
六条クウリ:「こ、こんばんは~……」ぎこちない笑顔で振り返る。涼しい風が火照った顔を撫で、金色の髪をふわりと揺らす。
六条クウリ:「ほ、本日はお日柄もよく……」
十掬キョウ:「かんな先生だったんだ……!」
十掬キョウ:「え~。ほ~……」
眩星かんな:「ああ、こんばんは……?」空を見上げる。満天の星空だ。
六条クウリ:「いや……あの……」
眩星かんな:余り見慣れない生徒の仕草に当たったもので、ちょっと不思議そうに首を傾げている。
十掬キョウ:(がんばれ~)小声でささやく。
六条クウリ:「こ……こ」
六条クウリ:藤色の瞳が横に泳いで。
六条クウリ:「ここすごい夜景スポットなんですよぉ……知ってました……?」
六条クウリ:柵の向こうに都市の光が瞬いてはいる。
眩星かんな:「ああ。まるで地上にも星空が広がっているようでロマンチックだね」
十掬キョウ:ドキドキしながら見守っている。
眩星かんな:「……クウリちゃん。何か、緊張してるかい?」
六条クウリ:「えっ、ええとお……!」
六条クウリ:明らかに図星を突かれて目を見開く。
六条クウリ:「じ、実は……ですね……」
眩星かんな:「うん」心配そうに顔を覗き込む。
六条クウリ:「今日は、先生に……お渡ししたいものが……」
眩星かんな:「……うん」
六条クウリ:「……」すうっと一度深呼吸をして。
六条クウリ:「これですっ」手に提げていた紙袋を差し出す。
六条クウリ:「あの、チョコレートなんですが、フエカちゃんに教えてもらって作ったやつ」
六条クウリ:ぎゅっと目を瞑る。
六条クウリ:「感謝の印として……職員室の先生方に!」
眩星かんな:「…………」きょとん、としている。
眩星かんな:「ああ。そういえばバレンタインチョコには色々派生形があったね」
十掬キョウ:「クウリちゃん」
十掬キョウ:じっと見ている。
六条クウリ:「え、ええ……それで、あの……」
眩星かんな:「これはさしずめ先生チョコってやつかな、わざわざありが……うん?」受け取ろうとして。
六条クウリ:「シオン会長がいなくなって以来、カタコンベが変な奴らに襲われることはますます多くなったし」
六条クウリ:「でもそういう時は、ノヴァリスに来てくれた先生方のおかげで、アタシたちだけで守るよりも荒らされずに済んだと思ってます」
六条クウリ:「だから、そういうありがとうございますの気持ちと……いつかちゃんとご挨拶もしなきゃと思っていたので……」
六条クウリ:「……皆様で……食べていただければ……」ちょっと声が小さくなっていく。
眩星かんな:「…………」
十掬キョウ:「クウリ~?」
眩星かんな:「ふむ。私がそれを受け取って先生一同感謝の気持ちを代表して伝えることは簡単だけども」
六条クウリ:「……」
眩星かんな:「どうしてかな、キョウちゃんからの圧がめっちゃ凄いんだけど……」
六条クウリ:「……くっ……」差し出した姿勢のまま小刻みに震える。
眩星かんな:「それに」
眩星かんな:「多少流通がまともになったとはいえ、チョコレートはまだまだ貴重品だ」
眩星かんな:「職員室としてノヴァリスや合同カタコンベの荒事に介入するのは仕事の一環だし、私達が食べるよりは」
眩星かんな:「合コン委員会とかで交換し合ったりする方がいいんじゃないかな。折角の手作りだし、フエカちゃんから随分と熱心に学んでたみたいだしね」
眩星かんな:「だけど、こうして感謝の気持ちを伝えてくれたのは滅茶苦茶嬉しい。ありがとうね」にこっと笑顔で。
十掬キョウ:「先生、あのね」
眩星かんな:「うん?」
十掬キョウ:「会った時さ、僕がチョコ作りたいからクウリちゃんに手伝ってもらったって言ったじゃない」
十掬キョウ:「あれ嘘なの!」
六条クウリ:「キョ、キョウちゃん」
十掬キョウ:「どうしたのクウリちゃん」ちょっと怒ったように振り返る。
十掬キョウ:「なにか言いたいことがあるのかい!」
眩星かんな:「……お、おう?」思ったよりだいぶおかんむりでびっくり。
十掬キョウ:「あるなら今言うといいよ!」
六条クウリ:「や、そ、その……うう~~~~っ」
六条クウリ:「わ、わかったから……!」
六条クウリ:「先生!!」
眩星かんな:「は、はい」気圧される。
六条クウリ:「ともかくこれは職員室の先生方に差し上げます」強引に紙袋を押し付けて。
眩星かんな:「はい……」受け取る。
六条クウリ:「で、これ!」
眩星かんな:「はい?」
六条クウリ:懐からもう一つ小箱を取り出し、自分の手に叩き付けるようにして差し出す。
六条クウリ:「これは……あの……」
六条クウリ:「元々フエカちゃんから教わる前に、かんな先生に渡そうと思って自分で材料を買ってて……」
六条クウリ:「っていうのは今回先生方に渡すつもりだったのに先生に手伝ってもらう形になっちゃったし、その分のお礼もしなきゃって思ったからで、別に深い意味とかはなくて」
六条クウリ:「でもフエカちゃんから教わる前だったからそっちのやつよりは上手にできてないし、見た目も味も比べたらそんなにですけど」
六条クウリ:「でもこれはアタシがかんな先生に渡したいので……!」
六条クウリ:じんじんと痛む掌を突き出した姿勢で頭を下げる。
六条クウリ:「……う、受け取って、いただけないでしょうか……なんて……」
眩星かんな:「…………」眼鏡の奥にある目をまん丸くして。
眩星かんな:「……流石に」
眩星かんな:「その前振りから差し出されたモノを受け取らないわけにはいかないな」
眩星かんな:小箱を両手ごと包む様に受け取る。
六条クウリ:「!」ぱっと顔を上げる。
眩星かんな:「いやぁ、外の世界では一般的なイベントの類に一切参加できなかったからね」
眩星かんな:「恥ずかしながら、個人としてチョコを貰うのは初めてだ。この場で開けてもいいかい?」
六条クウリ:「ど、どうぞ……」
眩星かんな:「わぁい」丁寧に包みを開ける。包装紙は片手で器用に小さく折り畳みながら。
十掬キョウ:「おお……」ひょいと覗き込む。
六条クウリ:中には、枠に収まった小粒のチョコレートが五つ。
六条クウリ:中心に据えられたクローバー型。ココアパウダーのかかったトリュフ型。つやつやとした卵型に、ホワイトチョコのスクエア型、キャラメル色の貝殻型。
十掬キョウ:「わあ……」
六条クウリ:いずれも見てくれは完璧とは言い難く、よく言えば素朴な、悪く言えば不格好な雰囲気がある。
眩星かんな:「……これ、本当に私でいいのかい?だんだん不安になってきた」
六条クウリ:「ちょ、ちょっと気分が乗りすぎちゃったかも……」曖昧に笑う。
眩星かんな:「とんでもない。一目で、どれだけの熱量が籠ってるか分かるさ」
眩星かんな:その内、クローバー型のチョコレートを一つ摘まんでゆっくりと口に運ぶ。
眩星かんな:「……うん。甘いね」
六条クウリ:「……変じゃないですか?」
眩星かんな:「大丈夫。こう見えて私は結構な甘党でね。ノヴァリスの甘味所には足しげく通っていたりするんだが」
眩星かんな:「これほど美味しいチョコはなかったさ」
六条クウリ:「それは絶対褒め過ぎでしょ~……」
眩星かんな:「私は嘘を付くのが苦手でね」2個目を摘まみながら。
六条クウリ:「う」
六条クウリ:「……ま、まあ、お口に合ったなら」
六条クウリ:「……えへへ。うん、よかったです」頬を掻く。
六条クウリ:弾けるような鮮やかさも、太陽のような眩しさもないが、肩の力の抜けた柔らかい笑顔。
眩星かんな:「うん。いい笑顔だ」はにかむ様な笑顔で返す。
眩星かんな:眩星かんなにとっては、生徒から心の籠った手作りチョコを貰うことよりも
眩星かんな:渾身の手作りチョコを受け取って貰い安堵と歓喜の表情をする生徒の姿こそ、喜ばしかったりするのだが。
眩星かんな:「……ちなみに、ホワイトデーのことは知っているかい?」
六条クウリ:「ホワイトデー……?」キョウちゃんの方を見る。
十掬キョウ:「ホワイトデーってのはね」
十掬キョウ:「バレンタインデーのチョコを貰った人が、くれた人にお返しを贈る日だよ」
六条クウリ:「へ、へー……」おそるおそる顔の向きを戻す。
六条クウリ:「いや~、でも先生は立場的に……ねえ……?」
眩星かんな:「おいおい。お返ししなかったらそれこそ先生の名折れだろうに」
眩星かんな:「期待しててくれていいよ。この地上の星空より煌びやかな、君の笑顔に見合う物を探しておこう」
六条クウリ:「……!」
六条クウリ:「うっ」ふらりとよろめく。
眩星かんな:「えっ」
十掬キョウ:「クウリちゃん……?」
六条クウリ:「……ダメだ~……!」
六条クウリ:「本物のオトナってこんなにさらっとクールに決めるものなんだ……」
六条クウリ:「アタシはまだまだなれそうにもないよ……」
十掬キョウ:「クウリちゃんも頑張ったよ~!」
十掬キョウ:支えてあげてよしよしする。「とっても頑張った!」
六条クウリ:「キョウちゃん~……!」ひしっとしがみつく。
眩星かんな:「うんうん。仲良きことは美しきかな」
十掬キョウ:自分にしがみつく、今までで一番可愛い顔をした女の子を見て思う。
十掬キョウ:ああ、やっぱり。
十掬キョウ:僕もこんな風になってみたいなって。


【エンディング:鷹条アカツキ】

鷹条アカツキ:ノヴァリス中央部
鷹条アカツキ:キュナリオン憲兵学校 中央部 通称"イヌゴヤ"
鷹条アカツキ:ノヴァリス中の暴徒大量発生、学区内でのチョコレート有害説流布、そしてパティシエの腕を狩る怪人事件。
鷹条アカツキ:連日の狂騒もどうにか終息を迎え、いつも通りの騒がしさを取り戻しつつある。
鷹条アカツキ:即ち、バレンタインが終わりつつある夜。
鷹条アカツキ:「……」
鷹条アカツキ:要塞じみた中央校舎内に位置する学生寮、家具の少ない私室にて。
鷹条アカツキ:寝巻に着替えて寝台に座り、ぼんやりと机の上の小包を見つめる。
鷹条アカツキ:「…まあ、良いか」
鷹条アカツキ:拉致や能力強奪の憂き目にあったパティシエたちを助けたことで、今回は少なくない量の現物報酬を手に入れることが出来た。
鷹条アカツキ:いけ好かないアンチェインの連中はともかくとして、共に大変な苦労をした警察派の子たちを労える程度には。
鷹条アカツキ:だから、うむ。今回のお祭りはオレ個人としても参加できたし。
鷹条アカツキ:「こんなもんで良い…よな。十分」
鷹条アカツキ:始末の悪さを飲み込んで、ベッドに身体を預ける。
任アルル:「そーなのですか」
任アルル:君が机から目を背けるように寝返りを打った先、息のかかる距離で赤い瞳と目が合う。
鷹条アカツキ:「……」
鷹条アカツキ:「勝手に入んな」
鷹条アカツキ:驚きと緊張を現さないようゆっくりと、身体ごと転がって視線を逸らそうとする。
鷹条アカツキ:至近の達人にそれが気取られぬはずもなく、そもそもバクバクと鳴り響く鼓動同様に動きもぎこちなく、せわしないのだが。
鷹条アカツキ:実際にはがばっと、バネが弾けるみたいに。ベッドのスプリングもぎこちなく軋む。
任アルル:「うふふふっ」気を良くして笑う。
任アルル:衣擦れの音を立てて擦り寄り、背後から寝間着越しに胸へ手を当てて。
任アルル:「もっと素直になってくれていーのに」
任アルル:明らかに鼓動を宥める以上の意図をもって、繊手でゆるゆると撫でさする。
鷹条アカツキ:「ぅあっ、ゃ……」上ずった声を上げ、尾をくねらせる。
鷹条アカツキ:周りを満たしても碌な調度品が見当たらない、私物を持たない鷹条アカツキにしては質の良いレース生地のキャミソールは
鷹条アカツキ:分厚さも面積も心もとなく、肌の質感と熱を直に伝える。
鷹条アカツキ:「いま、何時だと思って……んんっ」
鷹条アカツキ:「離れ、て……離れろ」常にぼさぼさと逆立ったくせっ毛も、鼻先を少しくすぐる程度。
鷹条アカツキ:しっかりと身を清めた後なのだろう。シャンプーのものとは異なる甘い香りも感じ取れるが。
任アルル:くすくすと笑い、するりと手を離す。ベッドから文字通り浮き上がって。
任アルル:アカツキの体の上を飛び越し、ベッドと机の間に滞空する。
任アルル:「まだ日付は変わってません。……よかったですね」
任アルル:白い薄衣だけを纏い、群青色の髪を揺らめかせる、君のよく見慣れた少女の姿。
任アルル:「これを渡すのも、間に合います」
任アルル:その手がひょいと小包を取る。
鷹条アカツキ:「素直になんてなるかよ、お前にだけは……へ?」
任アルル:「一体だれに渡す気なのでしょう……」
鷹条アカツキ:もしかしたら来るかもしれないと期待していた、だとか。
鷹条アカツキ:素直な自分を今まで通りに好い……好まし……飽きずにいてくれるか不安だとか。
鷹条アカツキ:とても口には出せない恥ずかしい、自分の醜態の事ばかり考えていたから。
鷹条アカツキ:「渡す……?」
鷹条アカツキ:頭が破裂しそうになって、目で追いながらオウム返し。
任アルル:「アカツキにそんな深い仲の子がいただなんて、知りませんでした」
任アルル:その内心に気付いていないのか、そのふりか。紅玉の瞳を切なげに横に逃がす。
鷹条アカツキ:「えっ、あ、いや」
鷹条アカツキ:「それ、ショコラショコランの友達に……」
任アルル:「お友達のつもりでしたけれど、わたしはアカツキをぜんぜん分かっていなかったのですね」
任アルル:「くすん……」
鷹条アカツキ:「ちが、ちがくって。あの…」
鷹条アカツキ:怯える子犬みたいにわたわたと、チョコを持つその手を取って。
鷹条アカツキ:「……お前の、だから」
鷹条アカツキ:少し不格好な結びのリボンを、するすると引っ張る。
任アルル:「え?」
鷹条アカツキ:長方形の紙箱から出てくるのは、二本の細長いチョコレート。
鷹条アカツキ:少々不格好で丸っこい仕上がりだが、アルルが振るう白銀の槍に似せて作られている。
任アルル:「……」
鷹条アカツキ:「渡すか、ちょっと迷っててな……」
鷹条アカツキ:これまでの気恥ずかしさとは別の理由から、歯切れ悪く言う。
任アルル:きょとんとしたように、整形された白いチョコの槍を見る。
鷹条アカツキ:「用意する気は、結構前からあって……でも忙しくて」
鷹条アカツキ:「中でもデカめの事件の時、お前よりも……」
鷹条アカツキ:崑崙山で先生から受けた授業を思い出す。
鷹条アカツキ:キョウは知らない5人よりも自分の大切な1人を選ぶと答えた。
鷹条アカツキ:それはオレが出した、この先も出すだろう答えとは反対の選択で。
鷹条アカツキ:だからといって不満を憶えるわけではない。むしろ迷いなく答える姿が、誇らしくて。輝いて見えて。
鷹条アカツキ:「……お前よりも、その事件に関わってた友達のことを……想ってたから」
鷹条アカツキ:「オレは一番大切な人より、ろくに顔を知らない沢山を大事にする奴だから」
鷹条アカツキ:「こういうチョコを渡す資格は、ないんじゃないかって……」
鷹条アカツキ:だんだんと声が小さくなる。耳も背中もしょんぼりと丸める。
任アルル:「……。もう!」
任アルル:ぷうっと頬を膨らませる。
任アルル:「この期に及んで言うことですか。じゃあどーするんです?」
任アルル:「わたしのためのチョコがここにあって、わたしがここにいるのですけれど」
任アルル:何かを求めるみたいに、手の中にある子箱をアカツキに向けて突き出す。
鷹条アカツキ:「ぅっ、ふぐっ……」
鷹条アカツキ:箱を受け取って、暫く息を整えて。
鷹条アカツキ:「あ、ぁー……」
鷹条アカツキ:「あなたのことを考えて作りました……オレの想いを受け取ってくれますか?」
鷹条アカツキ:潤んだ瞳で上目遣いに見上げながら、おそるおそる両手で差し出す。
任アルル:「どーしよっかなあ……」
任アルル:やや高い位置に浮いて、その姿を見下ろし。
任アルル:「……なんて。ふふ!」
任アルル:一転、表情を綻ばせて舞い降りる。
任アルル:「うれしーです、アカツキ。ありがとう」
任アルル:差し出す手ごと包み込むように両手で受け取る。
鷹条アカツキ:「ぅ、うう~っ……!」
鷹条アカツキ:互いに両手の塞がったまま、こらえきれずといった調子で正面から飛び込む。
任アルル:「嘛」ふわりと受け止める。柔らかな桃の花の香りがする。
鷹条アカツキ:任アルルは捉えどころがない。どこに居ても好き勝手に現れる。
鷹条アカツキ:その癖、どこにいるのかは分からないから……結局彼女が現れないことにはチョコも渡せなかった。
鷹条アカツキ:今は、目の前に、ただ自分の前にだけ居て。
鷹条アカツキ:「……」すんすん、と首元にうずめたまま匂いを嗅ぐ。
鷹条アカツキ:いつも通りに甘くて良い香りのほかに、他の……他の女の臭いがしないかと。
任アルル:鈴が鳴るような笑いを零す。すべらかな腕でぎゅっと抱き止め、薄手の生地越しに体温を伝える。
任アルル:そうして、幼い子を落ち着かせるように背中をさする。
鷹条アカツキ:ぅぐ、と息を漏らす。気持ちのよさに背をぞくぞくと震わせる。
鷹条アカツキ:「……チョコ」
鷹条アカツキ:「味には、自信があるんだ。腕の良いやつに助けてもらったから」
鷹条アカツキ:「一本、ここで食べてけよ」身体を少し離して、チョコを手に取る。
任アルル:「ええ。いただきます」
鷹条アカツキ:息を整えて、口に咥える。
鷹条アカツキ:「……ん」まっすぐ赤い瞳を見つめる。
鷹条アカツキ:鼻息は荒く、たらりと伝わる唾液が、かすかに差し込む月明かりを受けて、槍をほの白く光らせる。
任アルル:「あー」口を開けて。「む」
任アルル:再び抱きつく姿勢になって、唇が触れ合う距離まで一息に咥え込む。
鷹条アカツキ:何をかたどろうとチョコレート、二人分の熱で瞬く間にとろけて形が歪む。
鷹条アカツキ:「あむ、んっ、れろ……」糸引く白を繋ぎ止めるように、僅かたりとも零さんとばかりに
鷹条アカツキ:舌を伸ばして受け止めて、隙間を埋め、中に潜り込ませる。
鷹条アカツキ:ぴちゃぴちゃと湿った音を立てて、渾身の贈り物よりなお濃厚な甘露を絡め取る。
任アルル:「んっ……! ふふ……ふぁ……」
任アルル:深く、そして文字通りに甘い、口での交合。
任アルル:押し入ってきた舌のがっつくような動きを、求められる喜びを以て受け止め、己の舌に白く融けた甘味を絡めて寄り添う。
鷹条アカツキ:「ふ~っ、んぷ、んじゅ……♡」余裕の無さをもはや隠さず、力一杯にしがみつく。
鷹条アカツキ:自分より強いと信じながらも、触れてはならない美と見てきた柔らかな肉体に。
鷹条アカツキ:清らかな白い衣も気にせず、皺が残れとばかりに強く、強く。
鷹条アカツキ:「……はぁっ♡」とろりと口から溢れさせながら、息を吸う。
任アルル:「……」細く白い指が、その頬を撫でる。
任アルル:「食らい付かれて離してもらえない玩具、みたいでした」
任アルル:そんなことを言いながら、赤い瞳は陶然と潤んでいて。
任アルル:いつの間にか、それを見下ろす視点になっていることに気付くだろう。
任アルル:遮二無二の勢いに押し倒され、布地に咲いた花のように、シーツの上に群青の髪を散らす──そのように誘導していた。
任アルル:そうするだけの余裕がある。少なくとも今はまだ。
鷹条アカツキ:ほっそりとしなやかな腕に、愛撫するように褐色の手を這わせ、手首を力強く握って。
鷹条アカツキ:舌で白を塗りたくりながら、指を咥えて根元を噛む。
任アルル:「ひゃう……」
鷹条アカツキ:がり、と噛み痕の残るようにして。それから何度も甘噛みして。
鷹条アカツキ:「……受け取った以上」
鷹条アカツキ:「オレにだって……お前相手の独占欲が、あるんだから」
鷹条アカツキ:らんらんと目を輝かせて、顔の横に両手を衝く。
鷹条アカツキ:逃げ場を無くして閉じ込めるように、四つ足で跨る。
鷹条アカツキ:「任アルルは、オレのものだ」
鷹条アカツキ:今夜は帰さないと、組み敷いた無法者に告げる。
任アルル:「怖い顔」
任アルル:目に火が灯り、欲望にぎらぎらとしていて。
任アルル:(まるで)
任アルル:「……いーですよ、アカツキ」
任アルル:「あなたの手で、きゃんきゃん鳴かせてください。犬みたいに」
鷹条アカツキ:ぽたりと、真っ赤な雫が落ちる。
鷹条アカツキ:こういうのが好みなのだろうかと仕立てた寝巻にも、見本とした天女の衣にも。
鷹条アカツキ:気の昂りがもたらした、恥じるべき赤が落ちて汚す。
鷹条アカツキ:「……ガウ♡」
鷹条アカツキ:首元へとむしゃぶりつくその時に、歓喜を隠す余裕は無かった。


【エンディング:アイシャ・T・ローズ】

アイシャ・T・ローズ:ところはメサイア郊外、少し地価が安い区画に店を構える個人商店・ローズランド王国。
アイシャ・T・ローズ:そのオープンテラスのカフェが埋まり切るほどの盛況を見せるのは、年に数度の祝祭行事の時期くらいのものだという話だが。
アイシャ・T・ローズ:時はバレンタイン。先の爆破騒動から見る見る間に復興が進み、
アイシャ・T・ローズ:アイシャ・ローズがチョコレート資材調達の旅から帰還する頃にはすっかり元の姿を取り戻したピカピカになった店舗王宮は、
アイシャ・T・ローズ:それまでの全ノヴァリス規模のチョコレート払底、からのチョコレート入荷の報せも相まって、
アイシャ・T・ローズ:その日、記録的な客入りで賑わうこととなった。
アイシャ・T・ローズ:──そんな記録的な一日大忙しが終わって。
アイシャ・T・ローズ:シャッターを閉めたローズランドは、昼間の喧騒が嘘のように静まり返っている。
クリスティナ・E・ローズ:「ふう……疲れたぁ〜」
クリスティナ・E・ローズ:エプロンを外して厨房から出てくると、そう零しながらぐいと伸びをする。
クリスティナ・E・ローズ:「これだけ忙しかったのなんて、いつぶりかしら……」
クリスティナ・E・ローズ:「これは……もしかして中々の実入りなんじゃないかしら、アイシャ?」
クリスティナ・E・ローズ:「強盗の時の保険金も無事に降りたし、しばらく国庫は潤沢そうね」当社比。
アイシャ・T・ローズ:「はい、陛下」と返事をしながらティーセットを載せたワゴンを押してくる。
アイシャ・T・ローズ:「これならば、オーブンのローンも返済の目途が付くかと」
クリスティナ・E・ローズ:「あっ……」そっちの支払いもあったな……という顔。
アイシャ・T・ローズ:「……今日は一日、お疲れ様でした。陛下」
アイシャ・T・ローズ:ティーポットから温かい紅茶を注ぎ、てきぱきとお出しする。
クリスティナ・E・ローズ:「ん、ご苦労」
アイシャ・T・ローズ:「店舗王宮は綺麗になりましたし、飛んだ皆も大事なく」
アイシャ・T・ローズ:「資材調達の任も無事に果たすことが出来ました。当機も安堵しております」
クリスティナ・E・ローズ:「ん、そう……それでは」
クリスティナ・E・ローズ:こほん、ともっともらしく咳払いをして。
クリスティナ・E・ローズ:「この度、我が国におけるバレンタインの儀は見事な結果となりました」
クリスティナ・E・ローズ:「そして……その功は貴方にあるわ、アイシャ」
クリスティナ・E・ローズ:「すると、褒美を取らせなくてはならないでしょう」
アイシャ・T・ローズ:「恐れ入ります」と頭を下げ。
アイシャ・T・ローズ:「ですが、当機は材料を持ち帰っただけで……」
アイシャ・T・ローズ:「本日の盛況は、陛下やココアたちの尽力によるものです」
アイシャ・T・ローズ:「なのに……」製菓スキル不足で今日はキッチンには入っていない。ひたすら接客(と撃退)であった。
クリスティナ・E・ローズ:「むっ」
クリスティナ・E・ローズ:言葉通り少しむっとした様子で。
クリスティナ・E・ローズ:「それはそれ、これはこれです」
アイシャ・T・ローズ:「は」かしこまる。
クリスティナ・E・ローズ:「王からの称賛は素直に受け取っておきなさい。あまり謙り過ぎるのも、ほら……こう、逆に不敬です」
アイシャ・T・ローズ:「はい、陛下。以後、留意します」と、ここでようやく頭を上げる。
クリスティナ・E・ローズ:「ん、よろしい。では……」
クリスティナ・E・ローズ:ひょい、と立ち上がって距離を寄せ。その頭を撫でやる。
アイシャ・T・ローズ:「!」
クリスティナ・E・ローズ:「此度の働き、見事でした……えーと……」少し言葉を探して。「よくできました」
アイシャ・T・ローズ:「はい。えーと……」
アイシャ・T・ローズ:「ありがたき……いや……」
アイシャ・T・ローズ:「……ありがとうございます、陛下」撫でられたまま、両手でスカートの裾を摘まむ。
クリスティナ・E・ローズ:「では……えーと」
クリスティナ・E・ローズ:「あ、そのままちょっと待っていてください」
クリスティナ・E・ローズ:そう言ってとっとこと厨房の方へ戻り。
アイシャ・T・ローズ:「? はい」言われた通りに直立不動で待っている。
クリスティナ・E・ローズ:「せっかくのバレンタインですものね」
クリスティナ・E・ローズ:戻ってきたその手には、チョコレート菓子を載せた銀トレイがある。
アイシャ・T・ローズ:「陛下、それは……」
クリスティナ・E・ローズ:「先に言っておくけど、今日の余り物とかじゃないのよ」
クリスティナ・E・ローズ:「最初から取っておくつもりで作っていたの。貴方のためにね」
アイシャ・T・ローズ:「……?」
アイシャ・T・ローズ:「当機に……ですか?」
クリスティナ・E・ローズ:「そこ!疑問を挟まない!」
クリスティナ・E・ローズ:「そこの……そういう段階はさっき過ぎたでしょ!」
アイシャ・T・ローズ:「あっ、はい、陛下」背筋がぴくんと跳ねる。
アイシャ・T・ローズ:バレンタインの定義を反芻する。大切な人にチョコレート菓子を贈るもの、だったはず……
クリスティナ・E・ローズ:言いながら、ムースとクランチが層になったそれを目の前で切り分ける。
アイシャ・T・ローズ:いつも通りの顔で、興味と感謝と困惑とがないまぜになった視線をその手元に送っている。
クリスティナ・E・ローズ:「はい、どうぞ」小皿に分けたものを目の前に差し出す。
クリスティナ・E・ローズ:「私も味見をしたけれど、かなり出来には自信があるのよ」腰に手を当ててえらそうにしている。
アイシャ・T・ローズ:「では……失礼して、いただきます」恐る恐るフォークを手に取って。
アイシャ・T・ローズ:その穂先を、ムースとクランチにゆっくりと沈め込んで。
クリスティナ・E・ローズ:どこか落ち着かない様子でその顔色を見ている。
アイシャ・T・ローズ:口に運ぶ。一片も残さず口の中に置いて、フォークを唇から離す。
アイシャ・T・ローズ:「……!」ぱちくり。
アイシャ・T・ローズ:「あ……」
アイシャ・T・ローズ:「甘い、です。陛下……」
アイシャ・T・ローズ:さく、と噛んで。こくん、と飲み下して。
アイシャ・T・ローズ:「不思議です。今回の件でチョコの風味はこれでもかと思い知ったはずなのに……」
アイシャ・T・ローズ:「初めて、のような。この甘さは……はい。初めてです、陛下」
アイシャ・T・ローズ:目を閉じて、余韻を味わうように。言葉を選ぶこともせず、感じたことをそのままに口にする。
クリスティナ・E・ローズ:「あらあら……ふふふ」
クリスティナ・E・ローズ:「気に入ってもらえたかしら?まだお代わりもあるのよ」ニコニコと笑みを浮かべてふた切れ目をよそおうとしている。
アイシャ・T・ローズ:「あ……あ……そんな……」すっかり魅了された様子で視線が手つきを追っている。
クリスティナ・E・ローズ:「ふふ、このムースはお客さんにも評判がよくてね……それに、ちょっと高くてお店には出せない香料も入れてあってね」
クリスティナ・E・ローズ:楽しそうにぺらぺらと喋りながら二皿目を差し出している。
アイシャ・T・ローズ:「そんな……大切なものでは……」
クリスティナ・E・ローズ:どこかで止めなければ目の前の1ホールまるごとがなくなるまで続けそうだ。
アイシャ・T・ローズ:二皿目をぺろりと完食し、至福の感嘆をほうと漏らしつつ。
アイシャ・T・ローズ:「あうう…………はっ」
アイシャ・T・ローズ:「へ、陛下。いけません、当機ばかり、こんな……!」
アイシャ・T・ローズ:何がいけないのだろう。分からない。
クリスティナ・E・ローズ:「えっ。で……でも、褒美ってそういうものだし……?」
アイシャ・T・ローズ:「あ……」そうか。褒美だ。
アイシャ・T・ローズ:これは陛下にとってのバレンタインではない・・・・・・・・・・のだ。
アイシャ・T・ローズ:すっかり混同して感情処理がはちゃめちゃになってしまった。
アイシャ・T・ローズ:それはそれとして供された三皿目もありがたくいただき、
アイシャ・T・ローズ:「……陛下。覚えていらっしゃいますか」
アイシャ・T・ローズ:バレンタインをやってみる、と宣言したことを。
クリスティナ・E・ローズ:「ん……ああ」
クリスティナ・E・ローズ:「そういえば、やりたいと言っていたわね……大丈夫?」
クリスティナ・E・ローズ:「ちゃんと正しいバレンタインの知識を……」
クリスティナ・E・ローズ:よもや出先で変な知識に染められていたらどうしようと思っている。
アイシャ・T・ローズ:「はい……おそらくは。陛下から教わったことに」
アイシャ・T・ローズ:「友人に渡す『友チョコ』なるもの……既製品を渡すこともあるのですね」
アイシャ・T・ローズ:「ただ調べるだけでは知り得なかったことが」
アイシャ・T・ローズ:「……本当に。本当にたくさんあったように思います」
クリスティナ・E・ローズ:「確かに、そういう風潮もあるけれど……えっと」
クリスティナ・E・ローズ:彼女が技能的に調理に向かない子であることを踏まえて、少し言葉を選ぶように。
クリスティナ・E・ローズ:「別に、手作りが既製品に勝るとか……そういう事もないと思うわ」
クリスティナ・E・ローズ:「結局は、そこにどのような心を込めるかですもの」
クリスティナ・E・ローズ:「あ、えっと……うん」
クリスティナ・E・ローズ:そこで、先走ったフォローを入れてしまったらしい事に気づいて。
クリスティナ・E・ローズ:「失礼、話を続けて頂戴」
アイシャ・T・ローズ:「はい、陛下」
アイシャ・T・ローズ:「その……上手く説明ができるか……」
アイシャ・T・ローズ:「言葉に変換しがたい欲求に基づくものでしたから。バレンタインをする、その、動機というものは……」
アイシャ・T・ローズ:「ですが、今は少し、分かった気がします」
アイシャ・T・ローズ:「当機が抱いた欲求の、ほんの一端ですが」
クリスティナ・E・ローズ:「難しいなら無理に説明しなくていいのよ」
クリスティナ・E・ローズ:「やりたいようにやってみなさい」
アイシャ・T・ローズ:「……はい、陛下」頷いて手をかざす。
アイシャ・T・ローズ:その指先から、『テオドーラ』車内に据え付けられた業務用冷蔵庫が実体化する。
アイシャ・T・ローズ:ドアを開くと漏れ出すひんやりとした冷気。その中から取り出したのは、
アイシャ・T・ローズ:小さなムースショコラケーキ。
アイシャ・T・ローズ:グラサージュで艶やかにコーティングされた上に、ホワイトチョコで作られた薔薇の花がちょこんと乗っている。
アイシャ・T・ローズ:「こちらを……受け取っていただきたいのです。陛下」
クリスティナ・E・ローズ:「あら……」目を見開き、それを見つめて。
クリスティナ・E・ローズ:「ええ、ええ。そういう事なら勿論、受け取らない理由なんてないわっ」
クリスティナ・E・ローズ:切り分けるのに使っていたナイフとフォークを置いて、その場に腰掛け直す。
アイシャ・T・ローズ:「白い薔薇を添えるのが良い、と教わりまして。陛下にお贈りするものに、これ以上はないかと」
クリスティナ・E・ローズ:「こちらの準備は万端よ、アイシャ。貴方に、このクリスティナ王を好きに饗す栄誉を赦します」
クリスティナ・E・ローズ:「ええ、ありがとう。とても気の利いた装飾だわ」
アイシャ・T・ローズ:「恐れ入ります。では、こちらを」どこからともなく新しいナイフとフォークを取り出して。
アイシャ・T・ローズ:陛下がそうしてくれたように、ナイフで小さく切り分け、フォークを添えた皿に載せて御前に捧げる。
アイシャ・T・ローズ:「……ええと」
アイシャ・T・ローズ:「では……」
アイシャ・T・ローズ:「あーん」フォークを差し出す。
クリスティナ・E・ローズ:「あ、え……」自分で食べる気でいたので、少しびっくりするが。
クリスティナ・E・ローズ:「あーん」すぐに首を伸ばし、それを受け入れる。
アイシャ・T・ローズ:フォークに吸い付くような陛下の唇をじっと見つめ、やがてそっとフォークを抜き取る。
アイシャ・T・ローズ:「……いかがですか?」
クリスティナ・E・ローズ:「んん……」目を閉じて、何秒かかけてもくもくとそれを味わって。
クリスティナ・E・ローズ:「……ん、美味しい」
クリスティナ・E・ローズ:まだ紅茶に口をつけて、それを流し込む。
クリスティナ・E・ローズ:「どこで仕入れたのかしら?この……んん……」
クリスティナ・E・ローズ:首を傾げてうなりながら。
クリスティナ・E・ローズ:「あの、もう一口いただけるかしら」
アイシャ・T・ローズ:「はい」あーん、とフォークを差し出す。
クリスティナ・E・ローズ:すう、とそれにぱくついて。
クリスティナ・E・ローズ:「……もういっこ」
アイシャ・T・ローズ:「はい」あーん、とフォークを差し出す。
クリスティナ・E・ローズ:「あ、というか自分で食べ……」
クリスティナ・E・ローズ:そう口にしかけて、ああ言ったのは自分だしまあいいか……と思い直し。
アイシャ・T・ローズ:「………」
クリスティナ・E・ローズ:もぐもぐもぐ。
クリスティナ・E・ローズ:「次を……」
クリスティナ・E・ローズ:もぐもぐもぐ。
クリスティナ・E・ローズ:---15分後---
クリスティナ・E・ローズ:「……なんだか雛鳥にでもなったような心地だけど」
クリスティナ・E・ローズ:そのままの勢いで食べきってしまった。
クリスティナ・E・ローズ:「ええと」こほん、と咳払いをしつつ重くなったお腹をぴんと伸ばして。
クリスティナ・E・ローズ:「大変、見事な饗しでした」
クリスティナ・E・ローズ:ごちそうさま、と手を重ねて一礼する。
アイシャ・T・ローズ:「恐れ入ります」たおやかに礼を返す。
アイシャ・T・ローズ:「……15分前の問いにお答えします」
アイシャ・T・ローズ:「只今の品は、当機が作成しました」
アイシャ・T・ローズ:「お気に召したようで何よりです」
クリスティナ・E・ローズ:「あ、えっ……ええーっ」
クリスティナ・E・ローズ:「そうなの……! ええ、すごいじゃないっ」
アイシャ・T・ローズ:「任の途中、よい指導役チューターに出会いまして……」
アイシャ・T・ローズ:「こうして思い描いたものを陛下にお渡しすることが出来ました」
クリスティナ・E・ローズ:「へええ……それはなんとも……いい先生がいたのね」
クリスティナ・E・ローズ:我が国に引き入れたいわ、とまで口にしそうになったが話が逸れるので堪えておいて。
クリスティナ・E・ローズ:「我が臣下の目覚ましい成長、王としても誇らしい限りです」
アイシャ・T・ローズ:「ありがとうございます、陛下」
アイシャ・T・ローズ:「陛下のお役に立てるのならば、これからもどうかお傍にお置きくださいませ」
アイシャ・T・ローズ:「ならばこの“テオドーラ”、必ずや陛下を望む場所にお届けします」
クリスティナ・E・ローズ:「……これまでにも何度か聞いた文句だけど」
クリスティナ・E・ローズ:「今のが、今までで一番頼もしく聞こえたわね」
クリスティナ・E・ローズ:チョコレートの付いた口元を拭きながら、くすりと笑った。
アイシャ・T・ローズ:その笑みに、礼をもって応える。
アイシャ・T・ローズ:──この方に、姿をもらった。名前をもらった。居場所をもらった。
アイシャ・T・ローズ:目的をもらった。知識をもらった。褒美をもらった。至福のひとときをもらった。
アイシャ・T・ローズ:尽くしてはいても、もらうばかりで。でも今日、やっとひとつ、贈ることが出来た。
アイシャ・T・ローズ:──白い薔薇。その花言葉のひとつ・・・、心からの尊敬。
アイシャ・T・ローズ:白薔薇を載せよ、と助言した誰かはそれ以外の花言葉を伏せたわけだが。
アイシャ・T・ローズ:この人ならざる人形ひとがたの抱いた、胸の奥の弾みを知ってか知らずか。そう解釈してのことか。
アイシャ・T・ローズ:それは、定かではない。


【エンディング:眩星かんな】

GM:キュナリオン憲兵学校刑務所、通称“ボクジョウ”。
GM:問題を起こした生徒たちが拘留され、反省のための労務を課される施設。
GM:その狭い面会室の中で、君は強化ガラス越しに出鶴レイと対面していた。
眩星かんな:「果たして、本気を出した君の前にこの強化ガラスはどれ程の効果があるんだろうねぇ」
眩星かんな:こんこん、と物珍しそうにガラスをノックしている。いつも通りのパンツスーツと眼鏡。
出鶴レイ:「それを言ったらこの施設自体がそうだ。……別に私に限らずな」
出鶴レイ:首から“私はチョコレートを強奪して回りました”と書かれた木板を下げている。
眩星かんな:「(思ったよりも可愛い刑罰だな)」
出鶴レイ:「反省する気が無いか、逃げ続けるのが億劫でない奴は、さっさと自害でもして脱走する」
出鶴レイ:「私は反省する気があるからな。奉仕活動もサボらずにしてやっているぞ」
眩星かんな:「その様だね。殊勝な刑務者は釈放の時期に情状酌量を認めてくれるそうだし、いいことだと思う」
眩星かんな:「反省しているという言葉を聞けただけで、今日の私の目標は半分位達成できたかな」
出鶴レイ:「ああ。私は驕っていた」
出鶴レイ:「ここを出たら、また地道に鍛錬をやり直すことにする」
眩星かんな:「…………」
眩星かんな:「それは、自分の弱さに罪の意識を感じているということかい?」
出鶴レイ:「……」
出鶴レイ:「冗談だ」真顔のまま。「いや、驕っていたと思うのも嘘ではないが」
出鶴レイ:「先生やあいつらが、ああも必死で求めていたものを奪っていたのだな……と、思うところはあった」
眩星かんな:「そうだね。それこそ、君があの日の闘いで為す術なく負けた理由だ」
眩星かんな:「チョコレートを単なる強さの指標として邪な気持ちでかき集めていたからね」
眩星かんな:「正当な理由を以て、チョコレートに熱い情熱を持っていた彼女達にメンタル面で後れを取っていた」
出鶴レイ:「そうだな……」
眩星かんな:「まるで理解できない様だったら補習授業モノだと考えていたが」
眩星かんな:「何となくは理解できてそうだ。安心したよ」
出鶴レイ:「何?」
出鶴レイ:「待て。それならやっぱり理解できていないことにする」
眩星かんな:「何で???」
出鶴レイ:「私は何も悪いと思っていない。だから遠慮なく補習授業とやらをするがいい」堂々たる態度。
眩星かんな:「えぇ……まぁ、そんなに私と居たいならもう少し世間話でもしていこうか」
出鶴レイ:「では、どうすれば私はもっと強くなれると思う?」
出鶴レイ:「無論通常の意味でも鍛えはするが、先生はそれ以上の何かを知っていそうだ」
眩星かんな:「おっと、中々期待されている様だ」
眩星かんな:「だが私は、今の君が負けたことをそこまで悲観する必要はないと考えているよ」
出鶴レイ:「ふむ?」
眩星かんな:「あくまで純粋な強度を比べるための試合形式を取り、私プラスあの子達4人と君が闘ったとする」
眩星かんな:「多分、秒もかからず勝てると思うよ」
眩星かんな:「何故だかわかるかい?」
出鶴レイ:「いや、分からん」
眩星かんな:「私もあの子達4人も、君ほど"強さ"に対して焦がれるものを感じていないからさ」
出鶴レイ:「焦がれ……」
眩星かんな:「治安維持の為だとか、元々戦車だったとかである程度の強度を保有していることは間違いないが」
眩星かんな:「必要に駆られない限り、現在以上の実力を獲得し、証明しようとは思わないだろう。私も、別に人より強くて嬉しい~って気持ちはないしね」
出鶴レイ:腕を組む。「つまり……」
出鶴レイ:「やはりメンタル、モチベーションの部分が戦闘においても重要だということか。己にとって大事なものが懸かっているか否かで、発揮できる力は大きく異なると」
眩星かんな:「その通りだ。やっぱり分かっているじゃないか」
眩星かんな:「即ち、"チョコレートを稼げば最強を証明できる"は明らかに間違っている」
眩星かんな:「本当に強さに真摯な生徒は、今もチョコレートなんかには目もくれず修行か何かに浸ってると思うよ」
出鶴レイ:「耳が痛いな。だが、そうだとすると」
出鶴レイ:「仮に最強の人間が存在するとして、そいつにとって大事なものは何になるんだ?」
眩星かんな:「さぁ」
眩星かんな:「君の様に純粋な強さを求めて鍛えた結果、最強になったのかもしれないし」
眩星かんな:「"最強"にでもならなければ得られない、護れない、到達できない何か大切な物を持ってるのかもしれない」
出鶴レイ:「ほう……」
出鶴レイ:「成程。いいな。それは惹かれる考え方だ」
眩星かんな:「……逆に、私からも一つ質問してもいいかい」
出鶴レイ:「うん?」
眩星かんな:「ひょっとしたら怒るかもしれない、が、今後似た様な理由で崑崙を拗らせた子へ」
眩星かんな:「どう接していくか、一つの観点として聞いておきたい事がある」
出鶴レイ:「私に分かることなら答えよう」
眩星かんな:「……崑崙山中等専門学校。学園都市の権力闘争を意に介さず、ひたすら武の研鑽に没頭する武侠の学校だ」
眩星かんな:「そして、その中でも他に隔絶した戦闘能力を持つという五人の生徒に与えられる称号があるはずだ」
出鶴レイ:「“五星君”だな」
眩星かんな:「私の様な素人にとっては、わざわざ学区を出なくても触れられる明確な強さの指標の一つのように感じるんだが」
眩星かんな:「最強を証明するには、まず学区内で最強の座に至るのが先決ではないだろうか?」
出鶴レイ:「ああ……」
出鶴レイ:「それについては……ふむ。学区外の人間にはどう説明したものか」
出鶴レイ:少し考えて。「実際、先生の言う通り、力を付けて現“五星君”を打倒し、代わってその地位に就くことを目指す者もいる」
出鶴レイ:「だが断っておきたいのは、確かにそれが出来れば新たな星として認められるだろうが、別に……そう、制度として、入れ替わり戦のようなものが規定されているわけではないんだ」
眩星かんな:「おや、そうなのかい?」
出鶴レイ:「多分な。もしかしたら私が知らないだけかもしれない。他の殆どの生徒も知らないだろう」
出鶴レイ:「もちろん、選挙で選出されるわけでもない。万一そういう仕組みがあったとしても私は投票したことはない」
眩星かんな:「そりゃ投票制で決められてたらロマンも何もあったもんじゃないね」
出鶴レイ:頷く。
出鶴レイ:「要するに曖昧なんだ。彼女らの実力を疑うわけではないが、どうやったらその地位にあるものとして認められるのか、という部分が」
出鶴レイ:「だから今一つ、目標として設定しにくいと言うか……」
出鶴レイ:「そもそも普段どこで何をしているのかも分からんような連中だからな。私なんかは直接会ったこともない」
眩星かんな:「なるほど、なるほど……」興味深そうに頷いている。
眩星かんな:「学区内では“五星君”が名実共に最強であり、隙あらば座の奪い合いが発生しているものだと思っていたが」
眩星かんな:「一般的な崑崙の生徒にすら、称号の具体的な定義が開示されていないんだね」
眩星かんな:「……おそらく、崑崙学区の制定辺りにまで歴史を紐解いていかないと分からなそうだなぁ」
眩星かんな:「ありがとう。大変参考になったよ」きひひ、と小さく笑って会釈。
出鶴レイ:「それなら良かった」
眩星かんな:「業務の片手間にでも調べてみて、何か分かったらまた話に来よう」
眩星かんな:ゆっくりと席を立ちあがる。
出鶴レイ:「私にとっても興味深いことだ。ありがたい」
出鶴レイ:「ああ、それと」
眩星かんな:「ん?」
出鶴レイ:「ここを出たら、私の方からも、先生のところへ訪ねていっていいか」
出鶴レイ:「手間を掛けた身として、来てもらうばかりでは忍びないしな」
眩星かんな:「ふふ」
眩星かんな:「いつでも大歓迎だ。迷惑を掛けたことなんて一切関係なしにね」
眩星かんな:そう言って手をひらひらさせながら、面会室を後にする。
出鶴レイ:「……」
出鶴レイ:見送った後で椅子から立ち上がり、閉まった扉に向けて礼をする。
出鶴レイ:そして今日の分の労務を片付けるべく、反対側の扉から部屋を出た。

『スイート・メモリー・スクラッチ』 終

本作は、「F.E.A.R.」及び「株式会社KADOKAWA」が権利を有する『ダブルクロス The 3rd Edition』の二次創作物です。
(C) FarEast Amusement Research Co.Ltd.

二次創作ステージ『オーヴァード・ノヴァ』については
まとめwikiを参照下さい。
OveredNOVA

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